JP2008120316A - 浮力調整装置、水中航走体及び浮力調整方法 - Google Patents

浮力調整装置、水中航走体及び浮力調整方法 Download PDF

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孝司 兵頭
Wataru Koderayama
亘 小寺山
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Abstract

【課題】全方位滑走可能な水中航走体等に搭載可能で、重心位置と浮心位置を平面的又は立体的に変化させることなく、浮力の増減を可能にして、浮力調整と重心移動を切り離して制御でき、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができる浮力調整装置とそれを備えた水中航走体及び浮力調整方法を提供する。
【解決手段】浮力調整を行なう浮力調整装置1を、水密区画11から水中へ露出する浮力調整部分12a,13aを有する浮体12,13を移動して、前記浮力調整部分12a,13aが水密区画11外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整を行なうと共に、重心位置と浮心位置の移動を伴わなずに浮力を変化させるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、海洋調査を行う水中航走体等の浮力調整に用いる浮力調整装置とそれを備えた水中航走体、及び、浮力調整方法に関する。
近年、全地球規模における環境変化の予測に関する研究や環境保全に関する研究が行われるようになってきている。これらの研究には地球環境に大きな影響を及ぼす海洋に関する時間的・空間的な観測データが必要となるため、観測機器を係留して観測が行われてきた。
しかしながら、係留方式では水深方向の離散的なデータしか得ることができないという問題や、係留された観測機器を回収するまで計測データを確認できず、係留終了までは観測の成否を確かめることができないという問題や、観測機器を係留するに際して、その設計から投入までに多大な労力、時間、費用が必要になるという問題等があった。
このような問題を解決し、観測対象水域において鉛直空間・時間連続データを取得するために、バーチャルモアリング(係留されることなく観測水域に留まる)用の水中ビークルと呼ばれる水中航走体が開発されつつある。この水中航走体は、長期間連続観測を行うためにエネルギー消費量を極力抑え、また、機械的信頼性を確保するために、潜降したり浮上したりする時はグライディング(滑走:gliding)により移動して、観測水域に留まるように構成される。
この水中航走体は、その機体内部に各種の観測機器を搭載し、バーチャルモアリングを実施する水域の水面と水底とを往復しながら、観測データを収集する。この水中航走体の潜降時及び浮上時に計測された各種の観測データは、水中航走体が浮上した時に、人工衛星を介して電波により基地局に逐次送信される。また、水面浮上時にはGPSにより自機の位置を確認して、潮流等の影響により観測対象の設定水域から外れている場合には、潜降時に機体の運動を制御して設定水域の設定水深に帰還する。
この水中航走体は、定期的に潜降と浮上を繰り返しながら、観測水域の計測を続けるが、計測と計測の間では、水底に機体を着底させて待機し、潮流等により機体が流されることを防ぐ。
この水中航走体の一つとして、例えば、図6〜図8に示すような円盤形状の機体を持ち、機体においては、前後方向等の方向性を持たない全方位滑走可能な水中航走体が開発されている。この水中航走体は、中性浮力により水中に留まるように構成されると共に、搭載した浮力調整装置により浮力を減少又は増加して沈降又は浮上を選択し、この沈降時と浮上時において、搭載した重心移動装置により機体の重心位置を任意の方向に移動することにより、その方向にグライディングするように構成される。
即ち、潜降時には浮力調整装置により浮力を減少させ、重量よりも浮力を小さくすると共に、重心移動装置により機体の重心位置を機体の浮心位置からグライディング方向に移動することにより、機体を傾斜させるモーメントを発生し、機体の姿勢を頭下げの状態にしてその方向にグライディングさせる。また、浮上時には浮力調整装置により浮力を増加させ、重量よりも浮力を大きくすると共に、重心移動装置により重心位置を浮心位置からグライディング方向に移動することにより、機体を傾斜させるモーメントを発生し、機体の姿勢を頭上げの状態にしてその方向にグライディングさせる。この潜降時と浮上時のグライディングによる移動で、水中航走体は対象水域内に留まることができる。また、用途によっては目標位置に移動できる。
この全方位滑走可能な水中航走体の移動を可能にするためには、浮力調整装置が必要となる。この浮力調整装置として、円筒状のチャンバとピストンを有するシリンダ構造の浮力調整装置を水中に露出させて設けて、ピストンを軸線方向に移動させることにより、チャンバ内の浮力調整室の容積を変化させることにより、浮力を変化させる無人潜水機の浮力調整装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
また、船体の側壁に形成された孔部に排水シートを設け、この排水シートを船体の内部側と外部側に移動させたり、ゴム製の蛇腹を伸縮させたりして、船体の排水量を増減し、船体の浮力を調整する潜水玩具用の浮力調整装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、このような浮力調整装置装置は、ピストンの移動に伴って浮心位置および重心位置が変化するため、浮力調整時に水中航走体の重心位置及び浮心位置が変化してしまうので、浮力と重心位置の変更とを独立に制御できず、水中航走体の制御が複雑になり、特に、図6〜図8に示すような可変翼を持たない円盤型の全方位滑走可能な水中航走体には適用が難しいという問題がある。
特開2001−247086号公報 特開2003−135865号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、全方位滑走可能な水中航走体等に搭載可能で、重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減を可能にして、浮力調整と重心移動を切り離して制御でき、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができる浮力調整装置とそれを備えた水中航走体及び浮力調整方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の浮力調整装置は、水密区画から水中へ露出する浮力調整部分を有する浮体を移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整をおこなう浮力調整装置であって、重心位置と浮心位置の上下方向以外の方向の移動を伴わなずに浮力を変化させるように構成される。この構成によれば、水平方向に関して、浮力調整と重心移動を切り離して制御できるようになるので、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができる。
なお、上記の上下方向と水平方向は理解し易くするために仮称しており、浮力調整装置に対して、また、この浮力調整装置を搭載する装置に対しても、特にその方向を特定されることはなく、単に移動を固定する方向を上下方向と称しているに過ぎない。以下も同じである。
また、上記の浮力調整装置において、水密区画から水中へ露出する浮力調整部分を有する浮体を移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整をおこなう浮力調整装置であって、重心位置と浮心位置の上下方向も含む全方向の移動を伴わなずに浮力を変化させるように構成される。この構成によれば、水平方向だけでなく、上下方向に関しても浮力調整と重心移動を切り離して制御できるようになるので、水中航走体の滑走制御をより簡便にすることができる。
上記の浮力調整装置において、互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にして交点Oに対して点対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口を交点Oに対して点対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置が前記交点Oに対して点対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成する。このX軸,Y軸,Z軸の3軸は必ずしもこの浮力調整装置を搭載する水中航走体の軸線と一致させる必要はなく、水中航走体の軸線とは関係無く別個に設けてよい。
この構成によれば、点対称に配置された浮体が点対称に移動するので、対になっている浮体の全体として重心位置と浮心位置とはこの点対称の中心Oから移動しないので、浮力が変化しても、浮力調整装置全体としての重心位置と浮心位置は変化しない。この点対称の構成は比較的容易に形成できるので、上記の重心位置と浮心位置の両方の移動を伴わなずに浮力を変化させる構成を実施できるようになる。
あるいは、前記の浮力調整装置において、互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にしてZ軸に対して線対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口をZ軸に対して線対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置がZ軸に対して線対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成する。このX軸,Y軸,Z軸の3軸は必ずしもこの浮力調整装置を搭載する水中航走体の軸線と一致させる必要はなく、水中航走体の軸線とは関係無く別個に設けてよい。
この構成によれば、線対称に配置された浮体がZ軸に対して線対称に移動するので、重心位置と浮心位置とはXY面に平行に移動するので、一対の浮体の全体としての重心位置と浮心位置はX軸とY軸の座標に関して変化せず、浮力調整装置全体としての重心位置と浮心位置はX軸とY軸の座標に関して変化しない。即ち、平面的な方位に関しては重心位置と浮心位置は変化しない。また、Z軸方向には移動しないので、全方向に対して移動しなくなる。この線対称の構成は比較的容易に形成できるので、上記の重心位置と浮心位置の両方の平面的な方位に関しての移動を伴わなずに浮力を変化させる構成を実施できるようになる。従って、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整装置となる。
あるいは、前記の浮力調整装置において、互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にしてYZ平面に対して面対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口をYZ平面に対して面対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置がYZ平面に対して面対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成する。このX軸,Y軸,Z軸の3軸は必ずしもこの浮力調整装置を搭載する水中航走体の軸線と一致させる必要はなく、水中航走体の軸線とは関係無く別個に設けてよい。
この構成によれば、面対称に配置された浮体がYZ平面に対して面対称に移動するので、重心位置と浮心位置とはX軸上又はX軸に平行に移動するので、一対の浮体の全体としての重心位置と浮心位置はX軸とY軸の座標に関して変化せず、浮力調整装置全体としての重心位置と浮心位置はX軸とY軸の座標に関して変化しない。即ち、平面的な方位に関しては重心位置と浮心位置は変化しない。この面対称の構成は比較的容易に形成できるので、上記の重心位置と浮心位置の両方の平面的な方位に関しての移動を伴わなずに浮力を変化させる構成を実施できるようになる。従って、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整装置となる。この場合はZ軸方向に関して浮心位置が移動する場合も含んでいる。
上記の浮力調整装置において、前記浮力調整部分をXY平面に対称かつZX平面に対称に形成すると、平面的な方位方向だけでなく、Z軸方向に関しての浮心位置の移動がなくなるので、Z軸方向に関しても浮力調整と重心移動を切り離して制御できるようになり、水中航走体の滑走制御をより簡便にすることができる。
更に、上記の浮力調整装置において、前記浮力調整部分を円筒体、楕円筒体、四角柱体、円錐体、角錐のいずれか一つで形成する。これらの形状は比較的簡単に形成することができるので、浮力調整装置の構成が簡略化され、製造も容易となる。
そして、上記の浮力調整装置を備えた水中航走体は、機体の重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減を可能にして、浮力調整と重心移動を切り離して制御でき、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができる水中航走体となる。
本発明の浮力調整方法は、上記の浮力調整装置において、前記浮体を移動させて、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することを特徴とする。この浮力調整方法、及び、この浮力調整方法を用いた水中航走体における浮力調整方法によると、非常に簡単に制御できるので、浮力調整装置の構成が単純化される。また、機体の重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減を可能にして、浮力調整と重心移動を切り離して制御でき、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができる。そのため、水中航走体の位置制御が容易となる。また、重心位置と浮心位置の移動が無く、方向性が無いので、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整方法となる。
本発明の浮力調整装置によれば、浮力調整装置の重心位置と浮心位置を平面的又は立体的に変化させることなく、浮力の増減が可能になる。そのため、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整装置となる。また、この浮力調整装置を備えた水中航走体は、機体の重心位置と浮心位置を平面的又は立体的に変化させることなく、浮力の増減が可能となるので、浮力調整と重心移動を切り離して制御でき、滑走制御を簡便なものにすることができる。
また、本発明の浮力調整方法によれば、浮力調整装置の重心位置と浮心位置を平面的又は立体的に変化させることなく、浮力の増減が可能になる。そのため、この浮力調整装置を備えた水中航走体において、機体の重心位置と浮心位置を平面的又は立体的に変化させることなく、浮力の増減ができるので、浮力調整と重心移動を切り離して制御できる。従って、水中航走体の制御が単純化し、容易となる。
以下、本発明に係る浮力調整装置、水中航走体、及び、浮力調整方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図3に示すように、この浮力調整装置10は、水密区画11から水中に露出する浮力調整部分12a,13aを有する浮体12,13を移動して、浮力調整部分12a,13aが水密区画11の外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整を行なう。
この浮力調整部分12a,13aは、任意の形状でよいが、図1、図2に示すように、互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、この3軸の交点をOとした時に、この交点Oに対して、形状、浮心位置、重量、重心位置が同じ浮力調整部分12aと浮力調整部分13aを対にして交点Oに対して点対称に配置する。なお、この交点Oは必ずしも浮力調整装置1の中心や重心位置や浮心位置である必要は無い。
また、これらの浮力調整部分12a,13aが出入りする水密区画11における浮力調整部分12a,13aと接触する出入口14、15を交点Oに対して点対称になるように形成する。この構成により、出入口14、15から水中に出る浮力調整部分12a,13aの水中露出部分を同じにする。
更に、浮体12、13の重心位置と浮力調整部分12a,13aの浮心位置が交点Oに対して点対称となる状態を維持しながら、浮体12、13を同時に移動して、浮力調整部分12a,13aが水密区画11の外の水中へ露出する量を増減するように構成する。この構成は、次のようにして実施できる。
図3及び図4に示すように、浮体12と浮体13の内部に雌ねじ部を設け、この雌ねじ部に雄ねじのスライド軸16とスライド軸17をそれぞれ螺合して、浮体12と浮体13とを支持すると共に、浮体12をガイド軸18,19Aで、浮体13をガイド軸18,19Bで支持する。これらのガイド軸18、19A,19Bは、浮体12と浮体13を滑らせて往復移動可能に支持すると共に、浮体12と浮体13がスライド軸16、17周りに回転するのを防止する役割を果たす。
このスライド軸16とスライド軸17は、モータ21で駆動される歯車22により、同時に同じ回転速度で逆方向に回転するように構成される。この構成は傘歯車の組合せ機構20で容易に構成できる。このスライド軸16,17の回転により、浮体12と浮体13はスライド軸16、17上を逆方向に同じ速度で移動する。このスライド軸16,17をX軸上に配置することにより、浮体12、13の重心位置と浮力調整部分12a,13aの浮心位置が交点Oに対して点対称となる状態を維持しながら、浮体12、13がスライド軸16,17上(X軸上)を同時に移動することになる。
この浮体12と浮体13が互いに遠ざかるXb方向に移動すると、図1に示すように、水密区画11から浮力調整部分12a,13aの露出量が共に増加し、浮力調整装置1の浮力が増加する。また、この浮体12と浮体13が互いに近づくXa方向に移動すると、図2に示すように、水密区画11から浮力調整部分12a,13aの露出量が共に減少し、浮力調整装置1の浮力が減少する。つまり、浮体12、13の移動によって、浮力調整部分12a,13aが水密区画11の外の水中へ露出する量が増減し、浮力調整装置1の浮力が増減する。
これらの浮体12,13の移動に際して、浮体12の重心位置と浮力調整部分12aの浮心位置と浮体13の重心位置と浮力調整部分13aの浮心位置とは、それぞれ中心Oに対して点対称に移動するので、浮力調整装置1の全体としての重心位置と浮心位置は変化しない。従って、浮力調整装置1としては、装置全体としての重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減を行なうことができる。
次に、上記のような交点Oに対する点対称の構成とは、別の面対称の構成について説明する。図1〜図4の構成は、浮力調整部分12a,12bを円筒形状としているために、両方の構成を満たしている。従って、説明を簡単にするために、同じ図を用いて、説明する。なお、この構成においても、交点Oは必ずしも浮力調整装置1の中心や重心位置や浮心位置である必要は無く、X軸,Y軸,Z軸の各軸のいずれも浮力調整装置1の各軸方向と同一である必要は無い。
この面対称の構成では、浮体12、13の浮力調整部分12a,13aをXY平面に対称かつZX平面に対称に形成する。この形状としては、円筒体、楕円筒体、四角柱体、円錐体、角錐等がある。これらの形状のいずれか一つで形成すると、これらの形状は比較的簡単に形成することができるので、浮力調整装置10の構成が簡略化され、製造も容易となる。
浮体12、13の浮力調整部分12a,13aをXY平面に対称に形成することにより、浮体12,13をYZ平面に対称に移動させた時に(例えば、浮体12,13をX軸上に移動させた時に)、浮心位置がZ軸方向に移動しなくなる。また、ZX平面に対称に形成することにより、浮体12,13をYZ平面に対称に移動させた時に(例えば、浮体12,13をX軸上に移動させた時に)、浮心位置がY軸方向に移動しなくなる。
そして、この浮力調整部分12a,13aをYZ平面に対して対称に配置すると共に、この浮力調整部分12a,13aが出入りする水密区画11における浮力調整部分12a,13aと接触する出入口14、15をYZ平面に対して対称になるように形成する。この構成により、出入口14、15から水中に出る浮力調整部分12a,13aの水中露出部分を同じにする。
そして、浮力調整部分12a,13aの浮心位置と浮体の重心位置がYZ平面に対して対称となる状態を維持しながら、浮体12、13を同時に移動して、浮力調整部分12a,13aが水密区画11の外の水中へ露出する量を増減するように構成する。この構成は、上記で説明した図1〜図4の構成で実施できる。つまり、図1〜図4の構成においては、浮体12,13の移動に際して、浮体12の重心位置と浮力調整部分12aの浮心位置と浮体13の重心位置と浮力調整部分13aの浮心位置とは、それぞれ中心Oに対して点対称に移動すると共に、YZ平面に対して面対称に移動するので、浮体12,13の全体としての重心位置と浮心位置は変化しない。従って、この面対称の構成であっても、浮力調整装置1は、装置全体としての重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減を行なうことができる。
そして、上記の点対称の構成と面対称の構成によれば、水密区画11から露出する浮力調整部分12a,13aを有する浮体12,13を移動して、浮力調整部分12a,13aが水密区画11外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整を行なうことができ、しかも、浮力調整装置10としての重心位置と浮心位置の両方の移動を伴わなずに浮力を変化させる構成とすることができる。また、この点対称の構成及び面対称の構成は比較的容易に形成できるので、重心位置と浮心位置の両方の移動を伴わなずに浮力を変化させる浮力調整装置10を容易に提供できる。この浮力調整装置10は方向性が無いので、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整装置となる。
そして、図5に示すように、この浮力調整装置10を備えて水中航走体1を構成する。この浮力調整装置10を用いると、機体の重心位置と浮心位置を変化させることなく、浮力の増減が可能であるので、浮力調整と重心移動を切り離して制御できるようになる。そのため、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができ、特に水中航走体1が全方位滑走可能な水中航走体の場合にその効果を最大に発揮できる。
なお、この浮体12、13に関するX軸,Y軸,Z軸の3軸は、必ずしもこの浮力調整装置10を搭載する水中航走体1の軸線と一致させると、構成や制御で多くの座標系を使用しなくて済むので好ましいが、必ずしも、一致させる必要はなく、水中航走体1の各軸線とは関係無く設けてよい。
次に、この浮力調整装置10及びこの浮力調整装置10を搭載した水中航走体における浮力調整方法について説明する。この浮力調整方法は、上記の浮力調整装置10において、浮体12,13を移動させて、浮力調整部分12a,13aが水密区画11外の水中へ露出する量を増減する。
この浮力調整方法、及び、この浮力調整方法を用いた水中航走体1における浮力調整方法によれば、非常に簡単に制御できるので、浮力調整装置10の構成が単純化される。また、浮力調整装置10及び水中航走体1の重心位置及び浮心位置が変化しない状態のままで浮力を調整できるので、浮力調整中に、この浮力調整装置10を搭載した水中航走体1が目標の方向とは別の方向に移動するのを防止又は抑制できる。また、浮力調整と重心移動を切り離して制御できる。従って、水中航走体の滑走制御を簡便にすることができ、水中航走体の位置制御が容易となる。また、重心位置、浮心位置の移動が無く、方向性が無いので、全方位滑走可能な水中航走体への搭載に適した浮力調整方法となる。
本発明の実施の形態の浮力調整装置の構成と、浮力調整部分を外側に移動させた状態を模式的に示す斜視図である。 図1の浮力調整装置において、浮力調整部分を内側に移動させた状態を示す模式的な斜視図である。 浮体を移動させる機構を示す斜視図である。 図3の一部分を拡大して示す図である。 浮力調整装置を水中航走体に備えた状態を模式的に示す斜視図である。 全方位滑走可能な水中航走体の側面図である。 全方位滑走可能な水中航走体の斜視図である。 全方位滑走可能な水中航走体の別の角度から見た斜視図である。
符号の説明
1 水中航走体(水中ビークル)
10 浮力調整装置
11 水密区画
12a,13a 浮力調整部分
12,13 浮体
14,15 浮力調整部分と接触する出入口
16,17 スライド軸
18,19A,19B ガイド軸
20 傘歯車の組合せ機構
21 モータ
22 歯車

Claims (8)

  1. 水密区画から水中へ露出する浮力調整部分を有する浮体を移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整をおこなう浮力調整装置であって、重心位置と浮心位置の上下方向以外の方向の移動を伴わなずに浮力を変化させることを特徴とする浮力調整装置。
  2. 水密区画から水中へ露出する浮力調整部分を有する浮体を移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することにより、浮力調整をおこなう浮力調整装置であって、重心位置と浮心位置の上下方向も含む全方向の移動を伴わなずに浮力を変化させることを特徴とする請求項1記載の浮力調整装置。
  3. 互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にして交点Oに対して点対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口を交点Oに対して点対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置が前記交点Oに対して点対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の浮力調整装置。
  4. 互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にしてY軸に対して線対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口をY軸に対して線対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置がY軸に対して線対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の浮力調整装置。
  5. 互いに直交する3軸をX軸,Y軸,Z軸とし、該3軸の交点をOとした時に、水密区画から露出する浮力調整部分を有する浮体を、前記浮力調整部分を対にしてYZ平面に対して面対称に配置すると共に、前記浮力調整部分が出入りする前記水密区画における前記浮力調整部分と接触する出入口をYZ平面に対して面対称になるように形成し、前記浮体の重心位置と前記浮力調整部分の浮心位置がYZ平面に対して面対称となる状態を維持しながら、前記浮体を同時に移動して、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の浮力調整装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の浮力調整装置を備えた水中航走体。
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載の浮力調整装置を備えた浮力調整装置において、前記浮体を移動させて、前記浮力調整部分が水密区画外の水中へ露出する量を増減することを特徴とする浮力調整方法。
  8. 請求項7の浮力調整方法を用いた水中航走体における浮力調整方法。
JP2006308820A 2006-11-15 2006-11-15 浮力調整装置、水中航走体及び浮力調整方法 Withdrawn JP2008120316A (ja)

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