JP2008114516A - ポリオレフィン系発泡フイルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 赤外線遮蔽性能と表面強度に優れたポリオレフィン系発泡フイルムを提供しようとするものである。
【解決手段】 発泡層(A)と第一表面層(C)とこれらの間に設けられた中間層(B)を含み、かつ、発泡層(A)の中間層(B)が積層されていない面に第二表面層(D)が積層された事を特徴とする、4種類以上の層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムであり、発泡層(A)にフィラーを添加することを特徴とし、分光光度計による700nm以上2000nm以下の範囲の赤外光反射率(%R)の平均値が70%以上であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、赤外線遮蔽性能に優れたポリオレフィン系発泡フイルムに関し、さらに詳しくは赤外線遮蔽性能と高い表面強度・良好な外観を両立することを特徴とする、各種包装材料構成要素、例えばアイスクリームやチョコレートなどの冷菓の包装材料として使用する場合や、工業用途として使用した場合に有用な赤外線遮蔽性能に優れたポリオレフィン系発泡フイルムに関するものである。
一般的に、包装材料は、内容物の種類等の目的・用途に応じて隠蔽性、バリア性、美観性、断熱性などの性質を考慮し、適当な素材・構成が選択される。
特に、包装材料としての重要な特性として隠蔽性が挙げられる。包装用フイルムの隠蔽性付与の方策として(1)印刷、(2)顔料や着色剤等の練り込み、添加、(3)発泡剤添加による延伸時の発泡の利用などが挙げられるが、クッション性、断熱性も合わせて付与出来る方法として発泡剤の添加は主流の一つといえる。(例えば、特文献1等参照)。
特開昭55−126056号公報
以上のような用途において、表面強度の向上も非常に重要である。特に近年、商品表示用のラベルとして紙に代わってポリマーフイルムが用いられており、紙に対して有利な点としては、水濡れに強い点、印刷などによる意匠性が優れている点、表面にテープなどの粘着物質を貼付し剥離・再貼付出来る点、そして貼付したラベルが再剥離可能な点等が挙げられる。これは昨今の環境問題対策におけるゴミの分別リサイクルにおいて、また、用途によっては何度も貼付、剥離が可能な事が重要な利点として挙げられている。例えば特許文献2では、ポリプロピレン系樹脂を基材とし、その表面に印刷し、裏面に粘着剤層を設けたディレードラベルについて紹介している。
特3514819号
一方、断熱性の向上方策として、赤外線を遮蔽する事が効果的であることは広く知られている(例えば、特文献3等参照)。
特開2001−161178号公報 また赤外線遮蔽性能は特に各種工業用途において有用であることも知られている(例えば、特文献4、5等参照)。 特開2000−212480号公報 特開2002−254866号公報
上記で述べたように、包装材料・工業材料として、断熱性を有する発泡フイルムにおいて、赤外線遮蔽性能と表面強度の向上は最も重要な特性の一つであるが、これらを高い水準で両立するフイルムのデザインは難しく、例えば商品表示用のラベル等に使用するには十分満足できるものではなかった。
すなわち、特許文献1に記載されている発泡フイルムでは、発泡により発生したボイドのため、非発泡フイルムと比較して層間強度が低いため、表面強度が低下してしまう。また、赤外線を遮蔽するには、一般的に高価な無機酸化物の添加かコーティングをせざるを得ず、特に包装用途としては実用化するには製造コストが高くなりすぎるという問題があった。
特に発泡フイルムの弱点として、表面強度の弱さと合わせて、光沢感のなさが挙げられる。たとえば発泡層が表面に露出している場合に印刷すると、インキの吸収が発生し、光沢感のない、美しくない外観になってしまう。
本発明は、上記の様な事情に着目してなされたものであり、その目的は、赤外線遮蔽性と表面強度に優れたポリオレフィン系発泡フイルムを提供しようとするものである。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムは、発泡層(A)と第一表面層(C)とこれらの間に設けられた中間層(B)を含み、かつ、発泡層(A)の中間層(B)が積層されていない面に第二表面層(D)が積層された事を特徴とする、4種類以上の層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムであって、前記発泡層(A)にフィラーを添加することを特徴とし、分光光度計による700nm以上2000nm以下の範囲の赤外光反射率(%R)の平均値が70%以上であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルム。
この場合において、該発泡層(A)に添加する赤外線遮蔽効果を有するフィラーが、二酸化チタンであることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記中間層(B)、第二表面層(D)に含まれる、冷キシレン可溶分が3重量%以下でありメルトフローレートが5g/10分以下であるプロピレンα−オレフィン共重合体の含量が30wt%〜70wt%である事が好適である。
この場合において、前記また、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)のそれぞれの層構成がフイルム全体厚みの10〜40%、20〜70%、10〜40%、5〜20%であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルム。
本発明のポリオレフィン系発泡フイルムは、赤外線遮蔽性と表面強度に優れるという利点がある。
以下、本発明の赤外線遮蔽性能に優れたポリオレフィン系発泡フイルムの実施の形態を説明する。
本発明における発泡層(A)と第一表面層(C)の間に中間層(B)を設け、かつ、発泡層(A)の中間層(B)が積層されていない面に第二表面層(D)が積層された事を特徴とする、4種類以上の層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムの発泡層(A)に使用されるベースポリマーは、プロピレンを主たるモノマー単位として含むものであり、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめた共重合体を使用することができる。該共重合体においてはプロピレンが90モル%以上の重合体であることが好ましい。また上記ポリプロピレン樹脂はメルトインデックス(MI、JIS−K−7210;230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、特に1〜15g/10分のものが好ましい。また融点は一般的に120〜180℃、好ましくは150〜170℃である。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの発泡層(A)に使用される発泡剤としては、炭酸カルシウム、シリカ等の無機系フィラー、ポリメチルアクリレート等の有機系フィラーが好ましい。特に好ましくは炭酸カルシウムである。また、発泡剤の配合量としては8重量%〜18重量%が好ましく、特に10重量%〜15重量%であることが好ましい。発泡剤が8重量%未満では良好な発泡が得られず、低比重化、隠蔽化が困難となり、18重量%より多いとボイド率が高すぎ、層間強度が悪化する。
粒径としては1μm〜10μmが好ましく、特に1.5μm〜5μmが好ましい。1μm以下ではボイドが発生しにくく、10μm以上では凝集物による外観不良が発生する。粒子径はマイクロトラック HRA X−100にて測定した。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの発泡層(A)には赤外線遮蔽効果を有する無機微細粒子を配合することが必須である。無機微細粒子としては、二酸化チタン、酸化タングステンなどが挙げられる。コスト面から二酸化チタンが特に好ましい。
添加量としては12wt%〜24wt%が好ましく、更に好ましくは15wt%〜20wt%である。12 wt%よりも少ないと赤外線遮断効果が発揮されず、24wt%以上では製膜性が悪化する。また粒径としては400nm〜1500nmが好ましく、特に500nm〜1000nmが好ましい。400nm以下では赤外線遮断効果を発揮しにくく、1500nm以上では凝集物によるブツ発生などの悪さがある。粒子径はマイクロトラック HRA X−100にて測定した。
また、これら無機微細粒子表面に各種の表面処理を施すことも可能であり、また、これらは単独で使用し得るほか、2種以上を併用することも可能である。
また、通常ポリオレフィンフイルムに配合される公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、可塑剤も適宜配合できる。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの中間層(B)に使用されるポリマーとしては、冷キシレン可溶分が3重量%以下でありメルトフローレートが5g/10分以下であるプロピレンα−オレフィン共重合体を一種類以上含有する事が必要である。このプロピレンα−オレフィン共重合体を用いることによって、従来使用されている、プロピレン単独共重合体を用いる場合に比べ、結晶性が小さい為、柔らかく、発泡層(A)と表面層(C)を柔軟に結びつけ、表面強度が格段に向上する。
そもそも(A)層は腰感を付与するためにホモポリマー主体の硬い樹脂をベースにしており、一方、(C)層は表面平滑性を付与するためにコポリマー主体の柔らかい樹脂を主体としており、両層の層間強度は強くない。そこでホモポリマー、コポリマー両方からなる組成の層を中間に配することで、フイルム全体の層間強度を向上させることが技術のベースとなっている。
ここで、冷キシレン可溶分が3重量%を越えるプロピレンα−オレフィン共重合体のみで中間層が形成される場合は、中間層中の結晶成分が少な過ぎる為中間層の腰がなく、表面強度の低下、フイルムのカールが発生する。同様にメルトフローレートが5g/10分を越える場合も中間層中のポリマー鎖が短い事に起因して中間層の腰がなくなり、表面強度の低下、フイルムのカールが発生することとなる。
また、冷キシレン可溶分が3重量%以下でありメルトフローレートが5g/10分以下であるプロピレンα−オレフィン共重合体の含量が30wt%〜70wt%である事が好ましい。30wt%以下では樹脂の柔軟性が劣り、表面強度の向上は得ることが出来ない。また、70wt%以上では腰感が無くなり、裂けやすく製膜性が悪く、また、結晶成分が少な過ぎる為中間層の腰がなく、表面強度が低下する。冷キシレン可溶分の測定方法としては、試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した。その重量を測定して重量%を求め冷キシレン可溶分とした。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの中間層(B)には本発明の効果を損なわない範囲であれば、隠蔽性、生産性等を向上させる手段として、無機質あるいは有機質の微細粒子を配合することも可能である。無機質微細粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト等が挙げられ、これらの形状は、球状、楕円状、円錐状、不定形と種類を問うものではなく、その粒子径もフイルムの用途、使用法により所望のものを使用配合することができる。ただし、延伸によりベース樹脂との界面でボイドを発生させる物質は配合できない。
表面層(C)に使用されるベースポリマーは、プロピレンを主たるモノマー単位として含むものであり、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめた共重合体を使用することができる。また上記ポリプロピレン樹脂はメルトインデックス(MI、JIS−K−7210;230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、特に1〜15g/10分のものが好ましい。融点は一般的に100〜180℃、好ましくは110〜170℃である。また、該表面層(C)においては実質的に発泡していないことが必要である。表面層が発泡することで、ボイドにより表面強度が弱くなってしまう。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの第二表面層(D)に使用されるベースポリマーは、プロピレンを主たるモノマー単位として含むものであり、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめた共重合体を使用することができる。該共重合体においてはプロピレンが90モル%以上の重合体であることが好ましい。また上記ポリプロピレン樹脂はメルトインデックス(MI、JIS−K−7210;230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、特に1〜15g/10分のものが好ましい。融点は一般的に120〜180℃、好ましくは150〜170℃である。また、該第二表面層(D)においては実質的に発泡していないことが必要である。表面層が発泡することで、ボイドにより表面強度が弱くなってしまう。
本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムの第二表面層(D)には本発明の効果を損なわない範囲であれば、隠蔽性、滑り性、生産性等を向上させる手段として、無機質あるいは有機質の微細粒子を配合することも可能である。無機質微細粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト等が挙げられ、これらの形状は、球状、楕円状、円錐状、不定形と種類を問うものではなく、その粒子径もフイルムの用途、使用法により所望のものを使用配合することができる。ただし、延伸によりベース樹脂との界面でボイドを発生させる物質は配合できない。
この時のフイルム厚みは、その用途や使用方法によって異なるが、包装フイルムとしてのポリプロピレン系発泡フイルムは一般的に10〜200μm程度であり、機械的強度やハンドリングの点において、より好ましくは、20〜150μm程度である。また、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)、第一表面層(C)のそれぞれの層構成がフイルム全体厚みの10〜40%、20〜70%、10〜40%、5〜20%が好ましい。この場合、発泡層(A)の厚みが薄い場合、発泡不足となり、低比重化できず、一方、厚みが厚い場合ボイド率が増加し、層間強度の低下を招く。また、中間層(B)の厚みが薄いと、層間強度が低下し、厚みが厚いと発泡不足となり、低比重化できない。第一表面層(C)の厚みが薄い場合、表面強度の低下が起こり、一方、厚みが厚い場合発泡不足となり、低比重化できない。第二表面層(D)の厚みについても厚みが薄いと光沢性低下して外観悪化し、厚みが厚いと発泡不足となり、低比重化できない。
尚、本発明における樹脂組成にて第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)の4層から構成された赤外線遮蔽性能に優れたポリオレフィン系発泡フイルムを製膜する方法は、特に限定されるものではなく、通常の押し出し機、例えばTダイ法などで原反を製膜し、適宜、所望の温度、倍率で延伸することができる。例えば、一般的なポリオレフィンの場合の製膜条件となんら変わるものではなく、押し出し温度150〜300℃の温度で溶融押し出しした樹脂組成物を10〜100℃の冷却ロールで固化させたシートに延伸を施すことによって得られる。
但し、本発明のフイルムは3種類以上の樹脂層を積層することが必須であり、その積層方法は、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)をそれぞれ別々の押し出し機より溶融混錬し、Tダイ内で積層した上で押し出すことが好ましい実施態様である。
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
上述の方法により、今回発明したポリオレフィン系発泡フイルムは以下の組成となることが必須である。すなわち、本願発明のポリオレフィン系発泡フイルムは、発泡層(A)と第一表面層(C)とこれらの間に設けられた中間層(B)を含み、かつ、発泡層(A)の中間層(B)が積層されていない面に第二表面層(D)が積層された事を特徴とする、4種類以上の層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムであって、前記発泡層(A)にフィラーを添加することを特徴とし、分光光度計による700nm以上2000nm以下の範囲の赤外光反射率(%R)の平均値が70%以上であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルムであって、該発泡層(A)に添加する赤外線遮蔽効果を有するフィラーが、二酸化チタンであって、中間層(B)、第二表面層(D)に含まれる、冷キシレン可溶分が3重量%以下でありメルトフローレートが5g/10分以下であるプロピレンα−オレフィン共重合体の含量が30wt%〜70wt%であり、また、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)のそれぞれの層構成がフイルム全体厚みの10〜40%、20〜70%、10〜40%、5〜20%であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルムである。
次に本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しないかぎり以下の実施例に限定されるものではない。尚、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
(赤外線遮蔽率)
分光光度計により700nm〜2000nmにおける、反射率(%R)を測定。最小値を算出した。
(遮熱試験)
温度計を内蔵した発泡スチロール製の箱の上部に試験フイルムを乗せ、その上から赤外線ランプで照射し、内部温度の上昇を経時で確認した。ランプとサンプルの距離は8cmとし、箱上部と内部温度計検出端の間は13cmとした。初期温度を23℃とし、ランプ照射20分後の上昇温度を測定した。
(表面強度)
セロテープ(登録商標)(ニチバン製 18mm幅)をフィルムサンプルに貼着後、急激剥離し、層間剥離もしくは凝集破壊の有無・程度を目視で確認する。剥離角度は試験サンプルを平面に保ち約150°方向で実施した。
クラス5・・・全体が剥離または凝集破壊した。
クラス4・・・ほとんどが剥離または凝集破壊した。
クラス3・・・半分程度が剥離または凝集破壊した。
クラス2・・・ほとんどが剥離または凝集破壊しない。
クラス1・・・全く剥離または凝集破壊しない。
(比重)
サンプルを280mm×400mmのサイズにカットし、化学天秤にて重さを測定する。その後ダイヤルゲージを用いて厚みを測定する。それらの結果を以下の式に当てはめ算出する。
見かけ比重(g/cm)=重さ(g)/(面積(cm)×厚み(μm))
(冷キシレン可溶分)
試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した。その重量を測定して重量%を求め冷キシレン可溶分とした
(メルトフローレート:MFR)
JIS K6758に示されるポリプロピレン試験方法(230℃、21.18N)に準拠して測定した。
(粒子径測定)
マイクロトラック HRA X−100にて測定。
(光沢感)
第二表面層における光沢感をJIS K7105に準拠して測定した(45°)。
(実施例1)
本実施例としては、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)の4層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムであり、第二表面層(D)と中間層(B)は、同一の押出し機から押出しし、ダイス前のアダプターにて分流させた同一の樹脂組成物からなる構成である。詳細には一方の押し出し機より発泡層(A)としてポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、冷キシレン可溶分3.3重量%)60重量部、炭酸カルシウム含有マスターバッチ(ポリプロピレン(MFR=2.5g/10分、冷キシレン可溶分3.3重量%)40%、炭酸カルシウム(備北粉化工業PO150B−10)60%)20重量部、赤外線遮蔽効果を有する二酸化チタンマスターバッチ(大日本インキ化学工業 L−11124M:チタン含量60wt%、平均粒径1000nm)20重量部を混合後、250℃の樹脂温度で溶融押し出しし、もう一方の押し出し機により第二表面層(D)及び中間層(B)として、ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、冷キシレン可溶分3.3重量%)20重量部、ポリプロピレン単独重合体(MFR=7.0g/10分、冷キシレン可溶分3.6重量%)30重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(MFR=3g/10分、エチレン成分2.5%、ブテン成分7%、冷キシレン可溶分1.6重量%)50重量部を260℃の樹脂温度にて溶融押し出しし、さらにもう一方の押し出し機より表面層(C)として、ポリプロピレン単独重合体(MFR=2.5g/10分、冷キシレン可溶分3.3重量%)30重量部、ポリプロピレン単独重合体(MFR=7.0g/10分、冷キシレン可溶分3.6重量%)70重量部、を260℃の樹脂温度で溶融押し出しし、Tダイ内にて、第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)を積層し、80℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。引き続き、120℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用してタテ方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、ヨコ方向に9.0倍の延伸を行った上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフイルムを得た。最終的なフイルム厚みは、40μmである。また第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)のそれぞれの層構成が第二表面層10μm、発泡層28μm、中間層10μm、第一表面層2μm合計40μmの4層フイルムを得た。
本フイルムは、高い赤外線遮蔽率と表面強度を両立し、かつ、表面光沢の良好なサンプルを得た。フイルムの特性値を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、発泡層(A)の二酸化チタンマスターバッチを大日本インキ化学工業 L−11145M(チタン含量60wt%、平均粒径200nm)とした以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。本フイルムは実施例1のフイルムと比較し、赤外線遮蔽性能が劣る結果となった。フイルムの特性値を表に示す。
(比較例2)
実施例1において、発泡層(A)、中間層(B)、第一表面層(C)の3層構成に変更した以外は全く同様の方法でサンプルを得た。本フイルムは実施例1のフイルムと比較し、光沢性悪く、外観の悪いフイルムとなった。またテープ剥離評価の結果、発泡面の強度が若干弱いフイルムとなった。特性値を表に示す。
(比較例3)
実施例1において、中間層(B)の配合組成を、炭酸カルシウム含有マスターバッチ(ポリプロピレン(MFR=2.5g/10分、冷キシレン可溶分3.3重量%)40%、炭酸カルシウム(備北粉化工業PO150B−10)60%)20重量部、ポリプロピレン単独重合体(MFR=7.0g/10分、冷キシレン可溶分3.6重量%)30重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(MFR=3g/10分、エチレン成分2.5%、ブテン成分7%、冷キシレン可溶分1.6重量%)50重量部とした以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。本フイルムは実施例1のフイルムと比較し、表面強度が弱く、また光沢感も悪いものとなった。フイルムの特性値を表に示す。
(比較例4、5)
実施例1において、中間層(B)、第二表面層(D)に配合するプロピレンαオレフィン共重合体の種類を表1に示すとおり変えた以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。本フイルムは実施例1のフイルムと比較し、表面強度が弱いだけでなく、腰感が無く、破れ易く、カールの激しいものとなり、フイルム取り扱い時の作業性が悪いものとなった。フイルムの特性値を表に示す。
(比較例6)
実施例1において、層構成が、第二表面層が3μm、発泡層32μm、中間層3μm、第一表面層2μm合計40μmとなる4層フイルムを得た。本フイルムは、表に示すとおり、表面強度の弱いフイルムとなった。
上記結果を表1、表2、表3に示す。
Figure 2008114516
Figure 2008114516
Figure 2008114516
本発明の赤外線遮蔽性能の良好なポリオレフィン系発泡フイルムは、赤外線遮蔽性能と表面強度・光沢感の向上を両立する包装材料・工業用途に好適なフイルムである。

Claims (4)

  1. 発泡層(A)と第一表面層(C)とこれらの間に設けられた中間層(B)を含み、かつ、発泡層(A)の中間層(B)が積層されていない面に第二表面層(D)が積層された事を特徴とする、4種類以上の層から構成された積層ポリオレフィン系発泡フイルムであり、発泡層(A)にフィラーを添加することを特徴とし、分光光度計による700nm以上2000nm以下の範囲の赤外光反射率(%R)の平均値が70%以上であることを特徴とするポリオレフィン系発泡フイルム。
  2. 該発泡層(A)に添加する赤外線遮蔽効果を有するフィラーが、二酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系発泡フイルム。
  3. 中間層(B)、第二表面層(D)に含まれる、冷キシレン可溶分が3重量%以下でありメルトフローレートが5g/10分以下であるプロピレンα−オレフィン共重合体の含量が30wt%〜70wt%である事を特徴とする請求項2記載のポリオレフィン系発泡フイルム。
  4. 第二表面層(D)、発泡層(A)、中間層(B)及び第一表面層(C)のそれぞれの層構成がフイルム全体厚みの10〜40%、20〜70%、10〜40%、5〜20%であることを特徴とする請求項2記載のポリオレフィン系発泡フイルム。
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