JP2008100854A - SiC単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多結晶化を起こすことなく、平坦な成長表面を持つSiC単結晶が安定して得られるSiC単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】黒鉛るつぼ102内のSi融液L内に内部から融液面に向けて温度低下する温度勾配を維持しつつ、引き上げ軸108の下端に保持したSiC種結晶110の下面Bを融液Lに接触させ、下面Bを起点としてSiC単結晶を成長させる装置において、引き上げ軸108は、自己の軸心X周りに回転可能であり、軸心Xに沿う上半部Pと軸心Xから偏向した部分を含む下半部Qとを有し、引き上げ軸108の下半部Qの下端にあるSiC種結晶保持部は、SiC種結晶110を軸心Xと交差しない偏心位置に保持可能であり且つ引き上げ軸108の軸心X周りの回転により軸心Xを中心とする水平な円周上を周回可能であるSiC単結晶の製造装置。
【選択図】図1
【解決手段】黒鉛るつぼ102内のSi融液L内に内部から融液面に向けて温度低下する温度勾配を維持しつつ、引き上げ軸108の下端に保持したSiC種結晶110の下面Bを融液Lに接触させ、下面Bを起点としてSiC単結晶を成長させる装置において、引き上げ軸108は、自己の軸心X周りに回転可能であり、軸心Xに沿う上半部Pと軸心Xから偏向した部分を含む下半部Qとを有し、引き上げ軸108の下半部Qの下端にあるSiC種結晶保持部は、SiC種結晶110を軸心Xと交差しない偏心位置に保持可能であり且つ引き上げ軸108の軸心X周りの回転により軸心Xを中心とする水平な円周上を周回可能であるSiC単結晶の製造装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶液法によるSiC単結晶の製造装置および製造方法に関する。
SiCはSiに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、半導体材料等として適した高品位のSiC単結晶の製造技術が種々提案されている。SiC単結晶の製造方法としてはこれまでに多種多様な方法が試行されているが、昇華法と溶液法が現在最も一般的である。昇華法は成長速度は大きいがマイクロパイプ等の欠陥や結晶多形の変態が生じ易いという欠点があり、これに対して成長速度は比較的遅いがこれらの欠点の無い溶液法が有望視されている。
溶液法によるSiC単結晶の製造方法は、黒鉛るつぼ内のSi融液内に内部から融液面へ向けて温度低下する温度勾配を維持する。下方の高温部で黒鉛るつぼからSi融液内に溶解したCは主として融液の対流に乗って上昇し融液面近傍の低温部に達して過飽和になる。融液面の直下には黒鉛棒の先端にSiC種結晶が保持されており、過飽和となったCがSiC種結晶上でエピタキシャル成長によりSiC単結晶として結晶化する。
溶液法では、結晶成長表面に多数の成長丘が生成し、各成長丘からばらばらに単結晶が成長して多結晶化が起き易いため、これを防止して平坦な成長表面を持つ単一の単結晶を安定して得るために、特別な配慮が必要である。
多結晶化の主な原因の一つとして、結晶成長表面での過剰なC過飽和度が考えられる。結晶成長表面でのC過飽和はSiC結晶が生成するための駆動力として必要である。しかし、C過飽和度が高くなり過ぎると、結晶の核発生が不安定になり多結晶化が起きる。
その対策として特許文献1には、溶液法によりSiC単結晶を成長させる際に、融液内に下方へ向かう縦磁場を印加することにより融液内の対流を抑制し、対流により種結晶付近へ過剰なCが供給されるのを防止することが提案されている。
しかし上記提案の方法は、磁場コイルを設置する等の大掛かりな設備改造が必要であるため、コストが高くなるばかりでなく、改良のための設備改修も困難になる、という問題があった。
本発明は、多結晶化を起こすことなく、平坦な成長表面を持つSiC単結晶が安定して得られるSiC単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のSiC単結晶の製造装置は、黒鉛るつぼ内のSi融液内に内部から融液面に向けて温度低下する温度勾配を維持しつつ、引き上げ軸の下端に保持したSiC種結晶の下面を該融液に接触させ、該下面を起点としてSiC単結晶を成長させる装置において、
引き上げ軸は、自己の軸心周りに回転可能であり、該軸心に沿う上半部と該軸心から偏向した部分を含む下半部とを有し、
上記引き上げ軸の下半部の下端にあるSiC種結晶保持部は、該SiC種結晶を上記軸心と交差しない偏心位置に保持可能であり且つ上記引き上げ軸の軸心周りの回転により該軸心を中心とする水平な円周上を周回可能であることを特徴とする。
引き上げ軸は、自己の軸心周りに回転可能であり、該軸心に沿う上半部と該軸心から偏向した部分を含む下半部とを有し、
上記引き上げ軸の下半部の下端にあるSiC種結晶保持部は、該SiC種結晶を上記軸心と交差しない偏心位置に保持可能であり且つ上記引き上げ軸の軸心周りの回転により該軸心を中心とする水平な円周上を周回可能であることを特徴とする。
本発明のSiC単結晶の製造方法は、上記本発明の装置を用いて、上記引き上げ軸を回転させることにより、上記保持部に保持したSiC種結晶の下面を上記融液に接触した状態で水平な円周上を周回させつつ上記SiC単結晶を成長させることを特徴とする。
本発明の方法は、SiC種結晶の下面(結晶成長表面)をSi融液(CのSi溶液)に接触した状態で水平な円周上を周回させることにより、SiC結晶成長に伴い結晶成長表面に隣接して時々刻々連続して生成する過剰なC過飽和度の融液領域から結晶成長表面が常に引き離されて適正なC過飽和度の融液との接触が維持されるので、結晶成長表面近傍での過剰なC過飽和に起因する結晶核の多発による多結晶化が防止され、平坦性の優れた成長表面を持つSiC単結晶が安定して得られる。
本明細書中において「結晶成長表面」とは、単結晶成長開始時点では種結晶の下面であり、それ以降は成長中の単結晶の下面(成長前面)である。
既に述べたように、溶液法で発生し易い多結晶化の原因は、結晶成長表面に多数の成長丘が発生し、各成長丘からばらばらに単結晶が成長することである。本発明者はその原因になる機構として、結晶成長表面近傍での融液(CのSi溶液)のC過飽和度の観点から、下記のように考えた。
SiC結晶の生成の駆動力として結晶成長表面近傍で融液(CのSi溶液)のC過飽和度は十分に高い必要がある。ここで十分とは、実際の結晶成長を安定して持続させるために、新たに生成するSiC結晶に組み込まれる化学量論組成のC量ではなく、これに対して必ず過剰なC量を融液中に維持する必要があることを意味する。過飽和度が十分かつ適切な範囲内で維持されていれば、多結晶化せずに安定に単結晶成長が持続する。しかし過飽和度が十分ではあるが過剰になると、いわゆる組成的過冷が大きくなり、結晶核が多発して多結晶化が起きる。
本発明者は、このように結晶成長表面近傍でのC過飽和度の過剰が極めて限定された領域である点に着目した。
本発明の特徴は、SiC種結晶の下面(結晶成長表面)をSi融液(CのSi溶液)に接触した状態で水平な円周上を周回させることにより、SiC結晶成長に伴い時々刻々連続して生成する過剰なC過飽和度の融液領域から結晶成長表面を常に引き離して適正なC過飽和度の融液との接触を維持する。その結果、組成的過冷の進行が防止されるので、結晶成長表面近傍での過剰なC過飽和に起因する結晶核の多発による多結晶化が防止され、平坦性の優れた成長表面を持つSiC単結晶が安定して得られる。
図1を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1(1)に、本発明のSiC単結晶の製造方法を行なうための溶液法単結晶成長装置の縦断面を模式的に示す。
成長装置100は、黒鉛るつぼ102の周囲を取り巻く加熱手段104によりるつぼ102内にSi融液Lを形成・維持し、引き上げ軸108の下端にSiC種結晶110を保持する。加熱手段104は上下方向の複数部位の加熱パワーをそれぞれ独立に制御できるようになっており、これにより黒鉛るつぼ102内のSi融液内に内部から融液面Sに向けて温度低下する温度勾配を維持する。加熱手段104は、電気抵抗加熱方式または高周波誘導加熱方式であってよい。原料のSiを黒鉛るつぼ102に装入し、加熱手段104により1700〜2000℃の範囲の所定温度に加熱してSiを溶融させる。以上の各構成要素から成るアセンブリ全体が断熱性の密封容器112内に収容されており、容器112内の空間114はArガス等の不活性雰囲気で満たされている。
ここで本発明の特徴は、引き上げ軸108の構造および作動にある。引き上げ軸108は、図1(1)、(2)に示すように、軸心Xに沿った上半部Pと、軸心Xから偏向した下半部Qとから成る。下半部Qの下端にはSiC種結晶の保持部(図示せず)があって、SiC種結晶110を軸心Xと交差しない偏心位置Y(図1(2))に保持する。
SiC単結晶の成長を開始するには、図1(1)中に示した矢印dのように引き上げ軸108を下降させて、図1(2)のように種結晶110の下面Bを融液面Sに接触させる。詳しくは、種結晶110の下面Bは融液面Sから融液L内に僅かに浸漬した状態にして接触を安定に確保する。
この状態で引き上げ軸108が軸心X周りに回転することにより、下半部Qは軸心Xを回転中心とする円錐面上を形成しながら回転し、下半部Qの下端に保持された種結晶110は融液Sとの接触を維持しつつ軸心Xを中心とする水平な円周上を周回する。
結晶成長表面の直近領域の融液L中には、SiC単結晶の成長に伴って化学量論組成に対して過剰なCが結晶に組み込まれずに取り残されるので、元々結晶成長の駆動力として必要なC過飽和度に加えて、意図しない過剰なCが常に時々刻々加入されており、それによってC過飽和度が適正範囲を超えて過剰になり易い。
従来装置では、図2(1)に示すように引き上げ軸108Aが単純な直線形状であり、図2(2)に示すようにそのまま下降させて種結晶110の下面Bを融液Lの表面Sに接触させて静置し、SiC単結晶の成長を行なっていた。そのため、上述した過剰なC過飽和度(組成的過冷)の直近領域が形成されると、結晶成長表面は直ちにその影響を受けて、SiC結晶核の多発が誘起され、多結晶化が容易に起きていた。
これに対して図1に示した本発明の装置によれば、結晶成長表面(種結晶下面B)は、融液Lの表面Sを周回することにより、C過飽和度が過剰になっている直近領域から常に引き離され、C過飽和度が適正範囲内にある新鮮な融液Lとの接触が維持されるので、過剰なC過飽和度(組成的過冷)の影響を受けることがなく、SiC結晶核の多発による多結晶化が起きることがない。
なお、Si―C系におけるSiC結晶の生成は包晶反応によるため、結晶成長表面近傍の融液LではC欠乏が起きて逆にC過飽和度の低下が起きる可能性もある。本発明により種結晶を周回させることにより、常に結晶成長表面近傍のC濃度を適正な過飽和度に維持できるので、平坦成長を維持しつつ高速成長を実現することも可能である。
SiC種結晶110の下面Bを起点とするSiC単結晶の成長原理自体は、従来技術も本発明も違いはない。黒鉛るつぼ102は、本来のるつぼとしての機能に加えて、Si融液L中へのCの供給源としての機能をも併せ持っている。融液Lの高温部(下方寄り部分)でるつぼ102から溶け込んだCは、るつぼ102内で対流および拡散によって融液Lの低温部(融液面S寄り部分)に達すると過飽和となる。引き上げ軸108を矢印dのように下降させてSiC種結晶110を融液Lに接触させた状態に保持しておくと、Cが過飽和となっている融液面Sに接触しているSiC種結晶110の下面B上にSiCが晶出し、晶出したSiC単結晶の下面に更にSiC単結晶が引き続き晶出することにより、SiC単結晶が種結晶110の下面Bから下方へ成長する。実際には、この下方への成長と同期する速度で引き上げ軸108を矢印gのように上昇させ、SiC単結晶の下面(結晶成長表面)を常に融液L内上下方向の一定位置に維持する。なお、るつぼ102内にはSi融液Lを溶媒としCを溶質とする溶液が形成されているが、この溶液には種々の目的でC以外の元素を少量添加することもできる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕
図1(1)に示した成長装置100を用い、図1(2)に示したように種結晶110を周回させて、SiC単結晶の成長を行なった。軸心Xからの偏心量hは12.5mmとし、周回の周速度は0.78m/minとした。加熱温度は1750℃とし、成長時間5時間とした。なお、加熱温度は浸漬深さ0mmの位置で測定した温度である。
図1(1)に示した成長装置100を用い、図1(2)に示したように種結晶110を周回させて、SiC単結晶の成長を行なった。軸心Xからの偏心量hは12.5mmとし、周回の周速度は0.78m/minとした。加熱温度は1750℃とし、成長時間5時間とした。なお、加熱温度は浸漬深さ0mmの位置で測定した温度である。
得られた結果を図3に種結晶110付近の外観写真で示す。本発明により周回させつつ成長を行なったことにより、平坦な結晶成長表面を有するSiC単結晶が得られた。
比較のために、図2に示す従来装置により種結晶の周回を行なわずに静置させて成長を行なったが、多結晶化が起きてしまった。C過飽和度を低くして成長を行なったところ、多結晶化は防止できたが、成長速度は本発明に比べて50%程度低下してしまった。
なお、本実施例において用いた引き上げ軸108の形態は、図1(2)のように軸心Xに沿った直線状の上半部Pと軸心Xから直線状に偏向した下半部Qとから成る形態であった。しかし、下半部Qはそれ自体が軸心Xから偏向している必要はなく、軸心Xから偏向している部分を含んでいれば良い。
図4に、引き上げ軸108の形態上のバリエーションを示す。
図4(2)に示した形態が、本実施例で用いた形態であり、下半部Q自体が軸心Xから直線状に偏向した形態である。SiC種結晶110の保持部Hは軸心Xからの偏心量hの偏心位置Yにあり、保持されたSiC種結晶110は軸心Xと交差しない。
図4(1)に示した形態は、下半部Qは上半部Pと直線状に連なっており、それ自体は軸心Xから偏向していないが、下端の外周寄りにある種結晶110の保持部が軸心Xから偏心量zだけ偏向した位置にある。この形態の場合の下半部Qは、実際上は下端の保持部Hのみを指すことになる。SiC種結晶110の保持部Hは軸心Xからの偏心量hの偏心位置Yにあり、保持されたSiC種結晶110は軸心Xと交差しない。
図4(3)に示した形態は、下半部Q自体が軸心Xから偏向した屈曲形状をしている形態である。SiC種結晶110の保持部Hは軸心Xからの偏心量hの偏心位置Yにあり、保持されたSiC種結晶110は軸心Xと交差しない。
図4(1)(2)(3)の引き上げ軸108を縦貫する孔は熱電対などのセンサーを挿入するためのものである。
更に別の形態として、図5に示すように、引き上げ軸108は、加工上の便宜などの理由により、偏向下半部Qが円錐状であってもよい。SiC種結晶110の保持部Hは軸心Xからの偏心量hの偏心位置Yにあり、保持されたSiC種結晶110は軸心Xと交差しない。
〔実施例2〕
本発明のSiC単結晶製造装置は、融液Lおよびその上部の空間を含む黒鉛るつぼ102内の温度を狙い通りに保持するために、黒鉛るつぼ102の上端を覆う断熱用の蓋を用いることが一般的である。
〔実施例2〕
本発明のSiC単結晶製造装置は、融液Lおよびその上部の空間を含む黒鉛るつぼ102内の温度を狙い通りに保持するために、黒鉛るつぼ102の上端を覆う断熱用の蓋を用いることが一般的である。
本実施例では、引き上げ軸108の形態が図4(2)(3)、図5に示したように軸心Xから種結晶保持部Hまでの偏心量hが大きい形態の場合に適した蓋を組み合せた実施形態を説明する。
図6は、本発明の望ましい実施形態によるSiC単結晶製造装置200の運転中の状態を示しており、引き上げ軸および蓋のアセンブリ以外は図1に示した実施例1の装置100と同じ構造である。図示を簡潔にするために、図6においては加熱手段104、密封容器112は省略した。
図6のSiC単結晶製造装置200は、引き上げ軸108が、軸心Xに沿う上半部Pの下端に放射状に張り出したフランジ部118を有している。フランジ118は外縁に段付き部119がある。
黒鉛るつぼ102の上端を覆う段付きの蓋120は、引き上げ軸108の上半部Pを貫通させる中心孔122と、黒鉛るつぼ102の上端周縁上に着座して係合可能な外周係合部124と、貫通された状態で図7に示すようにフランジ118の段付き部119に着座して係合可能な中央係合部126とを備えている。
結晶成長を行なう際の引き上げ軸108および蓋120の作動は下記のとおりである。
引き上げ軸108の下半部Qの下端のSiC種結晶保持部HにSiC種結晶110を保持する。
蓋120の中心孔122に引き上げ軸108の上半部Pを貫通させた状態で蓋120を引き上げ軸108のフランジ118上に着座係合させる。この着座係合は、図7に示すように、フランジ118の外縁段付き部119(図6)に蓋120の貫通孔122の下端の中央係合部126(図6)を嵌め込むことにより行なう。
引き上げ軸108を黒鉛るつぼ102内へ下降させて、蓋120の外周係合部124を黒鉛るつぼ102の上端周縁上に着座係合させる。
引き上げ軸108を更に下降させることにより、図6に示すように蓋120と引き上げ軸108のフランジ118との着座係合を解除して、蓋120を黒鉛るつぼ102の上端周縁上に着座係合した状態で残置する。
引き上げ軸108を更に下降させることにより、引き上げ軸108の下半部Qの下端に保持したSiC種結晶110を融液Lに接触させて引き上げ軸108の下降を停止する。
引き上げ軸108を回転させることにより、SiC種結晶110を融液Lに接触させた状態で水平な円周上を周回させつつSiC種結晶110の下面B(図1)を起点としてSiC単結晶を成長させる。
本実施例の引き上げ軸と蓋とのアセンブリを用いることにより、長手方向の途中で屈曲した引き上げ軸108を用いた操業を極めて円滑かつ効率的に進行させることができる。
本発明によれば、多結晶化を起こすことなく、平坦な成長表面を持つSiC単結晶が安定して得られるSiC単結晶の製造装置および製造方法が提供される。
100 成長装置
102 黒鉛るつぼ
104 加熱手段
108 引き上げ軸
110 SiC種結晶
112 断熱性の密封容器
118 引き上げ軸のフランジ
120 黒鉛るつぼの断熱用の蓋
P 引き上げ軸の上半部
Q 引き上げ軸の下半部
L 融液
S 融液面
B 種結晶110の下面
102 黒鉛るつぼ
104 加熱手段
108 引き上げ軸
110 SiC種結晶
112 断熱性の密封容器
118 引き上げ軸のフランジ
120 黒鉛るつぼの断熱用の蓋
P 引き上げ軸の上半部
Q 引き上げ軸の下半部
L 融液
S 融液面
B 種結晶110の下面
Claims (4)
- 黒鉛るつぼ内のSi融液内に内部から融液面に向けて温度低下する温度勾配を維持しつつ、引き上げ軸の下端に保持したSiC種結晶の下面を該融液に接触させ、該下面を起点としてSiC単結晶を成長させる装置において、
引き上げ軸は、自己の軸心周りに回転可能であり、該軸心に沿う上半部と該軸心から偏向した部分を含む下半部とを有し、
上記引き上げ軸の下半部の下端にあるSiC種結晶保持部は、該SiC種結晶を上記軸心と交差しない偏心位置に保持可能であり且つ上記引き上げ軸の軸心周りの回転により該軸心を中心とする水平な円周上を周回可能であることを特徴とするSiC単結晶の製造装置。 - 請求項1において、
上記引き上げ軸は、上記軸心に沿う上半部から放射状に張り出したフランジ部を有し、
上記黒鉛るつぼの上端を覆う蓋は、上記引き上げ軸の上半部を貫通させる中心孔と、上記黒鉛るつぼの上端周縁上に着座して係合可能な外周係合部と、該貫通された状態で上記フランジ上に着座して係合可能な中央係合部とを備えていることを特徴とするSiC単結晶の製造装置。 - 請求項1または2に記載の装置を用いてSiC単結晶を製造する方法であって、
上記引き上げ軸を回転させることにより、上記保持部に保持したSiC種結晶の下面を上記融液に接触した状態で水平な円周上を周回させつつ上記SiC単結晶を成長させることを特徴とするSiC単結晶の製造方法。 - 請求項3において、
上記引き上げ軸の下半部の下端の上記SiC種結晶保持部に該SiC種結晶を保持し、
上記蓋の中心孔に該引き上げ軸の上半部を貫通させた状態で該蓋を該引き上げ軸の上記フランジ上に着座係合させ、
該引き上げ軸を上記るつぼ内へ下降させて、上記蓋を上記外周係合部で該るつぼの上端周縁上に着座係合させ、
該引き上げ軸を更に下降させることにより、上記蓋と上記引き上げ軸のフランジとの着座係合を解除して、該蓋を該るつぼの上端周縁上に上記着座係合した状態で残置し、
該引き上げ軸を更に下降させることにより、該引き上げ軸の下半部の下端に保持した上記SiC種結晶の下面を上記融液に接触させて該引き上げ軸の下降を停止し、
該引き上げ軸を回転させることにより、該SiC種結晶を該融液に接触させた状態で水平な円周上を周回させつつ上記SiC種結晶の下面を起点として上記SiC単結晶を成長させることを特徴とするSiC単結晶の製造方法。
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