JP2008100532A - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】前輪をエンジンで駆動し、後輪をモータ(MG)で駆動するハイブリッド車両の駆動制御装置において、車両を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減する。
【解決手段】ECU11は、エンジン11で駆動する前輪12のスリップの有無を判定し、前輪12のスリップ発生と判定した場合に、要求車両トルクに対するMG駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングよりも早める“MG駆動タイミング前出し制御”を実行する。これにより、アクセル開度の変化から後輪14の駆動力を増加して車両11を発進させるまでの遅れ時間を少なくすることができるため、車両11を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪12,14のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ECU11は、エンジン11で駆動する前輪12のスリップの有無を判定し、前輪12のスリップ発生と判定した場合に、要求車両トルクに対するMG駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングよりも早める“MG駆動タイミング前出し制御”を実行する。これにより、アクセル開度の変化から後輪14の駆動力を増加して車両11を発進させるまでの遅れ時間を少なくすることができるため、車両11を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪12,14のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、前輪を内燃機関で駆動し、後輪をモータで駆動するハイブリッド車両の駆動制御装置に関する発明である。
近年、動力源として内燃機関とモータとを併用するハイブリッド車両は、様々なシステム形態のものが開発されており、例えば、特許文献1(特開2001−180318号公報)に示すように、前輪(主駆動輪)を内燃機関で駆動し、後輪(副駆動輪)をモータで駆動する四輪駆動型のハイブリッド車両が実用化されている。
この特許文献1の四輪駆動型のハイブリッド車両では、内燃機関の出力とモータの出力との配分比率を、内燃機関の動力を伝達するトルクコンバータの速度比に応じて制御すると共に、低摩擦係数路面での発進時に前輪のスリップを抑制することを目的として、内燃機関で駆動する前輪のスリップが大きくなるほど、後輪を駆動するモータの最大出力を大きくするようにしている。
特開2001−180318号公報(第2頁〜第3頁等)
しかし、上記特許文献1の技術で、低摩擦係数路面での発進時に前輪のスリップをある程度抑制することが可能であったとしても、前輪のスリップが大きくなってから、後輪を駆動するモータの最大出力を大きくして発進することになるため、運転者がアクセルを踏み込んでから実際に車両が発進するまでの遅れ時間が長くなってしまい、運転者に発進時のもたつき感を感じさせてしまうという欠点がある。
しかも、車両を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合は、モータで駆動する後輪に加重がかかり、前輪は路面よりも若干浮いたような状態となる。そのため、後輪駆動トルク(モータのトルク)を増加したとしても、前輪のスリップが十分に解消されない場合があり、更には、路面摩擦係数が低いことから、後輪側もスリップしてしまい、その結果、前後輪ともにスリップして発進不能に陥る可能性がある。
この対策として、前輪スリップ検出時にモータにより後輪の駆動力を増加させた後、後輪のスリップが検出された時点で、後輪の駆動力を一旦0まで減少することが考えられる。しかし、後輪の駆動力を0まで減少すると、その後、再び後輪の駆動力を増加して発進させるまでの遅れ時間が益々長くなってしまい、発進が益々緩慢になってしまうという欠点がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、車両を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させることができるハイブリッド車両を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、前輪を内燃機関で駆動し、後輪をモータで駆動するハイブリッド車両の駆動制御装置において、前記前輪のスリップの有無を判定するスリップ判定手段と、前記スリップ判定手段で前記前輪のスリップ発生と判定された場合に要求トルクに対する前記モータの駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングよりも早める“モータ駆動タイミング前出し制御”を実行する駆動制御手段とを備えた構成としたものである。
運転者が操作するアクセル開度の変化に対して、内燃機関の実トルクの変化は、吸気系の遅れ等による比較的大きな応答遅れがある対して、モータの実トルクの変化は応答遅れがほとんどないため、モータの駆動タイミングに関しては、アクセル開度の変化に対する内燃機関の実トルクの応答遅れと同様の応答遅れを要求モータトルク(目標モータトルク)に持たせることで、内燃機関の実トルクの変化とモータの実トルクの変化とを同期させるように設定されている。
この点に着目して、本発明は、スリップ判定手段で前輪のスリップ発生と判定された場合に、要求トルク(アクセル開度)に対するモータの駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングよりも早める“モータ駆動タイミング前出し制御”を実行するものであり、これにより、アクセル開度の変化から後輪の駆動力を増加して車両を発進させるまでの遅れ時間を少なくすることができるため、車両を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させることができる。
この場合、請求項2のように、スリップ判定手段によって前輪のスリップ率を判定し、前記モータ駆動タイミング前出し制御におけるモータの駆動タイミングの前出し量を前輪のスリップ率に応じて可変設定するようにしても良い。このようにすれば、前輪のスリップ率に応じてモータの駆動タイミングの前出し量を最適な値に設定することができ、モータ駆動タイミング前出し制御による発進性能向上とスリップ抑制の効果を高めることができる。但し、本発明は、モータの駆動タイミングの前出し量を予め決められた一定値に設定するようにしても良い。
一般に、前輪スリップ率は、次式により算出される。
前輪スリップ率=(車体速−前輪車輪速)/前輪車輪速
この場合、車体速は、車体速センサで検出しても良いし、或は、車体加速度(加速度センサの検出値)と前輪又は後輪の車輪速に基づいて算出するようにしても良い。或は、内燃機関で駆動する前輪と比較してスリップの少ない後輪の車輪速から車体速を求めるようにしても良い。
前輪スリップ率=(車体速−前輪車輪速)/前輪車輪速
この場合、車体速は、車体速センサで検出しても良いし、或は、車体加速度(加速度センサの検出値)と前輪又は後輪の車輪速に基づいて算出するようにしても良い。或は、内燃機関で駆動する前輪と比較してスリップの少ない後輪の車輪速から車体速を求めるようにしても良い。
また、請求項3のように、前輪の車輪速と後輪の車輪速をそれぞれ検出する前後輪の車輪速検出手段を設け、この前後輪の車輪速検出手段で検出した前輪の車輪速と後輪の車輪速とに基づいて前輪のスリップ率を算出するようにしても良い。例えば、後輪の駆動力(モータのトルク)をスリップが発生しない限界トルクを越えないように制御すれば、後輪の車輪速から車体速が正確に判明するため、前輪のスリップ率を精度良く算出することができる。これにより、車体速又は加速度を検出するセンサ類が不要となり、低コスト化の要求を満たすことができる。
また、請求項4のように、前記スリップ判定手段で前輪のスリップ発生と判定された場合でも、車体速が所定値以上であれば、前記モータ駆動タイミング前出し制御に切り換えずに、前記モータの駆動タイミングをスリップ無し時と同じ駆動タイミングに維持するようにしても良い。これは、車両の走行中は走行抵抗が大きいため、モータ駆動タイミングを早めても、その効果が少ないためである。
また、請求項5のように、モータ駆動タイミング前出し制御の実行中にモータのトルクを後輪のスリップが発生しない限界トルクを越えないように制御することが望ましい。このようにすれば、モータ駆動タイミング前出し制御の実行中にモータで駆動する後輪がスリップすることを確実に防止することができる。
この場合、請求項6のように、後輪のスリップが発生しない限界トルクを後輪の接地荷重と走行路面の摩擦係数とに基づいて算出するようにしても良い。このようにすれば、後輪のスリップが発生しない限界トルクを正確に算出することができる。ここで、後輪の接地荷重を設定するデータは、車両仕様から決まる車両重量を用いても良いし、乗員や積載荷物の重量を含む車両総重量を重量センサ等で検出するようにしても良い。一方、走行路面の摩擦係数は、例えば、前後輪の車輪速センサで検出した前後輪の車輪速の差に基づいて算出したり、或は、前輪(又は後輪)の車輪速と車体加速度(加速度センサの検出値)とに基づいて算出するようにしても良いし、路面摩擦係数を検出する新たなセンサを設けるようにしても良い。
また、請求項7のように、前記モータ駆動タイミング前出し制御の実行中にスリップ判定手段でスリップが収まったと判定された時点で、モータの駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングに復帰させるようにすれば良い。これにより、モータ駆動タイミング前出し制御を最適なタイミングで通常制御に復帰させることができる。
また、請求項8のように、モータ駆動タイミング前出し制御を自動的に実行するスリップ抑制走行モードと、モータ駆動タイミング前出し制御を実行しない通常走行モードとを運転者が任意に切り替える走行モード切替手段を設けるようにすると良い。これにより、運転者が自分の好みに応じた走行モードを選択できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車両の駆動システムの構成を説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車両の駆動システムの構成を説明する。
車両11の前輪12は、内燃機関であるエンジン13によって駆動され、後輪14は、発電機兼用モータであるモータジェネレータ(以下「MG」と表記する)15によって駆動される。エンジン13側には、車両11に搭載された各種の補機に電源を供給する補機バッテリ16や、エンジン13によって駆動される発電機17が搭載されている。
一方、MG15側には、高圧バッテリ18とインバータ19とDC−DCコンバータ20が設けられ、MG15によって後輪14を駆動する場合は、高圧バッテリ18の直流電力がインバータ19によって交流電力に変換されてMG15に供給されることで、MG15が駆動される。また、車両の減速時には、その減速エネルギによってMG15が減速回生発電モードで回転されることで、車両の減速エネルギが電気エネルギに変換されて高圧バッテリ18に充電される。更に、高圧バッテリ18の直流電圧がDC−DCコンバータ20で降圧されて補機バッテリ16に充電される。
車両11の駆動源であるエンジン13とMG15は、車両駆動統合制御用の電子制御装置(以下「ECU」と表記する)21によって制御される。このECU21には、車体加速度を検出する加速度センサ22、前輪12の車輪速を検出する前輪側車輪速センサ23(前輪側車輪速検出手段)、後輪14の車輪速を検出する後輪側車輪速センサ24(後輪側車輪速検出手段)、アクセル開度を検出するアクセルセンサ(図示せず)等の各種センサの出力信号が入力される。
ところで、図2に示すように、運転者が操作するアクセル開度の変化に対して、エンジン13の実トルクの変化は、吸気系の遅れ等による比較的大きな応答遅れがある対して、MG15の実トルクの変化は応答遅れがほとんどないため、ECU21は、通常時(前輪12のスリップ無し時)のMG15の駆動タイミングに関しては、アクセル開度の変化に対するエンジン13の実トルクの応答遅れと同様の応答遅れを要求MGトルク(要求後輪駆動トルク)に持たせることで、エンジン13の実トルクの変化とMG15の実トルクの変化とを同期させるように制御する。
そして、ECU21は、前輪12のスリップ発生時には、要求トルク(アクセル開度)に対するMG15の駆動タイミング(要求MGトルクの出力タイミング)をスリップ無し時の駆動タイミングよりも早めるMG駆動タイミング前出し制御(モータ駆動タイミング前出し制御)を実行することで、車両11を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪12,14のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させる。
ECU21は、図3に示す処理で要求MGトルクを次のようにして算出する。
まず、アクセルセンサで検出したアクセル開度等に基づいて要求車両トルクを算出し(S1)、この要求車両トルクから要求前後輪車軸トルクを算出する(S2)。そして、この要求前後輪車軸トルクを所定の分配比K1で分配して(S3)、要求後輪駆動トルクを求める。
まず、アクセルセンサで検出したアクセル開度等に基づいて要求車両トルクを算出し(S1)、この要求車両トルクから要求前後輪車軸トルクを算出する(S2)。そして、この要求前後輪車軸トルクを所定の分配比K1で分配して(S3)、要求後輪駆動トルクを求める。
また、走行路面の摩擦係数を適宜の方法で検出する(S4)。この際、例えば、前後輪12,14の車輪速センサ23,24で検出した前後輪12,14の車輪速の差に基づいて算出したり、或は、前輪12(又は後輪14)の車輪速と車体加速度(加速度センサ22の検出値)とに基づいて算出するようにしても良いし、路面摩擦係数を検出する新たなセンサを設けるようにしても良い。
更に、後輪14の接地荷重を求める(S5)。この際、後輪14の接地荷重を設定するデータは、車両仕様から決まる車両重量を用いても良いし、乗員や積載荷物の重量を含む車両総重量を重量センサ等で検出するようにしても良い。そして、路面摩擦係数と後輪14の接地荷重とを乗算して、後輪14のスリップが発生しない限界後輪駆動力を算出し(S6)、この限界後輪駆動力に後輪14のタイヤ半径Rを乗算して、限界後輪駆動トルクを算出する(S7)。
この後、要求後輪駆動トルクを限界後輪駆動トルクと比較して小さい方を選択する(S8)。これにより、要求後輪駆動トルクが限界後輪駆動トルクを越えないようにガード処理する。そして、このガード処理後の要求後輪駆動トルクに換算係数K2を乗算して最終的な要求MGトルクを求める(S9)。
また、車両11の運転席側には、MG駆動タイミング前出し制御を自動的に実行するスリップ抑制走行モードと、MG駆動タイミング前出し制御を実行しない通常走行モードとを運転者が任意に切り替える走行モード切替スイッチ(走行モード切替手段)が設けられている。
ECU21は、上記走行モード切替スイッチによりスリップ抑制走行モードが選択されているときに、図4の車両駆動制御プログラムを実行することで、特許請求の範囲でいう駆動制御手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、イグニッションスイッチ(図示せず)がONされているか否かを判定し、ONされていなければ、ONされるまで待機する。その後、イグニッションスイッチがONされた時点で、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)にセットする。この場合、τ=0は、前輪スリップ無し時のMG駆動タイミングに相当し、アクセル開度の変化に対するエンジン13の実トルクの応答遅れと同様の応答遅れを持ったMG駆動タイミングである。
この後、ステップ103に進み、加速要求(アクセルペダルの踏み込み操作等)が発生したか否かを判定し、加速要求が発生していなければ、ステップ104に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)に維持して、ステップ103に戻る。従って、加速要求が発生しないときは、MG駆動タイミングτが初期値(τ=0)に維持される。
その後、加速要求が発生した時点で、ステップ105に進み、次式により前輪スリップ率Sを次式により算出する。
前輪スリップ率S=(車体速−前輪車輪速)/前輪車輪速
前輪スリップ率S=(車体速−前輪車輪速)/前輪車輪速
この場合、車体速を検出する車体速センサが搭載されてるシステムでは、車体速センサで車体速を検出すれば良いが、車体加速度(加速度センサ22の検出値)と前輪又は後輪の車輪速(車輪速センサ23又は24の検出値)に基づいて算出するようにしても良い。或は、エンジン11で駆動する前輪12と比較してスリップの少ない後輪14の車輪速から車体速を求めるようにしても良い。
また、前後輪の車輪速センサ23,24で検出した前輪12の車輪速と後輪14の車輪速とに基づいて車体速を推定して前輪スリップ率Sを算出するようにしても良い。例えば、後輪14の駆動力(要求MGトルク)をスリップが発生しない限界トルクを越えないように制御すれば、後輪14の車輪速から車体速が正確に判明するため、前輪スリップ率Sを精度良く算出することができる。
上式で定義される前輪スリップ率Sは、スリップが発生しないときはS=0となり、スリップ発生時には、Sがマイナス値となり、スリップが大きくなるほど、Sがマイナス方向に大きな値となる。
この後、ステップ106に進み、前輪スリップ率Sとスリップ発生判定値Smin と比較して、S>Smin であれば、前輪12のスリップが発生していないと判断して、ステップ107に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)に維持して、ステップ106に戻る。従って、前輪12のスリップが発生しないときは、MG駆動タイミングτが初期値(τ=0)に維持される。
その後、上記ステップ106で、S≦Smin であると判定されれば、前輪12のスリップが発生したと判断して、ステップ108に進み、後輪側車輪速センサ24で検出した後輪車輪速Vw(車体速)が判定しきい値Vwminよりも小さいか否かで、車両11がほぼ停止(停止若しくは極低速)であるか否かを判定する。その結果、後輪車輪速Vwが判定しきい値Vwmin以上であると判定されれば、車両11が走行中であると判断して、ステップ109に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)に維持して、ステップ108に戻る。従って、車両11が走行中の場合(発進完了後)は、前輪12のスリップが発生しても、MG駆動タイミングτが初期値(τ=0)に維持される。これは、車両11の走行中は走行抵抗が大きいため、MG駆動タイミングτを早めても、その効果が少ないためである。
一方、上記ステップ108で、後輪車輪速Vwが判定しきい値Vwminよりも小さいと判定されれば、車両11がほぼ停止していると判断して、ステップ110に進み、MG駆動タイミングτを前出し値τ1 にセットして(τ=τ1 )、MG駆動タイミングτを前輪スリップ無し時のMG駆動タイミング(τ=0)よりも前出し値τ1 分だけ早める“MG駆動タイミング前出し制御”を実行する。
この前出し値τ1 は、予め決められた一定値に設定しても良いが、前輪スリップ率Sの絶対値が大きくなるほど、前出し値τ1 を大きな値に変化させる等、前輪スリップ率Sに応じて前出し値τ1 を可変設定するようにしても良い。このようにすれば、前輪スリップ率Sに応じて前出し値τ1 を最適な値に設定することができ、MG駆動タイミング前出し制御による発進性能向上とスリップ抑制の効果を高めることができる。
この後、ステップ111に進み、前輪スリップ率Sをスリップ収束判定値Smax と比較して、S≦Smax であれば、前輪12のスリップが収まっていないと判断して、ステップ112に進み、MG駆動タイミングτを前出し値τ1 分だけ早めた状態(τ=τ1 )に維持してステップ111に戻る。従って、前輪12のスリップが収まるまで、MG駆動タイミングτが前出し値τ1 分だけ早められた状態(τ=τ1 )に維持され、MG駆動タイミング前出し制御が継続される。
その後、上記ステップ111で、S>Smax と判定された時点で、前輪12のスリップが収まったと判断して、ステップ113に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)にセットしてMG駆動タイミング前出し制御を終了し、MG駆動タイミングτを前輪スリップ無し時の駆動タイミング(τ=0)に復帰させる。この後、上記ステップ103に戻り、上述した処理を繰り返す。
上記ステップ105、106、111の処理が特許請求の範囲でいうスリップ判定手段としての役割を果たす。
尚、上記ステップ108において、適宜の方法で検出した車体速が所定値未満であるか否かを判定し、車体速が所定値未満である場合に、ステップ110に進み、MG駆動タイミングτを前出し値τ1 にセットして(τ=τ1 )、MG駆動タイミング前出し制御を実行し、車体速が所定値以上である場合に、ステップ109に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)に維持するようにしても良い。
尚、上記ステップ108において、適宜の方法で検出した車体速が所定値未満であるか否かを判定し、車体速が所定値未満である場合に、ステップ110に進み、MG駆動タイミングτを前出し値τ1 にセットして(τ=τ1 )、MG駆動タイミング前出し制御を実行し、車体速が所定値以上である場合に、ステップ109に進み、MG駆動タイミングτを初期値(τ=0)に維持するようにしても良い。
以上説明した本実施例によれば、前輪12のスリップ発生と判定された場合に、要求車両トルク(アクセル開度)に対するMG駆動タイミングτを前輪スリップ無し時の駆動タイミングよりも前出し値τ1 分だけ早める“MG駆動タイミング前出し制御”を実行するようにしたので、アクセル開度の変化から後輪14の駆動力を増加して車両11を発進させるまでの遅れ時間を少なくすることができる。これにより、車両11を低摩擦係数の登坂路で発進させるような場合でも、前後輪12,14のスリップを抑制しながら、発進時の緩慢さ(もたつき)を低減して発進性能を向上させることができる。
しかも、本実施例では、MG駆動タイミング前出し制御の実行中に要求MGトルクを後輪14のスリップが発生しない限界駆動トルクを越えないように制御するようにしたので、MG駆動タイミング前出し制御の実行中にMG15で駆動する後輪14がスリップすることを確実に防止することができる。
11…車両、12…前輪、13…エンジン(内燃機関)、14…後輪、15…モータジェネレータ(MG)、21…ECU(駆動制御手段,スリップ判定手段)、22…加速度センサ、23…前輪側車輪速センサ(前輪側車輪速検出手段)、24…後輪側車輪速センサ(後輪側車輪速検出手段)
Claims (8)
- 前輪を内燃機関で駆動し、後輪をモータで駆動するハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記前輪のスリップの有無を判定するスリップ判定手段と、
前記スリップ判定手段で前記前輪のスリップ発生と判定された場合に要求トルクに対する前記モータの駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングよりも早めるモータ駆動タイミング前出し制御を実行する駆動制御手段と
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 前記スリップ判定手段は、前記前輪のスリップ率を判定し、
前記駆動制御手段は、前記モータ駆動タイミング前出し制御における前記モータの駆動タイミングの前出し量を前記前輪のスリップ率に応じて可変設定することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 前記前輪の車輪速と前記後輪の車輪速をそれぞれ検出する前後輪の車輪速検出手段を備え、
前記スリップ判定手段は、前記前後輪の車輪速検出手段で検出した前記前輪の車輪速と前記後輪の車輪速に基づいて前記前輪のスリップ率を算出することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 前記駆動制御手段は、前記スリップ判定手段で前記前輪のスリップ発生と判定された場合でも、車体速が所定値以上であれば、前記モータ駆動タイミング前出し制御に切り換えずに、前記モータの駆動タイミングをスリップ無し時と同じ駆動タイミングに維持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記駆動制御手段は、前記モータ駆動タイミング前出し制御の実行中に前記モータのトルクを前記後輪のスリップが発生しない限界トルクを越えないように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記駆動制御手段は、前記後輪のスリップが発生しない限界トルクを前記後輪の接地荷重と走行路面の摩擦係数とに基づいて算出することを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記駆動制御手段は、前記モータ駆動タイミング前出し制御の実行中に前記スリップ判定手段でスリップが収まったと判定された時点で前記モータの駆動タイミングをスリップ無し時の駆動タイミングに復帰させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記モータ駆動タイミング前出し制御を自動的に実行するスリップ抑制走行モードと、前記モータ駆動タイミング前出し制御を実行しない通常走行モードとを運転者が任意に切り替える走行モード切替手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
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2006
- 2006-10-17 JP JP2006282159A patent/JP2008100532A/ja active Pending
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