JP2008098458A - 電磁シールド壁の貫通部の閉塞方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟で加工性が容易な電磁波吸収体を用い、現場にてケーブルなどの導体線の貫通部を効率的、かつ効果的に閉塞する方法を提供する。
【解決手段】電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド壁11における導体線13の貫通部12の閉塞方法であって、(A)室温で硬化する流動性ポリマー又はゴム及び(B)磁性体を含有する電磁波吸収体を用いることを特徴とする導体線13の貫通部12の閉塞方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁シールド壁を貫通する電線などの導体線の引き込みに際し、電磁シールド壁の貫通部の閉塞方法に関する。
無線LANなどの無線通信を室内で良好に行なうためには、送信器が発信した信号波を受信器で確実に受信できるようにすることが必要である。しかし、無線LANなどが普及し、複数の近接するビルなどで同時に無線通信を行なうと、自身以外の無線通信機器が送信した電波がノイズとなり、送受信に支障をきたす場合がある。この対策として、建物の壁等を電磁シールド材で作ることが行われている。
一方、電磁シールド空間内部で無線LANなどを使用するために、外部から電源、通信ケーブルなどの導体線を引き込む必要がある。この場合、不要なノイズをカットするために電源フィルタもしくは通信線フィルタを使用することが有効であるが、コストが高くまた施工が困難という問題点がある。
上記問題点に対し、電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド層に、導体線を貫通させるに際して、電磁シールドの破壊を防止できる技術として、電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド層の貫通部を電線などの導体線を貫通させる電磁シールド層の貫通部処理構造であって、前記貫通部を貫通する前記導体線の前記非電磁シールド空間に出ている側に、前記導体線の絶縁部外周に絶縁性磁性体が設けられていることを特徴とする電磁シールド層の貫通部処理構造が提案されている(特許文献1、特許請求の範囲参照)。
特開平2003−60379号公報
上述の電磁シールド層の貫通部処理構造においては、電磁シールド材として、絶縁性を有し、かつ、高い透磁率を有するフェライトが用いられる。しかしながら、フェライトなどの絶縁性磁性体においては、該絶縁性磁性体の長さ、厚さ及び取り付けピッチを、シールド対象とする電磁波の波長及び電磁シールド層を構成する電磁シールド材の性能に応じて適宜設定することが必要である。従って、フェライトなどの絶縁性磁性体では、標準的な形状及びサイズの成型体を形状ごとに都度作製することが必要であり、種々の形状を有する貫通部には適用が困難であった。特に事前に貫通するケーブルの径や本数等が不明な場合には、現場での施行が困難であった。
本発明は上記問題点に鑑み、柔軟で加工性が容易な電磁波吸収体を用い、現場にてケーブルなどの導体線の貫通部を効率的、かつ効果的に閉塞する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の電磁波吸収体を用いることで、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド壁における導体線の貫通部の閉塞方法であって、(A)室温で硬化する流動性ポリマー又はゴム及び(B)磁性体を含有する電磁波吸収体を用いることを特徴とする導体線の貫通部の閉塞方法を提供するものである。
本発明によれば、現場にてケーブルなどの導体線の貫通部を効率的、かつ効果的に閉塞することができる。
本発明は電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド壁における導体線の貫通部を閉塞する方法に関する。
図1は電磁シールド空間を示すシールドルーム10の模式図である。シールドルーム10内は電磁シールド空間であり、非電磁シールド空間である外部とは電磁シールド壁11によって画されている。電磁シールド壁11には、ケーブルなどの導体線13が貫通する貫通部12が設けられている。ここで導体線13とは、電源系ケーブル、通信系ケーブル、弱電系ケーブル、制御用ケーブル等のケーブル類をいう。但し、空調用冷媒管のような接地が困難な配管等においては、上記ケーブル類と同様に電磁シールドを破壊する作用があるため、このような配管類は本発明における導体線に包含される。
本発明では、上記貫通部12に導体線13を通した後の該貫通部12を、(A)室温で硬化する流動性ポリマー又はゴム及び(B)磁性体を含有する電磁波吸収体を用いて閉塞することを特徴とする。
(A)室温で硬化する流動性ポリマーとしては、種々のものが用いられるが、例えば、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂などの室温で硬化性を有する液状樹脂を用いることができる。
変成シリコーン樹脂としては、加水分解ケイ素を少なくとも1分子以上有するものであって、「MSポリマーS810」((株)カネカ製)などのポリオキシアルキレン系樹脂、「エピオンSタイプ」((株)カネカ製)などのポリイソブチレン系樹脂などが挙げられ、その他、ポリアクリル系樹脂、ジエン系樹脂、飽和炭化水素系樹脂などでそれぞれ加水分解ケイ素を少なくとも1分子以上有するものを挙げることができる。
ポリサルファイド樹脂としては、例えば「チオコールLP282」(東レファインケミカル(株)製)などを、ポリウレタン樹脂としては、例えば、分子量3000程度のポリプロピレングリコールとポリプロピレングリコールの末端をトリレンジイソシアネートで変性したポリイソシアネートの反応生成物があげられ、市販品としては「エクセノール3020、エクセノール3030」(旭硝子(株)製)が挙げられる。
上記室温で硬化する流動性ポリマーのうち、変成シリコーン樹脂が屈曲疲労性及び低温特性の点で好ましい。
なお、上記室温で硬化する流動性ポリマーは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
室温で硬化する流動性ポリマーの分子量については、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量で、3000〜50000の範囲が好ましい。数平均分子量がこの範囲内であると、良好なゴム的性質を有する硬化物が得られるとともに、適度な重合体の粘度が得られ、後に詳述する施工性が良好となる。以上の点から、数平均分子量はさらに5000〜30000の範囲がさらに好ましい。
また、室温で硬化する流動性ポリマーには所望に応じて揺変剤(チクソトロピック剤)を含有することができる。揺変剤は流動性ポリマーの流動に対して揺変性を与えるもので、揺変性とは(A)成分系に連続的な構造を作ることにより、せん断時には一旦流動するが、再び構造を回復し、見かけの粘度を上昇させる性質をいう。
揺変剤としては、有機系及び無機系のものがあり、有機系のものとしては、アマイドワックス、硬化ひまし油、酸化ポリエチレン、ポリエーテル、ポリエステルなどが上げられ、また、無機系としては、クレー、シリカ、ベントナイトなどが挙げられる。
(A)成分として用いられるゴムは、特に限定されず汎用のゴムを用いることができる。具体的には、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなどが例示される。これらのゴムは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(A)成分として用いられるゴムは、上記汎用ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、耐候性ゴムを5質量部以上含有することが好ましい。耐候性ゴムを含有することで、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等を向上させることができる。以上の点から耐候性ゴムの含有量は、汎用ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、20質量部以上であることがさらに好ましい。
耐候性ゴムの種類としては、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、臭素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムなどが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の電磁波吸収体は(B)成分として磁性体を含有する。磁性体としては、特に限定されず、例えばNd−Fe−B系、Sm−Cm系、Fe系、Cr系、Co系、Ba系、Sr系、La−Co置換系、Fe−Mn系、Fe−Cr−Co系、フェライト系、Mn−Zn系、Ni−Zn系、Sm−Fe−N系、Al−Ni−Co系などが挙げられる。これらのうち、下記に示すような特徴を有する点から、特に、カルボニル鉄及びフェライトが好適に用いられる。また、これらの磁性体はそれぞれを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記カルボニル鉄としては、有機金属化合物であるカルボニル化鉄を熱分解して得られる平均粒径1〜10μm程度の粒状の微粉末であることが好ましく、その磁性損失により電磁波を効率的に吸収するとともに、その導電性で電磁波を抵抗損失として吸収する優れた電磁波吸収材料である。
また、上記フェライトはMO・Fe23の構造を有する鉄の酸化物であり、Mは2価の金属イオン、例えば、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+などが例示される。マグネタイトとFe34は代表的なフェライトであり、磁性体としてカルボニル鉄と同様の特性を有する。フェライトの平均粒径としては、0.1〜1.0μmの範囲のものが好適に用いられる。
なお、本発明の電磁波吸収体として、上記カルボニル鉄とフェライトを併用することもできる。
本発明にかかる電磁波吸収体において、(B)成分の含有量は(A)成分100質量部に対して、200〜1500質量部の範囲であることが好ましい。(B)成分の含有量が200質量部以上であると、十分な電磁波吸収性能が得られ、1500質量部以下であると、施行時又は施工後においても十分な柔軟性が得られる。以上の点から、(B)成分の含有量は(A)成分100質量部に対して400〜1500質量部の範囲がさらに好ましく、700〜1200質量部の範囲が特に好ましい。
また、本発明にかかる電磁波吸収体は硬化後のJIS K6253(タイプA)による硬度が80度以下であることが好ましい。該硬度が80度以下であると施工に際し、十分な柔軟性を有する。以上の点から硬度は75度以下であることがさらに好ましい。一方、硬度の下限値については、一般に40度以上であり、強度等を考慮すると45度以上であることが好ましい。
本発明にかかる電磁波吸収体を製造するに際し、(A)成分中に(B)成分を均一に混練することが好ましい。均一に分散させるためには、104Pa以上のせん断応力をかけることが好ましい。混練方法については特に制限はなく、例えばプラネタリーミキサーなどの混練機を用いて行うことができる。
本発明の電磁波吸収体は所望によりさらにカーボンブラックを含有させることができる。カーボンブラックは紫外線を吸収し、電磁波吸収体の耐候性を向上させる。カーボンブラックの含有量は(A)成分100質量部に対して1〜10質量部の範囲であることが好ましい。この範囲であると電磁波吸収性能を維持しつつ、カーボンブラックの添加効果を十分発揮させることができる。
また、本発明にかかる電磁波吸収体には、さらに、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができる。光安定剤としては、ラジカル捕捉剤であるヒンダードアミン系のもの、紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など、酸化防止剤としては、キノン系、アミン系、フェノール系、リン系、硫黄系などが挙げられる。
また、本発明にかかる電磁波吸収体には可塑剤を配合することができる。可塑剤としては、ポリアルキレン系、パラフィン系、ナフテン系、フタル酸エステル系、脂肪族2塩基酸エステル系、アクリル系、ポリアルキレングリコールのエステル、リン酸エステル系などを用いることができる。
次に、本発明の導体線の貫通部の閉塞方法の具体的態様について説明する。まず、本発明の導体線の貫通部の閉塞方法の第一の態様として、前記電磁波吸収体が室温で流動性を有し、かつ経時的に硬化するものを使用する方法がある。この方法では、電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド壁における導体線の貫通部に導体線を貫通させた後に、該貫通部に流動性のある電磁波吸収体を打設するものである。
これは、主に(A)成分として流動性ポリマーを用いた場合の態様であって、電磁波吸収体は未硬化の状態では不定形であり、導体線を貫通させた後の該貫通部に容易に打設することができる。電磁波吸収体の硬化方法としては、電磁波吸収体に硬化触媒を配合しておき、打設後に空気中の水分などにより硬化反応が進むようにする1成分系を用いる場合と、流動性のある電磁波吸収体と硬化触媒を現場で混合して施工する2成分系を用いる場合がある。
打設はコーキングガンのような治具を用いて上記貫通部に打設することができる。さらに、打設後、ヘラなどで形や表面を整えることができ、形状や表面を整えた後、室温で硬化反応が進行し、数時間から数日で硬化する。
なお、硬化前の電磁波吸収体の粘性については、前述のように、室温で硬化する流動性ポリマーの分子量及び揺変剤の種類及び配合量によって調整することがき、施工時に液だれが生じない範囲に調整することが好ましい。
また、本発明の導体線の貫通部の閉塞方法における第二の態様として、硬化前の電磁波吸収体の粘性が低い場合などは、貫通部に導体線を巻くように袋体を配し、該袋体に室温で流動性を有する前記電磁波吸収体を注入し、硬化させる方法をとることができる。袋体の形状については特に限定はないが、例えば浮き輪状の袋体の中央部に導体線を貫通させておき、該袋体に室温で流動性を有する前記電磁波吸収体を注入する方法がある。
この方法によれば、硬化前の電磁波吸収体の粘性が低くても液だれを起こすことがない。なお、該袋体は電磁波吸収体の硬化後に取り除いてもよいし、そのままの状態で残しておくこともできる。
また、施工する貫通部が大きい場合などは、電磁波吸収体を未硬化の状態で貫通部に打設する際に、電磁波吸収体の粘性を上記の方法で調整したとしても液だれが生じる場合がある。このような場合には、本発明の導体線の貫通部の閉塞方法における第三の態様として、電磁波吸収体を予め硬化させ、成形体を形成しておいて貫通部を閉塞する方法がある。この方法は、(A)成分としてゴムを用いる場合にも有効である。
具体的には、図2に示すように、電磁波吸収体をドーナツ形状に予め成形した成形体20(成形体C)を用いる。成形体Cは貫通部の大きさがわかっている場合には、外径を貫通部の径に合わせてあらかじめ作製することができ、また、貫通部の大きさがわからない場合には、貫通部よりも大きく作製しておいて、現場での施工時に貫通部の大きさに合うように外周をカットすることができる。本発明の電磁波吸収体はポリマー又はゴムを主成分とするために、外周のカットは容易である。
そして、成形体Cを用いて貫通部を塞ぐとともに、成形体Cの中央部22に導体線を貫通させる。この際、導体線の径や本数に応じて、中央部22の径を適宜調整することができる。
また、図2に示すように、成形体Cの外周部から中央部22に切り込み21があると成形体Cの中央部に導体線を貫通させることが容易であり好ましい。
成形体Cの中央部22に導体線を貫通させた後は、該中央部の隙間を埋めることが好ましく、例えば、本発明の電磁波吸収体で用いる(A)室温で硬化する流動性ポリマーを打設し、硬化させることで塞ぐことができる。さらには、該中央部の隙間を前記第一の態様で用いた流動性のある電磁波吸収体、すなわち、(A)室温で硬化する流動性ポリマー及び(B)磁性体を含有する流動性を有する電磁波吸収体を打設し、硬化させることもできる。この場合には、電磁波をより完全にシールドすることができ好ましい。
また、上記中央部22の隙間を塞ぐ方法として、前記電磁波吸収体を予めシート状に成形した成形体Dを用いる方法も好適である。すなわち、図3に示すようにあらかじめ電磁波吸収体をシート状に成形した成形体30(成形体D)を作製しておき、成形体Cの中央部22の形状及び大きさに合わせてカットして、閉塞部材31を得る。さらに、閉塞部材31の中央部を、導体線を貫通させた後の隙間の形状及び大きさに合わせてくり抜くか、又はカットして穴部32を設ける。これを図4に示すように、導体線13を挟むように又は導体線13が貫通するように穴部32に通して、該隙間を塞ぐものである。
また、本発明の導体線の貫通部の閉塞方法の第四の態様として、図5に示すように、前記電磁波吸収体を予めシート状に成形したシート又はテープ40(シート又はテープE)により導体線を巻き、貫通部を塞ぐ方法がある。シート又はテープEは0.5〜5mm程度の厚さであることが好ましく、裏面に接着剤を塗布しておくこともできる。該シート又はテープEは導体線に巻きつけられ、ロール状となったシート又はテープEの外径が貫通部の内径とほぼ等しくなるまで巻きつける。このようにシート又はテープEによって塞がれた貫通部の隙間については、上記と同様に、本発明の電磁波吸収体で用いる(A)室温で硬化する流動性ポリマーや第一の態様で用いた流動性のある電磁波吸収体を打設し、硬化させることで埋めることもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
変成シリコーン樹脂(「MSポリマーS810」、(株)カネカ製)100質量部にカルボニル鉄(「R−1470」、戸田工業(株)製)1000質量部、可塑剤(フタル酸ジイソノニル)20質量部、老化防止剤(「イルガノックス245」チバスペシャリティケミカルズ社製)1質量部及び硬化剤(「ニッカオクチックスズ」、日本化学産業(株)製)0.05質量部を配合して、プラネタリーミキサーを用いて混練し、室温で流動性を有する電磁波吸収体を得た。該電磁波吸収体を図2に示すようなドーナツ状に成形し、硬化させた。該ドーナツ状電磁波吸収体の外径を100mm、中央部の穴の内径を30mm、及び厚さを40mmとした。
次に、電磁波吸収体の外径を導体線の貫通部の内径である72mmに切断し、導体線であるUTPケーブル(外径5.5mm)を該成形体の中央部に貫通させた。次いで、他のドーナツ状電磁波吸収体から、その一部を図3に示すように閉塞部材31として切り出した。そして、閉塞部材31を2つに切断し、また中央部をUTPケーブルの形状及び外径に合わせてカットし、穴部32を設けた。
UTPケーブルをドーナツ状電磁波吸収体の中央部を貫通させ、2つに切断した閉塞部材31で挟むように配して接着剤で固定した(図4参照)。
以下の方法により電磁シールド特性を評価した結果、38dBであり良好な結果を示した。
本発明によれば、簡易な方法で十分な電磁波シールドが得られ、しかも作業コストを低くすることができる。また、貫通部の正確な大きさや導体線の径、本数などが予め正確にわからなくても、現場にて容易に施行することができる。
シールドルームを示す概念図である。 ドーナツ状の電磁波吸収体を示す概念図である。 閉塞部材の切り出し方法を示す概念図である。 本発明の第三の態様及び実施例1の閉塞方法を示す図である。 本発明の第四の態様の閉塞方法を示す図である。
符合の説明
10:シールドルーム
11:電磁シールド壁
12:貫通部
13:導体線
20:ドーナツ状成形体C
21:切り込み
22:中央部
30:シート状成形体D
31:閉塞部材
32:穴部
40:シート又はテープE

Claims (15)

  1. 電磁シールド空間と非電磁シールド空間とを画する電磁シールド壁における導体線の貫通部の閉塞方法であって、(A)室温で硬化する流動性ポリマー又はゴム及び(B)磁性体、を含有する電磁波吸収体を用いることを特徴とする導体線の貫通部の閉塞方法。
  2. 前記貫通部に導体線を貫通させた後に、室温で流動性を有する前記電磁波吸収体を打設し、硬化させる請求項1に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  3. 前記貫通部に導体線を巻くように袋体を配し、該袋体に室温で流動性を有する前記電磁波吸収体を注入し、硬化させる請求項2に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  4. 前記電磁波吸収体をドーナツ形状に予め成形した成形体Cを用いて、前記貫通部を塞ぐとともに、該成形体Cの中央部に導体線を貫通させる請求項1に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  5. 前記成形体Cが外周部から中央部に切り込みを有する請求項4に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  6. 前記成形体Cの中央部に導体線を貫通させた後、該中央部の隙間に(A)室温で硬化する流動性ポリマーを打設し、該流動性ポリマーを硬化させる請求項4又は5に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  7. 前記成形体Cの中央部に導体線を貫通させた後、該中央部の隙間に(A)室温で硬化する流動性ポリマー及び(B)磁性体を含有する室温で流動性を有する電磁波吸収体を打設し、該電磁波吸収体を硬化させる請求項4又は5に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  8. 前記成形体Cの中央部に導体線を貫通させた後、前記電磁波吸収体を予めシート状に成形した成形体Dを該中央部の隙間形状に合致するように切断し、該隙間を塞ぐ請求項4又は5に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  9. 前記電磁波吸収体を予めシート状に成形したシート又はテープEにより前記導体線を巻き、貫通部を塞ぐ請求項1に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  10. 前記電磁波吸収体の硬化後のJIS K6253(タイプA)による硬度が80度以下である請求項1〜9のいずれかに記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  11. 室温で硬化する流動性ポリマーが、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  12. 変成シリコーン樹脂が、加水分解性ケイ素基を少なくとも1分子以上有する、ポリオキシアルキレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ジエン系樹脂及び飽和炭化水素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  13. 前記(A)ゴムが天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム及びブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該(A)成分100質量部に対して、さらにブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、臭素化ブチルゴム及びクロロスルホン化ポリエチレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である耐候性ゴムを5質量部以上含むものである請求項1〜10のいずれかに記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  14. 前記磁性体がカルボニル鉄及び/又はフェライトである請求項1〜13のいずれかに記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
  15. 前記電磁波吸収体中の(B)成分の含有量が(A)成分100質量部に対して200〜1500質量部である請求項1〜14のいずれかに記載の導体線の貫通部の閉塞方法。
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