JP3550179B2 - 導電性シーリング材組成物およびその導電性シーリング材組成物を用いた目地部の電磁波遮蔽方法 - Google Patents

導電性シーリング材組成物およびその導電性シーリング材組成物を用いた目地部の電磁波遮蔽方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建築、土木用等に有用な変成ポリサルファイド系、あるいは変成シリコーン系シーリング材組成物に関し、特に電磁波遮蔽などの目的のため導電性の要求される外壁パネル間に形成される目地部への使用に適した導電性シーリング材組成物と、そのシーリング材組成物を用いた目地部の電磁波遮蔽方法および電磁波遮蔽構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築、土木等の分野において、水密、気密などの目的で目地部や空隙部分を充填、シールするために各種タイプのシーリング材が用いられている。
【0003】
一方、コンピューター機器あるいはデジタル方式の電気機器を扱う建造物において、外部電磁波などによる電波障害の問題が提起され、電磁遮蔽建造物の研究が近年進められており、その建材として電磁波遮蔽機能を有する導電性コンクリートなどの電磁波シールド建材が開発されている(例えば、特願平4−219404号)。
【0004】
ところで、建築物に電磁波遮蔽を施すには、建築部位(床、壁及び天井等)をすべて電磁遮蔽材料で覆うことが必要である。例えば外壁に電磁波遮蔽を施す場合には、外壁パネルを電磁遮蔽材料で形成し、図4および図5に示すように外壁パネル1、1間に銅箔等の遮蔽材5を掛け渡してテープ6で貼付けていた。
【0005】
しかし、このような方法では目地部2の電磁遮蔽の目的は満たされるが、次のような問題点が残っている。すなわち、建築物が風、地震等による揺れが生じた場合、遮蔽材5が目地部2の動きに追随できないために遮蔽材5が部分的にはがれたり破れたりする。また、金属製の遮蔽材5を使用すると経時により錆が発生するため外観が低下する上に電磁波遮蔽機能も低下する。さらに遮蔽材5を貼り付けるには専門の職人を要するのでコストアップにもつながっている。
【0006】
これらの要求に対し、外壁パネル間に充填されるシーリング材の分野でも電磁波遮蔽機能等の導電性の研究が必要とされ、特開昭60−199057号公報では導電性金属粉を含むシリコーン系シーリング材組成物が提案され、特公平3−47663号公報では導電性カーボンブラックを含むシリコーン系シーリング材組成物が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭60−199057号公報に開示のように、シーリング材組成物の中に金属粉を配合する場合には、導電性を付与するためには多量の金属粉を配合することが必要で、従って、組成物の比重が上がり高価なものになり、また酸化により導電性が低下するという欠点がある。
【0008】
特公平3−47663号公報に開示のように、シーリング材組成物の中にカーボンブラックを配合したものでは、導電性を向上するためにはカーボンブラックを多量に配合する必要があって、流動性を悪くするので作業性が劣り、また黒色のものしか得られないという欠点がある。
【0009】
本発明は上記の欠点を解消するためになされたものであって、その目的とするところは、比較的少量の添加によりシーリング材に導電性を付与でき、従って、組成物の比重が上がるということもなく、また酸化により導電性が低下するということもないシーリング材組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、流動性が大きく低下することもなく、また着色も容易なシーリング材組成物を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、上記シーリング材組成物を用いた外壁パネル間に形成される目地部の電磁波遮蔽方法および電磁波遮蔽構造体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性シーリング材組成物は、変成ポリサルファイドポリマー及びその硬化触媒、変成シリコーンポリマー及びその硬化触媒のうち少なくとも1つを主成分とするシーリング材組成物において、炭素繊維をシーリング材組成物の全量100重量部に対して0.8〜2重量部含有することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
本発明の外壁パネル間に形成される目地部の電磁波遮蔽方法は、電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル間に形成される目地部に上記シーリング材組成物を充填して該シーリング材組成物を硬化させることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】
本発明の外壁パネル間に形成される目地部の電磁波遮蔽構造体は、電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル間に形成される目地部に、上記シーリング材組成物からなるシーリング材が充填されていることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。上記目地部内にはバックアップ材が配設され上記シーリング材組成物が充填されるのが好ましい。
【0015】
本発明に使用される変成ポリサルファイドポリマーとしては、従来から変成ポリサルファイド系シーリング材組成物に用いられている変成ポリサルファイドポリマーが使用でき、例えば、分子末端に架橋可能なメルカプト基(−SH基)を少なくとも1個以上有し、主鎖には主としてポリエーテルウレタン結合を有するものであり、例えば下記一般式(I)で表されるものがあげられる。
【0016】
【化1】
Figure 0003550179
【0017】
式中、R、R、RおよびRは、独立して2価の有機基を表し、nは正の数を表している。
【0018】
上記一般式(I)で表される変成ポリサルファイドポリマーの市販品としては、例えば、日本触媒社製「パールポール P−500」および「パールポール P−965」(いずれも分子量が1万〜2万程度)があげられる。
【0019】
変成ポリサルファイドポリマーの硬化触媒としては、従来変成ポリサルファイドポリマーを硬化するための触媒として使用されているものが好適であり、例えば、下記一般式(II)〜(V)で表されるものがあげられる。
【0020】
【化2】
Figure 0003550179
【0021】
式(II)中R、Rは独立して水素または炭素数1〜18の炭化水素基、xは1〜4の整数、Mは周期律表のVIIb族又はVIII族の金属を示す。
【0022】
【化3】
Figure 0003550179
【0023】
式(III)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基、xは1〜4の整数、Mは周期律表のVIIb族またはVIII族の金属を示す。
【0024】
【化4】
Figure 0003550179
【0025】
式(IV)中、 8 、R9 は独立して水素または炭素数1〜18の炭化水素基、xは1〜4の整数、M2 は周期律表のIa族、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IVa族、VIa族又はVIb族の金属、yは1〜4の整数を示す。
【0026】
【化5】
Figure 0003550179
【0027】
式(V)中、R10は、炭素数1〜18の2価の炭化水素基、Mは周期律表のIa族、Ib族、IIa族、IIb族、IIIa族、IVa族、VIa族またはVIb族の金属、yは1〜4の整数を示す。
【0028】
硬化触媒は、式(II)、式(III)で表されるもの1種以上、及び式(IV)、式(V)で表されるもの1種以上を併用するのが好ましい。特に、ジメチルジチオカルバミン酸第2鉄とジブチルジチオカルバミン酸亜鉛との等量混合物が好ましい。
【0029】
硬化触媒の添加量は、少なくなると硬化速度が遅くなり、多くなると硬化物性を低下させるおそれがあるので、変成ポリサルファイドポリマー100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
【0030】
その硬化触媒の市販品としては、NoccelerTTFE(ジメチルジチオカルバミン酸第II鉄)(三新化学工業(株)製)やSancelerBZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)(三新化学工業(株)製)がある。
【0031】
本発明に使用される変成シリコーンポリマーとしては、従来から変成シリコーン系シーリング材組成物に用いられているものが使用でき、例えば下記一般式(VI)で表されるような、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性の基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個以上有するオキシアルキレン系重合体があげられる。
【0032】
【化6】
Figure 0003550179
【0033】
上記一般式(VI)で表される変成シリコーンポリマーの市販品としては、例えば旭ガラス社製「ESS 2410」(分子量17000)があげられる。
【0034】
上記変成シリコーンポリマーの硬化触媒としては、従来変成シリコーンポリマーを硬化するための硬化触媒として使用されているものが好適であり、触媒としてスズ系化合物、例えばビス(ジブチルスズラウリン酸)オキサイド(例えば、三共有機合成社製、商品名 SB−65)、助触媒としてシラン化合物やアミン化合物、例えば、ケトオキシムシラン、アルコキシシラン、アミノキシシラン、アミドシランのようなアミノ基置換アルコシシラン、ラウリルアミンまたはそれらの誘導体などがあげられる。
【0035】
本発明に使用される炭素繊維の繊維長は、短すぎると導電性の効果が得られず、あるいは多量の添加が必要となるため硬化後の物性が悪くなり、また長すぎると混錬性、作業性に悪影響を与える。従って1〜30mmの繊維長が好ましく、さらに好ましくは5〜15mmである。
炭素繊維の平均径は、細すぎると混練の際に繊維切断が起こり易く、また太すぎると混練性、作業性に悪影響を与える。従って1〜20μmの平均径が好ましく、さらに好ましくは5〜10μmである。
【0036】
炭素繊維の添加量は、少なすぎると十分な導電効果が得られず、また多すぎると作業性に悪影響を与える。従って、シーリング材組成物の全量100重量部に対して、0.8〜2重量部の配合に限定される
【0037】
炭素繊維の市販品としては、例えば、東邦レーヨン社製のHTA−C9(繊維径7μm、長さ9mm/サイジング剤不使用)、HTA−C9−E(繊維径7μm、長さ9mm/サイジング剤使用により結束したタイプ)などを使用することができる。後者は、投入時の繊維飛散防止を目的として、前者をサイジング剤を用いて結束させた製品である。
【0038】
本発明のシーリング材組成物には、カーボンブラックや金属粉が配合されてもよい。また、該組成物には、可塑剤、溶剤、ガラスバルーンやその他充填剤を併用することも可能であり、更に必要に応じて老化防止剤、紫外線吸収剤、香料等を使用することができる。上記可塑剤は良好な弾性を持つシーリング材を得るために使用され、例えばポリプロピレングリコール(例えば、三井東圧化学社製、商品名 Diol−3000)、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等があげられる。
【0039】
本発明のシーリング材組成物は、上記変成ポリサルファイドポリマー及びその硬化触媒および変成シリコーンポリマー及びその硬化触媒のうちの少なくとも一つと、炭素繊維とを混合して得られる。混合は、混合工程において炭素繊維の切断等を起こし易いものを除き、通常の混合機を用いて行うことができる。
【0040】
本発明のシーリング材組成物は、空気中の酸素や湿気と接触することにより硬化が起こるので、カートリッジ等に充填し、空気中の酸素や湿気と遮断して保存する。
【0041】
得られたシーリング材組成物は室温で硬化可能であり、電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル間に形成される目地部に充填して弾性および導電性を有するシーリング材が形成され、外壁パネルの伸縮に該シーリング材が追従して目地部を水密的にシールすると共に、両外壁パネルを電気的に接続するものである。
【0042】
次に、上記シーリング材組成物を用いた本発明の外壁パネルの目地部の電磁波遮蔽方法および電磁波遮蔽構造体を説明する。
【0043】
図1および図2に示すように、電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル1、1間に目地部2が形成され、この目地部2にバックアップ材3を一定距離の深さまで押し込み、続いて目地部2内に上記シーリング材組成物を充填する。該組成物は硬化して目地部2内には弾性且つ導電性を有するシーリング材4が形成され、このシーリング材4によって目地部2は水密的にシールされると同時に目地部2に導電性が付与される。
【0044】
ここで使用される電磁波遮蔽機能を有する外壁パネルとしては、例えば、特願平5−68163号に記載のものを使用することができる。
【0045】
この外壁パネルは、図3に示すように、かさ密度0.015〜0.5g/cmの炭素繊維シート10の一部(通常、0.2mm以上)が無機硬化体11中に埋設され、残部が露出されているものである。その無機硬化体11としては、普通ポルトランドセメント、アルミナセメントなどがあげられる。炭素繊維シート10としては、炭素繊維からなる不織布、織布のいずれの形態であってもよく、例えば、ペーパ、フェルト、マット等があげられる。
【0046】
炭素繊維の体積抵抗は、低抵抗になると形成される炭素繊維シートが作業解きに繊維破断し易くなるので、5×10−4〜7×10−3Ω・cmが好ましい。炭素繊維シートを構成する炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系、レーヨン系、カーボンウィスカー系等があげられる。露出部の炭素繊維シートの重量は20〜500g/mであることが好ましい。露出部の炭素繊維重量がこの範囲を下回ると他部材との接続が難しくなり、この範囲を超えると他部材との接続後、接続部に荷重がかかったときに露出部の炭素繊維シート内部で繊維剥離が生じ、浮き上がった炭素繊維シートの間隙から電磁波が漏れてしまう危険性がある。
【0047】
また、上記バックアップ材の材質としては、ゴム、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等のように弾性があり、且つ、復元力を有する性能をもつものであれば特に限定されるものでなく、又、形状は丸棒、楕円棒、角棒等でサイズは目地部の幅により決まるが目地部に押し込んだ時にその復元力で固定出来ればよい。バックアップ材の押し込み深さは、目地部の電磁波遮蔽要求値を満たせるシーリング材の厚みでよい。
【0048】
【作用】
本発明のシーリング材組成物は、炭素繊維をシーリング材組成物の全量100重量部に対して0.8〜2重量部含有することにより、硬化したシーリング材内で炭素繊維のつながりによる鎖が各方向に生成し、電気的に一体化するため、硬化物全体に導電性を付与することができる。また、炭素繊維は、従来使用していたカーボンブラックや金属粉に比べて比較的少量の配合で十分な導電性を付与することができる。
【0049】
さらに、本発明の外壁パネルの電磁波遮蔽方法または遮蔽構造体では、電磁波遮蔽機能を有する一対の外壁パネル間に形成される目地部が、上記導電性のシーリング材組成物からなるシーリング材で充填されていることにより、目地部の水密をシーリング材で行うと同時に外壁パネル間の目地部に導電性を付与することができる。従って、シーリング材がその目地部から剥がれることもなく又、錆等の発生もなく耐久性のある電磁波遮蔽が維持出来る。
【0050】
特に、目地部内にバックアップ材を配設して続いてシーリング材組成物を充填するようにすると、作業性がよい上に適正量のシーリング材組成物を目地部内に充填することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0052】
(実施例1)
配合成分、各原料の詳細を次に示す。
【0053】
Figure 0003550179
上記各配合物をそれぞれプラネタリーミキサーによって1時間真空混練してシーリング材組成物を得た。
【0054】
シーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を測定した。体積抵抗率はケースレー・インストルメント社製のケースレー503ミリオームメーターによる測定値である。その結果を表1に示した。
【0055】
(実施例2)
炭素繊維として、HTA−C9−E(東邦レーヨン(株)製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーリング材組成物を得た。
【0056】
そのシーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を、実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0057】
(比較例1)
炭素繊維を使用しないこと以外は、実施例1と同様にしてシーリング材組成物を得た。
【0058】
そのシーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を、実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0059】
(実施例3)
配合成分、各原料の詳細を次に示す。
【0060】
Figure 0003550179
上記各配合物をそれぞれプラネタリーミキサーによって1時間真空混練してシーリング材組成物を得た。
【0061】
そのシーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を、実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0062】
(実施例4)
炭素繊維として、HTA−C9−E(東邦レーヨン(株)製)を使用したこと以外は、実施例3と同様にしてシーリング材組成物を得た。
【0063】
そのシーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を、実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0064】
(比較例2)
炭素繊維を使用しないこと以外は、実施例3と同様にしてシーリング材組成物を得た。
【0065】
そのシーリング材組成物の硬化物の体積抵抗率を、実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0066】
【表1】
Figure 0003550179
【0067】
表1に示すように、炭素繊維を配合することによる導電性付与の効果は明かである。
【0068】
(実施例5)
図2に示すように、4枚の電磁波シールドセメントモルタル板1(100mm×100mm、厚み10mm)をそれぞれの間隔が30mmとなるように配設し、モルタル板1、1間に形成された目地部2に、厚み3mmの発泡ポリエチレンバックアップ材3をいれ、その上に実施例1で得られた導電性シーリング材組成物を厚み7mmになるように充填した。
【0069】
該シーリング材組成物が硬化してシーリング材4が形成された後、KEC法でのシールド性能、引張接着性(試験方法:JIS A5758)を測定した。その結果を表2に示す。引張接着試験の結果は、シーリング材とモルタル板が完全に密着一体化しておりシーリング材の材破であった。
【0070】
(実施例6)
目地部2に、シーリング材4の厚みが3mmとなるように厚み7mmの発泡ポリエチレンバックアップ材3をいれたこと以外は、実施例5と同様にしてシーリング材組成物を充填し硬化させた。次に、実施例5と同様にして、シールド性能、引張接着性を測定した。その結果を表2に示す。引張接着試験の結果はシーリング材とモルタル板が完全に密着一体化しておりシーリング材の材破であった。
【0071】
(比較例3)
に示すように、4枚の電磁波シールドセメントモルタル板1(100mm×100mm、厚み10mm)をそれぞれの間隔が30mmとなるように配設し、モルタル板1、1間に形成された目地部2にモルタル板1の表面間にわたるよう幅50mmの銅箔テープ5(住友スリーエム( 株) 製#1181)を貼り付け、KEC法でのシールド性能、引張接着性(試験方法:JIS A5758)を測定した。その結果を表2に示す。引張接着試験の結果、低い値での銅箔の材破であった。
【0072】
(比較例4)
銅箔テープの替りに、金網(太陽金網(株)製ステンレス製16mesh×60mesh)を用いたこと以外は比較例3と同様にした。その結果を表2に示す。引張接着試験の結果は低い値で金網が外れた。
【0073】
【表2】
Figure 0003550179
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、変成ポリサルファイドあるいは変成シリコーンシーリング材組成物に炭素繊維をシーリング材組成物の全量100重量部に対して0.8〜2重量部配合したので、シーリング材に導電性を付与することができ、帯電防止材、電磁波遮蔽材等の建築部材、接地極、接地抵抗低減材などの分野において、特に好適に使用することができる。
【0075】
また、炭素繊維の使用によって比較的少量の添加によってシーリング材に導電性を付与することができるので、組成物の比重が大幅に上がるということもなく、また酸化により導電性が低下するということもない。さらに、従来のカーボンブラックを多量に配合した場合のように、流動性が大きく低下することもなくまた着色も容易なシーリング材組成物を提供することにができる。
【0076】
さらに、電磁波遮蔽の外壁パネルジョイント目地部に弾性且つ導電性シーリング材を充填するので、シーリング材組成物の硬化後は外壁パネルに密着一体化し、また伸び率も大きいので、目地部での動きが生じてもシーリング材が外壁パネルの接着面から外れることなく長期にわたり外壁パネルとの密着一体化が維持できる。このように、従来の金網、銅箔等のような遮蔽材では金属腐食のための遮蔽性能の長期信頼性が心配されるのに対して、本発明では錆等の発生もなく耐久性のある電磁波遮蔽が維持出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性シーリング材組成物を充填した目地部の断面図である。
【図2】本発明の導電性シーリング材組成物を充填した目地部の斜視図である。
【図3】本発明の導電性シーリング材組成物を充填した目地部の断面図である。
【図4】従来の遮蔽材を用いた目地部の斜視図である。
【図5】従来の遮蔽材を用いた目地部の断面図である。
【符号の説明】
1 外壁パネル
2 目地部
3 バックアップ材
4 シーリング材

Claims (4)

  1. 変成ポリサルファイドポリマー及びその硬化触媒、変成シリコーンポリマー及びその硬化触媒のうち少なくとも1つを主成分とするシーリング材組成物において、炭素繊維をシーリング材組成物の全量100重量部に対して0.8〜2重量部含有することを特徴とする導電性シーリング材組成物。
  2. 電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル間に形成される目地部に請求項1記載のシーリング材組成物を充填して、該シーリング材組成物を硬化させることを特徴とする外壁パネル間に形成される目地部の電磁波遮蔽方法。
  3. 電磁波遮蔽機能を有する複数の外壁パネルと、該外壁パネル間に形成される目地部とからなる電磁波遮蔽構造体であって、該目地部において、請求項1記載のシーリング材組成物からなるシーリング材が充填されていることを特徴とする電磁波遮蔽構造体。
  4. 電磁波遮蔽機能を有する外壁パネル間に形成される目地部にバックアップ材が配設された請求項3記載の電磁波遮蔽構造体。
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