JP2008092775A - 減速機構付モータ - Google Patents

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Yoshichika Kawashima
義親 川島
Naoki Shioda
直樹 塩田
Michio Tsukui
道夫 津久井
Hideaki Abe
英昭 阿部
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Abstract

【課題】摩擦材とワンウェイクラッチとを軸方向から凹凸係合させることにより、ワンウェイクラッチの「振れ」を抑制するようにした減速機構付モータの提供。
【解決手段】摩擦材43のワンウェイクラッチ33側にすり鉢形状凹部43cを形成するとともに、ワンウェイクラッチ33の摩擦材43側に円錐形状凸部33bを形成し、摩擦材43とワンウェイクラッチ33とを回転自在に凹凸係合した。これにより、ワンウェイクラッチ33の「振れ」を効果的に抑制してワンウェイクラッチ33の回転を安定化することができ、先端側軸受44の磨耗を抑えてモータ軸24の摺動損失の増大を抑制することができるとともに、ワンウェイクラッチ33における異音の発生を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、パワーウィンドウ装置等のアクチュエータとして用いられる減速機構付モータに関する。
一般に、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンドウ装置に用いられるアクチュエータとしては、比較的大きな出力が得られる減速機構付モータが用いられている。このパワーウィンドウ装置に用いられる減速機構付モータは、ウィンドウが外力負荷により開けられてしまうのを防止することが要求され、このための手法としては、減速機構を構成するウォームとウォームホイールとの減速比によって発生するトルクや、ウォームホイールへの外力負荷時やウォームホイールの回転駆動時のモータ軸の軸方向への変位によって発生する摩擦力等を利用することが知られている。
ところで、減速比によって発生するトルクやモータ軸の軸方向への変位によって発生する摩擦力は、外力負荷によりウィンドウが開けられることを防止し得るものの、通常のウィンドウの開閉時、つまり運転者によるウィンドウの開閉操作時においては、これらのトルクや摩擦力が電動モータの駆動抵抗となり、その結果、モータ効率を低下させることになる。そこで、このようなモータ効率の低下を抑制するために、モータ軸の軸方向への変位やモータ軸の回転方向に応じて作動または非作動するワンウェイクラッチを備えた減速機構付モータが、例えば、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載された減速機構付モータは、モータ軸の先端側を回転自在に支持する軸受とモータ軸の軸方向におけるギヤケースとの間に、外周側がギヤケースに接触せずに軸方向からギヤケースの摩擦材に接触して作動するワンウェイクラッチを装着しており、このワンウェイクラッチの作動または非作動により、モータ効率の低下を抑制するようにしている。
特開2005−110449号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載された減速機構付モータによれば、ワンウェイクラッチがモータ軸の軸受よりも先端側に組み付けられるとともに、当該ワンウェイクラッチの外周側がギヤケースに対して規制されない状態にあるので、モータ軸の回転時にワンウェイクラッチの「振れ」が発生する。したがって、このワンウェイクラッチの「振れ」により、ワンウェイクラッチがギヤケースに接触して異音を発生したり、早期に軸受を磨耗させてモータ軸の摺動損失を増大させたりすることが起こり得る。また、ワンウェイクラッチの「振れ」により、ギヤケースに装着される摩擦材との接触が不安定になり、ひいては、発生する摩擦力の大きさがばらついてワンウェイクラッチの作動が不安定になるという問題が生じ得る。
そこで上記課題を解決すべく、例えば、図10に示すように軸受Aの軸方向寸法を長く設定するとともに、この軸受Aの先端側でワンウェイクラッチBを回転自在に支持させて、これにより上述のようなワンウェイクラッチの「振れ」を抑制することが考えられる。しかしながら、図10に示すような軸受構造を採用する場合には、ギヤケースCの収容部Dに対する軸受Aの圧入距離が増加して圧入作業が困難となるばかりか、軸受Aの圧入時に軸受Aを変形させて内径寸法がばらつくといった問題が生じ得る。また、ワンウェイクラッチBの外径寸法daとモータ軸Eの外径寸法dbとの寸法誤差により軸受Aの内側を齧り、その結果、モータ軸の摺動損失が増大するといった問題も生じ得る。
本発明の目的は、摩擦材とワンウェイクラッチとを軸方向から凹凸係合させることにより、ワンウェイクラッチの「振れ」を抑制するようにした減速機構付モータを提供することにある。
本発明の減速機構付モータは、ウォームが一体的に設けられたモータ軸を有する電動モータと、前記ウォームと噛合い前記モータ軸の回転を減速するウォームホイールと、前記電動モータに取付けられ前記ウォームホイールを収容するギヤケースと、前記モータ軸の先端側に組み付けられ前記ウォームホイールから前記モータ軸への外力負荷時に前記モータ軸と前記ギヤケースとの相対回転を規制するワンウェイクラッチとを備えた減速機構付モータであって、前記ギヤケース内に設けられ、前記ウォームを収容するウォーム収容部と、前記ウォーム収容部に圧入され、前記モータ軸を前記ウォームと前記ワンウェイクラッチとの間で回転自在に支持する軸受と、前記ウォーム収容部の底部に設けられ、前記モータ軸の軸方向への変位に応じて前記ワンウェイクラッチが押圧される摩擦材とを有し、前記摩擦材の前記ワンウェイクラッチ側に凹部または凸部を形成するとともに、前記ワンウェイクラッチの前記摩擦材側に凸部または凹部を形成し、前記摩擦材と前記ワンウェイクラッチとを回転自在に凹凸係合することを特徴とする。
本発明の減速機構付モータは、前記凹部をすり鉢形状に形成することを特徴とする。
本発明によれば、ギヤケースに設けられる摩擦材のワンウェイクラッチ側に凹部または凸部を形成するとともに、ワンウェイクラッチの摩擦材側に凸部または凹部を形成し、摩擦材とワンウェイクラッチとを回転自在に凹凸係合するので、この摩擦材およびワンウェイクラッチの軸方向からの凹凸係合により、ワンウェイクラッチの径方向への移動が規制され、ワンウェイクラッチの「振れ」を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、凹部をすり鉢形状に形成するので、モータ軸の軸方向への変位によってワンウェイクラッチが摩擦材に押圧される際、摩擦材におけるすり鉢状の凹部によりワンウェイクラッチをモータ軸の回転中心に対してセンタリングさせることができる。したがって、摩擦材とワンウェイクラッチとをより安定的に接触させることができ、ひいては、ワンウェイクラッチをより安定して作動させることができる。
以下、本発明の第1実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1はパワーウィンドウ装置を備えた自動車のドアを説明する説明図を、図2は第1実施の形態におけるパワーウィンドウモータの断面図を、図3は図2の破線円a部分の部分拡大断面図を、図4はパワーウィンドウモータに装着される摩擦材を示す正面図を、図5は図3のB−B線に沿う断面図をそれぞれ表している。
図1に示すように、自動車のドア10の内部には、パワーウィンドウ装置としての昇降装置11が設けられている。この昇降装置11は、減速機構付モータとしてのパワーウィンドウモータ12と、パワーウィンドウモータ12により揺動運動するメインアーム13と、メインアーム13とともにリンク機構を形成するサブアーム14と、メインアーム13およびサブアーム14の端部(図中上端側)が図示しない滑車等を介して連結され、水平状態を保ちつつ図中上下方向に移動するウィンドウホルダ15とを有している。
パワーウィンドウモータ12にはコネクタ接続部12aが設けられており、このコネクタ接続部12aには、電線としてのコネクタ配線16の一端側が接続されている。コネクタ配線16の他端側は、例えば、図示しない車内のコンソールボックス等の内部に設置された車載用コントローラ17に接続されている。そして、ドア10の車内側に設けられたパワーウィンドウスイッチ(図示せず)を、運転者が開操作または閉操作することにより、パワーウィンドウモータ12が正方向または逆方向に回転駆動されて、ウィンドウホルダ15に支持されたウィンドウ18が開閉(昇降)するようになっている。
図2に示すように、パワーウィンドウモータ12は、電動モータ20と、当該電動モータ20に取付けられるギヤケース40とから構成されている。電動モータ20は、鋼板をプレス成形等の加工手段を施すことにより有底筒状に形成されるヨーク21と、ヨーク21の本体筒部21aの内側に径方向に向けて対向配置される一対のマグネット(永久磁石)22と、各マグネット22の内側に所定の隙間(エアギャップ)を介して回転自在に設けられる回転子(アーマチュアロータ)23とを備えている。
回転子23の中心軸には、モータ軸(アーマチュアシャフト)24が貫通して設けられ、モータ軸24の基端側(図中右側)は、ヨーク21の段状底部21bに装着された基端側軸受25によって回転自在に支持されている。
モータ軸24の基端側には、第1スチールボール26が転動自在に装着されており、この第1スチールボール26は、基端側軸受25に外周側が支持されたスラストプレート27の一側面(図中左側面)に当接している。このように、第1スチールボール26とスラストプレート27とを相互に点接触させることにより、モータ軸24の回転抵抗を低減させるようにしている。
スラストプレート27の他側面(図中右側面)には、硬質ゴム等の合成樹脂よりなる略円柱形状の弾性部材28が設けられており、この弾性部材28の軸方向への弾性変形によりモータ軸24の軸方向に対する所定量の変位を許容し、かつ、モータ軸24の軸方向に対するガタツキを防止するようにしている。
モータ軸24における回転子23の先端側(図中左側)には、回転子23に巻かれたコイル23aに電気的に接続される整流子29が隣接して設けられており、この整流子29には、ギヤケース40内に設けられるブラシ41が所定の弾圧力をもって摺接するようになっている。
モータ軸24の整流子29よりも先端側には、ウォーム30が一体的に形成されており、このウォーム30の外径寸法d1はモータ軸24の外径寸法d2よりも小さい外径寸法(d1<d2)に設定されている。また、モータ軸24のウォーム30よりも先端側には、図3に示すように、ウォーム30の外径寸法d1よりも小さい外径寸法d3の円柱部31(d3<d1)が一体的に形成されており、そのさらに先端側には、円柱部31の外径寸法d3よりも小さな外径寸法の小径円柱部32が一体的に形成されている。このように、モータ軸24を構成するウォーム30,円柱部31および小径円柱部32は、それぞれモータ軸24の先端側に行くにしたがって小径となるように形成されている。
モータ軸24の小径円柱部32には、ワンウェイクラッチ33が組み付けられており、このワンウェイクラッチ33は、図3および図5に示すように、有底筒状に形成され、外径寸法が円柱部31の外径寸法d3と同じ外径寸法d3に設定されたクラッチハウジング33aを有している。このクラッチハウジング33aは、例えば、ねずみ鋳鉄等のFC材を鋳造成形することにより形成され、その底部には、図中左方に向けて突出する凸部としての円錐形状凸部33bが形成されている。クラッチハウジング33aの内周面には、径方向への溝深さが周方向に沿って変化するように溝底面が傾斜するクラッチ溝33cが、周方向に向かって等間隔で3箇所に形成されている。
クラッチ溝33cと、クラッチハウジング33aの中心部分に配置されるモータ軸24の小径円柱部32との間には、略円柱形状のクラッチローラ33dが各クラッチ溝33cに対応して3箇所に設けられている。各クラッチローラ33dは、各クラッチローラ33dに対応してそれぞれ設けられるコイルバネ33eの弾性力により、小径円柱部32の外周面とクラッチ溝33cの内周面との間の距離が短くなる方向(図中反時計回り方向)に向けて常時押圧されている。
クラッチハウジング33aの内側の底部には、クラッチハウジング33aに対して非圧入状態で略円盤形状のスラストプレート33fが設けられており、このスラストプレート33fは、クラッチハウジング33aよりも高硬度の素材、例えば、SK材(高合金鋼)やSC材(炭素鋼)等よりなる平板状の焼入れ鋼材をプレス成形(打ち抜き加工)することにより形成されている。
モータ軸24の小径円柱部32における先端部には、図中左側に向けて開口する有底筒状部32aが形成されており、この有底筒状部32aには一対の第2スチールボール33gが軸方向に向けて互いに点接触するように装着されている。有底筒状部32aの底部(図中右側)に形成された傾斜面には、一方の第2スチールボール33gが線接触するようになっている。これにより、他方の第2スチールボール33gは小径円柱部32に対して略抵抗無く転動可能となっており、各第2スチールボール33gは、スラストプレート33fと点接触することで第1スチールボール26と同様にモータ軸24の回転抵抗を低減させるようにしている。
ギヤケース40には、有底状のウォーム収容部42が形成されており、このウォーム収容部42の軸方向における底部とクラッチハウジング33aの一側面(図中左側面)との間には、例えば、ポリイミド(PI)等の耐熱性樹脂よりなる略円盤形状の摩擦材43が装着されている。
摩擦材43は、図4に示すように本体部43aを有しており、この本体部43aには周方向に沿って等間隔で4つの切欠部43bが形成されている。このように切欠部43bを形成することにより、本体部43aの弾性変形を容易にしてウォーム収容部42内への摩擦材43の固定作業を容易に行えるようにしている。ただし、本実施の形態においては、切欠部43bを本体部43aに等間隔で4つ設けているが、例えば、摩擦材43の素材の硬度に応じてその数を任意に調整するようにしても良い。また、本体部43aの切欠部43bを省略するとともに、本体部43aの外形寸法をウォーム収容部42の内径寸法よりも小さい寸法に設定し、この摩擦材43をウォーム収容部42の底部に接着剤等の接着手段で固定するようにしても構わない。
本体部43aの中心部分には、外周部分がクラッチハウジング33a側に向けて突出する一方、外周部分から中心部分に向かうにつれて徐々に深さが深くなる凹部としてのすり鉢形状凹部43cが一体的に形成されており、このすり鉢形状凹部43cの頂部がクラッチハウジング33aに接触するようになっている。すり鉢形状凹部43cは、クラッチハウジング33aの円錐形状凸部33bに対して略全面で接触可能な形状に形成されており、これにより、すり鉢形状凹部43cと円錐形状凸部33bとは相互に凹凸係合可能となっている。
なお、ワンウェイクラッチ33は、電動モータ20が停止した状態において、ヨーク21の段状底部21bに装着された弾性部材28の弾性力により摩擦材43に向けて押圧された状態、つまり、図2に示す状態となっている。
ここで、本発明におけるワンウェイクラッチは、クラッチハウジング33a,クラッチローラ33d,スラストプレート33f,一対の第2スチールボール33g,小径円柱部32および摩擦材43によって構成されている。
ギヤケース40のウォーム収容部42は、図2に示すように、その底部側から、摩擦材43が装着される第1収容部42aと、第1収容部42aよりも大径でウォーム30が収容される第2収容部42bと、第2収容部よりも大径の第3収容部42cとを有している。
第1収容部42aの第2収容部42b側には、本発明における軸受としての先端側軸受44が圧入して固定されており、この先端側軸受44の内径寸法は、円柱部31の外径寸法d3と同じ寸法d3に設定されている。したがって、先端側軸受44は、モータ軸24の円柱部31をガタツキ無く回転自在に支持できるようになっている。
ウォーム収容部42の第3収容部42cには、中央部軸受45が圧入して固定されており、この中央部軸受45の内径寸法は、モータ軸24の内径寸法d2と同じ寸法d2に設定されている。したがって、中央部軸受45は、モータ軸24をガタツキ無く回転自在に支持できるようになっている。
ギヤケース40は、モータ軸24に一体的に形成されたウォーム30に噛み合うウォームホイール46を収容しており、このウォームホイール46の中心軸に装着された出力軸(図示せず)の先端側は、ギヤケース40を貫通して外部に延出されている。そして、この出力軸の先端側には、ピニオンギヤ(図示せず)が装着されており、このピニオンギヤの回転駆動により、昇降装置11(図1参照)を構成するメインアーム13を揺動運動させ、ウィンドウ18を昇降させるようになっている。
ここで、ウォーム30とウォームホイール46とによって、本発明における減速機構を構成しており、この減速機構は、ウォーム30の回転速度に対してウォームホイール46の出力軸の回転速度を減速させるとともに、その回転トルクを増幅させており、したがって、ドア10(図1参照)の内部に装着し得る比較的小型のモータでありながら、比較的大きな出力を得ることができる。
ギヤケース40の電動モータ20側、つまり、モータ軸24に設けられた整流子29の近傍には、ブラシ41が設けられるブラシ基板47が装着されており、このブラシ基板47には、図示しないターミナル(接続端子)の一端側が接続されている。また、ターミナルの他端側は、ギヤケース40に一体的に形成されたコネクタ接続部12aの内部に導かれている。
次に、以上のように構成したパワーウィンドウモータ12の動作について、図2および図5を用いて説明する。
運転者がパワーウィンドウスイッチを開操作すると、その開操作されたことを示す開操作信号が車載用コントローラ17に入力され、車載用コントローラ17からコネクタ配線16を介してパワーウィンドウモータ12に駆動電流(開操作電流)が供給される。パワーウィンドウモータ12への開操作電流の供給により、回転子23およびモータ軸24が図中矢印A方向に高速で回転(正回転)し、これに伴い、ウォームホイール46は図中矢印A方向に減速されて回転する。そして、ウォームホイール46の高トルク化された回転力によって、ウィンドウ18(図1参照)を所定の速度で下降させる(開く)ことができる。
このとき、ウィンドウ18の重量等による反力がウォームホイール46の図中矢印B方向に作用し、これにより、モータ軸24は図中矢印C方向に変位する。モータ軸24の図中矢印C方向への変位に伴い、モータ軸24に組み付けられたワンウェイクラッチ33が摩擦材43から離間するとともに、モータ軸24は弾性部材28を圧縮変形させる。
ここで、モータ軸24の正回転に伴い小径円柱部32は図5に示すように矢印A方向に回転され、各クラッチローラ33dを介して小径円柱部32とクラッチハウジング33aとが一体化される状態、つまり、ワンウェイクラッチ33が効く状態になろうとする。しかし、上述のようにワンウェイクラッチ33は摩擦材43から離間しているので、モータ軸24はワンウェイクラッチ33に規制されること無く回転することができ、運転者の開操作によりウィンドウ18をスムーズに下降させることができる。
一方、運転者がパワーウィンドウスイッチを閉操作すると、その閉操作されたことを示す閉操作信号が車載用コントローラ17に入力され、車載用コントローラ17からコネクタ配線16を介してパワーウィンドウモータ12に駆動電流(閉操作電流)が供給される。パワーウィンドウモータ12への閉操作電流の供給により、回転子23およびモータ軸24が図中矢印B方向に高速で回転(逆回転)し、これに伴いウォームホイール46は図中矢印B方向に減速されて回転する。そして、ウォームホイール46の高トルク化された回転力によって、ウィンドウ18を所定の速度で上昇させる(閉じる)ことができる。
このとき、ウィンドウ18の重量等による反力がウォームホイール46の図中矢印A方向に作用し、これにより、モータ軸24は図中矢印D方向に変位する。モータ軸24の図中矢印D方向への変位に伴い、モータ軸24に組み付けられたワンウェイクラッチ33のクラッチハウジング33aが、摩擦材43に対して強い力で押圧される。
ここで、モータ軸24の逆回転に伴い小径円柱部32は図5に示すように矢印B方向に回転され、各クラッチローラ33dが小径円柱部32およびクラッチハウジング33aから離れる状態、つまり、ワンウェイクラッチ33が開放される状態(効かない状態)となる。したがって、小径円柱部32は、第2スチールボール33gのスラストプレート33f上における転同により略抵抗無く相対回転可能となり、運転者の閉操作によりウィンドウ18をスムーズに上昇させることができる。
また、ウィンドウ18が閉じた状態から、ウィンドウ18に外力を負荷、つまり、車外から無理にウィンドウ18を開ける方向に外力を作用させると、ウォームホイール46を図2中矢印A方向に回転させる方向に外力が作用する。すると、ウォームホイール46とウォーム30との噛合いにより、モータ軸24が図中矢印D方向に変位し、モータ軸24に組み付けられたワンウェイクラッチ33のクラッチハウジング33aが摩擦材43に対して強い力で押圧される。
このとき、図5に示すように、小径円柱部32は図中矢印A方向に回転しようとしてワンウェイクラッチ33が効く状態となり、この状態のもとでクラッチハウジング33aと摩擦材43との摩擦力により、モータ軸24のギヤケース40に対する相対回転が規制される。これにより、ウィンドウ18を無理に開けようとする際の外力負荷によってウィンドウ18が開けられてしまうのを防止することができる。
このように、運転者の開閉操作によるモータ駆動時におけるウィンドウ18の昇降においては、ワンウェイクラッチ33を効かない状態としてウィンドウ18をスムーズに昇降させることができ、一方、車外からのウィンドウ18に対する外力負荷時(モータ停止時)においては、ワンウェイクラッチ33が効いた状態のもとでクラッチハウジング33aと摩擦材43との摩擦力によりウィンドウ18が開けられるのを防止することができる。
次に、パワーウィンドウモータ12の組み立て方法について、図6ないし図8を用いて説明する。図6はギヤケース組立工程を説明する説明図を、図7は電動モータ装着工程を説明する説明図を、図8はウォーム収容部へのモータ軸の挿入手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
図6の一点鎖線矢印に示すように、まず、ギヤケース40のウォーム収容部42に対して、摩擦材43,先端側軸受44および中央部軸受45をこの順番で装着してギヤケース40の組立体を組み立てる(ギヤケース組立工程)。このとき、摩擦材43はすり鉢形状凹部43cがギヤケース40の開口側(図中右側)を向くようにして第1収容部42aの底部に装着し、先端側軸受44は第1収容部42aの第2収容部42b側(図中右側)に圧入して装着し、中央部軸受45は第3収容部42cにおけるギヤケース40の開口側に圧入して装着するようにする。
次いで、図7の一点鎖線矢印に示すように、ギヤケース組立工程を終えたギヤケース40の開口側から、まず、別の組立工程でモータ軸24の先端側にワンウェイクラッチ33を予め組みつけておいた回転子23の組立体を装着する。その後、ヨーク21の組立体、つまり、ヨーク21に対して弾性部材28,スラストプレート27,基端側軸受25および一対のマグネット22が予め組み付けられたものを、回転子23を覆うように装着し、ネジ50によりギヤケース40と電動モータ20とを締結する(電動モータ装着工程)。
電動モータ装着工程において、モータ軸24をウォーム収容部42に向けて挿入する際、図8の太線矢印および二点鎖線に示すように、ウォーム収容部42の軸心とモータ軸24の軸心とを一致させた状態のもとで、まず、モータ軸24を回転自在に支持する中央部軸受45(内径寸法d2)に対して、その内径寸法よりも小径のワンウェイクラッチ33および円柱部31(何れも外径寸法d3)とウォーム30(外径寸法d1)とを通過させる。
その後、モータ軸24のウォーム収容部42に対する挿入を継続して行い、先端側軸受44(外径寸法d3)に対して、ワンウェイクラッチ33を通過させる。そして、クラッチハウジング33aの円錐形状凸部33bを、摩擦材43のすり鉢形状凹部43cに突き当てて、円錐形状凸部33bとすり鉢形状凹部43cとを相互に凹凸係合させる。これにより、モータ軸24の円柱部31は先端側軸受44によって回転自在に支持され、モータ軸24は中央部軸受45によって回転自在に支持されるようになる。
そして、電動モータ装着工程に引き続き、図示しない着磁電源装置により一対のマグネット22を着磁し、その後、ウォームホイール46(図2参照)をウォーム30に噛み合うようにギヤケース40に組み付けるとともに、ギヤケース40に対して図示しないケースカバーを装着することでパワーウィンドウモータ12の組み立てが完了する。
以上詳述したように、本発明の第1実施の形態におけるパワーウィンドウモータ12によれば、ギヤケース40に設けられる摩擦材43のワンウェイクラッチ33側にすり鉢形状凹部43cを形成するとともに、ワンウェイクラッチ33の摩擦材43側に円錐形状凸部33bを形成し、摩擦材43とワンウェイクラッチ33とを回転自在に凹凸係合したので、この摩擦材43およびワンウェイクラッチ33の軸方向からの凹凸係合により、ワンウェイクラッチ33の径方向への移動を規制することができる。
したがって、ワンウェイクラッチ33の「振れ」を効果的に抑制してワンウェイクラッチ33の回転を安定化することができるので、先端側軸受44の磨耗を抑えてモータ軸24の摺動損失の増大を抑制することができるとともに、ワンウェイクラッチ33における異音の発生を抑制することができる。
また、本発明の第1実施の形態におけるパワーウィンドウモータ12によれば、すり鉢形状凹部43cと円錐形状凸部33bとを相互に凹凸係合するようにしたので、モータ軸24の軸方向への変位によってワンウェイクラッチ33が摩擦材43に押圧される際、すり鉢形状凹部43cのすり鉢形状によりワンウェイクラッチ33をモータ軸24の回転中心に対してセンタリングさせることができる。したがって、摩擦材43とワンウェイクラッチ33とを相互に安定的に接触させてワンウェイクラッチ33を安定して作動させることができる。
次に、本発明の第2実施の形態について図9を用いて説明する。図9は第2実施の形態における図2の破線円a部分に対応する部分拡大断面図を表している。なお、上記第1実施の形態と同様の機能を有する部分については、同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、第2実施の形態に係るパワーウィンドウモータ60は、第1実施の形態に比して、摩擦材43とワンウェイクラッチ33との凹凸係合の関係を逆の関係、つまり、摩擦材43に円錐形状凸部43dを形成するとともに、ワンウェイクラッチ33にすり鉢形状凹部33hを形成するようにした点が異なっている。
このように構成した第2実施の形態に係るパワーウィンドウモータ60においても、上述した第1実施の形態に係るパワーウィンドウモータ12と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、摩擦材43とワンウェイクラッチ33との凹凸係合を、互いに傾斜面で接触するように円錐形状凸部とすり鉢形状凹部とを係合させたものを示したが、本発明はこれに限らず、摩擦材43とワンウェイクラッチ33とのいずれか一方に、径方向および軸方向に延びる接触面を形成する円柱形状凸部を形成するとともに、いずれか他方に円形状凹部を形成し、これらを相互に凹凸係合させるようにしても良い。要は、相互に回転自在に凹凸係合可能な形状であればその形状は問わないものである。
また、上記各実施の形態においては、減速機構付モータとして、ウィンドウが外力負荷により開けられてしまうのを防止する機能を備えたパワーウィンドウモータであるものを示したが、本発明はこれに限らず、同様の機能が要求される、例えば、サンルーフ装置等に用いられる他の減速機構付モータにも適用することができる。
さらに、上記各実施の形態においては、減速機構付モータとして、ブラシ41を備えたブラシ付の減速機構付モータであるものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、減速機構付のブラシレスモータ等にも適用することができる。
パワーウィンドウ装置を備えた自動車のドアを説明する説明図である。 第1実施の形態におけるパワーウィンドウモータの断面図である。 図2の破線円a部分の部分拡大断面図である。 パワーウィンドウモータに装着される摩擦材を示す正面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 ギヤケース組立工程を説明する説明図である。 電動モータ装着工程を説明する説明図である。 ウォーム収容部へのモータ軸の挿入手順を説明する説明図である。 第2実施の形態における図2の破線円a部分に対応する部分拡大断面図である。 ワンウェイクラッチの「振れ」に対する対応策の一例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
10 ドア
11 昇降装置(パワーウィンドウ装置)
12,60 パワーウィンドウモータ(減速機構付モータ)
12a コネクタ接続部
13 メインアーム
14 サブアーム
15 ウィンドウホルダ
16 コネクタ配線
17 車載用コントローラ
18 ウィンドウ
20 電動モータ(減速機構付モータ)
21 ヨーク
21a 本体筒部
21b 段状底部
22 マグネット
23 回転子
23a コイル
24 モータ軸
25 基端側軸受
26 第1スチールボール
27 スラストプレート
28 弾性部材
29 整流子
30 ウォーム(モータ軸,減速機構)
31 円柱部(モータ軸)
32 小径円柱部(モータ軸,ワンウェイクラッチ)
32a 有底筒状部
33 ワンウェイクラッチ
33a クラッチハウジング(ワンウェイクラッチ)
33b 円錐形状凸部(凸部)
33c クラッチ溝
33d クラッチローラ(ワンウェイクラッチ)
33e コイルバネ(ワンウェイクラッチ)
33f スラストプレート(ワンウェイクラッチ)
33g 第2スチールボール(ワンウェイクラッチ)
33h すり鉢形状凹部(凹部)
40 ギヤケース(減速機構付モータ)
41 ブラシ
42 ウォーム収容部
42a 第1収容部
42b 第2収容部
42c 第3収容部
43 摩擦材(ワンウェイクラッチ)
43a 本体部
43b 切欠部
43c すり鉢形状凹部(凹部)
43d 円錐形状凸部(凸部)
44 先端側軸受(軸受)
45 中央部軸受
46 ウォームホイール(減速機構)
47 ブラシ基板
50 ネジ

Claims (2)

  1. ウォームが一体的に設けられたモータ軸を有する電動モータと、前記ウォームと噛合い前記モータ軸の回転を減速するウォームホイールと、前記電動モータに取付けられ前記ウォームホイールを収容するギヤケースと、前記モータ軸の先端側に組み付けられ前記ウォームホイールから前記モータ軸への外力負荷時に前記モータ軸と前記ギヤケースとの相対回転を規制するワンウェイクラッチとを備えた減速機構付モータであって、
    前記ギヤケース内に設けられ、前記ウォームを収容するウォーム収容部と、
    前記ウォーム収容部に圧入され、前記モータ軸を前記ウォームと前記ワンウェイクラッチとの間で回転自在に支持する軸受と、
    前記ウォーム収容部の底部に設けられ、前記モータ軸の軸方向への変位に応じて前記ワンウェイクラッチが押圧される摩擦材とを有し、
    前記摩擦材の前記ワンウェイクラッチ側に凹部または凸部を形成するとともに、前記ワンウェイクラッチの前記摩擦材側に凸部または凹部を形成し、前記摩擦材と前記ワンウェイクラッチとを回転自在に凹凸係合することを特徴とする減速機構付モータ。
  2. 請求項1記載の減速機構付モータにおいて、前記凹部をすり鉢形状に形成することを特徴とする減速機構付モータ。
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