JP2008091615A - 被加工処理基板、その製造方法およびその加工処理方法 - Google Patents

被加工処理基板、その製造方法およびその加工処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大幅にコストを上昇させず、簡単な方法により均一な温度に加熱され得る被加工処理基板、および被加工処理基板を均一に加熱して良好に加工処理を行い得る加工処理方法を提供すること。
【解決手段】処理装置内に設けられた基板ホルダ14上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板16であって、基板ホルダ14と対面する第1主面16cおよびこの面と反対側の第2主面16dとを有する基板本体16aと、基板ホルダ14と当接可能なように第1主面16cに形成された複数個の微小な支持突起16bとからなり、複数個の支持突起16bにて基板本体16aが直接基板ホルダ14と接触しないように構成されたことを特徴とする被加工処理基板。
【選択図】図2

Description

本発明は被加工処理基板、その製造方法およびその加工処理方法に関し、詳しくは均一な温度分布となるように加熱され得る被加工処理基板に関する。
発光ダイオードやレーザーダイオードなどの光デバイス素子は、有機金属気相成長(MOVPE)法や分子線エピタキシャル成長(MBE)法などのエピタキシャル成長法を用いて半導体基板表面に素子を構成する各種の結晶膜を成長させることにより製造されている。結晶膜によって成長温度(基板温度)は異なるが、一般的に400℃以上の高温で結晶成長させる。例えばMOVPE法における窒化物系化合物半導体素子の場合、窒化インジウムガリウム(InGaN)の成長温度は700℃程度、窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)の成長温度は1100℃程度である。なお、このような光デバイス素子を製造する場合に使用される半導体基板は、一般的に化合物半導体のインゴットから所定厚みで切り出されたウェハが用いられる。
結晶成長時の半導体基板の温度は、結晶成長の条件として非常に重要な因子であり、基板の温度均一性および温度再現性は、結晶膜の特性に関わる面内分布あるいは成長毎の再現性に大きな影響を与える。また、結晶膜内の歪を緩和させたり、p導電型層を活性化させるために半導体基板を熱処理するアニールにおいても、同様の理由により基板温度の均一性、再現性が重要である。つまり、半導体基板に対する結晶成長または熱処理において、半導体基板が均一な温度分布で加熱される均熱性と温度再現性の確保は、歩留まりの向上と完成品数量の増大に繋がる。
このような半導体基板の均熱性に関して、特許文献1には、両面が凸状となった半導体基板上に結晶膜をエピタキシャル成長させることにより、結晶膜の膜厚、組成、ドーピング濃度の面内均一性を向上させる方法が開示されている。
特開2005−32803号公報
上述のように、結晶成長や熱処理工程における基板の均熱性および温度再現性は非常に重要であるが、高温で半導体基板を均一に加熱することは困難である。また、結晶成長に用いる半導体基板は、一般的に厚みは均一であるが僅かに反りを有しており、基板温度を上昇させると反りの大きさが変化する。そのため、平坦に研磨した基板載置用トレイの上に半導体基板(ウェハ)を設置した場合、基板の対向面がトレイの載置面に均等に接触せず、このことが基板面内の温度分布を不均一化し、そのことが基板面内での結晶成長の不均一性を起こす原因となっている。また、それにより1枚の半導体基板から取れる素子の良品数が減少することになっている。
また、特許文献1の技術では、結晶膜の膜厚、組成、ドーピング濃度の面内均一性を向上させるために、下地となる半導体基板の両面を凸状に研磨するという複雑な加工を要し、また、インゴットから切り出す半導体基板(ウェハ)の厚みを平坦に切り出す場合よりも厚くする必要があるため、インゴットから切り出せる基板の枚数が減少し、結果としてコストの上昇を招く。
本発明は、大幅にコストを上昇させず、簡単な方法により均一な温度に加熱され得る被加工処理基板およびその製造方法と、被加工処理基板を均一に加熱して良好に加工処理を行い得る加工処理方法を提供するものである。
本発明によれば、処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板であって、前記基板ホルダと対面する第1主面およびこの面と反対側の第2主面とを有する基板本体と、基板ホルダと当接可能なように前記第1主面に形成された複数個の微小な支持突起とからなり、前記複数個の支持突起にて前記基板本体が直接基板ホルダと接触しないように構成されたことを特徴とする被加工処理基板が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板の製造方法であって、
基板本体の前記基板ホルダと対面する第1主面をエッチングまたは切削して複数個の微小な支持突起を形成する、あるいは、基板本体の前記基板ホルダと対面する第1主面を、開口パターンを有するマスクで覆い、溶射法により前記基板本体と同じまたは異なる材料からなる複数個の微小な支持突起を前記第1主面に形成することを特徴とする被加工処理基板の製造方法が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、処理装置内に設けられた基板ホルダ上に複数個の微小な支持突起を介して被加工処理基板を設置して加熱下で所定の加工または処理を施すことを特徴とする被加工処理基板の加工処理方法が提供される。
本発明の被加工処理基板によれば、例えば、MOVPE装置、MBE装置といった処理装置を用いて被加工処理基板(例えば半導体基板)上に高温度で結晶膜を成長させる場合、あるいは被加工処理基板を高温度でアニール処理する場合等において、複数個の微小な支持突起にて基板本体を基板ホルダ上に支持することにより、基板本体を基板ホルダに直接接触させることがない。つまり、複数個の支持突起によって被加工処理基板の基板ホルダとの接触面積をできる限り小さくして、基板ホルダから基板への接触熱伝導を最小限に抑えることができると共に、被加工処理基板の特定の部分(例えば素子化しない部分)を基板ホルダに再現良く接触させることにより、基板表面および内部における温度分布の再現性をよくすることができる。
このように、高温下での被加工処理基板の加工処理において、基板−加熱体間での熱伝導において固体同士の接触熱伝導を最小限とすることにより、被加工処理基板が局部的に加熱されることが無く、基板温度の再現性および温度均一性を確保することができ、被加工処理基板の反りを抑制して素子の品質と歩留まりを向上させることができる。
本発明の被加工処理基板によれば、素子の品質と歩留まりを向上させることができる被加工処理基板を得ることができる。
本発明の被加工処理基板の加工処理方法によれば、上述と同様に、被加工処理基板に作製した素子の品質と歩留まりを向上させる効果を奏する。また、この加工処理方法によれば、複数個の微小な支持突起を、被加工処理基板に形成する以外に、処理装置の基板ホルダに形成することができる。支持突起を被加工処理基板に形成する場合、既存の処理装置を改造することなくそのまま使用することができる。一方、支持突起を処理装置側に形成する場合は、インゴットから切り出した一般的な平板状の被加工処理基板をそのまま使用することができる。
本発明は、加熱下で結晶成長やアニール処理等が施される被加工処理基板が、均一な温度分布で加熱されることを主たる目的とするものであって、この目的を達成する被加工処理基板およびその製造方法と、被加工処理基板の加工方法である。
前記被加工処理基板の加工処理方法は、処理装置内に設けられた基板ホルダ上に複数個の微小な支持突起を介して被加工処理基板を設置して加熱下で所定の加工または処理を施すことを特徴とする。
この場合、複数個の支持突起は、被加工処理基板に一体状に形成されたもの、または処理装置の基板ホルダに一体状に形成されたもの若しくは別体として取り付けられたものであることができる。
以下、本発明である複数個の支持突起を有する被加工処理基板について説明する。
複数個の支持突起を有する本発明の被加工処理基板は、処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板であって、前記基板ホルダと対面する第1主面およびこの面と反対側の第2主面とを有する基板本体と、基板ホルダと当接可能なように前記第1主面に形成された複数個の微小な支持突起とからなり、前記複数個の支持突起にて前記基板本体が直接基板ホルダと接触しないように構成されたことを特徴とする。
本発明において、被加工処理基板としては、MOVPE(Metal Organic Vaper Phase Epitaxy)装置やMBE(Molecular Beam Epitaxy)装置といった結晶装置、もしくはアニール装置などの処理装置を用いて、高温下(例えば500℃程度以上)で半導体素子を構成する結晶膜を成長させるための下地基板や、アニール、不純物熱拡散、電極形成後アロイ処理等の加工処理が施される基板等が適用される。具体的には、元素半導体または化合物半導体からなる半導体基板、SOI基板等が挙げられ、特に、III−V族化合物半導体の結晶膜を成長させるためのGaAs(砒化ガリウム)基板、GaN(窒化ガリウム)基板、AlN(窒化アルミニウム)基板、ZnSe(セレン化亜鉛)基板、SiC(炭化珪素)基板、InP(燐化インジウム)基板、Al23(サファイア)基板等が好適である。
この被加工処理基板は、上述のように基板本体と複数の微小な支持突起とからなる。
基板本体の形状やサイズは特に限定されるものではなく、例えば被加工処理基板(以下、処理基板と略称する場合がある)が半導体基板である場合は、半導体インゴットから切り出されたウェハをそのまま用いることができる。
加工処理時の処理装置内においては、基板加熱ヒータが基板本体を直接および/または基板ホルダを介して加熱する。基板加熱ヒータが基板ホルダを介して基板本体を加熱する場合、加熱された基板ホルダからの輻射熱によって基板本体は主に加熱されるが、各支持突起が基板ホルダ上に当接して基板本体を支持しているため、基板ホルダの熱が各支持突起を通して基板本体にも伝わる。そのため、基板本体の支持突起付近は他の部分より局部的に温度が上昇する。一方、基板加熱ヒータにて基板本体を直接加熱する場合でも、基板ホルダも加熱されているため、基板ホルダの熱が各支持突起を通して基板本体に伝わり局所的に基板温度が上昇する。なお、本発明において、基板ホルダとは、被加工処理基板を載置できるものであれば特に限定されず、例えば、被加工処理基板を嵌め込む凹部を有するものや、さらには凹部の底面に熱線透過用の窓部を有するものや、このような凹部を有さない扁平なトレイ形のもの等が挙げられる。
よって、できるだけ基板本体の表面および内部の温度分布を均一化するためには、複数個の支持突起は、素子が形成されない第1主面の周縁部に、かつ第1主面の中心から等距離で配置されることが好ましく、さらに、隣接する支持突起の相互間隔はそれぞれ等しいことが好ましい。
各支持突起をこのような最適化した位置に配置することにより、基板本体の表面および内部の温度分布がより均一化し、基板の反りの影響を最小限にすることができるため、基板面内の素子形成領域において均質な素子を形成することができる。また、支持突起を基板面内の素子化しない周縁部に形成することにより、素子の取れ数をできるだけ多くすることができる。なお、複数個の支持突起の配置は、基板本体の形状に応じてさらに最適化されるが、詳しくは後述する。
また、支持突起の形状および寸法は、特に限定されるものではないが、できるだけ基板ホルダとの接触面積が小さく、かつ形成容易な形状とすることが好ましく、例えば円柱形、角柱形、円錐台形、角錐台形、半球状等が挙げられる。
例えば、支持突起が円柱形の場合、直径は10μm〜2mm程度、高さは40〜500μm程度が適当である。支持突起の大きさはできるだけ小さい方がよいが、小さくし過ぎると破損の確立は高くなる。また、支持突起の高さは、基板本体の反りの大きさや素材等により最適値が異なるが、一般的に500μmを越えると、基板ホルダを介して基板本体を加熱する場合は基板ホルダ−基板本体間の隙間が大きくなるため基板本体への温度伝達が小さくなり、気流等による温度変動が大きくなる。
支持突起が半球状の場合、直径は80μm〜1mm程度が適当である。支持突起を半球状とすることにより、破損の確立を低くすることができると共に、基板ホルダとの接触を実質的に点に限りなく近くすることができ、処理基板の均熱性の面でより好ましい。
処理基板と基板ホルダとの接触点の数、すなわち支持突起の数はできるだけ少ない方が固体同士の接触による熱伝導を抑制することができる。基板本体を支持可能な最小突起数は3個であるが、基板本体の形状に応じて安定して支持できる数であること、および幾つかの支持突起が破壊されても基板本体が基板ホルダと直接接触するのを回避すること等を考慮すれば、3〜6個が適当であり、4〜6個が好ましい。
この被加工処理基板を製造する方法としては、基板本体の第1主面をエッチングまたは切削して複数個の微小な支持突起を形成する方法、あるいは基板本体の第1主面を開口パターンを有するマスクで覆い、溶射法にて基板本体と同じ材料または異なる材料からなる複数個の微小な支持突起を第1主面に形成する方法が挙げられる。
基板本体と同素材で支持突起を形成する場合、エッチングまたは切削は有効な方法である。エッチングは、基板素材により異なるが一般的に微細パターンを再現性良く作ることができる利点がある。一方、切削の場合は、フライス盤、研磨盤、切削研磨機といった装置を用いて基板本体に高さの高い支持突起を容易に形成することができる。基板自体を加工する、エッチングや切削加工では、微小な突起を形成する物質が基板から切り出された同種物質であるため、処理装置内に基板を設置した状態で真空に排気したり、処理のため基板を高温に加熱したりした場合においても基板(突起部分)から不純物が蒸発することにより、成長させるエピタキシャル層に悪影響を及ぼすことも無い。また、基板と同じ物質で形成されている事から処理温度に対する温度耐性も充分確保できる。
基板本体に支持突起を溶射法により形成する場合、支持突起の材料は基板本体と同じものでもよいが、基板本体と異なる材料、例えば基板本体の材料よりも熱伝導性の低いセラミック材料を使用することにより、素材間での接触熱抵抗によって熱伝導を抑制し、基板本体の均熱性を得ることができる。また、基板に異種材料の支持突起を形成した場合、その異種材料からの脱ガスと温度耐性が懸念されるが、セラミック材料を使用することにより、高温での不純物の蒸発も少なく、例えばMOVPE法による高温での結晶成長でも分解、蒸発すること無く形状を維持することができる。
また、溶射法による支持突起の形成は、適切な厚み(高さ)を溶射時間により制御することができる上、加工手順も少なくて済むという利点がある。この場合、支持突起の材料としては、Al23、SiC、BN、SiO2といったセラミック材料が挙げられる。
なお、上述したように、支持突起は、被加工処理基板に形成せず、(1)処理装置の基板ホルダに一体状に形成するか、若しくは(2)別体として基板ホルダに取り付けてもよい。
前記(1)の場合、基板ホルダの処理基板との対向面であって、処理基板の周縁部に対応する位置であり、第1主面の中心から等距離であり、さらに、隣接する支持突起の相互間隔がそれぞれ等しくなるように、基板ホルダを加工(例えば切削)して複数個の支持突起を一体状に形成することが好ましい。なお、支持突起の形状、サイズおよび配置は、上述と同じくすることができる。
前記(2)の場合、基板ホルダの前記(1)と同様の位置に、表面に支持突起が一体形成されたブロック(例えばセラミック製)を基板ホルダに固定(脱着可能な場合を含む)する方法を採用することができる。この場合も、支持突起の形状およびサイズは上述と同じくすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は処理装置として本発明の実施形態1に用いられる一般的なMOVPE装置を示す概略図であり、図2は図1のMOVPE装置内の基板ホルダ上に被加工処理基板を設置した状態を示す概略断面図であり、図3は図2の被加工処理基板を第1主面側から見た斜視図である。
MOVPE装置10は、反応炉11内に基板加熱ヒータ12を備えた回転マニピュレータ13を有し、回転マニピュレータ13上に基板ホルダ14が設置されている。また、反応炉11には、基板ホルダ14の上方に原料ガスおよびキャリアガスを、図示しないガス供給源から反応炉11内に導入するためのガス導入口15が備えられると共に、内部ガスを排気する図示しない排気口が備えられており、排気口はトラップ、排ガス処理装置等に接続されている。
基板ホルダ14は、材質が例えばカーボンであり、その上面には、図2に示すように、被加工処理基板16とほぼ同じ形状およびサイズの凹部14aが形成されている。
被加工処理基板16は、例えばGaAs基板からなり、円の一部が所定方向に直線的にカットされた形状の基板本体16aと、基板本体16aの第1主面16cの周縁部に配置された複数個の微小な支持突起16bとから構成される。
実施形態1の場合、基板本体16の直径は約50mm、厚みは約0.4mmである。また、支持突起16bは、基板本体16aの第1主面16cをエッチングまたは切削加工して、直径約500μm、高さ約100μmの円柱形に形成されている。基板本体16aの厚みと支持突起16bの高さの合計は、基板ホルダ14の凹部14aの深さとほぼ等しい。また、支持突起16bは、基板本体16aの第1主面16cの中心から23.5mmの位置に4個配置され、隣接する支持突起16bの円周方向の相互間隔はそれぞれ等しく(中心角度90°に)設定されている。
MOVPE装置10による加工処理に際して、被加工処理基板16は、基板ホルダ14の凹部14aに支持突起16bを下にして設置される。このとき、図2に示すように、基板ホルダ14の凹部14aの底面と処理基板16の第1主面16cとの間には支持突起16bの高さ分の隙間が存在する。なお、処理基板16が基板ホルダ14に直接接触しないよう、基板本体16aの外周面と凹部14aの内周面との間にも僅かに隙間が存在している。
その後、基板加熱ヒータ12により基板ホルダ14を介して処理基板16は加熱され、回転マニピュレータ13により回転させられる。そして、ガス導入口15から所定の流量比で混合されたIII族ガス材料(例えばGa(CH3)3)とV族有機金属材料(例えばAsH
3)を水素で希釈しながら供給する。供給された材料は高温に加熱された処理基板16の第2主面16d上でエピタキシャル成長し、所定膜厚の結晶GaAs膜が形成される。
この結晶成長に際して、基板ホルダ14の温度が約755℃で一定となるように熱電対にて制御した場合、基板本体16の第2主面16dの温度は、各支持突起16bの近傍(支持突起の中心から半径1.5mmの範囲)では放射温度計による測定で748〜747℃であり、それ以外の領域では約746℃で均一である。よって、第2主面16dの素子形成領域では均一な加熱温度であるため、良好な結晶性の結晶膜に成長することができる。
このような加熱を伴う加工処理工程(この場合、結晶成長工程)が終了した後、基板本体16aから全ての支持突起16bは除去され、基板本体のみとなった被加工処理基板は次工程に移される。支持突起16bを除去する方法としては、支持突起以外の部分をマスキングしてエッチングにより支持突起を除去する方法、研削機により支持突起分のみを荒削りした後、さらに研磨機により支持突起を取り除き、第1主面16cを平坦にする方法が挙げられる。
なお、図3では、基板本体16aに4個の支持突起16bを形成した場合を例示したが、支持突起16bの数は4個に限定されず、図4(a)に示すように中心角度120°で3個配置したり、図4(b)に示すように中心角度60°で6個配置したり、図4(c)に示すように中心角度72°で5個配置してもよい。
(実施形態2)
図5は処理装置として本実施形態2に用いられる一般的なMBE装置を示す概略図であり、図6は図5のMBE装置内の基板ホルダ上に被加工処理基板を設置した状態を示す概略断面図であり、図7は図6の被加工処理基板を第1主面側から見た平面図である。
MBE装置20は、真空チャンバー21内に基板加熱ヒータ22を備えた回転マニピュレータ23を有し、回転マニピュレータ23の下部に基板ホルダ24が取り付けられている。また、真空チャンバー21には、基板ホルダ24の下方に分子線源セル25が備えられると共に、内部に原料を充填するための図示しない開閉部と、内部ガスを排気する図示しない排気口が備えられており、排気口はトラップ、真空ポンプ等に接続されている。なお、MBE法では液体材料を使用する場合があるため、原料の充填量を多くするためにも処理基板に下向きに結晶成長させる方式が主流である。
基板ホルダ24は、材質が例えばモリブデンであり、その上面には、図6に示すように、被加工処理基板26とほぼ同じ形状およびサイズの凹部26aが形成されると共に、凹部26aの底面に窓部26bが形成されている。
被加工処理基板26は、例えばGaAs基板からなり、長方形の基板本体26aと、基板本体26aの第1主面26cの四隅近傍に配置された4個の微小な支持突起26bとから構成される。
実施形態2の場合、基板本体26aの長辺は約24mm、短辺は約18mm、厚みは約0.4mmである。また、支持突起26bは、基板本体26aの第1主面26cに、後述の溶射法により材料をアルミナ(Al2O3)として直径約500μm、高さ約100μmの円柱形に形成されている。基板本体26aの厚みと支持突起26bの高さの合計は、基板ホルダ24の凹部24aの深さとほぼ等しい。また、支持突起26bは、基板本体26aの第1主面26cの中心から14mmの位置に配置されている。
図8は、実施形態2における被加工処理基板の支持突起を溶射法により形成する状態を示す概略図である。支持突起の形成に際しては、まず、開口パターンを有するマスク31で基板本体26aの第1主面26cを覆い、支持突起形成領域以外の領域をマスキングする。そして、溶射ガン32を用い、アセチレンガスの燃焼等で得られる高温によりセラミック棒を溶融させ、ジェット流に乗せて溶融粒子33を第1主面26cのマスク開口部分に吹き付ける。支持突起の高さは、溶射の吹付け時間で制御することができる。なお、直径500μm程度の比較的大きな突起を形成する場合は、溶射のビーム径を絞ってマスク無しで直接吹き付けて支持突起を形成することも可能である。
MBE装置20による加工処理に際して、被加工処理基板26は、基板ホルダ24の凹部24aに支持突起26bを下にして設置される。このとき、図6に示すように、基板ホルダ24の凹部24aの底面と処理基板26の第1主面26cとの間には支持突起26bの高さ分の隙間が存在する。また、基板本体26aの第1主面26cにおける素子形成領域は、凹部24aの窓部24bによって下方に露出している。なお、処理基板26が基板ホルダ24に直接接触しないよう、基板本体26aの外周面と凹部24aの内周面との間にも僅かに隙間が存在している。
その後、基板加熱ヒータ22により処理基板26の第2主面26d(上面)が直接加熱され、回転マニピュレータ23により回転させられる。そして、分子線源セルから昇華されるIII族材料(例えばGa(CH3)3)と、分子線源セルから蒸発されるV族有機金属材料(例えばAs)を、高温に加熱された処理基板26の第1主面26c上でエピタキシャル成長させ、所定膜厚の結晶GaAs膜を形成する。
この結晶成長に際して、基板ホルダ24にも基板加熱ヒータ12からの熱が伝わるが、基板ホルダ24から基板本体26の第1主面26への熱伝導は、支持突起26bによる素材間の接触熱抵抗によって弱められる。よって、基板本体26aの第2主面26dが均一な温度で加熱されていれば、第1主面26cにおいては各支持突起26bの近傍が素子形成領域よりも若干温度は高いが、素子形成領域では均一な温度となる。
基板本体26aの第2主面26dの温度が約652℃で一定となるように制御した場合、基板本体26の第1主面26cの温度は、各支持突起26bの近傍(中心から半径1mmの範囲)では654〜652℃であり、それ以外の領域では約650℃で均一である。よって、第2主面16dの素子形成領域では均一な加熱温度であるため、良好な結晶性の結晶膜に成長することができる。
このような加熱を伴う加工処理工程が終了した後、実施形態1と同様の方法によって、基板本体26aから全ての支持突起26bは除去される。
なお、図7では、長方形の基板本体26aの四隅に4個の支持突起26bを形成した場合を例示したが、図9に示すように、長方形の基板本体26aの四辺近傍であって、各辺の長さ方向中間位置に4個の支持突起26bを配置してもよい。
図7のように支持突起26bを基板本体26aの四隅に配置した場合、第1主面26cに素子を形成できる有効面積をより広く確保することができるため、この被加工処理基板は主にMBE法での結晶成長に使用するのに有効である。一方、図9のように支持突起36bを基板本体36aの四辺近傍の中間位置に配置した場合、高温時の基板本体の反りによる基板表面高さの変化を最小限に抑えることができるため、この被加工処理基板は主にMOVPE(MOCVD)法での結晶成長に使用するのに有効である。
なお、実施形態1および2では、被加工処理基板としてGaAs基板を用いてGaAs結晶膜を成長させる場合を例示したが、GaN、AlN、ZnSe、SiC、InPまたはAL23からなる被加工処理基板を用いて基板材料と同じ材料の結晶膜を成長させてもよい。また、本発明では、被加工処理基板上に結晶膜を成長させる以外に、例えば、処理基板内の結晶の歪を緩和させるため、処理基板内のpまたはn導電型層を活性化させるため、処理基板内のpまたはn導電型不純物原子を均一に熱拡散させるため、イオン注入された半導体基板の格子欠陥を回復させるため、半導体基板上のドープされたSiO2膜をリフローさせて良好な段差被覆性を得るため、半導体基板(Si基板)上の金属膜をシリサイド化するためなどに行なうアニール処理にも適用可能である。
本発明は、例えばMOVPE装置、MBE装置といった結晶成長装置やアニール装置等によって高温下で結晶成長あるいは熱処理等を行なう場合に適用できる。
処理装置として本発明の実施形態1に用いられる一般的なMOVPE装置を示す概略図である。 図1のMOVPE装置内の基板ホルダ上に被加工処理基板を設置した状態を示す概略断面図である。 図2の被加工処理基板を第1主面側から見た斜視図である。 実施形態1における支持突起の異なる配置パターンを示す平面図である。 処理装置として実施形態2に用いられる一般的なMBE装置を示す概略図である。 図5のMBE装置内の基板ホルダ上に被加工処理基板を設置した状態を示す概略断面図である。 図6の被加工処理基板を第1主面側から見た平面図である。 実施形態2における被加工処理基板の支持突起を溶射法により形成する状態を示す概略図である。 実施形態2における支持突起の異なる配置パターンを示す平面図である。
符号の説明
10 MOVPE装置
11 反応炉
12 基板加熱ヒータ
13 回転マニピュレータ
14 基板ホルダ
14a 凹部
15 ガス導入口
16 被加工処理基板
16a 基板本体
16b 支持突起
16c 第1主面
16d 第2主面
20 MBE装置
21 真空チャンバー
22 基板加熱ヒータ
23 回転マニピュレータ
24 基板ホルダ
24a 凹部
24b 窓部
25 分子線源セル
26 被加工処理基板
26a 基板本体
26b 支持突起
26c 第1主面
26d 第2主面
31 マスク
32 溶射ガン
33 溶融粒子

Claims (16)

  1. 処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板であって、
    前記基板ホルダと対面する第1主面およびこの面と反対側の第2主面とを有する基板本体と、基板ホルダと当接可能なように前記第1主面に形成された複数個の微小な支持突起とからなり、前記複数個の支持突起にて前記基板本体が直接基板ホルダと接触しないように構成されたことを特徴とする被加工処理基板。
  2. 前記複数個の支持突起は、前記第1主面の周縁部に、かつ第1主面の中心から等距離で配置された請求項1に記載の被加工処理基板。
  3. 前記複数個の支持突起において、隣接する支持突起の相互間隔が等しい請求項2に記載の被加工処理基板。
  4. 前記基板本体は平面視四角形であり、前記支持突起は、第1主面の四隅近傍または第1主面の四辺近傍でかつ各辺の長さ方向中間位置に配置された請求項2に記載の被加工処理基板。
  5. 前記支持突起が、直径10μm〜2mm、高さが40〜500μmの円柱形である請求項1〜4のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  6. 前記支持突起が、直径80μm〜1mmの半球状である請求項1〜4のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  7. 前記支持突起の数が、3〜6個である請求項1〜6のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  8. 前記基板本体が、GaAs、GaN、AlN、ZnSe、SiC、InPまたはAl23からなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  9. 前記複数個の支持突起は、基板本体をエッチングまたは切削して形成された請求項1〜8のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  10. 前記複数個の支持突起が、セラミック材料にて形成された請求項1〜8のいずれか1つに記載の被加工処理基板。
  11. 前記複数個の支持突起が、開口パターンを有するマスクを用いて溶射法により形成された請求項10に記載の被加工処理基板。
  12. 処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板の製造方法であって、
    基板本体の前記基板ホルダと対面する第1主面をエッチングまたは切削して複数個の微小な支持突起を形成することを特徴とする被加工処理基板の製造方法。
  13. 処理装置内に設けられた基板ホルダ上に設置されて加熱下で所定の加工または処理を施される被加工処理基板の製造方法であって、
    基板本体の前記基板ホルダと対面する第1主面を、開口パターンを有するマスクで覆い、溶射法により前記基板本体と同じまたは異なる材料からなる複数個の微小な支持突起を前記第1主面に形成することを特徴とする被加工処理基板の製造方法。
  14. 処理装置内に設けられた基板ホルダ上に複数個の微小な支持突起を介して被加工処理基板を設置して加熱下で所定の加工または処理を施すことを特徴とする被加工処理基板の加工処理方法。
  15. 前記処理装置が、有機金属気相成長法または分子線エピタキシャル成長法にて被加工処理基板の表面に結晶膜を成長させる結晶成長装置、または被加工処理基板を熱処理するアニール装置である請求項14に記載の被加工処理基板の加工処理方法。
  16. 前記結晶成長装置を用いて被加工処理基板の表面に化合物半導体結晶膜を成長させる請求項15に記載の被加工処理基板の加工処理方法。
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