JP2008087854A - 薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体 - Google Patents

薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷適性、加工適性に優れ、尚かつ光が当たることによって有害物質を分解する作用をあわせ持ち、退色性を抑えた薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体を得る。
【解決手段】 原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設けた塗工紙を用いた薄葉紙用カートンにおいて、塗工層中に二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを顔料100重量部当たり1〜30重量部含有させてなり、この塗工紙を印刷・打ち抜き・製函加工した薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納した。
【選択図】図2

Description

本発明は、良好な加工適性を有し、尚かつ優れた空気清浄効果を有する薄葉紙用カートン及び薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納した薄葉紙箱体に関する。
生活環境に対する関心の高揚に伴い、悪臭などの日常生活における有害物質の除去の要求が増えてきている中、酸化チタンが注目を集めている。酸化チタンは従来から製紙用に優れた不透明性、白色度を持つ顔料として使用されてきたが、微粒の酸化チタンは光エネルギーを利用して酸化還元反応を引き起こし、空気中の各種有害物質を分解することが知られており、この現象を活用するため紙に坦持させるよう開発が進められており、これらの紙を用いた光触媒能を有する薄葉紙用カートン等が求められていた。
光触媒紙の開発としては、例えば、水溶性高分子と酸化チタン等の光触媒作用を持つ物質を紙に内填した光触媒紙が開示されている(特許文献1参照)が、光触媒物質は光に当たることによりその触媒作用を発揮するため、紙層内部に光触媒物質を有する方法は効率的とは言いがたく、効果も充分ではない。また、インキ着肉性や印刷光沢度、印刷物の鮮明性などカラー印刷された際の印刷品質も十分ではない。また、酸化チタン微粉末をシリカゾル等の無機結着剤と結合させ、その周りを有機接着剤で結合させた塗料を塗工した印刷シートが開示されている(特許文献2、3参照)。しかし、酸化チタン、シリカゾル混合塗料を塗工する場合、酸化チタンおよびシリカゾルの粒子径が小さく、塗料の粘度が極端に上昇し、塗工適性に劣っていた。また、塗料による被覆性が不十分であり、印刷光沢度、印刷面感、表面強度などの印刷品質に劣る問題があった。また、印刷用紙としては、日光などの紫外線があたる環境では、白色度の低下による退色性の問題があり、保存性に問題があった。
また、光触媒能を有する塗工紙を薄葉紙用カートンに用いると加工適性が劣る問題もあり、良好な印刷適性、退色性、加工適性を有し、かつ光が当たることによって有害物質を分解する作用をあわせ持った薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体が求められていた。
特開平10−226983号公報 特開2000−129595号公報 特開平11−117196号公報
このような状況に鑑みて、本発明の目的は、印刷適性、加工適性に優れ、尚かつ光が当たることによって有害物質を分解する作用をあわせ持ち、退色性を抑えた薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者等は、鋭意研究した結果、印刷品質が良好で、光が当たることによって有害物質や臭気成分を分解する作用を併せ持ち、退色性を抑えることができ、加工適性に優れる薄葉紙用カートンを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設けた塗工紙を用いた薄葉紙用カートンにおいて、塗工層中に二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを顔料100重量部当たり1〜30重量部含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記塗工層中に顔料100重量部に対して5〜40重量部有機接着剤を配合し、有機接着剤の50〜90重量%が共重合体ラテックスであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記塗工層中の接着剤として、ガラス転移温度が−20〜40℃である共重合体ラテックスを使用することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の、前記酸化チタンの一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の、湿潤状態の塗工層をキャスト仕上げするキャスト塗工紙を用いることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の塗工紙を印刷・打ち抜き・製函加工したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は薄葉紙箱体であって、請求項6に記載の薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納したものであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、 原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設けた塗工紙を用いた薄葉紙用カートンにおいて、塗工層中に二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを顔料100重量部当たり1〜30重量部含有することにより、印刷品質が良好で、光が当たることによって有害物質や臭気成分を分解する作用を併せ持ち、退色性を抑えることができ、加工適性に優れる薄葉紙用カートンを得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記塗工層中に顔料100重量部に対して5〜40重量部有機接着剤を配合し、有機接着剤の50〜90重量%が共重合体ラテックスであるので、良好な塗工適性、加工適性、優れた印刷光沢度、印刷面感、表面強度などの印刷品質と光触媒効果をよりバランスよく得ることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記塗工層中の接着剤として、ガラス転移温度が−20〜40℃である共重合体ラテックスを使用するので、印刷に耐えうる十分な表面強度及びカートン加工適性と光触媒効果をよりバランスよく得ることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の、前記酸化チタンの一次粒子径が5〜100nmであるので、印刷品質及び印刷作業性と光触媒効果をよりバランスよく得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の、湿潤状態の塗工層をキャスト仕上げするキャスト塗工紙を用いるので、高い印刷適性と光触媒効果をよりバランスよく得ることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の塗工紙を印刷・打ち抜き・製函加工したので、良好な印刷品質を有し、脱臭、空気清浄効果を備えた薄葉紙用カートンを得ることができる。
請求項7に記載の発明は薄葉紙箱体であって、請求項6に記載の薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納したものであるので、家庭、産業分野、業務用に広く使用される、脱臭、空気清浄効果を備えた薄葉紙箱体を工業的に安価に容易に入手することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る薄葉紙用カートンに用いる、原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設けた塗工紙は、塗工層中に二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを顔料100重量部当たり1〜30重量部含有している。
塗工層を形成する塗工液に顔料の一部として配合する酸化チタン自体は粒子径によらず空気清浄効果を塗工紙に付与する光触媒性能を有するものであるが、本発明では、二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを特定の配合率で用いている。酸化チタンの二次粒子の平均粒子径は、300nm〜2000nmの範囲であれば特に限定されるものではないが、500〜1500nmが好ましく、700〜1300nmが更に好ましい。
酸化チタンの二次粒子の平均粒子径が300nm未満では、酸化チタンスラリーの分散性が低下し、塗料の粘度が極端に高くなるため、生産性が低下し、さらに酸化チタンの欠落による印刷品質、印刷作業性が低下する。一方、二次粒子の平均粒子径が2000nmを超える場合、塗工紙の平滑性が低下し、印刷品質が低下する。
また、酸化チタンの一次粒子径は5〜100nmが好ましく、より好ましくは10〜50nmである。一次粒子径が5nm未満では酸化チタンスラリーの分散性、塗料の流動性が低下しやすく、印刷品質、印刷作業性が劣る傾向にある。また100nmを超えると比表面積が小さくなるため、光触媒性能が十分でない傾向にある。
前記のように、本発明では、二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを特定の配合率で用いることが重要である。
微粒の酸化チタンは光が当たることにより空気中の有害物質を分解する能力を持つことができる。酸化チタンの配合率は、顔料100重量部のうち1〜30重量部であり、好ましくは5〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部である。酸化チタンの配合率が1重量部未満の場合、光触媒の量が少なすぎて、十分な空気清浄効果が得られない。
本発明では高い光触媒効果を有する微粒の酸化チタンを使用することが重要であるが、微粒の酸化チタンは非常に流動性が悪く、塗料に使用するためにスラリー化する場合、スラリー濃度が極めて低くなる。そのため、30重量部を超えて配合した場合、空気清浄効果は得られるが、塗料濃度が大幅に低下するため、一定値以上の塗工量を塗布することが困難となる上、一般的な塗工紙で塗布される塗工量で比較した場合、表面強度などの印刷品質、耐チョーキング適性に劣る。耐チョーキング適性とは、光照射後、塗工層表面及び原紙層が光分解され、劣化することによる粉落ちへの耐性を示すものである。
本発明における酸化チタンとしては、酸化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、及び水酸化チタンと呼称されているチタン酸化物または水酸化物全てから製造することができる。
また、光触媒として一般的に使用される紫外光応答型光触媒に加え、可視光域の光にも応答し光触媒効果を示す可視光応答型光触媒も使用することができる。
本発明に用いる酸化チタンとしては、比表面積は10〜350m/gが好ましい。また、本発明の酸化チタンは、酸化チタンにシリカゾル又はアルミナゾルを混合することにより、微粒酸化チタンの周囲を無機接着機能を有するシリカゾル又はアルミナゾルが被覆するため光触媒の分解反応による用紙の劣化による退色性をより改善し、インキ成分の分解等による印刷品質の低下をより抑制できる。酸化チタンと、シリカゾル又はアルミナゾルの無機接着剤の混合比率は、重合比で5:1〜1:5の範囲の程度であり、好ましくは2:1〜1:2である。また、光透過性の点からシリカゾルを使用することが好ましい。なお塗工液調製時、微粒酸化チタンの周囲を効率的に被覆するために、酸化チタンとシリカまたはアルミナのコロイダル溶液を一定の割合で混合し、一定時間攪拌後、その他顔料や助剤を添加した方が好ましい。また、本発明においては、シリカゾル及びアルミナゾルの無機接着剤の混合物を、酸化チタンと混合することも可能である。
また、塗工紙としてキャスト塗工紙を用いた場合は、高白紙光沢度を有し、高級感のある薄葉紙用カートンが得られるが、カートン加工時の際、キャスト塗工紙表面が擦れて傷が付くという問題が発生する場合がある。この場合、前述のシリカゾルを含量100重量部に対して5重量部以上含有することが好ましく、より好ましくは、5〜50重量部含有することにより、薄葉紙用カートンの傷付きが改善される。これは最終製品である薄葉紙箱体の美粧性を高める上で重要である。また、カートン原紙あるいはカートンの印刷時や加工時の重送などのトラブルを起こし難く走行性を向上させるためには、酸化チタンと、シリカゾル又はアルミナゾルの無機接着剤の混合比率は、重合比で2:1〜1:2が好ましく、より好ましくは、2:1〜1:1.5である。
本発明おいて、塗工層に設けるその他顔料としては、塗工紙製造で従来から使用されるカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料およびプラスチックピグメント等の有機顔料などを必要に応じて1種類以上を選択して使用できる。本発明においては、白紙光沢度が高いキャスト塗工紙に用いる場合、光触媒効果、カートンの加工適性向上の点から、エンジニアードカオリンなどのカオリンを使用することが好ましく、配合量は、顔料100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、より好ましくは40重量部以上である。
本発明において、顔料とともに塗工層の主成分となる接着剤は、有機接着剤が使用され、配合率にあっては、塗工層中に顔料100重量部に対して有機接着剤を5〜40重量部が好ましく、より好ましくは8〜40重量部、さらに好ましくは8〜30重量部、特に好ましくは10〜20重量部配合することである。有機接着剤が5重量部未満の場合、十分な表面強度が得られず、カートン加工適性にも劣る。また、40重量部を超える場合、塗料濃度が低下し、塗工量の制御がしづらくなる、乾燥負荷が増大し、塗工速度が低下するなどといった生産性の問題、また酸化チタンが接着剤により被覆され、空気清浄効果が低下する等のデメリットが生じ好ましくない。空気清浄効果の点で、有機接着剤の配合部数は少ない方が好ましい。
本発明の接着剤として、塗工紙用に従来から用いられているスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体ラテックス、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体接着剤等の有機接着剤から1種類以上を適宜選択して使用される。
表面強度、空気清浄効果、カートン加工適性をバランスよく良好にするためには、有機接着剤として共重合体ラテックスを有機接着剤中50重量%以上が好ましく、更に好ましくは60重量%以上である。印刷用塗工紙の製造においては、一般にラテックスと澱粉が併用されることが多い。
これら単体の紫外線の透過率は、同等塗工量で比較した場合、ほぼ同じであるが、一方、澱粉はラテックスに比べ接着力が劣るため、同等の表面強度を得るにはラテックスに比べ、澱粉を多く配合する必要がある。有機接着剤中ラテックスの配合量が50%未満の場合、光触媒効果が低下する傾向にあり、カートン加工適性にも劣る。
また、使用される共重合体ラテックスとしては、ガラス転移温度−20〜40℃の共重合体ラテックスを使用することが好ましく、より好ましくは−20〜30℃、更に好ましくは−10〜30℃である。ガラス転移温度が40℃を超える場合、印刷に耐えうる十分な表面強度、カートン加工適性が得られにくい。また、ガラス転移温度が−20℃未満の場合には光触媒効果が十分でない傾向があり、またロールへのべたつきなどにより操業性が低下する傾向にある。粒子中に異なるガラス転移温度を持つコア−シェル型などの共重合体ラテックスについては、シェル層(表面層)のガラス転移温度が上記の温度の範囲に入ることが好ましく、さらにコア層(内層)のガラス転移温度がシェル層(表面層)より低いことが好ましい。また、共重合体ラテックスの粒子径は印刷品質、表面強度の点から50〜250nmが好ましい。澱粉などの水溶性高分子接着剤は10重量部以下が好ましい。
また、塗工層中には上記の顔料と接着剤の他に、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム、第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、モノクロル酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩や金属塩類、メチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン等の各種添加剤を適宜使用することができる。
さらに助剤として必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、耐水化剤、防腐剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗料組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
本発明の塗工用原紙には、通常のパルプ、填料等が配合される。本発明において原紙に配合されるパルプの種類等は特に限定されない。例えば、広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPとする)、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPとする)、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が使用されるが、機械パルプ、機械パルプ由来の古紙パルプを多量に用いると光が当たった場合劣化して変色するため、機械パルプは全パルプの60重量%以下の含有量が好ましく、印刷品質の点から最も好ましいのは化学パルプ100%である。
また、塗工用原紙に配合される填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、無定型シリケート、無定型シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用することができる。填料の配合量は、パルプ重量に対して1〜30重量%程度であり、好ましくは3〜20重量%である。
これら填料は、紙料スラリーの抄紙適性や強度特性を調節する目的で、単独又は2種以上を混合使用してもよい。また、必要に応じて通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、柔軟化剤、嵩高剤(低密度化剤)などを、本発明の効果を阻害しない範囲で、紙料に添加し抄紙することができる。
塗工紙用原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、もちろん、メカニカルパルプを含む中質原紙も使用できる。
さらに表面強度やサイズ性の向上の目的で、原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行ってもよい。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の、表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。
また、表面処理剤の中には、水溶性高分子のほかに耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、およびシムサイザーなどのフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。塗工原紙としては、一般の塗工紙、塗工板紙に用いられる坪量が230〜600g/m程度のものが使用され、より好ましくは230〜500g/mである。
塗工原紙に調整された塗工液を塗工する方法としては、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工する。本発明の塗工量の範囲は、特に限定されないが、印刷品質、光触媒効果、塗工適性のバランスをより良好にするために、片面当たり2g/m以上40g/m以下が好ましく、より好ましくは5g/m以上35g/m以下であり、更に好ましくは、10g/m以上30g/m以下である。
また本発明においては、塗工層に光触媒酸化チタンを配合した場合、塗工層の上層に分布した酸化チタンが光触媒効果に有効である。そのため、本発明では2層以上の塗工層を設け、その最外層に上記で規定した酸化チタンを含む塗工層を設け、その内側層に最外層とは別の調製した塗工層を設けることにより、光触媒効果を有し、更に印刷品質、表面強度等が向上した印刷用塗工紙を得ることができる。
その場合、最外層に塗工する光触媒酸化チタンを配合した塗料を片面当たり1g/m以上20g/m以下が好ましく、より好ましくは3g/m以上15g/m以下であり、更に好ましくは5g/m以上15g/m以下である。
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
乾燥後、必要に応じて、後加工であるスーパーカレンダー、高温ソフトカレンダー等の仕上げ工程によって平滑性を付与することが可能であり、所望の品質の塗工紙が得られれば、いずれのカレンダー処理、あるいは未カレンダー処理でもよい。ただし、カレンダー処理により、塗工層が密な構造となり、さらに平滑性が高くなることにより、空気との表面積が小さくなるため、塗工層に配合した光触媒と空気中の有害成分との接触確率が低下し、空気清浄効果が低下してしまう。そのため、本発明では線圧が150kN/m以下の弱カレンダー処理が好ましく、より好ましくは未カレンダー処理である。
また、本発明においては、印刷品質が良好で、光触媒機能を有するためには、PPSラフネスを0.5〜5.0μmの範囲とすることが好ましい。PPSラフネスが5.0μmを超えて数値が高い場合、平滑性が劣るため、印刷時のインキ着肉性が悪くなり、印刷面感や印刷光沢等に劣る。一方、PPSラフネスの値が低い場合、平滑性は高いが塗工層が密な構造となり、また空気との表面積が小さくなるため、塗工層に配合した光触媒と空気中の有害成分との接触確率が低下し、空気清浄効果が低下してしまう。PPSラフネスは、好ましくは1.0〜4.0μm、より好ましくは2.0〜4.0μmである。PPSラフネスは、カレンダー処理条件、パルプ配合、塗料配合、塗工量等により調製することができる。
また、本発明において、原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、湿潤状態にある該塗工層を加熱された鏡面ドラム(キャストドラム)面に圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗工紙を得る場合には、以下のような方法を用いるものである。
キャスト塗工用の原紙については、前記したように、通常の抄紙方式で抄紙した原紙が使用でき、表面強度やサイズ性の向上の目的で、原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行ってもよい。また、表面処理剤の塗布の他に、一般の塗工紙に使用される顔料と接着剤を含む塗工液を上記塗工機を用いて塗工した原紙、または上記表面処理剤を塗布乾燥した後に、更にブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いて塗工した原紙も塗工紙用の原紙として使用することができる。その場合の塗工量は、片面当り乾燥重量で1〜40g/m程度が望ましい。
また、用途に応じて片面および両面塗工することが可能である。湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば上記加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて用いる。塗工紙の乾燥程度は、原紙の種類、塗被組成物の種類等によって異なるが、一般に紙水分として約1〜10%の範囲であり、約2〜7%の範囲に乾燥するのが望ましい。さらに、必要に応じてこの予備塗工した原紙をスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理を前以って施しておくこともできる。
原紙に調製されたキャスト塗料組成物を塗工するための方法としては、2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、およびブレードメタリングサイズプレスコーターおよびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー、JFサイザー、リバースロールコーター等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、エアナイフコーター、カーテンコーターまたはダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができ、塗工量は、原紙の片面あたり4〜40g/mが好ましく、より好ましくは5〜35g/mで、更に好ましくは10〜30g/mである。
キャスト層塗工後はキャスト仕上げを行う。キャスト仕上げ方法としては、湿潤状態のままでキャスト仕上げする直接法、湿潤状態の塗工層を凝固してキャスト仕上げする凝固法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥して、再湿潤液で塗工層を再湿潤してキャスト仕上げするリウェット法などがあるが、光触媒効果、カートン加工適性の点でリウェット法、凝固法が好ましい。また目的に応じて、片面もしくは両面がキャスト仕上げされる。キャスト仕上げにおいては、加熱された鏡面ドラムの表面温度は、100℃以上であることが好ましい。
本発明においては、JIS−P8142に準拠した白紙光沢度が80%以上、好ましくは85〜98%の高白紙光沢度をもつキャスト塗工紙においても良好な効果を有することができる。白紙光沢度が高くなると、塗工層が密な構造となり、塗工層に配合した光触媒と空気中の有害成分との接触確率が低下し、空気清浄効果が低下する傾向にある。しかしながら、本発明の製造方法により、高い白紙光沢度をもつキャスト塗工紙においても、優れた空気清浄効果を示し、なおかつ高い印刷適性を有することができる。
本発明では、上記の塗工紙を用いて薄葉紙用カートン及び薄葉紙箱体が作られる。
次に、上記のような塗工紙を用いて、薄葉紙用カートン及び薄葉紙用箱体を加工製造する方法について説明する。
本発明の薄葉紙とは、ティシュ、トイレットペーパー、ペーパータオル、テーブルナプキン等の衛生用紙及び紙製又は不織布製のワイパーである。
薄葉紙用カートンの製法については特に限定されたものでなく、例えば、下記の方法によって製造される。白板紙の印刷と加工については紙業タイムス社から刊行されている白板紙・紙器‘95年版のPage153よりPage167に概説されている。
薄葉紙用カートン原紙(塗工紙)から薄葉紙箱体の製造例を説明する。上記の方法で作成された坪量230g/mから640g/mの光触媒入りの薄葉紙用カートン原紙(塗工紙)は、薄葉紙箱体として消費者に使用される時の美粧性を高める為の図柄、使用上の注意書き、ブランド名、品質表示、JANコード、製品特性のアピール、その他の表示を印刷する。印刷は主に、平版によるオフセット印刷、凹版によるグラビア印刷などを使用することができ、その他に、UV印刷、孔版(ステンシル)によるシルクスクリーン印刷、凸版によるフレキソ印刷、箔フイルムを熱圧着させるホットスタンプ印刷をすることができる。ホットスタンプ印刷では金、銀などの箔フイルムが印刷層として重層される。
インキ層、フイルムの印刷層により光触媒入りの薄葉紙用カートンの空気清浄効果及び脱臭効果が落ちる傾向にあり、薄葉紙用カートンの印刷面積は光が当たる面積当たり、1〜80%が好ましく、より好ましくは、1〜50%である。また、必要に応じて、薄葉紙用カートンを製造する際に、ニス加工、艶出し加工してもよいが、光触媒効果を不十分にする傾向があるのでこの工程は省略することもできる。
印刷後の薄葉紙用カートンの中間品は、打ち抜き処理が行われる。打ち抜き工程では、函の展開図の形に打ち抜き工程、取り出し用ミシン目入れ工程、函を折るための罫線入れ工程が行われる。打ち抜き工程で、美粧性のためエンボス処理を行っても良い。
また、打ち抜き処理後の薄葉紙用カートンの中間品はさらに窓貼り機でスリット入りポリエチレンフイルムを酢酸ビニル系、EVA系接着剤等で接着される。現在ゴミ減量化の環境問題からフイルムレスの薄葉紙箱体も多く市場に出されており本発明もこのフイルムレスの薄葉紙箱体でも良い。
次に、フイルム付き又はフイルムレスの薄葉紙用カートンの中間品はサックマシンで糊付け、製函加工されて薄葉紙用カートンが製造される。このようにして製造された薄葉紙用カートンは、ティシュの加工工程に供給される。ティシュの加工工程において、カートナーと呼ばれる加工機で薄葉紙用カートンを供給し、薄葉紙用カートンを起立させ、薄葉紙用カートンの側面より中身のティシュなどの薄葉紙を入れ込み、接着剤で封印し圧着することにより、薄葉紙を収納した薄葉紙箱体を得ることができる。
本発明で薄葉紙箱体に詰められるものは家庭用、業務用、産業用のファイシャルティシュ、トイレットペーパー、ペーパータオル、テーブルナプキン等の衛生用紙及び紙製又は不織布製のワイパーであり、それらの形態はV字折り、C字折り、Z字折り等のシート状のものでもロール状のものでも良い。図1はこのようにして製造された薄葉紙箱体の一例を示し、図1に示す薄葉紙箱体のA,B,C,D,Eの面(太陽光、蛍光灯、電球などが有効に当る面)の面積は実用的見地、空気清浄効果及び脱臭効果の見地から400cmから2,000cm2であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、キャスト塗工紙である薄葉紙用カートン原紙、及び薄葉紙用カートンから薄葉紙箱体を作成する際について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)酸化チタンの粒子測定:電子顕微鏡で撮影した写真より算出した。
微粒酸化チタンスラリーを電子顕微鏡用資料台上に薄く塗布し、40℃に設定した乾燥機にて乾燥した。その後、FE−SEM(電界放射走査型電子顕微鏡/日本電子(株)製 JSM−6700F)の撮影倍率10000倍にて撮影して観察し、二次粒子の平均粒子径を100個の粒子径の平均値から算出した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142:1988に準じて、75°光沢度を測定した。
(3)表面強度:RI−II型印刷試験機にて、東洋インキ製造製SMXタックグレード20(墨)インキを使用し、ドライピック強度を比較し、強度を下記4段階で目視評価した。
◎:極めて優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り
(4)光触媒効果:光触媒製品技術協議会が定めた光触媒性能評価試験法II b「ガスバッグB法」にて評価した。20時間紫外線を照射した後のアセトアルデヒド分解率(%)を測定し、分解率により下記4段階で評価した。
◎:非常に優れる(分解率:70%以上)、○:やや優れる(同:69〜50%)、△:やや劣る(同:49%〜10%)、×:かなり劣る(同:10%以下)
(5)退色性試験:UV照射前と、UV照射(ブラックライトで2.5mW/cm2の強度の紫外線を資料に照射)24時間経過後のISO白色度の低下率を測定して評価した。
白色度の低下率(%)=(UV照射前白色度−UV照射後白色度)/UV照射前白色度×100
(6)カートンの傷つき適性:カートン原紙からボックスを作成する際に、塗工層表面への傷のつきにくさを下記4段階で目視評価した。
◎:非常に優れる、○:やや優れる、△:やや劣る×:かなり劣る
(7)カートンの走行性:薄葉紙用カートン製造時及び薄葉紙箱体加工時の走行性を下記4段階で比較判定した。
◎:非常に優れる、○:やや優れる、△:やや劣る、×:劣る
[実施例1]
微粒酸化チタンスラリーA(堺化学社製 CSB−M;一次粒子径20〜30nm、二次粒子の平均粒子径1000nm)10部(固形分)、コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックス40)16部をセリエミキサーにて1時間攪拌した。その中に1級カオリン(商品名:UW−90/エンゲルハード製)60部、軽質炭酸カルシウム(TP121/奥多摩工業製)30部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加してセリエミキサーで分散した顔料スラリーを加え、固形分濃度60%の顔料スラリーを調製した。
これに消泡剤(サンノプコ1407/サンノプコ製)0.5部、離型剤(ノプコートC104/サンノプコ製)5部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスA(ガラス転移温度−10℃、粒子径190nm)15部、カゼイン7部を加え(ラテックス率:68%)、更に水を加えて、固形分50%の塗工液を調製した。塗工量が29g/mとなるように、坪量430g/mの白板紙に、ブレードコーターで片面を塗工、乾燥した。このようにして得た塗工紙をリウェット液(ポリエチレンエマルジョン0.5%濃度)によって塗工層表面を再湿潤した後、フォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度100m/min、表面温度115℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによってリウェットキャスト方式により、坪量460g/mのキャスト塗工紙を得た。このキャスト塗工紙を薄葉紙用カートン原紙とした。
薄葉紙用カートン原紙は印刷工程(オフセット印刷)で薄葉紙箱体を形成した際の図1のA、B、C、D、Eの面に文字や絵柄がくるように印刷を施工した。その印刷面積は、A+B+C+D+Eの面全体の面積の20%であった。その後打ち抜き機にて函の展開図の形に打ち抜き、図1の天面となるEの部分にミシン取り出し用ミシン目及び函を折るための罫線がくるように加工して薄葉紙用カートンを得た。
さらに窓貼り機で図1の天面となるE面の裏側部分にフイルムを貼り付けた後サックマシンで打ち抜きで出来た函の展開図の糊代部に酢酸ビニル系接着剤を塗布し折畳み圧着を行った。
次に、図2に示したティシュ加工製造工程(カートナー)で、ティシュ180組を詰め込み、ティシュ入り箱体を得た。
[実施例2]
実施例1において、キャスト塗料をキャストコーターに取り付けられたリバースロールコーターで塗工量が片面当たり30g/m2になるように塗工した後、蟻酸カルシウム水溶液(10%)からなる凝固液に接触させて湿潤塗工層をゲル化させ、ゲル状態となった塗工層をフォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度70m/min、表面温度115℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによって凝固方式によるキャスト塗工紙を薄葉紙用カートン原紙とした以外は、実施例1と同様にティシュ入り箱体を得た。
[実施例3]
実施例1において、坪量430g/mの白板紙の代わりに坪量330g/m用の白板紙を用いて坪量360g/mのキャスト塗工紙である薄葉紙用カートン原紙を得た。
次にオフセット印刷で、印刷面積(A,B,C,D,E面の)は40%になるように印刷した。その実施例1で記載した薄葉紙用カートンの製造工程の印刷加工工程以降同様の工程を経て薄葉紙箱体加工製造工程でトイレットペーパーを詰め込み、トイレットペーパー入り箱体を得た。
[実施例4]
実施例1において、微粒酸化チタンスラリーA(堺化学社製 CSB−M;一次粒子径20〜30nm、二次粒子の平均粒子径1000nm)10部(固形分)、コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックス40)16部の代わりに、微粒酸化チタンスラリーA(堺化学社製 CSB−M;一次粒子径20〜30nm、二次粒子の平均粒子径1000nm)10部(固形分)、コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックス40)10部に変更した以外は、実施例1と同様にティシュ入り箱体を得た。
[比較例1]
実施例1において、塗工液の酸化チタンスラリー10部、コロイダルシリカ16部、カオリン(商品名:UW−90/エンゲルハード製)60部、軽質炭酸カルシウム(TP121/奥多摩工業製)30部の代わりに、カオリン(商品名:UW−90/エンゲルハード製)70部、軽質炭酸カルシウム(TP121/奥多摩工業製)30部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。このキャスト塗工紙を薄葉紙用カートン原紙とし、実施例1と同様にティシュ入り箱体を得た。
表1に結果を示した。
Figure 2008087854
表1から明らかなように、実施例1〜4は、高白紙光沢で、光触媒効果、退色性、カートンの傷つき適性とカートンの走行性から得られるカートン加工適性に優れるものである。これに対して、比較例1は、光触媒効果、退色性、カートン加工適性に劣るものである。
[実施例5]
〈上塗り塗工液の調製〉
微粒酸化チタンスラリー(堺化学社製 CSB−M;一次粒子径20〜30nm、二次粒子の平均粒子径1000nm)5部(固形分)、コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックス40)8部をセリエミキサーにて1時間攪拌した。その中に、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT−90)60部、2級クレー(Imerys社製 KCS)35部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加して(対無機顔料 0.2部)セリエミキサーで分散した顔料スラリーを加え、固形分濃度71%の顔料スラリーを調整した。このようにして得た顔料スラリーに、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスA(ガラス転移温度0℃、粒子径100nm)13部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度63%の塗工液を得た。
〈下塗り塗工液の調製〉
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT−90)100部からなる顔料スラリーに、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスA6部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度68%の塗工液を得た。
塗工原紙は、坪量328g/mの白板紙を用いた。
上記の原紙に、下塗り塗工液を片面当たりの塗工量が8g/mになるように500m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工した。さらに上塗り塗工液を片面当たりの塗工量が8g/mになるように、500m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工を行い、塗工紙水分が5%となるように乾燥して、坪量360g/m印刷用塗工紙を得た。塗工紙を薄葉紙用カートン原紙とした。PPSラフネス(バッキング材は硬度95IRHDのハードバッキング材を、クランプ圧力は1000kPaで、ISO8791/4に準じて測定)は、3.2μmであった。薄葉紙用カートン原紙から実施例1と同様な方法でティシュ入り箱体を得た。
[比較例2]
実施例5において、上塗り塗工液の酸化チタン微粒子スラリー5部(固形分)、コロイダルシリカ8部、重質炭酸カルシウム60部、2級クレー35部の代わりに、重質炭酸カルシウム65部、2級クレー35部と変更した以外は、実施例4と同様の方法で得た印刷用塗工紙を薄葉紙用カートン原紙とした。PPSラフネスは、2.5μmであった。薄葉紙用カートン原紙から実施例1と同様な方法でティシュ入り箱体を得た。
表2に結果を示した。
Figure 2008087854
表2から明らかなように、実施例5は、光触媒効果、退色性、カートンの傷つき適性とカートンの走行性から得られるカートン加工適性に優れるものである。これに対して、比較例2は、光触媒効果、退色性に劣るものである。
その他の評価方法を以下に示す。
(8)PPSラフネス:ISO8791/4に基づいて測定した。尚、バッキング材は硬度95IRHDのハードバッキング材を、クランプ圧力は1000kPaで測定した。
(9)印刷光沢度:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製造製 ハイユニティL)を用いて印刷速度8000枚/時で印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(10)印刷面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製造製 ハイユニティL)を用いて印刷速度8000枚/時で印刷し、得られた印刷物のインキ着肉ムラ、印刷光沢度ムラを下記4段階で目視評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
(11)耐チョーキング性(光照射後の粉落ち):ブラックライトで2.5mW/cmの強度の紫外線を5時間照射後、塗工紙表面にセロハンテープを貼付、その後、ゆっくり剥がし、セロハンテープへの付着しにくい程度を4段階で目視評価した。
◎:極めて優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り
本発明に係る薄葉紙箱体の一例を示す斜視図。 本発明に係る薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納した薄葉紙箱体とする工程を示す説明図。

Claims (7)

  1. 原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設けた塗工紙を用いた薄葉紙用カートンにおいて、塗工層中に二次粒子の平均粒子径が300nm〜2000nmの酸化チタンを顔料100重量部当たり1〜30重量部含有することを特徴とする薄葉紙用カートン。
  2. 前記塗工層中に顔料100重量部に対して5〜40重量部有機接着剤を配合し、有機接着剤の50〜90重量%が共重合体ラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の薄葉紙用カートン。
  3. 前記塗工層中の接着剤として、ガラス転移温度が−20〜40℃である共重合体ラテックスを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の薄葉紙用カートン。
  4. 前記酸化チタンの一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄葉紙用カートン。
  5. 湿潤状態の塗工層をキャスト仕上げするキャスト塗工紙を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄葉紙用カートン。
  6. 請求項1〜5に記載の塗工紙を印刷・打ち抜き・製函加工したことを特徴とする薄葉紙用カートン。
  7. 請求項6に記載の薄葉紙用カートンに薄葉紙を収納したものであることを特徴とする薄葉紙箱体。
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