JP2008086067A - 可動構造体及びそれを備えた光学素子 - Google Patents

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清彦 河野
Hiroshi Noge
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Abstract

【課題】可動構造体において、櫛歯の長さを長くしても櫛歯同士が接触しにくいようにし、可動板の振れ角を大きくさせる。
【解決手段】光学素子は、光を反射するためのミラー膜が形成された可動板2と、可動板2の周囲を囲むように形成されたフレーム部を有している。可動板2は、その両側部に配された捻りバネによりフレーム部に支持されており、この捻りバネを捻りながら回動可能に構成されている。可動板2の側端部とその側端部に対向するフレーム部3の固定電極部3bには櫛歯電極5が設けられている。櫛歯電極5を構成する櫛歯2c,3cは、その根元部から先端部にかけて幅が漸次細くなるテーパ形状に形成されている。櫛歯2c,3cは、共振周波数が大きく、撓みにくくなるので、櫛歯2c,3c同士は接触しにくい。櫛歯2c,3cの櫛歯長を長くして櫛歯電極5の静電容量を大きくすることができ、可動板2に大きなトルクを加えることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学装置に搭載され外部から入射する光を走査する光学素子等に用いられる可動構造体に関する。
従来より、例えばバーコードリーダ等の光学機器には、ミラーが設けられた可動板を揺動させて、そのミラーに入射した光等をスキャン動作させる光学素子が搭載されている。このような光学素子としては、例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に示されているような、マイクロマシニング技術を用いて成形された小型の可動構造体を搭載したものが知られている。これら特許文献1乃至特許文献3に示されている光学素子の可動構造体は、複数の櫛歯により構成された櫛歯電極を有している。
図9(a)、(b)は、このような可動構造体の櫛歯電極の一例を示す。櫛歯電極85は、可動構造体の可動板82とそれに対向する可動構造体のフレーム部83とに互いに噛み合うように形成された複数の櫛歯82c,83cを有している。各櫛歯82c,83cは、その根元部から先端部にかけて、一定の幅寸法wを有するように形成されている。そして、各櫛歯82c,83cは、互いに所定の間隔gを空けて噛み合うように構成されている。可動構造体の可動板82は、この櫛歯電極85に電圧が印加され、各櫛歯82c,83c間に発生する静電力により駆動される。
ここで、特許文献1には、可動板の一面に支持フレームを有しており、ミラー面が動的に変形しないように構成された走査装置が示されている。この走査装置では、支持フレームが、可動板の両側部に行くに従って質量が減るように形成されており、可動板の回動時の慣性モーメントが小さく、高速動作可能に構成されている。特許文献2には、可動板の櫛歯電極のそれぞれの櫛歯が、櫛歯断面が可動板上面から裏面に向かって幅が徐々に拡大する台形形状になるように形成された偏向ミラーが示されている。この偏向ミラーは、櫛歯電極の櫛歯が台形形状の断面を有するように形成されていることにより、櫛歯電極間で静電力を効果的に作用させ、駆動電圧を低電圧化できるように構成されている。また、特許文献3には、可動板を2つの回動軸まわりに回動させ、光ビームを2次元的に偏向又はスキャンする2軸静電型のマイクロミラー素子が示されている。このマイクロミラー素子は、SOI(Silicon on Insulator)基板により構成されており、櫛歯電極を構成する電極が互いに異なるシリコン層に形成されていることにより、櫛歯電極に電圧を印加することができるように構成されている。
特開2006‐79078号公報 特開2005‐266566号公報 特開2004‐13099号公報
ところで、上記のような可動構造体において、可動板の水平方向からの振れ角を大きくするためには、櫛歯電極の静電容量を大きくし、可動板に加わるトルクを大きくする必要がある。櫛歯電極の静電容量を大きくするためには、櫛歯電極を構成する櫛歯の長さ(以下、櫛歯長と称する)を、可動構造体のサイズを鑑みて設定可能な範囲で長くすればよい。しかしながら、櫛歯長を長くすると、櫛歯の先端部が変位しやすくなって剛性が下がり、互いに隣り合う櫛歯同士が接触しやすくなる。すなわち、櫛歯長が長くなると、櫛歯の共振周波数が小さくなり、可動板の共振周波数と近くなるため、可動板の駆動時に櫛歯が共振することにより櫛歯が水平方向(図9(b)の矢印D方向)に変位し、櫛歯同士が接触しやすくなる。また、櫛歯電極の成形時において、可動構造体のエッチング液槽からの引き揚げた時等には、液体の表面張力により互いに隣り合う櫛歯同士が接触しやすくなる。櫛歯同士が一旦接触すると、櫛歯間に働く分子間力により、櫛歯同士が接触したまま離れることがなく、可動構造体は動作不能になる。また、櫛歯長が長いと、櫛歯が根元部等で破断しやすくなる。櫛歯の共振周波数を高くして櫛歯が撓みにくいようにするためには、各櫛歯の幅を大きくすればよいが、限られた櫛歯電極の幅に配置可能な櫛歯の数が減少し、櫛歯電極の静電容量がかえって減少し、可動板の振れ角を大きくすることができない。このように、櫛歯電極の櫛歯長は、製造時の良品率や実用性を鑑みて設定する必要があり、櫛歯電極の静電容量を大きくするには限界があった。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、櫛歯の長さを長くしても櫛歯同士が接触しにくく、櫛歯電極の静電容量が大きく、可動板の振れ角を大きくすることが可能な可動構造体と、それを備えた光学素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、可動板と、この可動板を両側部で揺動自在に軸支する捻りバネと、前記捻りバネを支持するフレーム部と、前記可動板の一部及びそれに対向する前記フレーム部に互いに噛み合うように設けられた、複数の櫛歯を有する櫛歯電極とを備え、前記可動板側の櫛歯電極と前記フレーム部側の櫛歯電極との間に電圧が印加されることにより、前記可動板が揺動するように構成された可動構造体であって、前記櫛歯電極の櫛歯の幅が、当該櫛歯の根元部よりも先端部の方が細くなるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の可動構造体において、前記櫛歯電極の櫛歯は、当該櫛歯の根元部から先端部にかけて幅が漸次細くなるテーパ形状に形成されているものである。
請求項3の発明は、請求項1の可動構造体において、前記櫛歯電極の櫛歯は、当該櫛歯の根元部から先端部にかけて段階的に幅が細くなるように形成されているものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の可動構造体を備え、前記可動板には、ミラー構造が設けられており、前記可動板が揺動することにより、前記ミラー構造に入射した光を走査させるものである。
請求項1の発明によれば、櫛歯電極の櫛歯の幅が、櫛歯電極の根元部よりも先端部の方が細くなるように構成されているので、櫛歯の共振周波数を大きくすることができ、櫛歯が撓みにくく、櫛歯の長さを長くしても櫛歯同士が接触しにくくなり、また、櫛歯が破損しにくくなる。従って、櫛歯の長さを長くして櫛歯電極の静電容量を大きくし、可動板に大きなトルクを加えることが可能になり、可動板の振れ角を大きくすることができる。
請求項2の発明によれば、櫛歯電極の櫛歯は、櫛歯の根元部から先端部にかけて幅が細くなるテーパ形状に形成されているので、櫛歯を撓みにくいように構成しつつ、複数の櫛歯を所定のスペースに効率良く配置することができる。配置可能な櫛歯の数が増えるので、櫛歯の剛性や強度を確保しつつ、櫛歯電極の静電容量をより大きくすることが可能になり、可動板の振れ角をより大きくすることができる。
請求項3の発明によれば、櫛歯電極の櫛歯は、櫛歯の根元部から先端部にかけて段階的に幅が細くなるように形成されているので、上述と同様に、櫛歯の剛性や強度を確保しつつ、複数の櫛歯を効率良く配置することができ、可動板の振れ角をより大きくすることができる。
請求項4の発明によれば、櫛歯同士が接触しにくいようにしつつ、櫛歯電極の櫛歯を長くし、ミラー構造が設けられた可動板により大きなトルクを加えることが可能である。従って、可動板の振れ角が大きくなり、光を広角に走査することが可能になる。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る光学素子の一例を示す。光学素子1は、例えば、導電性を有するシリコンと絶縁性を有する酸化膜等で構成されたシリコン基板(図示せず)をマイクロマシニング技術等を用いて成形することにより構成された小型の可動構造体により構成されている。この光学素子1は、例えば、バーコードリーダ、外部のスクリーン等に画像を投影するプロジェクタ装置、又は光スイッチ等の光学機器に搭載されるものであり、外部の光源等(図示せず)から入射する光等を走査する機能を有している。
光学素子1は、略矩形形状の素子であり、その中央部に円形の可動板2を有している。可動板2の周囲には、可動板2を囲むように配置されたフレーム部3が形成されている。可動板2は、その両側部に互いに同軸に並ぶように配された梁形状の捻りバネ4によりフレーム部3に軸支されている。フレーム部3と可動板2との間には、可動板2を駆動するための櫛歯電極5が形成されている。これらの各部材は、共に同一のシリコン基板上に形成されており、可動板2が駆動されていない静止状態にあるとき、可動板2、フレーム部3、及び捻りバネ4が略水平に並ぶように構成されている。
可動板2は、その両側部の2つの捻りバネ4が並ぶ軸付近にその重心が位置し、櫛歯電極5が駆動されて揺動するとき、捻りバネ4を回転軸として、図2の矢印Fで示すようにバランスを保ち揺動する。可動板2の上面には、例えば外部から入射される光等を反射するための円形のミラー膜(ミラー構造)2aが形成されている。このミラー膜2aは、光学素子1と共に用いられる光源の種類等に応じて選択された、例えばアルミニウムや金等の金属膜である。可動板2は、本実施形態においては円形とされ、捻りバネ4の長手方向すなわち揺動軸に略直交する方向の寸法が、可動板2の中央部側よりも捻りバネ4側において小さくなるように構成されている。そのため、可動板2の寸法が中央部側と捻りバネ4側とで等しい場合と比較して、可動板2の捻りバネ4まわりの慣性モーメントが小さく、可動板2と捻りバネ4とで構成される振動系の共振周波数が大きく、可動板2が高速動作可能になるように構成されている。
フレーム部3は、捻りバネ4を支持する支持部3aと、可動板2のうち、その揺動時に自由端となる2つの側端部をそれぞれ囲むように配された2つの固定電極部3bとを有している。支持部3aと固定電極部3bとは、互いの境界部のシリコンがエッチング等により除去されていることにより、互いに電気的に絶縁されている。支持部3aと2つの固定電極部3bとには、それぞれ、外部の電気回路に接続される電極パッド(図示せず)が形成されており、支持部3aと各固定電極部3bの電位を互いに独立して変更することができるように構成されている。この電極パッドは、例えば、ミラー膜2aと同一の金属膜により形成されている。
図3は、櫛歯電極5を示す。櫛歯電極5は、可動板2の側端部に形成された複数の櫛歯2cと、固定電極部3bのうち可動板2の側端部に対向する部位に形成された複数の櫛歯3cとを有している、いわゆる垂直静電コムである。図4は、櫛歯2c,3cを示す。本実施形態において、櫛歯2c,3cは、図3の寸法線で示すように、可動板2側又は固定電極部3b側の根元部の幅寸法がw1となり、根元部から櫛歯長lだけ離れた先端部の幅寸法がw1より小さいw2となるように形成されている。そして、櫛歯2c,3cは、根元部から先端部にかけて、幅がw1からw2まで漸次細くなるような、テーパ角(側面角度)がθに設定されたテーパ形状に形成されている。櫛歯電極5は、上記のようなテーパ形状の櫛歯2c,3cが、例えば数マイクロメートルの間隔gを保ち、互いに噛み合うように配置されて構成されている。この櫛歯電極5は、外部の電気回路等からフレーム部3上の電極パッドを介して可動板2側の櫛歯2cと固定電極部3b側の櫛歯3cとの間に電圧が印加されることにより駆動される。櫛歯電極5の各櫛歯2c,3c間に電圧が印加されると、各櫛歯2c,3cの間に、静電気力による互いに引き合う力が発生する。櫛歯電極5が駆動されて発生する力が、可動板2の側端部に、可動板2に対して略垂直に作用することにより、可動板2に静電トルクが加わり、可動板2が揺動駆動される。
ここで、この光学素子1の製造工程の一例について説明する。先ず、シリコン基板に、可動板2、フレーム部3、捻りバネ4、櫛歯電極5等を成形して、複数の可動構造体を形成する。この可動構造体は、例えば、シリコン基板を、いわゆるバルクマイクロマシニング技術を用いて加工することにより形成される。その後、例えばスパッタリング等の方法を用いることによって、シリコン基板の上面に金属膜を形成する。そして、この金属膜をパターニングすることにより、可動板2の上面にミラー膜2aを形成し、フレーム部3の上面に電極パッドを形成する。ミラー膜2a及び電極パッドが形成された後、シリコン基板とそれを支えるガラス等の支持基板とを陽極接合等により接合する。そして、その後、シリコン基板上に形成された複数の素子を個々に切り分けて、光学素子1を製造する。このような一連の工程により、複数の光学素子1を同時に製造することにより、製造コストを低減させることが可能である。なお、光学素子1の製造工程はこれに限られるものではなく、例えば、レーザ加工や超音波加工等により1つずつ形成されてもよい。
次に、上記のように構成された光学素子1の動作について図5を参照しつつ説明する。光学素子1の可動板2は、櫛歯電極5が所定の駆動周波数で駆動力を発生することにより駆動される。櫛歯電極5は、例えば、支持部3aに配された電極パッドがグランド電位に接続され、可動板2の櫛歯2cが基準電位である状態で、固定電極部3bに配された電極パッドの電位を周期的に変化させて、櫛歯2c,3c間に所定の駆動周波数の電圧が印加されて駆動される。櫛歯電極5において、2つの櫛歯3cの電位が、同時に所定の駆動電位(例えば、数十ボルト)まで変化することにより、可動板2の両端部に設けられた2つの櫛歯2cが、同時に、それぞれと対向する櫛歯3cに、静電力により引き寄せられる。本実施形態において、櫛歯電極5には、図に示すように、例えば矩形波形状の電圧が印加され、駆動力が周期的に発生するように構成されている。なお、上述のように形成された可動板2は、一般に多くの場合、その成型時に寸法誤差等が生じることにより、静止状態でも可動板2が水平姿勢ではなく、きわめて僅かであるが傾いている。そのため、静止状態からであっても、櫛歯電極5が駆動されると、可動板2にそれに略垂直な方向の駆動力が加わり、可動板2が、捻りバネ4を回転軸として回動する。
可動板2の定常揺動時において、可動板2の水平面に対する振れ角の推移は、図の略正弦波形状の実線で示される。また、図の上部には、可動板2の揺動時の各時刻における櫛歯電極5の櫛歯2c,3cの姿勢の変化を示す。可動板2が振れ角0度となる水平状態(時刻t0)から慣性力により回動し、時刻t1に、可動板2の回動方向への慣性力と、捻りバネ4の復元力とが等しくなると、可動板2のその方向への回動が止まる。可動板2の振れ角が最大となると、捻りバネ4の復元力(図に一点鎖線で示す)により、可動板2は、それまでの回動方向とは反対の方向に回動する。ここで、時刻t1から可動板2が再び水平状態となる時刻t2までの間、櫛歯電極5に駆動電圧が印加され、可動板2は、捻りバネ4の復元力によるトルクと、櫛歯電極5が発生する静電力による静電トルク(図に破線で示す)とが加えられて回動する。可動板2が、時刻t2に水平状態になり、そのまま慣性力により回動して時刻t3に振れ角が最大となると、櫛歯電極5に再び駆動電圧が印加される。そして、可動板2は、時刻t3から、捻りバネ4の復元力によるトルク及び櫛歯電極5による静電トルクにより、再び、それまでとは反対の方向に回動を開始する。可動板2は、このような櫛歯電極5の駆動力と捻りバネ4の復元力による回動を、時刻t0乃至t4までの時間を1周期として繰り返して揺動する。櫛歯電極5は、このように可動板2と捻りバネ4により構成される振動系の共振周波数の略2倍の周波数の電圧が印加されて駆動され、可動板2が共振現象を伴って駆動され、その揺動角が大きくなるように構成されている。なお、櫛歯電極5の電圧の印加態様や駆動周波数は、上述に限られるものではなく、例えば、駆動電圧が正弦波形で印加されるように構成されていても、また、櫛歯2c,3cの電位が共に変化することにより櫛歯電極5が駆動されるように構成されていてもよい。なお、可動板2に加えられるトルクは、図の2点鎖線で示すように略正弦波形状で変化することが望ましいが、櫛歯電極5による静電トルクは、図の点線で示すように、櫛歯電極5の櫛歯2c,3cが互いに近づき、互いに重なり合うときにのみ発生することから、図の破線で示すように発生する。
ここで、この光学素子1の櫛歯電極5は、上記のように櫛歯2c,3cの根元部から先端部にかけて幅が細くなるテーパ形状に形成されており、櫛歯2c,3cの剛性が高く、撓みにくいように構成されている。片持ち梁とみなされる各櫛歯2c,3cの水平方向(図4の矢印D方向)の共振周波数fは、櫛歯2c,3cのヤング率E及び櫛歯2c,3cの密度ρを用い、櫛歯の幅を(w1+w2)/2と近似した場合、櫛歯長lの関数として次式のように表すことができる。
Figure 2008086067
本実施形態において、櫛歯電極5の櫛歯2c,3cの幅や櫛歯長は、櫛歯2c,3cの共振周波数を鑑みつつ種々の計算を行い、その結果に基づいて設定されている。以下に、図6及び図7を参照しつつ、櫛歯2c,3cの幅や櫛歯長の設定に関し説明する。図6は、例えば、先端部の幅w2が2μmであり、テーパ角θが0.5deg,0.3deg,0degに設定された3種類の櫛歯2c,3cについて、それぞれの櫛歯2c,3cの櫛歯長に対する当該櫛歯2c,3cの共振周波数の値を示す。図より、テーパ角θが大きく、根元部の幅w1が大きい櫛歯2c,3cの方が、同一櫛歯長における共振周波数が大きいことがわかる。櫛歯2c,3cは、可動板2の駆動時に可動板2の揺動に共振せず櫛歯2c,3c同士が接触しないように構成されなければならないため、櫛歯2c,3cの共振周波数は、可動板2の共振周波数より大きくなければならない。すなわち、櫛歯2c,3cの櫛歯長は可動板2の共振周波数に基づいて設定され、例えば、可動板2の駆動時の共振周波数が16kHzである場合には、テーパ角θが0.5deg,0.3deg,0degである各櫛歯につき、それぞれの最大の櫛歯長は、750μm以下、600μm以下、400μm以下の長さに設定される。
図7は、櫛歯電極5の発生する静電トルクと、可動板2の振れ角との関係を示す。図では、上述のような、先端部の幅w2が2μmで、櫛歯長‐テーパ角θの組み合わせがそれぞれ750μm‐0.5deg,600μm‐0.3deg,400μm‐0degである各櫛歯2c,3cを、互いの櫛歯間の間隔gを5μmだけ確保しつつ、200μmの幅の櫛歯電極5内にそれぞれ5本、10本、14本配置して櫛歯電極5を構成したときの静電トルクを示している。なお、静電トルクは、可動板2の櫛歯2cの根元部が、可動板2の回動軸から90μm離れた部位にあるとして、櫛歯電極5の静電力は、櫛歯2cの重心位置に作用すると仮定して計算されたものである。櫛歯2c,3cにテーパ角θをつけて根元部の幅が大きくなると、櫛歯2c,3cを配置可能である間隔が大きくなり、ある一定のスペースに配置できる櫛歯2c,3cの数が減少する一方で、テーパ角θ=0degの場合よりもθ=0.3degの場合の方が、櫛歯長を400μmより長く600μmに設定できる。このとき、櫛歯電極5の静電容量の変化には、櫛歯長の違いの方が櫛歯2c,3cの数の違いよりも大きく影響し、櫛歯長が長くなることにより、テーパ角θ=0.3degである場合の方が、可動板2に加わる静電トルクは大きくなる。一方、櫛歯2c,3cのテーパ角θ=0.3degである場合とθ=0.5degである場合とを比較すると、θ=0.5degである場合の方が、櫛歯長が長いものの櫛歯2c,3cの数が少なくなり、可動板2の振れ角全域にわたり、θ=0.3degである場合よりも静電トルクが下がることがわかる。以上より、本実施形態においては、櫛歯2c,3cのテーパ角θは0.3degに設定され、静電トルクが最も大きくなるように設定される。すなわち、本実施形態において、櫛歯電極5の櫛歯2c,3cの幅や櫛歯長は、櫛歯2c,3cの剛性を維持しながら櫛歯長を長く設定して櫛歯電極5による静電トルクが大きくなるように、櫛歯2c,3cの配置本数が減るというデメリットを鑑みつつ、種々の制約条件の下で、実際に計算を行った上で設定される。なお、このとき、櫛歯2c,3cの幅や櫛歯長は、櫛歯電極5の静電トルクが最も大きくなるように計算により算出された最適値に設定されることが望ましいが、これに限られるものではない。
このように、本実施形態の光学素子1では、櫛歯2c,3cがテーパ形状であるので、テーパ角θ=0degである場合と比較して櫛歯2c,3cの共振周波数を大きくすることができ、櫛歯2c,3cが撓みにくく、櫛歯長を長くしても櫛歯2c,3c同士が接触しにくくなり、また、櫛歯2c,3cが破損しにくくなる。従って、櫛歯2c,3cの櫛歯長を長くして櫛歯電極5の静電容量を大きくし、可動板5に大きな静電トルクを加えることが可能になり、可動板5の振れ角をより大きくすることができる。また、櫛歯2c,3cはテーパ形状であるので、櫛歯電極5を配置するスペースに、複数の櫛歯2c,3cを、スペース効率良く配置することができる。従って、配置可能な櫛歯2c,3cの数が増え、櫛歯2c,3cの剛性や強度を確保しつつ、可動板2の振れ角をより大きくすることができる。これにより、ミラー膜2aを大きな振れ角で揺動させ、光をより広角に走査することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、櫛歯電極を構成する櫛歯の形状は、テーパ形状でなくてもよく、例えば櫛歯の根元部から先端部にかけて段階的に幅が細くなるように形成されていてもよい。図8は、このように、例えば段階的に幅が細くなるように形成された櫛歯の一例を示す。この櫛歯12cは、その根元部から先端部までの間で、3段階に幅が細くなるように形成されており、上述の光学素子1と同様に、複数の櫛歯12cを効率良く配置可能に構成されている。このように、本発明においては、櫛歯は、当該櫛歯の根元部よりも先端部の方が幅が細くなるように構成されていればよく、それにより、上述と同様に、櫛歯の幅が根元部から先端部まで一様である場合よりも、櫛歯の水平方向の共振周波数が大きくなり、櫛歯の長さを長くしても櫛歯同士が接触しにくいようにしつつ、可動板の振れ角を大きくすることが可能になる。
また、可動板は、円形に形成されていなくてもよく、矩形や菱形等、他の形状であってもよい。そして、本発明は、可動板にミラー膜を形成した光学素子のみに適用されるものではなく、櫛歯電極により揺動駆動される可動板を有する可動構造体に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る光学素子の一例を示す平面図。 上記光学素子を示す斜視図。 上記光学素子の櫛歯電極を示す平面図。 上記櫛歯電極の櫛歯を示す斜視図。 上記光学素子の動作の一例を示すタイムチャート。 上記櫛歯の櫛歯長と当該櫛歯の水平方向の共振周波数との関係を示すグラフ。 上記光学素子の動作時における可動板の振れ角とそのときの櫛歯電極により発生される静電トルクとの関係を示すグラフ。 上記櫛歯の一変形例を示す斜視図。 (a)は従来の光学素子の櫛歯電極を示す平面図、(b)はその櫛歯電極の櫛歯を示す斜視図。
符号の説明
1 光学素子(可動構造体)
2 可動板
2a ミラー膜(ミラー構造)
2c,3c,12c 櫛歯
3 フレーム部
4 捻りバネ
5 櫛歯電極

Claims (4)

  1. 可動板と、この可動板を両側部で揺動自在に軸支する捻りバネと、前記捻りバネを支持するフレーム部と、前記可動板の一部及びそれに対向する前記フレーム部に互いに噛み合うように設けられた、複数の櫛歯を有する櫛歯電極とを備え、前記可動板側の櫛歯電極と前記フレーム部側の櫛歯電極との間に電圧が印加されることにより、前記可動板が揺動するように構成された可動構造体であって、
    前記櫛歯電極の櫛歯の幅が、当該櫛歯の根元部よりも先端部の方が細くなるように構成されていることを特徴とする可動構造体。
  2. 前記櫛歯電極の櫛歯は、当該櫛歯の根元部から先端部にかけて幅が漸次細くなるテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可動構造体。
  3. 前記櫛歯電極の櫛歯は、当該櫛歯の根元部から先端部にかけて段階的に幅が細くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可動構造体。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の可動構造体を備え、
    前記可動板には、ミラー構造が設けられており、前記可動板が揺動することにより、前記ミラー構造に入射した光を走査させることを特徴とする光学素子。
JP2006260119A 2006-09-26 2006-09-26 可動構造体及びそれを備えた光学素子 Withdrawn JP2008086067A (ja)

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