JP2008079898A - 刺繍データ処理装置、刺繍データ処理装置を備えたミシン、刺繍データ処理プログラム及び、刺繍データ処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

刺繍データ処理装置、刺繍データ処理装置を備えたミシン、刺繍データ処理プログラム及び、刺繍データ処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】加工布のデザインを損なうことなく、多くの情報を記憶可能なICタグを加工布に取り付けることができる刺繍データ処理装置を提供すること。
【解決手段】刺繍データを処理する刺繍データ処理装置において、ICタグの大きさ及び形状に基づき定められた領域であるICタグ領域を取得し(S10)、続いて、刺繍データに基づき定められる刺繍領域内にICタグ領域を包含させることができるか否かを判定する(S20)。刺繍領域内にICタグ領域を包含させることができると判定された場合に、ICタグ領域が刺繍領域内に配置されるように、ミシンの刺繍可能領域内に刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を設定する(S20)。続いて、ICタグを加工布に配置する際の目印となるマーク縫製データが作成、付加され(S85)、ICタグを加工布に縫い付けるための止め縫付け縫製データが作成付加される(S90)。
【選択図】図8

Description

本発明は、刺繍縫製可能なミシンで刺繍する際に用いられる刺繍データを処理する刺繍データ処理装置、刺繍データ処理装置を備えたミシン、刺繍データ処理プログラム及び、刺繍データ処理プログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、光学的に読み取り可能なマークを加工布に装着し、そのマークを利用して、加工布の製造、販売の際の商品管理に利用したり、加工布の品質を表示したりする技術が知られている。
このマークは布地に直接印刷されたり、予めマークを印刷した紙や布を布地に貼り付けたりした場合には、取り扱いによっては、各種処理工程で使用される水や薬品等により布地からその一部又は全部が消失したり剥離したりするおそれがあった。そこで例えば、光学的に読み取り可能なマークを、加工布に縫製することで形成するミシンが提案されている(特許文献1参照)。このミシンにより縫製されたマークは、マークが加工布から消失、剥離、変形することを未然に防止することができる。
特公平6−67422号公報
しかしながら、上述の従来技術では、加工布に直接マークが縫製されるため、マークが加工布の外観やデザインに悪影響を及ぼすおそれがあった。また、縫製により形成されるマークに付加する情報量には限界があり、より多くの情報を加工布に保持させたいという要望があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、加工布のデザインを損なうことなく、多くの情報を記憶可能なICタグを加工布に取り付けることができる刺繍データ処理装置、刺繍データ処理装置を備えたミシン、刺繍データ処理プログラム及び、刺繍データ処理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の刺繍データ処理装置は、刺繍縫製可能なミシンで加工布に刺繍模様を縫製するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置において、各種情報が記憶された情報記憶部を備えるICタグの大きさ及び形状に基づき定められた領域であるICタグ領域を取得するICタグ領域取得手段と、前記刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記ICタグ領域が前記刺繍領域内に配置されるように、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を設定する配置設定手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記判定手段は、前記刺繍可能領域に、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域を配置する初期配置手段と、前記刺繍可能領域に配置された前記刺繍領域及び前記ICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件となるまで繰り返す配置繰返手段と、前記初期配置手段又は前記配置繰返手段により前記刺繍領域及び前記ICタグ領域が配置された場合に、当該ICタグ領域が、当該刺繍領域内に包含されているか否かを判定する包含判定手段と、前記包含判定手段により、包含させることができると1度以上判定された場合に、前記刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができると判定する総合判定手段とを備えている。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記ミシンの刺繍可能領域内の前記ICタグの位置を表す情報である位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、前記配置設定手段は、前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記ICタグ領域が前記刺繍領域内に配置されるように、かつ、前記ミシンの刺繍可能領域内に設定される前記ICタグの配置位置を前記位置情報取得手段により取得された前記位置情報が表す配置位置に固定して、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域の配置位置を設定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍模様の輪郭を指定する輪郭指定手段を備え、前記判定手段は、前記輪郭指定手段により指定された輪郭の内部を刺繍領域とし、当該刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定し、前記判定手段により包含されると判定された場合に、前記輪郭指定手段により輪郭が指定された前記刺繍模様の前記刺繍データを、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成する刺繍データ作成手段を備えている。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記刺繍領域のうち、前記ICタグ領域を包含させることができる領域である包含可能領域を報知する第1報知手段と、前記第1報知手段により報知された前記包含可能領域の中から、前記ICタグ領域を配置する包含可能領域を選択する選択手段とを備え、前記配置設定手段は、前記選択手段により選択された前記包含可能領域内に前記ICタグ領域が配置されるよう、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を設定することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ処理装置は、刺繍縫製可能なミシンで加工布に刺繍模様を縫製するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置において、各種情報が記憶された情報記憶部を備えるICタグの大きさ及び形状に基づき定められた領域であるICタグ領域を取得するICタグ領域取得手段と、前記刺繍可能領域における、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を指定する配置指定手段と、前記配置指定手段により指定された配置位置に配置された前記ICタグ領域が、前記配置指定手段により指定された配置位置に配置された前記刺繍領域内に包含されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により包含されていると判定された場合に、前記ミシンの刺繍可能領域内の前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を、前記配置指定手段により指定された配置位置に設定する配置設定手段とを備えている。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を取得する形態情報取得手段を備え、前記ICタグ領域取得手段は、前記形態情報取得手段により取得された前記形態情報に基づき定められた前記ICタグ領域を取得することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を入力する形態情報入力手段を備え、前記ICタグ領域取得手段は、前記形態情報入力手段により入力された前記形態情報に基づき定められた前記ICタグ領域を取得することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データに基づき前記刺繍模様を縫製する際の針落ち点の位置を示す針落ち点データを取得する針落ち点データ取得手段と、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点が存在するか否かを判定する針落ち点判定手段と、前記針落ち点判定手段により、前記重複領域内に前記針落ち点が存在すると判定された場合に、当該重複領域内に前記針落ち点が存在しないように、前記刺繍データを修正する刺繍データ修正手段とを備えている。
また、請求項10に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項9に記載の発明の構成に加え、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点のうち、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するか否かを判定する折り返し点判定手段を備え、前記針落ち点判定手段は、前記折り返し点判定手段により、前記重複領域内に前記折り返し点が存在しないと判定された場合に、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点が存在するか否かを判定し、前記配置設定手段は、前記折り返し点判定手段により、前記重複領域内に前記折り返し点が存在すると判定された場合に、当該重複領域とは異なる前記刺繍領域内に前記ICタグ領域が配置されるように、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を再設定することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項9又は10に記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ修正手段は、前記刺繍模様を縫製する際の縫目幅を変更することにより、前記重複領域内に前記針落ち点が存在しないように、前記刺繍データを修正することを特徴とする。
また、請求項12に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ICタグを前記配置設定手段により定められた配置位置に配置する際の目印となる縫目を前記加工布に形成するためのマーク縫製データを作成するマーク縫製データ作成手段を備えている。
また、請求項13に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項12に記載の発明の構成に加え、前記マーク縫製データ作成手段により作成された前記マーク縫製データを前記刺繍データの前に付加し、当該マーク縫製データと当該刺繍データとの間に、前記ミシンの運転を停止させることを指示する一時停止データを付加する第1データ付加手段を備えている。
また、請求項14に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記配置設定手段により定められた配置位置に配置された前記ICタグを前記加工布に縫い付ける縫目を形成するための止め縫付け縫製データを作成する止め縫付け縫製データ作成手段と、前記止め縫付け縫製データ作成手段により作成された前記止め縫付け縫製データを前記刺繍データの前に付加する第2データ付加手段とを備えている。
また、請求項15に係る発明の刺繍データ処理装置は、請求項1乃至14のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記判定手段の判定結果及び前記配置設定手段により決定された配置の少なくともいずれか一方を報知する第2報知手段を備えている。
また、請求項16に係る発明のミシンは、請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置を備えている。
また、請求項17に係る発明の刺繍データ処理プログラムは、請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
また、請求項18に係る発明の記録媒体は、請求項17に記載の刺繍データ処理プログラムを記録したことを特徴とする。
請求項1に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、加工布に装着されるICタグ領域が刺繍領域内に包含されるように、刺繍模様領域とICタグ領域の配置位置を定めることができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従えば、加工布に装着されるICタグを刺繍模様にて覆い隠すことができ、加工布のデザインを損なうことなく、多くの情報を保持可能なICタグを加工布に装着させることができる。
また、請求項2に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、刺繍可能領域に配置された刺繍領域及びICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件となるまで繰り返して、その都度ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かを判定し、包含させることができると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定するようにしている。このため、ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かの判定を確実に行うことができる。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、ICタグの加工布上の配置位置を少なくとも表す位置情報を取得し、加工布上のICタグの配置位置を固定した上で、加工布に装着されるICタグが刺繍模様により覆われるように、刺繍模様の配置を定めることができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従えば、ICタグの加工布上の配置位置がすでに定められている場合に、そのICタグの配置位置に適した刺繍模様の配置位置を定めることができる。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、指定された刺繍模様の輪郭に基づき刺繍領域を設定し、その刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定するとともに、ICタグ領域を包含させることができると判定された場合に、指定された輪郭が指定された刺繍模様の刺繍データを、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成するようにしている。このため、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍データを新たに作成することができる。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、第1報知手段により報知された包含可能領域の中からICタグ領域を配置する包含可能領域を選択する選択手段を設けているので、ICタグ領域の配置位置を報知された包含可能領域内の所望の位置に設定することができる。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、刺繍可能領域における、刺繍領域及びICタグ領域を所望の配置位置に指定した場合に、その刺繍領域内にICタグ領域が包含されているか否かに基づき、刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を指定された配置位置に設定することができる。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、加工布に装着されるICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す形態情報を取得し、その形態情報に基づきICタグ領域を定めることができる。このため、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍領域とICタグ領域の配置位置を定める処理に用いるICタグ領域を適切に定めることができる。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、加工布に装着されるICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す形態情報を入力手段により入力し、その入力された形態情報に基づきICタグ領域を定めることができる。このため、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍領域とICタグ領域の配置位置を定める処理に用いるICタグ領域を、ユーザにより入力された形態情報に基づき適切に定めることができる。
また、請求項9に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加え、刺繍データに基づき針落ち点が定まる場合に、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる領域である重複領域内に、針落ち点が存在するときには、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正することができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従って、ICタグを加工布上に配置し、本発明の刺繍データ処理装置が修正した刺繍データを用いて、刺繍縫製することにより、刺繍縫製時にICタグを縫針で傷つけたり、破損させたりすることなく、加工布に装着されるICタグを刺繍模様により覆い隠すことができる。
また、請求項10に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項9に記載の発明の効果に加え、刺繍データに基づき針落ち点が定まる場合に、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる領域である重複領域内に、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するときには、重複領域となる領域内に折り返し点が存在しないように、ICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を再設定することができる。さらに、重複領域内に折り返し点が存在しない場合には、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる領域である重複領域内に、針落ち点が存在する場合であっても、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正することができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従って、ICタグを加工布上に配置し、本発明の刺繍データ処理装置が修正した刺繍データを用いて、刺繍縫製することにより、刺繍縫製時にICタグを縫針で傷つけたり、破損させたりすることなく、加工布に装着されるICタグを刺繍模様により覆い隠すことができる。
また、請求項11に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項9又は10に記載の発明の効果に加え、刺繍データに基づき針落ち点が定まる場合に、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる領域である重複領域内に、針落ち点が存在するときには、刺繍模様の縫目幅を変更することにより、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正することができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従って、ICタグを加工布上に配置し、本発明の刺繍データ処理装置が修正した刺繍データを用いて、刺繍縫製することにより、刺繍縫製時にICタグを縫針で傷つけたり、破損させたりすることなく、加工布に装着されるICタグを刺繍模様により覆い隠すことができる。また、刺繍模様の縫目幅を変更することにより、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正しているので、刺繍上がりに与える影響を抑えつつ、刺繍データを修正することができる。
また、請求項12に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明の効果に加え、ICタグの配置位置を加工布に配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データを作成することができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めたマーク縫製データに基づき縫製した縫目を目印に、刺繍データ処理装置により設定された配置位置にICタグを容易に配置することができる。
また、請求項13に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項12に記載の発明の効果に加え、マーク縫製データを刺繍データの前に付加し、さらに、マーク縫製データと刺繍データとの間に一時停止データを付加しているので、本発明の刺繍データ処理装置が定めたマーク縫製データに基づきICタグを加工布上に配置する際の目印となる縫目を縫製した後、一時停止データにより、ミシンによる縫製が停止される。このため、ミシンの停止中に縫目を目印としてICタグを加工布上に適切に配置し、その後、ミシンによる縫製を再開させて刺繍データに基づく刺繍模様を縫製させることができる。
また、請求項14に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明の効果に加え、適切な配置位置に配置されたICタグを加工布に縫い付ける縫目を形成するための止め縫付け縫製データを作成することができる。このため、ICタグを加工布上に確実に固定することができる。
また、請求項15に係る発明の刺繍データ処理装置によれば、請求項1乃至14のいずれかに記載の発明の効果に加え、ICタグ領域が包含される領域が、刺繍領域内に少なくとも1つ以上有るか否かの判定結果及び刺繍領域並びにICタグ領域の配置位置の少なくともいずれか一方を報知する第2報知手段を備えているので、ICタグ領域が包含される領域が、刺繍領域内に少なくとも1つ以上有るか否かがこの第2報知手段により報知された場合には、ICタグ領域が包含される領域の有無を知ることができる。一方、刺繍領域並びにICタグ領域の配置位置が第2報知手段により報知された場合には、報知された配置位置に従い、ICタグを加工布に配置し、ICタグを刺繍模様にて覆い隠すことができる。
また、請求項16に係る発明のミシンによれば、請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置を備えているので、同装置と同様の作用効果を得ることができる。
また、請求項17に係る発明の刺繍データ処理プログラムによれば、コンピュータに実行させることにより請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置の各種処理手段としての作用効果を奏することができる。したがって、コンピュータを利用して請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置を構成することができ、同装置と同様の作用効果を得ることができる。
また、請求項18に係る発明の記録媒体によれば、請求項17に記載のプログラムをコンピュータによって実行することにより、請求項17に記載の発明の作用効果を奏することができる。
以下、本発明に係るミシンを適用した第1乃至第4の実施形態の刺繍データ処理装置について、図面を参照して順に説明する。まず、第1の実施形態の刺繍データ処理装置について説明する。第1の実施形態の刺繍データ処理装置は、上下動する針に対して相対的に加工布を移動して加工布に縫目を形成するミシンと一体に設けられた場合の一例である。尚、刺繍データ処理装置は、ミシンとは別体に設けるようにしてもよい。最初に、本実施形態に係るミシン1の物理的構成及び電気的構成を説明する。
まず、ミシン1の物理的構成について、図1を参照して説明する。図1は、ミシン1の斜視図である。尚、図1において、紙面の手前側を前方、紙面の奥行き側を後方と言い、ミシンベッド11側を下にした場合の紙面の左右方向を左右方向と言う。
図1に示すように、ミシン1は、左右方向に長いミシンベッド11と、ミシンベッド11の右端部から上方へ立設された脚柱部12と、脚柱部12の上端から図1における左方へ延びるアーム部13と、アーム部13の左先端部に設けられた頭部14とを有する。ミシンベッド11には、加工布(図示せず)を挟持する刺繍枠34が配置されている。この刺繍枠34は、刺繍枠移動機構36により装置固有のXY座標系に基づく任意の位置に移動するように構成されている。そして、刺繍枠移動機構36により加工布を自在に移動させながら針棒や釜機構(図示せず)を駆動させることにより、加工布に対して所定の縫目や所定の刺繍を形成する刺繍形成動作が実行される。
また、頭部14には、縫針29が装着された針棒(図示せず)を上下方向に駆動させる針棒機構(図示せず)と、この針棒を左右方向に揺動させる針振り用パルスモータ80(図2参照)と、天秤機構(図示せず)とが設けられている。上述の刺繍枠移動機構36や針棒等は、刺繍データに基づいて、ミシン1に内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御される。また針棒近傍の頭部14の下面には、図1において図示しないが、刺繍枠34の内周35の内部の刺繍可能領域内に配置されたICタグの大きさや形状を読み取り可能な画像読取センサ27(図2参照)が設けられている。この画像読取センサ27は、例えば、CCDセンサ又はCMOSセンサから構成される。
また、脚柱部12の前面には、本発明の表示手段に相当し、縦長の長方形形状を有する液晶ディスプレイ15が設けられている。この液晶ディスプレイ15には、種々の模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、さらには各種のメッセージ等が表示される。この液晶ディスプレイ15の前面には、複数の模様の模様名や各種の機能を実行させる機能名、送り量調整用パルスモータ78(図2参照)による加工布の送り量や針振り用パルスモータ80による針振り量等の各種設定画面における数値設定等の表示位置の各々に対応するようにタッチパネル26が設けられている。このため、これらの液晶ディスプレイ15に表示された画面の模様表示部や設定部に対応するタッチパネル26を、指や専用のタッチペンを用いて押圧操作することにより、縫製に供する模様の選択や機能の指示や数値設定等を実行することができる。
また、脚柱部12の図1における右側面には、図1において図示しないが、メモリーカード等の外部記憶装置39を接続可能なコネクタ38(図2参照)も設けられている。このコネクタ38を介して、外部記憶装置39から各種縫製情報データや、各種プログラムをミシン1の内部に取り込んだり、ミシン1の外部に出力したりすることが可能である。
次に、アーム部13の構成について説明する。アーム部13には、その上部側を開閉する開閉カバー16が取り付けられている。この開閉カバー16の内部には、縫針29に糸を供給する糸駒(図示せず)が収納され、この糸駒から延びる上糸は、図示しないが、頭部14に設けられた糸張力を調整する糸調子器及び糸取バネ、上下に往復駆動して上糸を引き上げる天秤等の複数の糸掛部を経由して、針棒に装着された縫針29に供給される。
また、アーム部13には、ミシンモータ79(図2参照)により回転駆動され、アーム部13の長手方向に延設されるミシン主軸(図示せず)が設けられ、このミシン主軸の回転により針棒機構と天秤機構とが駆動される。
このアーム部13の前面下部には、ミシンの運転を開始及び停止する、即ち、縫製開始及び停止を指示する縫製開始・停止スイッチ21,加工布を通常とは逆方向である後方から前方へ送るための返し縫いスイッチ22,針棒の停止位置を上下に切り換える針上下スイッチ23,押え足30を昇降させる動作を指示する押え足昇降スイッチ24及び、天秤、糸調子器、糸取りバネに糸掛けを行うと共に、縫針29の目孔にも糸通しを行う自動糸掛開始を指示する自動糸掛開始スイッチ25等が設けられている。
また、アーム部13の左先端部に設けられた頭部14には、前述の針棒、天秤、糸調子器、糸取バネの他、図示しないが、自動糸掛け装置、自動糸通し機構等が設けられている。また、針棒の後側には、ミシン機枠に昇降可能に支持された押え棒(図示せず)が配設され、この押え棒の下端部には、加工布を押圧するための押え足30が装着されている。
次に、ミシン1の電気的構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、ミシン1の電気的構成を示す概念図である。図3は、RAM63の記憶領域を説明するための概念図である。図2に示すように、このミシン1の制御部60は、CPU61,ROM62,RAM63,EEPROM64,入力インターフェイス65,出力インターフェイス66,コネクタ38等で構成され、これらはバス67により相互に接続されている。そして、入力インターフェイス65には、前述の縫製開始・停止スイッチ21,返し縫いスイッチ22,針上下スイッチ23,押え足昇降スイッチ24,自動糸掛開始スイッチ25,タッチパネル26及び、画像読取センサ27等が接続されている。一方、出力インターフェイス66には、加工布の送り量を調整する送り量調整用パルスモータ78,ミシン主軸を回転駆動させるミシンモータ79,針棒(図示せず)を揺動駆動する針振り用パルスモータ80,前述の押え足昇降パルスモータ43,液晶ディスプレイ15,刺繍枠34をX軸方向に駆動させるX軸モータ81及び刺繍枠34をY軸方向に駆動させるY軸モータ82がそれぞれ駆動回路71乃至77を介して電気的に接続されている。以下、ミシン1の制御部60を構成する、CPU61,ROM62,RAM63について詳述する。
CPU61は、ミシン1の主制御を司り、ROM62に記憶された縫製制御プログラムに従って、縫製を実行するための各種演算及び処理を実行する。また、ROM62に記憶された、刺繍データ処理プログラムに従って、刺繍可能領域内にICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を設定する。尚、ミシン操作プログラムはメモリーカード等の外部記憶装置に記憶されていてもよく、その場合は、当該プログラムをRAM63上に読み込んで実行する。
ROM62は、各種の駆動機構を駆動制御するとともに、各種模様を選択する模様選択制御や各種の表示制御を含む縫製制御プログラムが記憶された縫製制御プログラム記憶領域に加えて、後述する本願特有のプログラムであり、刺繍可能領域内にICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を設定する刺繍データ処理プログラムが記憶された刺繍データ処理プログラム記憶領域等が設けられている。尚、これらの各種の縫製情報データの一部又は全部は、EEPROM64に記憶されていてもよいし、外部記憶装置に記憶されているデータをミシン1に読み込んでもよい。
RAM63は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、ROM62から読み出された各種の縫製情報データや、EEPROM64から読み出された各種設定値、CPU61が演算処理した演算結果を収容する各種記憶領域が必要に応じて設けられている。このRAM63の記憶領域の詳細について、図3を参照して説明する。図3に示すように、ICタグの大きさ及び形状を含む形態情報を形状データとして記憶するICタグ形状記憶領域631,形状データに基づき定められたICタグ領域を記憶するICタグ領域記憶領域632が設けられている。また、刺繍データを記憶する刺繍データ記憶領域633,後述する部分刺繍領域を順に読み出すためのカウンタである部分刺繍領域カウンタを記憶する部分刺繍領域カウンタ記憶領域634,ICタグ領域を刺繍領域内に配置可能か否かを判断するためのフラグであるICタグ配置フラグを記憶するICタグ配置フラグ記憶領域635が設けられている。また、設定されたICタグ領域の配置を記憶するICタグ領域配置記憶領域636,刺繍セグメントを順に読み出すためのカウンタである刺繍セグメントカウンタを記憶する刺繍セグメントカウンタ記憶領域637,刺繍データを修正可能か否かを判断するためのフラグである刺繍データ修正フラグを記憶する刺繍データ修正フラグ記憶領域638等が設けられている。
以上のミシン1は、本発明の刺繍データ処理装置としての機能を有するものである。次に、以上のように構成されたミシン1を使用して、刺繍可能領域内にICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を設定する第1乃至第4の実施形態の処理手順について順に説明する。
まず、第1の実施形態のミシン1により実行されるメイン処理について図4乃至図21を参照して説明する。具体例1として、図4に示すICタグを、図5及び図6に示す刺繍模様により覆う場合について説明する。まず、具体例1のICタグ100及び刺繍模様200について図4乃至図7を参照して説明する。図4は、具体例1に用いるICタグを説明するための説明図であり、図5は、具体例1の刺繍模様200の刺繍仕上がりを説明するための説明図である。また図6は、具体例1の刺繍模様200の説明するための説明図であり、図7は、具体例1の刺繍模様200を縫製するための刺繍データ300を説明するための説明図である。
まず、本発明のICタグの一例として、具体例1のICタグ100について、図4を参照して説明する。このICタグ100は、特開平11−15377の図2に記載のICチップと同様な構成を有している。即ち、ICタグ100は、図4に示すように、所定の厚みを有する矢印121で示す短辺の長さが約1cm,矢印122で示す長辺の長さが約3cmの横長の矩形の形状を有し、情報処理部101,通信制御部102,電力蓄積部103,情報記憶部104及び、アンテナ105が、PET等の撥水性の部材106により覆われて形成されている。ICタグ100が備える情報処理部101は、外部からの命令に応じて、情報記憶部104に記憶されているプログラムを稼動させ、データの加算等の演算を行うためのものである。また通信制御部102は、外部との間でデータ通信を行うためのものである。また電力蓄積部103は、外部から供給された電力を一時的に蓄積しておき、情報処理部11の稼働に必要な電力を供給するためのものである。また情報記憶部104は、情報処理部101で使用する及び外部から入力されたデータを記憶するためのものである。またアンテナ105は、外部との通信を行う時の電波の送受信及び、外部からの電力供給を受けるためのものである。尚、本発明のICタグは、上述の具体例1に限定されず、各種情報が記憶された情報記憶部を備えるICタグを採用可能である。また、ICタグの大きさについては、通信電波の波長と通信可能距離によって決定されるアンテナ105の大きさに殆ど依存する。即ち、通信電波の波長が長くなる程、又通信可能距離が離れる程、アンテナ105の大きさが大きくなる。よって、ICタグの大きさについても、上記に記載の大きさに限定されるものではない。
次に、具体例1に係る刺繍模様200及び刺繍模様200を縫製するための刺繍データ300について図5乃至図7を参照して説明する。図5に示すように、刺繍模様200は、アルファベットの「A」を表し、刺繍枠34の内周35の内側部分である刺繍可能領域内に配置可能な大きさの模様であり、図6に示す刺繍領域210の形状を規定する外形線で囲まれる閉領域である部分刺繍領域201乃至203内を縫目で埋めることにより形成されている。この刺繍領域210の部分刺繍領域201乃至203は、図6に示すように縦長の平行四辺形の形状を有する部分刺繍領域201,202と、台形の形状を有する部分刺繍領域203とからなり、各部分刺繍領域間は、部分刺繍領域内に存在する走り縫線211,212により結ばれている。また、刺繍模様200を縫製するための刺繍データ300は、図7に示すように、縫製順序が早い順に、刺繍模様200を縫製する加工布の縫い縮み防止や刺繍模様200に立体感を出すための下打ち縫いのための下打ちデータ301と、部分刺繍領域201に縫目を形成するためのステッチデータ302と、走り縫線211を形成するための走り縫データ303と、部分刺繍模様202に縫目を形成するためのステッチデータ304と、走り縫線212を形成するための走り縫データ305と、部分刺繍模様203に縫目を形成するためのステッチデータ306との6つの刺繍セグメントを含んでいる。そして、この刺繍データ300には、刺繍枠34の内周35の内側部分である刺繍可能領域内に配置する際に参照される相対的な刺繍領域の座標が含まれている。尚、下打ちデータ301は、下打ち縫いを行わない場合には省略することができる。
次に、ICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を刺繍可能領域内に設定する第1の実施形態のメイン処理を図8乃至図21を参照して説明する。第1の実施形態では、刺繍可能領域内に配置される際の相対的な座標で表される刺繍データに基づく刺繍領域内に、ICタグ領域を配置可能か否かを判断する。このとき、刺繍領域内にICタグを配置可能と判断されれば、刺繍可能領域内に、刺繍領域及びICタグを配置可能と判断する。そして、刺繍領域に対する相対的なICタグ領域の配置位置を設定するものとする。図8は、第1の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートであり、図9は、図8に示すメイン処理で実行されるICタグ配置処理を説明するためのフローチャートであり、図10は、図9に示すICタグ配置処理により配置位置が変更されたICタグ領域を説明するための説明図である。また、図11は、図8に示すメイン処理で実行される刺繍データ修正処理を説明するためのフローチャートであり、図12は、図11に示す刺繍データ修正処理において走り経路が修正される前の走り縫線212を説明するための説明図であり、図13は、図11に示す刺繍データ修正処理において走り経路が修正された後の走り縫線212を説明するための説明図である。また図14は、図11に示す刺繍データ修正処理において修正される前の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図であり、図15は、図11に示す刺繍データ修正処理により、針落ち点の位置を修正した後の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図である。
また図16は、図11に示す刺繍データ修正処理により、ICタグ領域に含まれていた針落ち点を削除した後の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図である。また図17は、図11に示す刺繍データ修正処理において修正される前のステッチデータの針落ち点を説明するための説明図であり、図18は、図11に示す刺繍データ修正処理により、針落ち点の位置を修正した後のステッチデータの針落ち点を説明するための説明図である。図19は、図8に示すメイン処理により設定されたICタグ領域の配置位置を説明するための説明図であり、図20は、ICタグを加工布に配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データを説明するための説明図である。図21は、ICタグを加工布に固定する際の縫目を形成するための止め縫付け縫製データを説明するための説明図である。尚、図8,図9,図11に示す各種処理を実行させるプログラムは、ROM62に記憶されており、図2に示すCPU61が実行する。また、図8,図9,図11に示す各種処理を実行するために必要な各種情報は、ROM62,EEPROM64又は外部記憶装置39から読み出され、RAM63の所定の記憶領域に記憶されているものとする。
図8に示すメイン処理において、まず、ICタグ100の形状データが読み込まれ、RAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶される(S5)。この処理はICタグ100の大きさ及び形状に基づきICタグ領域を定めるための処理である。例えば、ICタグ100の形状は、刺繍データ処理装置としてのミシン1がICタグ100の形状を読み込むためのスキャナやセンサを備える場合には、それらの装置からICタグ100の形状データが取得され読み込まれる(S5)。第1の実施形態では、画像読取センサ27からICタグ100の大きさ及び形状を表す形態情報が形状データとして取得され、その形状データがRAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶される(S5)。このとき、図4に示すICタグ100の形状として横長の長方形、ICタグ100の大きさとして、矢印121で示される短辺の長さと、矢印122で示される長辺の長さが取得されたものとする。このように画像読取センサ27から形状データを取得することにより、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍領域とICタグ領域の配置位置を定める処理に用いるICタグ領域を適切に定めることができる。
続いて、S5において読み込まれたICタグの形状データに基づき、ICタグ領域が設定され、RAM63のICタグ領域記憶領域632に記憶される(S10)。この処理により、図4に示すICタグ100の輪郭の外周に、ICタグ100を加工布に縫い付けるための矢印123で示す縫い代を加えた領域がICタグ領域131として設定され、RAM63のICタグ領域記憶領域632に記憶される(S10)。尚、ICタグ100の輪郭の外周に加える縫い代の幅は任意に設定することができ、ICタグ100を加工布に縫い付けない場合等には、この縫い代を求めなくてもよい。
次に、ROM62や外部記憶装置39等に記憶領域に記憶された刺繍データ300が読み込まれ、RAM63の刺繍データ記憶領域633に記憶される(S15)。続いて、ICタグ領域を、刺繍データ300に基づき定められる刺繍領域内に配置するICタグ配置処理が実行される(S20)。このICタグ配置処理を図9に示すフローチャートを参照して説明する。尚、刺繍領域は刺繍データに基づき定められ、例えば、刺繍データが所謂ブロックデータを含むものである場合には、そのブロックデータに基づき定められる閉領域の組合せを刺繍領域とすればよく、また、刺繍データが所謂一針データを含むものである場合には、その一針データにより形成される刺繍模様の輪郭を求め、その輪郭の内部を刺繍領域とすればよい。
第1の実施形態の刺繍データに基づく刺繍領域は、図6の具体例1に示すように複数の部分刺繍領域に分割されている。このため、部分刺繍領域を縫製順序に従って読み出して、ICタグ領域を含ませることができるか否かを判断するようにしている。そこでまず、図9に示すICタグ配置処理において、部分刺繍領域を順に読み出すための部分刺繍領域カウンタJが1にセットされ、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶される(S21)。続いて、ICタグ領域を刺繍領域内に配置可能か否かを判断するためのICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができないことを示す0にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S22)。続いて、刺繍データ記憶領域633及び部分刺繍領域カウンタ記憶領域634が参照され、J番目の部分刺繍領域が有るか否かが判断される(S23)。J番目の部分刺繍領域が無いと判断される場合には(S23:No)、全ての部分刺繍領域が読み出されたと判断されるため、続いてICタグ配置処理を終了し、図8に示すメイン処理に戻る。
一方、具体例1は、図6及び図7に示すように、刺繍領域210は3つの部分刺繍領域201乃至203を備え、刺繍模様200の刺繍データ300には、各部分刺繍領域に対応するステッチデータ302,304及び306が含まれているので、1番目の部分刺繍領域201があると判断され(S23:Yes)、続いて、ICタグ領域記憶領域632,刺繍データ記憶領域633及び部分刺繍領域カウンタ記憶領域634が参照され、J番目の部分刺繍領域内にICタグ領域が入るか否かが判断される(S24)。このS24の処理において、部分刺繍領域及びICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件例えば、全て配置の組み合わせを調べるまで繰り返して、その都度ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かを判定する。そして、包含させることができると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる部分刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定するようにしている。このように判定することで、ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かの判定を確実に行うことができる。尚、この所定条件は、任意に定めることができ、例えば、前述の全て配置の組み合わせを調べるまでの条件の他、包含させることができると1度以上判定された場合には処理を終了すると定めてもよい。
ICタグ領域を含ませることができないと判断される場合には(S24:No)、続いて、次の部分刺繍領域読み出すために、部分刺繍領域カウンタJが1増加(インクリメント)され、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶され(S25)、S22に戻り処理を繰り返す。一方、具体例1においては、図10に示すように、ICタグ領域131は、部分刺繍領域201に入ると判断されるので(S24:Yes)、続いて、図10の重複領域751に示すように、刺繍模様200の刺繍領域210に対するICタグ領域の相対的な配置が設定され、ICタグ領域配置記憶領域636に記憶される(S26)。前述のように、刺繍領域内にICタグを配置可能と判断されれば、刺繍可能領域内に、刺繍領域及びICタグを配置可能と判断するので、この処理において、刺繍領域210の刺繍可能領域内の配置が予め定まっていてもよいし、この処理により刺繍領域210の刺繍可能領域内の配置を定めるようにしてもよい。また、刺繍領域210に対するICタグ領域131の相対的な配置のみを定め、刺繍領域210の刺繍可能領域内の配置を定めず、ミシン1で縫製する際等の後の処理において、刺繍領域210の刺繍可能領域内の配置を定めるようにしてもよい。また、配置の設定方法は、ICタグ領域が配置される位置が分かる態様で設定されればよく、例えば、ICタグ領域の配置位置を刺繍可能領域内の絶対位置により設定する場合、ICタグ領域の外形を表す座標を設定するようにしてもよいし、ICタグ領域の中心部の座標を設定するようにしてもよい。また、ICタグ領域の配置位置を刺繍領域に対する相対的位置により設定する場合、刺繍領域の所定の点からのICタグ領域の外形を表す相対的な座標を設定するようにしてもよいし、ICタグ領域の中心部の相対的な座標を設定するようにしてもよい。
続いて、ICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができることを示す1にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S27)。続いて、刺繍データ記憶領域633とICタグ領域配置記憶領域636とが参照され、S26において設定された配置位置のICタグ領域が他の部分刺繍領域と干渉するか否かが判断される(S28)。この処理は、例えば具体例1において、部分刺繍領域202,203とICタグ領域131とが重なる領域である重複領域751内に、部分刺繍領域内に縫目が形成される際の針落ち点のうち、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するか否かを判定することにより行われる。重複領域内に折り返し点が存在する場合には、折り返し点を縫製する際にICタグが傷つけられたり破損したりするおそれがある。一方、折り返し点は、刺繍模様の輪郭を構成する針落ち点であり、折り返し点の位置を修正したり削除したりした場合には、刺繍模様のデザインが変化する。これに対し、第1の実施形態では、刺繍模様のデザインを変更することなく、ICタグ領域の配置位置を設定するために、重複領域内に折り返し点が存在すると判断される場合には、ICタグ領域の配置位置を変更するようにしている。このため、重複領域内には折り返し点が存在しないと判断される場合には(S28:No)、S26において設定されたICタグ領域の配置を再設定する必要がないと判断し、図8に示すメイン処理に戻る。
一方、図10に示す具体例1の重複領域751の内部には、部分刺繍模様202を構成する辺241上に存在する折り返し点が存在すると判断され(S28:Yes)、続いて、J番目の部分刺繍領域内においてICタグ領域の配置位置を変更することができるか否かが判断される(S29)。ICタグ領域の配置位置を変更できないと判断される場合には(S29:No)、次の部分刺繍領域読み出すために、部分刺繍領域カウンタJが1増加(インクリメント)され、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶され(S25)、S22に戻り処理を繰り返す。配置位置を変更可能か否かの判断は、例えば、ICタグ領域を部分刺繍領域内に配置可能であると判断される、部分刺繍領域に対するICタグ領域の配置の組合せを求め、全ての組合せについて、他の部分刺繍領域と干渉すると判断された場合に、配置位置を変更不可能と判断するようにすればよい。
一方、配置位置を変更可能と判断される場合には(S29:Yes)、S26に戻り、ICタグ領域が再設定される(S26)。具体例1においては、図10に示すICタグ領域131の配置位置が重複領域752に示す位置に再設定されたものとし(S26)、前述のS27の処理に続いて、S26において再度設定された配置位置のICタグ領域が他の部分刺繍領域と干渉するか否かが判断される(S28)。具体例1においては、図10に示す重複領域752は、部分刺繍領域202,203と重なる領域を有さず、ICタグ領域131内に折り返し点が存在しないと判断されるので(S28:No)、続いてICタグ配置処理を終了し、図8のメイン処理に戻る。
図8のS20に続いて、ICタグ配置フラグ記憶領域635が参照され、ICタグ領域を刺繍領域内に配置可能か否かが判断される(S55)。ICタグ配置フラグが0と記憶されている場合には、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できないと判断され(S55:No)、続いて、刺繍領域内にICタグ領域を配置できない旨が、液晶ディスプレイ15に表示される(S95)。この処理により、ユーザは、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できないという判定結果を確認することができる。続いて、メイン処理を終了する。
一方、具体例1のように、ICタグ配置フラグが1と記憶されている場合には、ICタグ領域を刺繍領域210内に配置できると判断され(S55:Yes)、続いて、刺繍データ修正処理が実行される(S60)。この刺繍データ修正処理を図11に示すフローチャートを参照して説明する。第1の実施形態の刺繍データ修正処理は、まず、走り縫データを修正するための処理がS62乃至S66において実行され、続いて、下打ちデータを修正するための処理がS71及びS72において実行される。続いて、部分刺繍領域に縫目を形成する際のステッチデータを修正するための処理がS73乃至S75において実行される。
図11のフローチャートに示すように、まず、刺繍データが備える刺繍セグメントを順に読み出すための刺繍セグメントカウンタKが1にセットされ、刺繍セグメントカウンタ記憶領域637に記憶される(S61)。続いて、K番目の刺繍セグメントが有るか否かが判断される(S62)。この処理は全ての刺繍セグメントを順に読み出すための処理である。図7に示すように、具体例1の刺繍データ300は6つの刺繍セグメントを備えているため、1番目の刺繍セグメントが有ると判断される(S62:Yes)。続いて、K番目の刺繍セグメントは走り縫データか否かが判断される(S63)。この処理は、刺繍セグメントが走り縫データである場合を抽出し(S63:Yes)、その走り縫データに基づく針落ち点がICタグ領域内に有ると判断される場合には(S64:Yes),走り縫データに基づく針落ち点がICタグ領域内に設けられないように、走り縫線の経路を修正する(S65)ための処理である。具体例1において1番目の刺繍セグメントは下打ちデータ301であるため(S63:No)、続いて、次の刺繍セグメントを読み出すために、刺繍セグメントカウンタKが1増加(インクリメント)され、刺繍セグメントカウンタ記憶領域637に記憶される(S66)。続いてS62に戻り処理を繰り返す。
具体例1において、同様な処理により、Kが3又は5にセットされ(S66)、刺繍セグメントが読み出されると(S62)、続いて3又は5番目の刺繍セグメントは、走り縫データであると判断される(S63:Yes)。続いて、3又は5番目の走り縫データに基づく針落ち点がICタグ領域内に有るか否かが判断される(S64)。図8のS20において、図12に示すように、ICタグ領域131が部分刺繍領域203内の重複領域753に示すように配置された場合には、S64において3番目の刺繍セグメントである走り縫データ303に基づく針落ち点は、ICタグ領域131内に設けられないと判断される(S64:No)。この場合には、走り縫データ303を修正する必要がないと判断され、次の刺繍セグメントを読み出すために、刺繍セグメントカウンタKが1増加(インクリメント)され、刺繍セグメントカウンタ記憶領域637に記憶される(S66)。続いてS62に戻り処理を繰り返す。
一方、5番目の刺繍セグメントである走り縫データ305に基づく針落ち点は、重複領域753に示すように配置されたICタグ領域131内に有ると判断される(S64:Yes)。この場合は、走り縫データ305を修正する必要があると判断され、続いて、走り縫データに基づく針落ち点がICタグ領域内に設けられないように走り縫データ305が修正され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S65)。この処理により、図12に示す走り縫線212は、走り縫データに基づく針落ち点がICタグ領域131内に設けられないように、例えば、図13に示す走り縫線222となるように、走り縫データ305が修正され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S65)。刺繍セグメントカウンタKが1増加(インクリメント)され、刺繍セグメントカウンタ記憶領域637に記憶される(S66)。続いてS62に戻り処理を繰り返す。
同様な処理により、Kが7にセットされると(S66)、続くS62において、7番目の刺繍セグメントはないと判断され(S62:No)、続いて、刺繍データ記憶領域633及びICタグ領域配置記憶領域636が参照され、ICタグ領域内に下打ちデータに基づく針落ち点が有るか否かが判断される(S71)。下打ちデータに基づく針落ち点が無いと判断された場合には(S71:No)、下打ちデータを修正する必要がないと判断し、続いて部分刺繍領域とICタグ領域とが重なる重複領域内に、ステッチデータに基づく針落ち点が有るか否かが判断される(S73)。
一方具体例1において、刺繍データ300は図7に示すように刺繍模様200の刺繍領域210を下打ち縫いするための下打ちデータ301を備えている。そして、例えば、図14に模式的に示すように図中白丸で示す下打ちデータに基づく針落ち点401のうち、針落ち点402のように、部分刺繍領域とICタグ領域131とが重なる重複領域754内に針落ち点が存在すると判断される場合には(S71:Yes)、続いて、重複領域754内に下打ちデータに基づく針落ち点が形成されないように、下打ちデータが修正され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S72)。具体例1においては、図14に示す針落ち点401のうち、重複領域754内に存在する針落ち点402が、図15に示す針落ち点403,404のようにICタグ領域外に移動されるか、又は、図16に示すように針落ち点402が削除されることにより、重複領域754内に下打ちデータに基づく針落ち点が形成されないように、下打ちデータが修正され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S72)。前述の通り、下打ち縫いは、刺繍模様を施す加工布の縫い縮み防止や刺繍模様に立体感を出すためのものであるため、刺繍領域内であれば、針落ち点を移動させたり削除させたりした場合にも、刺繍模様の仕上がりに大きな影響はない。
続いて、刺繍データ記憶領域633及びICタグ領域配置記憶領域636が参照され、部分刺繍領域とICタグ領域とが重なる重複領域内に、部分刺繍領域内に縫目を形成するためのステッチデータに基づく針落ち点が有るか否かが判断される(S73)。ステッチデータに基づく針落ち点が無いと判断された場合には(S73:No)、ステッチデータを修正する必要がないと判断し、続いて、刺繍データの修正が可能か否かを判断するための刺繍データ修正フラグが、修正可能であることを示す1にセットされ、刺繍データ修正フラグ記憶領域638に記憶される(S76)。続いて、刺繍データ修正処理を終了し、図8に示すメイン処理に戻る。一方、具体例1において、例えば、図17に模式的に示すように、図中白丸で示すステッチデータに基づく針落ち点451のうち、針落ち点452のようにICタグ領域131と重なる重複領域754内に針落ち点が存在すると判断される場合には(S73:Yes)、続いて、重複領域内にステッチデータに基づく針落ち点が形成されないように、縫目幅を変更可能かが判断される(S74)。この処理は、ステッチデータに基づく針落ち点の位置を修正した場合には、刺繍仕上がりに影響を及ぼすため、縫目幅を変更する修正を加えてもよいかを確認するための処理である。この処理において、縫目幅を変更してもよいか予め設定し、ROM62やEEPROM64等に記憶させてもよいし、タッチパネル26を介してユーザに指定させるようにしてもよい。S74において縫目幅を変更不可であると判断される場合には(S74:No)、刺繍データ修正フラグが修正できないことを示す0にセットされ、刺繍データ修正フラグ記憶領域638に記憶される(S77)。続いて、刺繍データ修正処理を終了し、図8に示すメイン処理に戻る。
一方、具体例1においては、図17に示すように、部分刺繍領域内に所定の縫目幅の縫目を形成するタタミ縫いから縫目幅を変更し、図18に示すように部分刺繍領域の輪郭線上のみに針落ち点を設けるサテン縫いに変更可能であると、予めEEPROM64に記憶されているものとする。その場合、EEPROM64が参照され、縫目幅を変更可能と判断され(S74:Yes)、続いてEEPROM64に記憶された指示に従い、図18のように部分刺繍領域の輪郭線上のみに針落ち点453が設けられるように縫目幅が変更され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S75)。具体例1のように、縫目幅の変更方法を予め指定するようにしてもよいし、ICタグ領域に針落ち点を設けないように縫製する際の最小縫目幅を算出し、その縫目幅にするようにしてもよい。また、ステッチデータに基づく針落ち点の縫目幅の変更は刺繍模様の仕上がりに影響を与えるため、一部の刺繍領域について縫目幅を変更するのではなく、全ての刺繍領域における縫目幅を変更することが好ましい。続いて、刺繍データ修正フラグが1にセットされ、刺繍データ修正フラグ記憶領域638に記憶される(S76)。続いて、刺繍データ修正処理を終了し、図8に示すメイン処理に戻る。
図8のS60に続いて、刺繍データ修正フラグ記憶領域638が参照され、刺繍データを修正可能か否かが判断される(S80)。刺繍データ修正フラグが0と記憶されている場合には(S80:No)、刺繍データが修正不可能であり、刺繍領域内にICタグ領域を配置できないと判断し、刺繍領域内にICタグ領域を配置できない旨が、液晶ディスプレイ15に表示される(S95)。この処理により、ユーザは、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できないという判定結果を確認することができる。続いて、メイン処理を終了する。尚、刺繍データを修正できないが、刺繍データを修正可能な位置に再度ICタグを配置し直すことができるか否かを判断する場合には、S80に続いて(S80:No)、再度S20に戻り処理を繰り返すようにしてもよい。
一方、具体例1のように、刺繍データ修正フラグが1と記憶されている場合には(S80:Yes)、続いて、刺繍領域内にICタグ領域を配置できると判断し、続いて、ICタグを加工布の配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データが作成され、刺繍データに付加される(S85)。このマーク縫製データは、ICタグを配置する際の目印となるものであればよく、例えば、ICタグの輪郭にあわせた縫目を形成するための縫製データであってもよいし、ICタグの中心を示す縫目を形成するための縫製データであってもよい。具体例1において、S20により図19の重複領域755に示す位置にICタグ領域131が設定されたとすると、そのマーク縫製データとして、例えば図20に示すように、ICタグ領域131の輪郭線の内部に交点を有する十字上の縫目501乃至504を形成するための縫製データが作成される。各縫目501乃至504の十字の交点は、ICタグ100の頂点が配置される場所をそれぞれ示している。このマーク縫製データは、図7に示す1番目の刺繍セグメントである下打ちデータ301の前に付加され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S85)。このマーク縫製データを作成、付加することで、マーク縫製データに基づき加工布に縫製した縫目を目印に、設定された配置位置にICタグを容易に配置することができる。
続いて、S85において刺繍データに付加されたマーク縫製データの直後に一時停止データが付加される(S87)。この処理は、マーク縫製データにより縫目形成された後、その縫目を目印として、ICタグを配置するためにミシン1による縫製を一時停止させるためのデータを挿入する処理である。具体例1では、この処理によりマーク縫製データと下打ちデータ301との間に、一時停止データが挿入され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S87)。
続いて、ICタグを加工布に縫い付けるための止め縫付け縫製データが作成され、刺繍データに付加される(S90)。このICタグを加工布に縫い付けるための縫目は、ICタグを加工布に縫い付ける任意の縫目を採用可能である。具体例1においては、図21に示すように、ICタグ100を加工布に縫い付けるための図中白丸で示す針落ち点602のように、止め縫付け縫製データとして、ICタグ領域131の輪郭線上の各辺に針落ち点を有する縫製データが作成される。このように、針落ち点602を結ぶ糸601をICタグ100に対して斜めに渡してICタグ100を四方から糸601で覆うようにすることで、ICタグ100を確実に加工布に縫い付けることができる。このように作成された止め縫付け縫製データは、S87で付加された一時停止データと下打ちデータ301との間に付加され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S90)。続いて、ICタグ領域及び刺繍領域の配置位置が、液晶ディスプレイ15に表示される(S95)。ユーザは液晶ディスプレイ15に表示された配置位置を確認したり、その配置位置に従い、ICタグを加工布に配置したりすることができる。続いて、図8に示すメイン処理を終了する。
以上詳述した第1の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1によれば、加工布に装着されるICタグ領域が刺繍領域内に包含されるように、刺繍領域とICタグ領域の配置位置を定めることができる。このため、第1の実施形態の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従えば、加工布に装着されるICタグを刺繍模様にて覆い隠すことができ、加工布のデザインを損なうことなく、多くの情報を保持可能なICタグを加工布に装着させることができる。
また、図9に示すS24において刺繍可能領域に配置された刺繍領域及びICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件となるまで繰り返して、その都度ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かを判定し、包含させることができると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定するようにしている。このため、ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かの判定を確実に行うことができる。
また、画像読取センサ27により、加工布に装着されるICタグの大きさ及び形状を表す形態情報を外形データとして取得し、その外形データに基づきICタグ領域を定めることができる。このため、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍領域とICタグ領域の配置位置を定める処理に用いるICタグ領域を適切に定めることができる。
また、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる領域である重複領域内に、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するときには(S28:Yes)、重複領域となる領域内に折り返し点が存在しないように、ICタグ領域及び刺繍領域の配置位置を再設定することができる(S29:Yes,S26)。さらに、重複領域内に折り返し点が存在しない場合には、刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる重複領域内に、針落ち点が存在する場合であっても、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正することができる(図11のS65,S72,S75)。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域とICタグ領域の配置位置に従って、ICタグを加工布上に配置し、本発明の刺繍データ処理装置が修正した刺繍データを用いて、刺繍縫製することにより、刺繍縫製時にICタグを縫針で傷つけたり、破損させたりすることなく、加工布に装着されるICタグを刺繍模様により覆い隠すことができる。また刺繍領域のうち、ICタグ領域と重なる重複領域内に、ステッチデータに基づく針落ち点が存在するときには(S73:Yes)、刺繍模様の縫目幅を変更することにより、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正することができる。このため、刺繍仕上がりに与える影響を抑えつつ、刺繍データを修正することができる。
また、ICタグ100の配置位置を加工布に配置する際の目印となる縫目501乃至504を形成するためのマーク縫製データを刺繍データの前に付加し、さらに、マーク縫製データと刺繍データとの間に一時停止データを挿入しているので、本発明の刺繍データ処理装置が定めたマーク縫製データに基づきICタグ100を加工布上に配置する際の目印となる縫目501乃至504を縫製した後、一時停止データにより、ミシン1による縫製が停止される。このため、ミシンの停止中に縫目501乃至504を目印としてICタグを加工布上に適切に配置し、その後、ミシン1による縫製を再開させて刺繍データに基づく刺繍模様を縫製させることができる。また、マーク縫製データにより形成された縫目501乃至504を目印として、適切な配置位置に配置されたICタグを加工布に縫い付ける縫目を形成するための止め縫付け縫製データを作成することができる。このため、ICタグを加工布上に確実に固定することができる。
また、ICタグ領域が包含される領域が、刺繍領域内に無い場合の判定結果及び刺繍領域並びにICタグ領域の配置位置を報知する液晶ディスプレイ15を備えているので、ICタグ領域が包含される領域が、刺繍領域内に無い場合の判定結果が液晶ディスプレイ15により報知された場合には、ICタグ領域が包含される領域の有無を知ることができる。一方、刺繍領域及びICタグ領域の配置位置が液晶ディスプレイ15により報知された場合には、報知された配置位置に従い、ICタグを加工布に配置し、ICタグを刺繍模様にて覆い隠すことができる。
尚、第1の実施形態において、図8のS5において、ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を取得する、図2に示す画像読取センサ27は、本発明の形態情報取得手段に相当する。また図8のS10において、図2に示す画像読取センサ27により取得された形態情報としての形状データに基づきICタグ領域を設定し、RAM63のICタグ領域記憶領域632に記憶させる、図2に示すCPU61は、本発明のICタグ領域取得手段として機能する。図9のS24において、刺繍可能領域に配置された刺繍領域に対して、ICタグ領域を配置する、図2に示すCPU61は、本発明の初期配置手段として機能する。また、図9のS24において、刺繍可能領域に配置された刺繍領域に対してICタグ領域の配置位置を相対的に異なる配置位置となるように再配置することを、所定条件となるまで繰り返す、図2に示すCPU61は、本発明の配置繰返手段として機能する。また図9のS24において、刺繍領域及びICタグ領域が配置された場合に、配置されたICタグ領域が、配置された刺繍領域内に包含されているか否かを判定する、図2に示すCPU61は、本発明の包含判定手段として機能する。また図9のS24において、包含させることができると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定する、図2に示すCPU61は、本発明の総合判定手段として機能する。上述の、初期配置手段と、配置繰返手段と、包含判定手段と、総合判定手段とを備える、図2に示すCPU61は、本発明の判定手段として機能する。ICタグが刺繍領域内に入ると判断された場合に(S24:Yes),図9のS26において、ICタグ領域が刺繍領域内に配置されるように、刺繍可能領域内に配置された刺繍領域に対するICタグ領域の配置位置を設定する、図2に示すCPU61は、本発明の配置設定手段として機能する。
図9のS28において、配置位置が設定された刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍データに基づく針落ち点のうち、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するか否かを判定して、ICタグが他の部分刺繍領域と干渉するかを判断する、図2に示すCPU61は、本発明の折り返し点判定手段として機能する。また重複領域内に折り返し点が存在しないと判断される場合に(S28:No)、図11のS64,S71,S73において、走り縫データ、下打ちデータ又はステッチデータに基づき刺繍模様を縫製する際の針落ち点の位置を示す針落ち点データを取得し、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、走り縫データ、下打ちデータ又はステッチデータに基づく針落ち点が存在するか否かを判定する、図2に示すCPU61は、本発明の針落ち点データ取得手段及び針落ち点判定手段として機能する。また図11のS65,S72,S75において、重複領域内に針落ち点が存在すると判定された場合に、重複領域内に針落ち点が存在しないように、刺繍データを修正する、図2に示すCPU61は、本発明の刺繍データ修正手段として機能する。また図9のS29に続くS26において、複領域内に折り返し点が存在すると判定された場合に(S28:Yes)、その重複領域とは異なる刺繍領域内にICタグ領域が配置されるように、刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を再設定する、図2に示すCPU61は、本発明の配置設定手段として機能する。また図11のS75において、刺繍模様を縫製する際の縫目幅を変更することにより、重複領域内に前記針落ち点が存在しないように、刺繍データのうちステッチデータを修正する、図2に示すCPU61は、本発明の刺繍データ修正手段として機能する。
また、図8のS85において、図9のS26において設定された配置位置にICタグを配置する際の目印となる縫目を加工布に形成するための縫製データであるマーク縫製データを作成する、図2に示すCPU61は、本発明のマーク縫製データ作成手段として機能する。また、図8のS85において、作成されたマーク縫製データを刺繍データの前に付加し、図8のS87において、そのマーク縫製データと刺繍データとの間に、ミシン1の運転を停止させることを指示する一時停止データを付加する、図2に示すCPU61は、本発明の第1データ付加手段として機能する。
また図8のS90において、設定された配置位置に配置されたICタグを加工布に縫い付ける縫目を形成するための止め縫付け縫製データを作成する、図2に示すCPU61は、本発明の止め縫付け縫製データ作成手段として機能する。また図8のS90において、止め縫付け縫製データ作成手段により作成された前記止め縫付け縫製データを前記刺繍データの前に付加する、図2に示すCPU61は、本発明の第2データ付加手段として機能する。また、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できないと判断される場合に(S55:No又はS80:No)、その旨を表示し、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できると判断された場合に(S55:Yes,S80:Yes)、設定されたICタグ領域及び刺繍領域の配置を表示する、図2に示す液晶ディスプレイ15は、本発明の第2報知手段に相当する。
尚、本発明は、以上詳述した第1の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
まず、第1の実施形態においては、刺繍データ処理装置がミシン1と一体に設けられている場合について説明したが、これに限定されず、ミシンと別体に設けてもよい。また、第1の実施形態においては、1本の針棒にて刺繍可能なミシン1に本発明を適用した場合について説明したが、複数の針棒を備える多針式刺繍ミシンに適用するようにしてもよい。
まず、第1の実施形態においては、刺繍枠34の内周35の内側を刺繍可能領域としていたが、これに限定されず、刺繍枠34の内周35の内側の所定の部分を刺繍可能領域としてもよいし、刺繍枠34外の領域を刺繍可能領域と定めてもよい。
また図8のS5において、第1の実施形態では、画像読取センサ27からICタグ100の大きさ及び形状を表す形態情報として形状データが取得され、その形状データがRAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶されるようにしていたが(S5)、ICタグの形態情報の取得方法は、この方法に限定されない。例えば、ICタグ100の形状データがROM62や外部記憶装置39等に記憶されている場合には、S5においてそれらの記憶領域が参照され、ICタグ100の形状データが読み込まれ、RAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶される(S5)。また、ICタグの形状データに基づき定められたICタグ領域がROM62や外部記憶装置39等に記憶されている場合には、S5においてそれらの記憶領域が参照され、ICタグ100のICタグ領域が読み込まれ、RAM63のICタグ領域記憶領域632に記憶されるようにし(S5)、続くS10の処理を省略するようにしてもよい。また例えば、ICタグの形状データが所定のIDとともにROM62や外部記憶装置39等に記憶され、ユーザからそのIDが指定された場合には、それらの記憶領域が参照され、指定されたIDに対応するICタグ100の形状データが読み込まれ、RAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶される(S5)。尚、ICタグ100の形状データ、ICタグ領域、IDは、ROM62や外部記憶装置39に記憶されているのではなく、ミシン1をインターネット等のネットワークと接続可能に構成し、ネットワーク上のサーバーに記憶されているものを読み込むようにしてもよい。
また例えば、ICタグの形状がタッチパネル26を介して入力される場合には、入力された形状データが読み込まれ、RAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶される(S5)。この場合、ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を形状データとして入力する、図2に示すタッチパネル26は、本発明の形態情報入力手段に相当し、図8のS10において、タッチパネル26により入力された形状データに基づきを定められたICタグ領域を設定し記憶させる、図2に示すCPU61は、本発明のICタグ領域取得手段として機能する。尚、形態情報入力手段として、タッチパネル26を用いる場合の他、ゲームコントローラ等の各種のスイッチ、トラックボールやジョイスティック等、ユーザとインターフェイスをとるものを採用可能である。
また本発明の刺繍データの構成は、第1の実施形態を説明するために例示した具体例1に限定されず、任意の構成の刺繍データに本発明を適用することができる。例えば、具体例1では、刺繍データ300に下打ちデータ301が含まれていたが、下打ち縫いをしない場合には、刺繍データに下打ちデータが含まれなくてもよい。また、具体例1では、刺繍データは、複数の部分刺繍領域に対応したステッチデータを備えていたが、1つの刺繍領域に対応するステッチデータから構成されるようにしてもよい。この場合、ステッチデータから求められる刺繍模様の輪郭から刺繍領域を設定し、図9に示すICタグ配置処理においては、その刺繍領域にICタグが入るか否かを判断し、図9のS28においては、配置されたICタグ領域内にステッチデータに基づく折り返し点が有るか否かを判断するようにすればよい。
また第1の実施形態においては、刺繍データに基づき下打ち縫いを行う場合に、ICタグを配置した加工布に対して下打ち縫いを行うことを想定していたが、これに限定されず、下打ち縫いを行った後の加工布にICタグを配置させるようにしてもよい。この場合、下打ちデータに基づく針落ち点において、ICタグが縫針で傷つけたり、破損させたりするおそれがないので、図11に示すS71及びS72の処理が省略することができる。また、この場合、図8のS85において作成されたマーク縫製データは、下打ちデータ301の直後に付加され、刺繍データ記憶領域633に記憶されるようにし(S85)、図8のS87においては、マーク縫製データとステッチデータ302との間に、一時停止データが挿入され、刺繍データ記憶領域633に記憶されるようにし(S87)、S90において作成された止め縫付け縫製データは、S87で付加された一時停止データとステッチデータ302との間に付加され、刺繍データ記憶領域633に記憶されるようにすればよい(S90)。
また第1の実施形態においては、図9のS28において、ICタグ領域内に折り返し点が存在すると判断される場合には(S28:No)、ICタグ領域を再配置するようにしていたが、折り返し点の位置を変更してもよい場合には、即ち、刺繍模様のデザインを変更してもよい場合には、この処理を省略し、折り返し点の位置を修正するようにしてもよい。また、刺繍模様の大きさを変更してもよい場合には、ICタグ領域に折り返し点が存在しないように、刺繍模様の大きさを変更するように刺繍データを修正してもよい。
また第1の実施形態においては、S85において加工布にICタグを配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データを作成し、刺繍データに付加するようにしていたが、例えば、S95において報知された配置位置に基づき、加工布にICタグを配置するようにするためこのような縫目を形成する必要がない場合等には、この処理を省略するようにしてもよい。
また第1の実施形態においては、S90において加工布にICタグを縫い付けるための止め縫付け縫製データを作成し、刺繍データに付加するようにしていたが、例えば、ICタグを加工布上に粘着剤や接着剤等で固定する場合等、加工布にICタグを縫い付ける必要がない場合には、この処理を省略するようにしてもよい。
また第1の実施形態においては、メイン処理のS95において、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できないと判断される場合に(S55:No又はS80:No)、その旨を液晶ディスプレイ15に表示させ、ICタグ領域を刺繍領域内に配置できると判断された場合に(S55:Yes,S80:Yes)、設定されたICタグ領域及び刺繍領域の配置を液晶ディスプレイ15に表示させるようにしていたが、これらの情報を報知する必要がない場合には、この処理を省略するようにしてもよい。また第1の実施形態においては、第2報知手段として、液晶ディスプレイ15を用いていたが、これに限定されず、プラズマディスプレイ等の他の表示デバイスを採用してもよいし、スピーカー等の音声で報知する音声デバイスを採用するようにしてもよい。
ところで、上記第1の実施形態においては、刺繍可能領域内に配置される際の相対的な座標で表される刺繍領域内に、ICタグ領域を配置可能か否かを判断し、刺繍領域内にICタグを配置可能と判断された場合に、刺繍可能領域内に、刺繍領域及びICタグを配置可能と判断するようにしていたが、加工布上にICタグが配置される位置を予め定め、その位置に配置されたICタグを刺繍模様により覆うことができるか否かを判断するようにしてもよい。そこで、次に示す第2の実施形態のようにしてもよい。以下、第2の実施形態のミシン1を使用して、図10に示す加工布上にICタグが配置される位置を予め定めて、その位置に配置されたICタグを刺繍模様により覆うように刺繍領域を設定する処理を、第1の実施形態で例示した具体例1の場合を例に、図22乃至図25を参照して説明する。図22は、第2の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートであり、図23は、図22に示すメイン処理で実行される刺繍データ配置処理を説明するためのフローチャートである。また図24は、図23に示す刺繍データ配置処理により、刺繍可能領域651外に刺繍領域210が配置された場合を説明するための説明図であり、図25は、図23に示す刺繍データ配置処理により、刺繍可能領域651内に刺繍領域210が配置された場合を説明するための説明図である。尚、図22及び図23に示す各種処理を実行させるプログラムは、ROM62に記憶されており、図2に示すCPU61が実行する。また、図22及び図23に示す各種処理を実行するために必要な各種情報は、ROM62,EEPROM64又は外部記憶装置39から読み出され、RAM63の所定の記憶領域に記憶されているものとする。
第2の実施形態におけるミシンの物理的形態及び電気的形態は、RAM63の記憶領域を除き同様であるので、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、第1の実施形態と構成の異なるRAM63の記憶領域について説明する。第2の実施形態のRAM63は、第1の実施形態のRAM63の記憶領域に加え、刺繍領域の刺繍可能領域内の配置を記憶する刺繍領域配置記憶領域(図示せず)が設けられている。
図22に示す第2の実施形態のメイン処理は、図8に示す第1の実施形態のメイン処理のS5,S20,S85及びS87の処理を行わず、S3及びS30の処理を行う点で、図8に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。第1の実施形態のメイン処理と共通する処理については説明を省略し、以下、図8に示す第1の実施形態のメイン処理において行われないS3及びS30について詳述する。
まず図22のS3において、ICタグ100の形状データ及び加工布上の位置情報が読み込まれ、ICタグ100の形状データはRAM63のICタグ形状記憶領域631に、ICタグ100の加工布上の位置情報は、ICタグ領域配置記憶領域636に記憶される(S3)。この処理はICタグ100の大きさ及び形状に基づきICタグ領域を定めるとともに、加工布上のICタグの配置を取得するための処理である。第2の実施形態では、画像読取センサ27からICタグ100の大きさ及び形状を表す形態情報が形状データとして取得され、その形状データがRAM63のICタグ形状記憶領域631に記憶されるとともに(S3)、画像読取センサ27からICタグ100の加工布上の位置情報が取得され、ICタグ領域配置記憶領域636に記憶される(S3)。この処理により具体例1のICタグの配置位置は、図24に示す刺繍可能領域651内の重複領域761に示す位置に配置されているICタグ領域131の位置情報が取得されたものとする。
次に図22のS30において実行される刺繍データ配置処理を、図23乃至図25を参照して説明する。図23に示す刺繍データ配置処理は、図8に示すICタグ配置処理(S20)の代わりに行われる処理であり、ICタグ領域の配置位置を、S3において取得された位置情報が示す位置に固定して、刺繍可能領域内に刺繍領域を設定するための処理が行われる。
図23に示す刺繍データ配置処理において、まず、部分刺繍領域を順に読み出すための部分刺繍領域カウンタJが1にセットされ、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶される(S31)。続いて、ICタグ領域を刺繍領域内に配置可能か否かを判断するためのICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができないことを示す0にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S32)。続いて、刺繍データ記憶領域633及び部分刺繍領域カウンタ記憶領域634が参照され、J番目の部分刺繍領域が有るか否かが判断される(S33)。J番目の部分刺繍領域が無いと判断される場合には(S33:No)、全ての部分刺繍領域について、ICタグ領域が入るか否かを判断したと判断し、刺繍データ配置処理を終了させ、図22に示すメイン処理に戻る。
一方、具体例1の刺繍領域210は1乃至3番目の部分刺繍領域201乃至203を備えているので(S33:Yes)、続いて、ICタグ領域記憶領域632,刺繍データ記憶領域633及び部分刺繍領域カウンタ記憶領域634が参照され、J番目の部分刺繍領域内にICタグ領域が入るか否かが判断される(S34)。この処理において、ICタグ領域を固定した状態で、J番目の部分刺繍領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件例えば、全て配置の組み合わせを調べ終えるまで繰り返し、その都度ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かを判定し、包含されていると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる部分刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定される。ICタグ領域を刺繍領域内に含ませることができないと判断される場合には(S34:No)、続いて、次の部分刺繍領域読み出すために、部分刺繍領域カウンタJが1増加(インクリメント)され、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶され(S35)、S32に戻り処理を繰り返す。
一方、図24に示す具体例1のように、刺繍可能領域651に配置されたICタグ領域131が、刺繍領域210の部分刺繍領域201に入ると判断される場合には、1番目の部分刺繍領域201内に配置可能であると判断され(S34:Yes)、続いて、図24に示すように、刺繍領域210の配置が設定され、刺繍領域配置記憶領域(図示せず)に記憶される(S36)。続いて、ICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができることを示す1にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S37)。
続いて、刺繍データ記憶領域633,ICタグ領域配置記憶領域636及び刺繍領域記憶配置領域(図示せず)が参照され、S36において設定された配置位置のICタグ領域が他の部分刺繍領域と干渉するか否かが判断される(S38)。この処理は、例えば、図9のS28と同様な処理において判断される。ICタグ領域がJ番目の部分刺繍領域とは別の刺繍領域と干渉すると判断される場合には(S38:Yes)、配置位置を変更する必要があると判断され、続いて、J番目の部分刺繍領域内においてICタグ領域の配置位置を変更することができるか否かが判断される(S39)。
一方、具体例1の刺繍領域210が図24に示すように配置された場合には、ICタグ領域131は、1番目の部分刺繍領域以外の部分刺繍領域202,203と干渉しないと判断され(S38:No)、続いて、刺繍領域配置記憶領域(図示せず)が参照され、刺繍可能領域内に刺繍領域が入っているか否かが判断される(S40)。この処理は、刺繍可能領域内に刺繍領域を配置するための処理である。具体例1の刺繍領域210が図24に示すように配置されている場合には、刺繍領域210の一部が刺繍可能領域651の外にはみ出しているので、刺繍領域210が刺繍可能領域651内に入らないと判断される(S40:No)。この場合には、刺繍領域210の配置位置を変更する必要があるので、続いて、J番目の部分刺繍領域内においてICタグ領域の配置位置を変更することができるか否かが判断される(S39)。ICタグ領域の配置位置を変更できないと判断される場合には(S39:No)、次の部分刺繍領域読み出すために、部分刺繍領域カウンタJが1増加(インクリメント)され、部分刺繍領域カウンタ記憶領域634に記憶され(S35)、S32に戻り処理を繰り返す。
一方、具体例1においては、配置位置を変更できると判断され(S39:Yes)、例えば図25のように、ICタグ領域131が1番目の部分刺繍領域201内に入るように、刺繍領域210の配置が図24とは別の位置に変更される(S36)。続いて、再度ICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができることを示す1にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶され(S37)、図25に示すICタグ領域131は、1番目の部分刺繍領域以外の部分刺繍領域202,203と干渉しないと判断される(S38:No)。続いて、刺繍領域配置記憶領域(図示せず)が参照され、図25に示す刺繍可能領域651内に刺繍領域210が入っていると判断される(S40:Yes)。この場合は、刺繍領域210の設定をやり直す必要がないと判断されるので、続いて刺繍データの配置処理を終了し、図22のメイン処理に戻る。
以上詳述したように、第2の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1では、ICタグの加工布上の配置位置を固定した上で、刺繍可能領域内に刺繍領域を配置できるか否かを判断し、刺繍領域を配置可能であると判断された場合に(S55:Yes)、第1の実施形態と同様の刺繍データ修正処理(S60)が実行される。第2の実施形態では、ICタグの配置位置が決まっているため、第1の実施形態と異なり、ICタグを加工布上に配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データの作成、付加する処理(図8のS85)及び、一時停止データの付加(図8のS87)の処理は行われない。
以上詳述した第2の実施形態によれば、ICタグ100の加工布上の配置位置を表す位置情報を取得し、加工布上のICタグの配置位置を固定した上で、加工布に装着されるICタグ100が刺繍模様200により覆われるように、刺繍模様200の配置を定めることができる。このため、本発明の刺繍データ処理装置が定めた刺繍領域210とICタグ領域131の配置位置に従えば、ICタグの加工布上の配置位置がすでに定められている場合に、そのICタグの配置位置に適した刺繍模様の配置位置を定めることができる。
尚、図22のS3において、ミシン1の刺繍可能領域内のICタグの位置を表す情報である位置情報を取得する、図2に示す画像読取センサ27は、本発明の位置情報取得手段に相当する。また図22のS10において、図2に示す画像読取センサ27により取得された形態情報としての形状データに基づきICタグ領域を設定し、RAM63のICタグ領域記憶領域632に記憶させる、図2に示すCPU61は、本発明のICタグ領域取得手段として機能する。図23のS34において、刺繍可能領域に配置されたICタグ領域に対して、刺繍領域を配置する、図2に示すCPU61は、本発明の初期配置手段として機能する。また、図23のS34において、刺繍可能領域に配置されたICタグ領域に対して刺繍領域の配置位置を相対的に異なる配置位置となるように再配置することを、所定条件となるまで繰り返す、図2に示すCPU61は、本発明の配置繰返手段として機能する。また図23のS34において、刺繍領域及びICタグ領域が配置された場合に、配置された刺繍領域内にICタグ領域が包含されているか否かを判定する、図2に示すCPU61は、本発明の包含判定手段として機能する。また図23のS34において、包含させることができると1度以上判定された場合に、刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定する、図2に示すCPU61は、本発明の総合判定手段として機能する。上述の、初期配置手段と、配置繰返手段と、包含判定手段と、総合判定手段とを備える、図2に示すCPU61は、本発明の判定手段として機能する。また図23のS36において、刺繍領域内にICタグ領域を包含させることができると判定された場合に(S34:Yes)、ICタグ領域が刺繍領域内に配置されるように、ミシン1の刺繍可能領域内に設定されるICタグの配置位置を、画像読取センサ27により取得された位置情報が表す配置位置に固定して、ミシン1の刺繍可能領域内に刺繍領域の配置位置を設定する(S36)、図2に示すCPU61は、本発明の配置設定手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した第2の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、第2の実施形態においては、図22のS3において、ICタグの位置情報を画像読取センサ27により取得するようにしていたが、これに限定されず、例えば、ユーザによりICタグの位置情報を入力させるようにしてもよい。また、第2の実施形態では、ICタグを加工布に配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データを作成、付加処理を行わなかったが、位置情報を取得した後にICタグの配置がずれてしまった場合や、ICタグの位置情報を手入力した場合等、目印となる縫目を形成したい場合には、マーク縫製データを作成、付加処理を行うようにしてもよい。
また第2の実施形態においては、図22のS3において、ICタグの位置情報を取得するようにし、ICタグ領域を位置情報により示される位置に固定して、刺繍領域内にICタグ領域を配置させるようにしていたが、これに限定されず、ICタグ領域と刺繍領域の位置情報を取得し、ICタグ領域及び刺繍領域を位置情報により示される位置に固定して、刺繍領域内にICタグ領域が含まれているかを判断するようにしてもよい。この場合、例えば、ICタグの位置情報とともに、刺繍模様を配置させる際の位置情報をユーザにより入力させるようにし、ユーザにより指定された配置位置に配置さICタグ領域が、指定された配置位置に配置された前記刺繍領域内に包含されているか否かを判定し、包含されていると判定された場合に、ミシン1の刺繍可能領域内に刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を、指定された配置位置に設定するようにしてもよい。この場合、刺繍可能領域における、刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を指定する、図2に示すタッチパネル26は、本発明の配置指定手段として機能する。また、タッチパネル26により指定された配置位置に配置されたICタグ領域が、タッチパネル26により指定された配置位置に配置された刺繍領域内に包含されているか否かを判定する、図2に示すCPU61は、本発明の判定手段として機能する。またタッチパネル26により指定された配置位置に配置されたICタグ領域が、タッチパネル26により指定された配置位置に配置された刺繍領域内に包含されていると判定された場合に、ミシン1の刺繍可能領域内に刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を、タッチパネル26により指定された配置位置に設定する、図2に示すCPU61は、本発明の配置設定手段として機能する。尚、配置設定手段として、タッチパネル26を用いる場合の他、ゲームコントローラ等の各種のスイッチ、トラックボールやジョイスティック等、ユーザとインターフェイスをとるものを採用可能である。
ところで、上記第1及び第2の実施形態においては、刺繍領域内に、ICタグ領域を配置可能か否かを判断し、自動的に刺繍領域及びICタグ領域を設定するようにしていたが、次に示す第3の実施形態のように刺繍領域内のどの位置にICタグ領域を配置させるのかを、ユーザに選択させるようにしてもよい。以下、第3の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1を使用して、刺繍領域内のどの位置にICタグを配置するのかを、ユーザにより選択させて、刺繍可能領域内にICタグ領域及び刺繍領域を設定する処理を、図26乃至図29を参照して説明する。図26は、第3の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートであり、図27は、図26に示すメイン処理で実行されるICタグ配置位置選択処理を説明するためのフローチャートである。また図28は、図27に示すICタグ配置位置選択処理において決定された包含可能領域の候補を説明するための説明図であり、図29は、図27に示すICタグ配置位置選択処理において液晶ディスプレイ15に表示される画面800を説明するための説明図である。尚、図26及び図27に示す各種処理を実行させるプログラムは、ROM62に記憶されており、図2に示すCPU61が実行する。また、図26及び図27に示す各種処理を実行するために必要な各種情報は、ROM62,EEPROM64又は外部記憶装置39から読み出され、RAM63の所定の記憶領域に記憶されているものとする。
第3の実施形態における刺繍データ処理装置をミシン1の物理的形態及び電気的形態は、RAM63の記憶領域を除き同様であるので、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、第1の実施形態と構成の異なるRAM63の記憶領域について説明する。第3の実施形態のRAM63は、図3に示す第1の実施形態のRAM63の記憶領域に加え、包含可能領域記憶領域(図示せず)が設けられている。
図26に示す第3の実施形態のメイン処理は、図8に示す第1の実施形態のメイン処理のS20の処理を行わず、S45及びS50の処理を行う点で、図8に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。第1の実施形態のメイン処理と共通する処理については説明を省略し、以下、図8に示す第1の実施形態のメイン処理において行われないS45及びS50について詳述する。
第3の実施形態のメイン処理においては、予め、刺繍領域のどの部分であれば、ICタグ領域を包含可能であるかを判断し、刺繍領域のうちICタグ領域を包含させることができる領域を包含可能領域として決定する。そして、それらの包含可能領域が液晶ディスプレイ15に表示され、ユーザはICタグ領域を配置させる候補となる包含可能領域の中から所望の包含可能領域を選択するようにしている。そこで、図26のメイン処理のS45において、包含可能領域が決定される(S45)。この処理は、例えば、刺繍領域に対してICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件例えば、全て配置の組み合わせを調べるまで繰り返して、その都度ICタグ領域が、刺繍領域内に包含されているか否かを判定する。そして、包含させることができると判断された場合に、そのICタグ領域と刺繍領域とが重なる重複領域を包含可能領域として、RAM63の包含可能領域記憶領域(図示せず)に記憶することにより、包含可能領域を決定する。この処理により、図28に示すように具体例1の刺繍領域210の内部に、5つの包含可能領域701乃至705が決定され、RAM63の包含可能領域記憶領域(図示せず)に記憶されたものとする。
次に図26のS50において実行されるICタグ配置位置選択処理を、図27に示すフローチャートを参照して説明する。図27のICタグ配置位置選択処理において、まず、図26のS45において決定された包含可能領域が、ICタグ領域を配置する際の候補として液晶ディスプレイ15に表示される(S151)。この処理により、具体例1の刺繍模様の刺繍領域210内の包含可能領域が、図29に示す画面800のように表示されたものとする。この画面800において、ユーザは1乃至5のボタンを選択することにより、ICタグ領域が配置される包含可能領域を指定することができる。続いて、タッチパネル26により、ICタグ領域を配置する包含可能領域が選択入力されると(S152)、続いて選択された包含可能領域が他の包含可能領域とは異なる態様で強調表示される(S153)。具体例1においては、包含可能領域701乃至705のうち、包含可能領域701を選択する「1」が入力されたものとし、液晶ディスプレイ15には、包含可能領域701を表す部分が、例えば、他の包含可能領域702乃至705とは異なる色で表示される。
続いて、タッチパネル26により、S153において強調表示された包含可能領域内にICタグ領域を配置することを決定する指示が画面800のボタン801を押下することにより入力された場合には(S154:Yes)、S152において入力された包含領域内にICタグ領域を定め、ICタグ領域記憶領域636に記憶される(S156)。具体例1において、この処理により、例えば、図28の重複領域763に示すように、包含可能領域701内にICタグ領域131が配置される。続いて、ICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができることを示す1にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S157)。続いて、ICタグ配置位置選択処理を終了し、図26に示すメイン処理に戻る。
一方、タッチパネル26により、S153において強調表示された包含可能領域内にICタグ領域を配置することを決定する指示が入力されず、代わりに候補番号を再入力する指示が画面800のボタン802を押下することにより入力された場合には(S154:No,S155;Yes)、S151に戻り処理を繰り返す。タッチパネル26により、S153において強調表示された包含可能領域内にICタグ領域を配置することを決定する指示が入力されず、候補番号を再入力する指示も入力されない場合には(S154:No,S155;No)、ICタグ領域を配置しないと判断し、続いて、ICタグ配置フラグが、ICタグ領域を刺繍領域内に配置することができないことを示す0にセットされ、ICタグ配置フラグ記憶領域635に記憶される(S158)。続いて、ICタグ配置位置選択処理を終了し、図26に示すメイン処理に戻る。
以上詳述したように、第3の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1では、刺繍領域のうちICタグ領域を内部に配置させることができる領域を包含可能領域として決定し、その包含可能領域の中から、ICタグ領域を配置させる領域を選択させる。そして、選択された包含可能領域内に、ICタグ領域の配置位置が設定される。
以上詳述したように、第3の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1によれば、液晶ディスプレイ15に表示された包含可能領域の中から、ICタグ領域を配置するタッチパネル26を設けているので、ICタグ領域の配置位置を報知された包含可能領域内の所望の位置に設定することができる。
尚、図27のS151において、ICタグ領域を刺繍領域内に包含させることができると判定された場合に、刺繍領域のうち、ICタグ領域を包含させることができる領域である包含可能領域を表示する液晶ディスプレイは、本発明の第1報知手段に相当する。また、液晶ディスプレイ15に表示された包含可能領域の中から、ICタグ領域を配置する包含可能領域を選択する、図2に示すタッチパネル26は、本発明の選択手段に相当する。また図27のS156において、タッチパネル26により選択された包含可能領域内にICタグ領域が配置されるよう、ミシン1の刺繍可能領域内に刺繍領域及びICタグ領域の配置位置を設定する、図2に示すCPU61は、本発明の記配置設定手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した第3の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
例えば、第3の実施形態においては、選択手段として、タッチパネル26を用いていたが、ゲームコントローラ等の各種のスイッチ、トラックボールやジョイスティック等、ユーザとインターフェイスをとるものを採用可能である。また第3の実施形態においては、第1報知手段として、液晶ディスプレイ15を用いていたが、これに限定されず、プラズマディスプレイ等の他の表示デバイスを採用してもよいし、スピーカー等の音声で報知する音声デバイスを採用するようにしてもよい。
ところで、上記第1乃至3の実施形態においては、予め所定の記憶領域に記憶された刺繍データに基づき刺繍領域を定め、その刺繍領域内に、ICタグ領域を配置することができるかを判断するようにしていたが、次の第4の実施形態のように、指定された輪郭に基づき刺繍領域を定め、その刺繍領域内にICタグ領域を配置することができるかを判断するようにし、その刺繍領域内にICタグ領域を配置することができると判断された場合に、指定された刺繍領域の刺繍データを新たに作成するようにしてもよい。以下、第4の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1を使用して、指定された輪郭に基づき刺繍領域を定めた刺繍領域内にICタグ領域を配置することができると判断された場合に、指定された刺繍領域の刺繍データを新たに作成する処理を、図30及び図31を参照して説明する。図30は、第4の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートであり、図31は、図30に示すメイン処理において指定された刺繍模様の輪郭910が表示された画面900を説明するための説明図である。尚、図30に示す各種処理を実行させるプログラムは、ROM62に記憶されており、図2に示すCPU61が実行する。また、図30に示す各種処理を実行するために必要な各種情報は、ROM62,EEPROM64又は外部記憶装置39から読み出され、RAM63の所定の記憶領域に記憶されているものとする。
第4の実施形態における刺繍データ処理装置をミシン1の物理的形態及び電気的形態は、RAM63の記憶領域を除き同様であるので、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、第1の実施形態と構成の異なるRAM63の記憶領域について説明する。第4の実施形態のRAM63は、図3に示す第1の実施形態のRAM63の記憶領域に加え、輪郭線データを記憶する輪郭線記憶領域(図示せず)、刺繍領域を記憶する刺繍領域記憶領域(図示せず)が設けられている。
図30に示す第4の実施形態のメイン処理は、図8に示す第1の実施形態のメイン処理のS15の処理を行わず、S14,S16及びS59の処理を行う点で、図8に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。第1の実施形態のメイン処理と共通する処理については説明を省略し、以下、図8に示す第1の実施形態のメイン処理において行われないS14,S16及びS59について詳述する。
第4の実施形態のメイン処理においては、ユーザにより指定された図形の輪郭に基づき刺繍領域を定め、その刺繍領域内にICタグ領域を配置することができるかを判断し、その刺繍領域内にICタグ領域を配置することができると判断された場合に、指定された刺繍領域の刺繍データを新たに作成するようにしている。そこで、図30のS14において、刺繍模様の輪郭が入力され、刺繍領域が指定されたか否かが判断される(S14)。この処理は、ユーザにより指定された図形の輪郭に基づき刺繍領域を定めるための処理である。輪郭の入力方法としては、例えば、液晶ディスプレイ15に表示された刺繍可能領域内に、タッチペン等を用いて刺繍模様の輪郭を入力するようにしてもよい。また、ROM62や外部記憶装置39等に記憶され、ユーザにより指定された写真やイラスト等の画像から、輪郭線を抽出するようにしてもよい。また、画像読取センサ27から取得した、画像から、輪郭線を抽出するようにしてもよい。このS14において、輪郭線がユーザにより指定されておらず、刺繍領域が指定されていないと判断される場合には(S14:No)、輪郭線が指定されるまで次の処理を行わない。一方、輪郭線がユーザにより指定され、刺繍領域が指定されたと判断された場合には(S14:Yes)、その輪郭線を表す輪郭線データが、RAM63の輪郭線記憶領域(図示せず)に記憶され、続いて刺繍領域が設定され、RAM63の刺繍領域記憶領域(図示せず)に記憶される(S16)。具体例2として、図31に示す画面900のようにアルファベット「A」の輪郭910が、タッチペンを用いて入力され、輪郭910の内部が刺繍領域として設定されたものとする。
次にS59の処理について説明する。S59では、RAM63の輪郭線記憶領域(図示せず)及び、RAM63の刺繍領域記憶領域(図示せず)が参照され、S14で入力された輪郭を刺繍模様の輪郭とする刺繍データが作成され、刺繍データ記憶領域633に記憶される(S59)。刺繍データ作成方法は、公知の刺繍データ作成方法を採用でき、例えば、特公平06−084585に記載されているように、輪郭線で指定される閉領域を複数に分割したブロックの頂点等の位置を表すブロックデータを作成し、各ブロックについて分岐元ブロックか否かを判別する。分岐元ブロックを判別された場合には、分岐元ブロックの刺繍に先立ってその分岐元ブロックから、分岐したブロック列の先端ブロックの先端まで走り縫するための縫製経路を示す走り縫データを演算し、その走り縫の走り縫先から分岐元ブロックに向けて逆方向に刺繍縫するようにブロックデータに基づいてステッチデータを作成して、刺繍データを作成するようにしてもよい。この処理により、具体例2の刺繍データとして、例えば、前述の図8に示す刺繍データが作成され、刺繍データ記憶領域633に記憶される。尚、この処理において、糸色データやブロックを縫製する際の縫幅等の各種設定を、ユーザにより指定させ、刺繍データに付加させるようにしてもよいし、予めROM62に定められた設定に基づき各種設定を行い刺繍データに付加させるようにしてもよい。
以上詳述したように、第4の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1では、指定された刺繍模様の輪郭に基づき刺繍領域を設定し、その刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定するとともに、ICタグ領域を包含させることができると判定された場合に、指定された輪郭が指定された刺繍模様の刺繍データを作成し(S59)、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように修正するようにしている(S60)。即ち、S59及びS60の処理により、指定された輪郭が指定された刺繍模様の刺繍データを、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成することができる(S59,S60)。
上記第4の実施形態の刺繍データ処理装置を備えるミシン1によれば、指定された刺繍模様の輪郭に基づき刺繍領域を設定し、その刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定するとともに、ICタグ領域を包含させることができると判定された場合に、指定された輪郭が指定された刺繍模様の刺繍データを、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成するようにしている。このため、ICタグが刺繍模様により覆い隠されるように、刺繍データを新たに作成することができる。
尚、刺繍模様の輪郭を指定する、図2に示すタッチパネル26は、本発明の輪郭指定手段に相当する。また図30のS20において、タッチパネル26により指定された輪郭の内部を刺繍領域とし、その刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定する、図2に示すCPU61は、本発明の判定手段として機能する。また、図30のS59,S60において、刺繍領域内に、ICタグ領域を包含させることができると判定された場合に、輪郭が指定された刺繍模様の刺繍データを、配置された刺繍領域のうち、刺繍領域とICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成する、図2に示すCPU61は、本発明の刺繍データ作成手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した第4の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
例えば、第4の実施形態においては、輪郭指定手段として、タッチパネル26を用いていたが、ゲームコントローラ等の各種のスイッチ、トラックボールやジョイスティック等、ユーザとインターフェイスをとるものを採用可能である。
また第4の実施形態においては、図30のS59において、刺繍データとして、所謂ブロックデータを作成する場合について説明したが、これに限定されず、例えば、所謂一針データを作成するようにしてもよい。
ミシン1の斜視図である。 ミシン1の電気的構成を示す概念図である。 RAM63の記憶領域を説明するための概念図である。 具体例1に用いるICタグを説明するための説明図である。 具体例1の刺繍模様200の刺繍仕上がりを説明するための説明図である。 具体例1の刺繍模様200の説明するための説明図である。 具体例1の刺繍模様200を縫製するための刺繍データ300を説明するための説明図である。 第1の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートである。 図8に示すメイン処理で実行されるICタグ配置処理を説明するためのフローチャートである。 図9に示すICタグ配置処理により配置位置が変更されたICタグ領域を説明するための説明図である。 図8に示すメイン処理で実行される刺繍データ修正処理を説明するためのフローチャートである。 図11に示す刺繍データ修正処理において走り経路が修正される前の走り縫線212を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理において走り経路が修正された後の走り縫線212を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理において修正される前の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理により、針落ち点の位置を修正した後の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理により、ICタグ領域に含まれていた針落ち点を削除した後の下打ちデータの針落ち点を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理において修正される前のステッチデータの針落ち点を説明するための説明図である。 図11に示す刺繍データ修正処理により、針落ち点の位置を修正した後のステッチデータの針落ち点を説明するための説明図である。 図8に示すメイン処理により設定されたICタグ領域の配置位置を説明するための説明図である。 ICタグを加工布に配置する際の目印となる縫目を形成するためのマーク縫製データを説明するための説明図である。 ICタグを加工布に固定する際の縫目を形成するための止め縫付け縫製データを説明するための説明図である。 第2の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートであり 図22に示すメイン処理で実行される刺繍データ配置処理を説明するためのフローチャートである。 図23に示す刺繍データ配置処理により、刺繍可能領域651外に刺繍領域210が配置された場合を説明するための説明図である。 図23に示す刺繍データ配置処理により、刺繍可能領域651内に刺繍領域210が配置された場合を説明するための説明図である。 第3の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートである。 図26に示すメイン処理で実行されるICタグ配置位置選択処理を説明するためのフローチャートである。 図27に示すICタグ配置位置選択処理において決定された包含可能領域の候補を説明するための説明図である。 図27に示すICタグ配置位置選択処理において液晶ディスプレイ15に表示される画面800を説明するための説明図である。 第4の実施形態のメイン処理を説明するためのフローチャートである。 図30に示すメイン処理において指定された刺繍模様の輪郭910が表示された画面900を説明するための説明図である。
符号の説明
1 ミシン
15 液晶ディスプレイ
26 タッチパネル
27 画像読取センサ
61 CPU
100 ICタグ
104 情報記憶部
131 ICタグ領域
200 刺繍模様
210 刺繍領域
300 刺繍データ
651 刺繍可能領域
701,702,703,704,705 包含可能領域
751,752,753,754,755,761,763 重複領域

Claims (18)

  1. 刺繍縫製可能なミシンで加工布に刺繍模様を縫製するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置において、
    各種情報が記憶された情報記憶部を備えるICタグの大きさ及び形状に基づき定められた領域であるICタグ領域を取得するICタグ領域取得手段と、
    前記刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記ICタグ領域が前記刺繍領域内に配置されるように、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を設定する配置設定手段と
    を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記刺繍可能領域に、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域を配置する初期配置手段と、
    前記刺繍可能領域に配置された前記刺繍領域及び前記ICタグ領域を相対的に異なる配置位置に再配置することを、所定条件となるまで繰り返す配置繰返手段と、
    前記初期配置手段又は前記配置繰返手段により前記刺繍領域及び前記ICタグ領域が配置された場合に、当該ICタグ領域が、当該刺繍領域内に包含されているか否かを判定する包含判定手段と、
    前記包含判定手段により、包含させることができると1度以上判定された場合に、前記刺繍データに基づき定められる刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができると判定する総合判定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ処理装置。
  3. 前記ミシンの刺繍可能領域内の前記ICタグの位置を表す情報である位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、
    前記配置設定手段は、前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記ICタグ領域が前記刺繍領域内に配置されるように、かつ、前記ミシンの刺繍可能領域内に設定される前記ICタグの配置位置を前記位置情報取得手段により取得された前記位置情報が表す配置位置に固定して、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域の配置位置を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の刺繍データ処理装置。
  4. 前記刺繍模様の輪郭を指定する輪郭指定手段を備え、
    前記判定手段は、前記輪郭指定手段により指定された輪郭の内部を刺繍領域とし、当該刺繍領域内に、前記ICタグ領域取得手段により取得された前記ICタグ領域を包含させることができるか否かを判定し、
    前記判定手段により包含されると判定された場合に、前記輪郭指定手段により輪郭が指定された前記刺繍模様の前記刺繍データを、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記刺繍模様を縫製する際の針落ち点が設けられないように作成する刺繍データ作成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  5. 前記判定手段により包含させることができると判定された場合に、前記刺繍領域のうち、前記ICタグ領域を包含させることができる領域である包含可能領域を報知する第1報知手段と、
    前記第1報知手段により報知された前記包含可能領域の中から、前記ICタグ領域を配置する包含可能領域を選択する選択手段と
    を備え、
    前記配置設定手段は、前記選択手段により選択された前記包含可能領域内に前記ICタグ領域が配置されるよう、前記ミシンの刺繍可能領域内に前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  6. 刺繍縫製可能なミシンで加工布に刺繍模様を縫製するための刺繍データを処理する刺繍データ処理装置において、
    各種情報が記憶された情報記憶部を備えるICタグの大きさ及び形状に基づき定められた領域であるICタグ領域を取得するICタグ領域取得手段と、
    前記刺繍可能領域における、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を指定する配置指定手段と、
    前記配置指定手段により指定された配置位置に配置された前記ICタグ領域が、前記配置指定手段により指定された配置位置に配置された前記刺繍領域内に包含されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により包含されていると判定された場合に、前記ミシンの刺繍可能領域内の前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を、前記配置指定手段により指定された配置位置に設定する配置設定手段と
    を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。
  7. 前記ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を取得する形態情報取得手段を備え、
    前記ICタグ領域取得手段は、前記形態情報取得手段により取得された前記形態情報に基づき定められた前記ICタグ領域を取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  8. 前記ICタグの大きさ及び形状を少なくとも表す情報である形態情報を入力する形態情報入力手段を備え、
    前記ICタグ領域取得手段は、前記形態情報入力手段により入力された前記形態情報に基づき定められた前記ICタグ領域を取得することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  9. 前記刺繍データに基づき前記刺繍模様を縫製する際の針落ち点の位置を示す針落ち点データを取得する針落ち点データ取得手段と、
    前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点が存在するか否かを判定する針落ち点判定手段と、
    前記針落ち点判定手段により、前記重複領域内に前記針落ち点が存在すると判定された場合に、当該重複領域内に前記針落ち点が存在しないように、前記刺繍データを修正する刺繍データ修正手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  10. 前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点のうち、縫製方向が変化する針落ち点である折り返し点が存在するか否かを判定する折り返し点判定手段を備え、
    前記針落ち点判定手段は、前記折り返し点判定手段により、前記重複領域内に前記折り返し点が存在しないと判定された場合に、前記配置設定手段により配置された前記刺繍領域のうち、前記刺繍領域と前記ICタグ領域とが重なる領域である重複領域内に、前記針落ち点データ取得手段により取得された針落ち点が存在するか否かを判定し、
    前記配置設定手段は、前記折り返し点判定手段により、前記重複領域内に前記折り返し点が存在すると判定された場合に、当該重複領域とは異なる前記刺繍領域内に前記ICタグ領域が配置されるように、前記刺繍領域及び前記ICタグ領域の配置位置を再設定することを特徴とする請求項9に記載の刺繍データ処理装置。
  11. 前記刺繍データ修正手段は、前記刺繍模様を縫製する際の縫目幅を変更することにより、前記重複領域内に前記針落ち点が存在しないように、前記刺繍データを修正することを特徴とする請求項9又は10に記載の刺繍データ処理装置。
  12. 前記ICタグを前記配置設定手段により定められた配置位置に配置する際の目印となる縫目を前記加工布に形成するためのマーク縫製データを作成するマーク縫製データ作成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  13. 前記マーク縫製データ作成手段により作成された前記マーク縫製データを前記刺繍データの前に付加し、当該マーク縫製データと当該刺繍データとの間に、前記ミシンの運転を停止させることを指示する一時停止データを付加する第1データ付加手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の刺繍データ処理装置。
  14. 前記配置設定手段により定められた配置位置に配置された前記ICタグを前記加工布に縫い付ける縫目を形成するための止め縫付け縫製データを作成する止め縫付け縫製データ作成手段と、
    前記止め縫付け縫製データ作成手段により作成された前記止め縫付け縫製データを前記刺繍データの前に付加する第2データ付加手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  15. 前記判定手段の判定結果及び前記配置設定手段により決定された配置の少なくともいずれか一方を報知する第2報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置を備えたミシン。
  17. 請求項1乃至15のいずれかに記載の刺繍データ処理装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための刺繍データ処理プログラム。
  18. 請求項17に記載の刺繍データ処理プログラムを記録した記録媒体。
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