JP2008077838A - 内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供すること。
【解決手段】放電ギャップを形成して対向配置された中心電極2と接地電極3とを有する内燃機関用のスパークプラグ1。中心電極2と接地電極3とには、それぞれの対向面に貴金属チップ21、31が固定されている。接地電極3側の貴金属チップ2は、接地電極母材30の表面から0.3mm以上突出している。中心電極2側の貴金属チップ21と接地電極3側の貴金属チップ31との少なくとも一方は、軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法に関する。
従来より、互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグにおいて、上記中心電極と上記接地電極とには、それぞれの対向面に貴金属チップが固定されたものがある(特許文献1)。そして、貴金属チップの断面積を小さくすることにより、放電ギャップにおいて生成した火炎核の成長を阻害し難い構成として、高着火性を確保している。
しかしながら、近年、エンジンの高圧縮比、高過給化等に伴い、貴金属チップの消耗が増大し、単位時間当たりの放電ギャップの拡大量が大きくなる。それ故、貴金属チップが細いと、その消耗に伴う放電ギャップの拡大は促進され、また、熱伝導による貴金属チップの放熱が不充分となりやすく、消耗が激しくなるおそれがある。
また、放電ギャップ近傍においてガスの流速が速くなり、火花が流され易くなり、放電し難くなるおそれがある。
その結果、要求電圧が高くなってしまい、寿命が短くなってしまうという問題がある。
また、プラス極性である接地電極の貴金属チップが細いと、飛火範囲が狭くなるという問題もある。
また、要求電圧を低減するために、放電ギャップを縮小する、貴金属チップを太くするといった方法が考えられるが、これらの手法によると、着火性が低下してしまうという問題が生じる。
特開2002−184551号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
第1の発明は、互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極と上記接地電極とには、それぞれの対向面に貴金属チップが固定されており、
上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しており、
上記中心電極側の貴金属チップと上記接地電極側の貴金属チップとの少なくとも一方は、軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記内燃機関用のスパークプラグにおいては、上記中心電極側の貴金属チップと上記接地電極側の貴金属チップとの少なくとも一方に、軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有する。そのため、上記貴金属チップを、先端部分を細くしつつ、他の部分を太くした形状とすることができる。これにより、高着火性を確保しつつ、要求電圧の低減を図ることができる。
即ち、貴金属チップの先端部分を細くすることにより、放電ギャップにおける火炎核の成長を阻害することを防ぎ、高着火性を確保することができる。また、他の部分を太くすることにより、母材側への熱伝導を向上させることができ、貴金属チップの消耗を抑制することができる。また、断面積の大きい部分を有することにより、単位時間当たりの貴金属チップの消耗長さを低減することができる。その結果、放電ギャップの拡大を抑制し、要求電圧の低減を図ることができ、寿命を長くすることができる。
また、貴金属チップの先端部が消耗すると、断面積の大きい部分が先端面として現れることとなるため、飛火範囲が拡大することとなる。それ故、放電ギャップが拡大した分、飛火範囲が拡大し、要求電圧の上昇を抑制することができる。
一方、耐久前の状態においては、貴金属チップの先端面の面積が小さいため、放電ギャップが小さくても、火炎核の成長を阻害し難く、高着火性を確保することができる。
また、上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しているため、上述の着火性向上の効果を充分に発揮することができる。
以上のごとく、本発明によれば、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
第2の発明は、互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
上記中心電極と上記接地電極とには、それぞれの対向面に貴金属チップが固定されており、
上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しており、少なくとも接地電極母材側の端部に、先端面側から上記接地電極母材側に向かって断面積が大きくなる形状のテーパ部を有しており、
かつ、上記接地電極側の貴金属チップは、レーザ溶接により形成された溶融部を介して上記接地電極母材に接合されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項16)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材側の端部に上記テーパ部を有している。これにより、貴金属チップの先端部分を細く、根元部分を太くすることができる。それ故、上記第1の発明と同様に、高着火性を確保しつつ、要求電圧の低減を図ることができる。
また、上記テーパ部を設けることにより、接地電極母材と貴金属チップとの溶接の際に、貴金属チップのえぐれを抑制することができる。これにより、貴金属チップの接地電極母材への熱伝導を確保し、貴金属チップの消耗を抑制することができる。その結果、要求電圧の低減を図ることができ、長寿命化を図ることができる。また、えぐれの抑制により、貴金属チップと接地電極母材との接合信頼性を確保することもできる。
また、上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しているため、上述の着火性向上の効果を充分に発揮することができる。
以上のごとく、本発明によれば、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
第3の発明は、互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグの製造方法であって、
上記接地電極における上記中心電極との対向面に貴金属チップを接合するにあたり、
軸方向長さが0.3mm以上であると共に少なくとも接地電極母材側の端部に該接地電極母材側に向かうに従って断面積が大きくなるテーパ部を有する貴金属チップを、上記接地電極母材の表面に配置し、上記接地電極母材と上記貴金属チップとの界面近傍にレーザ光を照射することにより、上記接地電極母材に上記貴金属チップを溶接することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法(請求項27)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記製造方法においては、上記テーパ部を有する貴金属チップを接地電極母材にレーザ溶接する。それ故、貴金属チップの先端部分を細く、接地電極側の端部を太くした状態で、接合することができる。それ故、上記第1の発明と同様に、高着火性を確保しつつ、要求電圧の低減を図ることができる。
また、貴金属チップの根元部分に上記テーパ部を配し、この部分において溶接するため、上記第2の発明に示したように、えぐれを抑制し、貴金属チップの接地電極母材への熱伝導を確保し、貴金属チップの消耗を抑制することができる。その結果、要求電圧の低減を図ることができ、長寿命化を図ることができる。また、えぐれの抑制により、貴金属チップと接地電極母材との接合信頼性を確保することもできる。
また、上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出することとなるため、上述の着火性向上の効果を充分に発揮することができる。
以上のごとく、本発明によれば、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグの製造方法を提供することができる。
上記第1〜第3の発明において、上記内燃機関用のスパークプラグは、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における着火手段として用いることができる。
また、上記接地電極母材の表面からの上記貴金属チップの突出量が0.3mm未満である場合には、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。即ち、上記突出量が0.3mm未満の場合には、放電ギャップにおいて形成された火炎核が、接地電極母材に接触しやすく、火炎核の成長を阻害するおそれがある。
次に、第1の発明(請求項1)において、上記接地電極側の貴金属チップは、軸方向に直交する断面積が互いに異なる複数の部位からなり、該複数の部位のうち最も断面積の小さい最小断面積部が先端部に形成されているものであってもよい(請求項2)。
この場合にも、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグの製造方法を提供することができる。
また、上記最小断面積部の断面積および上記中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
上記断面積が0.1mm2未満の場合には、貴金属チップの先端部がヒートスポットとなり、異常消耗を招くおそれがあり、要求電圧の上昇に繋がるおそれがある。一方、上記断面積が0.6mm2を超える場合には、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記放電ギャップの大きさをG、上記最小断面積部の軸方向長さをhとしたとき、G≧0.5mm、G+h≧0.8mmであることが好ましい(請求項4)。
この場合には、充分に高着火性を確保することができる。
G<0.5mmの場合、又はG+h<0.8mmの場合には、貴金属チップが火炎核の成長を妨げ、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記最小断面積部の軸方向長さは、0.2mm以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、高着火性を充分に確保することができる。
上記軸方向長さが0.2mm未満の場合には、上記最小断面積部を形成した効果が充分に得られず、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記最小断面積部に隣接する第2断面積部の断面積は、1.13mm2以下であることが好ましい(請求項6)。
この場合には、高着火性を充分に確保することができる。
上記断面積が1.13mm2を超える場合には、上記第2段面積部による火炎の冷却損失が増大し、高着火性を維持することが困難となるおそれがある。
また、上記最小断面積部の軸方向長さは、0.8mm以下であることが好ましい(請求項7)。
この場合には、要求電圧を抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることができる。
上記軸方向長さが0.8mmを超える場合には、上記最小断面積部の消耗により放電ギャップが拡大しやすく、早期に要求電圧が許容範囲を超えてしまい、長寿命を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記最小断面積部に隣接する第2断面積部の断面積は、上記中心電極側の貴金属チップの断面積よりも大きいことが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記最小断面積部が消耗しても、飛火範囲が充分に大きくなるため、要求電圧を充分に低減することができる。
また、上記接地電極側の貴金属チップは、少なくとも先端部にテーパ部を有していることが好ましい(請求項9)。
この場合には、より効果的に、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
即ち、貴金属チップの先端部にテーパ部を有することにより、貴金属チップが消耗するにつれて、貴金属チップの先端面の面積が大きくなる。それ故、放電ギャップの拡大量が徐々に小さくなる。その結果、要求電圧の上昇を抑制し、長寿命化を図ることができる。更に、貴金属チップの先端面の面積が大きくなることにより、飛火範囲が拡大され、要求電圧低減効果を得ることができる。
また、上記接地電極側の貴金属チップの先端面の面積および上記中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることが好ましい(請求項10)。
この場合には、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
また、上記放電ギャップの大きさをGmm、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ1°としたとき、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ1≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ1≦120を満たすことが好ましい(請求項11)。
この場合には、充分に高着火性を確保することができる。
G<0.5mmの場合には、火炎の冷却損失を抑制することが困難となり、高着火性を維持することが困難となるおそれがある。
また、G≧0.5mmであっても、G<0.6のときにθ1>{100+200(G−0.5)}となる場合、或いは、G≧0.6のときにはθ1>120となる場合には、貴金属チップの先端部による火炎の冷却損失を充分に抑制することが困難となり、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、100°以下であることが好ましい(請求項12)。
この場合には、高着火性を充分に確保することができる。
上記角度が100°を超える場合には、火炎の冷却損失を充分に抑制できず、高着火性を得ることが困難となるおそれがある。
また、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記テーパ部以外の部分の断面積は、0.95mm2以下であることが好ましい。
この場合には、高着火性を充分に確保することができる。
上記断面積が0.95mm2を超える場合には、上記テーパ部以外の部分による火炎の冷却損失が増大し、高着火性を充分に確保することが困難となるおそれがある。
また、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、20°以上であることが好ましい(請求項14)。
この場合には、要求電圧の上昇を充分に抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることができる。
上記角度が20°未満の場合には、貴金属チップの消耗が早くなり、充分な寿命が得られないおそれがある。
また、上記貴金属チップは、上記中心電極母材又は上記接地電極母材にレーザ溶接によって固定されていることが好ましい(請求項15)。
この場合には、上記中心電極母材又は上記接地電極母材と、上記貴金属チップとの間に、互いの材料が溶融しあった溶融部が形成される。そして、この溶融部は、母材と貴金属チップとの間の線膨張係数を有することとなる。それ故、母材と貴金属チップとの間に生ずる熱応力を低減して、貴金属チップの接合信頼性を向上させることができる。
次に、上記第2の発明(請求項16)において、上記接地電極側の貴金属チップの先端面の面積および中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることが好ましい(請求項17)。
この場合には、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
また、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、7°以上であることが好ましい(請求項18)。
この場合には、レーザ溶接による貴金属チップのえぐれを充分に抑制することができる。
上記角度が7°未満の場合には、レーザ溶接により、貴金属チップの根元部分にえぐれが生じるおそれがある。
また、上記貴金属チップは、円錐台形状を有することが好ましい(請求項19)。
この場合には、上記貴金属チップを接地電極母材にレーザ溶接する際に、貴金属チップの軸を中心に回転させながらレーザ光を接合部に照射することにより、レーザ照射の焦点を一定に保つことができ、全周略均一な溶融部を形成することが可能となる。
また、上記放電ギャップの大きさをGmm、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ2°としたとき、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ2≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ2≦120を満たすことが好ましい(請求項20)。
この場合には、充分に高着火性を確保することができる。
G<0.5の場合には、火炎の冷却損失を抑制することが困難となり、高着火性を維持することが困難となるおそれがある。
また、G≧0.5であっても、G<0.6のときにθ2>{100+200(G−0.5)}となる場合、或いは、G≧0.6のときにθ2>120となる場合には、貴金属チップの先端部による火炎の冷却損失を充分に抑制することが困難となり、高着火性を確保することが困難となるおそれがある。
また、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、100°以下であることが好ましい(請求項21)。
この場合には、高着火性を充分に確保することができる。
上記角度が100°を超える場合には、火炎の冷却損失を充分に抑制できず、高着火性を得ることが困難となるおそれがある。
また、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、20°以上であることが好ましい(請求項22)。
この場合には、要求電圧の上昇を充分に抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることができる。
上記角度が20°未満の場合には、貴金属チップの消耗が早くなり、充分な寿命が得られないおそれがある。
次に、上記第1、第2の発明において、上記中心電極側の貴金属チップは、融点が1900℃以上の貴金属または貴金属合金からなり、上記接地電極側の貴金属チップは、融点が1700℃以上の貴金属または貴金属合金からなることが好ましい(請求項23)。
この場合には、貴金属チップの消耗を抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることが可能となる。特に、一般にマイナス電極となり火花による溶融、飛散による消耗が多い中心電極側の貴金属チップの融点を高くすることにより、効果的に長寿命化を実現することができる。
また、上記中心電極側の貴金属チップは、Ir、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有する合金からなり、上記接地電極側の貴金属チップはPt、Rhのいずれかを50重量%以上含有する合金からなることが好ましい(請求項24)。
この場合には、より効果的に貴金属チップの消耗を抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることが可能となる。特に、火花による溶融、飛散による消耗が多い中心電極側の貴金属チップに、融点のより高いIr、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有させ、高温酸化揮発消耗が多い接地電極側の貴金属チップに、高温酸化揮発特性に優れたPt、Rhのいずれかを50重量%以上含有させることにより、効果的に長寿命を実現することができる。
また、上記接地電極側の貴金属チップは、該貴金属チップと上記接地電極母材との中間の線膨張係数を有する材料を介して、上記接地電極母材に接合されていることが好ましい(請求項25)。
この場合には、貴金属チップと接地電極母材との間において熱応力を低減することができ、貴金属チップの接合信頼性を向上させることができる。
また、上記放電ギャップの大きさは、1.2mm以下であることが好ましい(請求項26)。
この場合には、放電ギャップの拡大が殆どない初期の段階において貴金属チップのエッジ部分が消耗しても、要求電圧の許容電圧に対して余裕があり、その後、放電ギャップが拡大するにしたがって、本発明の効果が発揮されて要求電圧上昇を抑制し、要求電圧が許容限界を超えることを防ぐことができる。
逆に、上記放電ギャップの大きさが1.2mmを超える場合には、放電ギャップの拡大が殆どない状態でも、貴金属チップのエッジ部分が消耗して要求電圧が上昇した時点で、許容限界に対して余裕がない状態となってしまい、長寿命を確保することが困難となる。即ち、初期の放電ギャップが大きすぎるために、初期の要求電圧が高く、ギャップ拡大による本発明の作用効果を発揮する前に、要求電圧が許容限界を超えてしまうおそれがある。
次に、上記第3の発明(請求項27)において、上記レーザ光は、上記接地電極母材の表面に対して斜めの角度から照射し、上記接地電極母材と上記貴金属チップとが互いに溶け合った溶融部を形成することが好ましい(請求項28)。
この場合には、上記接地電極母材と上記貴金属チップとの溶融状態にばらつきの少ない上記溶融部を容易に形成することができる。
また、上記レーザ光は、上記貴金属チップのテーパ部に対して略直交する方向から照射することが好ましい(請求項29)。
この場合には、上記溶融部における上記接地電極母材と上記貴金属チップとの溶融状態のばらつきを、より少なくすることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる内燃機関用のスパークプラグにつき、図1、図2を用いて説明する。
本例の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極2と接地電極3とを有する。
中心電極2と接地電極3とには、それぞれの対向面に貴金属チップ21、31が固定されている。
上記接地電極3側の貴金属チップ31は、接地電極母材30の表面から0.3mm以上突出している。即ち、図2における突出量Hが、H≧0.3mmである。
また、図2に示すごとく、接地電極3側の貴金属チップ31は、軸方向に直交する断面の面積が先端面311の面積よりも大きい部分を有する。
本例においては、貴金属チップ31は、軸方向に直交する断面積が互いに異なる複数の部位からなり、該複数の部位のうち最も断面積の小さい最小断面積部312が先端部に形成されている。より具体的には、貴金属チップ31は、先端部における最小断面積部312と接地電極母材30に接合される第2断面積部313とからなり、第2断面積部313は、上記最小断面積部312の断面積よりも大きい断面積を有する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、中心電極2をその先端部を突出させた状態で内側に保持する絶縁碍子11と、該絶縁碍子11を内側に挿通保持すると共に外周に取付ねじ部121を有する取付金具12とを有する。また、取付金具12の先端面に、接地電極母材30の一端が接合されており、該接地電極母材30の他端が中心電極2と対向する位置に配されるよう、接地電極母材30は屈曲形成されている。
本例においては、中心電極2側の貴金属チップ21は円柱形状を有し、接地電極3側の貴金属チップ31は、互いに直径の異なる最小断面積部312と第2断面積部313とを中心軸を略一致させた状態で組合わせた形状を有する。
また、最小断面積部312の断面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2である。
また、上記放電ギャップの大きさをG、上記最小断面積部の軸方向長さをhとしたとき、1.2mm≧G≧0.5mm、G+h≧0.8mmであり、0.2mm≦h≦0.8mmである。
また、貴金属チップ31における第2断面積部313の断面積は、1.13mm2以下であるが、中心電極2側の貴金属チップ21の断面積よりも大きい。
貴金属チップ21、31は、それぞれ中心電極母材20、接地電極母材30にレーザ溶接によって固定されている。
また、中心電極2側の貴金属チップ21は、Ir、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有する合金からなり、接地電極3側の貴金属チップ31は、Pt、Rhのいずれかを50重量%以上含有する合金からなる。これにより、貴金属チップ21は融点が1900℃以上となり、貴金属チップ31は融点が1700℃以上となる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
内燃機関用のスパークプラグ1においては、接地電極3側の貴金属チップ31に、軸方向に直交する断面の面積が先端面311の面積よりも大きい部分を有する。そのため、上記貴金属チップ31を、先端部分を細くしつつ、他の部分を太くした形状とすることができる。具体的には、図2に示すごとく、先端部に最小断面積部312を設け、接地電極母材30側に第2断面積部313を設け、該第2断面積部313の断面積を最小断面積部312の断面積よりも大きくすることができる。これにより、高着火性を確保しつつ、要求電圧の低減を図ることができる。
即ち、貴金属チップ31の先端部分(最小断面積部312)を細くすることにより、放電ギャップにおける火炎核の成長を阻害することを防ぎ、高着火性を確保することができる。また、他の部分(第2断面積部313)を太くすることにより、母材側への熱伝導を向上させることができ、貴金属チップの消耗を抑制することができる。また、断面積の大きい部分(第2断面積部313)を有することにより、単位時間当たりの貴金属チップ31の消耗長さを低減することができる。その結果、放電ギャップの拡大を抑制し、要求電圧の低減を図ることができ、寿命を長くすることができる。
また、貴金属チップ31の先端部(最小断面積部312)が消耗すると、断面積の大きい部分が先端面として現れることとなるため、飛火範囲が拡大することとなる。それ故、放電ギャップが拡大した分、飛火範囲が拡大し、要求電圧の上昇を抑制することができる。
一方、耐久前の状態においては、貴金属チップ31の先端面311の面積が小さいため、放電ギャップが小さくても、火炎核の成長を阻害し難く、高着火性を確保することができる。
また、接地電極3側の貴金属チップ31は、接地電極母材30の表面から0.3mm以上突出している(H≧0.3mmである)ため、上述の着火性向上の効果を充分に発揮することができる。
また、最小断面積部312の断面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であるため、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
また、放電ギャップの大きさをG、最小断面積部312の軸方向長さをhとしたとき、G≧0.5mm、G+h≧0.8mmである。これにより、充分に高着火性を確保することができる。
また、G≦1.2mmであるため、放電ギャップの拡大が殆どない初期の段階において貴金属チップ31のエッジ部分が消耗しても、要求電圧の許容電圧に対して余裕があり、その後、放電ギャップが拡大するにしたがって、本発明の効果が発揮されて要求電圧上昇を抑制し、要求電圧が許容限界を超えることを防ぐことができる。
また、最小断面積部312の軸方向長さhは、0.2mm以上であるため、高着火性を充分に確保することができる。また、上記長さhは、0.8mm以下であるため、要求電圧を抑制し、長寿命のスパークプラグ1を得ることができる。
また、接地電極3側の貴金属チップ31における第2断面積部313の断面積は、1.13mm2以下であるため、高着火性を充分に確保することができる。
また、第2断面積部313の断面積は、中心電極2側の貴金属チップ21の断面積よりも大きいため、最小断面積部312が消耗しても、飛火範囲が充分に大きくなるため、要求電圧を充分に低減することができる。
また、貴金属チップ21、31は、それぞれ中心電極母材20、接地電極母材30にレーザ溶接によって固定されている。それ故、中心電極母材20、接地電極母材30と、貴金属チップ21、31との間に、互いの材料が溶融しあった溶融部が形成される。そして、この溶融部は、母材と貴金属チップ21、31との間の線膨張係数を有することとなる。それ故、母材と貴金属チップ21、31との間に生ずる熱応力を低減して、貴金属チップ21、31の接合信頼性を向上させることができる。
また、中心電極2側の貴金属チップ21は、融点が1900℃以上であり、接地電極3側の貴金属チップ31は、融点が1700℃以上であるため、貴金属チップ21、31の消耗を抑制し、長寿命のスパークプラグ1を得ることが可能となる。特に、一般にマイナス電極となり火花による溶融、飛散による消耗が多い中心電極2側の貴金属チップ21の融点を高くすることにより、効果的に長寿命化を実現することができる。
また、中心電極2側の貴金属チップ21は、Ir、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有する合金からなり、接地電極3側の貴金属チップ31はPt、Rhのいずれかを50重量%以上含有する合金からなる。これにより、より効果的に貴金属チップ21、31の消耗を抑制し、長寿命のスパークプラグ1を得ることが可能となる。特に、火花による溶融、飛散による消耗が多い中心電極2側の貴金属チップ21に、融点のより高いIr、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有させ、高温酸化揮発消耗が多い接地電極3側の貴金属チップ31に、高温酸化揮発特性に優れたPt、Rhのいずれかを50重量%以上含有させることにより、効果的に長寿命を実現することができる。
以上のごとく、本例によれば、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図3に示すごとく、接地電極3側の貴金属チップ31の先端部にテーパ部314を有する内燃機関用のスパークプラグ1の例である。
また、接地電極3側の貴金属チップ31の先端面311の面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2である。
また、放電ギャップの大きさをGmm、上記テーパ部314における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ1°としたとき、G≧0.5であって、G<0.6の場合にはθ1≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ1≦120を満たす。また、20°≦θ1≦100°とすることが好ましい。
また、接地電極3側の貴金属チップ31におけるテーパ部314以外の部分の断面積は、0.95mm2以下である。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、接地電極3側の貴金属チップ31が、先端部にテーパ部314を有しているため、より効果的に、高着火性を確保すると共に要求電圧を低減した長寿命の内燃機関用のスパークプラグ1を提供することができる。
即ち、貴金属チップ31の先端部にテーパ部314を有することにより、貴金属チップ31が消耗するにつれて、貴金属チップ31の先端面311の面積が大きくなる。それ故、放電ギャップの拡大量が徐々に小さくなる。その結果、要求電圧の上昇を抑制し、長寿命化を図ることができる。更に、貴金属チップ31の先端面311の面積が大きくなることにより、飛火範囲が拡大され、要求電圧低減効果を得ることができる。
また、接地電極3側の貴金属チップ31の先端面311の面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であるため、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
また、放電ギャップの大きさをGmm、テーパ部314における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ1°としたとき、G≧0.5であって、G<0.6の場合にはθ1≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ1≦120を満たす。これにより、充分に高着火性を確保することができる。
また、テーパ部314における上記角度θ1を100°以下とすることにより、高着火性を充分に確保することができる。また、上記角度θ1を20°以上とすることにより、要求電圧の上昇を充分に抑制し、長寿命のスパークプラグ1を得ることができる。
また、接地電極3側の貴金属チップ31におけるテーパ部314以外の部分の断面積が、0.95mm2以下であるため、高着火性を充分に確保することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(比較例1)
本例は、図4に示すごとく、中心電極92側の貴金属チップ921及び接地電極93側の貴金属チップ931の形状を、直棒形状とした内燃機関用のスパークプラグ9の例である。
即ち、上記貴金属チップ921、931を、いずれも円柱の直棒形状としている。
その他は、実施例1と同様である。
本例のスパークプラグ9においては、貴金属チップ921、931の断面積を小さくすることにより、放電ギャップにおいて生成した火炎核の成長を阻害し難い構成として、高着火性を確保することができる。
しかしながら、貴金属チップ921、931が細いと、上述のごとく、消耗に伴う放電ギャップの拡大が激しくなるおそれがある。その結果、要求電圧が高くなってしまい、寿命が短くなってしまうという問題がある。
また、プラス極性である接地電極93の貴金属チップ931が細いと、飛火範囲が狭くなるという問題もある。
これに対し、上記実施例1、2に記載のスパークプラグ1は、上述のごとく、中心電極2側の貴金属チップ21と接地電極3側の貴金属チップ31との少なくとも一方を、軸方向に直交する断面の面積が先端面211、311の面積よりも大きい部分を有する形状とすることにより、着火性を確保しつつ、要求電圧の上昇を抑制し、長寿命化を図ることができる。
(実施例3)
本例は、図5〜図8に示すごとく、上記実施例1及び2において示した本発明のスパークプラグ1と、比較例1(図4)に示したスパークプラグ9とにつき、耐久試験を行った例である。
試料1として、実施例1(図2)に示す構成のスパークプラグを用いた。そして、試料1の各部の寸法は、中心電極側の貴金属チップ21の断面積が0.24mm2、接地電極側の貴金属チップ31の最小断面積部312の断面積が0.24mm2、第2断面積部313の断面積が0.79mm2、貴金属チップ31の高さHが1.0mm、放電ギャップの大きさGが0.8mm、最小断面積部312の高さhが0.3mmである。
試料2として、実施例2(図3)に示す構成のスパークプラグを用いた。そして、試料2の各部の寸法は、中心電極側の貴金属チップ21の断面積が0.24mm2、接地電極側の貴金属チップ31の先端面311の面積が0.24mm2、テーパ部314以外の部分の断面積が0.79mm2、貴金属チップ31の高さHが1.0mm、放電ギャップの大きさGが0.8mm、貴金属チップ31のテーパ部314の角度θ1が90°である。
また、比較試料として、比較例1(図4)に示す構成のスパークプラグを用いた。そして、比較試料の各部の寸法は、中心電極側の貴金属チップ921の断面積が0.24mm2、接地電極側の貴金属チップ931の断面積が0.24mm2、貴金属チップ931の高さHが1.0mm、放電ギャップの大きさGが0.8mmである。
上記各試料につき、車両用の一般的なエンジン(1600cc、4気筒、自然吸気)および高過給/高圧縮比エンジン(1600cc、4気筒、過給機付)での耐久時間(グラフは、走行距離に換算)に対する要求電圧の変化を示したものである。評価は、エンジンベンチにて市場走行を模擬した耐久パターンを用い、規定の耐久時間毎に要求電圧が最も高くなるエンジン条件にて要求電圧を測定した。
測定結果を図5に示す。図5において、曲線Kが一般的なエンジンにおける比較試料の測定値を示し、曲線L0、L1、L2がそれぞれ、高過給/高圧縮比エンジンにおける比較試料、試料1、試料2の測定値を示す。以下の図6、図7についても同様である。
また、図5において、要求電圧の許容限界(35kV)を直線M1、目標寿命(20万km)を直線M2にて示す。
また、耐久中の放電ギャップの変化(G+ΔG)についても測定した。測定結果を図6に示す。ここで、Gは、初期の放電ギャップを表し、ΔGは放電ギャップの拡大量を示す。
また、高過給/高圧縮エンジンにおける接地電極3の貴金属チップ31の消耗量ΔG2を測定した。その結果を、図7に示す。
放電ギャップの大きさG、及び貴金属チップ21、31の消耗量ΔG1、ΔG2の定義については、図8に示す通りであり、放電ギャップの拡大量ΔGは、ΔG=ΔG1+ΔG2である。
ここで、スパークプラグの寿命に至るまでの一般的な過程について説明する。新品時には中心電極2の貴金属チップ21にエッジが存在するため、要求電圧が低い。これは、エッジ部に電界が集中するためである。火花により貴金属チップ21、31はエッジ部から消耗し、走行距離が短い段階で要求電圧が大幅に上昇する(図5参照)。このとき、図6に示すように放電ギャップ(G+ΔG)はほとんど拡大しない。
その後は、貴金属チップ21、31は、その放電面(先端面211、311)とほぼ平行に消耗し、放電ギャップの拡大により要求電圧が徐々に上昇していく。そして、要求電圧が許容限界を超えた時点で、寿命へと至る。許容電圧は、点火コイルの発生電圧、スパークプラグ1の絶縁碍子耐電圧等の要因から決まる。
図5に示すように、従来品(比較試料)は、一般エンジンでは目標寿命(M2)である20万km(メンテナンスフリーのためには20万kmの寿命が必要)において要求電圧が許容限界(M1)以下であり、長寿命を実現していると言える。しかしながら、高過給/高圧縮比エンジンでは約12〜13万kmで許容限界を超えてしまい、寿命が大幅に低下していることが分かる。
一方、発明品は試料1、2ともに高過給/高圧縮比エンジンでも、目標寿命である20万kmにおいて要求電圧が許容限界以下であることが分かる。すなわち、本発明(接地電極の貴金属チップの形状)により要求電圧を低減でき、高過給/高圧縮比エンジンでも長寿命を実現していると言える。尚、図5には示さないが、発明品(試料1、2)のような構成にすることで、一般エンジンでも要求電圧を低減でき、寿命を更に拡大できることは言うまでもない。
ここで発明品(試料1、2)により、要求電圧が低減する理由について説明する。
まず、試料1は、従来品(比較試料)に対して接地電極3における貴金属チップ31の熱伝導が向上するため、図7に示すように接地電極3における貴金属チップ31の消耗量ΔG2を小さくすることができる。その結果、図6に示すように放電ギャップ拡大量ΔGを小さくすることができるため、要求電圧を低減できる。また、試料1については、約15万kmあたりから更に放電ギャップ拡大が抑制されている。これは、接地電極3における貴金属チップ31の最小断面積部312の大半が消耗しており、最小断面積部312だけでなく第2断面積部313にも放電し始めたため、単位時間(走行距離)当たりの最小断面積部312への放電回数が減少した、すなわち最小断面積部312の消耗量が減少したからであると考えられる。
更に、飛火範囲が拡大されることによる要求電圧低減効果も加わり、従来品に対して大幅に要求電圧を低減できるのである。
次に、試料2は、試料1よりも更に比較試料に対して接地電極3における貴金属チップ31の熱伝導率が向上するだけでなく、走行距離が増加するほど(消耗すればするほど)断面積が大きくなるため、図7に示すように接地電極3における貴金属チップ31の消耗量ΔG2を更に小さくすることができる。その結果、図6に示すように放電ギャップ拡大量ΔGを更に小さくできるため、要求電圧を低減できる。更に、走行距離が増加するほど飛火範囲が拡大されることによる要求電圧低減効果も加わり、従来品(比較試料)に対して大幅に要求電圧を低減できるのである。
以上より、試料1、2のように接地電極3の貴金属チップ31の断面積を先端面から根元にかけて断続的または連続的に大きくなっている部位を有する構成とすれば、要求電圧を低減でき、高過給/高圧縮比エンジンでの長寿命を実現できると言える。
また、図には示さないが、従来品(比較試料)における接地電極93の貴金属チップ931の断面積を大きくした場合(例えば、試料1の第2断面積部313の断面積と同等にした場合)でも発明品(試料1、2)と同様に要求電圧低減効果は認められるが、接地電極93の貴金属チップ931の先端面の面積が大きいため、火炎の成長を阻害してしまい、高着火性を維持することが困難となる。
これに対して、試料1、2のようにチップ先端面の面積を小さくおけば、従来品と同等の高着火性を維持しつつ、長寿命化を実現できるのである。
また、本発明において接地電極3の貴金属チップ31の突き出し量Hが着火性に及ぼす影響を調べた。具体的には、上記実施例1に示すスパークプラグ1において、突き出し量Hを変化させて、連続200サイクルの燃焼変動率を調べた。
試料の各部の寸法は、中心電極側の貴金属チップ21の断面積が0.24mm2、接地電極側の貴金属チップ31の最小断面積部312の断面積が0.24mm2、第2断面積部313の断面積が0.79mm2、貴金属チップ31の高さHが1.0mm、放電ギャップの大きさGが0.8mm、最小断面積部312の高さhが0.1mmである。
また、評価は、上記の高過給/高圧縮比エンジンを用い、条件はアイドリング、700rpmとした。ここで、燃焼変動率とは、図示平均有効圧の(標準偏差/平均)×100%で示されるものであり、燃焼変動率が15%以下であれば高着火性を維持できるものとした。測定結果を図9に示す。
図9から分かるように、突き出し量Hが0.3mmよりも小さいと、着火性が大幅に低下している(燃焼変動率が大幅に高くなっている)。これは、接地電極細化による着火性向上効果が薄れてしまうためである。
なお、上記の寸法条件以外の試料についても同様の試験を行ったが、同様の結果を得ることができた。また、上記実施例2に示すスパークプラグにおいても、同様の試験を行ったが、同様の結果を得ることができた。
また、本実施例ではより効果の認められた接地電極3の貴金属チップ31の形状を比較例1(比較試料)に対して変更したものについて示しているが、中心電極2においても同様の構成とすることで、放電ギャップ拡大量ΔGを抑制できるため、要求電圧を低減できる。
(実施例4)
本例は、図10〜図13に示すごとく、上記実施例1に示したスパークプラグ1の各部の寸法につき検討した例である。
まず、図10に示すごとく、放電ギャップの大きさGおよび最小断面積部312の突き出し量hが着火性に及ぼす影響について、連続200サイクルの燃焼変動率を測定することにより調べた。
評価は、上記実施例3(図9)における実験と同様の方法で行った。
試料として用いたスパークプラグ1のG、h以外の寸法については、中心電極2側の貴金属チップ21の断面積を0.1mm2、接地電極3側の貴金属チップ31の最小断面積部312の断面積を0.1mm2、第2断面積部313の断面積を1.13mm2、突き出し量Hを1.0mmとした。
また、比較試料として、比較例1(図4)に示すスパークプラグ9を用いた。そして、該スパークプラグ9の各部の寸法は、中心電極92側の貴金属チップ921の断面積を0.1mm2、接地電極93側の貴金属チップ931の断面積を0.1mm2、突き出し量Hを1.0mmとした。
測定結果を図10に示す。同図において、曲線G04、G05、G06、G07、G08がそれぞれ、放電ギャップの大きさGが0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mmの試料についての結果を示す。また、比較試料については、h=Hとなるため、h=1.0mmにおけるプロットが比較試料についての測定結果を表す。また、図10において、燃焼変動率の許容限界(15%)を直線M3にて示す。図11、図14、図15においても同様である。
図10から、放電ギャップGについて、G=0.4mmの場合、従来品でも高着火性を維持することができない。一方、放電ギャップGが0.5mm以上の場合、発明品においてG+hを0.8mm以上とすれば高着火性を維持することができる。すなわち、放電ギャップGが小さい場合は、hを大きくする(例えば、G=0.5mmの場合はhを0.3mm以上、G=0.6mmの場合はhを0.2mm以上とする)ことで接地電極3の貴金属チップ31の先端部による火炎の冷却損失を抑制し、高着火性を維持することができるのである。
また、図10において、h=0.1mmとなると、従来品よりも着火性が低下してしまい、G=0.4mm、0.5mm、0.6mmの場合には、許容限界(M3)を超えてしまう。一方、hが0.2mm以上であれば、比較試料とほぼ同等の着火性であることからhは0.2mm以上が好ましい。
次に、第2断面積部313の断面積S3が着火性に及ぼす影響について、上記と同様に燃焼変動率を調べた。測定結果を図11に示す。尚、図11はS3の影響が最も顕著であった条件(G+h=0.8mm、G=0.5mm)での結果を一例として示している。
図11から分かるように、S3が1.13mm2(チップ径に換算するとφ1.2mm)よりも大きいと燃焼変動率が許容限界(M3)を超えてしまい、高着火性を維持できないと言える。これは、第2断面積部313による火炎の冷却損失が増大してしまうためである。よって、S3は1.13mm2以下であると高着火性を維持できることから好ましい。
次に、高過給/高圧縮比エンジンを用い、上述した市場模擬パターン耐久試験にて発明品(実施例1)の最小断面積部312の突き出し量hを変更させた場合の、耐久中の放電ギャップの変化(G+ΔG)を調べた。
用いた試料の各寸法は、中心電極2側の貴金属チップ21の断面積を0.6mm2、接地電極3側の貴金属チップ31の最小断面積部312の断面積を0.1mm2、第2断面積部313の断面積を1.13mm2、突き出し量Hを1.0mm、初期の放電ギャップの大きさGを0.5mmとした。
測定結果を図12に示す。なお、同図において、◆が第2断面積部313に放電が始まった時点を示す。
また、走行距離20万kmの時点において、各スパークプラグの要求電圧を測定した。その結果を図13に示す。
図12、図13から、hが小さいと放電ギャップの拡大を抑制でき、要求電圧を低減できることが分かる。これは、hが小さいほど走行距離が短い段階で第2断面積部313への放電が始まるため、上述した本発明の効果が早い段階から発揮されるからである。逆に、hが大きいほど効果が発揮されるのが遅くなるため、hが0.8mmよりも大きいと20万kmでの電圧が許容限界(M1)を超えてしまい、目標寿命を満足することができない。よって、hが0.8mm以下であると長寿命を実現できることから好ましい。
(実施例5)
本例は、図14〜図16に示すごとく、上記実施例2に示したスパークプラグ1の各部の寸法につき検討した例である。
まず、放電ギャップの大きさGおよびテーパ部314の角度θ1が着火性に及ぼす影響について、上述と同様の評価にて燃焼変動率を調べた。
試料として用いたスパークプラグ1のG、θ1以外の寸法については、中心電極2側の貴金属チップ21の断面積を0.1mm2、接地電極3側の貴金属チップ31の先端面の面積を0.1mm2、テーパ部以外の断面積を0.95mm2、突き出し量Hを1.0mmとした。
また、比較試料として、比較例1(図4)に示すスパークプラグ9を用いた。そして、該スパークプラグ9の各部の寸法は、中心電極92側の貴金属チップ921の断面積を0.1mm2、接地電極93側の貴金属チップ931の断面積を0.1mm2、突き出し量Hを1.0mmとした。
測定結果を図14に示す。同図において、曲線G04、G05、G06、G07、G08がそれぞれ、放電ギャップの大きさGが0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mmの試料についての結果を示す。また、θ1=0におけるプロットが比較試料についての測定結果を表す。
図14から分かるように、放電ギャップGについて、G=0.4mmの場合、比較試料でも高着火性を維持することができない。一方、発明品においてG=0.5mmの場合にはθ1を100°以下、Gを0.6mm以上とした場合にはθ1を120°以下にすれば、高着火性を維持することができる。これは、θ1をより小さくすることで接地電極3の貴金属チップ31の先端部による火炎の冷却損失を抑制できるためである。
以上より、放電ギャップGは0.5mm以上であり、0.5mm≦G<0.6mmの場合、θ1≦{100+200(G−0.5)}、0.6mm≦Gの場合、θ1≦120°とすることで高着火性を維持することができるのである。尚、0.5mm≦G<0.6mmの場合については、G=0.55mm、θ1=112°の燃焼変動率(図14のG055)を調査することで、θ1≦{100+200(G−0.5)}を導いた。
また、図14から分かるように、Gが0.5mm以上においてθ1を100°以下とすればGに関係なく高着火性を維持できることから、θ1は100°以下が好ましい。
次に、テーパ部314以外の部位における貴金属チップ31の断面積S5が着火性に及ぼす影響について、上記と同様に燃焼変動率を調べた。その結果を図15に示す。尚、図15は上記断面積S5の影響が最も顕著であった条件(θ1=100°、G=0.5mm)を一例として示している。
図15から、上記断面積S5が0.95mm2(チップ径に換算するとφ1.0mm)よりも大きいと燃焼変動率が許容限界(M3)を超えてしまい、高着火性を維持できないと言える。これは、テーパ部314以外の部位による火炎の冷却損失が増大してしまうためである。よって、上記断面積S5が0.95mm2以下であると高着火性を維持できることから好ましい。
次に、高過給/高圧縮比エンジンを用い、上述した市場模擬パターン耐久試験を実施し、発明品(実施例2)のテーパ部314の角度θ1を変更させたときの、20万km相当の耐久時間における要求電圧を測定した。測定結果を図16に示す。
図16から分かるように、θ1が大きいほど要求電圧を低減できることが分かる。これは、θ1が大きいほど上述した本発明の効果がより大きく発揮されるからである。逆に、θ1が小さいほど効果が小さくなるため、θ1が20°よりも小さいと20万kmでの電圧が許容限界(M1)を超えてしまい、目標寿命を満足することができない。よって、θ1を20°以上とすることにより長寿命を実現できることから好ましい。
(実施例6)
本例は、図17〜図20に示すごとく、接地電極3側の貴金属チップ31における少なくとも接地電極母材30側の端部に、先端面311側から接地電極母材30側に向かって断面積が大きくなる形状のテーパ部315を設けたスパークプラグ1の例である。
そして、接地電極3側の貴金属チップ31は、レーザ溶接により形成された溶融部316を介して接地電極母材30に接合されている。
本例においては、貴金属チップ31は、円錐台形状を有する。
上記接地電極3側の貴金属チップ31の先端面311の面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2である。
また、テーパ部315における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、7°以上である。
また、放電ギャップの大きさをGmm、テーパ部315における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ2°としたとき、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ2≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ2≦120を満たす。また、上記角度θ2は、20°〜100°とすることが好ましい。
以下に、接地電極母材30と貴金属チップとのレーザ溶接工程につき説明する。
まず、軸方向長さが0.3mm以上で軸方向にテーパ形状を有する貴金属チップ31を、図18(A)、(B)に示すごとく、接地電極母材30側に向かって断面積が大きくなるように接地電極母材30の表面に配置する。そして、接地電極母材30と貴金属チップ31との界面近傍へレーザ光LZを照射することにより、溶融部316を形成する。その後、図19(A)、(B)に示すごとく、貴金属チップ31全周にわたり溶融部316を形成するように、矢印Rに示すごとく、貴金属チップ31の軸を基準にワーク(接地電極母材30及び貴金属チップ31)を回転させ、規定の角度毎にレーザ光LZを照射する(例えば、45°×8回照射)。
また、図18(B)に示すように接地電極母材30の表面に対して斜めからレーザ光LZを照射している。
尚、一例としてワークを回転させてレーザ光LZを照射する方法を示しているが、レーザ照射方法については限定するものではない。
また、接地電極母材30への貴金属チップ31の溶接を、スパークプラグ1の組立工程におけるどの段階で行うかは、特に限定されるものではない。
即ち、例えば、図20(A)に示すごとく、接地電極母材30を取付金具12へ溶接固定し、絶縁碍子11を取付金具12へ組み付けた後、接地電極母材30が伸びた状態(接地電極母材30を曲げる前の状態)でレーザ照射を実施することもできる。
また、図20(B)に示すごとく、取付金具12へ接地電極母材30を溶接固定した後、絶縁碍子11を取付金具12へ組み付ける前に、レーザ照射を実施することもできる。
また、図20(C)に示すごとく、接地電極母材30を取付金具12へ溶接固定する前の状態(接地電極母材30のみの状態)でレーザ照射を実施することもできる。
また、図20(D)に示すごとく、接地電極母材30を取付金具12へ溶接固定し、絶縁碍子11を取付金具12へ組み付けた後、接地電極母材30の曲げ加工を実施した後の状態で、レーザ照射を実施することもできる。
なお、本例において、接地電極3の貴金属チップ31が円錐台形状のものを一例として示しているが、本発明は、これに限定するものではない。
その他は、実施例1と同様である。
次に、本例の作用効果につき説明する。
接地電極3側の貴金属チップ31は、接地電極母材30側の端部にテーパ部315を有している。これにより、貴金属チップ31の先端部分を細く、根元部分を太くすることができる。それ故、上記実施例1と同様に、高着火性を確保しつつ、要求電圧の低減を図ることができる。
また、テーパ部315を設けることにより、接地電極母材30と貴金属チップ31との溶接の際に、貴金属チップ31のえぐれを抑制することができる。これにより、貴金属チップ31の接地電極母材30への熱伝導を確保し、貴金属チップ31の消耗を抑制することができる。その結果、要求電圧の低減を図ることができ、長寿命化を図ることができる。また、えぐれの抑制により、貴金属チップ31と接地電極母材30との接合信頼性を確保することもできる。
また、接地電極3側の貴金属チップ31の先端面311の面積および中心電極2側の貴金属チップ21の断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であるため、高着火性の確保と要求電圧の低減を充分に図ることができる。
また、テーパ部315における対角位置のテーパ面同士のなす角度θ2は、7°以上であるため、レーザ溶接による貴金属チップ31のえぐれを充分に抑制することができる。
また、貴金属チップ31は、円錐台形状を有する。これにより、貴金属チップ31を接地電極母材30にレーザ溶接する際に、図18に示すごとく、貴金属チップ31の軸を中心に回転させながらレーザ光LZを接合部に照射することにより、レーザ照射の焦点を一定に保つことができ、全周略均一な溶融部を形成することが可能となる。
また、放電ギャップの大きさGmmが、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ2≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ2≦120を満たす。これにより、充分に高着火性を確保することができる。
また、θ2≦100°とすることにより、高着火性を充分に確保することができる。そして、θ2≧20°とすることにより、要求電圧の上昇を充分に抑制し、長寿命のスパークプラグを得ることができる。
また、上記のようなレーザ溶接工程(図18、図19)を行うことにより、先述したようにレーザ溶接によるえぐれを抑制できるため、異常消耗等の問題を防止でき、接合信頼性に優れたスパークプラグ1を提供できる。
また、図18(B)に示すように接地電極母材30の表面に対して斜めからレーザ光LZを照射しているため、接地電極母材30と貴金属チップ31とが互いに溶け合った溶融部316をばらつきなく形成できる。また、貴金属チップ31のテーパ部315に対してほぼ垂直方向からレーザ光LZを照射すれば、よりばらつきの少ない溶融部316を形成できることから、好ましい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(比較例2)
本例は、図21に示すごとく、比較例1に示したスパークプラグ9の接地電極母材930と貴金属チップ931との接合部に対し、上記実施例6と同様にレーザ溶接により溶融部316を形成したスパークプラグ9の例である。
直棒状の貴金属チップ931にレーザ照射した場合、図21に示すように溶融部316にえぐれが発生してしまうため、貴金属チップ931から接地電極母材930への熱伝導が悪化し、異常消耗等の問題が懸念される。特に、従来品における貴金属チップ931の断面積が小さい場合は、接合信頼性に優れたレーザ溶接を採用することが困難となる。
それに対し、上記実施例6に示すような貴金属チップ31の形状とすることでレーザ溶接によるえぐれを抑制することができるため、異常消耗等の問題を防止でき、要求電圧低減効果だけでなく、接合信頼性に優れたスパークプラグを提供できる。
(実施例7)
本例は、図22に示すごとく、実施例6のスパークプラグ1における接地電極3側の貴金属チップ31のテーパ部315の角度θ2と、レーザ溶接によるえぐれとの関係を調べた例である。
評価は、レーザ溶接後の溶融部316における最小断面積Sminを指標とし、Sminが0.1mm2以上であれば熱伝導悪化による異常消耗を防止できることより、Sminを0.1mm2以上確保できるθ2について調査した。測定結果を図22に示す。
図22から、θ2が7°以上であれば、Sminを0.1mm2以上確保できることが分かる。よって、θ2が7°以上あれば、レーザ溶接によるえぐれを抑制することができるため、異常消耗等の問題を防止でき、接合信頼性に優れたスパークプラグを提供できる。
(実施例8)
本例は、図23、図24に示すごとく、接地電極母材30と貴金属チップ31とを、接地電極母材30と貴金属チップ31との中間の線膨張係数を有する材料からなる中間部材32を介して接合する例である。
図23に示す接地電極3は、中間部材32を接地電極母材30と貴金属チップ31との間に介在させた状態で、接地電極母材30の表面に貴金属チップ31を配置し、抵抗溶接により固定したものである。
また、図24に示す接地電極3は、中間部材32を接地電極母材30と貴金属チップ31との間に介在させた状態で、接地電極母材30の表面に貴金属チップ31を抵抗溶接によって仮固定した後、レーザ溶接を行うことにより、接地電極母材30と貴金属チップ31と中間部材32とが溶融しあった溶融部316を形成して、貴金属チップ31を接地電極母材30に接合したものである。
例えば、接地電極母材30がNi合金からなり、貴金属チップ31がPt−Rh合金からなる場合、上記中間部材32としては、Pt−Ni合金等を用いることができる。
その他は、実施例6と同様である。
本例によれば、更に熱応力を低減でき、接合信頼性を向上できる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、溶接手法については、特に限定されるものではない。
(実施例9)
本例は、図25〜図27に示すごとく、実施例1又は実施例2のスパークプラグの接地電極3の変形例である。
即ち、図25(A)に示す貴金属チップ31は、最小断面積部312と第2断面積部313との間に、テーパ部317を設けた例である。
図25(B)に示す貴金属チップ31は、最小断面積部312の先端部にテーパ部317を設けた例である。即ち、実施例1と実施例2とを組合わせた例である。
図25(C)に示す貴金属チップ31は、第2断面積部313と接地電極母材30との間に、第2断面積部313よりも断面積の大きい第3断面積部318を設けた例である。この場合には、更に要求電圧の上昇を抑制しやすく、長寿命化を図ることができる。
図25(D)に示す貴金属チップ31は、第2断面積部313の先端部にテーパ部317を設けた例である。
図25(E)に示す貴金属チップ31は、実施例2に示したテーパ部314を角度の異なる2段階のテーパ部314a、314bによって構成した例である。
図25(F)に示す貴金属チップ31は、実施例2に示した貴金属チップ31において、テーパ部314を曲面状に形成した例である。
上記の形状に限らず、貴金属チップ31が、軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有すれば、図に示したチップ形状以外でも本発明の効果は得られる。
即ち、図26に示すごとく、貴金属チップ31の断面積が先端部において先端面311側から中央部に向かって断続的または連続的に大きくなっており、接地電極母材30側においては、中央部から接地電極母材30側に向かって断続的または連続的に小さくなっている形状を有していてもよい。こういった形状でも、先端部において本発明の効果が発揮される。
例えば、図26(A)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30側において、中央部から接地電極母材30に近付くにしたがって断面積が小さくなるテーパ部317を有する。
また、図26(B)に示す貴金属チップ31は、第2断面積部313と接地電極母材30との間に第2断面積部313よりも断面積の小さい第3断面積部318を有する。
また、図26(C)に示す貴金属チップ31は、軸方向中央部分が太くなるように、縦断面による側面輪郭が円弧状に形成されている。
また、貴金属チップ31の形状として、図27に示すごとく、回転対称ではなく、線対称となる形状を採用することもできる。
図27(A)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の幅方向の寸法については同じであり、長さ方向の寸法については異なる、最小断面積部312と第2断面積部313とよりなる。
図27(B)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の幅方向については一定幅を有し、長さ方向の両端部にテーパ面317を有する。
図27(C)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の長さ方向の寸法については同じであり、幅方向の寸法については異なる、最小断面積部312と第2断面積部313とよりなる。
図27(D)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の長さ方向については一定長さを有し、幅方向の両端部にテーパ面317を有する。
なお、これらの形状もまた、例示にすぎない。また、回転対称や線対称等の対称性も必ずしも必要ではない。
(実施例10)
本例は、図28、図29に示すごとく、中心電極2の貴金属チップ21にも、軸方向に直交する断面の面積が先端面211の面積よりも大きい部分を有する形状を採用した例である。
すなわち、例えば図28に示すスパークプラグ1は、実施例1に示した接地電極3の貴金属チップ31の形状を中心電極2側の貴金属チップ21にも採用したものであり、貴金属チップ21は、先端部の最小断面積部212とこれよりも断面積の大きい第2断面積部213とからなる。
また、図29に示すスパークプラグ1は、実施例2に示した接地電極3の貴金属チップ31の形状を中心電極2側の貴金属チップ21にも採用したものであり、貴金属チップ21は、先端部にテーパ部214を設けてなる。
なお、中心電極2または接地電極3の少なくとも一方の貴金属チップ21、31を、上述した「軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有する形状」とすれば、本発明の効果は発揮される。
(実施例11)
本例は、図30、図31に示すごとく、実施例6のスパークプラグ1の接地電極3の変形例である。
図30(A)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30側にのみテーパ部315を設けた例である。
図30(B)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30側と先端部とに、互いに不連続なテーパ部315、314を設けた例である。
図30(C)に示す貴金属チップ31は、上記図30(B)の貴金属チップ31における先端部のテーパ部314の代わりに断面積の小さい円柱形状部319を設けた例である。
図30(D)に示す貴金属チップ31は、上記図30(C)の貴金属チップ31における円柱形状部319をテーパ部315に直接設けた形状とした例である。
また、図31に示すごとく、回転対称ではなく、線対称の形状の貴金属チップ31を用いることもできる。
図31(A)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の長さ方向の両端にテーパ面を有し、そのテーパ面において、溶融部316を介して接地電極母材30に接合されている。
図31(B)に示す貴金属チップ31は、接地電極母材30の幅方向の両端にテーパ面を有し、そのテーパ面において、溶融部316を介して接地電極母材30に接合されている。
このように、第2の発明のスパークプラグ1においては、接地電極母材30側の端部に、先端面側から接地電極母材30側に向かって断面積が大きくなる形状のテーパ部315を有していればよく、図30、図31に示した形状以外であっても、本発明の作用効果を得ることは可能である。また、対称性も必ずしも必要ではない。
実施例1における、内燃機関用のスパークプラグの一部断面正面図。 実施例1における、スパークプラグの放電部付近の説明図。 実施例2における、スパークプラグの放電部付近の説明図。 比較例1における、スパークプラグの放電部付近の説明図。 実施例3における、要求電圧の変化を示す線図。 実施例3における、放電ギャップの拡大量の変化を示す線図。 実施例3における、接地電極の貴金属チップの消耗量の変化を示す線図。 実施例3における、放電ギャップに関する各寸法の定義を説明する説明図。 実施例3における、接地電極の貴金属チップの突出量と着火性との関係を示す線図。 実施例4における、最小断面積部の軸方向長さと着火性との関係を示す線図。 実施例4における、第2断面積部の断面積と着火性との関係を示す線図。 実施例4における、最小断面積部の軸方向長さによる放電ギャップの拡大量の変化を示す線図。 実施例4における、最小断面積部の軸方向長さによる要求電圧の相違を示す線図。 実施例5における、テーパ部の角度θ1と着火性との関係を示す線図。 実施例5における、テーパ部以外の部分の断面積と着火性との関係を示す線図。 実施例5における、テーパ部の角度θ1による要求電圧の相違を示す線図。 実施例6における、スパークプラグの放電部付近の説明図。 実施例6における、レーザ溶接方法を示す説明図であって、(A)接地電極の平面図、(B)側面図。 実施例6における、レーザ溶接後の状態の説明図であって、(A)接地電極の平面図、(B)側面図。 実施例6における、レーザ溶接工程を行う種々のタイミングを示す説明図。 比較例2における、スパークプラグの放電部付近の説明図。 実施例7における、テーパ部の角度θ2と貴金属チップの最小断面積Sminとの関係を示す線図。 実施例8における、仮固定状態の接地電極の説明図。 実施例8における、レーザ溶接後の接地電極の説明図。 実施例9における、回転対称の種々の形状の貴金属チップの説明図。 実施例9における、接地電極母材側も細くした種々の形状の貴金属チップの説明図。 実施例9における、線対称の種々の形状の貴金属チップの説明図。 実施例10における、中心電極側の貴金属チップにも最小断面積部を採用したスパークプラグの説明図。 実施例10における、中心電極側の貴金属チップにもテーパ部を採用したスパークプラグの説明図。 実施例11における、回転対称の種々の形状の貴金属チップの説明図。 実施例11における、線対称の種々の形状の貴金属チップの説明図。
符号の説明
1 スパークプラグ
2 中心電極
20中心電極母材
21 貴金属チップ
3 接地電極
30 接地電極母材
31 貴金属チップ
311 先端面
312 最小断面積部
313 第2断面積部
314 テーパ部
315 テーパ部

Claims (29)

  1. 互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記中心電極と上記接地電極とには、それぞれの対向面に貴金属チップが固定されており、
    上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しており、
    上記中心電極側の貴金属チップと上記接地電極側の貴金属チップとの少なくとも一方は、軸方向に直交する断面の面積が先端面の面積よりも大きい部分を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1において、上記接地電極側の貴金属チップは、軸方向に直交する断面積が互いに異なる複数の部位からなり、該複数の部位のうち最も断面積の小さい最小断面積部が先端部に形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項2において、上記最小断面積部の断面積および上記中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項2又は3において、上記放電ギャップの大きさをG、上記最小断面積部の軸方向長さをhとしたとき、G≧0.5mm、G+h≧0.8mmであることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項において、上記最小断面積部の軸方向長さは、0.2mm以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項において、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記最小断面積部に隣接する第2断面積部の断面積は、1.13mm2以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 請求項2〜6のいずれか一項において、上記最小断面積部の軸方向長さは、0.8mm以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 請求項2〜7のいずれか一項において、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記最小断面積部に隣接する第2断面積部の断面積は、上記中心電極側の貴金属チップの断面積よりも大きいことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 請求項1において、上記接地電極側の貴金属チップは、少なくとも先端部にテーパ部を有していることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  10. 請求項9において、上記接地電極側の貴金属チップの先端面の面積および上記中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  11. 請求項9又は10において、上記放電ギャップの大きさをGmm、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ1°としたとき、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ1≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ1≦120を満たすことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項において、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、100°以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項において、上記接地電極側の貴金属チップにおける上記テーパ部以外の部分の断面積は、0.95mm2以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  14. 請求項9〜13のいずれか一項において、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、20°以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項において、上記貴金属チップは、上記中心電極母材又は上記接地電極母材にレーザ溶接によって固定されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  16. 互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記中心電極と上記接地電極とには、それぞれの対向面に貴金属チップが固定されており、
    上記接地電極側の貴金属チップは、接地電極母材の表面から0.3mm以上突出しており、少なくとも接地電極母材側の端部に、先端面側から上記接地電極母材側に向かって断面積が大きくなる形状のテーパ部を有しており、
    かつ、上記接地電極側の貴金属チップは、レーザ溶接により形成された溶融部を介して上記接地電極母材に接合されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  17. 請求項16において、上記接地電極側の貴金属チップの先端面の面積および中心電極側の貴金属チップの断面積は、いずれも0.1〜0.6mm2であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  18. 請求項16又は17のいずれか一項において、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、7°以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  19. 請求項16〜18のいずれか一項において、上記貴金属チップは、円錐台形状を有することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  20. 請求項16〜19のいずれか一項において、上記放電ギャップの大きさをGmm、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度をθ2°としたとき、G≧0.5であり、かつ、G<0.6の場合にはθ2≦{100+200(G−0.5)}を満たし、G≧0.6の場合にはθ2≦120を満たすことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  21. 請求項16〜20のいずれか一項において、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、100°以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  22. 請求項16〜21のいずれか一項において、上記テーパ部における対角位置のテーパ面同士のなす角度は、20°以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項において、上記中心電極側の貴金属チップは、融点が1900℃以上の貴金属または貴金属合金からなり、上記接地電極側の貴金属チップは、融点が1700℃以上の貴金属または貴金属合金からなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項において、上記中心電極側の貴金属チップは、Ir、Rh、Ruのいずれかを50重量%以上含有する合金からなり、上記接地電極側の貴金属チップはPt、Rhのいずれかを50重量%以上含有する合金からなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  25. 請求項1〜24のいずれか一項において、上記接地電極側の貴金属チップは、該貴金属チップと上記接地電極母材との中間の線膨張係数を有する材料を介して、上記接地電極母材に接合されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項において、上記放電ギャップの大きさは、1.2mm以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  27. 互いの間に放電ギャップを形成して対向配置された中心電極と接地電極とを有する内燃機関用のスパークプラグの製造方法であって、
    上記接地電極における上記中心電極との対向面に貴金属チップを接合するにあたり、
    軸方向長さが0.3mm以上であると共に少なくとも接地電極母材側の端部に該接地電極母材側に向かうに従って断面積が大きくなるテーパ部を有する貴金属チップを、上記接地電極母材の表面に配置し、上記接地電極母材と上記貴金属チップとの界面近傍にレーザ光を照射することにより、上記接地電極母材に上記貴金属チップを溶接することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  28. 請求項27において、上記レーザ光は、上記接地電極母材の表面に対して斜めの角度から照射し、上記接地電極母材と上記貴金属チップとが互いに溶け合った溶融部を形成することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
  29. 請求項28において、上記レーザ光は、上記貴金属チップのテーパ部に対して略直交する方向から照射することを特徴とする内燃機関用のスパークプラグの製造方法。
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