JP2008076813A - レンズ鏡胴及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ群をリードスクリューにより移動させられる雌ネジ部材に係合させ、光軸方向に移動させるよう構成されたレンズ鏡胴の、レンズ群の位置制御を行うための初期位置セットのためのセンサを不要とし、小型で低コストのレンズ鏡胴を得ること。
【解決手段】2つのレンズ群を光軸方向に移動させるための単一のモータとリードスクリューとを有するモータユニットと、リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、鏡枠を雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させられるよう構成されたレンズ鏡胴において、雌ネジ部材はリードスクリューとの螺合をずらすことが可能な構成を有し、雌ネジ部材又は鏡枠を強制的に係止させた後、リードスクリューを更に回転させ、雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うレンズ鏡胴とする。
【選択図】図3
【解決手段】2つのレンズ群を光軸方向に移動させるための単一のモータとリードスクリューとを有するモータユニットと、リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、鏡枠を雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させられるよう構成されたレンズ鏡胴において、雌ネジ部材はリードスクリューとの螺合をずらすことが可能な構成を有し、雌ネジ部材又は鏡枠を強制的に係止させた後、リードスクリューを更に回転させ、雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うレンズ鏡胴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、単一の駆動源で2つのレンズ群を移動させるよう構成されたレンズ駆動装置を有したレンズ鏡胴及び該レンズ鏡胴を備えた撮像装置に関するものである。
従来より、焦点距離可変の撮影レンズ(以下、ズームレンズとも称す)を搭載したカメラが市販されている。ズームレンズは、光学系を構成する複数のレンズ群を光軸に沿って所望の位置に移動させて、その間隔を変化させることにより、焦点距離の変更(ズーミング)を行うようになっている。
複数のレンズ群を光軸に沿って移動させる方式としては大別して2種有り、レンズ枠を直進案内に係合させ、カム筒を回転させることによりレンズ枠を直進移動させるものと、光軸に略平行に軸を配置しこの軸を直進案内のガイド軸とし、レンズ枠にガイド軸が貫通するスリーブを形成し、モータとリードスクリューを用いて直接的にレンズ枠をガイド軸に沿って摺動させ直進移動させるものがある。
後者のリードスクリューを用いて直接的にレンズ枠をガイド軸に沿って移動させるものは、簡単な構造とできるため、沈胴機構を必要としないレンズ鏡胴に多用されており、モータとリードスクリューを用いて直接的にレンズ枠を移動させる駆動装置として、一方のレンズ群を移動させるためのリードスクリューと他方のレンズ群を移動させるためのリードスクリューがあり、一方のリードスクリューから他方のリードスクリューへ、歯車やベルトを用いて動力伝達し、1つのモータで2つのレンズ群を移動させるレンズ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、カム溝を設けた2本の軸を回転方向で遊びを設けて直列に配置し、それぞれの軸のカム溝に係合するレンズ群を駆動することで、単一のモータでズーミングとフォーカシングを行うようにしたレンズ鏡胴が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−124974号公報
特開平4−317015号公報
しかしながら、単一のモータを用いてズーミングとフォーカシングを行うようにする場合、2つのレンズ群を所定の相対位置関係を保って移動させる必要があり、リードスクリューに螺合する2つの雌ネジ部材は、予めリードスクリューに対し所定の条件を満足する位置関係にしておく必要がある。
更に、レンズ群の位置制御を行うために、鏡枠に遮蔽部を形成し、この遮蔽部をフォトインタラプタ等のフォトセンサを通過させることにより鏡枠の初期位置を確認し、この位置を基準としてレンズ群位置の制御に用いるシステムが一般的である。
このようなシステムの場合、フォトインタラプタ等のフォトセンサの搭載が必須のレンズ鏡胴となり、レンズ鏡胴をより小型化したり、より低コスト化する場合には障害となる。
本発明は上記問題に鑑み、レンズ群をリードスクリューにより移動させられる雌ネジ部材に係合させ、光軸方向に移動させるよう構成されたレンズ鏡胴の、レンズ群の位置制御を行うための初期位置セットのためのセンサを不要とし、小型で低コストのレンズ鏡胴を得ることを目的とするものである。
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
1.複数のレンズ群と、前記複数のレンズ群のうちの2つのレンズ群を光軸方向に移動させるための単一のモータと前記モータの回転に連動して回転させられるリードスクリューとを有するモータユニットと、前記リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、移動レンズ群を保持する鏡枠を前記雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させられるよう構成されたレンズ鏡胴において、前記雌ネジ部材は前記リードスクリューとの螺合を歯飛びさせることが可能に構成され、前記雌ネジ部材又は前記移動レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止させた後、前記リードスクリューを更に回転させ、前記雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うことを特徴とするレンズ鏡胴。
2.前記雌ネジ部材又は前記移動レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止する係止部を、広角端位置又は望遠端位置に形成したことを特徴とする1に記載のレンズ鏡胴。
3.レンズ群と、モータと前記モータの回転に連動して回転させられるリードスクリューとを有するモータユニットと、前記リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、前記レンズ群を保持する鏡枠を前記雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させるよう構成されたレンズ鏡胴において、前記雌ネジ部材は前記リードスクリューとの螺合を歯飛びさせることが可能に構成され、前記雌ネジ部材又は前記レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止させた後、前記リードスクリューを更に回転させ、前記雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うことを特徴とするレンズ鏡胴。
4.1〜3のいずれかに記載のレンズ鏡胴を備えたことを特徴とする撮像装置。
本発明によれば、レンズ群を位置制御するための初期位置を検知するためのセンサが不要となり、小型で低コストのレンズ鏡胴を得ることが可能となる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴を備えた撮像装置の一例であるカメラ100の主要構成ユニットの内部配置の一例を示す図である。同図は、カメラ100を被写体側から見た斜視図である。
同図に示すように、カメラ100は、変倍可能な折り曲げ撮像光学系を内包した本発明に係るレンズ鏡胴50が図示の如く右側に縦に配置され、開口部51が被写体光束を取り込むよう配置されている。この開口部51には、開口部51を露呈する開状態と開口部51を覆う閉状態とする不図示のレンズバリアが設けられている。
52はフラッシュ発光窓であり、53はフラッシュ発光窓の後方に配置された反射傘、キセノン管、その他メインコンデンサ、回路基板等で構成されるフラッシュユニットである。54はカード型の画像記録用メモリである。55は電池であり、本カメラの各部へ電源を供給する。画像記録用メモリ54及び電池55は、図示しない蓋部から挿脱が可能となっている。
本カメラの上面には、レリーズ釦56が配置され、その1段の押し込みによりカメラの撮影準備動作、即ち焦点合わせ動作や測光動作が行われ、その2段の押し込みにより撮影露光動作が行われる。57はメインスイッチであり、カメラを動作状態と非動作状態に切り替えるスイッチである。メインスイッチ57により動作状態に切り替えられると、不図示のレンズバリアは、開状態にされると共に、各部の動作が開始される。また、メインスイッチ57により非動作状態に切り替えられると、不図示のレンズバリアは、閉状態にされると共に、各部の動作を終了させる。
本カメラの背面には、LCD或いは有機EL等で構成され、画像やその他文字情報等を表示する画像表示部58が配置されている。また、図示していないが、ズームアップ、ズームダウンをおこなうズーム釦、撮影した画像を再生する再生釦、画像表示部58上に各種のメニューを表示させるメニュー釦、表示から所望の機能を選択する選択釦等の操作部材が配置されている。
また、不図示であるが、これら主要構成ユニットの間には、各部を接続すると共に、各種電子部品が搭載された回路基板が配置され、各主要構成ユニットの駆動及び制御を行うようになっている。同様に、不図示であるが、外部入出力端子、ストラップ取り付け部、三脚座等を備えている。
図2は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50に内包された変倍可能な折り曲げ撮像光学系の一例を示す断面図である。同図は、折り曲げ前及び折り曲げ後の2つの光軸を含む面で切断した断面図である。
同図に示すように、OAは折り曲げ前の光軸であり、OBは折り曲げ後の光軸である。1は第1レンズ群であり、第1レンズ群1は、光軸をOAとし被写体に向けて配置されたレンズ11と光軸OAを略直角方向に折り曲げる反射部材であるプリズム12と、プリズム12により折り曲げられた光軸OBを光軸として配置されたレンズ13により構成されている。この第1レンズ群1は、主胴9に固定されたレンズ群である。
2は第2レンズ群であり、第2レンズ群鏡枠2kに組み込まれている。第2レンズ群は、変倍(以下、ズーミングとも言う)時に第2レンズ群鏡枠2kと共に、一体的に移動するレンズ群である。
3は第3レンズ群であり、主胴9に固定されている。この第3レンズ群3は、移動しないレンズ群である。
4は第4レンズ群であり、第4レンズ群鏡枠4kに組み込まれている。第4レンズ群は、変倍時に第4レンズ群鏡枠4kと共に、一体的に移動すると共に、単独で移動して焦点調節(以下、フォーカシングとも言う)をも行うレンズ群である。
5は第5レンズ群であり、主胴9に固定されている。この第5レンズ群5は、移動しないレンズ群である。
7は赤外光カットフィルタ及びオプチカルローパスフィルタを積層した光学フィルタであり、主胴9に組み付けられている。8は撮像素子であり、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等が用いられる。撮像素子8は主胴9に組み付けられている。FPCはフレキシブルプリント基板であり、撮像素子8に接続され、カメラ内の他の回路へ接続される。Sは絞りシャッタユニットであり、主胴9に固定されている。なお、10は主胴9に組み付けられた蓋部材である。
図3は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50の主胴9内部の概略構造を示す平面図である。同図は、図2に示すレンズ鏡胴50から蓋部材10を外し、説明を簡略にするためモータ等をレンズ鏡胴の外側に配置して模式的に示したものである。
同図に示すようにレンズ鏡胴50の内部には、第2レンズ群鏡枠2kに一体的に形成されたスリーブ2s、第4レンズ群鏡枠4kに一体的に形成されたスリーブ4sを貫通して、ガイド軸15が設けられている。更に、第2レンズ群鏡枠2kに一体的に形成された回転係止部2m、第4レンズ群鏡枠4kに一体的に形成された回転係止部4mに、ガイド軸16が貫通して設けられている。これにより、第2レンズ群鏡枠2k、第4レンズ群鏡枠4kは、ガイド軸15、16に沿って光軸OB方向に摺動可能とされている。なお、スリーブ2s及びスリーブ4sはそれぞれガイド軸と嵌合しており、ガイド軸15、16は光軸OBと略平行に配置され、その両端で主胴9に例えば接着等で固定されている。
ステッピングモータ20(以下、モータとも称す)には、回転軸の延長線上に雄ネジ部材であるリードスクリュー20rが配置され支持部材25により支持されている。このリードスクリュー20rには、1本の軸にピッチとネジの進み方向が異なる第1のネジ溝20r1、第2のネジ溝20r2が形成されている。この第1、第2のネジ溝20r1、20r2を有したリードスクリュー20rは、それぞれ個別に製作し接合して一体化したものでもよいし、一体の軸を加工したものでもよい。
第2レンズ群鏡枠2kに形成されたスリーブ2sには、コの字状の係合部2tが形成され、係合部2tには軸26が組み付けられ、軸26に対し軸方向で摺動可能、軸周りに回動可能とされた雌ネジ部材23が組み付けられている。雌ネジ部材23は部分的な雌ネジ部を有しており、この雌ネジ部が不図示の付勢部材により第1のネジ溝20r1に螺合するように押圧付勢されている。雌ネジ部材23は所定の遊び量(図示(t2−t1)が相当)を有して、係合部2tと係合するようになっている。
図示の状態から、リードスクリュー20rを回転即ち第1のネジ溝20r1回転させ、雌ネジ部23を光軸OBに沿って撮像素子8の方向に移動させると、まず遊び量(t2−t1)内を移動した後、係合部2tに当接する。この後、さらに移動させることにより第2レンズ群鏡枠2k即ち第2レンズ群2を移動させるようになっている。
スリーブ4sには、一体的にコの字状の係合部4tが形成されている。係合部4tには軸27が組み付けられ、軸27に対し軸方向は嵌合し、軸周りに回動可能とされた雌ネジ部材24が組み付けられている。雌ネジ部材24は部分的な雌ネジ部を有しており、この雌ネジ部が不図示の付勢部材により第2のネジ溝20r2に螺合するように押圧付勢されている。
これにより、第2レンズ群2と第4レンズ群4は、第1モータ20の所定の方向の回転により、異なる移動量で第3レンズ群3に双方から接近し、第1モータ20の逆方向の回転により、異なる移動量で共に第3レンズ群3から離間するように移動する。
更に、主胴9には、雌ネジ部材23が所定の位置まで移動した際に当接し、強制的に移動不能とする係止部28、雌ネジ部材24が所定の位置まで移動した際に当接し、強制的に移動不能とする係止部29が形成されている。即ち、雌ネジ部材23、24は、係止部で挟まれた領域内しか移動できないようになっている。
係止部28の位置は、例えば、雌ネジ部材23が係合部2tの第1レンズ群側に当接した状態で、第2レンズ群2即ち第2レンズ群鏡枠2kが広角端となる位置もしくは広角端となる位置より第1レンズ群1側の位置で雌ネジ部材23を係止する位置に形成されている。
係止部29の位置は、例えば、雌ネジ部材24が係合部4tに係合した状態で、第4レンズ群4即ち第4レンズ群鏡枠4kが広角端のフォーカシング領域の無限遠位置もしくは無限遠位置より第5レンズ群5側の位置で雌ネジ部材24を係止するような位置に形成されている。
以下、本実施の形態に係る雌ネジ部材23及び雌ネジ部材24周辺の構造について詳細に説明する。
図4は、雌ネジ部材23及びスリーブ2s周辺の構造を示す図である。同図(a)は雌ネジ部材23及びスリーブ2s周辺をガイド軸15の軸方向に見た図であり、同図(b)は雌ネジ部材23及びスリーブ2s周辺をガイド軸15に直交する方向から見た図である。
同図に示すように、スリーブ2sを貫通するガイド軸15の貫通部では、圧縮コイルバネ22により付勢された摩擦部材21が、ガイド軸15に押圧された状態になされている。これにより、スリーブ2sに形成された係合部2tと雌ネジ部材23が遊び量を有していて、係合部2tと雌ネジ部材23が離れていても、第2レンズ群鏡枠2kはこの摩擦力により停止した状態を維持することができるようになっている。雌ネジ部材23は、螺合する第1のネジ溝20r1の回転により、軸26に沿って移動し、係合部2tに当接し、この摩擦力に打ち勝つ力を係合部2tを与えることで、第2レンズ群鏡枠2kを光軸OB方向に移動させるようになっている。
更に、雌ネジ部材23の螺合部23rはバネ31により同図(a)に示す矢印方向に付勢されており、円柱状の第1のネジ溝20r1の一部と螺合するようになっている。これにより第1のネジ溝20r1の回転により雌ネジ部材23は移動できるようになっている。一方、雌ネジ部材23もしくはスリーブ2sが係止部28に当接した場合には、第1のネジ溝20r1が回転しても、雌ネジ部材23がバネ31の付勢力に抗して軸26を中心に時計回りに回動して螺合部23rが歯飛びし、螺合をずらすことにより停止状態を維持することになる。
図5は、雌ネジ部材24及びスリーブ4s周辺の構造を示す図である。同図(a)は雌ネジ部材24及びスリーブ4s周辺をガイド軸15の軸方向に見た図であり、同図(b)は雌ネジ部材24及びスリーブ4s周辺をガイド軸15に直交する方向から見た図である。
同図に示すように、雌ネジ部材24は軸27に回動可能に支持されると共に、係合部4tに嵌合されている。
更に、雌ネジ部材24の螺合部24rはバネ32により同図(a)に示す矢印方向に付勢されており、円柱状の第2のネジ溝20r2の一部と螺合するようになっている。これにより第2のネジ溝20r2の回転により雌ネジ部材24即ち第4レンズ群鏡枠が移動できるようになっている。一方、雌ネジ部材24もしくはスリーブ4sが係止部29に当接した場合には、第2のネジ溝20r2が回転しても、雌ネジ部材24がバネ32の付勢力に抗して軸27を中心に時計回りに回動して螺合部24rが歯飛びし、螺合をずらすことにより停止状態を維持することになる。
以上の様な構成のレンズ鏡胴の初期化動作について説明する。
図6は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴の初期化動作を示すフローチャートの一例である。同フローは、第2レンズ群鏡枠2kが広角端となる位置もしくは広角端となる位置より第1レンズ群1側の位置で雌ネジ部材23を係止するように係止部28が形成され、第4レンズ群鏡枠4kが広角端のフォーカシング領域の無限遠位置もしくは無限遠位置より第5レンズ群5側の位置で雌ネジ部材24を係止するように係止部29が形成されている場合のものである。
まず、レンズ鏡胴を搭載しているカメラが、パワーオンされるのを待機する(ステップS11)。パワーオンされる(ステップS11;Yes)と、第2、第4レンズ群鏡枠即ち雌ネジ部材23、24がワイド端方向に移動するように、モータの回転を開始する(ステップS12)。更に、所定のステップ数だけモータを回転させ(ステップS13)て終了する。
この所定のステップ数とは、例えば、雌ネジ部材23、24が移動可能とされている範囲のモータ回転数に、少なくとも1回転が加算された回転数となるステップ数である。このようにステップ数を設定することで、カメラがパワーオンされるまでに、衝撃等により第2レンズ群鏡枠2kもしくは雌ネジ部材23が移動しズレを生じていても、必ず雌ネジ部材23及び第2レンズ群鏡枠2kを係止部28に強制的に当接させることができ、雌ネジ部材23及び第2レンズ群鏡枠2kの初期位置設定が可能となる。
また、雌ネジ部材23及び第2レンズ群鏡枠2kは上記のステップ数の回転途中で係止部28に当接することになり、以降の過回転状態では螺合部23rが歯飛びすることで、螺合をずらし当接状態が維持される。
また、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠と係止部29についても同様である。即ち、カメラがパワーオンされるまでに、衝撃等により第4レンズ群鏡枠4kもしくは雌ネジ部材24が移動しズレを生じていても、必ず雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kを係止部29に強制的に当接させることができ、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kの初期位置設定がなされる。
また、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kは上記のステップ数の回転途中で係止部29に当接することになり、以降の過回転状態では螺合部24rが歯飛びすることで、螺合をずらし当接状態が維持される。
即ち、本実施の形態のレンズ鏡胴は、雌ネジ部材を歯飛び可能に構成し、係止部に鏡枠又は雌ネジ部材を強制的に突き当てることにより、鏡枠の初期位置設定を行うようにしたものである。これにより、レンズ群の位置制御を行うための初期位置設定のためのセンサを不要とでき、小型で低コストのレンズ鏡胴を得ることが可能となる。
加えて、衝撃等でレンズ群を保持する鏡枠の相対位置関係がずれた場合でも、所定の初期条件に設定し直すことが可能となる。更に、突き当て後の過回転領域では、リードスクリューの回転に対し雌ネジ部材の螺合をずらすことで無理な機械的負荷がかかることを防ぐことができるものである。
なお、本実施の形態のレンズ鏡胴はカメラに用いられた場合には、パワーオン時に初期位置設定することが好ましいが、例えば、携帯電話等に用いられた場合には、カメラモードに設定されたときに上記の初期位置設定を行うことが好ましい。
また、係止位置を広角端に設定したもので説明したが、望遠端に設定してもよいし、撮影領域の外側に係止位置を設定してもよい。
以下に、本実施の形態に係るレンズ鏡胴のズーミング及びフォーカシングの動作について説明する。
図7は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50の第2レンズ群及び第4レンズ群を広角端での初期位置設定から望遠側に移動させた場合のレンズ群位置制御方法を示す図である。同図(a)は第2レンズ群及び第4レンズ群の移動線図であり、同図(b)〜(e)はスリーブ2sの係合部2tと雌ネジ部材23、及びスリーブ4sと雌ネジ部材24の位置を示す図である。同図は第2レンズ群鏡枠2kが広角端となる位置で雌ネジ部材23を係止するように係止部28が形成されている場合のものである。
同図(a)に示すように、第2レンズ群2と第4レンズ群4が、共に第3レンズ群3に接近するよう移動することで、広角(W)から望遠(T)に変倍するものである。
同図(a)に示す、破線Aから第2レンズ群2の位置を示す2の実線との幅が、上述の遊び量(t2−t1)に相当し、この遊び量だけ雌ネジ部材23が移動すると、雌ネジ部材24及び第4レンズ群4は破線Cから破線Bの位置に移動する。また、4∞の実線は、各焦点距離位置での無限遠にピントが合う第4レンズ群4の位置を示している。以下、同図(a)〜(e)を用いて説明する。
上述した初期位置設定状態では、同図(b)に示す広角(W)状態であって、雌ネジ部材23は第1レンズ群1側の係合部2tに当接(Awの位置)した位置であり、雌ネジ部材24及び第4レンズ群4はCwの位置にある。
まず雌ネジ部材23をAwの位置から2wの位置となるようモータを駆動する。これにより雌ネジ部材23は、遊び量(t2−t1)に相当する量だけ移動し係合部2tの他方の端部と当接するようになる。第2レンズ群鏡枠2kは停止したままである。この時、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kはCwの位置からBwの位置に移動する。この位置での状態を同図(b)に示す。
広角(W)位置での撮影に際しては、この領域内での移動、即ち、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kをCwから4wへ移動させた後、4wとBwの間で被写体のピント合わせが行われる。
例えば、広角(W)位置から望遠側の焦点距離MAへのズーミングは、更にモータを同方向に駆動し、雌ネジ部材23を2maの位置まで移動させ停止させる。これにより第2レンズ群鏡枠2kは第3レンズ群3に接近し、焦点距離MAとするに必要な位置となる。この時、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kはBwの位置からBmaの位置に移動する。この位置での状態を同図(c)に示す。
次に、モータを逆転駆動し、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kをBmaの位置から4maの位置へ移動させる。この時、雌ネジ部材23は2maの位置からAmaの方向に移動するが、同図(d)に示すように雌ネジ部材23と係合部2tは遊び量内の移動であるため離間しており、第2レンズ群鏡枠2kは停止したままとなる。この状態は、第2レンズ群2と第4レンズ群4が焦点距離MAであって、無限遠の被写体に対し焦点が調節された状態である。
この後、雌ネジ部材24を4maとBmaの間で移動させるようモータを駆動することで、第2レンズ群鏡枠2kを停止させたまま、第4レンズ群鏡枠4kを同図(e)に示す様な状態で移動させフォーカシングを行うことができる。即ち、同図(a)の第4レンズ群4の実線と破線Bの間のハッチング領域が第4レンズ群のフォーカシング領域である。
以上のように、同図(b)〜(d)の移動で広角側から望遠側へのズーミングを行い、同図(d)〜(e)の移動でフォーカシングを行うことができる。
図8は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50の第2レンズ群及び第4レンズ群を望遠側から広角側に移動させた場合の駆動制御を示す図である。同図(a)は第2レンズ群及び第4レンズ群の移動線図であり、同図(b)〜(e)はスリーブ2sの係合部2tと雌ネジ部材23、及びスリーブ4sと雌ネジ部材24の位置を示す図である。
雌ネジ部材23が2maの位置から、雌ネジ部材24がBmaの位置にある状態(同図(b)に示す状態)から説明する。
まず、雌ネジ部材23を2maの位置からAmaの位置へ、雌ネジ部材24をBmaの位置からCmaの位置となるようにモータを駆動する。この位置での状態を同図(c)に示す。
更にモータを同方向に駆動し、雌ネジ部材23をAmbの位置まで移動させ停止させる。これにより第2レンズ群鏡枠2kは第3レンズ群3から離間する方向に移動し、焦点距離MBとするに必要な位置となる。この時、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kはCmaの位置からCmbの位置に移動する。この位置での状態を同図(d)に示す。
次に、モータを逆方向に駆動し、雌ネジ部材24及び第4レンズ群鏡枠4kをCmbの位置から4mbの位置へ移動させる。この時、雌ネジ部材23はAmbの位置から2mbの方向に移動するが、同図(e)に示すように雌ネジ部材23と係合部2tは遊び量(t2−t1)内の移動であるため離間しており、第2レンズ群鏡枠2kは停止したままとなる。この状態は、第2レンズ群2と第4レンズ群4が焦点距離MAであって、無限遠の被写体に対し焦点が調節された状態である。
この後、雌ネジ部材24を4mbとBmbの間で移動させるようモータを駆動することで、第2レンズ群鏡枠2kを停止させたまま、第4レンズ群鏡枠4kのみを移動させフォーカシングを行うことができる。
以上のように、同図(b)〜(d)の移動で広角側から望遠側へのズーミングを行い、同図(d)〜(e)の移動で無限遠被写体への焦点調節を行い、同図(e)から、更に第4レンズ群4kのみを移動させてフォーカシングを行うことができる。
なお、上記の実施の形態ではズームレンズを用い2つのレンズ群を移動させるもので説明したが、これに限るものでなく、1つのレンズ群のみを移動させるもの、3つ以上のレンズ群を移動させるものにも適用可能である。
また、撮像装置としてカメラを例にとり説明したが、PDAや携帯電話等の携帯端末に内蔵されるカメラモジュールにも適用可能である。また、屈曲光学系を用いて説明したが、反射面を有しない光学系を内包するレンズ鏡胴にも適用可能である。
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
2k 第2レンズ群鏡枠
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
4k 第4レンズ群鏡枠
5 第5レンズ群
7 光学フィルタ
8 撮像素子
9 主胴
10 蓋部材
15、16 ガイド軸
20 ステッピングモータ
20r リードスクリュー
23、24 雌ネジ部材
OA、OB 光軸
50 レンズ鏡胴
100 カメラ
2 第2レンズ群
2k 第2レンズ群鏡枠
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
4k 第4レンズ群鏡枠
5 第5レンズ群
7 光学フィルタ
8 撮像素子
9 主胴
10 蓋部材
15、16 ガイド軸
20 ステッピングモータ
20r リードスクリュー
23、24 雌ネジ部材
OA、OB 光軸
50 レンズ鏡胴
100 カメラ
Claims (4)
- 複数のレンズ群と、前記複数のレンズ群のうちの2つのレンズ群を光軸方向に移動させるための単一のモータと前記モータの回転に連動して回転させられるリードスクリューとを有するモータユニットと、前記リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、移動レンズ群を保持する鏡枠を前記雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させられるよう構成されたレンズ鏡胴において、
前記雌ネジ部材は前記リードスクリューとの螺合を歯飛びさせることが可能に構成され、
前記雌ネジ部材又は前記移動レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止させた後、前記リードスクリューを更に回転させ、前記雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うことを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記雌ネジ部材又は前記移動レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止する係止部を、広角端位置又は望遠端位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- レンズ群と、モータと前記モータの回転に連動して回転させられるリードスクリューとを有するモータユニットと、前記リードスクリューに螺合する雌ネジ部材と、を有し、前記レンズ群を保持する鏡枠を前記雌ネジ部材に係合させて光軸方向に移動させるよう構成されたレンズ鏡胴において、
前記雌ネジ部材は前記リードスクリューとの螺合を歯飛びさせることが可能に構成され、
前記雌ネジ部材又は前記レンズ群を保持する鏡枠を強制的に係止させた後、前記リードスクリューを更に回転させ、前記雌ネジ部材の螺合を歯飛びさせて移動レンズ群の初期位置設定を行うことを特徴とするレンズ鏡胴。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を備えたことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006256911A JP2008076813A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | レンズ鏡胴及び撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006256911A JP2008076813A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | レンズ鏡胴及び撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008076813A true JP2008076813A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39348926
Family Applications (1)
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JP2006256911A Pending JP2008076813A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | レンズ鏡胴及び撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008076813A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010122841A1 (ja) * | 2009-04-22 | 2010-10-28 | コニカミノルタオプト株式会社 | レンズ鏡胴、撮像装置及びレンズ鏡胴の製造方法 |
JP2014149336A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Hoya Corp | 屈曲撮影光学系の電動駆動装置 |
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JP2001183570A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Canon Inc | レンズ駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 |
-
2006
- 2006-09-22 JP JP2006256911A patent/JP2008076813A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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