JP2008066792A - 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置 - Google Patents

圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008066792A
JP2008066792A JP2006239358A JP2006239358A JP2008066792A JP 2008066792 A JP2008066792 A JP 2008066792A JP 2006239358 A JP2006239358 A JP 2006239358A JP 2006239358 A JP2006239358 A JP 2006239358A JP 2008066792 A JP2008066792 A JP 2008066792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
resonator
film
lower electrode
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006239358A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Tsurumi
直大 鶴見
Takashi Uno
高史 夘野
Kazuhiro Hachiman
和宏 八幡
Hiroyuki Sakai
啓之 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006239358A priority Critical patent/JP2008066792A/ja
Publication of JP2008066792A publication Critical patent/JP2008066792A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】引き出し配線とに起因する下部電極で挟まれた構造に起因する寄生容量を低減し、共振器単体のQ値を向上させる。
【解決手段】基板2と、基板上に配置された下部電極4と、下部電極上に配置された圧電膜5と、圧電膜上に配置された上部電極6と、上部電極、圧電膜および下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜7と、下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線9と、絶縁層間膜上に配置され上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線8とを備え、圧電膜、上部電極および下部電極により共振子が構成される。上部電極の平面形状の領域は、圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、下部電極は、その平面形状の領域が上部引き出し配線の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成される。
【選択図】図1A

Description

本発明は、圧電体の共振を利用した圧電薄膜共振器、およびその共振器を用いて構成され高周波の所望の周波数のみを通過させる圧電フィルタ装置に関するものである。
近年、世界的な携帯電話の普及により、携帯電話の使用台数が加速度的に増加してきた。携帯電話で、端末と基地局間の通信に用いられる高周波の周波数は、それぞれの通信方式で規定されている。また、それぞれの通信方式で、基地局から端末に送信される高周波の周波数(これを下りの周波数と呼ぶ)と、端末から基地局に送信される高周波の周波数(これを上りの周波数と呼ぶ)は異なる。また、端末内で信号処理のために送受信される高周波より低い周波数(これを中間周波数と呼ぶ)に一時変換することも行われる。
これらの周波数の高周波を処理する回路の直前には、これら以外の周波数の高周波は除去することが一般に必要となる。例えば、端末において、基地局から送信された高周波を受信するフロントエンドと呼ばれる回路の直前には、下りの周波数以外の周波数の高周波を除去することが必ず必要になる。また、中間周波数に信号を変換した後にも、中間周波数以外の周波数を除去することが必要となる。いま述べたような、不要な周波数を除去し、所望の周波数のみを通過するために、フィルタと呼ばれる部品が一般に用いられる。
フィルタに用いられる素子として、表面弾性波フィルタ(SAWフィルタ)や、薄膜バルク音響波フィルタ(FBARフィルタ)などがある。図12に代表的なFBARフィルタの回路図を示す。図12において、入力端子30と出力端子31間に、直列共振器(FBAR)32a、32b、32cが直列に配置される。直列共振器32aと直列共振器32b間には、並列共振器33aの一端が接続され、他端はグランドに接地される。直列共振器32bと直列共振器32c間には、並列共振器33bの一端が接続され、他端はグランドに接地される。
並列共振器33a、33bと直列共振器32a〜32cは、互いに異なる共振周波数(fr1、fr2)を持ち、これらをラダー型に接続することで、帯域通過型のフィルタが構成されている。図13に個々の共振器の周波数特性の例を示す。図13はアドミッタンスの周波数特性をプロットしたものであるが、FBARはこのような共振周波数と***振周波数を有し、この特性を用いて図14に示すようなフィルタ特性を得ることができる。図14(a)は、並列共振器33a、33bと直列共振器32a、32b、32cについて、それぞれインピーダンス特性を重ねてプロットしたものである。fr1/fa1は並列共振器33a、33bの共振/***振周波数、fr2/fa2は直列共振器32a、32b、32cの共振/***振周波数である。
図14(a)に示したように、fa1とfr2がほぼ等しくなるように共振周波数を設計することで、図14(b)に示すように、この周波数帯を通過帯域とするフィルタが実現できる。すなわち、並列共振器の共振周波数fr1と直列共振器の***振周波数fr2を減衰極とし、その間の周波数帯域のみ通過させる帯域通過フィルタとなる。一般にフィルタに対する要求は、通過帯域での挿入損失をできる限り低減することである。この通過帯域の挿入損失は、直列共振器の***振ピークのQ値と、並列共振器の共振ピークのQ値に大きく依存する。
ここで、圧電共振器の基本構造および動作原理について、図面を参照しながら説明する。図15は、従来の圧電薄膜共振器の断面図を示す。図15において、40は基板であり、その上部に下部電極41と上部電極42に挟まれた圧電膜43が設けられている。下部電極41と上部電極42を介して圧電膜43に電界を印加することにより、共振子として機能する。基板上部の共振子に対応する領域には空洞40aが設けられている。
この共振器を作製するには、シリコンからなる基板40上に、通常熱酸化膜などの絶縁体層(図示せず)を形成し、空洞40aとなる部分にシリコンの異方性エッチングなどを用いて窪みを形成する。次に、窪みを、犠牲層材料である易溶性の酸化膜やガラスなどにより充填し(図示せず)、平坦化する。その後、下部電極層としてモリブデン(Mo)などの金属層をスパッタなどにより所定の厚さに堆積し、通常のフォトリソグラフィ手法によりパターン形成し、下部電極41を形成する。
次に、窒化アルミニウム(AlN)などからなる圧電材料層を形成し、同様にパターン形成することにより、圧電膜43を形成する。さらに、下部電極41と同様、モリブデン(Mo)などの金属からなる上部電極42をパターン形成する。最後に、上部電極42、圧電膜43、下部電極41にあらかじめパターン形成されていたエッチング孔(図示せず)より、窪みに充填された犠牲層材料を溶融除去することにより、圧電薄膜共振器を容易に得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
図16は、従来の他の圧電薄膜共振器の構造を用いた圧電フィルタの断面図であり、圧電薄膜共振器を2段積層したフィルタ(SCF;Stacked Crystal Filter)の構造を示す。このフィルタにおいては、基板44上に、互いに音響インピーダンスの異なる音響ミラー材料45a、45bを交互に積層して構成された音響ミラー層45が形成されている。音響ミラー層45上に、下部電極46、圧電膜47a、47b、中間電極48、および上部電極49が形成されている。
この圧電薄膜共振器フィルタでは、圧電振動を効果的に閉じ込めるため、空洞ではなく音響ミラー層45を使用している。音響ミラー層45は、基板44上にスパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより堆積される。通常、高音響インピーダンス層には、タングステン(W)やモリブデン(Mo)などの材料が使用される。一方、低音響インピーダンス層には、酸化ケイ素(SiO2)やSi(シリコン)などが使用される。
音響ミラー層45上に、必要に応じて絶縁体層(図示せず)を形成した後、Moなどからなる下部電極46をパターン形成し、AlNなどからなる圧電膜47aを堆積する。次いで、Moからなる中間電極48、さらに圧電膜47b、上部電極49を順次パターン形成して、圧電薄膜共振器フィルタを得ることができる。(例えば、特許文献2参照)
以上のように、基板上に圧電薄膜共振器の構成要素である、電極および圧電膜を順次パターン形成して、圧電薄膜共振器を容易に作製することができる。
特開2002−314368号公報 米国特許第5,821,833号明細書
しかしながら、図15や図16に示す従来の構成では、下部電極をパターン形成した後、圧電膜を堆積するため、下部電極のパターン形成時、すなわち、下部電極のエッチングやレジスト除去工程などで導入される、電極表面の酸化や粗面化などにより、圧電膜の結晶性が劣化する。
そこで、本発明者らは、下部電極形成用の下部電極層、圧電膜形成用の圧電材料層、上部電極形成用の上部電極層を一括して成膜した後に、順次、上部電極層を所定の形状にパターニングして上部電極を形成し、圧電材料層を所定の形状にパターニングして圧電膜を形成し、下部電極層を所定の形状にパターニングして下部電極を形成することを検討した。それにより、下部電極層にパターン形成などの加工を施さない状態で圧電材料層を成膜するため、下部電極層の表面状態が劣化することなく、続いて成膜される圧電材料層の結晶性を損なうことがない。同様に、通常のエッチングプロセスやレジスト除去工程、洗浄工程など多くの湿式プロセスを経ることなく圧電材料層が形成されるため、結晶性に優れた圧電材料層を得ることができる。
図17は、上述のように検討された方法により作製される圧電薄膜共振器を用いた圧電フィルタ装置を模式的に示した上面図である。図18は、図17のB−B線に沿った断面を示す図である。図17中の面積の小さい共振器32が、図12に示した直列共振器32a〜32cに相当する。また、図17中の面積の大きい共振器33が、図12に示した並列共振器33a、33bに相当する。図18に示すように、基板50上に、高音響インピーダンス層51aと低音響インピーダンス層51bを交互に積層して音響ミラー層51が形成され、その上に下部電極52、圧電膜53、および上部電極54が順次されている。下部電極52、圧電膜53、および上部電極54は、上述のように、下部電極層、圧電材料層、上部電極層を一括して成膜した後に、順次、所定の形状にパターニングして形成される。
さらに、音響ミラー層51、下部電極52、圧電膜53、および上部電極54を被覆して絶縁層間膜55が形成され、絶縁層間膜55を通して上部電極54に対する引き出し配線56が形成されている。
図19は、上記直列共振器または並列共振器の単体構造の等価回路を示す。Cextは引き出し配線56、絶縁層間膜55および下部電極52による寄生容量である。この寄生容量が増加すると、***振周波数がこの寄生容量に依存して大きくなり、Q値が劣化してしまう。ところで、圧電薄膜共振器を用いてフィルタを形成する場合、図17に示したように、ラダー型に接続して用いる直列共振器と並列共振器の共振周波数を、共振器の面積を異ならせることで異ならせる。この場合、直列共振器の面積は小さく設定されるので、Q値が劣化し易い。これは、単体の圧電薄膜共振器の本質的な容量成分に対して、引き出し配線に起因する寄生容量(Cext)の割合が、共振器面積が小さくなればなるほど大きくなり、***振周波数が大きくなって、結果としてQ値が劣化するためである。
つまり、共振器の面積が小さい直列共振器においては、Q値の劣化が大きいため、配線による寄生容量(Cext)を、如何にして効果的に低減するかが課題となる。
一方、並列共振器においては、共振器面積が大きいので、Q値の劣化はほとんどないが、チップ面積が増大するという別の課題が存在する。
したがって、本発明は、引き出し配線とに起因する下部電極で挟まれた構造に起因する寄生容量を低減し、共振器単体のQ値を向上させることを目的とする。
また、本発明は、寄生容量を低減させるように改良された圧電薄膜共振器(直列共振器)と、チップ面積が増大しないように改良された圧電薄膜共振器(並列共振器)とを備えたフィルタを作成し、フィルタ特性にすぐれ、面積の小さいフィルタ装置を提供することを目的とする。
本発明の圧電薄膜共振器の基本構成は、基板と、前記基板上に配置された下部電極と、前記下部電極上に配置された圧電膜と、前記圧電膜上に配置された上部電極と、前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、前記絶縁層間膜上に配置され前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、前記圧電膜、前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成される。
上記課題を解決するために本発明の第1の構成の圧電薄膜共振器は、上記基本構成において、前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成されていることを特徴とする。
なお、本発明において平面形状とは、基板の主面に対する投影形状をいう。
本発明の第2の構成の圧電薄膜共振器は、上記基本構成において、前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、前記絶縁層間膜は、前記上部引き出し配線と前記下部電極の間に位置する領域において、前記上部電極の上部に位置する領域よりも厚く形成されていることを特徴とする。
本発明の第3の構成の圧電薄膜共振器は、上記基本構成において、前記上部電極の平面形状の領域は、前記上部引き出し配線と接続された部分が前記圧電膜の平面形状の領域の範囲外に配置され、他の部分は前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、前記絶縁層間膜は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲外の前記上部引き出し配線の下方領域において、前記上部電極の上部に位置する領域よりも厚く形成されており、前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成されていることを特徴とする。
本発明の圧電フィルタ装置は、基板上に、平面的に離散して形成された直列圧電共振器と並列圧電共振器とを具備し、前記直列圧電共振器は、上記いずれかの構成の圧電薄膜共振器により構成される。前記並列圧電共振器は、前記基板上に直接または間接的に支持された下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられた上部電極と、前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、前記絶縁層間膜上に設けられ前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、前記圧電膜とその両面に設けられた前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成される。前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、前記圧電膜の平面形状の領域は、前記下部電極の平面形状の領域の範囲内に配置され、前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域と、前記絶縁層間膜を挟んで重畳する範囲を有する。
上記構成の圧電薄膜共振器によれば、絶縁層間膜が、引き出し配線と下部電極で挟まれることによって生じる寄生容量を低減させ、共振器単体のQ値を向上することができる。
第3の構成の圧電薄膜共振器によればさらに、下部電極の面積を拡大し圧電膜の領域をより有効に活用しながら、下部電極の面積を拡大したことによる寄生容量の増大を回避することができる。
上記構成の圧電フィルタ装置によれば、直列共振器においては、上述と同様の効果が得られ、並列共振器においては、絶縁層間膜が上部引き出し配線と下部電極で挟まれることによって、所望の寄生容量を得ることができ、並列共振器に関わるチップ面積を小さくすることができる。したがって、不都合な寄生容量を低減させ、共振器単体のQ値を向上させることと、全体のチップ面積を低減することを最適化することが可能である。
本発明の第2の構成の圧電薄膜共振器において、前記絶縁層間膜が、有機もしくは無機材料からなる絶縁平坦化膜であることが好ましい。また前記絶縁平坦化膜としては、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)膜、SOG(Spin-on-Glass)膜、またはBCB(Benzo-Cyclo-Butene)膜を用いることができる。
本発明の圧電薄膜共振器、または圧電フィルタ装置において、前記基板は、前記共振子が形成された領域の主面に接して空洞部を備えた構成とすることができる。
あるいは、前記基板における、前記共振子が形成された領域の主面上に、互いに音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層して構成された音響ミラー層をさらに備え、前記音響ミラー層上に前記共振子が配置された構成とすることができる。
以下、本発明の実施の形態における圧電薄膜共振器について、図面を参照しながら説明する。図中、同一の構成要素をについては、同じ参照符号を付して説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における圧電薄膜共振器について、図面を用いて説明する。
図1Aは本発明の実施の形態1における圧電薄膜共振器1aの断面図、図1Bは平面図である。図1Aの断面図は、図1BにおけるA−A線に沿った断面を示す。
圧電薄膜共振器1aを支持するための基板2の上面には、音響ミラー層3が形成されている。音響ミラー層3の上部には、下部電極4が形成されている。下部電極4の上面には、圧電膜5が形成されている。圧電膜5の上面には、上部電極6が形成されている。音響ミラー層3、下部電極4、圧電膜5及び上部電極6を被覆して、絶縁層間膜7が形成されている。さらに、絶縁層間膜7上に、上部電極6との電気的導通を図る上部引き出し配線8と、下部電極4との導通を図る下部引き出し配線9が形成されている。
音響ミラー層3は、第1の音響ミラー材料3aと第2の音響ミラー材料3bが交互に積層された構造を有する。第1の音響ミラー材料3aは、音響インピーダンスが低いシリコン(Si)、酸化シリコン膜(SiO2)、窒化シリコン膜(SiN)などの適当な材料からなり、第2の音響ミラー材料3bは、音響インピーダンスが高いモリブデン(Mo)、酸化ハフニウム(HfO)などの適当な材料からなる。
圧電膜5、上部電極6および下部電極4により共振子が形成され、上部電極6および下部電極4に電界を印加することにより、共振振動が発生する。上部電極6の平面形状の領域は、圧電膜5の平面形状の領域の範囲内に配置されている。平面形状とは、基板2の主面に対する投影形状をいう。下部電極4の平面形状の領域は、上部引き出し配線8の平面形状の領域とは重複する範囲を持たないように形成されている。このように構成することにより、絶縁層間膜7が、引き出し配線8と下部電極4で挟まれることによって生じる寄生容量を消失させることができ、共振器単体のQ値を向上することができる。
以下、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法について、図2(a)−(f)を参照して説明する。
先ず、図2(a)に示すように、シリコンからなる基板2を用意する。基板2の上面に、第1の音響ミラー材料3aまたは第2の音響ミラー材料3bのいずれか一方を成膜する。その上面に、他方の音響ミラー材料を積層し、以下順次、第1の音響ミラー材料3aと第2の音響ミラー材料3bを交互に積層して、音響ミラー層3を構成する。上述のように、第1の音響ミラー材料3aは、音響インピーダンスが低いシリコン(Si)、酸化シリコン膜(SiO2)、窒化シリコン膜(SiN)などの適当により形成し、第2の音響ミラー材料3bは、音響インピーダンスが高いモリブデン(Mo)、酸化ハフニウム(HfO)などの適当な材料で形成する。
音響ミラー層3の上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる下部電極層4xを形成する。さらに、下部電極層4xの上面に連続して、例えば、窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電材料層5xを積層する。さらに、圧電材料層5xの上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる上部電極層6xを形成する。そして最後に、上部電極層6xの上面に連続して、例えば酸化シリコン膜からなるパッシベーション膜層を形成する(図示せず)。
次に、デバイスの形成工程に入る。先ず、通常のフォトリソグラフィ手法により、パッシベーション膜層及び上部電極層6xをパターン加工し、図2(b)に示すように、上部電極6を形成する。次いで、圧電材料層5x、下部電極層4xを同様にパターン加工し、図2(c)、(d)に示すように、圧電膜5、下部電極4を形成する。この下部電極4は、後述の上部引き出し配線8に対して、平面形状の領域が重複する範囲を持たないように形成される。そのため、下部電極4のパターン加工は、等方的なエッチングが可能なウェットエッチング法により行うことが望ましい。
次に、図2(e)に示すように、絶縁層間膜7を形成する。その後、図2(f)に示すように、上部電極6と導通を図るための上部引き出し配線8、及び下部電極4との導通を図るための下部引き出し配線9を形成する。絶縁層間膜7には、シリコン窒化膜や、シリコン酸化膜、窒化アルミニウム膜などを用いることが好ましい。また、引き出し配線の電極材料には何ら制約はないが、圧電薄膜共振器を形成する上下部電極4、6よりも厚く設定することが好ましい。
以上の製造方法によれば、図2(a)に示した工程では、下部電極層4xにパターン形成などの加工を施さないため、下部電極層4xの表面粗さは劣化することなく、続いて成膜される圧電材料層5xの結晶性を損なうことがない。同様に、通常のエッチングプロセスやレジスト除去工程、洗浄工程など多くの湿式プロセスを経ることなく圧電材料層5xが形成されるため、結晶性に優れた圧電材料層5xを得ることができる。
従来のように、下部電極層をパターン形成した後圧電膜を形成した場合には、圧電材料層の結晶性を示す指標であるX線回折のロッキングカーブの半値幅が1.3°程度であったのに対して、本実施の形態により連続して圧電材料層5xを形成した場合には、その値が1.1°程度と向上した。また、同一の真空成膜装置を用いれば、大気に触れることなく圧電材料層5xを形成できるため、下部電極層4xの表面酸化を防止することができ、下部電極4の抵抗率が増大することを防止できる。
上部電極層6x上にパッシベーション膜層(図示せず)を形成すれば、上部電極層6xの表面酸化を防止することができ、上部電極6の抵抗を低減することができる。
また、上記製造方法によれば、基板2上に下部電極層4x、圧電材料層5x、上部電極層6xを連続して成膜することができる。したがって、各層を成膜する間に、パターン形成等の工程が入らないため、一括で同一の成膜装置内で、大気に曝すことなく成膜することができ、製造工程を大幅に短縮することができるとともに、外来異物などの混入がなく品質の高い多層膜を得ることができる。
本実施の形態では、圧電膜として窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合を示したが、酸化亜鉛(ZnO)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など、他の圧電薄膜を用いても同様のデバイスを作製して同様の効果を得ることができる。また、上下部電極としてモリブデン(Mo)を用いる場合を示したが、これに限るものではない。また、基板としてシリコン基板を用いる場合を示したが、サファイア基板やガラス基板などを用いてもよい。
また、本実施の形態では音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層した音響ミラー層3を用いた共振器について示したが、図3に示すように、共振子を形成した後、基板2の裏面より基板2をエッチングして、空洞2aを形成した構造を用いることもできる。この場合、Deep−RIEなどの手法を用いると、空洞2aを垂直に形成することができる。また、図4に示すように、犠牲層エッチングにより形成した空洞2bを備えた共振器についても、同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における圧電薄膜共振器について、図面を用いて説明する。
図5Aは、本発明の実施の形態2における圧電薄膜共振器1bの断面図である。同図において、図1に示した実施の形態1における圧電薄膜共振器1aと同一の要素については、同一の参照番号を付して、説明の繰り返しを一部省略する。
圧電薄膜共振器1bを支持するための基板2の上面には、音響ミラー層3が形成されている。音響ミラー層3の上側には、下部電極10が形成されている。下部電極10の上面には、圧電膜5が形成されている。圧電膜5の上面には、上部電極6が形成されている。音響ミラー層3、下部電極10、圧電膜5及び上部電極6を被覆して絶縁層間膜11が形成されている。さらに、絶縁層間膜11上に、上部電極6との電気的導通を図る上部引き出し配線12と、下部電極10との導通を図る下部引き出し配線13が形成されている。
本実施の形態では、絶縁層間膜11の膜厚は、上部引き出し配線12と下部電極10の間に位置する部分において、上部電極6の上部に位置する部分よりも厚くなるように形成される。この構成により、絶縁層間膜11が、上部引き出し配線12と下部電極10で挟まれることによって生じる寄生容量を低減させることができ、共振器単体のQ値を向上することができる。
以下、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法について、図6(a)−(f)を参照して説明する。
先ず、図6(a)に示すように、シリコンからなる基板2を用意する。基板2の上面に、第1の音響ミラー材料3aまたは第2の音響ミラー材料3bのいずれか一方を成膜する。その上面に、他方の音響ミラー材料を積層し、以下順次、第1の音響ミラー材料3aと第2の音響ミラー材料3bを交互に積層して、音響ミラー層3を構成する。
音響ミラー層3の上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる下部電極層10xを形成する。さらに、下部電極層10xの上面に連続して、例えば、窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電材料層5xを積層する。さらに、圧電材料層5xの上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる上部電極層6xを形成する。そして最後に、上部電極層6xの上面に連続して、例えば酸化シリコン膜からなるパッシベーション膜層を形成する(図示せず)。
次に、デバイスの形成工程に入る。先ず、通常のフォトリソグラフィ手法により、パッシベーション膜層及び上部電極層6xをパターン加工し、図6(b)に示すように、上部電極6を形成する。次いで、圧電材料層5x、下部電極層10xを同様にパターン加工し、図6(c)、(d)に示すように、圧電膜5、下部電極10を形成する。このような工程によれば、上部電極6より順次パターン形成していくため、各パターン形状は、より下方にあるパターン形状に対して、その平面形状の領域の範囲内に形成される。したがって、例えば圧電膜5の段差を交差して、上部電極6と下部電極10が導通するといった不具合を未然に防止できる。また、上部電極6が圧電膜5に比べて薄い場合や、圧電膜5の断面形状が急峻な場合においても、カバレッジが不十分になるなどの問題が発生しない。
次に、図6(e)に示すように、絶縁層間膜11を形成し、その後、図6(f)に示すように、上部電極6と導通を図るための上部引き出し配線12、及び下部電極10との導通を図るための下部引き出し配線13を形成する。引き出し配線の電極材料には何ら制約はないが、圧電薄膜共振器を形成する上下部電極10、6よりも厚く設定することが好ましい。
ここで、本実施の形態では、絶縁層間膜11の膜厚を、上部引き出し配線12と下部電極10の間に位置する部分において、上部電極6の上部に位置する部分よりも厚くなるように形成するため、絶縁層間膜11は、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)膜、SOG(Spin on Glass)膜、あるいはBCB(Benzo-Cyclo-Butene)膜などの、段差に対して被覆性が良好な絶縁膜を用いて形成することが好ましい。
以上の製造方法によれば、図6(a)に示した工程では、下部電極層10xにパターン形成などの加工を施さないため、下部電極層10xの表面粗さは劣化することなく、続いて成膜される圧電材料層5xの結晶性を損なうことがない。同様に、通常のエッチングプロセスやレジスト除去工程、洗浄工程など多くの湿式プロセスを経ることなく圧電材料層5xが形成されるため、結晶性に優れた圧電材料層5xを得ることができる。
従来のように、下部電極層をパターン形成した後圧電材料層を形成した場合には、圧電材料層の結晶性を示す指標であるX線回折のロッキングカーブの半値幅が1.3°程度であったのに対して、本実施の形態により連続して圧電材料層5xを形成した場合には、その値が1.1°程度と向上した。また、同一の真空成膜装置を用いれば、大気に触れることなく圧電材料層5xを形成できるため、下部電極層10xの表面酸化を防止することができ、下部電極10の抵抗率が増大することを防止できる。
同様に、上部電極層6x上にパッシベーション膜層(図示せず)を形成すれば、上部電極層6xの表面酸化を防止することができ、上部電極6の抵抗を低減することができる。
また、上記製造方法によれば、基板2上に下部電極層10x、圧電材料層5x、上部電極層6xを連続して成膜することができる。したがって、各層を成膜する間に、パターン形成等の工程が入らないため、一括で同一の成膜装置内で、大気に曝すことなく成膜することができ、製造工程を大幅に短縮することができるとともに、外来異物などの混入がなく品質の高い多層膜を得ることができる。
本実施の形態では、圧電膜として窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合を示したが、酸化亜鉛(ZnO)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など、他の圧電薄膜を用いても同様のデバイスを作製して同様の効果を得ることができる。また、上下部電極としてモリブデン(Mo)を用いる場合を示したが、これに限るものではない。また、基板としてシリコン基板を用いる場合を示したが、サファイア基板やガラス基板などを用いてもよい。
また、本実施の形態では音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層した音響ミラー層3を用いた共振器について示したが、実施の形態1の図3に示したように、共振子を形成した後、基板2の裏面より基板2をエッチングして、空洞2aを形成した構造を用いることもできる。この場合、Deep−RIEなどの手法を用いると、空洞2aを垂直に形成することができる。また、実施の形態1の図4に示したように、犠牲層エッチングにより形成した空洞2bを備えた共振器についても、同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における圧電薄膜共振器について、図面を用いて説明する。
図7は本発明の実施の形態3における圧電薄膜共振器1cの断面図である。同図において、図1に示した実施の形態1における圧電薄膜共振器1aと同一の要素については、同一の参照番号を付して、説明の繰り返しを一部省略する。
圧電薄膜共振器1cを支持するための基板2の上面には、音響ミラー層3が形成されている。音響ミラー層3の上側には、下部電極14が形成されている。下部電極14の上面には、圧電膜5が形成されている。圧電膜5の上面には、上部電極15が形成されている。音響ミラー層3、下部電極14、圧電膜5及び上部電極15を被覆して絶縁層間膜16が形成されている。さらに、絶縁層間膜16上に、上部電極15との電気的導通を図る上部引き出し配線17と、下部電極14との導通を図る下部引き出し配線18が形成されている。
本実施の形態では、上部電極15の平面形状の領域における上部引き出し配線17と接続された部分が圧電膜5の平面形状の領域の範囲外に張り出して配置され、他の部分は圧電膜5の平面形状の領域の範囲内に配置されている。絶縁層間膜16は、上部引き出し配線17における圧電膜5の平面形状の範囲外に張り出した部分の下方領域において、上部電極15の上部に位置する領域よりも厚く形成されている。下部電極14は、その平面形状の領域が上部引き出し配線17の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成されている。
この構成によれば、図1に示した構造に比べて下部電極14の面積が拡大されて、圧電膜5の領域をより有効に活用することができる。しかも、上部電極15における上部引き出し配線17と接続された部分を圧電膜5の平面形状の領域外に配置することにより、下部電極14が上部引き出し配線17と平面形状において重畳範囲を持たないように形成される。したがって、下部電極14の面積を拡大したことによる容量の増大を回避することができる。以上のとおり、絶縁層間膜16が上部引き出し配線17と下部電極14で挟まれることによって生じる寄生容量を低減させることに加えて、上部引き出し配線17の下部に圧電膜5が存在しないことにより、共振器単体のQ値を向上し、不要共振を低減することができる。
以下、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法について、図8(a)−(f)を参照して説明する。
先ず、図8(a)に示すように、シリコンからなる基板2を用意する。基板2の上面に、第1の音響ミラー材料3aと第2の音響ミラー材料3bを交互に積層して、音響ミラー層3を構成する。
音響ミラー層3の上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる下部電極層14xを形成する。さらに、下部電極層14xの上面に連続して、例えば、窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電材料層5xを積層する。さらに、圧電材料層5xの上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる上部電極層15xを形成する。そして最後に、上部電極層15xの上面に連続して、例えば酸化シリコン膜からなるパッシベーション膜層を形成する(図示せず)。
次に、デバイスの形成工程に入る。先ず、通常のフォトリソグラフィ手法により、パッシベーション膜層及び上部電極層15xをパターン加工し、図8(b)に示すように、上部電極15を形成する。次いで、圧電材料層5xを同様にパターン加工し、図8(c)に示すように、圧電膜前駆層5yを形成する。
さらに、上部電極15をマスクにして、上部電極15がエッチングされずに圧電膜材料のみがエッチングされる薬液で圧電膜前駆層5yの一部をパターン加工し、図8(d)に示すように、圧電膜5を形成する。これにより、上部電極15における後述の工程で上部引き出し配線17と接続される部分が、圧電膜5の平面形状の領域の範囲外に配置され、他の部分では上部電極15が圧電膜5の平面形状の領域の範囲内に配置された構造を形成することができる。
さらに下部電極層14xを通常のフォトリソグラフィ法でパターン加工し、圧電膜5、下部電極14を完成する(図8(d))。この下部電極14は、その平面形状の領域が、後述の上部引き出し配線17の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成される。そのため、下部電極14のパターン加工は、等方的なエッチングが可能なウェットエッチング法で行うことが望ましい。
次に、図8(e)に示すように、絶縁層間膜16を形成し、その後、図8(f)に示すように、上部電極15と導通を図るための上部引き出し配線17、及び下部電極14との導通を図るための下部引き出し配線18を形成する。引き出し配線の電極材料には何ら制約はないが、圧電薄膜共振器を形成する上下部電極14、15よりも厚く設定することが好ましい。
ここで、本実施の形態では、絶縁層間膜16は、圧電膜5の平面形状の領域の範囲外の上部引き出し配線17の下方領域において、上部電極15の上部に位置する領域よりも厚く形成するため、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)膜、SOG(Spin on Glass)膜、あるいはBCB(Benzo-Cyclo-Butene)膜などを用いて形成する。
以上の製造方法によれば、図8(a)に示した工程では、下部電極層14xにパターン形成などの加工を施さないため、下部電極層14xの表面粗さは劣化することなく、続いて成膜される圧電材料層5xの結晶性を損なうことがない。同様に、通常のエッチングプロセスやレジスト除去工程、洗浄工程など多くの湿式プロセスを経ることなく圧電材料層5xが形成されるため、結晶性に優れた圧電材料層5xを得ることができる。
従来のように、下部電極層をパターン形成した後圧電膜を形成した場合には、圧電材料層の結晶性を示す指標であるX線回折のロッキングカーブの半値幅が1.3°程度であったのに対して、本実施の形態により連続して圧電膜を形成した場合には、その値が1.1°程度と向上した。また、同一の真空成膜装置を用いれば、大気に触れることなく圧電材料層5xを形成できるため、下部電極層14xの表面酸化を防止することができ、下部電極14の抵抗率が増大することを防止できる。
同様に、上部電極層15x上にパッシベーション膜層(図示せず)を形成すれば、上部電極層15xの表面酸化を防止することができ、上部電極15の抵抗を低減することができる。
また、上記製造方法によれば、基板2上に下部電極層14x、圧電材料層5x、上部電極層15xを連続して成膜することができる。したがって、各層を成膜する間に、パターン形成等の工程が入らないため、一括で同一の成膜装置内で、大気に曝すことなく成膜することができ、製造工程を大幅に短縮することができるとともに、外来異物などの混入がなく品質の高い多層膜を得ることができる。
本実施の形態では、圧電膜として窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合を示したが、酸化亜鉛(ZnO)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など、他の圧電薄膜を用いても同様のデバイスを作製して同様の効果を得ることができる。また、上下部電極としてモリブデン(Mo)を用いる場合を示したが、これに限るものではない。また、基板としてシリコン基板を用いる場合を示したが、サファイア基板やガラス基板などを用いてもよい。
また、本実施の形態では音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層した音響ミラー層3を用いた共振器について示したが、実施の形態1の図3に示したように、共振子を形成した後、基板2の裏面より基板2をエッチングして、空洞2aを形成した構造を用いることもできる。この場合、Deep−RIEなどの手法を用いると、空洞2aを垂直に形成することができる。また、実施の形態1の図4に示したように、犠牲層エッチングにより形成した空洞2bを備えた共振器についても、同様の効果が得られることは自明である。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4における圧電フィルタ装置について、図面を用いて説明する。
図9は、本実施の形態における圧電フィルタ装置を示す断面図である。この圧電フィルタ装置は、それぞれ圧電薄膜共振器からなる直列共振器20と並列共振器21を備える。すなわち、基板22上に音響ミラー層23を介して直列共振器20と並列共振器21が形成され、上部引き出し配線28により互いに接続されている。
このように、平面方向に展開された個々の圧電薄膜共振器は、互いに分離して形成されることになり、互いに圧電振動が漏れ伝わることがなく、高周波特性に優れたフィルタを得ることができる。本実施の形態では、不要スプリアスの影響がなく、圧電薄膜共振器の特性も向上するとともに、配線電極の抵抗率の劣化がないため、フィルタの通過損失として2GHzにおいて0.3dBの改善が見られた。
本実施の形態において、直列共振器20は、上記いずれかの実施の形態に記載された構成を有する。一方、並列共振器21は、図10に記載された構成を有する。
図10は、並列共振器21を構成する圧電薄膜共振器を示す断面図である。基板22の上面に設けられ、第1の音響ミラー材料23aと第2の音響ミラー材料23bを交互に積層して構成された音響ミラー層23上に、下部電極24が形成されている。下部電極24の上面には、圧電膜25が形成されている。圧電膜25の上面には、上部電極26が形成されている。音響ミラー層23、下部電極24、圧電膜25及び上部電極26を被覆して、絶縁層間膜27が形成されている。さらに、絶縁層間膜27上に、上部電極26との電気的導通を図る上部引き出し配線28と、下部電極24との導通を図る下部引き出し配線29が形成されている。
圧電膜25と、上部電極26および下部電極24により共振子が形成され、上部電極26および下部電極24に電界を印加することにより、共振振動が発生する。上部電極26の平面形状の領域は、圧電膜25の平面形状の領域の範囲内に配置されている。
本実施の形態の並列共振器では、下部電極24の平面形状の領域は、上部引き出し配線28の平面形状の領域との重畳部分を有し、その重畳面積を最適化することで、寄生容量、すなわち、図19のCextを適宜設定することができる。この構成により、所望の寄生容量が得られるように容易に調整でき、並列共振器に関わるチップ面積を小さくすることができる。
以下、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法について、図11(a)−(f)を参照して説明する。
先ず、図11(a)に示すように、シリコンからなる基板22を用意する。基板22の上面に、第1の音響ミラー材料23aと第2の音響ミラー材料23bを交互に積層して音響ミラー層23を構成する。第1の音響ミラー材料23aは、音響インピーダンスが低いシリコン(Si)、酸化シリコン膜(SiO2)、窒化シリコン膜(SiN)などの適当により形成し、第2の音響ミラー材料23bは、音響インピーダンスが高いモリブデン(Mo)、酸化ハフニウム(HfO)などの適当な材料で形成する。
音響ミラー層23の上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる下部電極層24xを形成する。さらに、下部電極層24xの上面に連続して、例えば、窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電材料層25xを積層する。さらに、圧電材料層25xの上面に、連続して、例えばモリブデン(Mo)単体及びその混合物などの適当な材料からなる上部電極層26xを形成する。そして最後に、上部電極層26xの上面に連続して、例えば酸化シリコン膜からなるパッシベーション膜層を形成する(図示せず)。
次に、デバイスの形成工程に入る。先ず、通常のフォトリソグラフィ手法により、パッシベーション膜層及び上部電極層26xをパターン加工し、図11(b)に示すように、上部電極26を形成する。次いで、圧電材料層25x、下部電極層24xを同様にパターン加工し、図11(c)、(d)に示すように、圧電膜25、下部電極24を形成する。このような工程によれば、上部電極26より順次パターン形成していくため、各パターン形状は、より下方にあるパターン形状に対して、その平面形状の領域の範囲内に形成される。したがって、例えば圧電膜25の段差を交差して、上部電極26と下部電極24が導通するといった不具合を未然に防止できる。また、上部電極26が圧電膜25に比べて薄い場合や、圧電膜25の断面形状が急峻な場合においても、カバレッジが不十分になるなどの問題が発生しない。
次に、図11(e)に示すように、絶縁層間膜27を形成する。その後、図11(f)に示すように、上部電極6と導通を図るための上部引き出し配線28及び、下部電極24との導通を図るための下部引き出し配線29を形成する。また、引き出し配線の電極材料には何ら制約はないが、圧電薄膜共振器を形成する上下部電極24、26よりも厚く設定することが好ましい。
以上の製造方法によれば、図11(a)に示した工程では、下部電極層24xにパターン形成などの加工を施さないため、下部電極層24xの表面粗さは劣化することなく、続いて成膜される圧電材料層25xの結晶性を損なうことがない。同様に、通常のエッチングプロセスやレジスト除去工程、洗浄工程など多くの湿式プロセスを経ることなく圧電材料層25xが形成されるため、結晶性に優れた圧電材料層25xを得ることができる。
従来のように、下部電極層をパターン形成した後圧電膜を形成した場合には、圧電材料層の結晶性を示す指標であるX線回折のロッキングカーブの半値幅が1.3°程度であったのに対して、本実施の形態により連続して圧電材料層を形成した場合には、その値が1.1°程度と向上した。また、同一の真空成膜装置を用いれば、大気に触れることなく圧電材料層25xを形成できるため、下部電極層24xの表面酸化を防止することができ、下部電極24の抵抗率が増大することを防止できる。
同様に、上部電極層26x上にパッシベーション膜層(図示せず)を形成すれば、上部電極層26xの表面酸化を防止することができ、上部電極26の抵抗を低減することができる。
また、上記製造方法によれば、基板22上に下部電極層24x、圧電材料層25x、上部電極層26xを連続して成膜することができる。したがって、各層を成膜する間に、パターン形成等の工程が入らないため、一括で同一の成膜装置内で、大気に曝すことなく成膜することができ、製造工程を大幅に短縮することができるとともに、外来異物などの混入がなく品質の高い多層膜を得ることができる。
本実施の形態では、圧電膜として窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合を示したが、酸化亜鉛(ZnO)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など、他の圧電薄膜を用いても同様のデバイスを作製して同様の効果を得ることができる。また、上下部電極としてモリブデン(Mo)を用いる場合を示したが、これに限るものではない。また、基板としてシリコン基板を用いる場合を示したが、サファイア基板やガラス基板などを用いてもよい。
また、本実施の形態では音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層した音響ミラー層23を用いた共振器について示したが、図3に示したように、共振子を形成した後、基板22の裏面より基板22をエッチングして、空洞を形成した構造を用いることもできる。この場合、Deep−RIEなどの手法を用いると、空洞を垂直に形成することができる。また、図4に示したように、犠牲層エッチングにより形成した空洞を備えた共振器についても、同様の効果が得られることは自明である。
本発明の圧電薄膜共振器は、圧電膜の結晶性に優れ、寄生容量が低減されて共振器単体のQ値が向上するので、低損失で小型な圧電振動デバイスや、フィルタ、共用器、アクチュエータ、メカニカルスイッチなどの機能デバイスに有用である。
本発明の実施の形態1における圧電薄膜共振器の断面図 同圧電薄膜共振器の平面図 同圧電薄膜共振器の製造方法を示す工程断面図 同圧電薄膜共振器の変形例を示す断面図 同圧電薄膜共振器の他の変形例を示す断面図 本発明の実施の形態2における圧電薄膜共振器の断面図 同圧電薄膜共振器の製造方法を示す工程断面図 本発明の実施の形態3における圧電薄膜共振器の断面図 同圧電薄膜共振器の製造方法を示す工程断面図 本発明の実施の形態4における圧電フィルタ装置の断面図 同圧電フィルタ装置に含まれる並列共振器を構成する圧電薄膜共振器の断面図 同圧電薄膜共振器の製造方法を示す工程断面図 従来例のFBARフィルタの回路図 圧電薄膜共振器の周波数特性の例を示す図 FBARフィルタのフィルタ特性を示し、(a)はインピーダンス特性、(b)は通過特性を示す図 従来例の圧電薄膜共振器の構造を示す断面模式図 他の従来例の圧電薄膜共振器の構造を示す断面模式図 改良された圧電薄膜共振器を用いた圧電フィルタ装置を模式的に示した上面図 図17のB−B線に沿った断面図 図17の圧電フィルタ装置に用いられた圧電薄膜共振器の等価回路図
符号の説明
1a、1b、1c 圧電薄膜共振器
2、22 基板
2a、2b 空洞
3、23 音響ミラー層
3a、23a 第1の音響ミラー材料
3b、23b 第2の音響ミラー材料
4、10、14、24 下部電極
4x、10x、14x、24x 下部電極層
5、25 圧電膜
5x、25x 圧電体層
5y 圧電膜前駆層
6、15、26 上部電極
6x、15x、26x 上部電極層
7、11、16、27 絶縁層間膜
8、12、17、28 上部引き出し配線
9、13、18、29 下部引き出し配線
20 直列共振器
21 並列共振器
30、31 入出力端子
32a、32b、32c 直列共振器
33a、33b 並列共振器
40、44、50 基板
40a 空洞
41、46、52 下部電極
42、49、54 上部電極
43、53 圧電膜
45、51 音響ミラー層
45a、45b、51a、51b 音響ミラー材料
47a、47b 圧電膜
48 中間電極
55 絶縁層間膜
56 上部引き出し配線

Claims (14)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された下部電極と、
    前記下部電極上に配置された圧電膜と、
    前記圧電膜上に配置された上部電極と、
    前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、
    前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、
    前記絶縁層間膜上に配置され前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、
    前記圧電膜、前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成された圧電薄膜共振器において、
    前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、
    前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成されていることを特徴とする圧電薄膜共振器。
  2. 前記基板は、前記共振子が形成された領域の主面に接して空洞部を備えた請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記基板における、前記共振子が形成された領域の主面上に、互いに音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層して構成された音響ミラー層をさらに備え、前記音響ミラー層上に前記共振子が配置された請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
  4. 基板と、
    前記基板上に配置された下部電極と、
    前記下部電極上に配置された圧電膜と、
    前記圧電膜上に配置された上部電極と、
    前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、
    前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、
    前記絶縁層間膜上に配置され前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、
    前記圧電膜、前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成された圧電薄膜共振器において、
    前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、
    前記絶縁層間膜は、前記上部引き出し配線と前記下部電極の間に位置する領域において、前記上部電極の上部に位置する領域よりも厚く形成されていることを特徴とする圧電薄膜共振器。
  5. 前記絶縁層間膜が、有機もしくは無機材料からなる絶縁平坦化膜である請求項4に記載の圧電薄膜共振器。
  6. 前記絶縁平坦化膜が、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)膜、SOG(Spin-on-Glass)膜、またはBCB(Benzo-Cyclo-Butene)膜である請求項5に記載の圧電薄膜共振器。
  7. 前記基板は、前記共振子が形成された領域の主面に接して空洞部を備えた請求項4に記載の圧電薄膜共振器。
  8. 前記基板における、前記共振子が形成された領域の主面上に、互いに音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層して構成された音響ミラー層をさらに備え、前記音響ミラー層上に前記共振子が配置された請求項4に記載の圧電薄膜共振器。
  9. 基板と、
    前記基板上に配置された下部電極と、
    前記下部電極上に配置された圧電膜と、
    前記圧電膜上に配置された上部電極と、
    前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、
    前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、
    前記絶縁層間膜上に配置され前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、
    前記圧電膜、前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成された圧電薄膜共振器において、
    前記上部電極の平面形状の領域は、前記上部引き出し配線と接続された部分が前記圧電膜の平面形状の領域の範囲外に配置され、他の部分は前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、
    前記絶縁層間膜は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲外の前記上部引き出し配線の下方領域において、前記上部電極の上部に位置する領域よりも厚く形成されており、
    前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域とは重畳範囲を持たないように形成されていることを特徴とする圧電薄膜共振器。
  10. 前記基板は、前記共振子が形成された領域の主面に接して空洞部を備えた請求項9に記載の圧電薄膜共振器。
  11. 前記基板における、前記共振子が形成された領域の主面上に、互いに音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層して構成された音響ミラー層をさらに備え、前記音響ミラー層上に前記共振子が配置された請求項9に記載の圧電薄膜共振器。
  12. 基板上に、平面的に離散して形成された直列圧電共振器と並列圧電共振器とを具備する圧電フィルタ装置において、
    前記直列圧電共振器は、請求項1、4または9に記載の圧電薄膜共振器により構成され、
    前記並列圧電共振器は、
    前記基板上に配置された下部電極と、
    前記下部電極上に配置された圧電膜と、
    前記圧電膜上に配置された上部電極と、
    前記上部電極、前記圧電膜および前記下部電極を被覆して形成された絶縁層間膜と、
    前記下部電極と電気的に接続された下部引き出し配線と、
    前記絶縁層間膜上に配置され前記上部電極と電気的に接続された上部引き出し配線とを備え、
    前記圧電膜、前記上部電極および前記下部電極により共振子が構成され、
    前記上部電極の平面形状の領域は、前記圧電膜の平面形状の領域の範囲内に配置され、
    前記圧電膜の平面形状の領域は、前記下部電極の平面形状の領域の範囲内に配置され、
    前記下部電極は、その平面形状の領域が前記上部引き出し配線の平面形状の領域と、前記絶縁層間膜を挟んで重畳する範囲を有することを特徴とする圧電フィルタ装置。
  13. 前記基板は、前記共振子が形成された領域の主面に接して空洞部を備えた請求項12に記載のフィルタ装置。
  14. 前記基板における、前記共振子が形成された領域の主面上に、互いに音響インピーダンスの異なる材料を交互に積層して構成された音響ミラー層をさらに備え、前記音響ミラー層上に前記共振子が配置された請求項12に記載のフィルタ装置。
JP2006239358A 2006-09-04 2006-09-04 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置 Withdrawn JP2008066792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006239358A JP2008066792A (ja) 2006-09-04 2006-09-04 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006239358A JP2008066792A (ja) 2006-09-04 2006-09-04 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008066792A true JP2008066792A (ja) 2008-03-21

Family

ID=39289153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006239358A Withdrawn JP2008066792A (ja) 2006-09-04 2006-09-04 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008066792A (ja)

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010087578A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Kyocera Corp バルク音響波共振子および電子部品
US20100327697A1 (en) * 2009-06-24 2010-12-30 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure comprising a bridge
US20110084779A1 (en) * 2009-10-12 2011-04-14 Hao Zhang Bulk acoustic wave resonator and method of fabricating same
US20120161902A1 (en) * 2009-06-24 2012-06-28 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Solid mount bulk acoustic wave resonator structure comprising a bridge
JP2012516120A (ja) * 2009-01-26 2012-07-12 サイマティクス ラボラトリーズ コーポレーション 保護された共振器
US20130187730A1 (en) * 2012-01-24 2013-07-25 Taiyo Yuden Co., Ltd. Acoustic wave device and fabrication method of the same
US9099983B2 (en) 2011-02-28 2015-08-04 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave resonator device comprising a bridge in an acoustic reflector
US9136818B2 (en) 2011-02-28 2015-09-15 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Stacked acoustic resonator comprising a bridge
US9148117B2 (en) 2011-02-28 2015-09-29 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Coupled resonator filter comprising a bridge and frame elements
US9154112B2 (en) 2011-02-28 2015-10-06 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Coupled resonator filter comprising a bridge
US9203374B2 (en) 2011-02-28 2015-12-01 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Film bulk acoustic resonator comprising a bridge
US9219464B2 (en) 2009-11-25 2015-12-22 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave (BAW) resonator structure having an electrode with a cantilevered portion and a piezoelectric layer with multiple dopants
US9425764B2 (en) 2012-10-25 2016-08-23 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Accoustic resonator having composite electrodes with integrated lateral features
US9444426B2 (en) 2012-10-25 2016-09-13 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Accoustic resonator having integrated lateral feature and temperature compensation feature
US9450561B2 (en) 2009-11-25 2016-09-20 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave (BAW) resonator structure having an electrode with a cantilevered portion and a piezoelectric layer with varying amounts of dopant
US9520856B2 (en) 2009-06-24 2016-12-13 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure having an electrode with a cantilevered portion
US9608592B2 (en) 2014-01-21 2017-03-28 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Film bulk acoustic wave resonator (FBAR) having stress-relief
US9735338B2 (en) 2009-01-26 2017-08-15 Cymatics Laboratories Corp. Protected resonator
JP2018207407A (ja) * 2017-06-08 2018-12-27 太陽誘電株式会社 弾性波デバイス
JP2019212982A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 太陽誘電株式会社 圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
CN111740721A (zh) * 2020-01-20 2020-10-02 中芯集成电路制造(绍兴)有限公司 半导体器件及其形成方法
CN113810009A (zh) * 2021-09-22 2021-12-17 武汉敏声新技术有限公司 薄膜体声波谐振器及其制备方法、薄膜体声波滤波器
EP4195504A4 (en) * 2020-09-18 2023-12-20 Hangzhou Xinghe Technology Co., Ltd. ACOUSTIC RESONATOR AND FILTER ASSEMBLY
WO2023248558A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 株式会社村田製作所 弾性波装置

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010087578A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Kyocera Corp バルク音響波共振子および電子部品
JP2012516120A (ja) * 2009-01-26 2012-07-12 サイマティクス ラボラトリーズ コーポレーション 保護された共振器
US9735338B2 (en) 2009-01-26 2017-08-15 Cymatics Laboratories Corp. Protected resonator
US9520856B2 (en) 2009-06-24 2016-12-13 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure having an electrode with a cantilevered portion
US20100327697A1 (en) * 2009-06-24 2010-12-30 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure comprising a bridge
DE102010030454B4 (de) * 2009-06-24 2019-09-05 Avago Technologies International Sales Pte. Limited Akustikresonatorstruktur, welche eine Brücke aufweist
US20120161902A1 (en) * 2009-06-24 2012-06-28 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Solid mount bulk acoustic wave resonator structure comprising a bridge
US20120206015A1 (en) * 2009-06-24 2012-08-16 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure comprising a bridge
US8248185B2 (en) * 2009-06-24 2012-08-21 Avago Technologies Wireless Ip (Singapore) Pte. Ltd. Acoustic resonator structure comprising a bridge
US9673778B2 (en) * 2009-06-24 2017-06-06 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Solid mount bulk acoustic wave resonator structure comprising a bridge
US8692631B2 (en) * 2009-10-12 2014-04-08 Hao Zhang Bulk acoustic wave resonator and method of fabricating same
US20110084779A1 (en) * 2009-10-12 2011-04-14 Hao Zhang Bulk acoustic wave resonator and method of fabricating same
US9219464B2 (en) 2009-11-25 2015-12-22 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave (BAW) resonator structure having an electrode with a cantilevered portion and a piezoelectric layer with multiple dopants
US9450561B2 (en) 2009-11-25 2016-09-20 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave (BAW) resonator structure having an electrode with a cantilevered portion and a piezoelectric layer with varying amounts of dopant
US9099983B2 (en) 2011-02-28 2015-08-04 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Bulk acoustic wave resonator device comprising a bridge in an acoustic reflector
US9154112B2 (en) 2011-02-28 2015-10-06 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Coupled resonator filter comprising a bridge
US9203374B2 (en) 2011-02-28 2015-12-01 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Film bulk acoustic resonator comprising a bridge
US9148117B2 (en) 2011-02-28 2015-09-29 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Coupled resonator filter comprising a bridge and frame elements
US9136818B2 (en) 2011-02-28 2015-09-15 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Stacked acoustic resonator comprising a bridge
US9484883B2 (en) * 2012-01-24 2016-11-01 Taiyo Yuden Co., Ltd. Acoustic wave device and fabrication method of the same
US20130187730A1 (en) * 2012-01-24 2013-07-25 Taiyo Yuden Co., Ltd. Acoustic wave device and fabrication method of the same
US9444426B2 (en) 2012-10-25 2016-09-13 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Accoustic resonator having integrated lateral feature and temperature compensation feature
US9425764B2 (en) 2012-10-25 2016-08-23 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Accoustic resonator having composite electrodes with integrated lateral features
US9608592B2 (en) 2014-01-21 2017-03-28 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Film bulk acoustic wave resonator (FBAR) having stress-relief
JP2018207407A (ja) * 2017-06-08 2018-12-27 太陽誘電株式会社 弾性波デバイス
JP2019212982A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 太陽誘電株式会社 圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
JP7068047B2 (ja) 2018-05-31 2022-05-16 太陽誘電株式会社 圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
CN111740721A (zh) * 2020-01-20 2020-10-02 中芯集成电路制造(绍兴)有限公司 半导体器件及其形成方法
CN111740721B (zh) * 2020-01-20 2023-07-07 绍兴中芯集成电路制造股份有限公司 半导体器件及其形成方法
EP4195504A4 (en) * 2020-09-18 2023-12-20 Hangzhou Xinghe Technology Co., Ltd. ACOUSTIC RESONATOR AND FILTER ASSEMBLY
CN113810009A (zh) * 2021-09-22 2021-12-17 武汉敏声新技术有限公司 薄膜体声波谐振器及其制备方法、薄膜体声波滤波器
WO2023248558A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 株式会社村田製作所 弾性波装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008066792A (ja) 圧電薄膜共振器および圧電フィルタ装置
JP4280198B2 (ja) 薄膜圧電共振器
JP6388411B2 (ja) 音響共振器及びその製造方法
JP4968900B2 (ja) ラダー型フィルタの製造方法
JP5689080B2 (ja) 圧電薄膜共振子、通信モジュール、通信装置
KR101686689B1 (ko) 경사 에지를 포함한 리액턴스 필터
CN112673569B (zh) 双级横向体声波滤波器
KR100631217B1 (ko) 박막 벌크 음향 공진기 및 표면 음향파 공진기가 집적된인티그레이티드 필터 및 그 제작 방법
JP4688070B2 (ja) 圧電薄膜共振子、圧電薄膜デバイスおよびその製造方法
JP5792554B2 (ja) 弾性波デバイス
US20090001848A1 (en) Piezoelectic resonator and piezoelectric filter
JP2004120494A (ja) 薄膜圧電共振子、それを用いたフィルタ及びデュプレクサ並びに薄膜圧電共振子の製造方法
JP2002251190A (ja) パターン化された音響ミラーを固体的に取り付けられたマルチ共振器バルク音波フィルタ
JP6333540B2 (ja) 圧電薄膜共振子、フィルタ、及び分波器
CN109474255B (zh) 薄膜体声波谐振器及其制作方法、滤波器
WO2011036995A1 (ja) 弾性波デバイス
JP2003347884A (ja) 薄膜バルクアコースティック共振器(FBARs)素子及びその製造方法
KR102345116B1 (ko) 음향 공진기 및 그 제조방법
CN104716925A (zh) 压电薄膜谐振器及其制造方法、滤波器以及双工器
WO2008032543A1 (fr) Résonateur piézoélectrique à couche mince et son procédé de fabrication
JP2008301453A (ja) 薄膜圧電共振器及びこれを用いたフィルタ回路
CN109167585B (zh) 体声波谐振器及其制作方法、滤波器
JP2006345170A (ja) 薄膜圧電共振器
KR100698287B1 (ko) 박막벌크음향공진기 및 그 제조 방법
JP2008048040A (ja) 圧電薄膜共振器およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20091110