JP2008065203A - クリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体回転軸方向に長尺なブレード31におけるその長尺方向に延びる当接辺を感光体10の表面に押しつけて感光体表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、感光体表面上における当接辺が当接する当接部分Pの法線Nよりも感光体表面移動方向下流側でクリーニング枠体33に支持され、ブレードが感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体から受けたときにブレード全体が感光体表面から離れる向きへ変位し得るようにブレードを保持する保持機構32,34,38と、ブレードが感光体表面から離れる向きとは逆向きの弾性力をブレードに与える圧縮バネ39を設ける。
【選択図】図1
Description
ブレード方式のクリーニング装置としては、従来から、トレーリング方式とカウンタ方式の2つの方式が知られている。以下、電子写真方式の画像形成装置における感光体用のクリーニング装置を例に挙げて、各方式のクリーニング装置について説明する。
このクリーニング装置では、ドラム状の感光体(表面移動部材)10の表面移動方向Aに対して直交する感光体回転軸方向に沿って長尺な弾性部材からなるクリーニングブレード231が、その長尺方向に延びる一辺(以下「当接辺」という。)を感光体10の表面に押しつけられた構成となっている。トレーリング方式では、クリーニングブレード231の当接辺が当接する感光体表面上の当接部分Pの法線Nよりも、感光体表面移動方向上流側で装置本体に支持されたブレードホルダ(保持部材)232により、クリーニングブレード231が保持される。本明細書において「トレーリング方式」とは、押し付け部材を保持する保持機構の装置本体に対する支持部が、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向上流側に位置するものをいうものとする。
このクリーニング装置も、感光体の表面移動方向Aに対して直交する感光体回転軸方向に長尺な弾性部材からなるクリーニングブレード231が、その長尺方向に延びる当接辺を感光体10の表面に押しつけられた構成になっている。カウンタ方式では、クリーニングブレード231の当接辺が当接する感光体表面上の当接部分Pの法線Nよりも、感光体表面移動方向下流側で装置本体に支持されたブレードホルダ232により、クリーニングブレード231が保持される。本明細書において「カウンタ方式」とは、押し付け部材を保持する保持機構の装置本体に対する支持部が、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向下流側に位置するものをいうものとする。
詳しく説明すると、トレーリング方式の場合、当接圧を高く設定すべくクリーニングブレード231を大きな力で押しつけると、クリーニングブレード231が反ってしまって、クリーニングブレード231の当接辺に対して感光体表面移動方向上流側に位置するクリーニングブレードの上流側面231aが感光体表面に当たってしまう腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード231と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード231を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、除去性能が低下することになる。これに対し、カウンタ方式の場合、当接圧を高く設定すべくクリーニングブレード231を大きな力で押しつけても、摩擦力がクリーニングブレードの反りに抗して働くので、クリーニングブレード231の反りが少ない。そのため、クリーニングブレード231を大きな力で押しつけても腹当たり現象が生じにくく、小さい当接面積に対して大きな押しつけ力を付与することができる。よって、高い当接圧を実現でき、高い除去性能が得られる。
特に、近年の電子写真方式の画像形成装置では、小粒径で球形をなしたトナー、特に重合トナーを用いることが多くなり、このようなトナーを除去するためには高い除去性能が必要となる。そのため、カウンタ方式のクリーニング装置を採用し、そのクリーニングブレードの当接圧をなるべく高く設定することで、十分な除去性能を確保する必要がある。このような状況下においては、感光体の回転駆動中にクリーニングブレードと感光体表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値は上昇するので、ブレード捲れが発生したり、感光体の駆動に過大な負荷を与えたりといった不具合が発生しやすい。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段は、バネにより発生する弾性力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面上の上記当接部分における法線に対して該表面移動部材の表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸周りで、上記押し付け部材の上記一辺が揺動自在となる構成を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面に対して上記押し付け部材を該表面移動部材の表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、該弾性力付与手段は、該押し付け部材の長尺方向の互いに異なる複数箇所に該弾性力をそれぞれ付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面移動開始時に上記押し付け部材が該表面移動部材から該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を受けることで該弾性力に抗して該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5のクリーニング装置において、上記弾性力付与手段の弾性力は、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6のクリーニング装置において、上記押し付け部材により加えられる上記表面移動部材の表面上における上記当接部分の法線方向の押しつけ力を高める付勢手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のクリーニング装置において、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の変位量の上限を規制する変位規制手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のクリーニング装置において、上記押し付け部材は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のクリーニング装置において、上記押し付け部材は、上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動部材の表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、該表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、該一辺に対して直交する方向の長さが長い弾性部材であり、該一辺に対して直交する方向に該上流側面が伸びて該上流側面の対向面が縮むような該押し付け部材の反りを規制する反り規制部材を、該押し付け部材における上流側面の対向面に固着し、上記保持機構は、該反り規制部材を介して該押し付け部材を保持することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のクリーニング装置において、上記反り規制部材は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記押し付け部材の上記対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置か、該境界辺よりも上記表面移動部材の表面に近い位置まで延びるように、構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13又は14の画像形成装置において、上記像担持体は無機微粒子を含有した保護層を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置おいて、上記保護層のバインダー樹脂が架橋構造を有することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の画像形成装置において、上記バインダー樹脂の構造中に電荷輸送部位を有することを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項18の画像形成装置において、上記記録材搬送部材と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19又は20の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であり、かつ、個数平均粒経に対する体積平均粒経の比率が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、形状係数SF−1及びSF−2が100以上180以下であるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、長軸r1に対する短軸r2の比率(r2/r1)が0.5以上1.0以下であり、短軸r2に対する厚さr3の比率(r3/r2)が0.7以上1.0以下であり、r1≧r2≧r3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型材を含むトナー組成物を有機溶媒に溶解及び/又は分散させて有機溶媒組成物を作成し、樹脂微粒子が存在する水系媒体に該有機溶媒組成物を分散させ、架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該記録材搬送部材と該記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
ところで、当接圧を高めに設定すると、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値が上昇する。ここで、摩擦力が何らかの原因で瞬間的に高まると、押し付け部材が表面移動部材から受ける表面移動部材表面移動方向下流側に向かう力が急激に大きくなり、押し付け部材の当接辺を表面移動部材表面移動方向下流側へ変位させる力が急激に大きくなる。そして、この力が、これに抗する力(通常は押し付け部材の反りの復元力)よりも大きくなると、ブレード捲れが発生する。したがって、当接圧を高めに設定して、発生し得る摩擦力の最大値が上昇すると、表面移動部材表面移動方向下流側へ変位させる力が押し付け部材の反りの復元力よりも大きくなる頻度が高くなるので、ブレード捲れの発生頻度が高まる。
また、カウンタ方式の場合、押し付け部材を保持する保持機構が支持される装置本体の支持部と、押し付け部材の当接辺が当接する表面移動部材表面上の当接部分との距離は、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位するほど短くなる。そのため、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位するほど、装置本体の支持部と表面移動部材表面上の当接部分との間で挟まる押し付け部材が受ける圧縮力が高まり、その反力によって押し付け部材と表面移動部材との間の当接圧が上昇する。そして、当接圧の上昇により押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力が上昇すると表面移動部材の駆動負荷が上昇する。したがって、当接圧を高めに設定して、発生し得る摩擦力の最大値が上昇すると、表面移動部材に過大な駆動負荷を与えるような過大な摩擦力の発生頻度が高くなるので、表面移動部材に過大な駆動負荷を与える頻度が高まる。
本発明においては、押し付け部材は、押し付け部材が表面移動部材表面移動方向下流側に向かう力を表面移動部材から受けたとき、押し付け部材全体が表面移動部材の表面から離れる向きへ変位し得るように保持機構によって保持されており、その向きとは逆向きの弾性力が弾性力付与手段により押し付け部材へ付与される構成になっている。なお、押し付け部材として弾性部材を用いる場合、弾性力付与手段の弾性力はその弾性部材の圧縮弾性力よりも小さいものを用いる。このような構成においては、当接圧を高めに設定した場合、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力が上昇し、押し付け部材の当接辺が表面移動部材表面移動方向下流側へ変位したとしても、押し付け部材が表面移動部材の表面から離れる方向へ逃げることができる。よって、表面移動部材の表面移動中に押し付け部材と表面移動部材の表面との間の摩擦力に変動が生じたときに発生し得る摩擦力の最大値は、従来のカウンタ方式に比べて小さくなる。その結果、ブレード捲れの発生頻度が低くなり、また、表面移動部材に過大な駆動負荷を与える頻度も低くなる。
図2は、本実施形態におけるプリンタを示す概略構成図である。
プリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、画像形成部120及び給紙部130とから主として構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y,C,M,Bkは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
なお、中間転写ベルト162における二次転写ローラ165よりも表面移動方向下流側であってプロセスカートリッジ121Yの上流側には、二次転写後の残留トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置を設けてもよい。この場合、このクリーニング装置についても後述する感光体用のクリーニング装置と同様の構成を採用してもよい。このクリーニング装置は、中間転写ベルト162と一体に支持された状態で二次転写装置160に設けるとよい。
また、プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Bkの下方には、帯電された感光体10Y,10C,10M,10Bkの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する露光装置140が配置されている。
また、露光装置140の下方には、給紙部130が配置されている。給紙部130には、記録材としての転写紙を収容する給紙カセット131及び給紙ローラ132が設けられており、レジストローラ対133を経て中間転写ベルト162と二次転写ローラ165との間の二次転写ニップ部に向けて所定のタイミングで転写紙を給送する。
また、二次転写ニップ部の出口側には、定着装置90が配置されており、この定着装置90の転写紙搬送方向下流側には、排紙ローラ及び排紙された転写紙を収納する排紙収納部135が配置されている。
なお、各プロセスカートリッジの構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジの構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50とを備えている。
現像装置50は、感光体10の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌する攪拌スクリュー52と、攪拌された現像剤を現像ローラ51に供給する供給スクリュー53とから主として構成されている。
プリント命令を受け付けたら、まず、感光体10を図中矢印Aの方向に回転させ、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調された例えばレーザビーム光を色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより転写電界を形成し、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
図1は、クリーニング装置30の主要部を感光体10の回転軸方向(Y方向)から見たときの説明図である。
図4は、クリーニング装置30の主要部を示す斜視図である。
図5は、ブレード31の押しつけ力の測定装置を示す説明図である。この測定装置200は、実際には、市販のセンサ用コンディショナ「WGA−710B(共和電業製)」及び組み合わせられるロードセル「LMA−A−20N(共和電業製)」である。この測定装置200は、ロードセル201を3つ備えており、各ロードセル201は、半円筒形状のセル台202の上に、ブレード31の長尺方向中心点と、その中心点から長尺方向両端に向けて140[mm]離れた2地点の合計3箇所でそれぞれ固定されている。また、ロードセル201には、感光体10と同じ曲率半径の曲面を有する治具203が載せられる。この治具203は、ブレード31の長尺方向に沿って3つ並べて配置され、各治具203の底面中心に各ロードセル201にそれぞれセットされる。
ブレード31は、治具203との位置関係が感光体10との位置関係と同じ関係となるように、測定装置200にセットされる。
なお、測定に際しては、事前に、規定の重りを各治具203の上に載せ、センサ用コンディショナ204に表示されるそれぞれの値が同じ値になるように設定したり、センサ用コンディショナ204に表示される値が治具203による荷重をキャンセルした値となるように設定したりする必要があることは言うまでもない。
すなわち、環境変動に対するロバスト性が向上する。詳しくは、ブレードの自由長部分が長い場合のようにブレードの反りが発生する構成においては、温湿度によってブレード31の反りによる力が変化する。例えば、高温高湿環境下でブレードを反ったまま放置すると塑性変形してしまい、ヘタリという現象が起こる。こうなると、感光体10の表面に対するブレードの当接圧が低下して、クリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態では、環境変動に対するロバスト性が向上する。
また、ブレードの反りが発生するということは、ブレードが反るだけの自由度をもっていることである。ブレードの自由度が大きいと、カウンター方式の場合、ブレードと感光体との摩擦力が高まったときにブレードめくれという深刻な不具合を発生しやすい。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、ブレードめくれが防止される。
更に、感光体の起動トルクを低減できる。詳しくは、上述しているように、ブレードの反りが発生するということは、ブレードが反るだけの自由度をもっているということである。感光体の駆動開始時は摩擦力が大きいため、ブレードの自由度が大きいと瞬間的に大きく変形してトルクが増大してしまう。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、感光体の駆動開始時のトルク増大を低減することができる。
また、水平部32Aの上記端部は、必ずしもブレード31の上記境界辺まで延びている必要はなく、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺には届かない位置までしか延びていなくてもよい。すなわち、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺よりも水平部32Aの上記端部の方が感光体表面から離れた構成としてもよい。この場合、水平部32Aの上記端部を上記境界辺よりも感光体表面からどの程度まで離すことが許容されるかは、ブレード31の硬度や、ブレード31と感光体10の表面との間の摩擦係数などによって決まってくる。その許容範囲は、例えば、線圧が0.790[N/cm]となるようにブレード31を感光体10の表面に押しつけたときの当接部における感光体表面移動方向長さ(当接幅)が50[μm]以下となる範囲を判断の目安とすることができる。なお、水平部32Aの上記端部と上記境界辺との距離は、ブレード31の下流側面31bの長さT2の1/4程度までは許容されるものと推測される。更に確認すれば、T2の1/2〜同程度までは許容される可能性がある。
球形トナーをクリーニングするためには、従来の粉砕トナーをクリーニングする際にブレード31に付与してきた荷重に比べ、大きな荷重を付加しなければならない。その結果、感光体10の磨耗が従来より進むために、感光体10の耐磨耗性を向上させることが望まれる。以下、本実施形態で使用する感光体の一例を示す。
本実施形態に用いられる感光体10は負帯電性の有機感光体であり、直径30[mm]のドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。基層としての導電性支持体50上に、絶縁層である下引き層51が設けられている。そして、その上に感光層としての電荷発生層(CGL)52、電荷輸送層(CTL)53が設けられている。さらにその上に表面保護層(FR)54が積層されている。
導電性支持体としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すものを用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層構成の場合から述べる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ、これらは有用に用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂中に上記電荷発生物質を分散させることができる。用いることができる結着樹脂の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.1〜2[μm]である。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25[μm]以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5[μm]以上が好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体50上ないし下引き層51上に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに50〜150重量部であればより好ましい。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25[μm]程度が適当である。
本実施形態に係る感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5[μm]が適当である。
感光体の最表面層に機械的磨耗を防止するために保護層54を設けることも可能である。例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコンで表面コートした感光体や、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させた最表面層を設けた有機感光体などを用いる事もできる。
他の実施例としては、正孔輸送性化合物を30部、アクリルモノマー及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)0.6部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製する。この塗料をスプレーコーティング法により先の電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm2]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5μmの表面保護層を形成する。
帯電装置40としては、従来よりコロナ放電を利用したコロナ帯電方式を用いるものがあった。コロナ帯電方式は、チャージワイヤを被帯電体に近接して配設し、チャージワイヤに高電圧を印加することにより、チャージワイヤと被帯電体との間にコロナ放電を起こし、これによって被帯電体を帯電するものである。しかしながら、コロナ帯電方式の場合には、コロナ放電に伴いオゾンや窒素酸化物(NOx)などの放電生成物質が発生する。放電生成物質は、感光体方面に画像形成の際に悪影響を及ぼす硝酸又は硝酸塩の膜を形成する恐れがあるため、できればその発生を回避したいところである。そこで、近年ではコロナ帯電方式に代えて放電生成物質の発生が少なく、低電力で帯電ができる接触帯電方式又は近接帯電方式の開発が盛んである。これらの方式は、ローラ、ブラシ、又はブレード等の帯電部材を感光体等の被帯電体に接触又は近接して対向させ、帯電部材に電圧を印加することによって被帯電体の表面を帯電させるものである。この方式によれば、コロナ帯電方式に比して、放電生成物質の発生が少なく低電力化を実現することができるため有用性が高い。また、大掛かりな帯電装置を必要としないため装置の小型化が可能であり、装置の小型化が望まれているニーズに合致する。そこで、本実施形態においては、上記のような低電力化、低ハザード化、小型化のニーズを達成する一例として、非接触ローラ帯電方式を用いた例を示す。
帯電装置40は、帯電ローラ41、スペーサ43、スプリング44、電源45とからなる。帯電ローラ41には、軸部41aとローラ部41bとがある。このうちローラ部41bは、感光体10に対向して感光体表面を帯電する機能を担っており、軸部41aの回転によって回動可能なように構成されている。帯電ローラ表面の帯電部41bが感光帯表面に対して微小な間隙で対向配置するよう帯電ローラ41に間隙保持部材であるスペーサ43を設けている。このスペーサ43により、感光体10の表面のうち画像が形成される画像形成領域に対向する部分は感光体10と非接触となるよう配設されている。ローラ部41bの長手方向(感光体回転軸方向)の寸法は、感光体10の画像形成領域よりも長く設定されており、感光体10の非画像形成領域にスペーサ43を当接せしめることにより、上記微小なギャップGを形成している。このスペーサ43を介して帯電ローラ41は、感光体表面に連れまわって回転するようになっている。微小ギャップGは、帯電ローラ部41bと感光体10との最近接部が1〜100[μm]となるように構成されている。この最近接距離は、30〜65[μm]であることがさらに好ましい。本実施形態では、50[μm]となるように配設した。
帯電ローラ41の表面が硬質な材料としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。抵抗調整層として、高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものなどである。硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成してもよい。
本実施形態のクリーニング装置30によれば、高い除去性能を実現し得ることから、平均円形度が0.93以上1.00以下のトナーを除去する用途にも実用化できる。本明細書において、円形度aはL0/L(L0は粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。)で得られる値をいう。円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体5との接触面積が小さいために転写性に優れる。一方、円形度の高いトナーはブレード方式のクリーニングでは感光体10とブレード31の隙間に入り込み、すり抜けやすい。しかしながら、本実施形態のクリーニング装置30によればクリーニングすることができ、異常画像を抑えることができる。また、ブレード31の寿命をのばすことができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、例えば以下の方法により測定することができる。すなわち、トナーを平滑な測定面上に均一に分散付着させ、該トナーの粒子100個について、カラーレーザー顕微鏡「VK−8500」(キーエンス社製)により500倍に拡大して、該100個のトナー粒子の長軸r1(μm)、短軸r2(μm)、厚さr3(μm)を測定し、それらの算術平均値から求めることができる。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
特に、本実施形態では、上記弾性力付与手段としてバネにより発生する弾性力を付与するものを用いていることから、簡易な構成を実現できる。
また、本実施形態では、図7に示したように、感光体10の表面上の当接部分Pにおける法線Nに対して感光体表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸に相当する回転軸32Cの周りで、ブレード31の当接辺が揺動自在となる構成となっている。これにより、感光体回転軸方向に対してブレード31の当接辺が傾いた場合でも、その傾きを自動的に調整することができる。
この場合、圧縮バネ39が付与する弾性力が、感光体10の表面に対してブレード31を感光体表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、圧縮バネ39によりブレード31の長尺方向の互いに異なる複数箇所に弾性力をそれぞれ付与する構成とすれば、ブレードの姿勢を安定して保つことができる。
また、本実施形態では、圧縮バネ39が付与する弾性力は、感光体10の駆動開始時にブレード31が感光体10から感光体表面移動方向下流側に向かう力を受けることで当該弾性力に抗してブレード全体が感光体10の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されている。これにより、ブレード31と感光体10の表面との間の当接圧が過度に高まりやすい感光体10の駆動開始時において当接圧を逃がすことができ、当接圧が過度に高まるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、圧縮バネ39の弾性力は、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されている。これにより、ブレード31の当接角θが予定範囲を超えて大きくなるのを抑制できる。その結果、定常的な当接圧が増大する事態を防ぎ、感光体10の表面を強く摩耗したり、感光体10の定常的な駆動負荷が増大したりするのを抑制できる。
また、本実施形態では、ブレード31により加えられる感光体10の表面上における当接部分Pの法線方向の押しつけ力を高める付勢手段としてのスプリング36を有する。これにより、十分に高い当接圧を容易に実現できる。
また、本実施形態において、上述したように、ブレード31が感光体表面移動方向下流側に向かう力を感光体10から受けたときのブレード31の変位量の上限を規制する変位規制手段を設けてもよい。この場合、予期しない突発的な摩擦力の上昇が発生しても、ブレード31の当接辺は当初の当接部分Pに戻ることができるようになる。
また、本実施形態において、ブレード31は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材である。これにより、上述したようにブレード31の摩耗が抑制される。
また、本実施形態において、ブレード31は、上記当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bのうち、感光体表面移動方向上流側に位置する上流側面31aの方が感光体表面移動方向下流側に位置する下流側面31bよりも、当接辺に対して直交する方向の長さが長いものである。また、上流側面31aが当接辺に対して直交する方向に伸びる向きにブレード31が反るのを規制する反り規制部材であるブレードホルダ32の水平部32Aを、ブレード31における上流側面31aの対向面に固着している。このような構成を採用すれば、上述したように、従来のカウンタ方式のクリーニング装置の場合と同程度の当接圧を維持しつつも当接幅を短くできるので、高い当接圧を実現できるなどの効果が得られる。
特に、本実施形態では、ブレードホルダ32の水平部32Aは、感光体10の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記対向面(固着面)における上記下流側面31bとの境界辺と同じ位置まで延びるように構成されている。これにより、ブレード31の自由長部分が無くなるので、ブレード31の反りを有効に規制できる。
また、本実施形態において、感光体10の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を設けても良い。
また、本発明は、感光体用のクリーニング装置だけでなく、感光体以外の表面移動部材、例えば中間転写ベルト162の表面に付着した転写残トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。また、感光体や中間転写ベルトのような像担持体に限らず、表面に記録材を担持してこれを搬送する記録材搬送部材の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。そのほか、本発明は、表面に付着した付着物を除去することが必要となるあらゆる表面移動部材用のクリーニング装置に適用できる。もちろん、その表面移動部材は、ドラム状のものであってもベルト状のものであってもよく、表面が移動する部材であればどのようなものであってもよい。ただし、ベルト状の表面移動部材用のクリーニング装置の場合、そのベルトを支持する支持ローラとブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するのが一般的であるが、ベルト内周面側に平板部材等のバックアップ部材を配置し、そのバックアップ部材とブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するようにしてもよい。また、本実施形態のようにクリーニング対象が感光体10の場合、その感光体は、有機感光体でも、非晶質シリコン系感光体でも、有機感光体表面に架橋構造を有するバインダー樹脂からなる保護層が設けられた感光体でもよく、あらゆる感光体に対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。クリーニング対象が中間転写ベルト162の場合、その中間転写ベルトは、耐熱性・伸縮性を考慮したポリイミド系の中間転写ベルトでも、ポリエチレン系材料を用いた中間転写ベルトでも、フッ素系・ゴム系の中間転写ベルトでも、よく、あらゆる中間転写ベルトに対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。
なお、ここで説明した様々な応用例においては、上記実施形態で説明した感光体用のクリーニング装置30の構成をほとんどそのまま利用でき又はその応用例に応じて適宜修正したものを利用できる。
30 クリーニング装置
31 クリーニングブレード
31a 上流側面
31b 下流側面
32 ブレードホルダ
32A 水平部
32B 鉛直部
32C 回転軸
33 枠体
34 支軸
36 スプリング
37 調整ネジ
38 ブレードブラケット
38A 長孔
39 圧縮バネ
40 帯電装置
120 画像形成部
121Y,121C,121M,121Bk プロセスカートリッジ
130 給紙部
140 露光装置
160 二次転写装置
162 中間転写ベルト
165 二次転写ローラ
200 測定装置
201 ロードセル
202 セル台
203 治具
204 センサ用コンディショナ
231 クリーニングブレード
232 ブレードホルダ
Claims (26)
- 表面移動部材の表面移動方向に対して直交する方向に長尺な押し付け部材におけるその長尺方向に延びる一辺を該表面移動部材の表面に押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、
上記表面移動部材の表面上における上記一辺が当接する当接部分の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側で装置本体に支持され、該押し付け部材が該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときに該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位し得るように該押し付け部材を保持する保持機構と、
該押し付け部材が該表面移動部材の表面から離れる該向きとは逆向きの弾性力を該押し付け部材に与える弾性力付与手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1のクリーニング装置において、
上記弾性力付与手段は、バネにより発生する弾性力を付与するものであることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1又は2のクリーニング装置において、
上記表面移動部材の表面上の上記当接部分における法線に対して該表面移動部材の表面移動方向上流側に傾斜した仮想軸周りで、上記押し付け部材の上記一辺が揺動自在となる構成を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項3のクリーニング装置において、
上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面に対して上記押し付け部材を該表面移動部材の表面移動方向上流側へ押し付ける向きの成分を有しており、
該弾性力付与手段は、該押し付け部材の長尺方向の互いに異なる複数箇所に該弾性力をそれぞれ付与するものであることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3又は4のクリーニング装置において、
上記弾性力付与手段が付与する弾性力は、上記表面移動部材の表面移動開始時に上記押し付け部材が該表面移動部材から該表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を受けることで該弾性力に抗して該押し付け部材全体が該表面移動部材の表面から離れる向きへ変位できる強さに設定されていることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4又は5のクリーニング装置において、
上記弾性力付与手段の弾性力は、上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の最大変位量が5[mm]以下となるように設定されていることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6のクリーニング装置において、
上記押し付け部材により加えられる上記表面移動部材の表面上における上記当接部分の法線方向の押しつけ力を高める付勢手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項7のクリーニング装置において、
上記押し付け部材が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に向かう力を該表面移動部材から受けたときの該押し付け部材の変位量の上限を規制する変位規制手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のクリーニング装置において、
上記押し付け部材は、23[℃]における反発弾性が30%以下である弾性部材であることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9のクリーニング装置において、
上記押し付け部材は、上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動部材の表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、該表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、該一辺に対して直交する方向の長さが長い弾性部材であり、
該一辺に対して直交する方向に該上流側面が伸びて該上流側面の対向面が縮むような該押し付け部材の反りを規制する反り規制部材を、該押し付け部材における上流側面の対向面に固着し、
上記保持機構は、該反り規制部材を介して該押し付け部材を保持することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項10のクリーニング装置において、
上記反り規制部材は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記押し付け部材の上記対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置か、該境界辺よりも上記表面移動部材の表面に近い位置まで延びるように、構成されていることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のクリーニング装置において、
上記表面移動部材の表面に潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
上記像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13の画像形成装置において、
上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13又は14の画像形成装置において、
上記像担持体は無機微粒子を含有した保護層を有するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15の画像形成装置おいて、
上記保護層のバインダー樹脂が架橋構造を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項16の画像形成装置において、
上記バインダー樹脂の構造中に電荷輸送部位を有することを特徴とする画像形成装置。 - 表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項18の画像形成装置において、
上記記録材搬送部材と上記クリーニング装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18、19又は20の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上8[μm]以下であり、かつ、個数平均粒経に対する体積平均粒経の比率が1.00以上1.40以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18、19、20又は21の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、形状係数SF−1及びSF−2が100以上180以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、長軸r1に対する短軸r2の比率(r2/r1)が0.5以上1.0以下であり、短軸r2に対する厚さr3の比率(r3/r2)が0.7以上1.0以下であり、r1≧r2≧r3の関係を満たすトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型材を含むトナー組成物を有機溶媒に溶解及び/又は分散させて有機溶媒組成物を作成し、樹脂微粒子が存在する水系媒体に該有機溶媒組成物を分散させ、架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 表面移動部材である記録材搬送部材の表面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、該記録材搬送部材と該記録材搬送部材上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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