JP2006235016A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、静電潜像を形成する感光体1と、感光体1上のトナーを除去するクリーニングブレード7aを有するクリーニング装置7を備える画像形成装置100であって、トナーの重量平均粒径Dm(μm)及び画像形成装置の像担持体の周速V(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足する画像形成装置において、
0.10≦Dm3/V≦3.41……式(1)
像担持体にクリーニングブレードを当接したときの像担持体の回転トルクT(kgf・cm)の15秒間の平均値Tave.が、下記式(2)の関係を満足する。
Tave.≦1.40kgf・cm……式(2)
【選択図】 図1
Description
また、一方、高精細な画像のために、現像性・転写性のよい球形化されたトナーが用いられることが多い。しかし、球形化されたトナーは、流動性は高いが転がりやすいために、特に高線速の画像形成装置におけるブレードクリーニング方式のクリーニングでは、ブレードの下をすり抜けて、クリーニング不良が発生するという不具合がある。
また、画像形成装置の小型化に対して、クリーニング装置では、ブラシクリーニング方式、ブレードクリーニング方式等があるが、構造の簡単さ、低コスト化からブレードクリニング方式が最も有力な手段である。このために、小粒径か・球形化トナーにおいてもブレードクリーニング方式でのクリーニング性を確保することが望まれる。
トナー側からの対策として、特許文献1では、クリーニング手段はゴムブレード部材を用い、クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段へ搬送する手段を有し、前記トナーは体積平均粒径dが4〜10μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2〜5の扁平トナーである画像形成装置が開示されている。
また、プロセス側からは、特許文献2では、有機感光体とクリーニングブレード間に発生する動トルク値の平均値をY0、100%黒化率で有機感光体上にトナー像を形成した場合の動トルク値の平均値をY100としたとき、0.2≧Y100−Y0≧0.01、2.95≧Y100/Y0≧1.15(Y100、Y0の単位:N・m)を満足する画像形成方法が開示されている。
また、さらに、小粒径トナーであってもブレードクリーニングすることができる感光体を備える画像形成装置を提供することである。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング装置を備える画像形成装置であって、トナーの重量平均粒径Dm(μm)及び画像形成装置の像担持体の周速V(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足する画像形成装置において、
0.10≦Dm3/V≦3.41……式(1)
像担持体にクリーニングブレードを当接したときの像担持体の回転トルクT(kgf・cm)の15秒間の平均値Tave.が、下記式(2)の関係を満足することを特徴とする。
Tave.≦1.40kgf・cm……式(2)
また、本発明の画像形成装置は、さらに、トナーの重量平均粒径Dmが4.0〜8.0μmの範囲で、画像形成装置の像担持体の周速Vが150〜600mm/secの範囲にあることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記像担持体は、保護層が電荷輸送物質を含有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、像担持体表面を摺擦する接触部材が備えられていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、保護層に含有されているフッ素樹脂微粒子が接触部材により延ばされ、像担持体表面を被覆することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、表面層に固体潤滑剤を供給する部材が少なくとも備えられていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、複数の像担持体を、像担持体の回転方向に並列に配設することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、像担持体に形成されたトナー像を、像担持体と接触しつつ表面移動する記録部材上又は中間転写体を介して記録材上に転写させる転写装置を備えることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリーニング装置の中から選択される装置を備えるプロセスカートリッジを配設することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記トナーは、外観形状が略球形状であって、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足するトナーを用いることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーを用いることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置100に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置100は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成する画像形成装置(以下、「タンデム型」と記す。)100である。この画像形成装置100は、潜像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト6aに接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。
図2は、感光体1を配設するプロセスカートリッジ2の構成を示す概略図である。なお、プロセスカートリッジ2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つのプロセスカートリッジ2についてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、潜像を可視化してトナー像を形成する現像装置5、感光体1の帯電電位を除電するクリーニング図示しない前除電装置、感光体1上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置7、感光体1を帯電させる帯電装置3の順に配置されている。
このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
転写装置6における中間転写ベルト6aは、3つの支持ローラ6b、6c、6dに張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト6a上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラ6eを用いた構成を採用している。具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト6aの部分の裏面に、それぞれ転写装置6としての各一次転写ローラ6eY、6eC、6eM、6eKを配置している。ここでは、一次転写ローラ6eにより押圧された中間転写ベルト6aの部分と感光体1とによって、一次転写領域が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト6a上に転写する際には、一次転写ローラ6eに正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写する領域(以下、転写領域)と記す。)には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト6a上に静電的に付着し、転写される。
また、図1の右方向には、記録紙上に二次転写する転写搬送装置9が配置されている。この転写装置9は、転写搬送ベルト9aと二次転写ローラ9bを備えている。中間転写体6aに重ね合わされたトナー画像は、ここで、給紙ユニット10から搬送される記録紙に転写される。したがって、本発明装置100では、トナーは2回転写され記録紙上に画像を形成する。この転写装置9の転写は、転写ローラ9bにトナーとは逆極性の電圧を印加することによって行われる。この中間転写ベルト6aと二次転写ローラ9bとの間には二次転写領域が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての記録紙が送り込まれるようになっている。この記録紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット10内に収容されており、ピックアップローラ、レジストローラ対11等によって、二次転写領域まで搬送される。そして、中間転写ベルト6a上に重ね合わされたトナー像は、二次転写領域において、転写搬送ベルト9a上の記録紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ9bに正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト6a上のトナー像が記録紙上に転写される。
固体潤滑剤としては、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロポロピレン共重合体等のフッ素系樹脂微粒子が挙げられる。フッ素樹脂微粒子の中で、低分子量の、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有することがこのましい。低分子量のフッ素樹脂微粒子は、平均分子量が数十万以下のことを指しているが、重合法、放射線分解法、熱分解法などによって分子量が制御されて製造され、その平均分子量が低く抑えられている。平均分子量を低く抑えることで、潤滑剤の作用を発揮する。また、分子の対称性が非常に高い無極性高分子であり、分子間凝集力は非常に小さい。また、分子鎖表面は非常に滑らかである。分子間凝集力が小さいことによって低分子量フッ素樹脂微粒子の摩擦係数が低くなっている。脂肪酸金属塩としては、脂肪酸としては、直鎖状の炭化水素が好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好ましく、ステアリン酸が一層好ましい。金属としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム、チタン、鉄などが挙げられる。これらの中で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉄などが好ましく、特に、ステアリン酸亜鉛がもっとも好ましい。
また、クリーニング装置7は、クリーニングブレード7a、支持部材7b、トナー回収コイル7c、ブレード加圧スプリング7dを備える。クリーニングブレード7aは、転写後に残留する感光体1上のトナーを除去する。支持部材7bに貼着してクリーニング装置に配設されるが、支持部材7bは特に限定されないが、金属、プラスチック、セラミック等を用いることができる。
クリーニングブレード7aは、摩擦係数の低い弾性体として、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等のうちウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマーを挙げることができる。クリーニングブレード7aとしては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード7aは、硬度(JIS―A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード7aは、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。さらに、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
これらの微粒子を含有させる方法としては、通常、微粒子とトナー母体粒子をミキサーに入れ、攪拌する。また、別の方法として、水系及び/又はアルコール系の溶媒中でトナーに外添処理することができる。水系溶媒中に分散させたトナーに、外添剤を投入し、トナー表面に付着させる。また、この外添剤が疎水化処理されている場合は、少量のアルコールなどを併用して界面張力を下げて濡れやすくしてから分散させても良い。その後、加熱して溶媒を除去して固定して、脱離を防止することができる。これによって、外添剤をトナー表面上に均一に分散させることができる。また、水系溶媒中にトナー、添加剤を分散させたときに、界面活性剤添加することにより、トナー表面に更に均一に添加剤が分散させることが出来る。さらに、外添剤もくはトナーと逆極性の界面活性剤を使用することが好ましい。
また、感光体1の周速Vが150〜600mm/secの範囲が好ましい。感光体1の周速が150mm/sec未満ではトナーを徐々にクリーニングすることでクリーニング不良の発生が少なく、トナー粒径、プロセス条件等を規定する必要がない。また、600mm/secを越えると、クリーニングブレードの当接圧を高くしてクリーニングしようとしてもクリーニングブレード7aのめくれが生じ、トナーのクリーニングができない。
さらに、感光体1上のトナーのクリーニングに関しては、トナーの重量平均粒径Dm(μm)及び感光体1の周速V(mm/sec)との影響が大きく、式(1) 0.10≦Dm3/V≦3.41……式(1)の関係を満足する。
トナーの粒径が小さくなるにつれクリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生しやすくなり、さらに、感光体1の周速が遅くなるにつれてクリーニング性が向上する。したがって、トナー粒径と感光体1の周速は、クリーニング性に対して逆の関係がある。しがって、Dm3/Vの関係で0.10未満では、クリーニングブレード7aの当接圧を高くしてクリーニングしようとしてもクリーニングブレード7aのめくれが生じ、トナーのクリーニングができない。この場合、例えば、トナーの重量平均粒径を大きくしてクリーニング性を向上させることで対応することができる。また、Dm3/Vの関係で3.41を越えると、トナー粒径が大きくなり画像品質が低下し、また、感光体1の周速が遅く実用の画像形成装置では問題がある。
図3は、感光体にクリーニングブレードを当接したときの感光体の回転トルクを測定するトルク値測定装置200の構成を示す概略図である。
感光体1と、感光体1に接触する部材であるクリーニングブレード7a、現像ローラ5aと、感光体1を回転駆動させる駆動軸に装着したトルクセンサ201と、感光体1を回転駆動させるモータ202と、トルクセンサ201により測定される回転トルクTを記録するレコーダ203と、このモータを駆動する電源204と、これらを制御する制御装置205とから構成されている。この他に、帯電ローラ3a、転写ローラ6e等の感光体1に接触する部材を設けておいても良い。
正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これによって、保護層中にフッ素樹脂微粒子を含有させたことによる感光体感度の低下を防止することができる。電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、20〜300%の範囲にする。20%未満では、感度が低下し、300%を越えると塗膜の機械的強度が低下する。
電荷発生層113は、電荷発生物質を主成分とする層であり、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、これらの電荷発生物質をポリカーボネート等のバインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の溶媒を用いて分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート等により行う。電荷発生層113の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。電荷輸送層114は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロルエタン適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質と共に電荷輸送層114に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。電荷輸送層4の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(3)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(3)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(4)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(4)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)の倍率1000倍でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。さらに、トナー100個を測定し、その平均値を算出することで行った。
本発明に係るトナーはバインダー樹脂として、重合体である変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダー樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
図6は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図6において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)((b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)((c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、重量平均粒径D420〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
(実施例1)
<感光体の製造>
本発明の画像形成装置について用いる感光体を以下のように製造した。
(1)導電性支持体の作製は、アルミニウム合金をDC鋳造し、アルミニウム合金製円柱体(ビレット)を作製し、作製したビレットを、熱間押出加工によって断面を円筒管に加工した。その後、作製した円筒管を、長さ340mmに切断し、切削加工に供する粗素管を作製した。このようにして作製した粗素管を旋盤に取り付け、表面の切削加工を行い、外径30mm、表面粗さRzが1.2μmの電子写真感光体用の導電性支持体を作製した。
(2)次に、導電性支持体の表面を界面活性剤を含ませた水をそそぎながら回転するブラシで洗浄し、更に純水ですすぎ洗浄を行った。導電性支持体表面に酸化チタン90重量部、アルキッド樹脂15重量部、メラミン樹脂10重量部、メチルエチルケトン150重量部の組成からなる樹脂塗料を浸漬法で塗布し、次いで130℃ で20分間加熱し、熱硬化させて、導電性支持体表面に厚さ3.5μmの下引き層を形成した。
(3)ポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC社製))4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、ビスアゾ顔料を10重量部加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
(4)テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、これに電荷輸送物質10重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
(5)さらに、その上に、保護層を設ける。保護層は、テトラヒドロフラン60重量部、シクロヘキサノン20重量部の混合溶媒に、パーフルオロアルコキシ樹脂微粒子(PFA:商品名MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)18重量部、分散助剤(商品名モディパーF210、日本油脂社製)2重量部を混合し、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)で、100MPa圧力下で、1時間循環して、PFA分散液を得た。また、テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ホリカーボネート樹脂16重量部を溶解した樹脂液を作成し、これに前記PFA分散液55重量部をくわえた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した。こうして得られた保護層形成用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cmのエア圧でスプレー塗工を行い。3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成した。
(6)以上のようにして作製した電子写真感光体に、ポリカーボネート樹脂製フランジを圧入し、嵌合した。このとき、フランジの嵌合部には接着剤(ボンドアロンアルファ;東亜合成社製)を数滴付け、嵌合して、感光体1を製造した。
<感光体の製造>
製造工程は(1)〜(4)、(6)は実施例1と同じで、工程(5)は以下のように行うことで感光体2を作製した。
テトラヒドロフラン280重量部とシクロヘキサノン80重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂4重量部を溶解し、アルミナ微粒子(比抵抗:2.5×1012Ω・cm)0.7重量部をくわえて、ボールミルで2時間分散し、保護層用塗工液を作製した。こうして得られた保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製:OLYMPOS.CO.LTD)を用い、2kgf/cmのエア圧でスプレー塗工を行い。3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成した。
画像形成装置本体に設置した感光体2に1000枚通紙した。
<トルク測定装置によるトルク測定>
トルク値測定装置としては、
(1)感光体の外径30mmφ、長さ340mmの有機感光ドラムである。
(2)クリーニングブレード7aの当接条件は、ウレタンゴムを用いて、当接角75゜、当接圧が0.26N/cmである。
(3)測定方法
まず、トルク値測定装置で、はじめに上述の実施例1で製造した感光体1に上記条件にてクリーニングブレードを当接させ、現像装置を駆動させながら79.5rpmで15秒間駆動させる、このとき回転トルク平均値Tave.の変動を記録する。このときの、15秒間の平均値を表1に示す。
二成分系現像剤に用いられるキャリアとしては、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用い、トナーとしては、スチレンアクリル樹脂、カーブンブラック、カルナバワックスを溶融して混合し、粉砕・分級して重量平均粒径6.8μmの粉砕系トナーを用い、かつ、キャリア100重量部に対しトナー8重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
これを、実施例1で製造した感光体を評価機に装着し、実機におけるクリーニングをおこなった。評価は、感光体の周速245mm/secのカラープリンタ(Dm3/V=1.23)と感光体の周速500mm/secのモノクロプリンタ(Dm3/V=0.63)の2機種で、黒トナー1色だけでクリーニング性の評価を行った。クリーニング性は、常温常湿環境下で、5万枚のプリントを行い画像上にクリーニング不良による地カブリの発生の有無によって判断した。
<感光体の製造>
比較例1として、潤滑剤を含有しない感光体を製造した。製造工程は(1)〜(4)までは、実施例1と同じで、工程(5)は以下のように行った。
テトラヒドロフラン280重量部とシクロヘキサノン80重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂4重量部を溶解し、アルミナ微粒子(比抵抗:2.5×1012Ω・cm)0.7重量部をくわえて、ボールミルで2時間分散し、保護層用塗工液を作製した。こうして得られた保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cmのエア圧でスプレー塗工を行い。3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成した。
以下、トルク測定装置によるトルク測定、画像形成装置によるクリーニング性評価は実施例1と同様に行った。
111 導電性支持体
112 感光層
113 電荷発生層
114 電荷輸送層
115 保護層
2 プロセスカートリッジ
3 帯電装置
3a 帯電ローラ
3b クリーニングローラ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 攪拌搬送スクリュー
5c ドクターブレード
6 転写装置
6a 中間転写体
6b、6c、6d 支持ローラ
6e 一次転写ローラ
6f ベルトクリーニング装置
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
7b 支持部材
7c 回収スクリュー
7d 加圧スプリング
8 定着装置
8a 加熱ローラ
8b 加圧ローラ
9 転写搬送装置
9a 転写搬送ベルト
9b 二次転写ローラ
10 給紙ユニット
11 レジストローラ
12 排紙ローラ
100 画像形成装置
200 トルク値測定装置
201 トルクセンサ
202 駆動モータ
203 レコーダ
204 電源
205 制御装置
Claims (13)
- 少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、
像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング装置を備える画像形成装置であって、
トナーの重量平均粒径Dm(μm)及び画像形成装置の像担持体の周速V(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足する画像形成装置において、
0.10≦Dm3/V≦3.41……式(1)
像担持体にクリーニングブレードを当接したときの像担持体の回転トルクT(kgf・cm)の15秒間の平均値Tave.が、下記式(2)の関係を満足する
Tave.≦1.40kgf・cm……式(2)
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、トナーの重量平均粒径Dmが4.0〜8.0μmの範囲で、画像形成装置の像担持体の周速Vが150〜600mm/secの範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、導電性支持体上に形成された感光層の最表面層として、固体潤滑剤のフッ素樹脂微粒子を体積分率で20〜60%含有する保護層を形成している
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記像担持体は、保護層が電荷輸送物質を含有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、像担持体表面を摺擦する接触部材が備えられている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置は、
前記画像形成装置は、保護層に含有されているフッ素樹脂微粒子が接触部材により延ばされ、像担持体表面を被覆する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置は、
前記画像形成装置は、表面層に固体潤滑剤を供給する部材が少なくとも備えられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置は、
前記画像形成装置は、複数の像担持体を、像担持体の回転方向に並列に配設する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置は、
前記画像形成装置は、像担持体に形成されたトナー像を、像担持体と接触しつつ表面移動する記録部材上又は中間転写体を介して記録材上に転写させる転写装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置は、
前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリーニング装置の中から選択される装置を備えるプロセスカートリッジを配設する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあるトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、外観形状が略球形状であって、
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足するトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11又は12に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
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