JP2008064931A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】遮光シートを保護することのできるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】投射レンズの投射方向に直交する平面内の外周に、この外周を囲む環状に形成された遮光シート13を設け、当該遮光シート13をフロントケース23の露出用開口231周縁部分とベースプレート12との間を移動可能にする。投射レンズの投射位置が移動すると、投射レンズの外周が遮光シート13を投射方向に直交する平面に沿って押すので、遮光シート13はフロントケース23とベースプレート12との間を投射レンズの移動方向と同じ方向に移動する。従って、投射レンズの投射位置が移動する場合に、投射レンズと露出用開口231との隙間が大きくなる部分が生じるが、その隙間が大きくなった部分には、移動した遮光シート13が配置されるので、投射レンズと露出用開口231との隙間から外部に向かう光を遮光できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源ランプと、この光源ランプから射出された光束を画像情報に応じて変調する液晶パネルと、変調された光束を外部へ拡大投射する投射レンズと、これらを内部に収納する外装ケースとを備えるプロジェクタが知られている。
プロジェクタを使用する際に、プロジェクタの設置姿勢はそのままに、投射画像をスクリーン上の高さ方向および左右方向にずらして表示させたい場合がある。このような要望に対して、従来のプロジェクタには、投射レンズを投射方向に対して直交する面内で移動させることのできる投射位置調整機構を備えているものがある。この投射位置調整機構によって、投射レンズは、外装ケースの前面部に投射レンズを露出させるために形成された開口部内を移動される。
しかし、このような投射位置調整機構を備えるプロジェクタでは、投射レンズが移動した際に、投射レンズと、外装ケースの開口部との間に隙間が生じてしまい、遮光性の悪化や粉塵等が侵入しやすくなるという課題があった。
このような課題に対し、投射レンズが移動しても、投射レンズと外装ケースの開口部との隙間を遮蔽(遮光)することのできる板状の遮蔽部材(遮光部材)を備えたプロジェクタが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−205686号公報
特許文献1に記載のプロジェクタにおける遮蔽部材は、外装ケースの開口部の内側周縁に形成された突起を軸に摺動可能に支持されている。そして、例えば、プロジェクタが落下等により衝撃を受けた場合には、投射レンズが衝撃によって急激に投射方向に直交する平面に沿って移動する。そして、投射レンズが遮蔽部材に接触することで、遮蔽部材が投射方向に直交する平面の面外方向に大きく変形する力を受け、遮蔽部材が変形したり、遮蔽部材に亀裂が生じたりして遮光部材が破損する恐れがある。
本発明の目的は、遮光部材を保護できるプロジェクタを提供することである。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光学像をスクリーンに拡大投射する投射光学装置と、前記投射光学装置を投射方向に直交する面内で移動させて前記投射光学装置の投射位置を調整する投射位置調整装置と、これら前記光源装置、前記光変調装置、前記投射光学装置および前記投射位置調整装置を内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、前記外装筐体には、前記投射光学装置における投射方向先端部を外部に露出させる露出用開口が形成され、前記投射光学装置と前記露出用開口との隙間から外部に向かう光を遮光する遮光装置を備え、前記遮光装置は、前記投射光学装置の外周を囲む環状に形成され、投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記投射光学装置と前記露出用開口との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする遮光部材と、内周縁が前記遮光部材における環状の内周縁よりも大きい環状に形成され、投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記露出用開口周縁部分に接続可能に構成され、前記露出用開口周縁部分との間で前記遮光部材を前記投射方向に直交する平面に沿って移動可能に挟持する保護部材とを備えていることを特徴とする。
ここで、遮光部材としては、シート状の部材で形成されたものでもよく、あるいは成形部材のようにシート状のものよりも一般的に剛性の高い部材で形成されたものでもよい。
本発明によれば、投射光学装置の投射方向に直交する平面内の外周に、この外周を囲む環状に形成された遮光部材が設けられ、当該遮光部材は、外装筐体の露出用開口周縁部分と保護部材との間を移動可能である。このため、投射光学装置の投射位置が移動すると、投射光学装置の外周が遮光部材を投射方向に直交する平面に沿って押すので、遮光部材は外装筐体と保護部材との間を投射光学装置の移動方向と同じ方向に移動する。従って、投射光学装置の投射位置が移動する場合に、投射光学装置と露出用開口との隙間が大きくなる部分が生じるが、その隙間が大きくなった部分には、移動した遮光部材が配置されるので、投射光学装置と露出用開口との隙間から外部に向かう光を遮光できる。
また、プロジェクタが落下等により衝撃を受けた場合、投射光学装置が衝撃によって投射方向に直交する平面に沿って急激に移動することが考えられる。このような場合、投射光学装置の外周が、遮光部材をその移動可能な範囲を超えて押してしまう可能性があるが、外装筐体の露出用開口周縁部分と保護部材との間に、遮光部材が挟持されるので、遮光部材が投射方向に直交する平面の面外方向に変形する力を露出用開口周縁部分と保護部材とで抑制でき、遮光部材が変形したり、遮光部材に亀裂が生じたりすることを阻止できる。これによって、遮光部材の破損が防止され、遮光部材が保護される。
特に、遮光部材をシート状の部材で構成した場合には、遮光装置の薄型軽量化を図ることもできるとともに、シート状の遮光部材の曲げ方向等、シート状の遮光部材に対して強度の小さい方向に力が働かないようにでき、遮光部材を保護できる。
本発明のプロジェクタでは、前記遮光部材は、環状の内周縁と前記投射光学装置との間に所定の隙間を有するように形成され、前記投射光学装置の外周に固定され、前記外周から前記投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記投射光学装置と前記遮光部材における環状の内周縁との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする延出部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、投射光学装置と遮光部材における環状の内周縁との間に所定の隙間が設けられるので、投射光学装置の移動量に対する遮光部材の移動量を小さくできる。
従って、投射光学装置の移動方向に沿った遮光部材の長さ(延出)寸法を小さくでき、外装筐体の小型化を図ることができる。このことから、投射光学装置の移動量を大きくした場合であっても、プロジェクタの小型化を図ることができる。
また、投射光学装置の外周に延出部材が固定されているので、遮光部材と投射光学装置との間の隙間から外部に向かう光を延出部材と遮光部材との2段構造で効果的に遮光できる。従って、投射光学装置と露出用開口との間の遮光性を維持できる。ここで、延出部材としては、少なくとも遮光部材と投射光学装置との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする大きさを有していればよいので、例えば、延出部材のみで遮光する場合と比較して、延出部材を小さくすることができ、プロジェクタの小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔1.外観構成〕
図1は、プロジェクタ1の前面上方側から見た外観を示す斜視図である。
プロジェクタ1は、光源ランプから射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、具体的には後述するが、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された画像光を拡大投射する。
外装筺体2は、合成樹脂製の筺体であり、プロジェクタ1の装置本体を収納する。この外装筺体2は、図1に示すように、装置本体の上部部分を覆うアッパーケース21と、装置本体の下部部分を覆うロアーケース22と、装置本体の前面部分を覆うフロントケース23(図1)とを備える。
アッパーケース21は、図1に示すように、外装筺体2の天面、側面の一部、背面の一部、および前面の一部をそれぞれ形成する天面部21A、側面部21C、背面部(不図示)、および前面部21Eを含んで構成される。
天面部21Aは、図1に示すように、平面視略矩形形状を有し、平面視略中央部分から前面側、側面側、および背面側にかけて、なだらかに湾曲し、凸曲面形状を有する。
この天面部21Aにおいて、前方側であって、前方から見て右側部分には、図1に示すように、2つの開口部21A1,21A2が形成されている。この2つの開口部21A1,21A2は、投射レンズ3を操作可能としスクリーン(図示略)上に投射された投影画像の位置を調整するためのダイアル861,871の一部をそれぞれ露出させる。
具体的には、図1に示すように、上面の前方側であって、前方から見て右側の開口部21A1からは、後述する投射位置調整装置8(図3)を構成するダイアル861が露出している。前方から見て左側の開口部21A2からは、同じく投射位置調整装置8を構成するダイアル871が露出している。
図1に示すように、2つのダイアル861,871のうち、ダイアル861をY1方向(前方向)に回転させると、投射レンズ3が−Y方向(下方)に動き、ダイアル861をY2方向(後方向)に回転させると、投射レンズ3が+Y方向(上方)に動くこととなる。また、ダイアル871をX1方向(プロジェクタ1後方から見て右方向)に回転させると、投射レンズ3が−X方向(右方向)に動き、ダイアル871をX2方向(プロジェクタ1後方から見て左方向)に回転させると、投射レンズ3が+X方向(左方向)に動くこととなる。
なお、投射位置調整装置8の詳細な構造については後述する。
また、この天面部21Aにおいて、開口部21A1の後方側には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル24が左右方向に延びるように設けられている。操作パネル24の操作ボタン241を適宜押下すると、操作ボタン241内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。また、前記回路基板には、図示しないLED(Light Emitting Diode)が取り付けられており、所定の操作に応じて発光するようになっている。
なお、前述した操作パネル24の回路基板は、制御基板(図示略)と電気的に接続され、操作ボタン241の押下に伴う操作信号は、前記制御基板に出力される。
側面部21C、背面部(不図示)、および前面部21Eは、図1に示すように、天面部21Aにおける平面視矩形形状の各端縁から略垂下する部分である。
これらのうち前面部21Eには、図1に示すように、下端縁から上方側に向けて平面視コ字状の切り欠き21E1が形成されている。
ロアーケース22は、図1に示すように、外装筺体2の底面、側面の一部、背面の一部、および前面の一部をそれぞれ形成する底面部22A、側面部22C、背面部(不図示)、および前面部22Eを含んで構成される。
底面部22Aは、具体的な図示は省略するが、略矩形状の平坦面で構成されている。そして、この底面部22Aには、机等の接地面に接地する複数の脚部や、プロジェクタ1内部に外部の冷却空気を導入するための吸気口が形成されている。
側面部22C、背面部(不図示)、および前面部22Eは、図1に示すように、底面部22Aにおける平面視矩形形状の各端縁から上方に立設する部分である。
また、前面部22Eには、図1に示すように、上端縁から下方側に向けて平面視コ字状の切り欠き22E1が形成されている。そして、アッパーケース21およびロアーケース22が組み合わされた状態で、前面部21Eの切り欠き21E1のコ字状内側部分、および前面部22Eの切り欠き22E1のコ字状内側部分にてフロントケース23が支持固定される。
フロントケース23は、図1に示すように、左右方向に延びる略楕円形状を有し、アッパーケース21およびロアーケース22と接続することで、切り欠き21E1,22E1にて形成される開口部分を閉塞する。
このフロントケース23において、前方から見て右側部分には、図1に示すように、外装筺体2の内側に窪み、底部分に略円形状の露出用開口231が形成されている。そして、この露出用開口231は、投射レンズ3の先端部分を露出させる。
また、このフロントケース23において、長手方向略中央部分には、図1に示すように、リモコン受光窓232が形成されている。そして、このリモコン受光窓232の内側には、リモートコントローラ(図示略)からの操作信号を受信するリモコン受光モジュール(図示略)が配置されている。
なお、リモートコントローラには、前述した操作パネル24に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられていて、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介してリモコン受光モジュールで受光され、制御基板(図示略)で処理される。
さらに、このフロントケース23において、前方から見て左側部分には、図1に示すように、プロジェクタ1内部にて温められた空気を外部に排出するための平面視矩形状の排気口233が形成されている。
また、この排気口233周縁部分は、図1に示すように、内部に向けて突出する筒形状を有するように形成されている。より具体的には、排気口233周縁部分は、投射レンズ3に近接する方向に向けて投射レンズ3からの投射方向に対して傾斜して突出する筒形状を有するように形成されている。そして、排気口233の筒状内側部分には、図1に示すように、上下に架設され、排気口233周縁部分の突出方向に延出する複数の羽根板233Aが形成されている。
〔2.内部構成〕
外装筺体2の内部には、プロジェクタ1の装置本体が収容されている。この装置本体は、図示は省略するが、画像投射装置としての光学ユニットと、電源ユニットと、冷却ユニット等を含んで構成される。
なお、装置本体は、光学ユニット、電源ユニット、および冷却ユニットの他、光学ユニットの上方側に配置されプロジェクタ1全体を制御する制御基板等を備えている。
〔3.光学ユニットの詳細な構成〕
図2は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、前記制御基板による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成する。この光学ユニット4は、図示は省略するが、外装筺体2内において、背面部に沿って左右方向に延び、側面部22Cの反対側の側面部に沿って前方に延びる平面視L字形状を有している。
この光学ユニット4は、図2に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、これらの光学部品41〜44を内部に収納するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する合成樹脂製の光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する後述する各液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図2に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源としての光源ランプ411Aと、この光源ランプ411Aから射出された放射光を反射するリフレクタ411Bと、ランプハウジング411C(図2)とを備える。光源ランプ411Aとしては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。リフレクタ411Bとしては、放物面鏡を用いている。なお、放物面鏡の他、平行化凹レンズと共に楕円面鏡を用いてもよい。
ランプハウジング411Cは、光源ランプ411Aおよびリフレクタ411Bを内部に収納するものであり、ロアーケース22の底面部分に取り付けられるとともに光学部品用筐体45と接続する。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411Aから射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413の光路後段に配置される。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の後述する各液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変換するタイプの液晶パネルを用いた本実施形態のプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411Aからの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ411Aから射出された光束を略全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された色光を青色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って赤色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光および青色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って緑色光用の液晶パネルに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って青色光用の液晶パネルに達する。なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、3枚の光変調装置となる液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、偏光板442と、視野角補正板444と、クロスダイクロイックプリズム443とを備えている。
液晶パネル441は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441とこれらの光束入射側および射出側にある偏光板442によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
偏光板442は、液晶パネル441の光路前段および光路後段に配置される入射側偏光板442A、射出側偏光板442Bを備える。
入射側偏光板442Aは、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、水晶またはサファイア等からなる基板に偏光膜が貼付されたものである。そして、この入射側偏光板442Aは、光学部品用筐体45を構成する後述する位置調整機構により、光学部品用筐体45内に設定される所定の照明光軸に対して位置調整可能に配置されている。
射出側偏光板442Bも、入射側偏光板442Aと略同様に構成され、液晶パネル441から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム443に貼り付けてもよく、あるいは、基板をクロスダイクロイックプリズム443に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442A、射出側偏光板442Bは、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
視野角補正板444は、基板上に液晶パネル441で形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものである。このような視野角補正板444を配置することにより、黒画面時の光漏れを低減し投射画像のコントラストが大幅に向上する。そして、この視野角補正板444は、入射側偏光板442Aと略同様に、光学部品用筐体45を構成する後述する位置調整機構により、光学部品用筐体45内に設定される所定の照明光軸に対して位置調整可能に配置されている。
クロスダイクロイックプリズム443は、3枚の液晶パネル441から射出された色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイクロイックプリズム443には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。
以上説明した各光学系41〜44は、光学部品用筺体45内に収容されている。
光学部品用筐体45は、図2に示すように、内部に光源装置411から射出された光束の照明光軸Aが設定され、前述の各光学部品412〜415,417,421〜423,431〜434,442A,444を上方からスライド式に嵌め込む溝部(図示略)がそれぞれ設けられた容器状の部品収納部材451と、部品収納部材451の上部の開口を閉塞する蓋状の蓋状部材(不図示)と、蓋状部材の一部を含み、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の双方の位置調整を実施する位置調整機構(不図示)とを備えて構成されている。
また、平面視略L字状の光学部品用筐体45の一端側には、照明光軸A(図2)に対する所定位置に光源装置411が配設され、他端側には、照明光軸Aに対する所定位置に投射レンズ3が固定されている。また、投射レンズ3の光路前段には、電気光学装置44が固定されている。さらに、投射レンズ3の鏡筒は、後述する投射位置調整装置8に取り付けられている。
〔4.投射位置調整装置8の構成〕
図3および図4は、投射位置調整装置8の構造を示す図である。具体的に、図3は、投射位置調整装置8を光路後段側から見た斜視図、図4は、投射位置調整装置8の分解斜視図である。
なお、図3および図4では、説明の便宜上、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
投射位置調整装置8は、投射レンズ3の投射位置(移動位置)を調整する。この投射位置調整装置8は、図4に示すように、固定板81と、第1の移動板82と、第2の移動板83と、補助板84と、支持板85と、第1の調整駆動部86と、第2の調整駆動部87と、付勢部材88と、シフトカバー89とを備える。
固定板81は、光学部品用筐体45(図2)に固定され、投射位置調整装置8全体を支持する部分である。この固定板81は、図4に示すように、平面視略矩形形状を有する。
この固定板81において、略中央部分には、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする平面略円状の開口部811が形成されている。
そして、固定板81における+Z軸方向端面の開口部811周縁部分を第1の移動板82が摺動することとなる。
この固定板81には、開口部811を囲んで5つの固定用孔812が形成されている。そして、これら固定用孔812を介して図示しないねじが光学部品用筐体45の側面に形成された図示しないねじ孔に螺合されることで、固定板81が光学部品用筐体45に固定される。
さらに、この固定板81において、固定板81のZ軸方向に直交する端面の周縁部には、図4に示すように、5つの固定用孔813がZ軸方向に貫通されている。この固定用孔813にはねじ(図示略)が挿通され、このねじが、後述する補助板84の固定用筒842の筒内で螺合されることにより、固定板81および補助板84が接続される。
この固定板81において、+X軸方向端面の+Y軸方向端部側(上端部側)には、+X軸方向に突出する固定用筒814が形成されている。固定用筒814は、+X軸方向端面から−X軸方向に向かってねじ孔が形成されている。
また、この固定板81において、+X軸方向端面の−Y軸方向端部側(下端部側)には、−X軸方向に向かって固定用ねじ孔815が形成されている。
そして、この固定板81において、+Y軸方向端面(上端面)には、図4に示すように、シフトカバー89を固定するための2つのねじ孔816、および、位置決め突起817が形成されている。
また、この固定板81において、+Z軸方向端面には、図4に示すように、複数の補強リブ818が立設されている。このような補強リブ818を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
第1の移動板82は、固定板81よりも小さい平面視略矩形形状を有し、図4に示すように、固定板81に対して+Z軸方向側に配置される。この第1の移動板82は、固定板81における+Z軸方向端面の開口部811周縁部分に当接し、Y軸方向およびX軸方向に移動可能に構成されている。また、第1の移動板82は、投射レンズ3を支持固定し、移動することで、投射レンズ3をY軸方向およびX軸方向に移動する。
この第1の移動板82において、略中央部分には、図4に示すように、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする開口部821が形成されている。
この開口部821は、鏡筒31の外周端部との隙間を小さくするために、鏡筒31の外形寸法に近い寸法を有するように形成されている。このように形成することで、鏡筒31と開口部821との隙間から光が漏れたり、塵埃等がプロジェクタ1内部に侵入したりすることを回避できる。
この第1の移動板82において、開口部821周縁の四隅位置には、投射レンズ3における図示しないフランジ部の固定用孔に対応して、図4に示すように、固定用孔822が形成されている。そして、開口部821に投射レンズ3における鏡筒31を挿通した状態で、+Z軸方向(投射方向と反対側)から、フランジ部の固定用孔を介して、ねじ(図示略)を固定用孔822に螺合することで、投射レンズ3が第1の移動板82に固定される。すなわち、第1の移動板82は、固定板81に対向する端面にて投射レンズ3を支持固定する。
さらに、この第1の移動板82において、+Z軸方向端面の四隅位置には、図4に示すように、付勢用孔823が形成されている。そして、これら付勢用孔823には、後述する付勢部材88がそれぞれ配置される。
そして、この第1の移動板82において、+Z軸方向端面の+X軸方向端部側には、図4に示すように、−Z軸方向に陥設されY軸方向に沿って延びるレール溝824が形成されている。
また、この第1の移動板82において、+X軸方向端面のY軸方向略中央部分には、図4に示すように、移動突起825および移動突起826が、+X軸方向に突出するようにそれぞれ形成されている。
移動突起825,826は、ともに後述する支持板85のトラック孔856に挿通される。このうち、移動突起825は、支持板85の−X軸方向側にて、後述する第1の調整駆動部86の駆動ギアと係合し、前記駆動ギアの力を受ける。これら移動突起825,826は、+X軸方向端面から−X軸方向に向かってねじ孔(図示略)が形成されている。
なお、移動突起826の+Y軸方向側には、第1の移動板82の+X軸方向端面から移動突起826に沿って突出する補強板826Aが形成されている。この補強板826Aは、−Y軸方向端部が移動突起826と一体となっている。
移動突起825,826の+X軸方向端面には、図4に示すように、以下に説明する架橋部材827が架橋される。
この架橋部材827は、Y軸方向に伸びる長尺部材であり、そのY軸方向両端部(上下端部)には、X軸方向に貫通された固定用孔827A,827Bがそれぞれ形成されている。この固定用孔827A,827BのY軸方向の間隔は、移動突起825,826のY軸方向の間隔と一致している。
そして、この架橋部材の固定用孔827A,827Bを介して、移動突起825,826のねじ孔に螺合するねじ827Cによって、架橋部材827は、移動突起825,826の+X軸方向端面に接合される。
移動突起826に架橋部材827の形成・接合により、移動突起825のY軸方向の強度を補強することができる。すなわち、移動突起825は、駆動ギアから力を受けるため、Y軸方向に折れやすい恐れがある。しかしながら、移動突起825の−Y軸方向側に移動突起826を形成し、さらに、架橋部材827が、移動突起825,826に対しY軸方向に架橋したことから、移動突起825にかかる力を、移動突起826および架橋部材827へ分散させることができる。さらにまた、移動突起826に補強板826Aを形成したことから、移動突起826を折れにくくし、なお一層、移動突起825を補強することができる。
また、第1の移動板82は、第2の移動板83とともに、X軸方向に移動される。第1の移動板82が、支持板85に対し、−X軸方向に最大限移動できるように、移動突起825,826および補強板826Aは、X軸方向に十分に長い寸法を有している。
この第1の移動板82において、+Z軸方向端面には、図4に示すように、複数の補強リブ828が立設されている。このような補強リブ828を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
第2の移動板83は、第1の移動板82と同様の形状を有し、図4に示すように、第1の移動板82に対して+Z軸方向側に配置される。この第2の移動板83は、X軸方向に移動可能に構成され、第1の移動板82と係合し、移動することで第1の移動板82をX軸方向に移動させる。
この第2の移動板83において、−Z軸方向端面には、第1の移動板82のレール溝824に対応する位置に、Y軸方向に沿って延びる摺動突起830が形成されている。摺動突起830は、投射位置調整装置8を組み合わせた状態で、第1の移動板82のレール溝824に係合される。これにより、第1の移動板82は、レール溝824および摺動突起830により案内されて第2の移動板83に対してY軸方向に移動する。また、第1の移動板82は、レール溝824および摺動突起830により、第2の移動板83のX軸方向の移動に連動して、X軸方向に移動する。
この第2の移動板83において、略中央部分には、図4に示すように、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする開口部831が形成されている。
この開口部831は、第2の移動板83に対して第1の移動板82が移動し投射レンズ3が移動した際に、鏡筒31の外周端部と開口部831の内周端部とが機械的に干渉しないように、鏡筒31の外周形状よりも大きい形状を有している。
さらに、この第2の移動板83において、+Z軸方向端面の+Y軸方向側(上方側)の角隅部分には、図4に示すように、−Z軸方向に窪む凹部832が成されている。そして、凹部832には、第2の調整駆動部87を構成するダイアルギア、中間ギア、および駆動ギアがそれぞれ配置される。そして、凹部832には、図4に示すように、+Z軸方向に突出し、前記駆動ギアと係合し、前記駆動ギアの力を受ける移動突起833が形成されている。
さらにまた、この第2の移動板83において、+Z軸方向端面の−Y軸方向端部側には、図4に示すように、+Z軸方向に突出しX軸方向に沿って延び、補助板84と係合する係合突起834が形成されている。
また、この第2の移動板83において、+Y軸方向端部(上端部)のX軸方向略中央部分には、図4に示すように、XY平面の断面が略半円状となる凹部835が形成されている。そして、この凹部835には、後述する付勢部材88が配置される。
この第2の移動板83において、凹部832を除く+Z軸方向端面には、図4に示すように、複数の補強リブ836が立設されている。このような補強リブ836を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
補助板84は、固定板81と同様の形状を有し、図4に示すように、第2の移動板83に対して+Z軸方向側に配置され、固定板81とで第1の移動板82および第2の移動板83を挟装する。
この補助板84において、略中央部分には、図4に示すように、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする開口部841が形成されている。
この開口部841は、投射レンズ3が移動した際に、鏡筒31の外周端部と開口部841の内周端部とが機械的に干渉しないように、鏡筒31の外周形状よりも大きい形状を有している。
この補助板84において、−Z軸方向端面には、図4に示すように、固定板81の5つの固定用孔813の位置に対応して、−Z軸方向に突出し、固定板81と接続するための5本の固定用筒842が形成されている。
これら固定用筒842は、+Z軸に向かって内部にねじ孔が形成されている。そして、固定用筒842を固定板81の固定用孔813に当接した状態で、固定用孔813を介してねじを固定用筒842のねじ孔に螺合することで、固定板81に対して補助板84が固定される。
さらに、この補助板84において、+Z軸方向端面の+Y軸方向側(上方側)で−X軸方向側の角隅部分には、図4に示すように、−Z軸方向に窪む凹部843が形成されている。そして、凹部843には、第2の調整駆動部87を構成するダイアル871が配置される。
また、この凹部843には、図4に示すように、+Z軸方向に突出し、内部に挿通孔844Aが形成された軸支部844が形成されている。そして、この軸支部844は、挿通孔844Aに第2の調整駆動部87を構成するダイアルギアの回動軸が挿通され、ダイアル871および前記ダイアルギアを回転可能に軸支する。
この凹部843の裏面(−Z軸方向端面)には、第2の調整駆動部87の中間ギアを回転可能に軸支する回動軸845A(図6)が形成されている。さらに、−Z軸方向端面には、回動軸845Aの−Y軸方向側(下方側)に、第2の調整駆動部87の駆動ギアを回転可能に軸支する回動軸845B(図6)が形成されている。
この補助板84において、+Y軸方向端部(上端部)には、図4に示すように、シフトカバー89を位置決めするための2つの位置決め突起846A、および、固定するための2つのねじ孔846Bが形成されている。
また、この補助板84において、+X軸方向端面には、支持板85を固定するための固定用筒847A,847B(図6)と、第1の調整駆動部86のダイアルギア、第2中
間ギアおよび駆動ギアを回転可能に軸支する回動軸848A,848B,848C(図5、図6)とが形成されている。なお、固定用筒847A,847Bには、−X軸方向に向かってねじ孔が形成されている。
さらに、この補助板84において、+Z軸方向端面には、図3および図4に示すように、複数の補強リブ849が立設されている。このような補強リブ849を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
この補助板84において、−Z軸方向端面には、第2の移動板83の係合突起834に対応する位置に、X軸方向に沿って伸びる係合凹部840(図6)が形成されている。この係合凹部840は、係合突起834のX軸方向の長さ寸法に第2の移動板83のX軸方向への移動量を加えた寸法よりも大きい長さ寸法を有するように形成されている。投射位置調整装置8を組み合わせた状態では、第2の移動板83の係合突起834が補助板84の係合凹部840に挿通される。そして、第2の移動板83は、係合突起834および係合凹部840により案内されて補助板84に対してX軸方向に移動する。
支持板85は、図3および図4に示すように固定板81、第1の移動板82、第2の移動板83、および補助板84に対して+X軸方向側に配置され、第1の調整駆動部86を支持するとともに、固定板81および補助板84の接続状態を補強する部分である。
この支持板85では、図4に示すように、−Y軸方向側(下方側)の部位852が、+Y軸方向側(上方側)の部位851に対して、+X軸方向に膨出している。
この支持板85において、部位851の+Y軸方向側(上方側)には、図4に示すように、表裏を貫通する軸支部853が形成されている。そして、この軸支部853には、第1の調整駆動部86を構成するダイアルギアの軸部が挿通され、ダイアル861および前記ダイアルギアが回転可能に軸支される。
さらに、この支持板85において、部位851の+Y軸方向側(上方側)で+Z軸方向側の角隅部、および、部位851の−Y軸方向側(下方側)の+Z軸方向側には、固定用孔854A,854Bが形成されている。
この固定用孔854A,854Bを介して、補助板84の固定用筒847A,847Bのねじ孔にそれぞれ螺合するねじによって、支持板85が補助板84に固定される。
さらに、この支持板85において、部位851には、図4に示すように、固定板81の固定用筒814および固定用ねじ孔815に対応する位置に、それぞれ固定用孔855Aおよび固定用孔855Bが形成されている。そして、固定用孔855A,855Bを介して、固定板81の固定用筒814および固定用ねじ孔815にねじを螺合することで、支持板85が固定板81に対して固定される。
そして、この支持板85において、部位851から部位852へかけて、図4に示すように、第1の移動板82の移動突起825,826に対応する位置にトラック孔856が形成されている。このトラック孔856は、図4に示すように、Y軸方向に延びるように形成されている。
投射位置調整装置8を組み立てた状態では、トラック孔856に移動突起825,826が挿通され、第1の移動板82の移動に応じて移動突起825,826が支持板85に機械的に干渉することが回避される。
図5は、第1の調整駆動部86の構造を示す図である。具体的に、図5は、投射位置調整装置8から支持板85を取り外した状態を+X軸方向から見た図である。なお、図5では、図3および図4と同様に、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
第1の調整駆動部86は、利用者の操作により第1の移動板82をY軸方向に移動させ、投射レンズ3の投射位置をY軸方向に変更させる部分である。この第1の調整駆動部86は、図4または図5に示すように、ダイアル861(図4)と、ダイアルギア862と、第1中間ギア863と、第2中間ギア864と、駆動ギア865とを備える。
ダイアル861は、その一部が外装筺体2におけるアッパーケース21の上面から露出し、利用者により操作される操作部である。このダイアル861は、図4に示すように、略円柱形状を有し、内部に空間を有する蓋状に形成され、支持板85の+X軸方向側に配置されている。ダイアル861の中心には、固定用の孔が形成されている。
ダイアルギア862は、ダイアル861と係合し、ダイアル861とともに回転し、該回転を第1中間ギア863に伝達するものであり、図4に示すように、支持板85の−X軸方向側に配置される。このダイアルギア862は、図4または図5に示すように、軸部862Aと、歯車862Bとで構成される。
軸部862Aは、円柱形状を有し、先端面から軸部862A側へ向かってねじ孔(図示略)が形成されている。この軸部862Aのねじ孔に、+X軸方向から、ダイアル861の中心の孔、および、支持板85の853を介したねじが螺合されることにより、ダイアル861が支持板85に軸支される。
歯車862Bは、軸部862Aの基端部分と接続し、第1中間ギア863の後述する第1歯車と噛合し、ダイアル861の回転を第1中間ギア863に伝達する。この歯車862Bの回転中心には、図5に示すように、円孔862B1が形成され、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、該円孔862B1が補助板84の回動軸848Aに挿通され、ダイアルギア862が回動軸848Aに回転可能に軸支される。
第1中間ギア863は、ダイアルギア862の歯車862B、および、第2中間ギア864の歯車864Aと噛合するものであり、支持板85の−X軸方向側に配置される。第1中間ギア863は、ダイアルギア862の回転を第2中間ギア864に伝達する。
第2中間ギア864は、図4に示すように、径寸法が大きい第1歯車864Aと、径寸法が小さい第2歯車864Bとが一体的に構成されたものであり、支持板85の−X軸方向側に配置される。
第1歯車864Aは、第1中間ギア863と噛合するものである。
第2歯車864Bは、駆動ギア865の噛合部と噛合するものであり、第1歯車864Aとともに第1中間ギア863の回転を駆動ギア865に伝達する。そして、第2中間ギア864の回転中心には、図5に示すように、円孔864Cが形成され、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、該円孔864Cが補助板84の回動軸848Bに挿通され、第2中間ギア864が回動軸848Bに回転可能に軸支される。
駆動ギア865は、図4または図5に示すように、平面視扇形状を有し、支持板85の−X軸方向側に配置される。この駆動ギア865は、図5に示すように、ギア本体865Aと、噛合部865Bとで構成される。
ギア本体865Aは、固定板81の回動軸848Cに回転可能に軸支される部分であり、基端部分に補助板84の回動軸848Cを挿通可能とする円孔865Cが形成されている。
また、ギア本体865Aには、円孔865Cの中心位置から放射状に拡がる方向に延びるトラック孔865Dが形成されている。そして、このトラック孔865Dには、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、第1の移動板82の移動突起825が挿通される。
噛合部865Bは、ギア本体865Aの先端部分の円弧状部分に形成され、第2中間ギア864の第2歯車864Bと噛合する。
以上のような構成により、利用者がY1方向(図5)にダイアル861を回転させると、該ダイアル861の回転がダイアルギア862、第1中間ギア863および第2中間ギア864にて駆動ギア865に伝達され、駆動ギア865が回動軸848Cを中心としてY5方向(図5)に回転する。
この際、トラック孔865Dにて移動突起825が案内され、第1の移動板82が−Y軸方向(下方向)に移動する。そして、第1の移動板82とともに、投射レンズ3が−Y軸方向(下方向)に移動し、投射位置が−Y軸方向(下方向)に調整される。
また、利用者がY2方向(図5)にダイアル861を回転させた場合には、上記と逆に、駆動ギア865が回動軸848Cを中心としてY6方向(図5)に回転する。この際、トラック孔865Dにて移動突起825が案内され、第1の移動板82が+Y軸方向(上方向)に移動し、投射位置が+Y軸方向(上方向)に調整される。
図6は、第2の調整駆動部87の構造を示す図である。具体的に、図6は、補助板84に第2の調整駆動部87が配置された状態を−Z軸方向から見た図である。なお、図6では、図3および図4と同様に、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
第2の調整駆動部87は、利用者の操作により第2の移動板83をX軸方向に移動させ、該第2の移動板83の移動に第1の移動板82が連動することで、投射レンズ3の投射位置をX軸方向に変更させる部分である。この第2の調整駆動部87は、第1の調整駆動部87のダイアル861(裏面の孔を含む)、ダイアルギア862(軸部862A、歯車862B、および円孔862B1を含む)、第2中間ギア864(第1歯車864A、第2歯車864B、および円孔864Cを含む)、駆動ギア865(ギア本体865A、噛合部865B、円孔865C、およびトラック孔865Dを含む)と同様の、ダイアル871(裏面の孔を含む)、ダイアルギア872(軸部872A、歯車872B、および円孔872B1を含む)、中間ギア873(第1歯車873A、第2歯車873B、および円孔873Cを含む)、駆動ギア874(ギア本体874A、噛合部874B、円孔874C、およびトラック孔874Dを含む)を備える。
ダイアル871は、その一部が外装筐体2におけるアッパーケース21の上面から露出し、利用者により操作される操作部であり、図4に示すように、補助板84の+Z軸方向側に配置され、補助板84の凹部843に配置される。
ダイアルギア872は、図4に示すように、補助板84の−Z軸方向側に配置される。そして、このダイアルギア872は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、図4に示すように、軸部872Aが補助板84の挿通孔844Aに挿通される。そして、軸部872Aのねじ孔とダイアル871の裏面における孔とが螺合されることにより、ダイアル871が補助板84に軸支される。
中間ギア873は、図6に示すように、補助板84の−Z軸方向側に配置される。そして、この中間ギア873は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、図6に示すように、円孔873Cに補助板84の回動軸845Aに挿通され、中間ギア873が回動軸845Aに回転可能に軸支される。
駆動ギア874は、図4に示すように、補助板84の−Z軸方向側に配置される。そして、この駆動ギア874は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、図6に示すように、円孔874Cに補助板84の回動軸845Bが挿通され、駆動ギア874が回動軸845Bに回転可能に軸支される。また、駆動ギア874は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、トラック孔874Dに第2の移動板83の移動突起833が挿通される。
以上のような構成により、利用者がX1方向(図6)にダイアル871を回転させると、該ダイアル871の回転がダイアルギア872および中間ギア873にて駆動ギア874に伝達され、駆動ギア874が回動軸845Bを中心としてX6方向(図6)に回転する。この際、トラック孔874Dにて移動突起833が案内され、第2の移動板83が−X軸方向に移動する。ここで、第2の移動板83の摺動突起830と第1の移動板82のレール溝824により、第2の移動板83とともに第1の移動板82が−X軸方向に移動する。そして、第1の移動板82とともに、投射レンズ3が−X軸方向に移動し、投射位置が−X軸方向に調整される。
また、利用者がX2方向(図6)にダイアル871を回転させた場合には、上記と逆に、駆動ギア874が回動軸845Bを中心としてX5方向(図6)に回転する。この際、トラック孔874Dにて移動突起833が案内され、第2の移動板83および第1の移動板82が+X軸方向に移動し、投射位置が+X軸方向に調整される。
シフトカバー89は、図3および図4に示すように、投射位置調整装置8の+Y軸方向端部側(上端部側)、および投射レンズ3の+Y軸方向側(上方側)に配置されている。
このシフトカバー89は、固定板81および補助板84に固定される部分であり、平面視矩形状の板体から構成される。
このシフトカバー89には、図4に示すように、固定板81の2つのねじ孔816、および補助板84の2つのねじ孔846Bに対応して、4つの固定用孔89Aが形成されている。また、固定板81の位置決め突起817、および、補助板84の2つの位置決め突起846Aに対応して、3つの位置決め用孔89Bが形成されている。
そして、3つの位置決め用孔89Bに、それぞれ位置決め突起817,846Aを挿通することで、各部材81〜84に対してシフトカバー89が位置決めされ、4つの固定用孔89Aを介してねじ(図示略)を固定板81および補助板84の各ねじ孔816,846Bに螺合することで、各部材81〜84に対してシフトカバー89が固定される。
また、このシフトカバー89には、図4に示すように、第2の調整駆動部87のダイアル871に対応して、開口部89C形成されている。すなわち、各部材81〜84に対してシフトカバー89を固定した状態では、開口部89Cを介してダイアル871の一部が露出することとなる。
付勢部材88は、図4に示すように、第1の移動板82および第2の移動板83の間に配置される4つの第1付勢部材88Aと、第2の移動板83およびシフトカバー89の間に配置される1つの第2付勢部材88Bとで構成される。
4つの第1付勢部材88Aは、止め具88A1と、ばね88A2とから構成される。そして、図4に示すように、第1の移動板82の4つの付勢用孔823に、それぞれ、+Z軸方向から、ばね88A2が挿入され、さらに、挿入されたばね88A2を介して止め具88A1が嵌合されている。このため、止め具88A1にはZ軸方向の付勢が働く。
従って、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、これら第1付勢部材88Aは、第1の移動板82を固定板81に対して付勢するとともに、第2の移動板83を補助板84に対して付勢する。
これにより、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、第2の移動板83を第1移動板82および補助板84に対して付勢することができる。このため、第2の移動板83と第1の移動板82および補助板84との間に製造公差等により生じる隙間を第1付勢部材88Aにより埋めることができ、第2の移動板83をX軸方向に移動させる際に、第2の移動板83がガタつくことがなく、第2の移動板83を良好に移動させることができる。また、第1付勢部材88Aを上記のように介装することで、第1の移動板82も固定板81に対して付勢されることとなり、固定板81に対して第1の移動板82も良好に移動させることができる。したがって、各移動板82,83を移動させ投射位置を調整する際に投射位置が波打つことなく、投射位置をさらに高精度に調整できる。
第2付勢部材88Bは、図4に示すように、樹脂材料を成形加工により形成した円筒形状を有する成形品である。そして、この第2付勢部材88Bは、円筒軸方向がZ軸方向に向くように第2の移動板83の凹部835に配置される。そして、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、この第2付勢部材88Bは、第2の移動板83を補助板84に対して−Y軸方向(下方向)に付勢する。すなわち、補助板84の係合凹部840に対して第2の移動板83の係合突起834が−Y軸方向(下方向)に付勢されることとなる。
これより、第2の移動板83と補助板84との間に製造公差等により生じる隙間を第2付勢部材88Bにより埋めることができ、第2の移動板83をX軸方向に移動させる際に、第2の移動板83がガタつくことがなく、第2の移動板83を良好に移動させることができる。したがって、第2の移動板83をX軸方向に移動させ投射位置をX軸方向に調整する際に投射位置が波打つことなく、投射位置をさらに高精度に調整できる。
〔5.投射レンズ3の構成〕
投射レンズ3は、3群のレンズ群と、図3に示すように、投射レンズ3全体を支持しプロジェクタ1内部に固定される筒状の鏡筒31と、スクリーンに拡大投射された投影画像のフォーカス調整を実施する第1画像調整部としてのフォーカス調整部32と、投影画像のズーム調整を実施するための第2画像調整部としてのズーム調整部33とを備え、いわゆるフォーカス機能とズーム機能を有する投射レンズ3として構成されている。
ズーム調整部33には、鏡筒31の外周に回転自在に設けられたズーム調整リング331と、このズーム調整リング331から−Z軸方向に延出するズーム補助リング332とが設けられている。
ズーム補助リング332の外周には、2つのフランジ状の張出部332A(図3),332B(図7)が形成されている。これらの張出部332A,332Bによって係合溝333が形成されている。この係合溝333には、延出部材としてのフランジリング11が係合される。
フランジリング11は、図3に示すように、ズーム調整部33のズーム補助リング332の係合溝333に係合される環状部材であり、第1フランジ111および第2フランジ112から構成されている。
第1フランジ111および第2フランジ112は、鏡筒31の円筒軸を中心とする半円弧形状を有し、この半円弧がZ軸方向に直交する面に沿って円周上に拡張する半環状板部材である。そして、第1フランジ111および第2フランジ112の内側円周は、ズーム補助リング332の円筒外周と略同径である。
第1フランジ111において、一方の周端部には、周方向に沿って突出する係止凸部111Aが形成されている。そして、第1フランジ111の他方の周端部には、係合凹部111Bが形成されている。
第2フランジ112の周端部においても、第1フランジ111の係止凸部111Aおよび係合凹部111Bと同様の、係止凸部112Aおよび係合凹部112Bが形成されている。
これら第1フランジ111および第2フランジ112は、その内側円周縁が、ズーム補助リング332の係合溝333に係合されることにより、投射レンズ3に取り付けられる。そして、このように内側円周縁をズーム補助リング332の係合溝333に係合させながら、第1フランジ111の係止凸部111A、および、第2フランジ112の係合凹部112Bが周方向に沿って係合し、第2フランジ112の係止凸部112Aおよび、第1フランジ111の係合凹部111Bが周方向に沿って係合することで、フランジリング11が構成される。
〔6.遮光装置10の構成〕
図7〜図10を用いて、遮光装置10の構成を説明する。
図7は、フロントケース23に投射レンズ3および投射位置調整装置8が取り付けられた状態での遮光装置10の構成を示す斜視図、図8および図9は、フロントケース23に遮光装置10の一部が取り付けられた状態を示す斜視図およびその分解斜視図である。図10は、遮光装置10を構成するベースプレート12の光路後段側から見た斜視図である。なお、図7〜図9は、図3および図4と同様に、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
遮光装置10は、図7に示すように、投射位置調整装置8と、フロントケース23との間に配置されて、フロントケース23の露出用開口231および投射レンズ3の隙間を遮蔽して隙間から外部に向かう光を遮光するものである。そして、遮光装置10は、投射レンズ3の外周に固定された前述のフランジリング11と、フロントケース23の内面側に固定された保護部材としてのベースプレート12と、このベースプレート12とフロントケース23との間に形成されたスペースに配置された遮光部材としての遮光シート13とを備えている。
ベースプレート12は、図8〜図10に示すように、フロントケース23の内面に設けられている。ベースプレート12は、フロントケース23の露出用開口231と同じ寸法の開口121を有する環状部材である。この開口121は、投射レンズ3の投射方向先端部を貫通させて外部に露出させるために設けられている。露出用開口231周縁部分には、遮光シート13と当接する当接部235が形成されている。
当接部235は、露出用開口231内周縁からフロントケース23内部側へ円筒状に延出する円筒部235Aと、この円筒部235Aの周りに形成される複数のリブ部235Bとから構成される。ベースプレート12は、当接部235を覆う状態でフロントケース23に固定される。なお、ベースプレート12と当接部235との間には、後述する遮光シート13を収納可能なスペースが形成される。
具体的には、ベースプレート12には、図10に示すように、外周縁に沿って等間隔に複数の孔122を有する突出部123が形成されている。また、ベースプレート12の外周縁には、+Z軸方向に突出する鍔部124が形成されている。鍔部124は、遮光シート13の移動を規制するために設けられたものである。また、鍔部124の突出寸法は、遮光シート13の厚さ寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されており、ベースプレート12をフロントケース23に取り付けて遮光シート13を収納した際に、遮光シート13がフロントケース23とベースプレート12との間でたわんだりせず、また引っ掛かったりしないでスムーズに移動可能に挟持されるように構成されている。
一方、図8および図9に示すように、フロントケース23の露出用開口231の内面側周縁部には、ベースプレート12側へ突出する突起部234が、孔122と同様に、露出用開口231に沿って等間隔に形成されている。ベースプレート12の孔122および孔122に挿通されるフロントケース23の突起部234は、互いに例えば熱溶着によって接合される。
遮光シート13は、フロントケース23にベースプレート12が組み立てられた状態で、フロントケース23およびベースプレート12の間に介在される環状の樹脂製シート部材(例えば、ポリカーボネート製)である。
遮光シート13は、平面視円形で中央部に平面視円形の開口131を有している。開口131の内径寸法は、ズーム調整部33のズーム補助リング332(図3)の外径寸法よりも大きく、フロントケース23の露出用開口231の内径寸法より小さく設定されている。遮光シート13の開口131およびズーム補助リング332の外周の間には、所定の隙間が形成されている。このように、遮光シート13は、投射レンズ3の外周を囲むように設けられ、投射方向に直交する平面内に沿って外側に延出されている。
また、遮光シート13の外径寸法は、フロントケース23の露出用開口231よりも大きく、ベースプレート12の鍔部124の内径寸法よりも小さく設定されている。さらに、遮光シート13の外径寸法は、投射レンズ3が投射方向に直交する方向へ移動した際に、投射レンズ3の全ての投射位置において露出用開口231の周縁を覆うことができるように設定されている。そして、遮光シート13の外周縁は、ベースプレート12に投射方向基端側から覆われている。
なお、投射レンズ3が投射方向に直交する方向に移動して遮光シート13に当接した際、投射レンズ3および遮光シート13の間隔が最大となる部分の間隔をL3−13MAX(図13)とすると、フランジリング11における投射レンズ3の外周から投射方向に直交する平面に沿って拡張する長さは、間隔L3−13MAXより少し大きく設定される。
上述した本実施形態における効果を図11〜図13に基づいて説明する。
図11〜図13は、遮光装置10の効果を説明するために、投射レンズ3、露出用開口231および遮光シート13を投射方向から模式的に示した図である。
まず、投射レンズ3の投射方向に直交する平面内の外周に、この外周を囲む環状に形成された遮光シート13が設けられ、当該遮光シート13は、フロントケース23の露出用開口231周縁部分とベースプレート12との間を移動可能である。このため、図11に示すように、投射レンズ3が露出用開口231に対して図中の左へ移動すると、遮光シート13も同じ方向に移動する。これによって、投射レンズ3と露出用開口231との間の隙間は、投射レンズ3の図中の右側において大きくなるが、その隙間部分に移動した遮光シート13が配置される(図中のハッチング部分)。従って、投射レンズ3と露出用開口231との隙間から外部に向かう光を遮光できる。
また、プロジェクタ1が落下等により衝撃を受けた場合、投射レンズ3が衝撃によって投射方向に直交する平面に沿って急激に移動することが考えられる。このような場合、投射レンズ3の外周が、遮光シート13をその移動可能な範囲を超えて押してしまう可能性がある。図12に示すように、遮光シート13が、ベースプレート12における環状の外周縁に形成された鍔部124によって、移動を規制されている。そして、投射レンズ3が衝撃によって露出用開口231に対して図中の下へ急激に移動して、投射レンズ3が、遮光シート13を鍔部124と当接する位置に達するまで下方向に押したとする。このような場合、移動を規制された遮光シート13が、さらに投射レンズ3によって下方向に押されるとしても、遮光シート13は、露出用開口231周縁部分とベースプレート12との間に挟持される(図中のハッチング部分)ので、投射方向に直交する平面の面外方向に変形する力を露出用開口231とベースプレーと12とで抑制できる。従って、遮光シート13が変形したり、遮光シート13に亀裂が生じたりすることを阻止できる。これによって、遮光シート13の破損が防止され、遮光シート13が保護される。
特に、遮光シート13がシート状の部材で構成されるので、遮光装置10の薄型軽量化を図ることもできる。
また、投射レンズ3と遮光シート13における環状の内周縁である開口131との間に所定の隙間が設けられるので、投射レンズ3の移動量に対する遮光シート13の移動量を小さくできる。図13に示すように、投射レンズ3および遮光シート13が左へ移動する前の状態(図中の二点鎖線で示す位置)において、投射レンズ3と遮光シート13の開口131との間に所定の隙間L3−13が設けられている場合を考える。投射レンズ3が左へ移動すると、まず、投射レンズ3が隙間L3−13分だけ移動して、遮光シート13の開口131に当接する。そして、投射レンズ3は、遮光シート13と一緒に左へ移動する。このことから、投射レンズ3の移動量Lに対して、遮光シート13の移動量L13は、所定の隙間L3−13分だけ短くなる。従って、投射レンズ3の移動量に対して遮光シート13の移動量を小さくできるので、投射レンズ3の移動方向に沿った遮光シート13の長さ(延出)寸法を小さくでき、フロントケース23の小型化を図ることができる。このことから、投射レンズ3の移動量を大きくした場合であっても、プロジェクタ1の小型化を図ることができる。
また、投射レンズ3の外周にフランジリング11が固定されているので、遮光シート13と投射レンズ3との間の隙間から外部に向かう光をフランジリング11と遮光シート13との2段構造で効果的に遮光できる。図13に示すように、投射レンズ3が左に移動した場合に生じる投射レンズ3と遮光シート13の開口131との間の隙間(図中のハッチング部分)を覆うことができるようにフランジリング11が形成される。従って、投射レンズ3と露出用開口231との間の遮光性を維持できる。ここで、フランジリング11としては、少なくとも遮光シート13と投射レンズ3との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする大きさを有していればよいので、例えば、フランジリング11のみで遮光する場合と比較して、フランジリング11を小さくすることができ、プロジェクタの小型化を図ることができる。
また、フランジリング11は、半円弧形状を有する第1フランジ111および第2フランジ112から構成されているため、フランジリング11の成型が容易となり、さらに、第1フランジ111および第2フランジ112をズーム補助リング332を介して係合させれば、フランジリング11をズーム補助リング332へ容易に係合させることができる。
〔7.実施形態の変形〕
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前記実施形態は、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、遮光部材としてシート状の遮光シート13を説明したが、遮光部材としては成形部材のようにシート状のものよりも一般的に剛性の高い部材で形成されたものでもよい。
また、前記実施形態では、遮光装置10は、投射位置調整装置8およびフロントケース23の間に配置されているが、フロントケース23の外側に配置された状態で露出用開口231および投射レンズ3の隙間を遮蔽して隙間から外部に向かう光を遮光する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、フランジリング11、ベースプレート12および遮光シート13は、外周形状が円形に形成され、円形の開口を有しているが、少なくとも環状であれば四角形であっても他の形状であってもよい。
また、前記実施形態では、遮光シート13の開口131および投射レンズ3の外周の間には、所定の隙間が形成されているが、遮光シート13は、投射レンズ3の外周径と同径であってもよい。
また、遮光シート13の外径寸法は、投射レンズ3が投射方向に直交する方向へ移動した際に、投射レンズ3の全ての投射位置において露出用開口231の周縁を覆うことができるように設定されているが、本発明では、必ずしも、遮光シート13が投射レンズ3の全ての投射位置において露出用開口231の周縁を覆っている必要はなく、少なくとも、投射レンズ3と露出用開口231の周縁との間の隙間の一部を遮光していればよい。
また、前記実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、プロジェクタに利用することができる。
本実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態における画像投射装置の光学系を模式的に示す平面図。 前記実施形態における投射位置調整装置を投射方向前方側から見た斜視図。 前記実施形態における投射位置調整装置の分解斜視図。 前記実施形態における第1の調整駆動部の構造を示す図。 前記実施形態における第2の調整駆動部の構造を示す図 前記実施形態における遮光装置の構成を示す斜視図。 前記実施形態における遮光装置の一部の構成を示す斜視図。 前記実施形態における遮光装置の一部の構成を示す分解斜視図。 前記実施形態におけるベースプレートを投射方向前方側から見た斜視図。 前記実施形態における遮光装置の構成を示す模式図。 前記実施形態における遮光装置の構成を示す模式図。 前記実施形態における遮光装置の構成を示す模式図。
符号の説明
1…プロジェクタ、2…外装筐体、3…投射レンズ(投射光学装置)、8…投射位置調整装置、10…遮光装置、11…フランジリング(延出部材)、12…ベースプレート(保護部材)、13…遮光シート(遮光部材)、231…露出用開口、411…光源装置、441…液晶パネル(光変調装置)。

Claims (2)

  1. 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光学像をスクリーンに拡大投射する投射光学装置と、前記投射光学装置を投射方向に直交する面内で移動させて前記投射光学装置の投射位置を調整する投射位置調整装置と、これら前記光源装置、前記光変調装置、前記投射光学装置および前記投射位置調整装置を内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、
    前記外装筐体には、前記投射光学装置における投射方向先端部を外部に露出させる露出用開口が形成され、
    前記投射光学装置と前記露出用開口との隙間から外部に向かう光を遮光する遮光装置を備え、
    前記遮光装置は、
    前記投射光学装置の外周を囲む環状に形成され、投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記投射光学装置と前記露出用開口との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする遮光部材と、
    内周縁が前記遮光部材における環状の内周縁よりも大きい環状に形成され、投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記露出用開口周縁部分に接続可能に構成され、前記露出用開口周縁部分との間で前記遮光部材を前記投射方向に直交する平面に沿って移動可能に挟持する保護部材とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記遮光部材は、環状の内周縁と前記投射光学装置との間に所定の隙間を有するように形成され、
    前記投射光学装置の外周に固定され、前記外周から前記投射方向に直交する平面に沿って延出し、前記投射光学装置と前記遮光部材における環状の内周縁との隙間から外部に向かう光を遮光可能とする延出部材を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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