JP2008063698A - 無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維 - Google Patents

無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】高い柔軟性を有し、軽量で着用感に優れるとともに、刃物等の突刺しに対して良好な防護性能を有する防刃衣料用として好適な布帛を得ることのできる無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維を提供する。
【解決手段】特定の官能基を表面に有する無機微粒子を、芳香族ポリアミド繊維に対して特定量含有させた無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維とする。すなわち、その表面に、紡糸用溶液(ドープ)を構成する溶媒に対して親和性のある官能基を有する無機微粒子を、芳香族ポリアミド繊維全体に対して5質量%以上50質量%以下の含有量となるよう含有させた無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機微粒子を含有してなる芳香族ポリアミド繊維に関する。さらに詳しくは、高い柔軟性を有し、軽量で着用感に優れるとともに、刃物等の突刺しに対して良好な防護性能を有する防刃衣料用として好適な布帛を得ることのできる無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維に関する。
従来、先端の鋭利なアイスピックや刃物等から身体を保護するための防刃材料としては、様々な素材、形態のものが知られている。そして、このような防刃材料としては、一般的に、チタン板、ステンレス板、セラミック板等が多用されている。
しかしながら、チタン板、ステンレス板は比重が大きいうえ、十分な防刃性能を得るためにはある程度の厚みが必要となり、このため、非常に重い材料となってしまっていた。また、衣服としての着用を考える場合には、全く柔軟性がないため、着用者にとってはかなりの負担となっていた。一方でセラミック板においては、チタン板やステンレス板等の金属板と比べれば軽量ではあるものの、いまだ十分に軽いとはいえる材料ではなく、また、柔軟性もないため衣服とした場合の着心地にも劣るものであった。
そこで、軽量であり、かつ、柔軟性を満足できる材料として、高強力な芳香族ポリアミド繊維を防刃材料として用いる試みがなされている。
例えば、特許文献1においては、高強力な芳香族ポリアミド繊維からなるシートに、針金等の各種の硬質部材を多数独立して存在せしめた防刃材料が提案されている。
また、特許文献2から4においては、芳香族ポリアミド繊維からなる不織布に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性または熱硬化性の樹脂やエラストマー等を含浸させて得られる、芳香族ポリアミド繊維シートを含む複合体が提案されている。また、特許文献5においては、芳香族ポリアミド繊維からなる不織布にロジンを含浸する方法が提案されている。
さらに、特許文献6および7においては、芳香族ポリアミド繊維からなる布帛状物に、高硬度セラミックス粒子等の硬質無機粒子を固着させることが提案されている。特許文献6および7によれば、硬質無機粒子の存在によって防刃性能を高めるとともに、得られる防刃材料の厚みを薄くできることから軽量化が可能となる。
特開昭63−267898号公報 特開昭60−152898号公報 特開昭61−209228号公報 実開平3−104692号公報 特開平10−008363号公報 特開昭62−062198号公報 特開2002−201566号公報
しかしながら特許文献1に記載された防刃材料は、一部に硬質部材が締付されていることから、繊維織布や不織布のみの場合ように、自由自在に体にフィットするものではなかった。しかも、硬質部材のピースとピースの間隔をある幅以上に規定していることから、この間に刃物やアイスピック等の先端が入った場合には、防刃性能が極端に弱いという重大な欠点を有していた。
特許文献2から4における複合材料を用いる場合には、十分な防刃性能を発現させるレベルにまで樹脂等を含浸すると、各種樹脂板と同等の硬さになってしまうことから柔軟性に問題が生じ、着心地の点でいまだ満足できるものではなかった。また、特許文献5における複合材料によれば、柔軟性においてはある程度満足できるものの、さらなる防刃性能が必要な場合には、いまだ満足できるものではなかった。
さらに、特許文献6および7においては、硬質無機粒子の存在によって防刃性の向上に非常に効果がみられるものの、布帛の硬さが不均一となったり、あるいは、縫製が困難であることから、いまだ満足できる着用感が得られるものではなかった。また、固着させた無機粒子の脱落においても、問題となる場合があった。
本発明は、このような従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、高い柔軟性を有し、軽量で着用感に優れるとともに、アイスピックや刃物等の突刺しに対して良好な防護性能を有する防刃衣料用として好適な布帛を得ることのできる無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の官能基を表面に有する無機微粒子を、芳香族ポリアミド繊維に対して特定量含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、無機微粒子を含む芳香族ポリアミド繊維であって、前記芳香族ポリアミド繊維は、芳香族ポリアミド、無機微粒子、および、溶媒を含むドープから形成されるものであり、前記無機微粒子は、その表面に、前記溶媒に対して親和性のある官能基を有し、前記芳香族ポリアミド繊維全体に対する前記無機微粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維である。
本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維によれば、高い柔軟性を有し、軽量で着用感に優れるとともに、アイスピックや刃物等の突刺しに対して良好な防護性能を有する防刃衣料用として好適な布帛を得ることができる。
さらに、本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維においては、繊維における無機微粒子の大きさを特定値以下に制御することにより、無機微粒子を含有しつつも、紡糸工程における工程安定性に優れた無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維>
本発明の芳香族ポリアミド繊維は、特定の無機微粒子を特定量含むものである。以下に、本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維の構成成分、原料、および、製造方法等について説明する。
[芳香族ポリアミド]
本発明の繊維を構成する芳香族ポリアミドとは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、クロル基などのハロゲン基等が含まれていてもよい。なお、2価の芳香族基を直接連結するアミド結合の位置は限定されず、パラ型、メタ型のいずれであってもよい。
このような芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、テレフタル酸成分と3,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分およびパラフェニレンジアミン成分とが共重合されたコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、テレフタル酸成分とフェニルベンゾイミダゾール骨格を有する芳香族ジアミン成分およびパラフェニジレンジアミン成分とが共重合されたコポリパラフェニレン・フェニルベンゾイミダゾール・テレフタルアミドなどを挙げることができる。
また、本発明に用いられる芳香族ポリアミドとしては、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の繊維を構成する芳香族ポリアミドとしては、機械的特性に優れる観点から、パラ型芳香族ポリアミドを主成分とするものが好ましい。ここで、「主成分」とは、繊維を構成する芳香族ポリアミド全体に対して、50質量%より大きく100質量%の範囲となることを意味する。なお、本発明においては、パラ型芳香族ポリアミドが100質量%であることが特に好ましい。
さらに、本発明においては、機械的強度が特に優れていることから、ポリパラフェニレンテレフタルアミドまたはコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを用いることが好ましい。なお、ポリパラフェニレンテレフタルアミドは、一般的な有機溶剤に不溶であるため、硫酸等の強酸を使用して光学異方性を有するドープを作成する必要があり、このため、機能性を付与するための添加剤等をドープ中および繊維中に均一に分散させることが比較的困難である。これに対してコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、アミド系溶剤等に可溶であることから、得られるドープ中に添加剤等を分散させやすい。したがって、本発明においては、必須成分となる無機微粒子のドープにおける分散性、および、得られたドープからの成形加工性の観点から、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを用いることが最も好ましい。
〔芳香族ポリアミドの原料〕
本発明の繊維を構成する芳香族ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分とを原料として用い、これらを反応せしめることにより得ることができる。
(芳香族ジカルボン酸クロライド)
芳香族ポリアミドの原料となる芳香族ジカルボン酸クロライド成分は、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。このような芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、例えばイソフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、2−クロロテレフタル酸ジクロライド、2,5−ジクロロテレフタル酸ジクロライド、2,6−ジクロロテレフタル酸ジクロライド、3−メチルテレフタル酸ジクロライド、4、4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライドなどを挙げることができる。これらのなかでは、原料の汎用性ならびに得られる繊維の耐熱性および機械的特性の観点から、パラ型の芳香族ポリアミドを得ることのできるテレフタル酸ジクロライドを用いることが好ましい。
(芳香族ジアミン)
芳香族ポリアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。また、芳香族ジアミン成分の芳香環は、置換されていても、あるいは非置換であってもよい。
このような芳香族ジアミン成分としては、例えば、p−フェニレンジアミン、2−クロル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジクロル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンなどを挙げることができる。
また、本発明の繊維を構成する芳香族ポリアミドは、芳香族ジアミン成分が1種単独で用いられるものであっても、あるいは2種以上が併用されるものであってもよい。
これらの中では、得られる繊維の耐熱性および機械的特性の観点から、パラ型フェニレンジアミン、パラ型ビフェニレンジアミンなどのパラ型芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、なかでも、p−フェニレンジアミンの単独、あるいは、p−フェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの併用が特に好ましい。
〔芳香族ポリアミドの製造方法〕
本発明の繊維の構成成分となる芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。具体的には、例えば、溶媒中において、上記の芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分とを、低温溶液重合、または界面重合することにより得ることができる。
(反応条件)
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃以上100℃以下の範囲とすること好ましく、−10℃以上80℃以下の範囲とすることがさらに好ましい。
(原料組成比)
芳香族ポリアミドの原料となる上記の芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90以上1.10以下の範囲とすることが好ましく、0.95以上1.05以下の範囲とすることがより好ましい。
(重合溶媒)
重合に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等を挙げることができる。これらの溶媒は1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。なお、用いられる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
なお、本発明においては、芳香族ポリアミドの重合から紡糸工程に至るまでの一連の操作における取扱い性や安定性、および、溶媒の毒性等の観点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種を含む溶媒とすることが好ましい。
(その他)
また、得られる芳香族ポリアミドの溶媒への溶解性を向上させる目的で、一般に公知の無機塩を適当量添加することが好ましい。無機塩の添加時期は特に限定されるものではなく、重合の開始前、途中、あるいは重合終了時など、任意の時期に添加することができる。添加可能な無機塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
また、本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、少なくとも一方の末端が封止された芳香族ポリアミドであってもよい。芳香族ポリアミドの末端の封止は、末端封止剤を用いて行うことができ、末端封止剤としては、例えば、フタル酸クロライドおよびその置換体、アニリンおよびその置換体などを挙げることができる。
さらに、一般に、酸クロライドとジアミンの反応においては、生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために、脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用することも可能である。
反応の終了後には、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどを添加して、中和反応を実施することが好ましい。
(重合後処理等)
上記のように重合して得られる芳香族ポリアミドは、アルコール、水などの非溶媒に投入して沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出された芳香族ポリアミドを再度他の溶媒に溶解し、その後に繊維の成形に供することもできるが、重合反応によって得られたポリマー溶液を、そのまま紡糸用溶液(ドープ)に調整して用いることも可能である。一度取り出してから再度溶解させる際に用いる溶媒としては、芳香族ポリアミドを溶解するものであれば特に限定されるものではないが、上記した芳香族ポリアミドの重合に用いられる溶媒とすることが上記の理由から好ましい。
[無機微粒子]
本発明で使用される無機微粒子は、その表面に、紡糸用溶液(ドープ)を構成する溶媒に対して親和性のある官能基を有する。本発明においては、無機微粒子が官能基を有することにより、紡糸用溶液(ドープ)における無機微粒子の分散性が向上し、その結果、得られる繊維における無機微粒子の分散性を向上させることができる。また、本発明の芳香族ポリアミド繊維から作成した布帛が優れた防刃性能を有する理由としては、得られる芳香族ポリアミド繊維の中で無機微粒子が高度に分散し、かつ、無機微粒子の種類によっては無機微粒子とポリマーとが相互作用を形成するためと考えられる。
〔微粒子本体〕
本発明で使用される無機微粒子としては、得られる繊維および当該繊維から構成される布帛に防刃性を付与できるものであれば特に限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、および、タングステンカーバイドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子であることが好ましい。このような無機微粒子であれば、得られる芳香族ポリアミド繊維および当該繊維から構成される防刃衣料用等の布帛における防刃特性を、より向上させることができる。
〔官能基〕
また、本発明で使用される無機微粒子の表面に有する官能基は、紡糸用溶液(ドープ)を構成する溶媒に対して親和性のある官能基であれば、特に限定されるものではない。紡糸用溶液(ドープ)を構成する溶媒に対して親和性のある官能基を有していれば、溶媒中で無機微粒子が凝集・沈降しにくくなることから、紡糸用溶液(ドープ)中で均一な分散が可能となる。なお、官能基の種類は溶媒の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基、水酸基、カルボシキル基等を挙げることができる。これらの中では、紡糸用溶液(ドープ)を構成する溶媒に対して特に親和性が優れており、かつ、芳香族ポリアミドに対しても親和性が優れていることから、アミノ基を有する無機微粒子が好ましい。
さらに、本発明に使用する無機微粒子の表面に存在する官能基は、シランカップリング剤によって無機微粒子の表面に化学修飾されたものであることが好ましい。ここで、「化学修飾」とは、無機微粒子を構成する分子鎖に、目的の官能基を化学的に結合させることを意味する。シランカップリング剤によれば、無機微粒子に所望の官能基を導入することが容易となり、さらには化学的結合を形成することから、本発明の微粒子に対してより強固に官能基を付与することが可能となる。
〔平均粒子径〕
本発明に使用する無機微粒子の芳香族ポリアミド繊維における平均粒子径は、10μm以下であることが好ましい。平均粒子径が10μmを超える場合には、紡糸工程における工程安定性が悪くなったり、得られる芳香族ポリアミド繊維の強度低下を招来するため好ましくない。芳香族ポリアミド繊維における無機微粒子の平均粒子径は、5.0μm以下であることがさらに好ましく、1.0μm以下であることが特に好ましい。
芳香族ポリアミド繊維における無機微粒子の平均粒子径を10μm以下に制御する方法は、特に限定されるものではない。例えば、十分に小さい粒子径を有する無機微粒子を芳香族ポリアミド溶液に添加して紡糸用溶液(ドープ)を調整する方法、あるいは、紡糸用溶液(ドープ)となる溶媒に、ビーズミルなどを用いて十分に小さい粒子径となるよう無機微粒子を予め粉砕分散させ、得られたスラリー(分散液)と芳香族ポリアミド溶液とを混合して紡糸用溶液(ドープ)を調製する方法などを挙げることができる。
なお、本発明の芳香族ポリアミド繊維に含まれる無機微粒子の平均粒径は、該芳香族ポリアミド繊維を繊維軸に対して垂直方向に切断し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてその切片を観察することにより得ることが可能である。
〔含有量〕
本発明の芳香族ポリアミド繊維における無機微粒子の含有量は、芳香族ポリアミド繊維全体に対して5質量%以上50質量%以下の範囲である。含有量が5質量%未満である場合には、十分な防刃性の向上がみられず、一方で、含有量が50質量%を超える場合には、紡糸工程において生産安定性を維持することが困難となる。無機微粒子の含有量は、繊維全体に対して7質量%以上30質量%以下の範囲とすることがに好ましく、10質量%以上20質量%以下の範囲とすることがさらに好ましい。
[その他成分]
本発明の芳香族ポリアミド繊維においては、繊維に機能性等を付与する目的で、本発明の要旨を超えない範囲において、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候剤、染料、帯電防止剤、難燃剤、導電性ポリマー、その他の重合体等のその他の任意成分を適宜含有させることができる。なお、その他成分は1種単独のみならず2種以上を併用して使用することができる。また、その他成分となる充填剤等は、公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、あるいはその他の表面処理剤によって、その表面が処理されたものであってもよい。
[芳香族ポリアミド繊維の製造方法]
本発明の芳香族ポリアミド繊維は、芳香族ポリアミド、無機微粒子、および、溶媒を含む紡糸用溶液(ドープ)を調製し、得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出することにより製造することができる。
芳香族ポリアミド、無機微粒子、および、溶媒を含む紡糸用溶液(ドープ)を調整する方法は特に限定されるものではなく、例えば、芳香族ポリアミドの溶液に無機微粒子を加える方法、芳香族ポリアミドの溶液と無機微粒子の分散液(スラリー)とを混合する方法、無機微粒子の分散液(スラリー)に芳香族ポリアミドを添加して溶解する方法、重合時に無機微粒子が添加された芳香族ポリアミドを溶媒に溶解する方法などを挙げることができる。
紡糸用溶液(ドープ)の調製に用いられる溶媒としては、上記した芳香族ポリアミドの重合に用いられる溶媒であって、芳香族ポリアミドおよび無機微粒子を溶解および分散させることのできる溶媒を使用することが好ましい。また、用いられる溶媒は1種単独であっても、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であってもよい。
また、繊維に機能性等を付与する目的で、本発明の要旨を超えない範囲において添加剤等のその他の任意成分を配合する場合には、ドープの調整において導入することができる。また、導入の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ドープに対してルーダーやミキサ等を使用して導入することができる。
なお、紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度、すなわち芳香族ポリアミドの濃度は、0.5質量%以上30質量%以下の範囲とすることが好ましい。紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度が0.5質量%未満の場合には、ポリマーの絡み合いが少ないことから紡糸に必要な粘度が得られず、紡糸時の吐出安定性が低下してしまう。一方で、ポリマー濃度が30質量%を超える場合には、ドープの粘性が急激に増加することから紡糸時の吐出安定性が低下し、紡糸パック内の急激な圧上昇により安定した紡糸が困難となりやすい。
調整された紡糸用溶液(ドープ)からは、湿式法、半乾半湿式法などにより繊維を成形し、溶媒を除去した後に乾燥することで、本発明の芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。例えば半乾半湿式法においては、紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、貧溶媒からなる凝固浴中で凝固させて未延伸糸を得て、次に、得られた未延伸糸を必要に応じて延伸することにより配向糸を得て、引き続き、水洗・乾燥工程を経ることにより繊維を得ることができる。
延伸の方法としては、凝固糸状態での水洗延伸、沸水延伸のみならず、乾燥糸状態での加熱延伸なども行うことができる。延伸倍率については特に制限はないが、1.05倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られる芳香族ポリアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。
[布帛]
本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維からなる布帛の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、編物、織物、不織布等の形態で使用することができる。また、これらの布帛は、防刃性をさらに向上させる観点から、ロジンを含浸させることが好ましい。
これらの中では、刃物など幅をもったものの突き刺しに対しては、本発明の目的である高防刃性能を発揮しやすく、また、繊維性能のロスが少なくなることから、織物を用いることが好ましい。織物であれば、それぞれの繊維が経緯一方向に配列するため、繊維の性能を均等に発揮しやすくなり、さらに、織り組織の形態を維持しやすいため、ある幅以上の織り目が開きにくくなる。したがって、刃物などある程度の幅をもったものの突き刺しに対しては、当該刃物が布帛を突き抜ける程には繊維がずれにくく、繊維性能のロスが少なくなり、その結果、高い防刃性能を示すことができる。
また、アイスピック等の尖ったものに対しては、布帛の形態を不織布とすることが好ましい。不織布であれば繊維が一定方向には配列していないため、尖ったものに対しても目開きしにい。したがって、尖ったものに対しても布帛の突き抜けを抑制することができるため、繊維性能を活かし、高い防刃性能を示すことができる。
不織布とする場合には、その形態は特に限定されるものではなく、短繊維からなる不織布であっても、長繊維からなる不織布であってもよい。また、短繊維不織布である場合には、乾式不織布であっても湿式不織布(紙を含む)であってもよく、長繊維不織布である場合には、いわゆるスパンボンド不織布であってもトウ開繊不織布であっても、また、長繊維を一方向に配列した後にその配列方向が交叉するように配列シートを複数枚積層したものであってもよい。
また、不織布は、必要に応じて接着剤が用いられたり、熱接着性繊維が併用されることにより、繊維間が相互に結合されたものであってもよい。あるいは、ニードルパンチやウォータージェットによる交絡処理が施されたものであってもよい。なお、不織布の中では、ロジン含浸後の柔軟性に優れ、かつ、刃物の突き刺しに対する防刃性能も良好なことから、短繊維からなるウェブを交絡処理してなるフェルトを用いることが好ましい。
不織布の目付けは、小さすぎると防刃性能が不十分となり、一方で大きくなりすぎると厚みが厚くなりすぎて布帛から衣料を作成した場合の着用性が悪化する。したがって、不織布の目付けとしては、1000g/m以上5000g/m以下の範囲とすることが好ましく、1500g/m以上3000g/m以下の範囲とすることが特に好ましい。なお、目付けの小さい不織布を複数枚積層することにより、全体としての目付けを上記の範囲内とすることも可能である。この場合には、50g/m以上500g/m以下の程度の不織布を用いることができる。目付けの小さい不織布を複数枚積層する場合には、各不織布間を相互に動けるようにすることで、衣料とした場合の着心地を向上させることができる。
[布帛の用途]
本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維からなる布帛の用途としては、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明の繊維によれば、高い柔軟性を有し、軽量で着用感に優れるとともに、刃物等の突刺しに対して良好な防護性能を有する布帛を得ることができることから、当該性能を必要とする分野に好適に用いることができる。具体的には、本発明の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維からなる布帛は、防刃チョッキ、手袋等の防刃衣料として好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、その要旨を超えない限りこれらに何ら限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例においては、以下の項目について、以下の方法によって測定・評価を実施した。
[防刃性能(kg)]
十分な量の粘土層(縦×横×高さ=20×20×10cm、上面が平坦な工作用油粘土)の上面に、表1に示す枚数が積層された布帛サンプルを載置した。引張圧縮試験機(インテスコ社製、商品名:インストロン、型式:タイプ2005)のロードセルの下部にアイスピックを下向きに固定し、アイスピックの先端が載置された布帛サンプルの上部5mmの位置となるように、クロスヘッドの高さを調整した。次いで、2mm/分のクロスヘッド速度にて、圧縮を開始した。防刃性能は、アイスピックがサンプルを全層貫通した時、すなわち、アイスピックの先端がサンプルの最下層布帛を貫通した時の応力とした。したがって、この値が大きいほど防刃性能が良好であることを示す。
[引張強度(cN/dtex)弾性率(cN/dtex)]
得られた芳香族ポリアミド繊維につき、引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロン万能試験機、型式:RTC−1210A)を用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件にて測定を実施した。
(測定条件)
測定試料長 :500mm
チャック引張速度:250mm/min
初荷重 :0.2cN/dtex
試験スタート法 :スラックスタート法
[繊維における無機微粒子の平均粒子径]
粒子径1μm未満の粒子については、芳香族ポリアミド繊維を繊維軸と垂直方向に切断して厚み90nmの切片を作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて得られた切片を観察し、任意の10μm×10μmの範囲20箇所につき、存在する粒子の粒子径を測定し、その平均値を求めた。
一方、粒子径1μm以上の粒子については、芳香族ポリアミド繊維を光学顕微鏡を用いて観察し、任意の100μm×100μmの範囲20箇所につき、存在する粒子の粒子径を測定し、その平均値を求めた。
<実施例1>
無機微粒子としては、粒子表面にアミノ基を修飾したシリカ(アドマテックス社製、商品名:SE1050−NLA)を使用した。
[無機微粒子の調整]
浅田鉄工社製ビーズミル(商品名:Nano Grain Mill)を用いて、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に60質量%となるように、シリカのNMP分散液(スラリー)を調整した。この時、メディアとしては、0.3mmのジルコニアビーズを使用した。
[紡糸用溶液(ドープ)の調整]
得られたシリカ分散液、およびNMPを、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比1:1)の濃度5質量%のNMP溶液中に、得られる紡糸用溶液(ドープ)中のシリカの含有量が芳香族ポリアミドの全質量を基準として10質量%となる割合で添加し、温度80℃で4時間撹拌混合することにより、紡糸用溶液(ドープ)を得た。
[芳香族ポリアミド繊維の製造]
得られた紡糸用溶液(ドープ)を、孔数667ホールの紡糸口金から吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30質量%の水溶液中に紡出して凝固させることにより、未延伸糸を得た(半乾半湿式紡糸法)。引き続き、得られた未延伸糸を水洗、乾燥し、次いで、温度500℃で10倍に延伸した後、巻き取ることにより、シリカが良好に分散した芳香族ポリアミド繊維を得た。
得られた芳香族ポリアミド繊維は、総繊度1100dtex、フィラメント数667フィラメント、単糸繊度1.65detx/フィラメントであった。繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるシリカの平均粒子径を表1に示す。
[布帛(ロジン含浸不織布)の製造]
上記で得られたシリカ含有芳香族ポリアミド繊維の短繊維(繊維長:38mm)を用いて、不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けは288g/mであった。
上記で得られた不織布(フェルト)を、ロジン(キシダ化学社製)のメタノール溶液中に含浸し、次いで、ニップ圧をコントロールしつつニップローラーに通すことにより余分なロジンメタノール溶液の除去を行い、ロジン含浸量を含浸前の不織布(フェルト)の質量に対して30質量%となるように調整したロジン含浸不織布(フェルト)を得た。なお、含浸量の制御は、主にロジンメタノール溶液濃度(3〜25質量%)の調整にて行い、上記ニップ圧の制御は含浸量の微調整のために行った。
[防刃性能試験]
上記で作成したロジン含浸不織布(フェルト)を10枚重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。防刃性能は80.3kgであった。
<実施例2、3>
表1に示すように、添加するシリカの含有量を芳香族ポリアミドの全質量を基準として20質量%、50質量%となる割合に変更した以外は、実施例1と同様にしてシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を作成した。得られた繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるシリカの平均粒子径を表1に示す。
また、得られたシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
<実施例4>
表1に示すように、添加するシリカの粒子径を5μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を作成した。得られた繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるシリカの平均粒子径を表1に示す。
また、得られたシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
<実施例5>
シリカを使用するかわりに、粒子表面にアミノ基を修飾したアルミナ(アドマテックス社製、商品名:AE2050−NLA)を使用した以外は、実施例1と同様にしてアルミナ含有芳香族ポリアミド繊維を作成した。
得られた繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるアルミナの平均粒子径を表1に示す。
また、得られたアルミナ含有芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
<比較例1>
比較例として、シリカを添加しない以外は、実施例1と同様にして芳香族ポリアミド繊維を作成した。得られた繊維の引張強度、弾性率を表1に示す。
また、得られた芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
<比較例2>
添加するシリカの含有量を芳香族ポリアミドの全質量を基準として1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を作成した。得られた繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるシリカの平均粒子径を表1に示す。
また、得られたシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
<比較例3>
添加するシリカとして、表面に官能基を未修飾のシリカを用いた以外は、実施例1と同様にしてシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を作成した。得られた繊維の引張強度、弾性率、および、繊維におけるシリカの平均粒子径を表1に示す。
また、得られたシリカ含有芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様に不織布(フェルト)を作成した。得られた不織布(フェルト)の目付けを表1に示す。
さらに、得られた不織布(フェルト)を用いてロジン含浸不織布(フェルト)を作成し、作成したロジン含浸不織布(フェルト)をそれぞれ10枚ずつ重ね、上記の方法にて防刃性能試験を実施した。試験結果を表1に示す。
Figure 2008063698

Claims (8)

  1. 無機微粒子を含む芳香族ポリアミド繊維であって、
    前記芳香族ポリアミド繊維は、芳香族ポリアミド、無機微粒子、および、溶媒を含むドープから形成されるものであり、
    前記無機微粒子は、その表面に、前記溶媒に対して親和性のある官能基を有し、
    前記芳香族ポリアミド繊維全体に対する前記無機微粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下である無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  2. 前記無機微粒子は、シリカ、アルミナ、および、タングステンカーバイドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  3. 前記官能基は、アミノ基である請求項1または2記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  4. 前記官能基は、シランカップリング剤により前記無機粒子の表面に化学修飾されたものである請求項1から3いずれか記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  5. 前記芳香族ポリアミド繊維における前記無機微粒子の平均粒子径は、10μm以下である請求項1から4いずれか記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  6. 前記溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、および、N−メチル−2−ピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1から5いずれか記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維。
  7. 請求項1から6いずれか記載の無機微粒子含有芳香族ポリアミド繊維からなる布帛。
  8. 前記布帛は、防刃衣料用である請求項7記載の布帛。
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