JP2008063527A - Pva偏光板用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、および、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から得られるウレタン(メタ)アクリレートと、偏光板保護フィルムに対して浸透性を有する基材浸透性モノマーと、光重合開始剤と、を含むことを特徴とするPVA偏光板用接着剤を提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1
Description
また、上記トリアセチルセルロースからなる偏光板保護フィルムをポリビニルアルコールからなる偏光子と接着するには、上記偏光板保護フィルムの表面をアルカリけん化することが必要とされていた。このため、トリアセチルセルロースからなる偏光板保護フィルムを偏光板保護フィルムとして使用する場合、偏光子と貼り合わせる前にけん化処理工程を行う必要があり、偏光板の製造工程が煩雑になってしまうという問題点も指摘されていた。
このようなことから、本発明によればポリビニルアルコール(PVA)からなる偏光子と偏光板保護フィルムとが貼り合わされた構成を有する偏光板を、高速で製造することが可能なPVA偏光板用接着剤を得ることができる。
このようなことから、本発明によればポリビニルアルコール(PVA)からなる偏光子と偏光板保護フィルムとが貼り合わされた構成を有する偏光板を、高生産性で製造することが可能なPVA偏光板用接着剤を得ることができる。
また、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いることによって、上述したようなけん化処理工程を排除できることは、次のような利点も有するものである。すなわち、上記偏光板保護フィルムに所望の機能を有する材料を含有させたり、あるいは、所望の機能を備える機能性層を積層することにより、偏光板に付加機能を付与することが従来より行われている。しかしながら、従来は、上記けん化処理工程が必要であったことから、上記セルロース誘導体からなる偏光板保護フィルムに所望の機能を付与するために用いられる材料としては、アルカリ耐性を有するものしか用いることができないという制約があった。
この点、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いることにより上記けん化処理工程が不要となるため、所定の機能を有する材料をアルカリ耐性を有するものに限定する必要がなくなり、広い範囲から適当な材料を選択して用いることができるようになる。
この点、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて作製される偏光板は、PVAからなる偏光子と偏光板保護フィルムとが、上記ウレタン(メタ)アクリレート、および、上記基材浸透性モノマーの硬化物によって接着されたものとなる。ここで、上記ウレタン(メタ)アクリレート、および、上記基材浸透性モノマーの硬化物は耐水性に優れるものであるため、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いることにより、高湿雰囲気下における耐久性に優れた偏光板を製造することができる。
以下、このような本発明に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられるウレタン(メタ)アクリレートについて説明する。本発明に用いられるウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とから得られるものである。
まず、本発明に用いられるポリイソシアネート化合物について説明する。本発明に用いられるポリイソシアネート化合物としては、分子内に複数のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されるものではない。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等を挙げることができる。
次に、本発明に用いられるポリオール化合物について説明する。本発明に用いられるポリオール化合物としては、複数の水酸基を有するものであれば特に限定されるものではない。このようなポリオール化合物としては、例えば、芳香族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、および、ポリカプロラクトンポリオール等を挙げることができる。
以下、これらのポリオール化合物について、その具体例を順に説明する。
次に、本発明に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物について説明する。本発明に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基と、アクリレート基を有するものであれば特に限定されるものではない。このような水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明に用いられるウレタン(メタ)アクリレートを、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とから得る方法としては、所望の構造を有するウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、および、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の種類等に応じて任意の方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、次の4つの方法挙げることができる。
第1に、ポオール化合物、ポリイソシアネート化合物、および、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括に仕込んで反応させる方法。
第2に、ポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
第3に、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させた後、ポリオール化合物を反応させる方法。
第4に、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させた後、ポリオール化合物を反応させ、再び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
本発明においては、これらのいずれの方法によって得られるウレタン(メタ)アクリレートであっても好適に用いることができる。
次に、本発明における接着層に用いられる基材浸透性モノマーについて説明する。本発明に用いられる基材浸透性モノマーは、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて偏光板を作製する際に、PVAからなる偏光子と貼り合わされる偏光板保護フィルムに対して浸透性を有するものである。
ここで、本発明に用いられる基材浸透性モノマーが、上記「相溶性を示す」とは、お互いに親和性を有することを意味するものであり、具体的には、接着層を形成した際に、相分離等により一方が凝集、析出したり塗膜が白化したりせず、可視光域においてヘイズの上昇が認められないことを意味する。
この点、本発明に用いられる基材浸透性モノマーとして、アクリレート基を有するものを用いることにより、基材浸透性モノマーが上記ウレタン(メタ)アクリレートと重合等によって作用しやすくなる結果、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて、より偏光子と偏光板保護フィルムとの接着性に優れた偏光板を作製することが可能になるからである。
上記基材浸透性モノマーの含有量が上記範囲よりも少ないと、本発明のPVA偏光板用接着剤の粘度が高くなりすぎてしまい、塗工適性が損なわれる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて偏光板を作製した際に、偏光子と偏光板保護フィルムとの接着性が所望の範囲に達しない場合があるからである。
次に、本発明に用いられる光重合開始剤について説明する。本発明に用いられる光重合開始剤は、紫外線が照射されることにより上記ウレタン(メタ)アクリレートおよび上記基材浸透性モノマーの硬化反応を誘起する機能を有するものである。
光重合開始剤が上記波長領域に吸収を示すものであると、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて作製される偏光板の着色が強くなってしまう場合があるからである。
ここで、本発明において、「吸収を示さない」とは、光重合開始剤をトルエンに5質量%の濃度で溶解した溶液の吸光度を分光光度計を用いて測定した際に、上記波長範囲の光に対する吸光度が0.5%以下であることを意味するものとする。
ここで、本発明のPVA偏光板用接着剤を用いて偏光板を作製する際に用いられる偏光板保護フィルムには、通常、偏光板保護フィルム自体が紫外線によって劣化してしまうことを防止したり、あるいは、偏光子が紫外線によって劣化してしまうことを防止するために、紫外線吸収剤を含有されることが多いものである。このような場合は、本発明に用いられる光重合開始剤として、上記紫外線吸収剤が吸収する波長領域よりも長波長側の光を吸収することによって硬化反応を誘起できるものを用いることが好ましい。例えば、上記紫外線吸収剤が、400nm以下の光を吸収するものである場合、上記光重合開始剤としては、400nmよりも長波長側の光を吸収することにより上述した硬化反応を誘起できるものを用いることが好ましい。
本発明のPVA偏光板用接着剤は、少なくとも、上記ウレタン(メタ)アクリレート、上記基材浸透性モノマー、および、上記光重合開始剤が含まれるものであるが、必要に応じて他の添加剤が含まれるものであってもよい。このような他の添加剤としては、特に限定されるものではなく、本発明のPVA偏光板用接着剤に所望の機能を付与できるものを本発明の目的を損なわない範囲内で用いることができる。なかでも上記他の添加剤として本発明に好適に用いることができるものとしては、例えば、シランカップリング剤を挙げることができる。本発明のPVA偏光板用接着剤にシランカップリング剤が含まれることにより、ポリビニルアルコールからなる偏光子に対する接着性を向上するという利点を有する。
本発明のPVA偏光板用接着剤は、液晶表示装置等に用いられるポリビニルアルコール(PVA)からなる偏光子と偏光板保護フィルムとが貼り合わされた構成を有する偏光板を作製する際に、ポリビニルアルコールからなる偏光子と偏光板保護フィルムとを接着するために用いられるものである。
(PVA偏光板用接着剤の調整)
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート32.9g、分子量4000のポリプロピレングリコール(PPG)、ジオール(PP−4000、三洋化成(株)製)444.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.12gを仕込み、これらを撹拌しながら10℃になるまで氷冷した。なお、この仕込み量比で反応させると、ウレタン(メタ)アクリレート1分子中に3分子のPPGの繰り返し単位が含まれることになる。
40℃に加温した上記PVA偏光板用接着剤Iを、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製)上に塗工し、ポリビニルアルコールからなる偏光子の両面からラミネートした後、トリアセチルセルロースフィルム面からUV照射装置(フュージョンUVシステムズ製Hバルブ)で200mJ/cm2の紫外線を照射した。この操作を両面について行うことにより偏光板を作製した。
(PVA偏光板用接着剤の調整)
実施例1と同様の方法により、PVA偏光板用接着剤Iを調製した。
40℃に加温した上記PVA偏光板用接着剤Iを厚み60μmの環状ポリオレフィンフィルム(アートンRタイプ;JSR(株)製)上にポリエチレン性マスキングフィルムを剥離したのち塗工し、実施例1と同様の貼り合わせ装置を用いてポリビニルアルコールからなる偏光子の両面からラミネートした後、環状ポリオレフィンフィルム面からUV照射装置(フュージョンUVシステムズ製Hバルブ)で200mJ/cm2の紫外線を照射した。この操作を両面について行うことにより偏光板を作製した。
偏光板保護フィルムとして、日本ゼオン製の厚み60μmのゼオノアを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により偏光板を作製した。
(PVA偏光板用接着剤の調製)
分子量4000のポリプロピレングリコール(PPG)ジオールを用いなかった以外は実施例1と同様の方法により、PVA偏光板用接着剤IIを得た。
上記PVA偏光板用接着剤IIを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、偏光板を作製した。
(PVA偏光板用接着剤の調製)
単官能モノマーとして、アクリロイルモルフォリンを用いなかったこと以外は実施例1と同様の方法によりPVA偏光板用接着剤III得た。
上記PVA偏光板用接着剤IIIを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、偏光板を作製した。
上記実施例および比較例において作製した偏光板について偏光子と偏光板保護フィルムとの間での剥離試験を行った。剥離試験は、幅25mm、長さ150mmとした偏光板を用い、JIS Z0237に準じ、オリエンテック製のテンシロン引張試験機により300mm/min、180度で剥がした時の剥離強度を測定した。
102A,102B … 偏光板
112A,112B … 偏光子
122A,122B … 偏光板保護フィルム
1 … 偏光子
2 … 偏光板保護フィルム
3 … ニップロール
10 … 貼り合わせ装置
Claims (4)
- ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、および、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から得られるウレタン(メタ)アクリレートと、
偏光板保護フィルムに対して浸透性を有する基材浸透性モノマーと、
光重合開始剤と、を含むことを特徴とする、PVA偏光板用接着剤。 - シランカップリング剤が含まれることを特徴とする、請求項1に記載のPVA偏光板用接着剤。
- 前記ポリオール化合物がポリエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のPVA偏光板用接着剤。
- 前記ポリイソシアネート化合物が、脂環式ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のPVA偏光板用接着剤。
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