JP2008062405A - 発泡樹脂押出成形体およびその製造方法。 - Google Patents

発泡樹脂押出成形体およびその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の軟質の熱可塑性樹脂を使用した成形体や、高発泡倍率の成形体、複雑断面形状の成形体等をも、成形不良を発生することなく、良好且つ効率的に製造可能な発泡樹脂成形体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】発泡樹脂押出成形体の表面の少なくとも一部を被覆シートで被覆してなる発泡樹脂押出成形体であって、前記発泡樹脂押出成形体の全表面積の30%以上を被覆してなること、発泡剤と添加剤とを添加した加熱可塑化状態の熱可塑性樹脂を押出金型から押し出し、全表面積の30%以上を被覆するように被覆シートで被覆し、その後冷却サイジング金型を通過させて冷却固化してなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、床材、壁材、天井材、建具類等の建築材料や車両内装材、電気機械器具の部品や筐体等の各種用途に好適な、発泡樹脂押出成形体およびその製造方法に関するものである。
発泡により内部を多孔質の細胞状とした熱可塑性樹脂を所定の形状に成形してなる発泡樹脂成形体は、軽量で断熱性が高く、体積当たりの価格も低廉で、加工も容易である等の種々の長所が高く評価されて、従来既に上記した各種の用途に広く使用されている。これらの発泡樹脂成形体の製造方法は各種知られているが、中でも、一定の断面形状を有する長尺状の発泡樹脂成形体を連続的に効率良く製造可能な製造方法として、熱可塑性樹脂に発泡剤を添加してなる発泡樹脂材料を、加熱溶融混練して押出機により押出金型から押出し、これを発泡させながら冷却サイジング金型に導入して、該冷却サイジング金型の内部形状通りの断面形状及び外形寸法に整形しながら冷却固化させる発泡押出成形法が、最も広く用いられている。
しかし、前記した発泡押出成形法では、冷却サイジング金型内に導入された発泡樹脂材料が、自身の発泡の圧力により冷却サイジング金型の内壁面に押しつけられるため、発泡樹脂材料と冷却サイジング金型の内壁面との間での滑りが悪くなり、成形に不都合が生じることが多い。例えば、押出金型から押出されて発泡しつつ冷却サイジング金型内を通過する加熱可塑化状態の発泡樹脂材料が、冷却サイジング金型の内壁面との間の摩擦力に打ち勝つことができず、冷却サイジング金型の内部で詰まって引取り(冷却サイジング金型から連続的に脱型すること)不能となったり、摩擦力の影響で内部応力が強く残った状態で冷却サイジング金型から引取られ、該引取り後に内部応力が開放されて、反りや曲がり、捻れといった変形を生じたり、冷却サイジング金型の内部で詰まった発泡樹脂材料を無理に引き出すと発泡樹脂材料が伸びたり破断したりする等、種々の成形不良事故のために、良好な発泡樹脂押出成形体の製造が困難となる場合が多い。この様な問題は、高発泡倍率の発泡樹脂押出成形体を製造しようとする場合や、発泡樹脂材料の主成分である熱可塑性樹脂として、弾性率の低い樹脂や、結晶化速度の遅い樹脂、或いは金属接着性の高い樹脂などを使用した場合に、特に顕著に発生する傾向がある。このため、前記した発泡押出成形法によって発泡樹脂成形体を製造しようとする場合には、製造可能な発泡樹脂押出成形体の発泡倍率や、使用可能な熱可塑性樹脂の弾性率、結晶化速度、金属接着性などの面で、大きな制約があるのが実情である。
また、断面形状が円形や矩形等の単純な形状であれば余り大きな問題はないが、幅と比較して厚みの薄い薄板状や、表面に複雑な凹凸を有する形状であったりすると、発泡倍率は通常の程度であっても、発泡樹脂材料の断面積との対比において、冷却サイジング金型の内面との接触面積が相対的に増す結果、摩擦力の影響が強く出て、前記した様な種々の成形不良事故が発生する場合がある。この様な事情により、発泡押出成形法によって良好な形状及び寸法精度を維持しつつ製造可能な発泡樹脂押出成形体の発泡倍率や、使用する熱可塑性樹脂の性状、成形体の断面形状等には種々の制約があり、近年益々強まりつつある軽量化、高断熱化、価格低減、高機能化、用途拡大などの市場の要求に十分に応えることができていないのが現状である。
また、押出しと同時に化粧シートを被覆すると、ポリプレピレン樹脂等の結晶性樹脂の場合は、樹脂をエージングしないと反りなど生じしやすかった(特許文献1)。
特開2003−112354号公報
本発明は、従来の技術における上記した様な問題点を解決すべくなされたものであり、その課題とするところは、従来の軟質の熱可塑性樹脂を使用した成形体や、高発泡倍率の成形体、複雑断面形状の成形体等をも、成形不良を発生することなく、良好且つ効率的に製造可能な発泡樹脂成形体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の発明は、発泡樹脂押出成形体の表面の少なくとも一部を被覆シートで被覆してなる発泡樹脂押出成形体であって、前記発泡樹脂押出成形体の全表面積の30%以上を被覆してなることを特徴とする発泡樹脂押出成形体である。
本発明の第2の発明は、発泡剤と添加剤とを添加した加熱可塑化状態の熱可塑性樹脂を押出金型から押し出し、全表面積の30%以上を被覆するように被覆シートで被覆し、その後冷却サイジング金型を通過させて冷却固化してなることを特徴とする発泡樹脂押出成形体の製造方法である。
本発明により、発泡樹脂押出成形体の表面の少なくとも一部に被覆シートを被覆してなる発泡樹脂押出成形体の製造方法において、加熱可塑化状態で押出金型から押出した直後、発泡樹脂材料を、冷却サイジング金型に導入して冷却固化させた後、エージングし、発泡樹脂材料の表面に表面活性化処理した後の少なくとも一部に被覆シートを被覆することを特徴とする発泡樹脂押出成形体の製造方法である。そのため従来可能であった範囲よりもさらに軟質の熱可塑性樹脂を使用した発泡樹脂成形体や、より高発泡倍率や複雑断面形状の発泡樹脂成形体をも、発泡押出成形法により良好且つ効率的に成形することができるので、発泡樹脂成形体のさらなる軽量化、高断熱化、価格低減、機能向上、用途拡大等に幅広く貢献することができる。更に、オンラインで発泡樹脂押出成形体をエージングすれば、別工程でのエージングが不必要になる。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1〜3に本発明の発泡樹脂押出成形体の製造方法の一例を示す。発泡剤、充填剤、各種添加剤等を適宜添加した熱可塑性樹脂を、押出機10内にて加熱可塑化しつつ混練する。そして押出機10の先端に装着された押出金型11から押出され、発泡する。そして、発泡樹脂12の表面を被覆シート13により被覆して、冷却サイジング金型14に導入される。
この冷却サイジング金型14(キャリブレーター金型、ガイド金型などとも言う)は、その内壁面の断面形状が、製造すべき成形体の断面形状通りに精密に製作されており、この内壁面に発泡樹脂材料12が、自らの発泡圧により押し付けられつつ冷却固化することにより、該冷却サイジング金型14の内壁面の断面形状を正確に写し取った、設計通りの断面形状を有する発泡樹脂押出成形体が、安定して製造される。
本発明のおいては、発泡樹脂材料12が冷却サイジング金型14に導入され間に、被覆シート13にて発泡樹脂材料12の全表面積に対して30%以上被覆するようにする。これにより基材単体よりも表面の耐キャスター性、耐傷付き性が良くなる。
冷却サイジング金型14内において、自重で変形することのない程度に冷却固化された発泡樹脂材料12は、引取機16の作用力によって冷却サイジング金型14から引取られ(脱型され)、水槽などの冷却槽15内を通過することで十分に冷却された後、切断台17に送られ、切断刃18により所定の寸法に切断される。この後、エージング(養生)を行い、目的物である発泡樹脂押出成形体19を得る。
熱可塑性樹脂の発泡押出成形法には、大別して2種類が知られている。その一方は、図2に示す様に、製造すべき成形体の寸法より小さ目の内壁面寸法を有する押出金型11を用い、該押出金型11から押出された加熱可塑化状態の発泡樹脂材料12が、押出機10内の高圧により発泡が抑えられていた状態から、大気圧状態に減圧されることにより、急激に発泡する現象を利用して、製造すべき成形体の外形寸法にほぼ近い寸法にまで発泡させてから、冷却サイジング金型14に導入する方法である。この方法は、従来最も一般的な方法であったことから通常法と称され、また、発泡樹脂材料12が大気圧下で金型等による束縛を受けることなく自由な状態で発泡することからフリー法(フリープロセス、フリーフォーミングプロセス)とも称されている。
もう一方は、図3に示す様に、製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部にトーピード20(マンドレル、中子などとも言う)が装着された押出金型11を使用して、発泡樹脂材料12を中空状態で押出し、その発泡が殆ど進行していない状態で冷却サイジング金型14に導入し、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させる方法である。この方法は、フランスのユージンクールマン社によって開発され、セルカ法(セルカプロセス)の名称で広く紹介された方法であり、樹脂の発泡が内部に向かって進行する特徴から、インワードフォーミングプロセスとも称されている。
本発明の発泡樹脂成形体の製造方法においては、発泡樹脂材料12の発泡押出成形方法としては、上記した通常法、セルカ法のいずれも採用可能であり、目的物である成形体の用途に応じて適宜選択すれば良い。セルカ法の場合には、押出金型11から押出された発泡樹脂材料12が直ちに冷却サイジング金型14に導入され、その外表面が急激に冷却されることにより、図3に示した様に、内部に向かっての発泡により空洞部分が埋められた内部は高発泡層22となる一方、表層部には未発泡又は低発泡状態に留まったスキン層21、23が形成される特徴があり、表面硬度や耐水性、成形体全体としての剛性などが要求される用途などに適している。反面、スキン層21、23のために成形体全体としての発泡倍率はあまり高くできないので、弾力性に富み軽量な高発泡体が必要な用途や、表面の柔軟性が要求される用途などには、スキン層21、23が形成されず高発泡化が可能な通常法が適している。
但し、被覆シート13を成形後もそのまま表面保護層などとして利用する用途の場合には、被覆シート13と発泡層(発泡樹脂材料12)との間の接着性が重要である。この観点からは、発泡層における被覆シート13との接合面が高密度なため、強固な接着を形成し易いことや、冷却サイジング金型14内での被覆の際に、内部の空洞部分に向かっての発泡の反作用としての、発泡層の表層(スキン層21)を被覆シートに押し付ける圧力のために、強固な接着を形成し易いこと等により、セルカ法の方が優れていると言える。また、セルカ法の場合には、未発泡又は低発泡状態のスキン層21、23の有する剛性のために、冷却サイジング金型14の内壁面との摩擦力に対する抵抗性も強く、本発明の目的とする、冷却サイジング金型14内における樹脂の詰まりや、冷却サイジング金型14からの引取時の変形破断等の防止にも、より有効な方法であると言える。
セルカ法において、押出金型と冷却金型がほぼ同一寸法であっても、成形体の外表面の一部にスキン層21、23を形成させないために、当該部分において押出金型11の内壁面寸法を冷却サイジング金型14のそれより小さく設計しておくこともできる。但し、当該部分にも被覆シート13を被覆する場合には、被覆シート13と発泡樹脂材料12との間に良好な接着を確保するため、被覆シート13面に発泡樹脂材料12の発泡による十分な圧力が賦課されることが重要であるので、それを考慮して押出金型11と冷却サイジング金型14との内壁面寸法の差を設計する必要がある。
本発明において、発泡樹脂材料12の主成分として用いられる熱可塑性樹脂の種類には特に制限はなく、目的物である発泡樹脂成形体の用途に応じて任意の熱可塑性樹脂を選択すればよい。具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属中和物(いわゆるアイオノマー樹脂)等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等、或いはそれらの複数種の混合物、共重合体等であっても良い。また、多層押出法等により同種又は異種の熱可塑性樹脂からなる複数層の積層体によって発泡層を構成することもできる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂を発泡させるために添加される発泡剤の種類にも特に制限はなく、従来公知の発泡剤から適宜選択すればよい。具体的には、従来公知の熱可塑性樹脂の発泡法としては、一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する性質を有する化学物質(化学発泡剤)を利用する化学発泡法と、低沸点の液体又は高圧下で液化した気体(物理発泡剤)が熱の作用により気化する現象を利用する物理発泡法とに分類することができる。前者に用いられる化学発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム(重曹)、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属(アルミニウム、マグネシウム等)、アジド化合物(アジ化ナトリウム等)等の無機発泡剤や、アゾ系(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)、ニトロソ系(ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジメチルジニトロソテレフタルアミド等)、ヒドラジド系(p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド等)等の有機発泡剤などを、それぞれ単独若しくは任意の複数種の組み合わせで使用することができる。また、特に発泡倍率が2倍を超える高発泡化を必要とする場合には、物理発泡法が好適であり、その際、ペンタンヘキサン、ヘプタン等)、クロロフルオロカーボン類(いわゆるフロンガス)等の不活性気体が主に用いられている。また、物理発泡法による発泡押出成形に際しても、発泡体のセル形状を整えるため等の目的で、化学発泡剤を併用することもできる。
発泡樹脂材料12には上記した熱可塑性樹脂と発泡剤の他、必要に応じて例えば熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤(染料、顔料等)、充填剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等の各種添加剤を適宜添加することもできる。これらの添加剤のうち、熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等、難燃剤としてはハロゲン系、リン系、塩素系等、充填剤としては無機系(炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナタルク、クレー、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉、炭素繊維、ガラス繊維等)又は有機系(ナイロン系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、アクリル系、木毛、木粉、紙粉等)等、滑剤としては炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等、顔料としては縮合アゾ系、不溶性アゾ系、キナクリドン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系、イミダゾロン系、フタロシアニン系、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄系、コバルトブルー、パール顔料(酸化チタン被覆雲母等)等があり、これらの各種の添加剤を任意の組み合わせで用いることができる。
本発明において特に、発泡樹脂材料12の主成分である熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂からなる被覆シート13を使用すると、被覆シート13に発泡樹脂材料12との接着のための特別な処理を施す必要なく、加熱可塑化状態の発泡樹脂材料12との接触により容易に強固な接着を形成可能であることに加え、製造さ発泡樹脂押出成形体19が、その後加工中に発生する不要な端材や使用後の廃材等の処理にあたり、被覆シート13と発泡樹脂材料12からなる発泡層とを分離する必要なく、そのまま粉砕又は加熱溶融混練して、その構成樹脂の優れた特性を失うことなく、同一用途又は他用途の樹脂成形材料として再利用(リサイクル)可能である利点がある。
具体例を挙げれば、住宅等の建築物における壁材、床材、天井材等の建築材料として使用する場合には、その優れた強度や物理化学的安定性、経済性、成形加工性などの面で、発泡樹脂材料12及び被覆シート13を、ポリプロピレン系樹脂を主体として構成することが望ましい。
ここで用いられるポリプロピレン系樹脂としては、一般のホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を主体としつつ、必要に応じてポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体やそれらの酸変性物、アイオノマー樹脂等から選ばれる1種又は2種以上を適宜添加混合した樹脂組成物などを使用することができる。但し、複数種の樹脂を混合して使用する場合には、リサイクル後の物性を確保するために、出来るだけ相溶性の良い樹脂の組合せを選択するか、若しくは相溶化剤を添加しておく等の配慮が求められる。
前記した建築材料の用途には、例えば鋸や錐、鑿等による切削性、釘打ち性や螺子止め性等、従来最も一般的な建築材料である木材と同等の加工性が求められる場合が多い。係る性能をポリプロピレン系樹脂に付与するためには、該樹脂に木質系充填剤を添加することが最も望ましい。なお、上記目的からは木質系充填剤は主として発泡樹脂材料12に添加しておけば足り、被覆シート13には添加しても添加しなくても良い。発泡樹脂材料12への木質系充填剤の添加には、製造された被覆シート付発泡樹脂成形体19の切断面が木質様の外観を呈することにより、切断面が露出した状態で使用されても外観上の違和感が少ないことや、発泡と相俟って熱伝導率が低下することから、木材に近似した暖かみのある触感が得られること等の利点もある。
上記木質系充填剤の素材としては特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して微粉状にしたもの(木粉)などを用いる。また、配合量が熱可塑性樹脂100重量部に対して100重量部を超えるような高配合とする場合には、特に樹脂中での分散性が重要で、比較的繊毛の少ない粒状の木質系充填剤を利用することが好ましい。繊毛の少ない木質系充填剤としては、主にパーティクルボードなどを研磨して得る研磨粉などが用いられる。また、木質系充填剤の配合量については適宜選択が可能であり、化粧材の用途に応じて最適な配合量が異なるが、一般的には熱可塑性樹脂100重量部に対して20〜400重量部程度の範囲で設計される。
発泡樹脂材料12を構成する熱可塑性樹脂に木質系充填剤を添加する際の、熱可塑性樹脂と木質系充填剤との混練方法は特に問わないが、ヘンシェルミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法などが一般的である。また、本発明の製造方法によって製造した成形体をリサイクルする場合には、破砕した成形体に必要に応じて木質系充填剤、熱可塑性樹脂、各種添加剤などを添加して利用することもできる。その際の混練方法やペレット化方法も上記と同様であり、特に問わない。
発泡成形体を任意の寸法へ切断した後は、40℃から90℃で20時間から72時間程度のエージングを行うと発泡成形体の寸法安定性が良くなる。また、発泡樹脂材料12の接着面に、例えばコロナ放電処理又はオゾン処理等の表面活性化処理を施したりすることで対処する必要がある。
被覆シート13は、発泡樹脂材料12の上面、下面、側面等を含む全表面に被覆しても良いし、上面のみ又は上面と両側面のみ等といった様に、表面の一部にのみ被覆しても良い。発泡樹脂材料12の複数の面に被覆する場合には、複数枚の被覆シート13を各面毎に被覆しても良いし、1枚の被覆シート13を発泡樹脂材料12の周囲に沿って巻き付けながら複数面に亘って被覆しても良い。但し、発泡樹脂材料12の全表面積に占める被覆シート13による被覆面積の比率が低すぎると、本発明の目的が十分に達成されない場合があるので、被覆面積の比率は概ね3分の1以上とすることが望ましい。また、目的物である成形体がその外表面に凹溝部や凸条部などの複雑形状部分を含む場合には、当該複雑形状部分の全部又は少なくとも一部を被覆範囲に含む様に被覆シート13を被覆すると、本発明の目的の達成にはより有利なものとなる。
被覆シート13は、発泡樹脂材料12からなる発泡層と強固に接着され、表面保護層ないし装飾層などとして利用される場合が多いと思われるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発泡押出成形中には自然に剥離することはないが、成形後すなわち被覆シート付発泡押出成形体19の完成後には容易に剥離可能な程度の接着力を有するものとして、工程保護フィルムないし絞付けシート(エンボス賦形フィルム)などとして利用することも可能である。また、冷却サイジング金型との摩擦による被覆シート13や発泡樹脂材料12の表面の傷付きを防止する等の目的で、発泡樹脂材接着させるための被覆シート13にさらに併せてその外側に、後にそれらから容易に剥離可能なフィルム等を第二の被覆シートとして挿入することも可能である。
なお、上記目的に用いる場合に、積層される被覆シート13(化粧シート)について重要な点は、主に、発泡樹脂材料12と同系の熱可塑性樹脂を用いること、化粧シート裏面が発泡成形体と熱接着可能であること、及び例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄などの意匠絵柄の印刷が施されていることで、化粧シート自体の構成については何ら制約を受けるものではない。たとえば着色シートの表面又は透明シートの表面若しくは裏面に印刷を施した単層化粧シート、着色シートに印刷を施したシートの印刷面に透明シートをドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、熱ラミネート法などによって貼り合わせた複層化粧シートなどから、用途に応じて適宜選択が可能である。
上記意匠絵柄の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定すればよい。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。中でも最も一般的な方法はウレタン系のインキを用い、イソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
また、いずれの化粧シートにおいても、発泡樹脂材料12との貼り合わせのためには、裏面がポリオレフィン樹脂を主体とする樹脂層(複層化粧シートにおける着色シートの場合)であるか、若しくはポリオレフィン樹脂に熱接着可能な樹脂層(単層化粧シートにおける印刷層又は接着剤層等の場合)であることが重要である。特に、リサイクル性を考慮すると、ポリプロピレン系樹脂を主体とする樹脂層が最裏面に存在することが望ましい。また、係る化粧シートの分野では周知である様に、表面保護や艶調整のためのトップコート、エンボス法又はグロスマット法等による導管表現等が表面に施されていても良い。また、この化粧シートにおける熱可塑性樹脂層(着色シート、透明シート)に用いる添加剤も、発泡樹脂材料12の場合と同様のものを適宜使用することができる。
ランダムポリプロピレン樹脂に酸化鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100μmの着色ポリプロピレン樹脂シートの表面に、ウレタン系印刷インキを使用して木目印刷を施し、該印刷面上に、透明なホモポリプロピレン樹脂をエクストルージョンラミネート法により厚さ100μmに積層し、その表面に2液硬化型ウレタン系樹脂によるトップコートを施して、被覆シートとして使用するための化粧シートを作製した。
一方、溶融温度160℃の市販の低溶融張力ホモポリプロピレン樹脂((株)プライムポリマー製:「E−105GM」)70重量部、マレイン酸変性したホモポリプロピレン樹脂30重量部、木質系充填剤(木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径約20μmの木粉)400重量部を、2軸押出混練機によって220℃で混練、ペレット化した。こうして得たペレット100重量部に対し、重曹クエン酸系の化学発泡剤を45重量%含有するホモポリプロピレン樹脂系マスターバッチ3重量部を混合して、図1及び図3に示すような構成の製造装置における押出機に投入し230℃で押し出し、断面形状が中心部に高さ50mm×幅295mmの中空部を有する押出金型から押出速度1m/分にて射出し、次に、断面形状が中心部に高さ2.5mm×幅295mmの中空部を有する高さ5mm×幅300mmの長方形である長尺状に押出し、冷却サイジング金型に導入する前にコロナ(放電)処理として、出力1kW、電極間と発泡樹脂押出成形体の距離3mmでコロナ処理を行ない、表面張力を45mN/mにする処理をし、上面に上記化粧シートを全表面積(表裏合わせて)の90%被覆接着し、これを内壁面の断面形状が高さ5.2mm×幅300mmの長方形である冷却サイジング金型に導入すると同時に、冷却、引取後、長さ1800mmに切断し、本発明の発泡樹脂押出成形体を得た。冷却サイジング金型内での樹脂詰まりや引取時の変形・破断等を成形不良事故を発生することなく、良好に製造することができた。
実施例1の発泡樹脂押出成形体の上面に上記化粧シートを全表面積(表裏合わせて)の50%被覆接着した他は、実施例1と同じ発泡樹脂押出成形体を得た。冷却サイジング金型内での樹脂詰まりや引取時の変形・破断等を成形不良事故を発生することなく、良好に製造することができた。
発泡樹脂押出成形体の上面に上記化粧シートを全表面積(表裏合わせて)の30%被覆接着した他は、実施例1と同じ発泡樹脂押出成形体を得た。冷却サイジング金型内での樹脂詰まりや引取時の変形・破断等を成形不良事故を発生することなく、良好に製造することができた。
<比較例1>
実施例1の発泡樹脂押出成形体の上面に上記化粧シートを全表面積(表裏合わせて)の25%被覆接着した他は、実施例1と同じ発泡樹脂押出成形体を得た。しかし、加熱可塑化状態で押出された発泡樹脂材料の溶融粘度が低過ぎるために、冷却サイジング金型の内部で詰まり易く、これを引取機によって無理に引取ろうとすると、冷却サイジング金型の内部で発泡樹脂材料が引き延ばされ、遂には破断に至り、良好な発泡樹脂押出成形体を得ることができなかった。また、被覆シートも簡単にはがれてしまった。
本発明により、特に、床材、壁材、天井材、建具類等の建築材料や車両内装材、電気機械器具の部品や筐体等の各種用途に好適な発泡樹脂押出成形体を得ることができる。
本発明の発泡樹脂押出成形体の製造方法の一例を説明する概略工程図である。 通常法による本発明の製造方法における押出金型と冷却サイジング金型との接合部付近の状態を説明する部分拡大断面図である。 セルカ法による本発明の製造方法における押出金型と冷却サイジング金型との接合部付近の状態を説明する部分拡大断面図である。 本発明の発泡樹脂押出成形体の一例を説明する概略工程図である。
符号の説明
10…押出機
11…押出金型
12…発泡樹脂材料
13…被覆シート
14…冷却サイジング金型
15…冷却槽
16…引取機
17…切断台
18…切断刃
19…発泡樹脂押出成形体
20…トーピード(中子)
21…スキン層
22…高発泡層
23…スキン層

Claims (2)

  1. 発泡樹脂押出成形体の表面の少なくとも一部を被覆シートで被覆してなる発泡樹脂押出成形体であって、前記発泡樹脂押出成形体の全表面積の30%以上を被覆してなることを特徴とする発泡樹脂押出成形体。
  2. 発泡剤と添加剤とを添加した加熱可塑化状態の熱可塑性樹脂を押出金型から押し出し、全表面積の30%以上を被覆するように被覆シートで被覆し、その後冷却サイジング金型を通過させて冷却固化してなることを特徴とする発泡樹脂押出成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5639288B2 (ja) * 2012-01-17 2014-12-10 日本エイアンドエル株式会社 樹脂発泡体用のゴム強化スチレン系樹脂組成物及び樹脂発泡体

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