JP2008050239A - ナノ炭素材料複合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤモンド微粒子を核に持ち、プロセス適性等に優れたナノ炭素材料複合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ナノ炭素材料複合体1は、ダイヤモンド微粒子2と、ダイヤモンド微粒子2の表面に直接、或いは、金属又は金属化合物を介して形成されたナノ炭素材料3とからなる。ダイヤモンド微粒子の粒径は1μm以下が好ましく、ナノ炭素材料は、カーボンナノファイバー又はカーボンナノコイルとすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、或いは、光学材料としての応用が期待されるナノ炭素材料に関し、特に、ダイヤモンド微粒子を核に持つ、ナノ炭素材料複合体及びその製造方法に関する。
ナノ炭素材料は、炭素のsp混成軌道で構成された、ナノメーター(nm)サイズの微細形状を有することから、従来の材料を凌駕する特性を有し、また従来の材料にはない特性を有しており、強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料或いは光学材料など、次世代の機能性材料としての応用が期待されている。
カーボンナノチューブ等のナノ炭素材料の合成方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法等が知られている(非特許文献1,2参照)。これらの方法のうち、アーク放電法、レーザーアブレーション法やプラズマ化学気相成長法は非平衡反応であるため、非晶質成分を生成しやすく、一般的に生成するカーボンナノチューブの収率が低く、また、生成したカーボンナノチューブの直径や種類が一様でないことが知られている。
一方、特許文献1及び2には、触媒を用いて炭化水素ガスを熱分解することによりカーボンナノチューブを製造する熱化学気相成長法が開示されており、化学平衡反応を利用するため収率が比較的高いことが知られている。この方法では、超微粒の鉄やニッケルなどの触媒粒子を核として成長した炭素繊維が得られる。得られた炭素繊維は、炭素網層が同心状、中空状に成長したものもある。しかしながら、この方法においても、触媒となる金属の粒径や化学状態を制御することが困難であり、ナノ炭素材料の構造を制御して合成することができない。このため、実用化の際に要求される、所望の構造の材料を作り分けて得ることはできず、結果的に収率が低下することは避けられなかった。
しかも、従来のナノ炭素材料では、合成したナノ炭素材料を使用形態に加工する際、例えば電池の電極の形状に加工する際には、黒鉛粒子や不定形炭素などのナノ炭素材料以外の炭素不純物を含んだ反応生成物中からナノ炭素材料を精製したり、基板上に成長したカーボンナノチューブを掻き落とすことで、必要な量のカーボンナノチューブを収集することが必要であり、低コストで大量に、かつ所望の構造を持ったナノ炭素材料を使用した部材を製造することができなかった。
さらに、従来のナノ炭素材料は、個々は結晶性を持ち、繊維状の形態をもつ材料は得られているが、例えばグラム単位でみた集合体は無秩序な集まりであって、かつ、密度が低いパウダー状あるいはクラスター状の固体である。このようなナノ炭素材料を実用的な材料として適用するために、ペースト化あるいは樹脂等の他材料と混合しても、無秩序で低密度の集合体であるため、均一な混合が容易ではなかった。
特開2002−255519号公報 特開2002−285334号公報 独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノカーボン研究センター編、「ナノカーボン料」、丸善株式会社、平成16年5月25日発行,pp187−191 独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノカーボン研究センター編、「ナノカーボン料」、丸善株式会社、平成16年5月25日発行、pp191−192
上記したように、従来のナノ炭素材料では、所望の構造を持ったナノ炭素材料を使用した部材を製造することができないという課題がある。
本発明は上記課題に鑑み、各種の用途に適した構造をもつナノ炭素材料複合体を提供することを第一の目的としている。
本発明の第二の目的は、ナノ炭素材料の種類や形状を制御して、かつ高い収率で合成できる、ナノ炭素材料複合体の製造方法を提供することにある。
上記の第一の目的を達成するために、本発明のナノ炭素材料複合体は、ダイヤモンド微粒子と、ダイヤモンド微粒子の表面に直接、或いは、金属又は金属化合物を介して形成されたナノ炭素材料と、からなることを特徴とする。
上記構成によれば、ダイヤモンド微粒子とナノ炭素材料を一体化した複合体とすることにより、ナノ炭素材料を集合体として扱うことが容易となり、ペースト化や他物質との混合の際、不均一となったり飛散したりすることが無くなり、プロセス適性が向上できる。また、ダイヤモンドは化学的に非常に安定な物質であるため、様々なプロセスにおいても高い耐性を持つことから、実用用途における特性に悪影響を及ぼすことはない。
上記ダイヤモンド微粒子の粒径は、好ましくは、1μm以下である。ダイヤモンド微粒子を1μm以下のナノダイヤモンド粒子で構成することで、ナノ炭素材料と同オーダーの粒径を持つため、ダイヤモンドとナノ炭素材料の結合を形成でき、核として十分な機能を果たすと共に、核がナノサイズの微小粒子であるため、物性的にダイヤモンドの影響はなくナノ炭素材料の機能を最大限生かすことができる。
上記構成において、ナノ炭素材料をカーボンナノファイバーとすれば、最も一般的なナノ炭素材料であるカーボンナノチューブよりも構造的に密であるため、実用材料として適用した場合に、特に各種素子等の信頼性の向上を図ることができる。
上記構成において、ナノ炭素材料をカーボンナノコイルとすれば、最も一般的なナノ炭素材料であるカーボンナノチューブよりも単位体積あたりの表面積が増加するため、実用材料として適用した場合に、特に各種素子等の効率の向上を図ることができる。
上記の第二の目的を達成するために、本発明のナノ炭素材料複合体の製造方法は、表面が酸化されたダイヤモンド微粒子の表面に、遷移金属触媒を担持してダイヤモンド触媒微粒子とし、このダイヤモンド触媒微粒子を炭化水素からなる気相中でナノ炭素材料が合成される触媒反応温度に加熱し、ダイヤモンド触媒微粒子表面にナノ炭素材料を成長させることを特徴とする。
上記構成によれば、熱化学気相成長法を用い、かつ、ダイヤモンド微粒子を金属触媒の下地とし用い、ダイヤモンド触媒微粒子とするので、触媒の径を制御しかつ均一に作製することができ、これによりナノ炭素材料の径の制御が可能となる。
上記ナノ炭素材料複合体の製造方法において、好ましくは、遷移金属触媒はニッケル又はコバルトから成り、ナノ炭素材料はカーボンナノファイバーである。或いは、遷移金属触媒がパラジウムであり、ナノ炭素材料がカーボンナノコイルであってもよい。炭化水素は、好ましくは、メタン又はエチレンである。触媒反応温度は、好ましくは、400℃から700℃の範囲である。
炭化水素がメタンの場合は、触媒反応温度を400℃から600℃の温度範囲の何れかとすれば好適である。また、炭化水素がエチレンである場合は、触媒反応温度を400℃から700℃の温度範囲の何れかとすればよい。
上記構成によれば、カーボンナノファイバー又はカーボンナノコイルをナノ炭素材料としたナノ炭素材料複合体を非常に再現性が高く、かつ、高収率で得ることができる。
本発明のナノ炭素材料複合体は、ダイヤモンド微粒子とナノ炭素材料が一体化しているため、集合体として扱いやすく、ペースト化したり他の材料と混合したりする際に不均一化や飛散を起こすことがなく、実用化プロセス適性に優れている。また、ダイヤモンドは化学的に安定で、他の材料と反応を起こすことがないため、実用物性に悪影響を及ぼすことがない。したがって、本発明のナノ炭素材料複合体を、構造材料、電子放出材料、電気二重層キャパシタ・電池、燃料電池、或いは、一般的な二次電池の電極材料として使用する際に、良好なプロセス適性を示し、製造コストの低減が可能となる。
本発明のナノ炭素材料複合体の製造方法によれば、ダイヤモンド微粒子上に繊維状のナノカーボン材料が成長したナノ炭素材料複合体を製造できる。このように、熱化学気相成長法で、かつ、ダイヤモンド微粒子を金属触媒の下地として用いることで、触媒の径を制御しかつ均一に作製することができ、ナノ炭素材料の構造制御が可能となる。
以下、本発明の最良の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
最初に、本発明のナノ炭素材料複合体について説明する。
図1は本発明のナノ炭素材料複合体の構成を示す模式断面図である。図1に示すように、本発明のナノ炭素材料複合体1は、核となるダイヤモンド微粒子2と、ダイヤモンド微粒子2上に成長したナノ炭素材料3とからなるものである。図1では、ナノ炭素材料3が直接ダイヤモンド微粒子2上に存在する場合を示しているが、ナノ炭素材料3が、金属あるいは酸化物をはじめとする金属化合物を介して、ダイヤモンド微粒子2上に存在する場合もある。
ダイヤモンド微粒子2として、粒径が1μmより小さいナノダイヤモンド粒子を用いることで、ナノ炭素材料3の核として、より小さい容積で効率的に機能することが可能となる。この場合、ダイヤモンド微粒子2の粒径が、ナノ炭素材料3と同オーダーの粒径を持つため、ダイヤモンド微粒子2とナノ炭素材料3の結合を形成でき、核として十分な機能を果たすと共に、核がナノサイズの微小粒子であるため、物性的にダイヤモンドの影響はなくナノ炭素材料3の機能を最大限生かすことができる。
ナノ炭素材料3がカーボンナノファイバーである場合には、より劣化の少ない、信頼性の高い材料物性を得ることができる。これにより、最も一般的なナノ炭素材料であるカーボンナノチューブよりも構造的に密であるため、実用材料として適用した場合に、各種素子等の信頼性の向上を図ることができる。
ナノ炭素材料3がカーボンナノコイルである場合には、表面積が一層大きく、効率の高い材料物性を得ることができる。これにより、最も一般的なナノ炭素材料であるカーボンナノチューブよりも単位体積あたりの表面積が増加するため、実用材料として適用した場合に、各種素子等の効率の向上を図ることができる。
本発明のナノ炭素材料複合体1によれば、ダイヤモンド微粒子2とナノ炭素材料3を一体化した複合体とすることにより、ナノ炭素材料3を集合体として扱うことが容易になり、ペースト化や他物質と混合する際も、不均一化や飛散が生じることが無くなり、プロセス適性が向上できる。また、ダイヤモンド微粒子2は化学的に非常に安定な物質であるため、様々なプロセスにおいても、高い耐性を持つことから、実用用途における特性に悪影響を及ぼすことはない。
次に、本発明のナノ炭素材料複合体21の製造方法について説明する。
図2は、本発明のナノ炭素材料複合体の製造過程を示し、(a)はダイヤモンド微粒子を、(b)は製造されたナノ炭素材料複合体を模式的に示す図である。
図2(a)に示すように、本発明に用いるダイヤモンド微粒子22は工業的に研磨用として市販されているものでよく、高い比表面積を有するもので、望ましくは10m/g以上のものを用いることにより、特に良い反応効率並びに均一性を得ることができる。ダイヤモンド微粒子22は、粒径範囲により分別されたものが市販されているので、粒径1μmより小さいナノサイズの粒径範囲を選定すれば、ナノダイヤモンド粒子として利用することができる。
ダイヤモンド微粒子22は、一度、350〜450℃において、酸素雰囲気下又は空気中で表面を酸化させた後に触媒担体として用いることが望ましい。
ダイヤモンド微粒子22の表面を酸化した触媒担体に担持させる金属触媒としては、遷移金属触媒が挙げられる。この遷移金属触媒としては、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム等を用いることができる。これらの遷移金属触媒の内、触媒活性成分としてはニッケルが最も良好な活性を示す。
上記ダイヤモンド微粒子22からなる触媒担体に金属触媒を担持する方法について説明する。
触媒担体へ金属触媒を担持するには、所定量の金属塩、例えば硝酸ニッケルなどの飽和水溶液に所定量のダイヤモンド微粒子22を加え、その後で過剰の水を蒸発させ、乾燥後400〜500℃の空気気流中で焼成し、金属塩の分解と酸化を起こさせ、金属塩を酸化物に転換する。焼成温度はこれより低いと十分に硝酸塩などの不純物を除去できず、活性を発現しないか、又は活性が低下するので好ましくない。焼成温度は550℃程度まで上昇させることもできる。それ以上の高温は、ダイヤモンドの一部が燃焼により消失する恐れがあり望ましくない。
次に、空気焼成後、ニッケル等からなる担持金属種の酸化物を金属へ還元して触媒とする。還元は300〜500℃の水素気流中で行ない、酸化物を金属に転換させる。還元温度はこれより低いと十分に金属に還元できず好ましくない。逆に、550℃以上の高い還元温度は担持金属の焼結を招き、活性を発現しないか、又は活性が低下して好ましくないが、焼成温度は550℃程度まで上昇させることもできる。
触媒成分の金属としてはニッケルが特に優れており、その含有量はダイヤモンド微粒子22に対して金属として、0.5から5重量%の間が望ましく、これより担持量が少なくても多くてもナノ炭素材料23(図2(b)参照)の収率は低下する。
ナノ炭素材料複合体21を合成する反応としては、上記のように調製した触媒を担持したダイヤモンド微粒子24(以下、適宜にダイヤモンド触媒微粒子と称する。)を、所定量反応管に充填し触媒層とする。この反応管に不活性ガスを流し、不活性ガスを流しながら触媒反応温度となる所定温度まで昇温する。この温度は、例えば400〜700℃とすればよい。次に、原料としての炭化水素気体、例えばメタン又はエチレンなどを400〜700℃に保持した触媒層上へ流し、反応させる。この場合、炭化水素気体は不活性ガスに混合するか、又は不活性ガスと切り替えて流すことができる。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウムなどのガスを用いればよい。反応管の形式は特に限定されるものでなく、固定床流通系でも流動床反応器を用いてもよい。
触媒反応温度は、400〜700℃が好ましい。触媒反応温度が400℃以下では反応が進まない。逆に、触媒反応温度が700℃以上では触媒を担持したダイヤモンド微粒子24において、ダイヤモンド微粒子と触媒となる金属との反応が生起し、ダイヤモンド微粒子内部への金属の溶解や、部分的に炭化物(カーバイド)などの化合物が生成するにより触媒活性が失われるので、好ましくない。炭化水素がメタンの場合には、触媒反応温度は400℃から600℃の温度範囲が好ましい。炭化水素がエチレンの場合には、触媒反応温度は400℃から700℃の温度範囲の何れかの温度であればよい。
触媒に対するガスの流量は、空間速度として500cm/g触媒・hから20000cm/g触媒・hの範囲で操作するのが適当である。
以下に示す実施例では小型の固定床流通系を用いているために、粉末である微粒子状の担体のダイヤモンド触媒微粒子を用いているが、実際に工業化するために超微粒子を用いると固定床反応器内に圧力損失が生じる。これを回避するためには、反応に不活性なバインダーを用いて触媒を粒状ないしはペレット状にしてもよい。
本発明のナノ炭素材料複合体21の製造方法によれば、ダイヤモンド微粒子22上に繊維状のナノカーボン材料が成長したナノ炭素材料複合体21を製造することができる。このように、熱化学気相成長法で、かつ、ダイヤモンド微粒子を金属触媒の下地として用いることで、触媒の径を制御しかつ均一に作製することができ、ナノ炭素材料の構造制御が可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
粒径が5〜30nmのダイヤモンド微粒子を担体として、それらに触媒成分としてのニッケルを金属として5wt%含む触媒0.1gを小型の固定床流通系反応管に充填し、触媒層を575℃で一定に保ち、原料ガスとしてメタンを20cm/分の流速で60分間流して反応を行なった。
反応終了後、回収した生成物を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
図3は実施例1で得た生成物の走査型電子顕微鏡像を示すものである。図3から明らかなように、実施例1の生成物は、直径が20〜50nmの繊維状のナノ炭素材料複合体であり、カーボンナノファイバーであることが分かった。
次に、カーボンナノファイバーを透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。
図4は、実施例1で作製したカーボンナノファイバーの透過型電子顕微鏡像を示している。図4から明らかなように、生成したカーボンナノファイバーの直径は20〜50nmであり、先端が詰まった構造を有していることが分かった。カーボンナノファイバーの先端についている黒い塊は使用した触媒金属微粒子である。
コバルトを触媒成分とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のナノ炭素材料複合体を作製した。実施例2のナノ炭素材料も実施例1と同じカーボンナノファイバーであった。
粒径が5〜30nmのダイヤモンド微粒子を担体として、それらに触媒成分としてのパラジウムを金属として5wt%含む触媒0.1gを小型の固定床流通系反応管に充填し、触媒層を600℃で一定に保ち、原料ガスとしてメタンを20cm/分の流速で60分間流して反応を行なった。
反応終了後、回収した生成物を走査型電子顕微鏡により観察した。
図5は、実施例3で得た生成物の走査型電子顕微鏡像を示すものである。図5から明らかなように、実施例3の生成物は、直径が80〜100nmのナノ炭素材料複合体であり、繊維状で、かつ、らせん状に巻いていることから、カーボンナノコイルであることが分かった。
次に、カーボンナノコイルを透過型電子顕微鏡により観察した。
図6は、実施例3で作製したカーボンナノコイルの透過型電子顕微鏡像である。図6から明らかなように、生成したカーボンナノコイルは、直径が80〜100nmの詰まった構造を有していることが分かった。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明のナノ炭素材料複合体は、分散性が高くかつ均一性がよいので、構造材料、電気二重層キャパシタ、燃料電池または一般的な二次電池の電極材料として、さらには、特にエミッタ材料として使用することができる。
本発明のナノ炭素材料複合体の構成を示す模式断面図である。 本発明のナノ炭素材料複合体の製造方法において、(a)がダイヤモンド微粒子を、(b)は製造されたナノ炭素材料複合体を模式的に示す図である。 実施例1で得た生成物の走査型電子顕微鏡像を示すものである。 実施例1で作製したカーボンナノファイバーの透過型電子顕微鏡像を示している。 実施例3で得た生成物の走査型電子顕微鏡像を示すものである。 実施例3で作製したカーボンナノコイルの透過型電子顕微鏡像を示す図である。
符号の説明
1,21:ナノ炭素材料複合体
2,22:ダイヤモンド微粒子
3,23:ナノ炭素材料
24:ダイヤモンド触媒微粒子

Claims (11)

  1. ダイヤモンド微粒子と、該ダイヤモンド微粒子の表面に直接或いは金属又は金属化合物を介して形成されたナノ炭素材料と、からなることを特徴とする、ナノ炭素材料複合体。
  2. 前記ダイヤモンド微粒子の粒径は1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のナノ炭素材料複合体。
  3. 前記ナノ炭素材料はカーボンナノファイバーであることを特徴とする、請求項1に記載のナノ炭素材料複合体。
  4. 前記ナノ炭素材料はカーボンナノコイルであることを特徴とする、請求項1に記載のナノ炭素材料複合体。
  5. 表面が酸化されたダイヤモンド微粒子の表面に、遷移金属触媒を担持してダイヤモンド触媒微粒子とし、該ダイヤモンド触媒微粒子を炭化水素からなる気相中でナノ炭素材料が合成される触媒反応温度に加熱し、上記ダイヤモンド触媒微粒子表面にナノ炭素材料を成長させることを特徴とする、ナノ炭素材料複合体の製造方法。
  6. 前記遷移金属触媒はニッケル又はコバルトから成り、前記ナノ炭素材料はカーボンナノファイバーであることを特徴とする、請求項5に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  7. 前記遷移金属触媒はパラジウムであり、前記ナノ炭素材料はカーボンナノコイルであることを特徴とする、請求項5に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  8. 前記炭化水素は、メタン又はエチレンであることを特徴とする、請求項5に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  9. 前記触媒反応温度は、400℃から700℃の範囲であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  10. 前記炭化水素はメタンであって、かつ、前記触媒反応温度は400℃から600℃の温度範囲の何れかの温度であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  11. 前記炭化水素はエチレンであって、かつ、前記触媒反応温度は400℃から700℃の温度範囲の何れかの温度であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
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