JP2008047737A - 磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気抵抗効果素子の感磁層を単磁区化するためのバイアス磁界を感磁層に印加するバイアス磁界印加層の保磁力を大きくして、安定したバイアス磁界を感磁層に印加できるようにする。
【解決手段】MR素子5は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する自由層25を有している。2つのバイアス磁界印加層6は、MR素子5の2つの側面5a,5bに隣接するように配置されている。バイアス磁界印加層6は、非磁性の中間層62と、この中間層62を挟むように配置された第1の磁性層61および第2の磁性層63とを有している。第1の磁性層61と第2の磁性層63は、RKKY相互作用によって反強磁性的に交換結合している。
【選択図】図1
【解決手段】MR素子5は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する自由層25を有している。2つのバイアス磁界印加層6は、MR素子5の2つの側面5a,5bに隣接するように配置されている。バイアス磁界印加層6は、非磁性の中間層62と、この中間層62を挟むように配置された第1の磁性層61および第2の磁性層63とを有している。第1の磁性層61と第2の磁性層63は、RKKY相互作用によって反強磁性的に交換結合している。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気抵抗効果素子とバイアス磁界印加層とを備えた磁気抵抗効果装置、ならびにこの磁気抵抗効果装置を有する薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
再生ヘッドの特性としては、高感度および高出力であることが要求される。この要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いたGMRヘッドが量産されている。最近では、面記録密度の更なる向上に対応するために、TMR素子を用いた再生ヘッドの開発が進められている。
スピンバルブ型GMR素子は、一般的には、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置された自由層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置された固定層と、この固定層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。自由層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する強磁性層である。固定層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、固定層との交換結合により、固定層における磁化の方向を固定する層である。
ところで、従来のGMRヘッドでは、磁気的信号検出用の電流(以下、センス電流という。)を、GMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流す構造になっていた。このような構造は、CIP(Current In Plane)構造と呼ばれる。これに対し、センス電流を、GMR素子を構成する各層の面と交差する方向、例えばGMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流す構造のGMRヘッドの開発も進められている。このような構造は、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造と呼ばれる。以下、CPP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCPP−GMR素子と呼び、CIP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCIP−GMR素子と呼ぶ。
前述のTMR素子を用いた再生ヘッドもCPP構造となる。TMR素子は、一般的には、互いに反対側を向く2つの面を有するトンネルバリア層と、このトンネルバリア層の一方の面に隣接するように配置された自由層と、トンネルバリア層の他方の面に隣接するように配置された固定層と、この固定層におけるトンネルバリア層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。トンネルバリア層は、トンネル効果によりスピンを保存した状態で電子が通過できる非磁性絶縁層である。自由層、固定層および反強磁性層については、スピンバルブ型GMR素子と同様である。
ところで、一般的に、MR素子のトラック幅方向の両側には、自由層にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層が配置される。バイアス磁界は、MR素子に信号磁界が印加されていないときにおける自由層の磁化の方向を所定の方向に揃えることより、自由層を単磁区化する。これにより、再生ヘッドの出力信号において発生するバルクハウゼンノイズが抑制される。一般的なバイアス磁界印加層としては、例えば、保磁力の大きな硬磁性層や、強磁性層と反強磁性層との積層体が用いられる。
ここで、図11に、一般的な構成のバイアス磁界印加層を含む再生ヘッドの一例を示す。図11は、この一例の再生ヘッドの断面図である。ここでは、CPP構造の再生ヘッドの例を示す。図11に示した再生ヘッドは、第1のシールド層103と、この第1のシールド層103の上に配置されたMR素子105と、このMR素子105の上に配置された第2のシールド層108とを備えている。MR素子105は、CPP−GMR素子またはTMR素子である。この再生ヘッドは、更に、MR素子105の2つの側面に隣接するように配置され、MR素子105に対してバイアス磁界を印加する2つのバイアス磁界印加層106と、第1のシールド層103およびMR素子105とバイアス磁界印加層106との間に配置された絶縁層109とを備えている。シールド層103,108は、MR素子105に対してセンス電流を流すための電極を兼ねている。この例では、バイアス磁界印加層106は、1層の硬磁性層によって構成されている。
特許文献1ないし3には、上述のような一般的な構成以外の構成のバイアス磁界印加層が記載されている。特許文献1には、積層された強磁性層、反強磁性膜、強磁性層を含む3層以上の積層体によって構成されたバイアス磁界印加層が記載されている。このバイアス磁界印加層において、強磁性層と反強磁性膜は交換結合している。
特許文献2には、磁気分離層と、この磁気分離層を挟むように配置された2つの磁界印加層とを備えたバイアス磁界印加層が記載されている。2つの磁界印加層は、それらの保磁力の違いを利用して互いに逆方向に着磁されている。
特許文献3には、保磁力の異なる2つの硬磁性層を積層して構成されたバイアス磁界印加層が記載されている。
従来、薄膜磁気ヘッドでは、種々の要因によって、バイアス磁界印加層における磁化の状態や、MR素子の上下に配置された2つのシールド層における磁化の状態が変化し、その結果、自由層に印加されるバイアス磁界が変化して、突発的に再生ヘッドの出力信号が変動することがあった。バイアス磁界印加層やシールド層における磁化の状態の変化をもたらす要因としては、例えば、外部磁界の変動や、薄膜磁気ヘッドと記録媒体との衝突によってバイアス磁界印加層やシールド層において発生する応力や、記録ヘッドにおける書き込み時に発生する熱によってバイアス磁界印加層やシールド層において発生する応力がある。
上述のような再生ヘッドの出力信号の変動は、薄膜磁気ヘッドの信頼性を損なうため、抑制する必要がある。この再生ヘッドの出力信号の変動を抑制するための有効な手段の一つは、バイアス磁界印加層から、外部磁界の変動や応力の発生によっても変化しにくい、安定したバイアス磁界を発生させることである。
バイアス磁界印加層から安定したバイアス磁界を発生させるには、バイアス磁界印加層の厚みを大きくしてバイアス磁界を大きくしたり、バイアス磁界印加層の異方性エネルギーを大きくしてバイアス磁界印加層の保磁力や角型比を大きくしたりすることが有効である。
しかしながら、バイアス磁界印加層の厚みを大きくすると、2つのシールド層の間隔である再生ギャップ長が大きくなり、磁気ディスク装置の線記録密度を大きくすることができなくなるという問題点がある。
また、硬磁性層を用いたバイアス磁界印加層では、硬磁性層は、その面内方向に磁気異方性を有している。この硬磁性層を用いたバイアス磁界印加層では、その異方性エネルギーを大きくすることが難しいという問題点がある。以下、その理由について説明する。硬磁性層を用いたバイアス磁界印加層では、主に結晶磁気異方性を利用して異方性エネルギーを得ている。しかし、通常のスパッタリング等の成膜方法でバイアス磁界印加層を形成する場合には、バイアス磁界印加層の全体にわたって結晶磁気異方性を揃えることは非常に難しい。そのため、このバイアス磁界印加層では、異方性エネルギーを大きくすることが難しい
また、強磁性層と反強磁性層との積層体を用いたバイアス磁界印加層では、特許文献1において説明されているように、強磁性層の厚みを大きくしてバイアス磁界を大きくしようとすると、強磁性層と反強磁性層とによる交換結合磁界が小さくなり、バイアス磁界が変化しやすくなるという問題点がある。
特許文献1に記載されている、積層された強磁性層、反強磁性膜、強磁性層を含む3層以上の積層体によって構成されたバイアス磁界印加層では、バイアス磁界印加層全体の厚みの中で反強磁性膜の厚みが占める割合が比較的大きいため、バイアス磁界印加層全体の厚みを大きくせずにバイアス磁界を大きくすることが難しいという問題点がある。
特許文献2に記載されているバイアス磁界印加層では、2つの磁界印加層は、それらの保磁力の違いを利用して互いに逆方向に着磁されているだけであることから、バイアス磁界印加層から発生されるバイアス磁界を安定にする作用は得られない。また、特許文献3に記載されているバイアス磁界印加層においても、バイアス磁界印加層から発生されるバイアス磁界を安定にする作用は得られない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する感磁層を含む磁気抵抗効果素子と感磁層を単磁区化するためのバイアス磁界を感磁層に印加するバイアス磁界印加層とを備えた磁気抵抗効果装置であって、バイアス磁界印加層の保磁力を大きくして、安定したバイアス磁界を感磁層に印加できるようにした磁気抵抗効果装置、ならびに、この磁気抵抗効果装置を有する薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の磁気抵抗効果装置は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する感磁層を有し、外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子と、外部磁界が印加されない状態において感磁層を単磁区化するためのバイアス磁界を感磁層に印加するバイアス磁界印加層とを備えている。磁気抵抗効果素子は、感磁層の側面を含む側面を有し、バイアス磁界印加層は磁気抵抗効果素子の側面に隣接するように配置されている。バイアス磁界印加層は、互いに反対側を向く第1および第2の面を有する非磁性の中間層と、第1の面に隣接するように配置された第1の磁性層と、第2の面に隣接するように配置された第2の磁性層とを有し、第1の磁性層と第2の磁性層は反強磁性的に交換結合している。
本発明の磁気抵抗効果装置において、第1の磁性層における最大の厚みは第2の磁性層における最大の厚みよりも大きくてもよい。この場合、第1の磁性層と第2の磁性層が同じ材料によって形成され、第2の磁性層における最大の厚みは、第1の磁性層における最大の厚みの8.7%以上25%以下であってもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果装置において、第1の磁性層の少なくとも一部は、感磁層の側面に隣接する位置に配置されていてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果装置は、更に、その上に磁気抵抗効果素子が配置される下地を備え、磁気抵抗効果素子は、下地から離れるに従って小さくなる幅を有し、第1の磁性層は、第2の磁性層よりも下地に近い位置に配置されていてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果装置において、磁気抵抗効果素子は、更に、磁化の方向が固定された固定層と、感磁層と固定層との間に配置された非磁性のスペーサ層とを有していてもよい。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体からの信号磁界を検出するために媒体対向面の近傍に配置された本発明の磁気抵抗効果装置とを備えたものである。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。また、本発明のヘッドアームアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションと、スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームとを備え、サスペンションがアームに取り付けられているものである。
本発明の磁気ディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明では、磁気抵抗効果装置におけるバイアス磁界印加層は、互いに反対側を向く第1および第2の面を有する非磁性の中間層と、第1の面に隣接するように配置された第1の磁性層と、第2の面に隣接するように配置された第2の磁性層とを有し、第1の磁性層と第2の磁性層は反強磁性的に交換結合している。これにより、本発明によれば、バイアス磁界印加層の保磁力を大きくして、安定したバイアス磁界を感磁層に印加することができるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図2は薄膜磁気ヘッドの媒体対向面および基板に垂直な断面を示す断面図、図3は薄膜磁気ヘッドの磁極部分の媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図2は薄膜磁気ヘッドの媒体対向面および基板に垂直な断面を示す断面図、図3は薄膜磁気ヘッドの磁極部分の媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面20を備えている。また、薄膜磁気ヘッドは、アルティック(Al2O3・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる第1のシールド層3と、この第1のシールド層3の上に配置されたMR素子5と、このMR素子5の2つの側部に隣接するように配置された2つのバイアス磁界印加層6と、MR素子5およびバイアス磁界印加層6の周囲に配置された絶縁層7とを備えている。MR素子5は、媒体対向面20の近傍に配置されている。絶縁層7は、アルミナ等の絶縁材料によって形成されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、MR素子5、バイアス磁界印加層6および絶縁層7の上に配置された磁性材料よりなる第2のシールド層8と、この第2のシールド層8の上に配置されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層18と、この分離層18の上に配置された磁性材料よりなる下部磁極層19とを備えている。第2のシールド層8および下部磁極層19に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。なお、第2のシールド層8、分離層18および下部磁極層19の代わりに、下部磁極層を兼ねた第2のシールド層を設けてもよい。
薄膜磁気ヘッドは、更に、下部磁極層19の上に配置されたアルミナ等の非磁性材料よりなる記録ギャップ層9を備えている。記録ギャップ層9には、媒体対向面20から離れた位置においてコンタクトホール9aが形成されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、記録ギャップ層9の上に配置された薄膜コイルの第1層部分10を備えている。第1層部分10は、銅(Cu)等の導電材料によって形成されている。なお、図2において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように配置された絶縁材料よりなる絶縁層11と、磁性材料よりなる上部磁極層12と、接続部10aの上に配置された導電材料よりなる接続層13とを備えている。接続層13は、磁性材料によって形成されていてもよい。絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となっている。
上部磁極層12は、トラック幅規定層12aと連結部分層12bとヨーク部分層12cとを有している。トラック幅規定層12aは、絶縁層11のうちの媒体対向面20側の斜面部分から媒体対向面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に配置されている。トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11の媒体対向面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部とを有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
連結部分層12bは、コンタクトホール9aが形成された位置において、下部磁極層19の上に配置されている。ヨーク部分層12cは、トラック幅規定層12aと連結部分層12bとを連結している。ヨーク部分層12cの媒体対向面20側の端部は、媒体対向面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して下部磁極層19に接続されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、連結部分層12bおよび連結部分層12bの周囲に配置されたアルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を備えている。トラック幅規定層12a、連結部分層12b、接続層13および絶縁層14の上面は平坦化されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、絶縁層14の上に配置された薄膜コイルの第2層部分15を備えている。第2層部分15は、銅(Cu)等の導電材料によって形成されている。なお、図2において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように配置された絶縁層16を備えている。絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となっている。ヨーク部分層12cの一部は、絶縁層16の上に配置されている。
薄膜磁気ヘッドは、更に、上部磁極層12を覆うように配置されたオーバーコート層17を備えている。オーバーコート層17は、例えばアルミナによって構成されている。
次に、本実施の形態における薄膜磁気ヘッドの製造方法の概略について説明する。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、基板1の上に、スパッタ法等によって絶縁層2を、例えば0.2〜5μmの厚みに形成する。次に、絶縁層2の上に、めっき法等によって第1のシールド層3を、所定のパターンに形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPという。)によって、第1のシールド層3が露出するまで絶縁層を研磨して、第1のシールド層3および絶縁層の上面を平坦化する。
次に、第1のシールド層3の上に、MR素子5と、2つのバイアス磁界印加層6と、絶縁層7とを形成する。次に、MR素子5、バイアス磁界印加層6および絶縁層7の上に、第2のシールド層8を形成する。第2のシールド層8は、例えばめっき法またはスパッタ法によって形成される。次に、第2のシールド層8の上に、スパッタ法等によって、分離層18を形成する。次に、この分離層18の上に、例えばめっき法またはスパッタ法によって、下部磁極層19を形成する。
次に、下部磁極層19の上に、スパッタ法等によって、記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後に形成される薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述する媒体対向面20側の斜面部分から媒体対向面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aが形成された位置において下部磁極層19の上に連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に接続層13を形成する。
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および下部磁極層19の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図3に示したように、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および下部磁極層19の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、ここまでの工程によって形成された積層体の上面全体の上に絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、例えばCMPによって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、ヨーク部分層12cを形成する。
次に、ここまでの工程によって形成された積層体の上面全体を覆うように、オーバーコート層17を形成する。次に、オーバーコート層17の上に配線や端子等を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って媒体対向面20を形成して、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面20と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドは、記録媒体からの信号磁界を検出するために媒体対向面20の近傍に配置されている。再生ヘッドは、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置に対応する。再生ヘッドの構成については、後で詳しく説明する。
記録ヘッドは、媒体対向面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層19および上部磁極層12と、この下部磁極層19の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層19および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図2に示したように、媒体対向面20から、絶縁層11の媒体対向面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、媒体対向面20から、2つの磁極層の間隔が大きくなり始める位置までの長さ(高さ)をいう。なお、図2および図3には、長手磁気記録方式用の記録ヘッドを示したが、本実施の形態における記録ヘッドは、垂直磁気記録方式用の記録ヘッドであってもよい。
次に、図1を参照して、本実施の形態における再生ヘッド、すなわち本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の構成について詳しく説明する。図1は再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。本実施の形態における再生ヘッドは、所定の間隔を開けて配置された第1のシールド層3および第2のシールド層8と、第1のシールド層3と第2のシールド層8との間に配置されたMR素子5と、MR素子5の2つの側面に隣接するように配置され、MR素子5に対してバイアス磁界を印加する2つのバイアス磁界印加層6とを備えている。再生ヘッドは、更に、第1のシールド層3およびMR素子5とバイアス磁界印加層6との間に配置された絶縁層41と、この絶縁層41とバイアス磁界印加層6との間に配置された下地層42と、2つのバイアス磁界印加層6と第2のシールド層8との間に配置された2つの保護層43とを備えている。
本実施の形態におけるMR素子5は、TMR素子になっている。このMR素子5には、磁気的信号検出用の電流であるセンス電流が、MR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流される。第1のシールド層3と第2のシールド層8は、センス電流を、MR素子5に対して、MR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流すための一対の電極を兼ねている。なお、第1のシールド層3および第2のシールド層8とは別に、MR素子5の上下に一対の電極を設けてもよい。MR素子5は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて抵抗値が変化する。MR素子5の抵抗値はセンス電流より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
MR素子5は、第1のシールド層3の上に順に積層された下地層21、反強磁性層22、固定層23、スペーサ層24、自由層25および保護層26を備えている。固定層23は磁化の方向が固定された強磁性層であり、反強磁性層22は、固定層23との交換結合により、固定層23における磁化の方向を固定する層である。下地層21は、その上に形成される各層の結晶性や配向性を向上させ、特に、反強磁性層22と固定層23との交換結合を良好にするために設けられる。自由層25は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する強磁性層である。自由層25は、本発明における感磁層に対応する。保護層26は、その下の各層を保護するための層である。
なお、図1に示した例では、固定層23と自由層25のうち、固定層23の方が第1のシールド層3に近い位置に配置されている。しかし、逆に、自由層25の方が第1のシールド層3に近い位置に配置されていてもよい。
下地層21の厚みは、例えば2〜6nmである。下地層21としては、例えばTa層とRu層との積層体が用いられる。
反強磁性層22の厚みは、例えば5〜30nmである。反強磁性層22は、例えば、Pt、Ru、Rh、Pd、Ni、Cu、Ir、CrおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種MIIと、Mnとを含む反強磁性材料により構成されている。このうちMnの含有量は35原子%以上95原子%以下、その他の元素MIIの含有量は5原子%以上65原子%以下であることが好ましい。この反強磁性材料には、熱処理しなくても反強磁性を示し、強磁性材料との間に交換結合磁界を誘起する非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。この反強磁性層22は、そのどちらにより構成されていてもよい。非熱処理系反強磁性材料にはγ相を有するMn合金等があり、具体的には、RuRhMn、FeMnあるいはIrMn等がある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構造を有するMn合金等があり、具体的には、PtMn、NiMnおよびPtRhMn等がある。
なお、固定層23における磁化の方向を固定する層として、上記のような反強磁性層22の代わりに、CoPt等の硬磁性材料よりなる硬磁性層を設けてもよい。この場合には、下地層21の材料としては、Cr、CrTi、TiW等が用いられる。
固定層23では、反強磁性層22との界面における交換結合により、磁化の向きが固定されている。固定層23の厚みは、例えば3〜6nmである。固定層23は、反強磁性層22の上に順に積層されたアウター層、非磁性中間層およびインナー層を有する、いわゆるシンセティック固定層になっていてもよい。この場合、アウター層とインナー層は、いずれも強磁性層である。アウター層とインナー層は、反強磁性的に結合し、磁化の方向が互いに逆方向に固定される。
スペーサ層24は、トンネル効果によりスピンを保存した状態で電子が通過できるトンネルバリア層になっている。スペーサ層24の厚みは、例えば0.5〜2nmである。スペーサ層24の材料としては、絶縁材料、例えばAl、Ni、Gd、Mg、Ta、Mo、Ti、W、HfまたはZrの酸化物または窒化物が用いられる。
自由層25の厚みは、例えば2〜10nmである。自由層25は、保磁力が小さい強磁性層によって構成されている。自由層25は、積層された複数の強磁性層を含んでいてもよい。
保護層26の厚みは、例えば0.5〜10nmである。保護層26としては、例えばTa層やRu層が用いられる。また、保護層26は、Ta層、Ru層等の組み合わせの2積層構造や、Ta層、Ru層、Ta層の組み合わせや、Ru層、Ta層、Ru層の組み合わせ等の3積層構造としてもよい。
各層21〜26の平面形状は、いずれも矩形である。従って、各層21〜26は、いずれも4つの側面を有している。MR素子5は、各層21〜26の4つの側面によって構成された4つの側面を有している。MR素子5の4つの側面のうちの1つは媒体対向面20に配置され、他の1つは、媒体対向面20に配置された側面とは反対側に配置されている。MR素子5の4つの側面のうちの残りの2つは、MR素子5におけるトラック幅方向の両側に配置されている。図1には、この2つの側面を、それぞれ符号5a,5bを付して示している。自由層25は、トラック幅方向の両側に配置された側面25a,25bを有している。MR素子5の側面5a,5bは、それぞれ、自由層25の側面25a,25bを含んでいる。
本実施の形態では、MR素子5は、第1のシールド層3の上に配置されている。従って、第1のシールド層3は、本発明における下地に対応する。図1に示したように、MR素子5は、第1のシールド層3から離れるに従って小さくなる幅を有している。
絶縁層41の厚みは、例えば3〜10nmである。絶縁層41は、アルミナ等の絶縁材料によって形成されている。絶縁層41は、第1のシールド層3のうち、MR素子5が配置されている部分以外の部分と、MR素子5の4つの側面のうち、媒体対向面20に配置された側面以外の側面を覆っている。
下地層42の厚みは、例えば2〜7nmである。下地層42の材料としては、Cr、CrTi、TiW、CrW、CrMo等が用いられる。
2つのバイアス磁界印加層6は、それぞれ、MR素子5の側面5a,5bに隣接するように、下地層42の上に配置されている。バイアス磁界印加層6は、MR素子5に外部磁界が印加されない状態において自由層25を単磁区化するためのバイアス磁界を自由層25に印加する。
図1に示したように、バイアス磁界印加層6は、互いに反対側を向く第1の面(下面)および第2の面(上面)を有する非磁性の中間層62と、第1の面に隣接するように配置された第1の磁性層61と、第2の面に隣接するように配置された第2の磁性層63とを有している。第1の磁性層61と第2の磁性層63は、RKKY相互作用によって反強磁性的に交換結合している。従って、第1の磁性層61の磁化の方向と第2の磁性層63の磁化の方向は、互いに逆方向になっている。このように、本実施の形態におけるバイアス磁界印加層6は、非磁性の中間層62と、この中間層62を挟むように配置されて反強磁性的に交換結合している第1の磁性層61および第2の磁性層62を含む3層構造、いわゆるシンセティック構造を有している。なお、第1の磁性層61の磁化の方向と第2の磁性層63の磁化の方向は、互いに逆方向ではあるが、いずれもトラック幅の方向である。
本実施の形態では、第1の磁性層61は、第2の磁性層63よりも第1のシールド層3に近い位置に配置されている。第1の磁性層61は、下地層42の上に配置されている。第1の磁性層61は、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分と、MR素子5の側面5aまたは5bの側方に配置された部分とを有している。第1の磁性層61において、側面5aまたは5bの側方に配置された部分の厚みは、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分の厚みよりも小さくなっている。従って、第1の磁性層61における最大の厚みt1は、第1の磁性層61のうちの第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分における最大の厚みである。
中間層62は、第1の磁性層61の上に配置されている。中間層62は、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分と、MR素子5の側面5aまたは5bの側方に配置された部分とを有している。中間層62において、側面5aまたは5bの側方に配置された部分の厚みは、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分の厚みよりも小さくなっている。
第2の磁性層63は、中間層62の上に配置されている。第2の磁性層63は、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分と、MR素子5の側面5aまたは5bの側方に配置された部分とを有している。第2の磁性層63において、側面5aまたは5bの側方に配置された部分の厚みは、第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分の厚みよりも小さくなっている。従って、第2の磁性層63における最大の厚みt2は、第2の磁性層63のうちの第1のシールド層3の上面の上方に配置された部分における最大の厚みである。
第1の磁性層61と第2の磁性層63は、いずれも磁性材料によって形成されている。第1の磁性層61と第2の磁性層63の材料としては、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、CoCrPtTa、FePt、TbFeCo等が用いられる。なお、第1の磁性層61の材料と第2の磁性層63の材料は、同じでもよいし異なっていてもよい。
中間層62は、非磁性材料によって形成されている。中間層62の材料としては、Ru、Rh、Cr、Cu、Pd、Pt、Os、Ir、Au、Ag、Re等が用いられる。中間層62の厚みは、第1の磁性層61と第2の磁性層63の間でRKKY相互作用による反強磁性的交換結合が生じる厚みに設定される。中間層62の厚みは、0.3〜2.0nmの範囲内であることが好ましい。
保護層43は、第2の磁性層63の上に配置されている。保護層43における最大の厚みは、例えば1〜7nmである。保護層43の材料は、導電材料であってもよいし、絶縁材料であってもよい。保護層43の材料としては、Cr、CrTi、Ta、AuCu、Ru、Al2O3、Ti等が用いられる。
本実施の形態では、第1の磁性層61における最大の厚みt1は、第2の磁性層63における最大の厚みt2よりも大きい。第1の磁性層61と第2の磁性層63が同じ材料によって形成されている場合には、後で説明する実験の結果から、第2の磁性層63における最大の厚みt2は、第1の磁性層61における最大の厚みt1の8.7%以上25%以下であることが好ましい。また、第1の磁性層61の少なくとも一部は、絶縁層41および下地層42を介して自由層25の側面25a,25bに隣接する位置に配置されている。
図8は、図1に示した再生ヘッドにおけるバイアス磁界印加層6と自由層25の磁化の方向を示す説明図である。図8では、第1の磁性層61、第2の磁性層63および自由層25における磁化の方向を、それぞれ太い矢印で表している。矢印の太さは、各層61,63,25における磁気モーメントの総和を概念的に表している。図8に示したように、本実施の形態では、第1の磁性層61における磁気モーメントの総和は、第2の磁性層63における磁気モーメントの総和よりも大きい。また、自由層25の側面25a,25bに対して、第2の磁性層63の一部よりも第1の磁性層61の一部の方が近くに配置されている。そのため、バイアス磁界印加層6によって自由層25に印加されるバイアス磁界の方向は、第1の磁性層61の磁化の方向に平行になる。その結果、外部磁界が印加されていない状態において、自由層25の磁化の方向は第1の磁性層61の磁化の方向に平行になる。
次に、図1に示した再生ヘッドの製造方法について説明する。この再生ヘッドの製造方法では、まず、絶縁層2の上に、めっき法等によって、所定のパターンの第1のシールド層3を形成する。次に、第1のシールド層3の上に、例えばスパッタ法によって、MR素子5を構成する各層となる膜を順に形成する。次に、これらの膜をエッチングによってパターニングして、MR素子5を形成する。次に、例えばスパッタ法によって、絶縁層41、下地層42、第1の磁性層61、中間層62、第2の磁性層63、保護層43を順に形成する。次に、MR素子5およびバイアス磁界印加層6の周囲に、図2に示した絶縁層7を形成する。次に、MR素子5、保護層43および絶縁層7の上に、例えばめっき法またはスパッタ法によって、第2のシールド層8を形成する。その後、バイアス磁界印加層6は、第1の磁性層61の磁化がトラック幅方向を向くように着磁される。
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層6によるバイアス磁界の方向は、媒体対向面20に垂直な方向と直交している。MR素子5において、信号磁界がない状態では、自由層25の磁化の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。固定層23の磁化の方向は、媒体対向面20に垂直な方向に固定されている。
MR素子5では、記録媒体からの信号磁界に応じて自由層25の磁化の方向が変化し、これにより、自由層25の磁化の方向と固定層23の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子5の抵抗値が変化する。MR素子5の抵抗値は、第1および第2のシールド層3,8によってMR素子5にセンス電流を流したときのシールド層3,8間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
次に、本実施の形態における再生ヘッドの特徴について説明する。本実施の形態では、バイアス磁界印加層6において、第1の磁性層61と第2の磁性層63が反強磁性的に交換結合している。これにより、本実施の形態では、バイアス磁界印加層6の実効的な保磁力を大きくすることができ、その結果、安定したバイアス磁界を自由層25に印加することができる。
本実施の形態において、第1の磁性層61における最大の厚みt1は、第2の磁性層63における最大の厚みt2よりも大きい。また、第1の磁性層61の少なくとも一部は、絶縁層41および下地層42を介して自由層25の側面25a,25bに隣接する位置に配置されている。これにより、信号磁界が印加されていない状態における自由層25の磁化の方向を、第1の磁性層61の磁化の方向に平行な方向に向けることができる。
第1の磁性層61と第2の磁性層63が同じ材料によって形成されている場合には、後に示す実験の結果から、第2の磁性層63における最大の厚みt2は、第1の磁性層61における最大の厚みt1の8.7%以上25%以下であることが好ましい。
また、本実施の形態において、MR素子5は、第1のシールド層3から離れるに従って小さくなる幅を有し、第1の磁性層61は、第2の磁性層63よりも第1のシールド層3に近い位置に配置されている。これにより、自由層25の側面25a,25bに対して、第2の磁性層63の一部よりも第1の磁性層61の一部の方を近くに配置することが可能になる。その結果、信号磁界が印加されていない状態における自由層25の磁化の方向を、第1の磁性層61の磁化の方向に平行な方向に向けることが容易になる。
本実施の形態において、バイアス磁界印加層6における最大の厚みは、10nm以上40nm以下であることが好ましい。バイアス磁界印加層6における最大の厚みが10nmよりも小さいと、バイアス磁界印加層6から十分な大きさのバイアス磁界を発生させることが難しくなる。また、バイアス磁界印加層6における最大の厚みが40nmよりも大きくなると、2つのシールド層3,8の間隔である再生ギャップ長が大きくなり、磁気ディスク装置の線記録密度を大きくすることが困難になる。
次に、第1の磁性層61における最大の厚みt1に対する第2の磁性層63における最大の厚みt2の割合の好ましい範囲を求めるために行った実験について説明する。この実験では、まず、再生ヘッドと記録ヘッドとを含む薄膜磁気ヘッドの7種類の試料1〜7を100個ずつ作製した。試料1〜7の概略の構成は、図2および図3に示した通りである。試料2〜7における再生ヘッドの構成は、図1に示した通りになっている。ただし、試料2〜7において、バイアス磁界印加層6の構成は互いに異なっている。試料1における再生ヘッドの構成は、3つの層61〜63を有するバイアス磁界印加層6の代わりに1つの層からなるバイアス磁界印加層を備えていること以外は、試料2〜7における再生ヘッドと同じ構成である。なお、試料1〜7において、下地層42は厚み3.5nmのCr層であり、保護層43は厚み5nmのCr層である。
試料1におけるバイアス磁界印加層は、最大の厚みが25nmのCoPtよりなる1つの層によって構成されている。試料2〜7における中間層62は、いずれも、厚み0.8nmのRu層である。また、試料2〜7における第1の磁性層61と第2の磁性層63は、いずれもCoPtによって形成されている。試料2〜7では、第1の磁性層61における最大の厚みt1と第2の磁性層63における最大の厚みt2の組み合わせが互いに異なっている。試料2〜7における厚みt1,t2の値は、後で表に示す。実験では、試料1〜7におけるバイアス磁界印加層の保磁力と角型比を測定した。これらも、後で表に示す。
実験では、試料1〜7について、擬似静的試験(Quasi static test)を行って、記録ヘッドの記録動作時に発生する熱、およびこれに伴って再生ヘッドにおいて発生する応力が再生ヘッドの出力に及ぼす影響を調べた。具体的には、記録ヘッドにおける記録電流の値を59mAに設定し、記録ヘッドへの記録電流の通電前後における再生ヘッドの出力の変動を調べた。この試験では、記録ヘッドへの記録電流の通電前後において再生ヘッドの出力が20%以上変動したときに不良と判定し、100個ずつの試料1〜7について、それぞれ不良発生率を求めた。
下記の表1に、試料1〜7について、第1の磁性層61における最大の厚みt1(nm)、第2の磁性層63における最大の厚みt2(nm)、t2/t1(%)、バイアス磁界印加層の保磁力(Oe(1Oeは79.6A/m))、バイアス磁界印加層の角型比、および不良発生率(%)を示す。なお、便宜上、試料1については、バイアス磁界印加層を構成する1つの層を第1の磁性層61とみなし、t1を25nm、t2を0nmとした。
表1から分かるように、試料3〜5では、バイアス磁界印加層が1つの層によって構成された試料1に比べて、保磁力が大きく、且つ不良発生率が小さくなっている。試料3〜5におけるt2/t1は8.7〜25%である。t2/t1が4.2%の試料2とt2/t1が35%の試料6では、不良発生率が試料1と等しい。また、t2/t1が38.9%の試料7では、不良発生率が試料1よりも大きくなっている。これらのことから、第1の磁性層61と第2の磁性層63が同じ材料によって形成されている場合には、第2の磁性層63における最大の厚みt2は、第1の磁性層61における最大の厚みt1の8.7%以上25%以下であることが好ましい。
t2/t1が8.7%よりも小さくなると、バイアス磁界印加層6の全体の磁化状態に対して第1の磁性層61の磁化状態が支配的となり、第1の磁性層61と第2の磁性層63との反強磁性的交換結合によってバイアス磁界印加層6の実効的な保磁力を大きく効果を十分に得ることができなくなると考えられる。
また、t2/t1が25%よりも大きくなると、バイアス磁界の方向と逆方向の磁化を有する第2の磁性層63における磁気モーメントの総和が大きくなりすぎて、バイアス磁界が小さくなると共にバイアス磁界印加層6の実効的な保磁力が低下して、バイアス磁界が安定しなくなると考えられる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。まず、図4を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体である磁気ディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図2における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、磁気ディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面20が形成されている。磁気ディスクが図4におけるz方向に回転すると、磁気ディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図4におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によって磁気ディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図4におけるx方向は、磁気ディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図4における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図5は、本実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図6および図7を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。図6は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図7は磁気ディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚の磁気ディスク262を有している。各磁気ディスク262毎に、磁気ディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に磁気ディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210を磁気ディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、磁気ディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、磁気ディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態における再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。図9に示したように、本実施の形態に係るMR素子5は、第1の実施の形態におけるスペーサ層24の代わりに、非磁性導電層よりなるスペーサ層27が設けられた構成になっている。すなわち、本実施の形態に係るMR素子5はCPP−GMR素子になっている。スペーサ層27の厚みは、例えば1.0〜4.0nmである。スペーサ層27は、例えば、Cu、AuおよびAgからなる群のうち少なくとも1種を80重量%以上含む非磁性の導電材料により構成されている。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態における再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。図9に示したように、本実施の形態に係るMR素子5は、第1の実施の形態におけるスペーサ層24の代わりに、非磁性導電層よりなるスペーサ層27が設けられた構成になっている。すなわち、本実施の形態に係るMR素子5はCPP−GMR素子になっている。スペーサ層27の厚みは、例えば1.0〜4.0nmである。スペーサ層27は、例えば、Cu、AuおよびAgからなる群のうち少なくとも1種を80重量%以上含む非磁性の導電材料により構成されている。
第1の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、MR素子5には、MR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に、センス電流が流される。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態における再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。図10に示したように、本実施の形態に係るMR素子5は、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態におけるスペーサ層24の代わりに、非磁性導電層よりなるスペーサ層27が設けられた構成になっている。スペーサ層27の厚みおよび材料は、第2の実施の形態と同様である。本実施の形態に係るMR素子5はCIP−GMR素子になっている。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態における再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。図10に示したように、本実施の形態に係るMR素子5は、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態におけるスペーサ層24の代わりに、非磁性導電層よりなるスペーサ層27が設けられた構成になっている。スペーサ層27の厚みおよび材料は、第2の実施の形態と同様である。本実施の形態に係るMR素子5はCIP−GMR素子になっている。
本実施の形態では、第1のシールド層3の上に、絶縁膜よりなる第1のシールドギャップ膜51が設けられている。そして、この第1のシールドギャップ膜51の上にMR素子5が配置されている。従って、本実施の形態では、この第1のシールドギャップ膜51が、本発明における下地に対応する。図10に示したように、MR素子5は、第1のシールドギャップ膜51から離れるに従って小さくなる幅を有している。
本実施の形態では、第1の実施の形態における絶縁層41は設けられていない。また、本実施の形態では、第1の実施の形態における下地層42の代わりに、第1のシールドギャップ膜51およびMR素子5とバイアス磁界印加層6との間に配置された下地層52が設けられている。下地層52の材料および厚みは、下地層42と同様である。
本実施の形態において、2つのバイアス磁界印加層6は、それぞれ、MR素子5の側面5a,5bに隣接するように、下地層52の上に配置されている。また、2つのバイアス磁界印加層6の上には、第1の実施の形態における2つの保護層43の代わりに、導電材料よりなる2つの電極層53が設けられている。2つの電極層53は、図10に示したように保護層26の上にオーバーラップしていてもよいし、保護層26の上にオーバーラップしていなくてもよい。また、本実施の形態では、2つの電極層53およびMR素子5を覆うように、絶縁膜よりなる第2のシールドギャップ膜54が設けられている。そして、この第2のシールドギャップ膜54の上に、第2のシールド層8が配置されている。
本実施の形態では、センス電流は、2つの電極層53によって、MR素子5に対して、MR素子5を構成する各層の面に対して平行な方向に流される。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果装置は、薄膜磁気ヘッドにおける再生ヘッドに限らず、磁気センサ等の他の用途にも用いることができる。
1…基板、2…絶縁層、3…第1のシールド層、5…MR素子、6…バイアス磁界印加層、8…第2のシールド層、20…媒体対向面、22…反強磁性層、23…固定層、24…スペーサ層、25…自由層、26…保護層、41…絶縁層、42…下地層、43…保護層、61…第1の磁性層、62…中間層、63…第2の磁性層。
Claims (10)
- 外部磁界に応じて磁化の方向が変化する感磁層を有し、外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子と、
外部磁界が印加されない状態において前記感磁層を単磁区化するためのバイアス磁界を前記感磁層に印加するバイアス磁界印加層とを備えた磁気抵抗効果装置であって、
前記磁気抵抗効果素子は、前記感磁層の側面を含む側面を有し、前記バイアス磁界印加層は前記磁気抵抗効果素子の側面に隣接するように配置され、
前記バイアス磁界印加層は、互いに反対側を向く第1および第2の面を有する非磁性の中間層と、前記第1の面に隣接するように配置された第1の磁性層と、前記第2の面に隣接するように配置された第2の磁性層とを有し、前記第1の磁性層と第2の磁性層は反強磁性的に交換結合していることを特徴とする磁気抵抗効果装置。 - 前記第1の磁性層における最大の厚みは前記第2の磁性層における最大の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果装置。
- 前記第1の磁性層と前記第2の磁性層は同じ材料によって形成され、前記第2の磁性層における最大の厚みは、前記第1の磁性層における最大の厚みの8.7%以上25%以下であることを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果装置。
- 前記第1の磁性層の少なくとも一部は、前記感磁層の側面に隣接する位置に配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の磁気抵抗効果装置。
- 更に、その上に前記磁気抵抗効果素子が配置される下地を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、前記下地から離れるに従って小さくなる幅を有し、
前記第1の磁性層は、前記第2の磁性層よりも前記下地に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置。 - 前記磁気抵抗効果素子は、更に、磁化の方向が固定された固定層と、前記感磁層と前記固定層との間に配置された非磁性のスペーサ層とを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置。
- 記録媒体に対向する媒体対向面と、
前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置と
を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 請求項7記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。 - 請求項7記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
前記スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームと
を備え、前記サスペンションが前記アームに取り付けられていることを特徴とするヘッドアームアセンブリ。 - 請求項7記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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