JP3699714B2 - 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備える薄膜磁気ヘッド、ならびにその薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−312512号公報
【特許文献2】
特開平10−312514号公報
【0003】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能の向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し専用の磁気抵抗効果素子(以下、単にMR(Magneto-resistive)素子と簡略に記すことがある)を有する再生ヘッドと、書き込み専用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと、を積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く使用されている。
【0004】
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto-resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto-resistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子等が挙げられる。
【0005】
GMR素子としては、スピンバルブ型GMR素子が多く用いられている。スピンバルブ型GMR素子は、非磁性層と、この非磁性層の一方の面に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された強磁性層と、非磁性層とは反対に位置する側の強磁性層の上に形成されたピンニング層(一般には反強磁性層)とを有している。軟磁性層は外部からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化するよう作用する層であり、強磁性層は、ピンニング層(反強磁性層)からの磁界によって、磁化の方向が固定された層である。
【0006】
再生ヘッドの特性としては、出力が大きいこと、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求される。バルクハウゼンノイズを低減させる手段としては、通常、MR素子に対して長手方向にバイアス磁界(以下、縦バイアス磁界と称す)を印加することが行われている。MR素子に対する縦バイアス磁界の印加は、例えばMR素子の両側に、永久磁石や、強磁性層と反強磁性層との積層体等によって構成されたバイアス磁界印加層を配置することによって行われる。
【0007】
ところで、磁気記録密度のさらなる高密度化への対応を図るために、MR再生ヘッドのトラック幅の狭小化や、MR素子の上下に配置された2つのシールド層の間の距離であるシールドギャップ長さの縮小化が求められている。
【0008】
MR再生ヘッドでは、上述したようにMR素子の両側に永久磁石等のバイアス磁界印加層を配置し、バイアス磁界印加層からの縦バイアス磁界によって感磁性層(特に、軟磁性層)の磁区を消失させることによって、バルクハウゼンノイズを抑制している。
【0009】
しかしながら、MR再生ヘッドの狭ギャップ化や狭トラック化によって、感磁性層(特に、軟磁性層)に対して縦バイアス磁界を有効に印加することが難しくなってきており、特に、トラック幅を狭くするほどバルクハウゼンノイズが発生しやすくなるという問題が生じていた。
【0010】
このような問題を解決するために上記の特許文献1(特開平10−312512号公報)や、特許文献2(特開平10−312514号公報)では、Co系硬質磁性層からなるバイアス磁界印加層とMR素子との接続個所に、FeCoの磁性下地層を介在させる旨の提案を行っている。FeCoの磁性下地層を設けることにより、バイアス磁界印加層とMR素子との磁気的な分断を避けることができ、感磁層に対して安定かつ有効なバイアス磁界を印加することができるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが鋭意研究した結果、上記の提案の構成では、FeCo下地層の上に成膜されるCo系硬質磁性層のc軸面内配向性が悪くなるためであろうか、Co系硬質磁性層からなるバイアス磁界印加層の面内方向(膜面に対して平行な方向)の保磁力Hcが小さくなってしまう傾向があることが分かってきた。従って、上記の提案のものであっても、更なる狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合には、有効なバイアス磁界を印加することができなくなる傾向が生じ、バルクハウゼンノイズの発生を有効に抑制できなくなるおそれがある。
【0012】
本発明はこのような実状のものに創案されたものであって、その目的は、バイアス磁界印加層の面内方向の保磁力Hcを高いレベルに維持することができ、更なる狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合であっても、有効なバイアス磁界を印加することができ、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができる薄膜磁気ヘッドを提供すること、ならびにこのように改善された薄膜磁気ヘッドを備えるヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
前記磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、
前記磁性下地層は、Moの含有率が5〜15at%のFeCoMoであるとともに、六面体立方晶系の結晶構造を有し、その等軸の格子定数がaで表され、
前記バイアス磁界印加層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金であるとともに、六方柱六方晶系の結晶構造を有し、その六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表され、
磁性下地層を構成する4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1と、バイアス磁界印加層を構成するc軸方向の略正方形面S2とが重なるように成膜されており、
前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致するように、(√2a)値と((√3b+c)/2)値との比が0.995〜1.005の範囲に設定されてなるように構成される。
また、本発明は、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
前記磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、
前記磁性下地層は、Wの含有率が3〜10at%のFeCoWであるとともに、六面体立方晶系の結晶構造を有し、その等軸の格子定数がaで表され、
前記バイアス磁界印加層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金であるとともに、六方柱六方晶系の結晶構造を有し、その六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表され、
磁性下地層を構成する4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1と、バイアス磁界印加層を構成するc軸方向の略正方形面S2とが重なるように成膜されており、
前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致するように、(√2a)値と((√3b+c)/2)値との比が0.995〜1.005の範囲に設定されてなるように構成される。
【0019】
また、本発明の好ましい態様として、前記磁性下地層の厚さは、1.2〜5.5nmとなるように構成される。
【0020】
また、本発明のヘッドジンバルアセンブリは、前記薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、を備えてなるように構成される。
【0021】
また、本発明のハードディスク装置は、前記薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、を備えてなるように構成される。
【0022】
本発明における磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致してなるように構成されているので、バイアス磁界印加層の面内方向(膜面に対して平行な方向)の保磁力Hcを高いレベルに維持することができ、更なる狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合であっても、有効なバイアス磁界を印加することができるように作用する。すなわち、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができるように作用する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
本発明の要部は再生ヘッドに組み込まれた磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子の構造にある。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態における再生ヘッドの要部を示す平面図であり、図2は図1におけるA−A断面図であり、図3は図1におけるB−B線断面図である。
【0026】
図2に示されるように磁気抵抗効果素子(MR素子)5を構成する磁気抵抗効果膜は、非磁性層53と、この非磁性層53の一方の面(この実施例では図面の下方側)に形成された強磁性層52と、非磁性層の他方の面(この実施例では図面の上方側)に形成され磁気情報である外部磁場に応答して自由に磁化の向きが変えられるように作用することのできる軟磁性層54と、前記強磁性層52の磁化の向きをピン止めするために強磁性層52の片面(非磁性層53と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層51とを有する多層膜構造を備えている。
【0027】
図面で示されている好適例は、ピンニング層51をボトム側に位置させた、いわゆる、ピンニング層ボトムタイプのスピンバル膜構成である。
【0028】
より具体的には、下地層25の上にピンニング層51、強磁性層52、非磁性層53、軟磁性層54、および保護層55を順次積層した構造としている。強磁性層52は、磁化の方向が固定された層であり、通常、強磁性膜から構成される。強磁性層52は1層のみの構成に限定されることなく強磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。例えば、CoFe/Ru/CoFeの積層体が好適例として挙げられる。
【0029】
ピンニング層51は、強磁性層52における磁化の方向を固定するための層であり、通常、PtMn等の反強磁性膜から構成される。非磁性層53は、例えばCu膜等から構成される。軟磁性層54は、記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であり、通常、軟磁性膜から構成される。軟磁性層54は1層のみの構成に限定されることなく軟磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。例えば、CoFe/NiFeの積層体が好適例として挙げられる。
保護層55の材料としては、例えばTaが用いられる。
【0030】
そして、図2に示されるように本発明における磁気抵抗効果素子(MR素子)5を構成する磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層54の両端部5e、5fには、それぞれ、磁性下地層27を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層21、21が配置されている。すなわち、磁気抵抗効果素子5とバイアス磁界印加層21との接続箇所に磁性下地層27が設けられている。そして、この上にMR素子5に対して磁気的信号検出用の電流であるセンス電流を流すための2つの電極層6、6が形成されている。電極層6は、例えばAu等の導電性材料によって形成される。
【0031】
本発明の要部は再生ヘッドに組み込まれた磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子の構造、特に、磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部に配置される磁性下地層およびバイアス磁界印加層の構成にある。
【0032】
すなわち、本発明においては、前記磁性下地層27と前記バイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離が±0.5%の許容範囲内、好ましくは±0.3%の許容範囲内で実質的に合致してなるように構成される。このような相互の格子点間距離の設定によって、バイアス磁界印加層の面内方向の保磁力Hcを高いレベルに維持することができ、更なる再生ヘッドの狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合であっても、有効なバイアス磁界を印加することができ、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができる。
【0033】
磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の設定について、以下、詳細に説明する。
【0034】
磁性下地層27の構成について
磁性下地層27は、図4に示されるような六面体立方晶系の結晶構造を有する磁性材料から構成されている。そして、図4に示される結晶構造は、等軸の格子定数aを備えている。本発明で用いることのできる磁性下地層27を構成する具体的磁性材料としては、FeCoを主成分とし、この主成分に対して、Mo、W、Ni、Cr、Nb、Ta、V、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Auのグループの中から選ばれた少なくとも1種以上のグループの中から選ばれた少なくとも1種以上を含有するものが好適例として挙げられる。これらの中でも、FeCoMoやFeCoWを用いるのが良い。
【0035】
このような磁性下地層27の厚さは、1.2〜5.5nmの範囲、特に、1.5〜5.0の範囲とすることが好ましい。この値が1.2nm未満となると、角型比が小さくなり、外部磁場の影響を受けやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生率が高くなってしまう傾向があるという不都合が生じる。また、この値が5.5nmを超えると、保磁力が低下していまいやはりバルクハウゼンノイズの発生率が高くなってしまう傾向があるという不都合が生じる。
【0036】
バイアス磁界印加層21の構成について
バイアス磁界印加層21は、図6に示されるような六方柱六方晶系の結晶構造を有し、その六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表される。c軸方向が磁化方向に相当する。バイアス磁界印加層21を構成する具体的磁性材料としては、Coを主成分とするCo系の硬質磁性層(ハードマグネット層)が好適例として挙げられる。CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを主成分として含む合金を用いるのが良い。このようなバイアス磁界印加層21の厚さは、10〜100nm程度とされる。この厚さが薄すぎると保磁力が小さくなってしまい、また、この厚さが厚くなりすぎるとフリー層の感度が低下し出力がでなくなってしまう。
【0037】
磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の設定について
前述したように磁性下地層27は、図4に示されるような六面体立方晶系の結晶構造を有する磁性材料から構成され、等軸の格子定数aを備えている。そして、本発明者らが磁性下地層27とバイアス磁界印加層21との、特に界面における接合状況とそれに伴う物理現象について鋭意研究を進めた結果、図5の斜線で描かれた平面、すなわち、磁性下地層27を構成する4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1と、図7の斜線で描かれた平面、すなわち、バイアス磁界印加層21を構成するc軸方向の斜線で示される略正方形面S2とが重なるように成膜させ、しかも、磁性下地層27の面S1とバイアス磁界印加層21の面S2の大きさを合致させること、つまり正方形の一辺同士の長さを実質的に一致させること(前記磁性下地層27と前記バイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離を一致させること)がバルクハウゼンノイズを低減させるための重要なファクターであることを見出した。
【0038】
磁性下地層27の正方形の面S1の一辺の長さは、(√2a)である。また、バイアス磁界印加層21の面S2は、完全な正方形ではないが、2種の辺の長さ√3bおよびcの算術平均を取ると、平均の一辺長は、((√3b+c)/2)として近似される。そして、これらの一辺の長さ(√2a)の値と((√3b+c)/2)との長さの値との比が、0.995〜1.005の範囲、より好ましくは0.997〜1.003の範囲に設定されることが必要となる。
【0039】
つまり、磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致するように設定される。この値が、0.995未満となると、保磁力が小さくなってしまうという不都合が生じ、また、この値が1.005を超えると、角形比が小さくなってしまうという不都合が生じる。
【0040】
なお、ちなみに上記の特許文献1(特開平10−312512号公報)や特許文献2(特開平10−312514号公報)に開示されている、Fe85Co15磁性下地層とCo80Pt20バイアス磁界印加層との(√2a)の値と((√3b+c)/2)との長さの値との比は、0.990であり、本発明の範囲を外れるものとなっている。
【0041】
本発明における磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面の相互の格子点間距離を実質的に合致させる手法は、特に限定されるものではないが、磁性下地層27を構成する主成分に所定の元素を含有させ、この含有量を調整することによって格子間距離を調整するようにすることは望ましい態様の一つである。
【0042】
例えば、バイアス磁界印加層21をCoCrPt(78/9/13:at%表示)とし、磁性下地層27をFeCoMoとした場合において、上記の許容範囲内で相互の格子点間距離を実質的に合致させ、バルクハウゼンノイズの低減を図ることのできる磁性下地層27中の好適なMo含有率(at%)は、5〜15at%、特に、7〜13at%とされる。この状態が図21の3元組成図に示されている。3元組成図中の数値はバルクハウゼンノイズ発生率を示す数値である。Moの含有率を5〜15at%とすることにより、バルクハウゼンノイズ発生率が10%以内に制御されることが分かる。なお、この場合における再生トラック幅の大きさは、120nmに設定されている。
【0043】
また、バイアス磁界印加層21をCoCrPt(78/9/13:at%表示)とし、磁性下地層27をFeCoWとした場合において、上記の許容範囲内で相互の格子点間距離を実質的に合致させ、バルクハウゼンノイズの低減を図ることのできるWの含有率(at%)は、3〜10at%、特に、4.5〜8.5at%とされる。この状態が図22の3元組成図に示されている。3元組成図中の数値はバルクハウゼンノイズ発生率を示す数値である。Wの含有率を3〜10at%とすることにより、バルクハウゼンノイズ発生率が10%以内に制御されることが分かる。なお、この場合における再生トラック幅の大きさは、120nmに設定されている。
【0044】
(再生ヘッドの他の構成部分についての説明)
図1〜図3に示される再生ヘッドの構成について、簡単に補足説明しておく。図1〜図3に示される本実施の形態では、MR素子におけるエアベアリング面20とは反対側に、アルミナ(Al23)層23が配置されている。
【0045】
また、MR素子5は、互いに反対側を向く2つの面5a、5bと、エアベアリング面20に配置された端部5cと、端部5cとは反対側の端部5dと、2つの側部5e、5fとを有している。
【0046】
バイアス磁界印加層21は、上述したように磁性下地層27を介して、MR素子の側部5e、5fにそれぞれ隣接するように配置されている。磁性下地層27は、図2に示されるようにMR素子の側部5e、5fを含めて、下地層25の上まで延びるように形成され、バイアス磁界印加層21と下地層25とで挟持される部分を含むように形成してもよい。
【0047】
電極層6はバイアス磁界印加層21の上に配置されているが、バイアス磁界印加層21のない領域では、電極層6は後述する下部シールドギャップ膜の上に配置されている。
【0048】
図2および図3に示されるように、MR素子5やバイアス磁界印加層21は、下地層25の上に直接または間接的に配置されている。下地層25は後述する下部シールドギャップ膜の上に配置されている。下地層25の材料としては、例えばTaやNiCrが用いられる。なお、下地層25を設けずに、MR素子5、バイアス磁界印加層21を、下部シールドギャップ膜の上に配置してもよい。
【0049】
(磁気抵抗効果素子の変形構成例)
本発明における磁気抵抗効果素子の多層膜構造は、前述した図2に示されるようなピンニング層51をボトム側に位置させた、いわゆる、ピンニング層ボトムタイプのスピンバル膜構成に限定されるものではなく、種々の変形態様が可能である。
【0050】
例えば、図8に示されるようなピンニング層51をトップ側に配置させた、いわゆる、ピンニング層トップタイプのスピンバル膜構成としてもよい。すなわち、図8に示されるごとく、下地層25の上に軟磁性層54、非磁性層53、強磁性層52、ピンニング層51、および保護層55を順に積層させた構造としてもよい。また、図示はしていないが、感磁部分を2つ備えたいわゆるデュアル(Dual)タイプの積層膜構成としてもよい。
【0051】
なお、本発明でいう磁気抵抗効果素子としては、上記のスピンバル膜構成のもの限定されることなく、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子や、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子などのように、広く磁気抵抗効果を示す素子を含む概念である。
【0052】
(薄膜磁気ヘッドの全体構成の説明)
次いで、上述してきた磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドの全体構成について説明する。図9および図10は本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、図9は、薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示し、図10は、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。ここで、エアベアリング面とは、磁気記録媒体と対向する薄膜磁気ヘッドの対向面をいう。
【0053】
薄膜磁気ヘッドの全体構造は、その製造工程に沿って説明することによりその構造が容易に理解できると思われる。そのため、以下、製造工程を踏まえて薄膜磁気ヘッドの全体構造を説明する。
【0054】
まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法等によって、アルミナ(Al23)、二酸化珪素(SiO2)等の絶縁材料からなる絶縁層2を形成する。厚さは、例えば0.5〜20μm程度とする。
【0055】
次に、この絶縁層2の上に、磁性材料からなる再生ヘッド用の下部シールド層3を形成する。厚さは、例えば0.1〜5μm程度とする。このような下部シールド層3に用いられる磁性材料としては、例えば、FeAlSi、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN、FeZrN、FeTaN、CoZrNb、CoZrTa等が挙げられる。下部シールド層3は、スパッタ法またはめっき法等によって形成される。
【0056】
次に、下部シールド層3の上に、スパッタ法等によって、Al23、SiO2等の絶縁材料からなる下部シールドギャップ膜4を形成する。厚さは、例えば10〜200nm程度とする。
【0057】
次に、下部シールドギャップ膜4の上に、磁気抵抗効果素子(MR素子)5を形成するために、再生用の磁気抵抗効果膜と、図示していない磁性下地層27、バイアス磁界印加層21と、電極層6をそれぞれ、形成する。
【0058】
次に、MR素子5および下部シールドギャップ膜4の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚さに形成する。
【0059】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの上部シールド層8を、例えば3〜4μm程度の厚さに形成する。なお、上部シールド膜8に用いられる磁性材料は、上述した下部シールド層3と同様な材料を用いればよい。上部シールド膜8はスパッタ法またはメッキ法等によって形成される。
【0060】
なお、上部シールド層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタ法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けるように構成してもよい。磁極とシールドの機能を兼用させることなく、別個に分けて構成した場合の構成例である。
【0061】
次に、上部シールド層8の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料からなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚さに形成する。
【0062】
次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
【0063】
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図9において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を示している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
【0064】
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。
【0065】
次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0066】
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
【0067】
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成されヨーク部分層12cに接続される接続部と、を有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
【0068】
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時にコンタクトホール9aの上に磁性材料からなる連結部分層12bを形成するとともに、接続部10aの上に磁性材料からなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
【0069】
次に、磁極トリミングを行なう。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図10に示されるごとく、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0070】
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料からなる絶縁層14を、例えば3〜4μm厚さに形成する。
【0071】
次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研摩によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12b、接続層13の表面に至るまで研摩して平坦化する。
【0072】
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図9において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を示している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
【0073】
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。
【0074】
次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0075】
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14、16および連結部分層12bの上にパーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁性層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して上部シールド層8に接続されている。
【0076】
次に、全体を覆うように、例えばアルミナからなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0077】
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する対向面(エアベアリング面20)と、再生ヘッドと、記録ヘッド(誘導型磁気変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、MR素子5と、エアベアリング面20側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8とを有している。
【0078】
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むとともに、互いに磁気的に連結された下部磁極層(上部シールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配置された薄膜コイル10、15と、を有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図9に示されるように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面側の端部までの長さが、スロートハイト(図面上、符号THで示される)となる。なお、スロートハイトとは、エアベアリング面20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
【0079】
(薄膜磁気ヘッドの作用の説明)
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
【0080】
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層21による縦バイアス磁界の方向は、トラック幅方向と同じである。MR素子5において、信号磁界がない状態では、軟磁性層54の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。一方、強磁性層52の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向に固定されている。
【0081】
MR素子5では、記録媒体からの信号磁界に応じて軟磁性層54の磁化の方向が変化し、これにより、軟磁性層54の磁化の方向と強磁性層52の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子5の抵抗値が変化する。MR素子5の抵抗値は、2つの電極層6によってMR素子5にセンス電流を流したときの2つの電極層6間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
【0082】
図2に示されるように本発明における磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層54の両端部には、磁性下地層27を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層21が配置されている。そして、磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致してなるように構成されているので、バイアス磁界印加層の面内方向(膜面に対して平行な方向)の保磁力Hcを高いレベルに維持することができ、さらなる狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合であっても、有効なバイアス磁界を印加することができるように作用する。すなわち、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができるように作用する。
【0083】
(ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置についての説明)
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。
【0084】
まず、図11を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図9における基板1およびオーバーコート17からなる基体211を備えている。
【0085】
基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、エアベアリング20が形成されている。
【0086】
ハードディスクが図11におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図11におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図11におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。
【0087】
スライダ210の空気流出側の端部(図11における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
【0088】
次に、図12を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。
【0089】
ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
【0090】
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
【0091】
図12は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
【0092】
次に図13および図14を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係るハードディスク装置について説明する。
【0093】
図13はハードディスク装置の要部を示す説明図、図14はハードディスク装置の平面図である。
【0094】
ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。
【0095】
ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
【0096】
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応しスライダ219を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
【0097】
本実施の形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
【0098】
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
【0099】
また、実施の形態では、基本側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
【0100】
【実施例】
以下、具体的実験例を示し、本発明の薄膜磁気ヘッドの構成をさらに詳細に説明する。
【0101】
下記の〔実験例1〕〜〔実験例6〕では、極めて狭いトラック幅の設定において、磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度、すなわち合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)と、バルクハウゼンノイズの発生率(%)との関係を調べる実験を行なった。
以下詳細に述べる。
【0102】
〔実験例1〕
図2に示されるようなピンニング層51がボトムに位置するピンニング層ボトムタイプのスピンバルブ磁気抵抗効果素子を備える再生ヘッドサンプルを作製しした。以下、実施の要部のみ記載する。
【0103】
図9に示されるごとく下部シールド層3をNiFeで形成し、この上に下部シールドギャップ膜4をAl23で形成し、この上に磁気抵抗効果素子を構成する積層膜を形成した。すなわち、Al23からなる下部シールドギャップ膜4の上に、下地層25(NiCr;厚さ5nm)、ピンニング層51(PtMn反強磁性層;厚さ20nm)、強磁性層52(CoFe(厚さ1.5nm)/Ru(厚さ0.8nm)/CoFe(厚さ2nm)の3層積層体からなる強磁性層)、非磁性層53(Cu;厚さ2nm)、軟磁性層54(CoFe(厚さ1nm)/NiFe(厚さ3nm)の2層積層体からなる軟磁性層)、保護層55(Ta;厚さ2Å)からなる積層膜を形成した。
【0104】
ピンニング層51による強磁性層52の磁化方向の固定は、真空中において、温度300℃、印加磁場10kOe、処理時間5時間の磁場中熱処理によって行なった。
【0105】
次いで、磁気抵抗効果膜の上に、エッチングによってMR素子の形状を定めるためのマスクを形成した。このマスクは2つの有機膜からなるレジスト層をパターニングして、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有する形状とした。
【0106】
このマスクを用いて磁気抵抗効果膜を選択的にイオンミリング等のドライエッチングしてパターニングされた磁気抵抗効果素子を得た。次いで、磁気抵抗効果素子のうち、バイアス磁界印加層21を配置すべき部分を選択的にエッチングした後、下地層25の上に磁性下地層27(材質:FeCoMo;厚さ:2.0nm)およびバイアス磁界印加層21(材質:CoPt(80:20(at%));厚さ:30nm)を形成した。次いで、バイアス磁界印加層21の上に電極層6(材質:Au;厚さ:40nm)を形成した。
【0107】
再生トラック幅RTW(図2に示される)の大きさは、120nmとなるように設定した。
【0108】
なお、上記バイアス磁界印加層21は、室温にて2kOeの磁場中で60秒の着磁条件で着磁して、軟磁性層54に対して、縦バイアス磁界を付与した。
【0109】
このようなMR素子の上に、Al23からなる上部シールドギャップ層およびNiFeからなる上部シールド層を形成し、実験に必要とされる再生ヘッドサンプルの1種を作製した。
【0110】
次に、これと同様の要領で、磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度、すなわち合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変えた種々の再生ヘッドサンプルを作製した。
【0111】
すなわち、実験例1では、磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度、すなわち合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoMoからなる磁性下地層27のMo含有量を0〜21at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0112】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、下記の要領でバルクハウゼンノイズの発生率(%)を測定し、図15に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズの発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0113】
バルクハウゼンノイズ発生率(%)
1000回の再生を繰り返したときにノイズが検出された回数の割合をバルクハウゼンノイズ(BHN)発生率(%)とした。
【0114】
図15のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0115】
〔実験例2〕
上記実験例1において、バイアス磁界印加層21の材質をCoPt(80:20(at%))から、CoCrPt(78:9:13(at%))に変えた。それ以外は、上記実験例1における手法に準じて、上記の合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoMoからなる磁性下地層27のMo含有量を0〜21at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0116】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、バルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)を測定し、図16に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0117】
図16のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0118】
〔実験例3〕
上記実験例1において、バイアス磁界印加層21の材質をCoPt(80:20(at%))から、CoCrPt(75:15:10(at%))に変えた。それ以外は、上記実験例1における手法に準じて、上記の合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoMoからなる磁性下地層27のMo含有量を0〜21at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0119】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、バルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)を測定し、図17に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0120】
図17のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0121】
〔実験例4〕
上記実験例1において、バイアス磁界印加層21の材質はCoPt(80:20(at%))そのままにしておき、磁性下地層27をFeCoMoからFeCoWに変えた。それ以外は、上記実験例1における手法に準じて、上記の合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoWからなる磁性下地層27のW含有量を0〜16at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0122】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、バルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)を測定し、図18に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0123】
図18のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0124】
〔実験例5〕
上記実験例2において、バイアス磁界印加層21の材質はCoCrPt(78:9:13(at%))そのままにしておき、磁性下地層27をFeCoMoからFeCoWに変えた。それ以外は、上記実験例2における手法に準じて、上記の合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoWからなる磁性下地層27のW含有量を0〜16at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0125】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、バルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)を測定し、図19に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0126】
図19のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0127】
〔実験例6〕
上記実験例3において、バイアス磁界印加層21の材質はCoCrPt(75:15:10(at%))そのままにしておき、磁性下地層27をFeCoMoからFeCoWに変えた。それ以外は、上記実験例3における手法に準じて、上記の合致度γ=(√2a)/((√3b+c)/2)を変化させるために、FeCoWからなる磁性下地層27のW含有量を0〜16at%の範囲で含有量を変化させることにより、(√2a)値を変化させて、合致度γの異なる種々のサンプルを作製した。
【0128】
これらの種々のサンプルについて、それぞれ、バルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)を測定し、図20に示されるような磁性下地層27とバイアス磁界印加層21とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフを得た。
【0129】
図20のグラフに示されるように、再生トラック幅RTWの大きさが120nmと極めて狭く高記録密度対応の設定にもかかわらず、格子点間距離の合致度γが0.995〜1.005の範囲でバルクハウゼンノイズ発生率10%以下の高特性の再生ヘッドが得られることが確認できた。
【0130】
なお、ちなみに従来技術の特許文献1(特開平10−312512号公報)の段落〔0060〕や、特許文献2(特開平10−312514号公報)の段落〔0060〕に開示されているFeCo(85:15)磁性下地層とCoPt(80:20)のバイアス磁界印加層との組み合わせにおける格子点間距離の合致度γは、
0.990であり、再生トラック幅120nmの設定におけるバルクハウゼンノイズ発生率は、16.6%であった。
【0131】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、前記磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致してなるように構成されているので、バイアス磁界印加層の面内方向の保磁力Hcを高いレベルに維持することができ、更なる狭ギャップ化や狭トラック化を目指した場合であっても、有効なバイアス磁界を印加することができ、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができる。つまり、本発明の効果は、高記録密度化に対応して再生トラック幅が小さくなればなるほどさらに顕著となって現われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における再生ヘッドの要部を示す平面図である。
【図2】図2は、図1におけるA−A断面図である。
【図3】図3は、図1におけるB−B線断面図である。
【図4】図4は、六面体立方晶系の結晶構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1の箇所(斜面で示される)を説明するための斜視図である。
【図6】図6は、六方柱六方晶系の結晶構造を模式的に示す斜視図である。
【図7】図7は、六方柱六方晶系の斜線で示される略正方形面S2の箇所(斜面で示される)を説明するための斜視図である。
【図8】図8は、ピンニング層をトップ側に配置させた、いわゆる、ピンニング層トップタイプのスピンバルブ膜構成を説明するための断面図である。
【図9】図9は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示した図面である。
【図10】図10は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示した図面である。
【図11】図11は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の要部を示す説明図である。
【図14】図14は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の平面図である。
【図15】図15は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図16】図16は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図17】図17は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図18】図18は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図19】図19は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図20】図20は、磁性下地層とバイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離の合致度γとバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率(%)との関係を示すグラフである。
【図21】図21は、FeCoMo3元組成図における所定の組成と、その組成を使用した場合におけるバルクハウゼンノイズ発生率を示す図面である。
【図22】図22は、FeCoW3元組成図における所定の組成と、その組成を使用した場合におけるバルクハウゼンノイズ発生率を示す図面である。
【符号の説明】
1…基板
2…絶縁層
3…下部シールド層
4…下部シールドギャップ膜
5…MR素子
6…電極層
7…上部シールドギャップ層
8…上部シールド層
9…記録ギャップ層
10…薄膜コイルの第1層部分
12…上部磁極層
15…薄膜コイル第2層部分
17…オーバーコート層
20…エアベアリング面
21…バイアス磁界印加層
27…磁性下地層
51…ピンニング層
52…強磁性層
53…非磁性層
54…軟磁性層

Claims (5)

  1. 磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
    前記磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、
    前記磁性下地層は、Moの含有率が5〜15at%のFeCoMoであるとともに、六面体立方晶系の結晶構造を有し、その等軸の格子定数がaで表され、
    前記バイアス磁界印加層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金であるとともに、六方柱六方晶系の結晶構造を有し、その六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表され、
    磁性下地層を構成する4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1と、バイアス磁界印加層を構成するc軸方向の略正方形面S2とが重なるように成膜されており、
    前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致するように、(√2a)値と((√3b+c)/2)値との比が0.995〜1.005の範囲に設定されてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
    前記磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部には、磁性下地層を介して軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、
    前記磁性下地層は、Wの含有率が3〜10at%のFeCoWであるとともに、六面体立方晶系の結晶構造を有し、その等軸の格子定数がaで表され、
    前記バイアス磁界印加層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金であるとともに、六方柱六方晶系の結晶構造を有し、その六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表され、
    磁性下地層を構成する4結晶に跨る一辺の長さ(√2a)の正方形の面S1と、バイアス磁界印加層を構成するc軸方向の略正方形面S2とが重なるように成膜されており、
    前記磁性下地層と前記バイアス磁界印加層とが重なり合う面における相互の格子点間距離が実質的に合致するように、(√2a)値と((√3b+c)/2)値との比が0.995〜1.005の範囲に設定されてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記磁性下地層の厚さは、1.2〜5.5nmである請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を備えてなることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  5. 前記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を備えてなることを特徴とするハードディスク装置。
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