JP2008046143A - 熱式流体センサ及びフローセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】計測対象流体の種類や組成が変化すると出力特性に変化を生じるフローセンサによっても、計測対象流体の流量を精度良く計測できるようにする。
【解決手段】マイクロヒータ4が外部からの駆動電流により流体を加熱すると、マイクロヒータ4の加熱と並行して、上流側サーモパイル8は、マイクロヒータ4による加熱される前の流体の温度を検出し、第1の温度検出信号を出力し、下流側サーモパイル5は、マイクロヒータ4による加熱される前の流体の温度を検出し、第2の温度検出信号を出力し、これら両信号の差信号に基づき流量を算出するが、それに当たり、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13により流体の温度を検出し右側温度検出信号及び左側温度検出信号を出力させ、これに基づき算出される流体の物性値に基づき、算出された流量を補正できるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の種類の判別に用いることができる熱式流体センサ、及び、流量計測として用いることができる流速センサ(以下、フローセンサと称する。)に関し、特に、計測対象流体の種類や組成が変化した場合あるいは流量の計測範囲が広い場合であっても、精度良く流体の流量を計測することができる熱式流体センサ及びフローセンサに関する。
図9に従来の熱型のマイクロフローセンサの構成図を示す。マイクロフローセンサ101は、Si基板102、ダイアフラム103、ダイアフラム103上に形成されたマイクロヒー夕104、マイクロヒータ104の下端でダイアフラム103上に形成された下流側サーモパイル105、マイクロヒータ104に駆動電流を供給する電源端子106A,106B、マイクロヒータ104の上端でダイアフラム103上に形成された上流側サーモパイル108、上流側サーモパイル108から出力される第1温度検出信号を出力する第1出力端子109A,109B、下流側サーモパイル105から出力される第2温度検出信号を出力する第2出力端子107A,107Bを備える。
このように構成されたマイクロフローセンサ101によれば、外部からの駆動電流によりマイクロヒータ104が、マイクロヒータ104の回りに存在するガス等の計測対象流体を加熱して、マイクロヒータ104から下流側サーモパイル105にかけてと、マイクロヒータ104から上流側サーモパイル108にかけてとに、均等な温度分布を発生させる。
この状態で、ガス等の計測対象流体にPからQに向かう流れが生じると、マイクロヒータ104の回りの温度分布が計測対象流体の流れの下流側、即ち、下流側サーモパイル105に偏るので、上流側サーモパイル108は、計測対象流体に流れの発生していない流量=0時よりも低い温度を検出し、その検出温度に応じた値の第1温度検出信号を出力する。
これに対し、下流側サーモパイル105は、マイクロヒータ104の回りの温度分布が下流側に偏る分だけ、計測対象流体に流れの発生していない流量=0時よりも高い温度を検出し、その検出温度に応じた値の第2の温度検出信号を出力する。このため、図示しない流量計測装置は、上流側サーモパイル108からの第1温度検出信号と下流側サーモパイル105からの第2温度検出信号との差信号に基づいて計測対象流体の流量を算出することができる。
しかしながら、図9に示すような従来のマイクロフローセンサにあっては、計測対象流体(以下、流体と略称する。)の種類や流体の組成が変わると、その出力特性も変化してしまうという問題点があった。
すなわち、流体の種類や組成が変わると、熱伝導率や比熱、粘性、密度等の流体の物性値が変わるため、マイクロヒータで加熱された流体の温度分布が変化して、出力が変化してしまう。
そこで、このような問題点を解決するために、マイクロフローセンサとは別にガス分析センサを配置したり、あるいは、予め流体の特性値をマイクロフローセンサやそのマイクロフローセンサが搭載された装置に認識させておく等の方法が採用されている。
しかし、例えば、ガスメータにあっては、同じ規格のガスであってもロットにより原料ガスの組成が微妙に異なり、また、ガス生産工場で行う熱量コントロールのための組成調整の精度にも限界があるので、仮に規格が同じガスであってもその組成が変化してしまうことがあり、そのため、流体の特性値をマイクロフローセンサやその搭載装置に予め認識させておくには限界があった。
また、ガス分析センサを別に配置した場合には、ガスメータが大型化してしまうばかりではなく、流量の補正の方法等の工夫や、ガス分析センサの置き場所等を工夫しなければならない点が多く、安価にガスメータを作製することができなかった。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、計測対象流体の種類や組成が変化しても、計測対象流体の流量を小型で安価に精度良く計測することができるようにすることができる熱式流体センサ及びフローセンサを提供することにある。
前記目的を達成する請求項1及び請求項2に各々記載した本発明は熱式流体センサに関するものであり、請求項3に記載した本発明はフローセンサに関するものである。
そして、請求項1に記載した本発明の熱式流体センサは、外部からの駆動電流により流路を流れる計測対象流体を加熱するヒータと、このヒータから発生した熱が前記計測対象流体の流速の影響をほとんど受けずに前記計測対象流体の熱拡散効果のみによって伝達されるように、このヒータに対して前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置され、且つ、前記計測対象流体の温度を検出し、前記計測対象流体の物性値を算出するための温度検出信号を出力する横側温度センサと、周辺部分が固定されたダイアフラム部を有し且つこのダイアフラム部に形成されている前記ヒータ及び前記横側温度センサを支持する支持基板と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の熱式流体センサによれば、支持基板に支持された状態でヒータは、外部からの駆動電流により計測対象流体を加熱する。このヒータの加熱と並行して、ヒータに対して計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置された横側温度センサは、計測対象流体の熱伝導度を検出し、温度検出信号を出力するので、この温度検出信号に基づき流体の物性値(温度分布のパラメータ)を算出することができる。また、ダイアフラム部上に、ヒータ及び横側温度センサを形成することにより、ヒータ、温度センサの熱容量を小さくして、消費電力を低減することができる。
請求項2に記載した本発明の熱式流体センサは、請求項1に記載した本発明の熱式流体センサにおいて、前記横側温度センサは、前記計測対象流体の流れ方向と略直交して前記ヒータを通る略直線上に配置されていることを特徴とする。
なお、熱式流体センサは、前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向における前記ヒータの両側に前記横側温度センサを各々配置することもできる。このようにすれば、計測対象流体の熱伝導度の検出を、計測対象流体の流れ方向と略直交方向におけるヒータの両側に各々配置した2つの横側温度センサにより行うことで、流れ方向と略直交方向における流路内の計測対象流体の流れにばらつきがあっても、両横側温度センサからの温度検出信号に基づき流体の物性値を正確に算出することができる。
また、熱式流体センサは、横側温度センサをサーモパイルとすることで、温度検出信号の温度に依存する特性変化が小さくなり、正確な流量の計測がしやすくなる。また、自己発熱が発生しないので、補正する必要がない。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
さらに、熱式流体センサは、横側温度センサを焦電体とすることで、温度検出信号の出力に対する応答速度、感度が高くなり、流量の計測が迅速になる。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
請求項3に記載した本発明のフローセンサは、外部からの駆動電流により流路を流れる計測対象流体を加熱するヒータと、このヒータに対して前記計測対象流体の上流側に配置され、前記計測対象流体の温度を検出し、第1温度検出信号を出力する上流側温度センサと、前記ヒータに対して前記計測対象流体の下流側に配置され、前記計測対象流体の温度を検出し、第2温度検出信号を出力する下流側温度センサと、前記ヒータから発生した熱が前記計測対象流体の流速の影響をほとんど受けずに前記計測対象流体の熱拡散効果のみによって伝達されるように、前記ヒータに対して前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置され、且つ、前記計測対象流体の温度を検出し、前記計測対象流体の物性値を算出するための第3温度検出信号を出力する横側温度センサと、周辺部分が固定されたダイアフラム部を有し且つこのダイアフラム部に形成されている前記ヒータ、前記上流側温度センサ、前記下流側温度センサ及び前記横側温度センサを支持する支持基板と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載した本発明のフローセンサによれば、支持基板に支持された状態でヒータは、外部からの駆動電流により計測対象流体を加熱して、ヒータから下流側温度センサにかけてと、ヒータから上流側温度センサにかけてとに、均等な温度分布を発生させる。この状態で、計測対象流体に上流側温度センサから下流側温度センサに向かう流れが生じると、ヒータの回りの温度分布が計測対象流体の流れの下流側、即ち、下流側温度センサに偏るので、上流側温度センサは、計測対象流体に流れの発生していない流量=0時よりも低い温度を検出し、その検出温度に応じた値の第1温度検出信号を出力する。
また、下流側温度センサは、ヒータの回りの温度分布が下流側に偏る分だけ、計測対象流体に流れの発生していない流量=0時よりも高い温度を検出し、その検出温度に応じた値の第2の温度検出信号を出力するので、第1温度検出信号と第2温度検出信号との差信号に基づき流量を算出することができる。また、ヒータに対して計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置された横側温度センサは、計測対象流体の熱伝導度を検出し、第3温度検出信号を出力するので、この第3温度検出信号に基づき流体の物性値を算出することができる。
さらに、ダイアフラム部上に、ヒータ、上流側温度センサ、下流側温度センサ及び横側温度センサを形成することにより、ヒータ、温度センサの熱容量を小さくして、消費電力を低減することができる。
なお、フローセンサは、前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向における前記ヒータの両側に前記横側温度センサを各々配置することができる。このようにすれば、計測対象流体の熱伝導度の検出を、計測対象流体の流れ方向と略直交方向におけるヒータの両側に各々配置した2つの横側温度センサにより行うことで、流れ方向と略直交方向における流路内の計測対象流体の流れにばらつきがあっても、両横側温度センサからの第3温度検出信号に基づき流体の物性値を正確に算出することができる。
また、フローセンサは、上流側温度センサ及び下流側温度センサをサーモパイルとすることで、第1温度検出信号と第2温度検出信号との差値の温度特性が小さくなり、正確な流量の計測がしやすくなる。また、自己発熱が発生しないので、補正する必要がない。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
さらに、フローセンサは、上流側温度センサ及び下流側温度センサを焦電体とすることで、第1温度検出信号や第2温度検出信号の出力に対する応答速度、感度が高くなり、流量の計測が迅速になる。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
また、フローセンサは、横側温度センサをサーモパイルとすることで、第3温度検出信号の温度特性が小さくなり、正確な流体の物性値の算出がしやすくなる。また、自己発熱が発生しないので、補正する必要がない。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
さらに、フローセンサは、横側温度センサを焦電体とすることで、第3温度検出信号の出力に対する応答速度、感度が高くなり、流量の計測が迅速になる。また、自己起電力による出力信号なので、電流を消費しない。
請求項1に記載した本発明の熱式流体センサによれば、支持基板に支持された状態でヒータは、外部からの駆動電流により計測対象流体を加熱する。このヒータの加熱と並行して、ヒータに対して計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置された横側温度センサは、計測対象流体の熱伝導度を検出し、温度検出信号を出力するので、この温度検出信号に基づき流体の物性値を算出することができる。また、ダイアフラム部上に、ヒータ及び横側温度センサを形成することにより、ヒータ、温度センサの熱容量を小さくして、消費電力を低減することができる。
請求項3に記載した本発明のフローセンサによれば、支持基板に支持された状態でヒータは、外部からの駆動電流により計測対象流体を加熱する。このヒータの加熱と並行して、上流側温度センサは、ヒータによる加熱される前の計測対象流体の温度を検出し、第1の温度検出信号を出力する。下流側温度センサは、ヒータによる加熱された後の計測対象流体の温度を検出し、第2の温度検出信号を出力するので、第1温度検出信号と第2温度検出信号との差信号に基づき流量を算出することができる。また、ヒータに対して計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置された横側温度センサは、計測対象流体の温度を検出し、第3温度検出信号を出力するので、この第3温度検出信号に基づき流体の物性値を算出することができる。また、ダイアフラム部上に、ヒータ、上流側温度センサ、下流側温度センサ及び横側温度センサを形成することにより、ヒータ、温度センサの熱容量を小さくして、消費電力を低減することができる。
以下、本発明のフローセンサを用いた流量計測装置及びその方法の実施の形態を、本発明の熱式流体センサを用いた流体判別装置及びその方法の実施の形態と共に、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態のマイクロフローセンサの構成図である。図2は第1の実施の形態のマイクロフローセンサの断面図である。
マイクロフローセンサ1は、Si基板2、ダイアフラム3、ダイアフラム3上に形成された白金等からなるマイクロヒータ4、マイクロヒータ4の下流側でダイアフラム3上に形成された下流側サーモパイル5、マイクロヒータ4に図示しない電源から駆動電流を供給する電源端子6A,6B、マイクロヒータ4の上流側でダイアフラム3上に形成された上流側サーモパイル8、上流側サーモパイル8から出力される第1温度検出信号を出力する第1出力端子9A,9B、下流側サーモパイル5から出力される第2温度検出信号を出力する第2出力端子7A,7B、を備える。
また、マイクロフローセンサ1は、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向(PからQへの方向)と略直交方向に配置され、流体の物性値を検出し、右側温度検出信号(第3温度検出信号に対応)を出力する右側サーモパイル11、この右側サーモパイル11から出力される右側温度検出信号を出力する第3出力端子12A,12B、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置され、流体の物性値を検出し、左側温度検出信号(第3温度検出信号に対応)を出力する左側サーモパイル13、この左側サーモパイル13から出力される左側温度検出信号を出力する第4出力端子14A,14Bと、流体温度を得るための抵抗15,16、この抵抗15,16からの流体温度信号を出力する出力端子17A,17Bを備える。右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13は、温度センサを構成する。
上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13は、熱電対から構成されている。この熱電対は、p++−Si及びAlにより構成され、冷接点と温接点とを有し、熱を検出し、冷接点と温接点との温度差から熱起電力が発生することにより、温度検出信号を出力するようになっている。
また、図2に示すように、Si基板2には、ダイアフラム3が形成されており、このダイアフラム3には、マイクロヒータ4、上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13のそれぞれの温接点が形成されている。
このように構成されたマイクロフローセンサ1によれば、マイクロヒータ4が、外部からの駆動電流により加熱を開始すると、マイクロヒータ4から発生した熱は、流体を媒体として、下流側サーモパイル5と上流側サーモパイル8のそれぞれの温接点に伝達される。それぞれのサーモパイルの冷接点は、Si基体(Si基板)上にあるので、基体温度になっており、それぞれの温接点は、ダイアフラム上にあるので、伝達された熱により加熱され、Si基体温度より温度が上昇する。そして、それぞれのサーモパイルは、温接点と冷接点の温度差より熱起電カを発生し、温度検出信号を出力する。
流体を媒体として伝達される熱は、流体の熱拡散効果とPからQに向かって流れる流体の流速との相乗効果によって、それぞれのサーモパイルに伝達される。すなわち、流速がない場合には、熱拡散によって上流側サーモパイル8と下流側サーモパイル5に均等に伝達され、上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号と下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号の差信号は、零になる。
一方、流体に流速が発生すると、流速によって下流側サーモパイル5の温接点に伝達される熱量が多くなり、前記第2温度検出信号と前記第1温度検出信号との差信号は流速に応じた正値になる。
一方、マイクロヒータ4が外部からの駆動電流により加熱を開始すると、マイクロヒータ4から発生した熱は、流体の流速の影響をほとんど受けずに流体の熱拡散効果のみによって、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された右側サーモパイル11に伝達される。また、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された左側サーモパイル13にも、同様な熱が伝達される。このため、右側サーモパイル11の起電力により第3出力端子12A,12Bから出力される右側温度検出信号、及び/または左側サーモパイル13の起電力により第4出力端子14A,14Bから出力される左側温度検出信号に基づき、熱伝導と熱拡散、比熱等によって決定される熱拡散定数等の流体の物性値を算出することができるようになる。
さらに、マイクロフローセンサ1によれば、ダイアフラム3上に、マイクロヒータ4、上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13を形成したので、これらの熱容量を小さくして、消費電力を低減することができる。また、マイクロフローセンサ1の構成が簡単であるので、安価に作製することができるという効果がある。
次に、前述したマイクロフローセンサ1を用い、流体の種類や組成が変化した場合であっても、これに関係なく常に流体の流量を精度良く計測することができる流量計測装置について説明する。
図3は第1の実施の形態のマイクロフローセンサを用いた流量計測装置の構成ブロック図である。この流量計測装置は、例えば、ガス等の流体の流量を計測するものであり、マイクロフローセンサ1内の下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と、マイクロフローセンサ1内の上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅する差動アンプ33と、マイクロフローセンサ1内の右側サーモパイル11からの右側温度検出信号を増幅するアンプ35aと、マイクロフローセンサ1内の左側サーモパイル13からの左側温度検出信号を増幅するアンプ35bと、マイクロコンピュータ40とを備えて構成される。
マイクロコンピュータ40は、アンプ35aからの右側温度検出信号とアンプ35bからの左側温度検出信号とを加算する加算部45と、差動アンプ33で得られた第2温度検出信号と第1温度検出信号との差信号を加算部45の出力する加算信号により除する除算部47と、この除算部47の出力する除算信号に基づき流体の流量を算出する流量算出部41と、加算部45の出力する加算信号に基づき流体の熱伝導率や比熱、粘性、密度等の物性値を算出する流体物性値算出部43とを備えて構成される。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、第1の実施の形態の流量計測装置により実現される流量計測方法を説明する。
まず、外部からのパルス信号による駆動電流によりマイクロヒータ4を加熱すると(ステップS11)、下流側サーモパイル5から第2温度検出信号が出力され、上流側サーモパイル8から第1温度検出信号が出力される(ステップS13)。第2温度検出信号は差動アンプ33に出力され、第1温度検出信号は差動アンプ33に出力される。なお、図5に第1温度検出信号及び第2温度検出信号のパルス信号に対する応答を示した。
次に、差動アンプ33は、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅する(ステップS15)。
そして、加算部45は、アンプ35aからの右側温度検出信号とアンプ35bからの左側温度検出信号とを加算して加算信号を得る(ステップS17)。図6に右側温度検出信号、左側温度検出信号及び加算信号のタイミングチャートを示した。次に、除算部47は、ステップS15で得られた増幅後の差信号をステップS17で得られた加算信号で除して除算信号を得る(ステップS19)。
続いて、流量算出部41は、ステップS19で得られた除算信号に基づき流体の正確な流量を算出する(ステップS21)。さらに、流体物性値算出部43は、ステップS17で得られた加算信号とステップS21で算出した流体の正確な流量に基づき、流体の熱伝導率や比熱、粘性、密度等の流体の物性値を算出する(ステップS23)。
このように、流体の流れ方向に対して直交する方向に配置された右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13が、流体の物性値を検出することにより、流体の熱伝導性を計測することになる。流体の流速が零であるときには、流体により熱の伝わる速度は、熱伝導率と熱拡散、比熱等によって決定される熱拡散定数(流体の物性値の一つ)による。流速が零であるときには、右側サーモパイル11、左側サーモパイル13とマイクロヒータ4との温度差によって熱拡散定数が求められる。この温度差が大きいほど熱拡散定数が小さい。
この熱拡散定数の大小は、上流側サーモパイル8が出力する第1温度検出信号と下流側サーモパイル5が出力する第2温度検出信号にも影響し、これらの値が熱拡散定数の大小に応じて変化する。したがって、原理的には、第1温度検出信号や第2温度検出信号を、あるいは、これらの差を、熱拡散定数によって除することで、熱拡散定数の異なる流体であっても、即ち、いかなる種類の流体であっても、正確な流量を算出することができることになる。
これに対して流量が零でないときには、流体の流れによって熱は下流に運ばれて、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13に到達する熱量は、それに伴って減少する。即ち、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13の回りの熱拡散が、流体の流れによって大きくなる。ここで、その熱拡散の増加率は流体の流速の平方根に比例することが一般に知られているため、原理的には、流体の熱拡散定数は、その流体の流量が何らかの方法で解りさえすれば、いかなる流量のときでも見積もることができることになる。
一方で、上流側サーモパイル8及び下流側サーモパイル5の回りでも、流体の流れによって右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13の回りと同様な熱拡散の増加(マイクロヒータ4から移動する熱量の減少)が発生するので、流体の流量が大きくなると、それに伴う熱拡散の増加のために、下流側サーモパイル5の回りの流体の温度と上流側サーモパイル8の回りの流体の温度との差が小さくなる。
このため、本来ならば、流体の流速の増加に比例して大きくなるはずの、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号が、熱拡散の増加の影響で小さくなり、流体の流量があまりに大きくなると、流速の増加による増加分を熱拡散の増加による減少分が上回って、流量が増加しているにも拘わらず第2温度検出信号と第1温度検出信号との差信号が減少してしまうこともある。
そこで、流量が零であるときの、右側サーモパイル11が出力する右側温度検出信号と左側サーモパイル13が出力する左側温度検出信号との加算値を「1」と考えて、これに対する、流量がある場合の右側温度検出信号と左側温度検出信号との加算値の比を、移動する熱量の変化率を表す係数と見倣し、この係数を、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号に乗じる操作をする。
つまり、第2温度検出信号と第1温度検出信号との差信号を右側温度検出信号と左側温度検出信号との加算値で除することで、熱拡散の変化の影響を排除した流量算出が可能となり、正確で分解能の高い流量を求めることができるようになる。
なお、上述した実施形態では、差動アンプ33から得られる下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との増幅後の差信号を、除算部47において、アンプ35aからの右側温度検出信号とアンプ35bからの左側温度検出信号とを加算部45で加算して得られる加算信号により除することで、熱拡散の変化の影響を排除した流量算出を可能としている。
そして、上述した実施形態では、除算部47における除算信号の取得を流量算出部41による流量の算出よりも先に行っているが、これは、第2温度検出信号と第1温度検出信号との増幅後の差信号に現れる熱拡散の変化の影響を排除するためには、流体の物性値を熱伝導率や比熱、粘性、密度といった厳密な精度の値として把握する必要がないためである。
即ち、上述した実施形態では、熱拡散の状態を高精度で把握しないと特定できない流体の熱伝導率や比熱、粘性、密度を、物性値として流体物性値算出部43で算出するために、熱拡散の変化の影響を排除した流体の正確な流量を流量算出部41により事前に算出しておいて、これを、流体物性値算出部43による物性値の算出に反映させている。
しかし、物性値として流体物性値算出部43で算出するファクタの種類によっては、流体物性値算出部43による物性値の算出を事前に行っておいて、これと、差動アンプ33からの、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との増幅された差信号とに基づいて、熱拡散の変化の影響を排除した流体の正確な流量を後から算出するようにしてもよい。
このように第1の実施の形態の流量計測装置によれば、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13を配置し、右側温度検出信号及び左側温度検出信号を出力するように構成したので、流体の流れ方向の影響を受けずに、右側温度検出信号及び左側温度検出信号に基づき熱拡散定数等の流体の物性値を正確に算出することができる。
そして、算出された流体の物性値に基づき、流量算出部41で算出された流体の流量を補正するようにしたので、特別な工夫をせずに、流体の種類や組成が変化した場合であっても、正確に流量を計測することができる。
また、マイクロフローセンサ1の出力を右側サーモパイル11及び/または左側サーモパイル13の出力で割った値を新たな出力とすることで、例えば、燃料ガスの微妙な成分の変化に対して、より簡単に流量−出力特性を流体成分に依存しないようにすることが十分にでき、正確に流量を計測することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明のフローセンサを用いた流量計測装置及びその方法の第2の実施の形態の形態を、本発明の熱式流体センサを用いた流体判別装置及びその方法の第2の実施の形態と共に、図面を参照して詳細に説明する。図7は第2の実施の形態のマイクロフローセンサの構成図である。図8は第2の実施の形態のマイクロフローセンサを用いた流量計測装置の構成ブロック図である。
マイクロフローセンサ1aは、Si基板2、ダイアフラム3、マイクロヒータ4、下流側サーモパイル5、電源端子6A,6B、第1出力端子7A,7B、上流側サーモパイル8、第2出力端子9A,9Bを備える。
また、マイクロフローセンサ1aは、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向(PからQへの方向)と略直交方向に配置され、流体の温度を検出し、右側温度検出信号を出力する右側測温抵抗21、この右側測温抵抗21から出力される右側温度検出信号を出力する第3出力端子12A,12B、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置され、流体の温度を検出し、左側温度検出信号を出力する左側測温抵抗23、この左側測温抵抗23から出力される左側温度検出信号を出力する第4出力端子14A,14Bと、抵抗15,16、出力端子17A,17Bを備える。右側測温抵抗21及び左側測温抵抗23は、温度センサを構成し、マイクロヒータ4と同様に白金等からなる。
このように、第2の実施の形態のマイクロフローセンサ1aによれば、図1に示す第1の実施の形態の右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13に代えて、右側測温抵抗21及び左側測温抵抗23を配置し、右側測温抵抗21は、流体の温度を検出し、右側温度検出信号を第3出力端子12A,12Bに出力する。また、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された左側測温抵抗23は、流体の温度を検出し、左側温度検出信号を第4出力端子14A,14Bに出力する。
このため、右側温度検出信号及び左側温度検出信号に基づき、熱伝導率と熱拡散、比熱等によって決定される熱拡散定数等の流体の物性値を算出することができるようになる。
また、このマイクロフローセンサ1aを用いて流量を計測する流量計測装置は、図8に示すように、マイクロフローセンサ1a内の下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と、マイクロフローセンサ1a内の上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅する差動アンプ33と、マイクロフローセンサ1a内の右側測温抵抗21及び左側測温抵抗23を抵抗値の等しい2つの固定抵抗38a,38bにより対向させてブリッジ接続したブリッジ回路39とを備えて構成される。
さらに、この流量計測装置は、ブリッジ回路39の右側測温抵抗21と固定抵抗38bとの接続点、及び、左側測温抵抗23と固定抵抗38aとの接続点間に定電圧を印加する定電圧源37と、ブリッジ回路39の右側測温抵抗21と固定抵抗38aとの接続点A、及び、左側測温抵抗23と固定抵抗38bとの接続点B間の電位を差動増幅する差動アンプ36と、マイクロコンピュータ40とを備えて構成される。マイクロコンピュータ40は、除算部(又はパラメータ選定部)49と、流量算出部41と、流体物性値算出部43とを備えて構成される。
このような構成の第2の実施の形態の流量計測装置によれば、右側測温抵抗21の温度が上昇すると、右側測温抵抗21及び固定抵抗38aの接続点Aの電位が上がり、左側測温抵抗23の温度が上昇すると、左側測温抵抗23及び固定抵抗38bの接続点Bの電位が上がる。そこで、接続点Bの電位から接続点Aの電位を減じるように差動アンプ36で差動増幅を行うと、右側測温抵抗21からの右側温度検出信号と左側測温抵抗23からの左側温度検出信号との加算値を増幅した増幅後の加算信号が差動アンプ36で得られる。
そこで、除算部(又はパラメータ選定部)49において、差動アンプ33からの、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との増幅された差信号を、差動アンプ36からの増幅後の加算信号により除して除算信号を得て、この除算信号に基づき流量算出部41が流体の正確な流量を算出すると共に、この流量算出部41が算出した流体の正確な流量と、差動アンプ36からの増幅後の加算信号とに基づき、流体物性値算出部43が、流体の熱伝導率や比熱、粘性、密度等の流体の物性値を算出する。
従って、特別な工夫をせずに、流体の種類や組成に依らずに正確に流量を計測することができ、第1の実施の形態の効果と同様な効果が得られる。
なお、本発明は第1の実施の形態及び第2の実施の形態のマイクロフローセンサ並びに流量計測装置及びその方法に限定されるものではない。第1の実施の形態では、温度センサとしてサーモパイルを例示し、第2の実施の形態では、温度センサとして白金抵抗等からなる測温抵抗を例示したが、これらに限定されるものではなく、温度センサとしては、例えば、焦電体、サーミスタ等、通常用いられる温度センサであれば何でもよい。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13とマイクロヒータ4とからなる流体の物性値を検出するための熱式流体センサを、下流側サーモパイル5及び上流側サーモパイル8ととマイクロヒータ4とからなる流体の流速(流量)を計測するマイクロフローセンサ1,1aに一体化した場合を例に取って説明したが、このマイクロフローセンサ1,1aとは分離して、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13とマイクロヒータ4とからなる熱式流体センサを構成してもよい。
そして、そのように構成する場合、右側サーモパイル11の起電力により第3出力端子12A,12Bから出力される右側温度検出信号、及び/または左側サーモパイル13の起電力により第4出力端子14A,14Bから出力される左側温度検出信号に基づき、マイクロコンピュータ40の流体物性値算出部43により算出される流体の物性値から、さらにその流体の種類をマイクロコンピュータ40で割り出すように構成してもよい。
また、第1の実施の形態の最後に説明したように、流体物性値算出部43による物性値の算出を事前に行っておいて、これと、差動アンプ33からの、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との増幅された差信号とに基づいて、熱拡散の変化の影響を排除した流体の正確な流量を後から算出するようにする場合には、マイクロコンピュータ40で割り出した流体の種類に応じた補正係数を予め定めておき、この補正係数により、差動アンプ33からの増幅された差信号を補正して流量を算出するように構成してもよい。
仮にそうすれば、流体の種類と補正係数等とをリンク付けたテーブルを、マイクロコンピュータ40の内部メモリ(ROM)やマイクロコンピュータ40につながる外部メモリ(不揮発性が好ましい)に格納しておき、割り出した流体の種類に対応する補正係数等を内部メモリ(ROM)または外部メモリから読み出して、差動アンプ33からの増幅された差信号に乗じる等すれば、流量算出が完了するようになることから、処理上の負担を軽くすることができる。
また、流体物性値算出部43による物性値の算出を事前に行い、熱拡散の変化の影響を排除した流体の正確な流量を後から算出するようにする場合、補正係数に代えて、流体の物性値やこの物性値から割り出される種類と、これら物性値又は種類に対応する、差動アンプ33からの増幅された差信号から流体の流量を求めるのに用いる流量換算式とをリンク付けたテーブルを、マイクロコンピュータ40の内部メモリ(ROM)やマイクロコンピュータ40につながる外部メモリ(不揮発性が好ましい)に格納しておくようにしてもよい。
さらに、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅した差動アンプ33の出力に基づき流量算出部41で算出される流体の流量と、その流量に対応する右側サーモパイル11や左側サーモパイル13からの第3温度検出信号の基準値とをリンク付けたテーブルを、マイクロコンピュータ40の内部メモリ(ROM)やマイクロコンピュータ40につながる外部メモリ(不揮発性が好ましい)に格納しておくようにしてもよい。
その場合には、マイクロコンピュータ40の流体物性値算出部43は、流量算出部41で算出される流体の流量をアドレスポインタとして外部メモリから取り出した、その流量に対応する第3温度検出信号の基準値と、実際に右側サーモパイル11や左側サーモパイル13から取得される第3温度検出信号との比から、流体の物性値を算出することになる。
そして、この場合の流体の物性値の算出は、実際に右側サーモパイル11や左側サーモパイル13から取得される第3温度検出信号と、外部メモリから取り出される第3温度検出信号の基準値との比を、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅した差動アンプ33の出力に乗じることで、行うことができる。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、流体の物性値を検出するための温度センサをマイクロヒータ4に対して右側と左側とに設けたが、例えば、温度センサをマイクロヒータ4に対して右側または左側の一方に設けて、流体の温度を検出して流体の物性値を算出してもよい。
そして、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のように温度センサをマイクロヒータ4に対して右側と左側とに設ける場合は、それら両温度センサからの出力信号の平均値を、また、片方の温度センサのみを設ける場合にはその温度センサからの出力信号の値を、流体の物性値を検出する基とすればよい。
さらに、除算部47による除算は、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅した差動アンプ33の出力の値に応じて、選択的に行ってもよい。
特に、本発明の発明者らが行った実験によれば、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号は、比較的流量の低い領域では流量に比例して出力信号値が上昇するものの、比較低流量の高い領域では流量に比例して出力信号値が上昇せず、出力が飽和に向かう傾向がある。
そこで、出力信号値が流量に比例して上昇する比較的低流量の領域においては、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差動アンプ33により増幅された差信号を、そのまま流量信号として扱い、出力信号値が流量に比例して上昇せず鈍化する比較的高流量の領域においては、蒸散部49において、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差動アンプ33により増幅された差信号を、右側サーモパイル11や左側サーモパイル13からの第3温度検出信号の平均値、或は、これらのうちどちらか片方の第3温度検出信号の値により除して、温度検出信号の飽和の影響を除去し、これを流量信号として扱うようにしてもよい。
仮にそのように構成すれば、出力の飽和により信頼性が低くなるため比較的高流量の領域での流量計測には利用できなかった、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差動アンプ33により増幅された差信号を、右側サーモパイル11や左側サーモパイル13からの第3温度検出信号の平均値、或は、これらのうちどちらか片方の第3温度検出信号の値と共に、比較的高流量の領域での流量計測に利用できるようにして、正確に流量を計測できる流量計測範囲(レンジ)を、従来の100倍単位から10000倍単位にまで拡大し、例えばガスメータにおける各種の漏洩状態を、1つのセンサにより検出できるようにすることができる。
このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々変形して実施可能であるのは勿論である。
第1の実施の形態のマイクロフローセンサの構成図である。 第1の実施の形態のマイクロフローセンサの断面図である。 第1の実施の形態のマイクロフローセンサを用いた流量計測装置の構成プロック図である。 第1の実施の形態の流量計測装置により実現される流量計測方法を示すフローチャートである。 第1温度検出信号及び第2温度検出信号を示す図である。 右側温度検出信号及び左側温度検出信号を示す図である。 第2の実施の形態のマイクロフローセンサの構成図である。 第2の実施の形態のマイクロフローセンサを用いた流量計測装置の構成ブロック図である。 従来の熱型のマイクロフローセンサの構成図である。
符号の説明
1,1a マイクロフローセンサ
2 Si基板
3 ダイアフラム
4 マイクロヒータ
5 下流側サーモパイル
8 上流側サーモパイル
11 右側サーモパイル
13 左側サーモパイル
21 右側測温抵抗
23 左側測温抵抗
33 差動アンプ
35a,35b アンプ
40 マイクロコンピュータ
41 流量算出部
43 流体物性値算出部
45 加算部
47 除算部

Claims (3)

  1. 外部からの駆動電流により流路を流れる計測対象流体を加熱するヒータと、
    このヒータから発生した熱が前記計測対象流体の流速の影響をほとんど受けずに前記計測対象流体の熱拡散効果のみによって伝達されるように、このヒータに対して前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置され、且つ、前記計測対象流体の温度を検出し、前記計測対象流体の物性値を算出するための温度検出信号を出力する横側温度センサと、
    周辺部分が固定されたダイアフラム部を有し且つこのダイアフラム部に形成されている前記ヒータ及び前記横側温度センサを支持する支持基板と、
    を備えることを特徴とする熱式流体センサ。
  2. 前記横側温度センサは、前記計測対象流体の流れ方向と略直交して前記ヒータを通る略直線上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱式流体センサ。
  3. 外部からの駆動電流により流路を流れる計測対象流体を加熱するヒータと、
    このヒータに対して前記計測対象流体の上流側に配置され、前記計測対象流体の温度を検出し、第1温度検出信号を出力する上流側温度センサと、
    前記ヒータに対して前記計測対象流体の下流側に配置され、前記計測対象流体の温度を検出し、第2温度検出信号を出力する下流側温度センサと、
    前記ヒータから発生した熱が前記計測対象流体の流速の影響をほとんど受けずに前記計測対象流体の熱拡散効果のみによって伝達されるように、前記ヒータに対して前記計測対象流体の流れ方向と略直交方向に配置され、且つ、前記計測対象流体の温度を検出し、前記計測対象流体の物性値を算出するための第3温度検出信号を出力する横側温度センサと、
    周辺部分が固定されたダイアフラム部を有し且つこのダイアフラム部に形成されている前記ヒータ、前記上流側温度センサ、前記下流側温度センサ及び前記横側温度センサを支持する支持基板と、
    を備えることを特徴とするフローセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021127992A (ja) * 2020-02-10 2021-09-02 オムロン株式会社 流量測定装置、流量の測定方法及び流量測定プログラム

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