JP2008037232A - 通気式チャイルドシート - Google Patents

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Tadahiko Ohashi
忠彦 大橋
Yasuhiro Ohashi
泰浩 大橋
Masaki Suwabe
政紀 須和部
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】着座している乳幼児が暑さにより蒸れることなく、快適に着座することができるチャイルドシートを提供すること。
【解決手段】乳幼児が着座する座部と該座部に着座した乳幼児を背側から支える背部とから構成されたシート基材11と、該シート基材11を覆うシートカバー12と、送風源2と該送風源2に接続され複数のチューブ4が並列一体化されてシート状に成型された通気路3と該通気路3に形成された吹出し口5とを具備した通気装置1と、を含んで構成され、前記送風源2が前記シート基材11背部の裏側上部に配置され、前記通気路3が前記シート基材11と前記シートカバー12の間に配置され且つ前記シートカバー12に当接するように配置されていることを特徴とする通気式チャイルドシート。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車等に着座した幼児を拘束することにより安全を図るチャイルドシートに係り、特に、着座している乳幼児が暑さにより蒸れることなく、快適に着座することができるものに関する。
チャイルドシートは、例えば車両に予め装備されているシートベルトを介して車両シートに固定するベース部材と、ベース部材上に装着されたシート基材とで構成されている。シート基材は、硬質の合成樹脂からなるシェルと、その表面側に取り付けられ乳幼児を受ける座部及び背部を形成する衝撃吸収材と構成されており、シート基材には、その表面を覆い外観を整えるシートカバーが備え付けられている。シートカバーには合成繊維製の布材が一般的に用いられており、必要に応じて、薄いウレタン材などからなるクッション層が備えられる。また、このシートカバーは、乳幼児の汗、***物、吐瀉物などを洗浄するために、容易に着脱が可能な構造となっている。このようなチャイルドシートは、通気性が不十分であり、乳幼児のシートに対する密着部位周辺は空気の流れが皆無となることから、乳幼児の背中、腰、臀部等に熱が籠もり蒸れたり発汗したりして不快感を感じる問題があった。特に夏場等には、このような熱が籠もった状態が継続すると、汗疹や湿疹と言った皮膚疾患のみならず、熱中症や乳幼児突然死症候群といった重篤な症状を引き起こす原因にもなりかねず、その対策が非常に重要視されていた。
この問題に対し、例えば特許文献1には、シート基材を通気性のよい素材で構成してなるチャイルドシートが開示されている。このチャイルドシートにおいて、乳幼児が接触するシートカバーとして立体メッシュが適用され、シェルと表皮材との間の衝撃吸収材として高通気ウレタン製の板状体が適用され、シェルには通気用の複数の凹溝や複数の貫通孔が形成されている。しかし、この特許文献1に記載のものでは、従来のチャイルドシートと比べて通気性は多少良くなるものの、シートの背中、腰、臀部が接触する部分は空気が殆ど流れないため、前記チャイルドシートと同様に乳幼児の背中、腰、臀部に熱が籠もり蒸れたり発汗したりして不快感を感じる場合がある。しかも、高通気ウレタン性の板状体や立体メッシュのシートカバーといった特殊な材料で構成されているので、構造が複雑化し部品点数が多くなって制作費が高くなる問題点があった。
これに対し、特許文献2では、空調機能を有するチャイルドシートが提案されている。図9は、特許文献2に示されたチャイルドシートの一実施の形態を示す断面図であり、シート101には、エア吹出し孔106が形成され、送風用のファン109と、このファン109によるエアが吸入される吸気口107と、この吸気口107を介してファン109で吸い込まれたエアをエア吹出し孔106へ導く送風路108とが備えられている。このような構成により、着座した乳幼児にエアが吹出されることとなり、乳幼児に快適な空調状態を与えることが可能になるとされている。
また、本願発明に関連する技術として、当該出願人より特許文献3が出願されている。
特許第3150912号公報 特開2003−34167号公報 国際公開第2005/084493号
しかしながら、特許文献2のような通気式チャイルドシートの場合には、次のような欠点があった。先ず、エアが吸入される吸気口がシートの下面側に配置されているため、チャイルドシートを車両シートに装着して乳幼児が着座すると、車両シートの沈み込みにより、吸気口の開口部が少なくなる。これにより、吸気効率が低下し、充分な風量が得られなくなる恐れがある。また、乳幼児の吐瀉物や***物などがエア吹出し孔、送風路を伝ってファンなどの送風機構の内部に侵入し、故障の原因となるとともに、掃除がし難いといった問題点がある。
また、シート基材を構成する衝撃吸収材自体に吹出し孔が形成されているため、着座する乳幼児が吹出し孔による凹凸を感じ、不快感を覚えることとなってしまう。このような凹凸による不快感を解消するために、シートカバーにクッション層を備えると、今度は、このクッション層により通気が遮られ、充分な通気効果を得ることができなくなってしまう。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、着座している乳幼児が暑さにより蒸れることなく、快適に着座することができるチャイルドシートを提供することにある。
上記の目的を達成するべく本発明の請求項1による通風式チャイルドシートは、乳幼児が着座する座部と該座部に着座した乳幼児を背側から支える背部とから構成されたシート基材と、該シート基材を覆うシートカバーと、送風源と該送風源に接続され複数のチューブが並列一体化されてシート状に成型された通気路と該通気路に形成された吹出し口とを具備した通気装置と、を含んで構成された通気式チャイルドシートにおいて、前記送風源が前記シート基材背部の裏側上部に配置され、前記通気路が前記シート基材と前記シートカバーの間に配置され且つ前記シートカバーに当接するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の通気式チャイルドシートは、前記送風源と前記通気路とが着脱自在の接続手段で接続されていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の通気式チャイルドシートは、前記シートカバーがシート表皮とクッション層から構成されており、前記通気路が前記シート表皮に当接するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の通気式チャイルドシートは、前記シートカバーにおける前記通気路が配置される箇所には、前記クッション層が配置されていないことを特徴とするものである。
上記請求項1による通気式チャイルドシートによると、まず、送風源はシート基材背部の裏側上部に設置されているため、送風源の周囲には充分な空間があり、乳幼児の着座によっても吸気量が減少することなく、充分な風量を得ることができる。また、乳幼児の***物や吐瀉物などが送風源に入り込むことがないため、送風源の電気的な故障を回避することができる。
また、通気路がシートカバーに当接するように配置されているため、乳幼児の身体まで通気が遮られることがなく、充分な風量を得ることができる。更に、通気路は柔軟なチューブによって形成されているため、着座した乳幼児が凹凸等を感じて不快感を覚えることはない。
また、通気路の配置に際しても、効果的に発汗を抑えることができる背部の中央部から座部の中央部まで連続して通気路を配置することができるため、最適な吹出し口を頭部、頸部、背中、腰、臀部の任意の位置に設けることができる。
上記請求項2によれば、送風源と通気路が着脱自在となっているため、送風源をシート基材に配置したまま、通気路のみを取り替えることができる。これにより、吹出し口の位置を各種設定した通気路を用意すれば、高価な送風源を流用したまま、安価な通気路のみを交換するだけで、乳幼児の体型や体質に併せた最適な通気効果を得ることができる。更に、***物や吐瀉物などにより通気路が汚れてしまった場合でも、通気路を容易に取り外し洗浄することができる。
上記請求項3によれば、通気路はシート表皮に当接するように配置されているため、クッション層によって通気が遮られてしまうことはなく、充分な通気効果を得ることができる。
上記請求項4によれば、シート表皮とクッション層の間に通気路を挿入する手間がなくなるので、シートカバーの着脱が簡便なものとなる。また、通気路を構成するチューブは柔軟なものであるため、通気路が配置される箇所にクッション層が配置されていなくても快適性が損なわれることはない。
本発明の実施の形態を、図1を参照しながら説明する。通気装置1の構成は、まず、ファンからなる送風源2があり、この送風源2には、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなり、内径4mmφ、外径5mmφの12本のチューブ4が並列一体化されシート状に成形された通気路3が接続されている。通気路3を構成する複数のチューブ4の上面側(シートカバー側)には幅10mmの一直線スリット状の吹出し口5が60mm間隔で3本形成されており、また、送風源2と接続されていない側の端部は開放されている。
尚、通気装置1の他の形態については、例えば、上記特許文献3を参照することもできる。
このような通気装置1を図2、図3に示すように配置する。シート基材11背部の裏側上部に送風源2を配置し、そこからシート基材11に形成された孔を通じて、通気路3をシート基材11表側(シートカバー12側)に導出し、シート基材11の背部から座部の中央まで通気路3を配置する。このように、本発明の通気式チャイルドシートは、通気路2がシート基材11とシートカバー12の間に挟みこまれる構造のため、上記特許文献2のようにシート基材に特別な加工を施す必要はない。
また、送風源2はシート基材11背部の裏側上部に設置されているため、送風源2の周囲には充分な空間があり、乳幼児の着座によっても吸気量が減少することなく、充分な風量を得ることができる。また、乳幼児の***物や吐瀉物などが送風源2に入り込むことがないため、送風源2の電気的な故障を回避することができる。また、通気路3がシートカバー12に当接するように配置されているため、乳幼児の身体まで通気が遮られることがなく、充分な風量を得ることができる。また、通気路3の配置に際しても、効果的に発汗を抑えることができる背部の中央部から座部の中央部まで連続して通気路3を配置することができるため、最適な吹出し口5を頭部、頸部、背中、腰、臀部の任意の位置に設けることができる。
また、本発明おける通気路3は、複数のチューブ4が並列一体化されてシート状になった構造となっているため、チューブ4に上から荷重が加わって、チューブ4が扁平しても、扁平された部分の逃げ場がなくなり、一定以上の変形が制限される。そのため、実使用上で想定される荷重が加わってもチューブ4が完全に潰れることはなく、所望とする風量が確保することができる。
ここで、チューブ4を並列一体化しない場合、着座により風量が、着座しない場合に比較し最大0.6%まで減少するのに対し、チューブ4を並列一体化した場合は最大47%の減少に止まっていることを実験により確認している。
送風源2としては、上記実施の形態で使用したファンの他に、温風や冷風を発生することのできるペルチェ素子を内蔵させたり、車載用エアコンディショナーに接続したりすることも考えられる。しかし、体温調節機能の未熟な乳幼児が対象であるため、冷えすぎを考慮し、自然風であるファンを使用することが好ましいと考えられる。
吹出し口5の位置については、乳幼児の体型や体質に応じ、適宜設定すれば良い。例えば、熱中症を防止するためには、乳幼児の頭部や頸部といった熱の集まり易い位置の近傍に吹出し口5の位置を設定することが効果的である。本発明においては、送風源をシート基材背部の上部に配置していることから、送風源に近い頭部や頸部の位置は、最も強い風量を得ることができるという利点もある。
本発明の他の形態として、例えば、図8に示すように、送風源2と通気路3とが着脱自在の接続手段6で接続されている構成も考えられる。接続手段6としては、例えば、テーパによる摺り合せや簡単なロック機構を設けたものなど、送風源からの風で容易に抜けず、接続部での空気漏れがないような構成であれば、従来公知の構造のもので良く、特に限定はない。通気路3と接続手段6とは、強度の確保と空気漏れ防止が図られるような手法で接続されれば良く、例えば、接着剤やホットメルト材などを用いても接続されても良い。
このような接続手段6により着脱自在な構成とすれば、送風源2をシート基材11に配置したまま、通気路3のみを取り替えることができる。これにより、吹出し口5の位置を各種設定した通気路3を用意すれば、高価な送風源2を流用したまま、安価な通気路3のみを交換するだけで、乳幼児の体型や体質に併せた最適な通気効果を得ることができる。更に、***物や吐瀉物などにより通気路3が汚れてしまった場合でも、通気路3を容易に取り外し洗浄することができる。
また、シートカバー12がシート表皮12aとクッション層12bとから構成されたものである場合は、図4、図5に示すように、通気路3がシート表皮12aに当接するように配置されていることが好ましい。こうすることにより、通気性の低いクッション層12bによって通気が遮られてしまうことはなく、充分な通気効果を得ることができる。
また、このような場合には、図6、図7に示すように、シートカバー12における通気路3が配置される箇所には、クッション層12bが配置されていないようにすることも考えられる。こうすることにより、図4、図5に示した構成のようにシート表皮12aとクッション層12bの間に通気路3を挿入する手間がなくなるので、シートカバー12の着脱が簡便なものとなる。ここで、クッション層12bを配置しないことによる快適性の低下も危惧されるが、本発明の通気路3を構成するチューブ4は柔軟なものであるため、通気路3が配置される箇所にクッション層12bが配置されていなくても快適性が損なわれることはない。
以上、詳述したように本発明による通気式チャイルドシートによると、着座している乳幼児が暑さにより蒸れることなく、快適に着座することができる。更には、本発明は、自動車用のチャイルドシートのみならず、例えば、ベビーカーなど、乳幼児を着座させ固定するような用途に広く応用可能である。
本発明による実施の形態を示す図で、通気装置を示す斜視図である。 本発明による実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す一部切欠き斜視図である。 本発明による実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す断面図である。 本発明による他の実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す一部切欠き斜視図である。 本発明による他の実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す断面図である。 本発明による他の実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す一部切欠き斜視図である。 本発明による他の実施の形態を示す図で、通気装置が配置された通気式チャイルドシートを示す断面図である。 本発明による他の実施の形態を示す図で、通気装置を示す斜視図である。 従来の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 通気装置
2 送風源
3 通気路
4 チューブ
5 吹出し口
6 接続手段
11 シート基材
12 シートカバー

Claims (4)

  1. 乳幼児が着座する座部と該座部に着座した乳幼児を背側から支える背部とから構成されたシート基材と、該シート基材を覆うシートカバーと、送風源と該送風源に接続され複数のチューブが並列一体化されてシート状に成型された通気路と該通気路に形成された吹出し口とを具備した通気装置と、を含んで構成された通気式チャイルドシートにおいて、前記送風源が前記シート基材背部の裏側上部に配置され、前記通気路が前記シート基材と前記シートカバーの間に配置され且つ前記シートカバーに当接するように配置されていることを特徴とする通気式チャイルドシート。
  2. 前記送風源と前記通気路とが着脱自在の接続手段で接続されていることを特徴とする請求項1記載の通気式チャイルドシート。
  3. 前記シートカバーがシート表皮とクッション層から構成されており、前記通気路が前記シート表皮に当接するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の通気式チャイルドシート。
  4. 前記シートカバーにおける前記通気路が配置される箇所には、前記クッション層が配置されていないことを特徴とする請求項3記載の通気式チャイルドシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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