JP2008035791A - から揚げ粉及びそれを用いたから揚げ - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の技術では困難な、少ない油でも衣形状を壊すことなく、カリカリとした食感で油っぽさを感じにくいから揚げを得ることの出来るから揚げ粉及びから揚げの製法の提供。
【解決手段】 から揚げ粉衣材中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有することを特徴とするから揚げ粉。水溶き衣のから揚げ粉である。油ちょう時に衣同士が結着することがないから揚げ粉である。上記いずれかのから揚げ粉を衣材に用いて調製したから揚げ。
【選択図】 なし

Description

本発明はから揚げ粉及びそれを用いたから揚げに関し、詳しくは衣同士の結着がなく形態の良いから揚げを得ることができ、衣の食感がカリカリとした食感に揚がるから揚げ粉及びそれを衣材に用いて調製したから揚げに関する。
一般に、から揚は、鶏肉や魚介類などの具材にから揚げ粉をまぶし、油で揚げたものをいう。から揚げ粉は、通常具材の表面の水分を利用して付着させるが、具材によっては外部からその表面に付けた水や液卵などを利用して付着させる。水溶き衣用のから揚げ粉は、小麦粉・でん粉を主成分としたもので、更に食感の改良や外観の向上のために、卵・膨張剤・乳化剤などを配合するものがある。
また、基本的に「揚げ物」は、具材同士が接触していない状態で調理するもので、接触すると衣同士が結着することになる。から揚げを作る際にも、具材同士が接触していない状態での調理が前提となり、加えて、から揚げ粉が具材の表面に均一に付着されること、具材の水分が滲み出してその表面がベタ付かないこと、加熱調理中において、から揚げ粉で形成される衣が容易に離脱することがないことが、製造上、また作業上からも好ましいとされている。
従来、上記のようなから揚げを作る際の作業性に着目してから揚げ粉の検討が種々行われている。例えば、膨化処理して粉砕した米粉を用いる方法(特許文献1)、膨化処理した小麦粉を用いる方法(特許文献2)などを挙げることができる。また溶解度を5〜10%、膨潤度を6%以上となるように加工した膨化成形アルファー化小麦粉を主成分とした揚げ物衣用バッターミックス(特許文献3)、あるいは米粉、コーンフラワー、骨粉、卵殻の粉末、及び食用カルシウム粉末の中から選ばれたもの、ガム類、及びα化澱粉(α化度30%以上)を含むフライ下地粉(特許文献4)なども提案されている。しかしながら、上記のような膨化処理して粉砕した米粉やα化度30%以上の小麦粉等を用いることによって、一般に吸湿性が上昇し、衣の付着性は向上するが、特に調理後のから揚げの衣のカラッとした食感や具材のジューシー感においては充分ではなく、さらに検討の必要がある。
また、得られた調理品は、揚げむらがなく、衣がカラッとしていて歯ごたえが良く、一方具材自体は水分の過剰な流出がなく、柔らかく、ジューシー感のあることが望ましいとされている。上記のような食感の良いから揚げが揚げられるように、従来より種々の検討がなされている。例えば、特許文献5には、小麦粉50〜70重量部と化工澱粉10〜30重量部と、粉末卵白、粉末卵黄、粉末状植物性たん白、粉末油脂、膨張剤及び増粘多糖類のうち3種類以上からなる粉体5〜25重量部とを含む揚げ物用衣材を使用する、油ちょう後に常温で保存しても、油ちょう後に冷凍もしくは冷蔵した後電子レンジ又はオーブン再加熱しても、衣の食感、外観及び風味を維持した揚げ物を提供できる技術が開示されている。また、特許文献6には、油脂、澱粉、及び植物性たん白を必須成分とし、油脂をバッター原料の15〜60重量%含むことを特徴とする方法が開示されている。さらに、特許文献7には、化工澱粉、デキストリン及び植物性たん白を必須成分とするフライ食品用の衣材に関する技術が、特許文献8には未α化澱粉及びα化澱粉からなる澱粉を主成分にし、これに起泡タイプの植物性たん白及び水を加えて撹拌混合して比重0.35〜0.6のバッターを調製したものを利用する技術が開示されている。これらの技術はいずれも、揚げ物表層部においては比較的さくさくとした食感が維持できるとしているが、衣が具材から離脱し難くすることに関してはさらに検討の必要がある。
特許文献9には、膨潤度が4〜15で、且つ溶解度が10重量%以下である架橋澱粉を20重量%以上含有させた衣材に関する技術が開示されており、好ましくは大豆たん白を3〜20重量%含有するとソフトでサクサクした食感になると記載されている。さらに、大豆たん白には、加熱処理した全脂大豆粉や脱脂大豆粉、脱脂大豆粉をエクストルーダーで処理した粒状大豆たん白が含まれるとの記載があるが、本発明とは食感も異なることから、結着防止効果もないと考えられる。また、特許文献10には、フライ可能な食用粒状物をから揚げ粉に混合したことを特徴としたから揚げ粉に関する技術開示がある。食用粒状物には粒状植物性たん白も含まれる。これはから揚げの表面に適度な凹凸感をだすのが目的である。特許文献11には加熱変性し水不溶化した最大粒径2.0mm未満の微粒状植物性たん白を衣材中に含有することを特徴とする揚げ物用衣材に関する技術が開示されている。この発明で微粒状とは比較的大きな粒度(粒径0.85〜4mmの微粒状大豆たん白が記載されている。)を指している。特許文献12、特許文献13において、脱脂大豆粉や全脂大豆粉を添加した揚げ物用衣材が明示されている。以上のいずれの発明からも衣同士の結着防止効果は得ることができないか、もしくは結着防止効果は示唆されていない。
特開昭62−228244号公報) 特開平4−11857号公報 特開昭58−193666号公報 特開昭62−228243号公報 特開平7−67565号公報 特開平7−155127号公報 特開平9−206016号公報 特開平9−238656号公報 特開平9−215478号公報 特開平11−46712号公報 特開2000−355001号公報 特開平2−39865号公報 特開2005−237350号公報
近年調理の簡便性を求める消費者が多くなり、少量の油でから揚げをしたいとの要望がある。しかし、少量の油でから揚げを調理すると、衣同士の結着、外観の不良、また吸油過多により衣の食感が油っぽいから揚げになってしまうという新たな問題点が生じて来ている。基本的に「揚げ物」は、具材同士が接触していない状態で調理するものであり、少量の油でから揚げを調理すると具材が物理的に狭い空間に密に存在することになり衣同士の結着が起こりやすい状態になる。
そこで、本発明は、従来の技術では困難な、少ない油でも衣形状を壊すことなく、カリカリとした食感で油っぽさを感じにくいから揚げを得ることの出来るから揚げ粉及びから揚げの製法を提供することを目的とした。
本発明者は、前記の課題を解決すべく研究する中で、たんぱく質の豊富な大豆粉に注目し、その中でも粒径が212μm以下でかつNSIが30以下の大豆粉でより食感・衣形状が良好なから揚げを得ることのできるから揚げ粉およびから揚げが提供できることを確認した。
すなわち、本発明は、から揚げ粉中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有することを特徴とするから揚げ粉を要旨とする。
水溶き衣用のから揚げ粉であり、本発明は、から揚げ粉中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有することを特徴とする水溶き衣用のから揚げ粉を要旨とする。
油ちょう時に衣同士が結着することがないから揚げ粉であり、本発明は、から揚げ粉中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有することを特徴とする油ちょう時に衣同士が結着することがないから揚げ粉、好ましくは水溶き衣用のから揚げ粉を要旨とする。
また、本発明は、上記のいずれかのから揚げ粉を衣材に用いて調製したから揚げを要旨とする。
本発明により、少ない油でも衣形状を壊すことなく、カリカリとした食感で油っぽさを感じにくいから揚げを得ることのできるから揚げ粉及びから揚げを提供することができる。本発明のから揚げ用衣材を使用することで、衣同士が接触している状況下、さらには、密着している状況下でから揚げを調理しても衣同士の結着がなく、衣の食感もカリカリとした油っぽくないから揚げが得られるようになったものである。衣同士が結着した状態というのは、複数のから揚げの衣が一体となり分離できない状態、または無理に分離させた場合に衣が損傷し外観の悪いから揚げになる状態を指す。一方、衣同士が結着しない状態とは、接触した状態で油ちょうした場合に衣同士が軽く付着することはあるが、容易に分離可能で、かつ、分離後のから揚げの衣にはがれがない状態のことを指す。
すなわち、から揚げを作る際に、少ない油で具材同士が密着している状態での調理が可能であり、から揚げ粉が具材の表面に均一に付着されること、具材の水分が滲み出してその表面がベタ付かないこと、加熱調理中において、から揚げ粉で形成される衣が容易に離脱することがない、製造上、また作業上から好ましいから揚げ粉を提供することができる。また、本発明のから揚げ粉を使用することで、カリカリとしたとした歯切れが良く、油っぽさを感じにくいから揚げ食品を提供することができる。
一般にから揚げは、小麦粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、とうもろこし粉などの穀粉に、食塩、糖類、脱脂粉乳、調味料、香辛料、乳化剤、膨張剤、卵などを加えたもの、あるいは予めこれらの材料が混合されてなる専用のミックス粉を、鶏肉や豚肉などの畜肉や、エビ、カニ、イカ、魚などの水産物、といった具材に直接まぶしたり、又は水に溶いたものをこれらの具材にからめた後に油で揚げて調理したものである。業務用のから揚げ粉では、具材にまぶして調理することを目的としたから揚げ粉をまぶし衣タイプ、水、油脂などの液体に溶いた後に具材にからめて調理することを目的としたものを水溶き衣タイプと分類して用いられている。
本発明のから揚げ粉は、衣材は粉のまま用いることもできるが、加水して溶き衣としたほうがよい。また、本発明において水溶き衣用のから揚げ粉とは、から揚げ粉に水を混合して使用するから揚げ粉のことをいう。混合する水には、あらかじめ調味料、増粘多糖類等の物質を溶解、分散して使用することもできる。水溶き衣タイプとすることで、具材は水分の過剰な流出がなく、衣がカラッとしていて歯ごたえがよく、一方で、具材が柔らかくジューシー感のある食感の良いから揚げを得ることができる。
本発明の衣材を水溶き衣として利用する場合、加水量は典型的には、衣材に対して70〜130重量%である。適当な粘度になるように加水するのが好ましい。水溶き衣の粘度は通常、数百〜数千mPa・sの範囲が一般的であるが、本発明の衣材においては、通常よりも高めの粘度が好ましい。具体的には、B型粘度計で25℃にて4号のローターで12rpmで測定したときの粘度が6,000mPa・s〜18,000mPa・sとなるように加水するのが好ましい。粘度が高いほうが、油ちょう後のから揚げがジューシーで衣の食感も好ましいものになる。また、粘度を調節するために増粘剤などを使用することもできる。
大豆粉を除いた衣材の組成は、小麦粉、でん粉を主成分とし、食感の改良や外観の向上のために、卵・膨張剤・乳化剤などを配合する通常の組成のから揚げ粉をベースとし、これに特定の大豆粉を配合するものである。味付けのため食塩、糖類、粉末調味料等の既知の調味料を添加することも可能である。更には、着色料、着香料、乳化剤、その他の食品添加物を含有することを妨げない。
小麦粉は強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉などを用いることができる。でん粉は、小麦、コーン、ワキシーコーン、米などの穀物でん粉、馬鈴薯、タピオカ等の芋類でん粉、小豆、いんげん豆、ササゲ、そら豆、及びその他の豆類等に由来するものやいずれにも該当しないサゴでん粉などが列挙できる。これらを原料とする焙焼デキストリン、酵素変性でん粉、酸分解でん粉、酸化でん粉、エステル化でん粉、エーテル化でん粉、架橋でん粉、アルファー化でん粉、湿熱処理でん粉などの化工でん粉等を用いることができる。
調味料としては、例えば食塩、糖類(例、単糖類、二糖類、オリゴ糖、糖アルコール)、粉末醤油、粉末味噌、化学調味料(例、アミノ酸系調味料、核酸系調味料)、コハク酸ナトリウム、植物蛋白加水分解物(HVP)粉末などから選ばれたものを適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のから揚げ粉は、上記例の如く調製した衣材をベースとし、これに粒径が212μm以下でかつNSIが30以下、好ましくは25以下、より好ましくは25〜10の範囲の大豆粉を配合するものである。大豆粉は、乾燥大豆を粉砕することによって得ることができる。粉砕前に脱皮、脱脂などの処理を行った後に粉砕してもよい。脱脂せずに粉砕したものを全脂大豆粉、脱脂後に粉砕したものを脱脂大豆粉と呼ぶ。前記大豆粉を得る方法としては、乾熱もしくは湿熱加熱、及び間接もしくは直接加熱を問わず、大豆粉が熱変性してNSIが30以下となる方法を用いれば良い。原料となる大豆は、丸大豆、フレーク、粉末などいずれの形態でもよく、脱皮大豆、脱脂大豆、全脂大豆のいずれでもよい。例えば大豆粉を一軸型あるいは二軸型のエクストルーダーのような加圧加熱装置を用いて大豆たん白が変性するに十分なほど(例えば100〜200℃)加圧加熱し、押出する方法を用いることもできる。また、非加熱大豆粉をマイクロウェーブ等で110〜135℃で30秒〜5分間加熱することによって加熱大豆粉を得ることができる。
上記大豆粉の粒径は212μm以下、より好ましくは106μm以下が適当である。粒径212μm以下の大豆粉を得る方法としては、一般的に使用されている粉砕方法と分級方法を組み合わせて使用することが出来る。粉砕は、ピンミル、ジェットミルのような衝撃式粉砕機、剪断式粉砕機、マスコロイダー、グラインダー、石臼のような磨砕式粉砕機、または低温凍結粉砕機のような複合型粉砕機等、その他の公知の粉砕機を用いて行ってもよい。分級も一般的に行われている方法により行えばよい。例えば、振動篩い、面内篩い、気流による微粒子群の分散作用などによる篩い分け、ハイドロセパレータ、液体サイクロンなどを用いた湿式分級、重力分級機、慣性分級機、遠心分級機などを用いた乾式分級、その他公知の分級方法を用いて行えばよい。例えば目開き212μmの篩を通過させることにより粒径212μm以下の大豆粉を得ることができる。
粉末の粒径の測定方法は、篩で分ける方法、顕微鏡などを用いて寸法を計る方法、沈降速度から求める方法、慣性力から求める方法、媒体に分散させて回折光や散乱光を利用して測定する方法など多くの方法が採られているが、測定方法によって、粒径の値が異なることが知られている。本発明では、JIS規格による標準フルイ規格(JIS Z−8801)に基づき大豆粉なの粒径を目開きで規定する。すなわち、、本発明でいう粒径212μm以下とは、目開き212μmの篩を通過する粒径のことを指す。
NSI(Nitrogen Solubility Indexの略)とは、水溶性窒素指数を意味し、総蛋白含量に対する水溶性蛋白量を示し、蛋白質の変性度を示す指標となる。
NSIは基準油脂分析実験法2003年版(日本油化学会編)1.8.2−1996に記載の方法で測定することができる。
[NSIの測定方法]
大豆粉5gを遠心分離用のガラスチューブに量り取る。20℃±2℃の蒸留水50mlに溶解し、30℃の振とう機で60分間振とうする。チューブを取り出し2000rpmで10分遠心分離した後、上澄みを250mlメスフラスコに移す。チューブ中の残分には新たな蒸留水50mlを加え、前回同様に60分間の振とうと10分間の遠心を行い、上清を前記のメスフラスコに移す。この操作を4回繰り返し抽出液を全量フラスコに集める。少量の蒸留水を用いて器具を洗い、洗液をフラスコに収めた後、250mlにメスアップする。フラスコの内容物を均一にした後、ろ紙で250mlの三角フラスコにろ過する。50mlをケルダールフラスコにホールピペットで測りとり、ケルダール法により窒素量を定量し、水溶性窒素量(Ns)を求める
大豆粉1gを正確に量り取り、ケルダール法により調製試料中の全窒素量(N)を求め、次式よりNSI値を算出する。
NSI=Ns/N×100
NSI30以下の大豆粉では水溶性蛋白が少なく、油ちょう時に衣から水が速やかに失われるため、衣の表面がすばやく乾燥する。一方、粒径212μm以下のにも水を保持しにくいため、油ちょう時に速やかに乾燥する。その結果、接触している衣同士が結合しにくく、かつ、からっとし、カリカリと好ましい食感になると考えられる。
大豆粉として、全脂大豆粉および脱脂大豆粉単独でも油ちょう時衣同士が結着することがない効果を奏するが、これらを併用した場合のほうがより効果があるといえる。粒径が212μ以下でNSIが30以下の大豆粉はから揚げ粉の粉体中2重量%〜20重量%、好ましくは7重量%〜15重量%、より好ましくは7〜10重量%含まれるのが適当である。
また、本発明は、上記のから揚げ粉、例えばから揚げ粉衣材中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有するから揚げ粉を衣材に用いて調製したから揚げである。
から揚げに用いる油ちょう用油脂の種類や油ちょうする条件は特に限定されない。油ちょう用油脂の種類は、油脂の耐熱性、安定性、風味、所望のフライ適性を得る等を考慮して、動植物油脂や、分別、水素添加、エステル交換油等の加工を施したものを1種あるいは2種以上の組み合わせたものを選択し、加熱調理すればよい。
本発明のから揚げ粉は、なべやフライパンなどの油ちょう器具の表面に付着せず、から揚げの衣同士が結着し難い特性があることから、底部から1〜2cmの油脂を加えて、衣をからめた具材を油量の2〜4倍量入れて、衣同士が接触する状態で油ちょうしても、衣はがれのないから揚げを製造することができるという特徴がある。少量の油脂で調理できることから、経済的かつ簡便であり、一般家庭においては、直径15cm〜30cmの平底のフライパンでから揚げをつくるのに最適である。
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[比較例1、実施例1,2]
粒状大豆蛋白(ミーテックスK6、昭和産業)をピンミルで粉砕し、目開き710μm、212μm、106μmの篩で分け、各篩の篩下を集め、表1の組成(重量%)のから揚げ粉を作製し、そのから揚げ粉でから揚げを作製し、衣の結着性および食感を調べた(比較例1、実施例1,2)。から揚げ粉100gに対して130gの水を加え、水溶き衣230g作製し、鶏肉390gをおよそ30g毎に13個にカットしたものと充分にからませた。直径26cmのフライパンに180gの油を入れた。この時の脂の深さは1cmであった。油の初発温度を165℃の火力とし、水溶き衣を充分に絡ませた鶏肉を約1秒間隔で投入後、5分間油ちょうした。油ちょう時油温が165℃を維持するように火力を中火〜強火で適宜調節した。水溶き衣の残量は20gであり、水溶き衣と絡めた鶏肉の重量は約600gであった。具材を油に投入後のフライパンの底から、油脂の表面の深さ(油深)は2cmであった。したがって、約600gの鶏肉を油深2cmで調理したことになる。調理時の外観は、フライパンの底面いっぱいに鶏肉が敷き詰められている状態で、鶏肉同士には隙間のない状態であった。調理後のから揚げの評価は、10人のパネラーにより表2に示す4段階評価(平均)で行った。評価結果を表3に示した。
粒度の粗い比較例1では衣の結着防止効果は認められず、かつ、食感もやわらかくやや油っぽさを感じるものになった。実施例1,2の粒度が細かい大豆粉では、衣の結着防止効果が高く、また、食感も良好であった。以上の結果より、粒径212μm以下の大豆粉により、衣同士の結着が少なく、かつ食感の良好なから揚げが作製できることが分かった。
[比較例2,3、実施例3〜7]
NSIの異なる脱脂大豆粉、全脂大豆粉を用いて表1の組成(重量%)でから揚げ粉を調製し、そのから揚げ粉でから揚げを作製し、衣の結着性および食感を調べた。5種のNSIの脱脂大豆粉(サンプル1〜5)は、脱脂大豆粉(フレッシュフラワーDP、昭和産業製)を2軸エクストルーダーで押出後、粉砕することによって得た。全脂大豆粉は、市販品のフレッシュフラワーS55(昭和産業製)を使用した。いずれも目開き106μmの篩を通過させ、試験に用いた。
から揚げ粉100gに対して130gの水を加え、水溶き衣230g作製し、鶏肉390gをおよそ30g毎に13個にカットしたものと充分にからませた。直径26cmのフライパンに180gの油を入れた。油の初発温度を165℃の火力とし、水溶き衣を充分に絡ませた鶏肉を約1秒間隔で投入後、5分間油ちょうした。油ちょう時の火力は中火〜強火で行った。溶き衣の残量は20gであり、水溶き衣と絡めた鶏肉の重量は約600gであった。油に投入後のフライパンの底から、油脂の表面の深さ(油深)は1〜2cmであった。したがって、約600gの鶏肉を油深2cmで調理したことになる。調理時の外観は、フライパンの底面いっぱいに鶏肉が敷き詰められている状態で、鶏肉同士には隙間のない状態であった。調理後のから揚げの評価は、10人のパネラーにより表2に示す4段階評価(平均)で行った。評価結果を表4に示した。
粒径が212μm以下でかつNSIが30以下の大豆粉を使用すると、油量に対して、油ちょう前の衣と具材の総量で3.3倍量を投入し、衣同士の側面が密着している状況下で油ちょうしても、から揚げの衣同士が結着することなく、適度なカリカリ感のある食感のから揚げが作製できることが分かった。
[比較例4、5、実施例8〜12]
次に、大豆粉の添加量による影響を確認した。表1の配合を元に大豆粉の添加量を0,1,2,7,10,15,20%と変え、から揚げ粉を作製した(比較例4、5、実施例8〜12)。大豆粉量の増減は小麦粉、でん粉の配合量を増減することにより調整した。また、25℃にてB型粘度計で測定した粘度が10,000 mPa・sとなるように適宜加水量を調整して、水溶き衣を作製し、30gにカットした鶏肉390gと充分にからませた。26cmフライパンに180gの油を張り、160〜170℃で5分間、油揚げした。肉を油に投入後の油深さは2cmであった。調理後のから揚げの評価は、10人のパネラーにより表4に示した評価基準で行った。評価結果は表7に示した。
調理後のから揚げの評価は、10人のパネラーにより表2に示す4段階評価(平均)で行った。評価結果を表5に示した。
以上の結果より、衣材の粉体中大豆粉が2%〜20%、好ましくは7重量%〜15重量%、より好ましくは7〜10重量%の大豆粉を添加することにより、衣同士の結着が少なく、かつ食感の良好なから揚げが作製できることが分かった。
[実施例13,14]
脱脂大豆粉と全脂大豆粉の併用効果を確認するため、表1の組成(重量%)を元に実施例13、14のから揚げ粉を作製した。また、25℃にてB型粘度計で測定した粘度が10,000 mPa・sとなるように適宜加水量を調整して、水溶き衣を作成し、30gにカットした鶏肉390gと充分にからませた。26cmフライパンに180gの油を張り、160〜170℃で5分間、油揚げした。肉を油に投入後の油深さは2cmであった。調理後のから揚げの評価は、10人のパネラーにより表2に示した4段階評価で行った。評価結果は表6に示した。
脱脂大豆粉と全脂大豆粉を併用することにより、脱脂大豆粉および全脂大豆粉単独では効果の低下がみられた大豆粉2%添加区でも充分な効果があることを確認した。
近年多くなった調理の簡便性を求める消費者に向けて、少量の油でから揚げをしても、衣同士の結着することがなく、外観が良好で、また衣の食感が油っぽくない揚げに仕上がる揚げ粉及びから揚げの製法を提供することが可能となった。

Claims (4)

  1. から揚げ粉中に粒径が212μm以下でかつNSIが30以下である大豆粉を含有することを特徴とするから揚げ粉。
  2. 水溶き衣のから揚げ粉である請求項1のから揚げ粉。
  3. 油ちょう時に衣同士が結着することがないから揚げ粉である請求項1または2のから揚げ粉。
  4. 請求項1ないし3のいずれかのから揚げ粉を衣材に用いて調製したから揚げ。




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