JP2008034980A - 複合高周波部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高調波歪みが小さく、全体に小型化であり、且つ低コストな複合高周波部品を構成する。
【解決手段】送信信号入力ポート、受信信号出力ポート、および、アンテナへ送信信号を出力するまたはアンテナから受信信号を入力するアンテナポートを有し、アンテナポートを送信信号入力ポートまたは受信信号出力ポートに切り替えて接続するスイッチ素子SW10を多層基板に搭載し、送信信号入力ポートに接続され、送信信号の高次高調波を減衰させる送信フィルタを多層基板内に設け、スイッチ素子の送信信号入力ポートと送信フィルタとの間に接続され、送信信号入力ポートから送信フィルタ方向を見た場合の高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化する位相条件を備えた位相設定回路を多層基板内に設け、スイッチ素子を搭載した多層基板の一方の主面と送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極G1を設ける。
【選択図】図4

Description

特定周波数の通信信号の送受信を切り替えるスイッチ素子を備えた複合高周波部品に関するものである。
現在、携帯電話等の無線通信方式には複数の仕様が存在し、例えばヨーロッパではマルチバンドのGSM方式が採用されている。GSM方式では使用する周波数帯が異なる複数の通信信号(送受信信号)が存在し、各周波数帯としては850MHz帯、および900MHz帯が存在する。さらには、1800MHz帯や1900MHz帯も存在する。このようなそれぞれに異なる周波数帯を利用する複数の通信信号を端末側で1つのアンテナを用いて送受信する場合、目的とする通信信号の送信信号の伝送経路や目的とする通信信号の受信信号の伝送経路を切り替える必要があり、これらの切り替えにスイッチ素子を用いた通信端末用フロントエンド回路が例えば特許文献1に開示されている。
図1は特許文献1に示されている通信端末用フロントエンド回路の構成を示すブロック図である。この通信端末用フロントエンド回路は、第1通信信号の送信信号(第1送信信号)と第2通信信号の送信信号(第2送信信号)とが入力される送信ポートRF101、第1通信信号の受信信号(第1受信信号)を出力する第1受信ポートRF102、第2通信信号の受信信号(第2受信信号)を出力する第2受信ポートRF103、アンテナに対して第1、第2送信信号、第1受信信号、および第2受信信号の入出力を行うアンテナポートANT0、をそれぞれ有する多重スイッチSW100を備えている。この多重スイッチSW100としては、GaAs FETやCMOS FETからなる半導体スイッチが用いられている。そして、この通信端末用フロントエンド回路は、第1、第2送信信号の高調波を減衰するローパスフィルタLPF201を送信ポートRF101に接続し、第1受信信号の基本波を通過するバンドパスフィルタBPF301を第1受信ポートRF102に接続し、第2受信信号の基本波を通過するバンドパスフィルタBPF302を第2受信ポートRF103に接続している。
特開2002−185356公報
前述のような通信端末用フロントエンド回路では、多重スイッチSW100の送信ポートRF101にローパスフィルタLPF101を介して接続された送信信号入力端子Tx1へ送信信号が入力される。この送信信号は通常前段に接続されたパワーアンプPAにより増幅されて入力されるが、この増幅の際に送信信号の基本周波数foに対する高次高調波が発生して、基本周波数foの送信信号とともに入力される。ここで、図1に示す通信端末用フロントエンド回路のローパスフィルタLPF201を、前記高次高調波を減衰させる設定にしておけば、多重スイッチSW100に入力される送信信号の高次高調波を抑制することができる。例えば、ローパスフィルタLPF201を、基本周波数foの2次高調波(2fo)を減衰させるローパスフィルタと、基本周波数foの3次高調波(3fo)を減衰させるローパスフィルタと、から構成することで、これら2次高調波および3次高調波が抑制される。
しかしながら、多重スイッチSW100が半導体スイッチで構成されている場合、高周波の送信信号が入力されると、半導体スイッチの非直線性に起因して、多重スイッチSW100で高調波歪みが発生し、各ポートに対して均等に2次高調波や3次高調波等の高調波が出力される。この高調波の周波数で送信ポートRF101からローパスフィルタLPF201を見ると、インピーダンスが無限大に近いオープン状態となり、多重スイッチSW100で発生した高調波がローパスフィルタLPF201の送信ポートRF101側端で全反射して多重スイッチSW100に入力される。この結果、最初の高調波を「X」、全反射による高調波の増加分を「α」とすると、アンテナポートANT0からは「X+α」の高調波が出力されてしまう。
一方、ダイオードスイッチを用いれば、高調波は発生し難いが、それぞれの通信信号の送受信の切り替えに対して少なくとも各2個のダイオードが必要であり、さらにこれらダイオードに付加する回路が必要であるので、通信端末用フロントエンド回路が大型化してしまう。また、ダイオードスイッチを複数利用することで消費電力が増加し、通信端末に内蔵されている電池の寿命が短くなってしまう。特に多重スイッチのポート数が増加すると、この問題が顕著になる。
また、上記通信端末用フロントエンド回路は多重スイッチと複数のフィルタとで構成されるものであるので、これら多数の素子の通信端末内での占有空間が大きくなるという問題もあった。
さらに、上記通信端末用フロントエンド回路は複数の無線通信方式や複数の周波数帯域に対応可能であっても、実際には通信端末のバリエーション毎に用途や特性の異なった半導体スイッチを選択使用することになり、それらのピン配置がそれぞれ異なるため、通信端末のバリエーション毎にフィルタの設計が必要であった。そのため開発・製造コストが嵩むという問題もあった。
そこで、この発明の目的は、高調波歪みが小さく、全体に小型化であり、且つ低コストな複合高周波部品を提供することにある。
前記課題を解決するために、この発明の複合高周波部品は次のように構成する。
(1)送信信号を入力する送信信号入力ポート、受信信号を出力する受信信号出力ポート、および、アンテナへ前記送信信号を出力するまたは前記アンテナから前記受信信号を入力するアンテナポートを有し、該アンテナポートを送信信号入力ポートまたは受信信号出力ポートに切り替えて接続するスイッチ素子と、前記送信信号入力ポートに接続され、前記送信信号の高次高調波を減衰させる送信フィルタと、を備え、
前記送信フィルタを、複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に設け、
前記スイッチ素子の送信信号入力ポートと前記送信フィルタとの間に接続され、前記送信信号入力ポートから前記送信フィルタ方向を見た場合の前記高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化する位相条件を備えた位相設定回路を前記多層基板内に設け、
前記多層基板の一方の主面に前記スイッチ素子を搭載し、
前記位相設定回路と前記送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極を設ける。
(2)送信信号を入力する送信信号入力ポート、受信信号を出力する受信信号出力ポート、および、アンテナへ前記送信信号を出力するまたは前記アンテナから前記受信信号を入力するアンテナポートを有し、該アンテナポートを送信信号入力ポートまたは受信信号出力ポートに切り替えて接続するスイッチ素子と、前記送信信号入力ポートに接続され、前記送信信号の高次高調波を減衰させる送信フィルタと、を備え、
前記送信フィルタを、複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に設け、
前記スイッチ素子の送信信号入力ポートと前記送信フィルタとの間に接続され、前記送信信号入力ポートから前記送信フィルタ方向を見た場合の前記高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化する位相条件を備えた位相設定回路を前記多層基板内に設け、
前記多層基板の一方の主面に前記スイッチ素子を搭載し、
前記多層基板の前記一方の主面と前記位相設定回路との間の誘電体層に接地電極を設ける。
(3)前記送信信号入力ポートおよび前記受信信号出力ポートを、前記送信信号の入力および前記受信信号の出力を兼ねる送受信信号入出力ポートとする。
(4)また、前記多層基板の一方の主面に少なくとも一つのキャビティを備え、前記スイッチ素子を前記キャビティの底部に搭載する。
(5)また、前記位相設定回路は、前記スイッチ素子と前記送信フィルタとのインピーダンス整合をとるインピーダンス整合回路を兼ねるように構成する。
(6)また、前記位相設定回路は、前記送信信号の基本波でのインピーダンスの絶対値を実質的に変化させない電気長の伝送線路とする。
(7)また、前記電気長は前記高次高調波の波長の1/4未満の長さとする。
(8)また、前記送信フィルタは前記高次高調波の周波数を阻止域に含むローパスフィルタとする。
(9)また、前記多層基板の一方の主面上または他方の主面上に前記スイッチ素子の受信信号出力ポートに接続される受信フィルタを搭載する。
(1)スイッチ素子の送信信号入力ポートと送信フィルタとの間に接続された位相設定回路は、送信信号入力ポートから送信フィルタ方向を見た場合の高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化させるので、スイッチ素子により発生した高調波歪みにより送信入力ポートから出力される高調波が送信入力側のフィルタのアースに流れ易くなり、高調波が分散されて全反射せず、スイッチ素子へ戻る高調波の量が抑制される。この結果、スイッチ素子のアンテナポートから出力される高調波が低減する。
しかも複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に送信フィルタと位相設定回路を設けているので、全体の部品点数は大幅に削減され小型化・軽量化が図れる。
また、スイッチ素子を送信フィルタとの間に設けた位相設定回路によって、スイッチ素子との接続箇所や電気長を設定できるので、例えば通信端末のバリエーション毎に用途や特性によりピン配置の異なった半導体スイッチを選択使用する場合でも送信フィルタの再設計が不要となる。
さらに、多層基板の一方の主面にスイッチ素子を搭載し、位相設定回路と送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極を設けることにより、受信ポートに接続される受信回路と送信フィルタ(送信回路)との間の結合を抑えてアイソレーション特性や減衰特性を向上させることができる。
(2)スイッチ素子の送信信号入力ポートと送信フィルタとの間に接続された位相設定回路は、送信信号入力ポートから送信フィルタ方向を見た場合の高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化させるので、スイッチ素子により発生した高調波歪みにより送信入力ポートから出力される高調波が送信入力側のフィルタのアースに流れ易くなり、高調波が分散されて全反射せず、スイッチ素子へ戻る高調波の量が抑制される。この結果、スイッチ素子のアンテナポートから出力される高調波が低減する。
しかも複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に送信フィルタと位相設定回路を設けているので、全体の部品点数は大幅に削減され小型化・軽量化が図れる。
また、スイッチ素子を送信フィルタとの間に設けた位相設定回路によって、スイッチ素子との接続箇所や電気長を設定できるので、例えば通信端末のバリエーション毎に用途や特性によりピン配置の異なった半導体スイッチを選択使用する場合でも送信フィルタの再設計が不要となる。
さらに、多層基板の一方の主面にスイッチ素子を搭載し、多層基板の前記一方の主面と前記位相設定回路との間の誘電体層に接地電極を設けたことにより、送信フィルタ(送信回路)と受信信号出力ポートに接続される受信回路との間の結合を抑えてアイソレーション特性や減衰特性を向上させることができる。また、受信信号出力ポートに接続される受信回路と位相回路との間の結合を抑えてアイソレーション特性を向上させることができる。
(3)前記送信信号入力ポートおよび前記受信信号出力ポートを、前記送信信号の入力および前記受信信号の出力を兼ねる送受信信号入出力ポートとすることにより、送信と受信を同じ周波数帯で行う通信方式にも対応することができる。またこの場合、端子数の少ない通信端末用フロントエンド回路を構成できる。
(4)多層基板の一方の主面に少なくとも一つのキャビティを備え、このキャパシタの底部にスイッチ素子を搭載することにより、搭載されたスイッチ素子が保護された構造となり、他の電子部品と同様に単一の部品として回路基板上に実装可能となる。そのため、製造コストを削減できる。
(5)前記位相設定回路を前記スイッチ素子と前記送信フィルタとのインピーダンス整合をとるインピーダンス整合回路を兼ねるように構成することにより、スイッチ素子と送信フィルタとのインピーダンス整合がとれて挿入損失が低減できる。
(6)前記位相設定回路は、送信信号の基本波でのインピーダンスの絶対値を実質的に変化させない電気長の伝送線路とすることにより送信信号に悪影響を与えることなく位相調整が行える。そのため送信信号の挿入損失が低下することもない。
(7)前記電気長は前記高次高調波の波長の1/4未満の長さとすることにより高調波が抑制されるとともに送信信号の損失が抑制される。
(8)前記送信フィルタは前記高次高調波の周波数を阻止域に含むローパスフィルタとすることにより、基本波の送信信号とともに前段のパワーアンプから高調波が伝送されても、その高調波成分が抑制され、高調波成分をより一層抑制した複合高周波部品を構成できる。
(9)前記多層基板の一方の主面上または他方の主面上に前記スイッチ素子の受信信号出力ポートに接続される受信フィルタを搭載することによって、受信フィルタも含む単一の複合高周波部品を構成でき、例えば通信端末全体の小型・軽量化が図れる。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る複合高周波部品について図2〜図4を参照して説明する。
図2はこの第1の実施形態に係る複合高周波部品の構成を示すブロック図である。
図2において、送信信号入力端子Tx1からGSM850MHzの送信信号またはGSM900MHzの送信信号を入力し、送信信号入力端子Tx2からGSM1800MHzの送信信号またはGSM1900MHzの送信信号を入力し、受信信号出力端子Rx1からGSM850MHzの受信信号を出力し、受信信号出力端子Rx2からGSM900MHzの受信信号を出力し、受信信号出力端子Rx3からGSM1800MHzの受信信号を出力し、受信信号出力端子Rx4からGSM1900MHzの受信信号を出力し、送受信信号入出力端子TxRx1からUMTS1(UMTSの第1の周波数帯)の送受信信号を入出力し、送受信信号入出力端子TxRx2からUMTS2(UMTSの第2の周波数帯)の送受信信号を入出力する。また、アンテナポートANT0にはアンテナANTを接続する。
なお、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、時分割複信技術(TDD)のシステムであり、同一の周波数帯で送信と受信を交互に切り替えて行う。UMTSの周波数帯域には800MHz帯、1.9GHz帯、2.1GHz等がある。
半導体スイッチであるスイッチ素子SW10は、アンテナANTに接続するアンテナポートANT0、GSM850MHzまたはGSM900MHzの送信信号入力ポートRF11、GSM1800MHzまたはGSM1900MHzの送信信号入力ポートRF12、GSM850MHzの受信信号、GSM900MHzの受信信号、GSM1800MHzの受信信号、GSM1900MHzの受信信号、をそれぞれ出力する受信信号出力ポートRF13〜RF16、UMTS1の送受信信号、UMTS2の送受信信号をそれぞれ入出力する送受信信号入出力ポートRF17,RF18を備えている。これらのポートRF11〜RF18を以下、単に「RF11ポート」〜「RF18ポート」という。
また、スイッチ素子SW10は、図示しないが、電源電圧が入力される電源電圧入力ポートと、スイッチ切り替え制御に用いる制御信号が入力される制御信号入力ポートとを備え、制御信号入力ポートに入力される制御信号により、アンテナポートANT0をRF11ポート〜RF16ポートのいずれかに導通させる。なお、RF11ポート,RF12ポートが本発明の「送信信号入力ポート」に相当し、RF13ポート〜RF16ポートが本発明の「受信信号出力ポート」に相当し、RF17ポートとRF18ポートとが本発明の「送受信信号入出力ポート」に相当する。
スイッチ素子SW10のRF11ポートには、伝送線路からなる位相設定素子GLを接続していて、位相設定素子GLのRF11ポートと対向する側の端部にはローパスフィルタLPF11,LPF12を接続している。
この位相設定素子GLの電気長は、伝送する送信信号すなわちGSM850MHzの送信信号およびGSM900MHzの送信信号に対して、送信信号の波長の略1/4の長さに設定している。言い換えれば、位相設定素子GLの電気長を「A」として、送信信号の波長を「λA」すると、0<A<λA/4を満たす長さに設定している。ここで、送信信号の波長λAはGSM850MHzの送信信号とGSM900MHzの送信信号とで若干異なるが、例えば、波長の長いGSM850MHzの送信信号の波長を前記「λ」に設定する。
前記位相設定素子GLはスイッチ素子SW10とローパスフィルタLPF11との基本波周波数(GSM850/900)でのインピーダンス整合をとるインピーダンス整合回路を兼ねている。この構成により、スイッチ素子SW10とローパスフィルタLPF11とのインピーダンス整合がとれて挿入損失が低減できる。
前記位相設定素子GLは伝送線路からなり、本発明の「位相設定回路」に相当する。
ローパスフィルタLPF11は位相設定素子GLとローパスフィルタLPF12との間に接続し、このローパスフィルタLPF11と送信信号入力端子Tx1との間にローパスフィルタLPF12を接続している。
ローパスフィルタLPF11は、一方端を位相設定素子GLに接続し、他方端をローパスフィルタLPF12に接続するインダクタGLt1、このインダクタGLt1に並列接続したキャパシタGCc1、インダクタGLt1の位相設定素子GL側と接地との間に接続したキャパシタGcu1を備える。このローパスフィルタLPF11はGSM850MHzの送信信号およびGSM900MHzの送信信号の2次高調波の周波数が阻止域に存在し、基本波の周波数が通過域に存在するように減衰特性を設定している。
ローパスフィルタLPF12は、一方端をローパスフィルタLPF11に接続し、他方端を送信信号入力端子Tx1に接続するインダクタGLt2、このインダクタGLt2に並列接続したキャパシタGCc2、インダクタGLt2のローパスフィルタLPF11側と接地との間に接続したキャパシタGcu2を備える。このローパスフィルタLPF12はGSM850MHzの送信信号およびGSM900MHzの送信信号の3次高調波の周波数が阻止域に存在し、基本波の周波数が通過域に存在するように減衰特性を設定している。
なお、キャパシタGcu3は、ローパスフィルタLPF12と送信信号入力端子Tx1とのインピーダンス整合のために設けている。
スイッチ素子SW10のRF12ポートには、伝送線路からなる位相設定素子DLが接続していて、位相設定素子DLのRF12ポートと対向する側の端部にはローパスフィルタLPF21を接続している。
この位相設定素子DLの電気長は、伝送する送信信号すなわちGSM1800MHzの送信信号およびGSM1900MHzの送信信号に対して、送信信号の波長の略1/4の長さに設定している。言い換えれば、位相設定素子DLの電気長を「B」として、送信信号の波長を「λB」すると、0<B<λB/4を満たす長さに設定している。ここで、送信信号の波長λBはGSM1800MHzの送信信号とGSM1900MHzの送信信号とで若干異なるが、例えば、波長の長いGSM1800MHzの送信信号の波長を前記「λB」に設定する。
前記位相設定素子DLはスイッチ素子SW10とローパスフィルタLPF21との基本波周波数(GSM1800/1900)でのインピーダンス整合をとるインピーダンス整合回路を兼ねている。この構成により、スイッチ素子SW10とローパスフィルタLPF21とのインピーダンス整合がとれて挿入損失が低減できる。
前記位相設定素子DLは伝送線路からなり、本発明の「位相設定回路」に相当する。
ローパスフィルタLPF21は位相設定素子DLとローパスフィルタLPF22との間に接続し、このローパスフィルタLPF21と送信信号入力端子Tx2との間にローパスフィルタLPF22を接続している。
ローパスフィルタLPF21は、一方端を位相設定素子DLに接続し、他方端をローパスフィルタLPF22に接続するインダクタDLt1、このインダクタDLt1に並列接続したキャパシタDCc1、インダクタDLt1の位相設定素子DL側と接地との間に接続したキャパシタDcu1を備える。このローパスフィルタLPF21はGSM1800MHzの送信信号およびGSM1900MHzの送信信号の2次高調波の周波数が阻止域に存在し、基本波の周波数が通過域に存在するように減衰特性を設定している。
ローパスフィルタLPF22は、一方端をローパスフィルタLPF21に接続し、他方端を送信信号入力端子Tx2に接続するインダクタDLt2、インダクタDLt2のローパスフィルタLPF21側と接地との間に接続したキャパシタDcu2を備える。このローパスフィルタLPF22はGSM1800MHzの送信信号およびGSM1900MHzの送信信号の3次高調波の周波数が阻止域に存在し、基本波の周波数が通過域に存在するように減衰特性を設定している。
なお、キャパシタDcu3は、ローパスフィルタLPF22と送信信号入力端子Tx2とのインピーダンス整合のために設けている。
スイッチ素子SW10のRF13ポートにはGSM850MHzの受信信号出力端子Rx1、RF14ポートにはGSM900MHzの受信信号出力端子Rx2、RF15ポートにはGSM1800MHzの受信信号出力端子Rx3、RF16ポートにはGSM1900MHzの受信信号出力端子Rx4、RF17ポートにはUMTS1の送受信信号入出力端子TxRx1、RF18ポートにはUMTS2の送受信信号入出力端子TxRx2をそれぞれ接続している。
次に、この第1の実施形態に係る複合高周波部品でのGSM850MHz送信信号およびGSM900MHz送信信号(以下、総称して第1群GSM送信信号)の伝送時の動作について説明する。なお、これら2つの送信信号は同時には入力されず、一方の送信信号のみが入力される。
スイッチ素子SW10の制御信号入力ポートにRF11ポートとアンテナポートANT0とを導通するための制御信号が入力されると、スイッチ素子SW10はRF11ポートとアンテナポートANT0とを導通させる。この状態で、送信信号入力端子Tx1に第1群GSM送信信号が入力されると、ローパスフィルタLPF11で第1群GSM送信信号の基本波とともに入力される2次・3次を含む高次の高調波が減衰されて、位相設定素子GLを介してRF11ポートに入力される。
スイッチ素子SW10に第1群GSM送信信号が入力されると、半導体スイッチの非線形性から高調波歪みが発生して、各ポート(RF11ポート〜RF18ポート、およびアンテナポートANT0)へ均等に所定の大きさ「Y」の高調波が出力される。
RF11ポートから出力された高調波は位相設定素子GLに伝送される。
ここで、位相設定素子GLは、以下に示す条件から所定の電気長に設定している。この電気長とは、RF11ポートから出力された第1群GSM送信信号の高調波を位相設定素子GLで伝送することで位相変化(移相)させて、この高調波に対してRF11ポートからローパスフィルタLPF11側を見たインピーダンスを無限大から0方向へ所定量変化させる電気長である。これにより、RF11ポートから見るとローパスフィルタLPF11側がオープン状態からショート状態となる方向に変化する。この際、位相設定素子GLのみで、第1群GSM送信信号の2次高調波のインピーダンスを所定量変化させ、位相設定素子GLとローパスフィルタLPF11を構成する各素子の素子値(インダクタンス、キャパシタンス)とで第1群GSM送信信号の3次高調波のインピーダンスを所定量変化させるように、位相設定素子GLの電気長を設定する。
これにより、RF11ポートから出力された高調波はローパスフィルタLPF11で全反射してRF11ポートに戻るのではなく、その一部がローパスフィルタLPF11,LPF12側に伝送される。そして、ローパスフィルタLPF11,LPF12に伝送された高調波(2次高調波および3次高調波を含む)はアースに導かれてRF11ポート側には戻らない。すなわち、RF11ポートに戻る高調波の大きさを「γ」とすると、従来の複合高周波部品における戻り高調波の大きさを「α」とした場合に、「γ<α」の関係となる。
一方、RF12ポートから出力された高調波はローパスフィルタLPF21およびローパスフィルタLPF22からなる回路で減衰されるのでRF12ポートには殆ど戻らない。
従って、スイッチ素子SW10に戻る反射高調波の大きさは、位相設定素子GLが設けられていない従来の複合高周波部品(図1)よりも小さくなる。この結果、アンテナポートANT0に出力される高調波の大きさは、「Y+γ」となり、従来の複合高周波部品(図1)の高調波の大きさ「Y+α」よりも小さくなる。
このようにして、アンテナに出力される高調波が低減されて送信特性が改善される。また、位相設定素子GLは、目的とする高調波に対してのみインピーダンスが変化するように設定しているので、第1群GSM送信信号の基本波に対しては位相が変化するのみで、インピーダンスは殆ど変化することがない。
次に、この第1の実施形態に係る複合高周波部品でのGSM1800MHz送信信号およびGSM1900MHz送信信号(以下、総称して第2群GSM送信信号)の伝送時の動作について説明する。なお、これら2つの送信信号は同時には入力されず、一方の送信信号のみが入力される。さらに、前述のGSM850MHz送信信号やGSM900MHz送信信号とも同時に入力されない。
スイッチ素子SW10の制御信号入力端子にRF12ポートとアンテナポートANT0とを導通するための制御信号が入力されると、スイッチ素子SW10はRF12ポートとアンテナポートANT0とを導通させる。この状態で、送信信号入力端子Tx2に第2群GSM送信信号が入力されると、ローパスフィルタLPF22で第2群GSM送信信号の基本波とともに入力される3次高調波が減衰されて、さらにローパスフィルタLPF21で第2群GSM送信信号の基本波とともに入力される2次高調波が減衰されて、位相設定素子DLを介してRF12ポートに入力される。
スイッチ素子SW10に第2群GSM送信信号入力されると、半導体スイッチの非線形性から高調波歪みが発生して、各ポート(RF11ポート〜RF18ポート、およびアンテナポートANT0)へ均等に所定の大きさ「Z」の高調波が出力される。
RF12ポートから出力された高調波は位相設定素子DLに伝送される。
ここで、位相設定素子DLは、以下に示す条件から所定の電気長に設定している。この電気長とは、RF12ポートから出力された第2群GSM送信信号の高調波を位相設定素子DLで伝送することで位相変化させて、この高調波に対してRF12ポートからローパスフィルタLPF21,LPF22側を見たインピーダンスを無限大から0方向へ所定量変化させる電気長である。これにより、RF12ポートから見るとローパスフィルタLPF21,LPF22側がオープン状態からショート状態となる方向に変化する。この際、位相設定素子DLのみで、第2群GSM送信信号の2次高調波のインピーダンスを所定量変化させ、位相設定素子DLとローパスフィルタLPF21を構成する各素子の素子値(インダクタンス、キャパシタンス)とで第2群GSM送信信号の3次高調波のインピーダンスを所定量変化させるように、位相設定素子DLの電気長を設定する。
これにより、RF12ポートから出力された高調波は全反射してRF12ポートに戻るのではなく、その一部がローパスフィルタLPF21,LPF22側に伝送される。そして、ローパスフィルタLPF21,LPF22に伝送された高調波(2次高調波および3次高調波を含む)はアースに導かれてRF12ポート側には戻らない。すなわち、RF12ポートに戻る高調波の大きさを「δ」とすると、従来の複合高周波部品における戻り高調波の大きさを「α」とした場合に、「δ<α」の関係となる。
一方、RF11ポートから出力された高調波はローパスフィルタLPF12およびローパスフィルタLPF11からなる回路に伝送されて減衰されるのでRF11ポートには殆ど戻らない。
従って、スイッチ素子SW10に戻る反射高調波の大きさは、位相設定素子DLが設けられていない従来の複合高周波部品(図1)よりも小さくなる。この結果、アンテナポートANT0に出力される高調波の大きさは、「Z+δ」となり、従来の複合高周波部品(図6)の高調波の大きさ「Z+α」よりも小さくなる。
このようにして、アンテナに出力される高調波が低減されて送信特性が改善される。また、位相設定素子DLは、高調波に対してのみインピーダンスが変化するように設定しているので、第2群GSM送信信号の基本波に対しては位相が変化するのみで、インピーダンスは殆ど変化することがない。
次に、図2に示した複合高周波部品の積層体の構造について図3,図4を参照して説明する。
図3は上記複合高周波部品の積み図である。この図3は、複合高周波部品の各誘電体層(1)〜(18)の下面図であり、誘電体層(19)は誘電体層(18)の裏面すなわち複合高周波部品の上面である。図3に示す記号は図2に示した各素子の記号に対応する。また、図3において同径の円形は全てスルーホールである。
誘電体層(1)を最下層として、番号順に下から順に誘電体層(1)〜誘電体層(19)を積層することにより多層基板を構成している。最下層の誘電体層(1)の裏面には、接地電極を含む外部接続用電極を形成していて、これらの電極によりこの複合高周波部品は外部の回路基板に実装する。
誘電体層(2),(16)には接地電極G1,G2を形成している。誘電体層(3)にはキャパシタ電極GCc1,GCc2,DCc1を形成している。誘電体層(4)(5)にはシャントに接続したキャパシタ電極Gcu2,Gcu3,Dcu1,Dcu2,Dcu3を形成している。誘電体層(9)〜(12)にはインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を形成している。
誘電体層(18)には位相設定素子GL,DLに相当する線路を形成している。
誘電体層(6)〜(8),(13)(14)(17)にはスルーホールのみを形成している。
誘電体層(15)にはキャパシタ電極Gcu1を形成している。
複数の誘電体層を積層してなる多層基板の上面にはスイッチ素子SW10を搭載している。このスイッチ素子SW10はフリップチップ型のICであり、多層基板にバンプ接続する。
図4は上記複合高周波部品の主要部の断面図である。ここで「送信フィルタ」は図2に示したローパスフィルタLPF11,LPF12,LPF21,LPF22である。この送信フィルタと位相設定回路との間には、図3の誘電体層(2)に形成した接地電極G1を配置している。また、この送信フィルタの下部(上記接地電極G1の反対側であり、実装基板側)には、図3の誘電体層(16)に形成した接地電極G2を配置している。
このように、位相設定回路と送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極を設けたことにより、送信フィルタ(送信回路)と受信回路との間の結合を抑えてアイソレーション特性や減衰特性を向上させることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る複合高周波部品について図5〜図7を参照して説明する。
図5は本実施形態の複合高周波部品の構成を示すブロック図である。図2に示した例と異なるのは、受信フィルタを備えていることとスイッチ素子の受信ポートの数である。
図5において、半導体スイッチであるスイッチ素子SW20は、アンテナANTに接続するアンテナポートANT0、GSM850MHzまたはGSM900MHzの送信信号入力ポートRF21、GSM1800MHzまたはGSM1900MHzの送信信号入力ポートRF22、GSM850MHzの受信信号、GSM900MHzの受信信号、GSM1800MHzの受信信号、GSM1900MHzの受信信号、をそれぞれ出力する受信信号出力ポートRF23〜RF26、UMTS1の送受信信号、UMTS2の送受信信号、UMTS3の送受信信号をそれぞれ入出力する送受信信号入出力ポートRF27〜RF29を備えている。これらのポートRF21〜RF29を以下、単に「RF21ポート」〜「RF29ポート」という。
スイッチ素子SW20のRF23ポートには、GSM850MHzの受信信号の周波数が通過域内に存在するバンドパスフィルタを接続していて、このバンドパスフィルタに受信信号出力端子Rx1を接続している。また、スイッチ素子SW20のRF24ポートには、GSM900MHzの受信信号の周波数が通過域内に存在するバンドパスフィルタを接続していて、このバンドパスフィルタに受信信号出力端子Rx2を接続している。このGSM850/900MHzの受信信号用のバンドパスフィルタはSAWフィルタSAW10で構成している。また、スイッチ素子SW20のRF25ポートには、GSM1800MHzの受信信号の周波数が通過域内に存在するバンドパスフィルタを接続していて、このバンドパスフィルタに受信信号出力端子Rx3を接続している。また、スイッチ素子SW20のRF26ポートには、GSM1900MHzの受信信号の周波数が通過域内に存在するバンドパスフィルタを接続していて、このバンドパスフィルタに受信信号出力端子Rx4を接続している。このGSM1800/1900MHzの受信信号用のバンドパスフィルタはSAWフィルタSAW20で構成している。
スイッチ素子SW20のRF27ポートにはUMTS1(UMTSの第1の周波数帯)の送受信信号入出力端子TxRx1、RF28ポートにはUMTS2(UMTSの第2の周波数帯)の送受信信号入出力端子TxRx2、RF29ポートにはUMTS3(UMTSの第3の周波数帯)の送受信信号入出力端子TxRx3、をそれぞれ接続している。
次に、図5に示した複合高周波部品の積層体の構造について図6,図7を参照して説明する。
図6は上記複合高周波部品の積み図である。この図6は、複合高周波部品の各誘電体層(1)〜(16)の下面図であり、誘電体層(17)は誘電体層(16)の裏面すなわち複合高周波部品の上面である。図6に示す記号は図5に示した各素子の記号に対応する。また、図6において同径の円形は全てスルーホールである。
誘電体層(1)を最下層として、番号順に下から順に誘電体層(1)〜誘電体層(17)を積層することにより多層基板を構成している。最下層の誘電体層(1)の裏面には、接地電極を含む外部接続用電極を形成していて、これらの電極によりこの複合高周波部品は外部の回路基板に実装する。
誘電体層(2),(14)には接地電極G1,G2を形成している。誘電体層(3)(4)(5)(13)にはキャパシタ電極GCc1,GCc2,DCc1,Gcu1,Gcu2,Gcu3,Dcu1,Dcu2,Dcu3を形成している。誘電体層(8)〜(11)にはインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を形成している。
誘電体層(16)には位相設定素子GL,DLに相当する線路を形成している。
誘電体層(6)(7),(12)(15)にはスルーホールのみを形成している。
複数の誘電体層を積層してなる多層基板の上面にはスイッチ素子SW20、SAWフィルタSAW10,SAW20をそれぞれ搭載している。これらはいずれもフリップチップ型であり、多層基板にバンプ接続する。
図7は上記複合高周波部品の主要部の断面図である。ここで「送信フィルタ」は図5に示したローパスフィルタLPF11,LPF12,LPF21,LPF22である。この送信フィルタと位相設定回路との間には、図6の誘電体層(2)に形成した接地電極G1を配置している。また、この送信フィルタの下部(上記接地電極G1の反対側であり、実装基板側)には、図6の誘電体層(14)に形成した接地電極G2を配置している。
このように、位相設定回路と送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極を設けたことにより、送信フィルタ(送信回路)と受信回路との間の結合を抑えてアイソレーション特性や減衰特性を向上させることができる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る複合高周波部品について図8〜図10を参照して説明する。
図8は本実施形態の複合高周波部品の構成を示すブロック図である。この例では、スイッチ素子SW30がアンテナANTに接続するアンテナポートANT0、GSM850MHzまたはGSM900MHzの送信信号入力ポートRF31、GSM1800MHzまたはGSM1900MHzの送信信号入力ポートRF32、GSM850MHzまたはGSM900MHzの受信信号出力ポートRF33、GSM1800MHzまたはGSM1900MHzの受信信号出力ポートRF34(以下、単に「RF31ポート」〜「RF34ポート」という。)を備えている。
RF33ポートとSAWフィルタSAW10との間にはインピーダンス整合回路としてのインダクタLaおよびキャパシタCgを設けている。また、RF34ポートとSAWフィルタSAW20との間にインピーダンス整合回路としてのインダクタLd,LpおよびキャパシタCd、Cpを設けている。
次に、図8に示した複合高周波部品の積層体の構造について図9を参照して説明する。
図9は上記複合高周波部品の積み図である。この図9は、複合高周波部品の各誘電体層(1)〜(16)の上面図であり、誘電体層(17)は誘電体層(16)の裏面、すなわち複合高周波部品の下面である。図9に示す記号は図8に示した各素子の記号に対応する。また、図9において同径の円形は全てスルーホールである。
誘電体層(17)を最下層として、番号順に下から順に誘電体層(17)〜誘電体層(1)を積層することにより多層基板を構成している。最下層の誘電体層(17)の裏面には、接地電極を含む外部接続用電極を形成していて、これらの電極によりこの複合高周波部品は外部の回路基板に実装する。
誘電体層(4),(16)には接地電極G3,G2を形成している。誘電体層(5)(13)〜(15)にはキャパシタ電極GCc1,GCc2,DCc1,Gcu1,Gcu2,Gcu3,Dcu1,Dcu2,Dcu3を形成している。誘電体層(9)〜(11)にはインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を形成している。
誘電体層(7)には位相設定素子GL,DLに相当する線路を形成している。
誘電体層(6)(12)にはスルーホールのみを形成している。
複数の誘電体層を積層してなる多層基板の上面にはスイッチ素子SW30、SAWフィルタSAW10,SAW20をそれぞれ搭載している。これらはいずれもフリップチップ型であり、多層基板にバンプ接続する。
図10は上記複合高周波部品の主要部の断面図である。ここで「送信フィルタ」は図8に示したローパスフィルタLPF11,LPF12,LPF21,LPF22である。多層基板の上面(スイッチ素子と受信フィルタが搭載される主面)と位相設定回路との間には、図9の誘電体層(16)に形成した接地電極G3を配置している。また、送信フィルタの下部(実装基板側)には、図9の誘電体層(4)に形成した接地電極G2を配置している。
このように、多層基板の上面(スイッチ素子と受信フィルタが搭載される主面)と位相設定回路との間の誘電体層に接地電極を設けたことにより、送信フィルタと位相設定回路を含む送信回路と受信フィルタを含む受信回路との間の不要結合を抑えてアイソレーション特性や減衰特性を向上させることができる。また、受信回路と位相回路との間の結合を抑えてアイソレーション特性を向上させることができる。
なお、各実施形態では、スイッチ素子SW10,SW20,SW30を多層基板の上面に搭載する構造を示したが、多層基板にキャビティを形成して、そのキャビティの底部にスイッチ素子SW10,SW20,SW30を実装しても良い。そのキャビティの開口部は金属板で覆うか樹脂モールドしてもよい。また、多層基板に対するスイッチ素子や受信フィルタの搭載は、バンプ接続以外にワイヤボンディングで行ってもよい。
さらに、誘電体層としてはセラミックや樹脂材料等、誘電体材料であれば何でも構わない。また誘電体層に形成する電極材料としてはAg,Cuなどの導電率の高い材料を用いることにより良好な電気的特性を得ることができ、スクリーン印刷や転写による厚膜形成法またはフォトリソグラフィによる薄膜形成法を用いて形成することができる。
従来の複合高周波部品の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る複合高周波部品の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る複合高周波部品の積み図である。 第1の実施形態に係る複合高周波部品の主要部の断面図である。 第2の実施形態に係る複合高周波部品の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る複合高周波部品の積み図である。 第2の実施形態に係る複合高周波部品の主要部の断面図である。 第3の実施形態に係る複合高周波部品の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る複合高周波部品の積み図である。 第3の実施形態に係る複合高周波部品の主要部の断面図である。
符号の説明
ANT−アンテナ
SW10,SW20,SW30−スイッチ素子
LPF11,LPF12,LPF21,LPF22−ローパスフィルタ
G1,G2,G3−接地電極

Claims (9)

  1. 送信信号を入力する送信信号入力ポート、受信信号を出力する受信信号出力ポート、および、アンテナへ前記送信信号を出力するまたは前記アンテナから前記受信信号を入力するアンテナポートを有し、該アンテナポートを送信信号入力ポートまたは受信信号出力ポートに切り替えて接続するスイッチ素子と、
    前記送信信号入力ポートに接続され、前記送信信号の高次高調波を減衰させる送信フィルタと、を備えた複合高周波部品において、
    前記送信フィルタを、複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に設け、
    前記スイッチ素子の送信信号入力ポートと前記送信フィルタとの間に接続され、前記送信信号入力ポートから前記送信フィルタ方向を見た場合の前記高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化する位相条件を備えた位相設定回路を前記多層基板内に設け、
    前記多層基板の一方の主面に前記スイッチ素子を搭載し、
    前記位相設定回路と前記送信フィルタとの間の誘電体層に接地電極を設けた複合高周波部品。
  2. 送信信号を入力する送信信号入力ポート、受信信号を出力する受信信号出力ポート、および、アンテナへ前記送信信号を出力するまたは前記アンテナから前記受信信号を入力するアンテナポートを有し、該アンテナポートを送信信号入力ポートまたは受信信号出力ポートに切り替えて接続するスイッチ素子と、
    前記送信信号入力ポートに接続され、前記送信信号の高次高調波を減衰させる送信フィルタと、を備えた複合高周波部品において、
    前記送信フィルタを、複数の誘電体層を積層してなる多層基板内に設け、
    前記スイッチ素子の送信信号入力ポートと前記送信フィルタとの間に接続され、前記送信信号入力ポートから前記送信フィルタ方向を見た場合の前記高次高調波のインピーダンスが無限大から0へ近づく方向で変化する位相条件を備えた位相設定回路を前記多層基板内に設け、
    前記多層基板の一方の主面に前記スイッチ素子を搭載し、
    前記多層基板の前記一方の主面と前記位相設定回路との間の誘電体層に接地電極を設けた複合高周波部品。
  3. 前記送信信号入力ポートおよび前記受信信号出力ポートを、前記送信信号の入力および前記受信信号の出力を兼ねる送受信信号入出力ポートとした請求項1または2に記載の複合高周波部品。
  4. 前記多層基板の一方の主面に少なくとも一つのキャビティを備え、前記スイッチ素子を前記キャビティの底部に搭載してなる請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の複合高周波部品。
  5. 前記位相設定回路は、前記スイッチ素子と前記送信フィルタとのインピーダンス整合をとるインピーダンス整合回路を兼ねるものである請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の複合高周波部品。
  6. 前記位相設定回路は、前記送信信号の基本波でのインピーダンスの絶対値を実質的に変化させない電気長の伝送線路である請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の複合高周波部品。
  7. 前記電気長は前記高次高調波の波長の1/4未満の長さである請求項6に記載の複合高周波部品。
  8. 前記送信フィルタは前記高次高調波の周波数を阻止域に含むローパスフィルタである請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の複合高周波部品。
  9. 前記多層基板の一方の主面上または他方の主面上に前記スイッチ素子の受信信号出力ポートに接続される受信フィルタを搭載した請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の複合高周波部品。
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