JP2008024836A - ポリプロピレン系樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム成分を3.0質量%以上含有するポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物よりなるポリプロピレン系樹脂フィルム。
【選択図】 なし
Description
ポリプロピレン系樹脂フィルムは、耐衝撃性に優れており上記分野において好適に使用されている。
特許文献1〜3等参照)。該方法はフィッシュアイの低減方法として有効であるが、フィッシュアイは溶融押し出し工程等でも生成するので、該方法のみで市場要求に応えることが困難な場合がある。
この場合において、フィルム中の滑剤の含有量が50ppm以下であることが好ましい。
また、この場合において、フィルム中のアンチブロッキング剤の含有量が50ppm以下であることが好ましい。
また、この場合において、フィルムの静摩擦係数が0.95以下であることが好ましい。
この場合において、フィルム中の最大直径が0.2mm以上のフィシュアイが0個/1000cm2であり、かつ最大直径が0.1mm以下のフィシュアイが100個/1000cm2以下であることが好ましい。
また、この場合において、上記のアクリレート系酸化防止剤が下記(I)式で示される構造よりなることが重要である。
MFRが1〜20のホモポリプロピレンで、融点の高いものが好ましい。融点は、160〜166℃のものが好ましい。
ランダム共重合ポリプロピレン系樹脂としては、MFRが1〜20で、エチレン量は、0.1〜20%以内のものが好ましく、特にMFRが0.1〜3のものが好ましい。
また、融点は、150〜163℃のものが好ましく、特に153℃〜161℃のものが好ましい。
多量のプロピレンと少量のエチレンとの共重合体成分と、少量のプロピレンと多量のエチレンとの共重合体成分とが、ブロック的に共重合したものであり、それぞれの共重合体ブロックの分子量等は、重合段階で制御される。一般的には、特開昭59−115312号公報で示されるように、2段以上の重合方法によって得ることができるが、特に本発明では限定されるものではない。該ポリプロピレン系ブロック共重合樹脂の場合は、エチレン含有量が1.5〜20質量%が好ましく、2.0〜15質量%がより好ましい
20℃キシレン可溶部量が3〜50%、樹脂全体の極限粘度が1.5〜4.0、20℃キシレン可溶部の極限粘度が1.0〜4.0、20℃キシレン不溶部の極限粘度が1.0〜4.0であるものが好ましい。また、メルトフローレートが230℃において、2〜20g/10分であるものが好ましい。
JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
(1)20℃キシレン可溶部
試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した。その重量を測定して含有%(重量)を求めた。
(2)20℃キシレン可溶部(CXS)の分子量5万以下の成分(L−CXS)
CXSの分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記の条件で測定し、下式によりL−CXSを決定した。また、検料量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。L−CXS=全CXS含量×W/100(ただし、WはGPCより求めたポリスチレン換算の分子量5万以下の成分の含有量(wt%)である。)
機種 150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム Shodex M/S 80
測定温度 145℃
溶媒 オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度 5mg/8ml
上記のL−CXSをゴム成分含有量とした。
株式会社小阪研究所社製の三次元表面粗さ測定器(型式ET−30HK)を用いて、下記条件で測定して、平均表面粗さ(SRa)で表示した。
設定条件
針圧[mg]:20mg
測定長さ[mm]:1.0
測定速度[mm/S]:0.1
測定ピッチ(Xピッチ)[μm]:2.0μm
(Yピッチ)[μm]:2.0μm
測定面1mm×0.2mm
Z測定倍率:20000
カットオフ[mm](低域カット):0.08
(高域カット):R+W
レべリング:最小二乗法
全体図 (Y倍率)/(X倍率)=5
(Z倍率)/(X倍率)=50
(視点角度)=30°
JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
ブロッキング性をフィルム製膜時に冷却ロール面に接した面を重ね合わせ、その重ねた表面にトレーシングペーパーを重ねて温風乾燥機に入れ、50℃×30分でシーズニングを行う。その時にサンプルがずれないようにクリップ又はホッチキスで仮止めをしておく。そのサンプルを50℃のヒートプレス機にかけて、40kg/cm2×15分間圧力化におく。そのサンプルを巾70mmにカットして、フイルム2枚にした状態でフイルム間の剥離にはφ6mm×巾330mmのアルミ製バーを用い、100mm/分の速度での剥離抵抗を読み取る。測定は、4回行いその平均値を求める。
フィルムの表面と裏面を合わせて滑り性をJIS−K7215−1987に準拠して測定した。
ASTM D3420準拠し、サンプルは、縦方向に55〜60cm横方向に9〜10cmにカットする。23℃の部屋でインパクトテスターを使い打ち抜いた時の強度値を小数点以下第1位まで読み取る。その操作を10回繰り返して、その平均値を求める。
成型されたフィルムを流れ方向に33.3cm×流れ方向に対して横方向に30cm切り取り、フィルムの下から蛍光灯を照射した板の上に置き、透過光で目視により観察し、0.1mm以上のフィッシュアイを計測する。次に、カウントしたフィッシュアイを液体窒素中に浸して、硬くした状態で、剃刀で半分に切りそのフィッシュアイの断面を顕微鏡で50〜300倍で観察することにより、核となる物質が無ければ、例えば、セルロースなどを代表とする異物が無ければ、それは未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り等のゲル起因のフィッシュアイと判定する。核がある場合は、異物起因のフィッシュアイと判定しカウントから除外する。
リン系酸化防止剤としてイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.22質量%およびフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.28質量%を含有したゴム成分量が18.9質量%で、エチレン含有量が9.0質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=2)89質量部、エチレン含有量が0.5質量%のランダム共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=7)10質量部およびアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学(株)社製)5質量%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)1質量部をTダイ製膜機にて溶融押出しを行い、冷却ロール温度40℃で厚み50μmの未延伸フィルムを得た。なお、押し出し機出口とダイスとの間に平均孔径40μmのフィルターを設置し原料樹脂組成物のろ過を実施した。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、表1に示したいずれの特性も良好であり高品質であった。
実施例1の方法において、それぞれゴム成分量が6.5および28.0質量%で、エチレン含有量がそれぞれ4.0および15質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂を用いる以外は、実施例1と同様の方法で実施例2および3のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
これらの実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂に替えて、ホモポリプロピレン樹脂(MFR=3)81質量部とEPR系の熱可塑性エラストマー(MFR=0.7g/10分)11質量部よりなる混合樹脂を用いるように変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのリン系酸化防止剤であるイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合を取り止め、かつフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合量を4500ppmに変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムに比べてフィッシュアイの抑制効果は若干低下するが高品質であった。
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の
の配合を取り止め、かつリン系酸化防止剤であるイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合量を4500ppmに変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムに比べてフィッシュアイの抑制効果は若干低下するが高品質であった。
実施例1の方法において、アクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)の供給を取り止め、替わりブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.28質量%に増量し、かつランダム共重合ポリプロピレン樹脂の供給を11質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、酸化防止剤の総量の配合量は実施例1のポリプロピレン系樹脂フィルムと等しいにも拘らずフィッシュアイが多く低品質であった。
実施例1の方法において、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の配合を取り止めたブロック共重合ポリプロピレン樹脂を用い、その代りにアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学(株)社製)5質量%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)の供給量を3質量部に増量し、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂の供給量を8質量部に減量するように変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィッシュアイが多く低品質であった。また、滑り性も劣っていた。さらに冷却ロールの汚染が増大した。
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂に換えてホモポリプロピレン樹脂(MFR=3)を用いるように変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例3のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、ヘーズ値が低く高透明であり、かつフィッシュアイが少ない点では高品質であるが、滑り性や耐ブロッキング性が劣り、フィルムの取り扱い性が悪く実用的でなかった。また、インパクト強度も低かった。
従って、産業界に寄与することが大である。
Claims (6)
- ゴム成分を3.0質量%以上含有するポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物よりなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂フィルム。
- フィルム中の滑剤の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
- フィルム中のアンチブロッキング剤の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
- フィルムの静摩擦係数が0.95以下であること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
- フィルム中の最大直径が0.2mm以上のフィシュアイが0個/1000cm2であり、かつ最大直径が0.1mm以下のフィシュアイが100個/1000cm2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
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