JP2008024835A - ポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱寸法安定性に優れ、フィッシュアイが少なく、適度な透明性を有し、保護フィルムの基材フィルムとして好適であるポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくともエチレン含有量が5.5〜9.9質量%よりなるポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜96質量部とエチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂4〜15質量部よりなる樹脂組成物100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜0.1質量部、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物をダイから溶融して薄膜状に押し出し、冷却ロールで冷却、固化するポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法に関するものであり、詳しくは、高温時の熱変形耐性が高く、例えば、粘着加工等の加工適性に優れ、かつ添加剤の移行性が少なく、さらにフィッシュアイが少なく各種用途、特に、各種物品の表面保護用として好適であるポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法に関するものである。
ポリプロピレン系無延伸フィルムは、透明性が良好であり、かつ安価であるので、食品包装など種々の包装材料および各種物品の表面保護を目的とした表面保護フィルムの基材として広く使用されている。
例えば、表面保護フィルム分野においても、金属板、化粧板、樹脂板、ガラス板等の表面に表面保護フィルムを貼り付け、輸送や加工時等に発生しがちな表面傷、汚れおよび錆び等を防止する方法(例えば、特許文献1〜3等参照)、例えば、液晶パネルや偏光板等の関連材料等の電子、精密製品、部品および関連部材の加工や組み立て時における傷付きやゴミの付着、汚染などを防止する方法(例えば、特許文献4および5等参照)、例えば、自動車の輸送、保管時に、酸性雨、埃、塵等から自動車車体の塗膜を保護するための塗膜表面保護フィルムとしての使用(例えば、特許文献6および7等参照)、例えば、フレキシブル・プリント基板の接続端子部等を部分的にメッキする方法として、非メッキ部に粘着フィルムを貼り付けてマスクし、その後メッキする方法やシャドウマスク製造時のエッチング工程における非エッチング面上に設けられるレジスト膜あるいはエッチング抵抗膜を保護する方法等のメッキやエッチング処理における使用(例えば、特許文献8および9等参照)、半導体素子の回路がない面にフィルムを積層することにより半導体素子の表面を保護し、半導体装置を組み立てる場合のプロセスの簡略化を図る方法(例えば、特許文献10および11等参照)等広い分野で使用されている。
特開2003−119435号公報 特開2003−213229号公報 特開2005−281328号公報 特開平10−309781号公報 特開11−165368号公報 特開平8−143829号公報 特開2001−121662号公報 特開平11−291411号公報 特開平11−302611号公報 特開2004−63551号公報 特開2004−142430号公報 特開平11−291411号公報 特開平11−302611号公報
上記の表面保護フィルムは、一般に基材フィルムの表面に粘着層を積層し、該粘着層の粘着力を利用して保護をする対象物品表面に固定して使用される。近年用途の拡大に伴い品質やコスト低減に対する要求が強くなってきており、該粘着加工性の優れた基材フィルムが求められている。特に、粘着加工の加工速度を上げる等の目的で、加工温度の高温化が進んでおり、高温で加工しても該加工温度による熱変形が小さく加工時の寸法安定性が良好であるとか、加工時の熱皺の発生を抑制した高温での寸法安定性(以下、単に耐熱寸法安定性と称することもある)が求められている。
表面保護フィルムに関しては、上記の耐熱寸法安定性の向上技術の開示は見当たらないが、特定特性のポリプロピレン系樹脂に対して芳香族有機リン酸エステル金属塩を配合した組成物を冷却ロール温度が40〜50℃で押し出し成形することにより、高速製膜や金属蒸着などの二次加工においても作業性や寸法安定性が優れた、繊維包装用途や食品用途に好適なポリプロピレン系樹脂フィルムが開示されている(特許文献14参照)。
特開平10−298367号公報
また、ポリプロピレン系樹脂フィルムにはフィッシュアイと称される微小異物が含まれる。例えば、ポリマー編集委員会著、ポリマー辞典、大成社、平成12年、増刷6版、P337等に、フィッシュアイについての定義が書かれている。フィッシュアイとは、フィルムの製品中に生じる小さな球状形状等の塊をいう。魚の眼のような透明性をもつものが多いことからこのような名前が付けられた。成形材料の混練不足から来る未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り、異物を核としたものなどいろいろなものがある。ここでいうフィッシュアイとは、異物を核にしたものは除外する。異物とは、例えは、セルロース、塵、金属片、樹脂の炭化物、種類の異なるプラスチック、糸くず、紙切れ等がある。例えば、フィッシュアイを多く含むフィルムで包装した場合に該フィッシュアイが肉眼で見えるので包装体の商品イメージを低下させるので好ましくない。該フィッシュアイに関しては、近年、消費者の安全指向の強まり共に市場要求が厳しくなってきている。例えば、紙パックの内層材として用いられた場合のように消費者に通常状態では目に触れないものであっても、回収のために紙パックが切り引きさかれることにより消費者の目に触れて、安全性に対する不安を呼び起こす等の現象も出始めている。また、透明包装袋として使用した場合は、内容物の色や形態によりフィッシュアイが異物として目立つことがある。これらの市場要求により厳しい管理が必要となってきている。また、前記した保護フィルム用途においても、上記外観不良は保護されている商品の商品イメージを低下させるので混入抑制の強い要望がある。特に、例えば、メッキ用の保護フィルムの場合は、該フィッシュアイが存在するとフィルムのフィッシュアイが存在する部分に突起が生じ、該突起により保護すべき対象物との間に粘着不良を起こし粘着層と対象物の間に空間が生じ、該空間部にメッキ液が浸入し保護効果が低下するので極力低下させる必要がある。液晶板保護用のプロテクトフイルムなどの場合、プロテクトフィルム表面のフィッシュアイが液晶板と接する面で貼り付け時に押さえることにより、フィッシュアイによる凹凸や擦れにより損傷を受けるなど問題があり、フィッシュアイの存在そのものが問題となっている。最近は、さらに液晶板保護用プロテクトフィルムを貼り付けた状態で液晶板の検査が実施されており、フィッシュアイがあると液晶板そのものの欠点だと判定されてしまう可能性があり、ノンフィッシュアイグレード、低フィッシュアイグレードなどのフィルム開発が求められている。
表面保護フィルムに関しては、上記のフィッシュアイを抑制する技術の開示は見当たらないが、ポリプロピレン系樹脂フィルムのフィッシュアイの混入抑制技術は開示されている。
例えば、原料樹脂中のフィッシュアイ含有量を低減する方法が開示されている(例えば、
特許文献15〜17等参照)。該方法はフィッシュアイの低減方法として有効であるが、フィッシュアイは溶融押し出し工程等でも生成するので、該方法のみで市場要求に応えることが困難な場合がある。
特開平6−93061号公報 特開平7−233291号公報 特開2003−62954号公報
また、本発明者等は、低温で溶融押し出しすることによりフィッシュアイを低減する技術を開示している(特許文献18および19参照)。本発明の方法はフィッシュアイの低減方法としては有効な方法であるが、低温押し出しによる得られるフィルムの厚み斑の悪化を抑制するために限定された製膜機を使用する必要があるという課題を有する。
特開2005−178250号公報 特開2005−179452号公報
また、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤を使用することによりフィッシュアイを低減することができるポリプロピレン系樹脂組成物が開示されている(特許文献20参照)。本発明方法もフィッシュアイの低減方法として有効な方法であるが、実施例において示されているごとく0.2mm以上の大きさのフィッシュアイを対象としており、かつ15〜20個/mの個数のフィッシュアイが含まれており、近年の市場の高度な要求を満たすにはさらなる改善が必要である。例えば、特許文献8等において開示されているメッキ用の保護フィルムにおいては、0.2mm以上のフィッシュアイについては上記面積当りの個数としては実質的に0個であることが求められており、さらに小さなフィッシュアイの低減が必要である。
特開2003−268172号公報
また、特許文献14に近似した技術と特許文献20に近似した技術を複合した技術、すなわち、結晶核剤および2種類の酸化防止剤を含んだポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成型体が開示されている(特許文献21および22参照)。
特開2000−109519号公報 特開2000−248147号公報
上記特許文献21で開示されている技術において、熱変形温度の改善が示されている。また、特許文献22で開示されている技術において、低温での耐衝撃性の向上効果が示されている。しかし、本発明の目的としている効果については言及されていない。例えば、フィッシュアイについては、全く言及されていないが該フィッシュアイの抑制に大きく影響する酸化防止剤の組成が特許文献20の技術と近似しており特許文献20の技術と同様に、前記したフィッシュアイに対する高度な市場要求を満たしていないものと推察される。
また、近年、アクリレート系酸化防止剤が少量添加で良好な酸化防止効果を示すことで注目されている(例えば、23〜26等参照)。
特開昭58−84835号公報 特開平1−168643号公報 特開2001−114953号公報 特開2002−302579号公報
上記の特許文献25において、ホモポリプロピレン樹脂を用いた二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムに関してではあるが、アクリレート系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の2種の酸化防止剤あるいはアクリレート系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤の3種の酸化防止剤を併用する実施例が開示されているが、アクリレート系酸化防止剤単独使用に比べて特段の効果は示されていない。
本発明は、耐熱寸法安定性に優れ、フィッシュアイが少なく、適度な透明性を有し、かつ滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含まないにも拘らずフィルムの取り扱い性が良好で、例えば、保護フィルムの基材フィルムとして好適であるポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明は、少なくともエチレン含有量が5.5〜9.9質量%よりなるポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜96質量部とエチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂4〜15質量部よりなる樹脂組成物100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜0.1質量部、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物をダイから溶融して薄膜状に押し出し、冷却ロールで冷却、固化することを特徴とするポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法である。
この場合において、上記結晶核剤が下記の一般式(I)で示される環状有機リン酸エステル化合物よりなることが好ましい。
Figure 2008024835
また、この場合において、上記の冷却ロールの表面温度が60〜90℃であることが好ましい。
また、この場合において、上記の溶融押し出しを、少なくとも供給ゾーン、混練ゾーンおよび計量ゾーンよりなる押し出し機を用いて、かつ上記混練ゾーンの温度を供給ゾーンや計量ゾーンの温度より高温に設定することが好ましい。
また、この場合において、上記のアクリレート系酸化防止剤が下記(II)式で示される構造よりなることが好ましい。
Figure 2008024835
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、耐熱寸法安定性に優れているので、例えば、粘着加工等の二次加工適正に優れており、特に130℃近辺の高温で乾燥等の処理を行っても熱皺やフィルムたるみの発生が抑制されるので、該二次加工の生産性の向上や熱皺やフィルムたるみ起因の不良品の発生抑制をすることができる。また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、滑剤を実質的に含んでいないので、例えば、包装袋や保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、被包装物や被保護体への滑剤の移行がないのでこれらの被包装物や被保護体の汚染が抑制される。また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、アンチブロッキング剤を実質的に含んでいないので、例えば、アンチブロッキング剤を含んだフィルムを走行させた場合に、磨耗等でアンチブロッキング剤の脱落が起こるという課題が回避できるので、該脱落物による汚染や障害発生等が抑制される。また、滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含まないにも拘らず、表面粗さが適切であり、フィルムの滑り性が良好で、かつ剛性が優れているので、フィルムの取り扱い性に優れている。また、適度な透明性を有するので、被包装物や被保護体の視認性に優れる。また、フィッシュアイの混入が高度に達成されているので、該フィッシュアイによる外観不良や、例えば、保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、前述した粘着不良によるメッキ液の保護部分への浸透等の障害発生を抑制することができる。また、上記の耐熱寸法安定性が向上しているにも拘らずインパクト強度に優れており、ブロックポリプロピレン系樹脂よりなることにより付加される耐衝撃性のよさが維持されており、包装袋や保護フィルムとして用いた場合の信頼性が高い。従って、食品や精密部品等のフィルム起因の汚染が嫌われる物品の包装や各種精密部品等の保護フィルムとして好適に使用することができる。
本発明においては、少なくともエチレン含有量が5.5〜9.9質量%よりなるポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜96質量部とエチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂4〜15質量部よりなる樹脂組成物100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜0.1質量部、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物をダイから溶融して薄膜状に押し出し、冷却ロールで冷却、固化することが好ましい。
本発明において用いられるポリプロピレン系ブロック共重合樹脂は、多量のプロピレンと少量のエチレンとの共重合体成分と、少量のプロピレンと多量のエチレンとの共重合体成分とが、ブロック的に共重合したものであり、それぞれの共重合体ブロックの分子量等は、重合段階で制御される。一般的には、特開昭59−115312号公報で示されるように、2段以上の重合方法によって得ることができるが、特に本発明では限定されるものではない。エチレン含有量が5.5〜9.9質量%を含むことが重要である。エチレン含有量は6.0〜9.5質量%が好ましい。エチレン含有量が5.5質量%未満の場合は、得られるフィルムの表面粗さが低くなりフィルムの滑り性や耐ブロッキング性が悪化しフィルムの取り扱い性が低下するので好ましくない。また、得られるフィルムの耐衝撃性が悪化するので好ましくない。逆に、エチレン含有量が9.9質量%を超えた場合は、フィルムのヘーズ値が大きくなり透明性が悪化し、被包装物や被保護体の視認性が低下するので好ましくない。また、フィッシュアイが生成し易くなり、厚みの変動も大きくなるので好ましくない。
上記のポリプロピレン系ブロック共重合樹脂は、上記要件を満たせば限定されないが、以下の特性を有するものを用いるのが好ましい。
20℃キシレン可溶部量が3〜50%、樹脂全体の極限粘度が1.5〜4.0、20℃キシレン可溶部の極限粘度が1.0〜4.0、20℃キシレン不溶部の極限粘度が1.0〜4.0であるものが好ましい。また、メルトフローレートが230℃において、2〜20g/10分であるものが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、エチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂を3〜15質量%含有してなることが好ましい。すなわち、エチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂それぞれ単独あるいは両者の混合物を原料組成物全量に対して3〜14質量%配合した組成物を用いて製膜するのが好ましい。該樹脂の配合量は6〜13質量%がより好ましい。3質量%未満では後述の効果が発現しなくなるので好ましくない。逆に、15質量%を超えた場合はフィルムの滑り性が低下するので好ましくない。該配合する樹脂はエチレン含有量が1.0質量%以下のランダム共重合あるいはホモポリプロピレン樹脂の使用が好ましい。なお、本発明においては、該樹脂の配合は、該樹脂単独で配合してもよいし、後述の酸化防止剤や結晶核剤のマスターバッチ用のマトリックス樹脂として用いて配合してもよい。該配合樹脂は、メルトフローレートが230℃において、3〜10g/10分であるものが好ましい。
上記対応により、溶融押し出し工程において、押し出し機のモータ負荷を低減することができ、押し出し性を向上させることができる。該モーター負荷の低減は、押し出し時の樹脂温度を高めることによっても実現可能であるが、該方法においては樹脂の劣化が増大し、例えば、フィッシュアイの生成が増大する等の好ましくない現象の発生に繋がるので好ましくない。また、得られたフィルムを例えば、粘着加工等の二次加工工程において加熱皺低減のために加工フィルムを進行方向に対して横方向に軽度の延伸する方法、いわゆる延展する方法が取られることがあるが、上記対応により該延展性が向上し、熱皺の発生抑制効果が発現しやすくなるという利点にも繋がる。
前記のごとく、本発明においては結晶核剤を配合してなることが好ましい。該結晶核剤添加することにより、フィルムの耐熱寸法安定性を向上することが出来る。具体的フィルム特性としては、130℃での伸長応力が向上し、前述した効果を発現することが可能となる。一方、造核剤を添加せずに耐熱寸法安定性を上げるには、高結晶ホモの添加、弱延伸するなどしてフィルムの結晶化度を上げる必要があるが、高結晶性ホモを添加しすぎると表面の粗れが低下するという問題が発生する。また弱延伸などをする場合、製膜装置の調整が必要であり、専用機で無い限り、ドローなどを替えることは難しい。そのような意味で簡単に、耐熱性を上げる事が出来る造核剤は有効である。
本発明において用いられる結晶核剤はポリプロピレン系樹脂に対して結晶核剤効果を示す化合物であれば限定されなくロジン類の金属塩を主成分とする結晶核剤、ソルビトール系の結晶核剤および芳香族有機リン酸エステル金属塩よりなる結晶核剤等が挙げられるが、芳香族有機リン酸エステル金属塩よりなる結晶核剤の一種である下記の一般式(I)で示される環状有機リン酸エステル化合物よりなる結晶核剤の使用が好ましい。
Figure 2008024835
上記の一般式(I)で示される環状有機リン酸エステル化合物において、Rで示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピルイソプロピル、プチル、第ニプチブスィソブチルなどがあげられる。また、RおよびRで示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第二オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、第三ドデシルなど:シクロアルキル基としては、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチルなど,アラルキル基としては、ベンジル、α,α−ジメチルベンジル、α−メチルベンジルなどが挙げられる。また、Mで表される周期律表第三族または第四族の金属原子としては、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニウムなどがあげられ、特にMがアルミニウムである化合物が好ましい。
上記の環状有機リン酸エステル化合物よりなる結晶核剤の場合、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナートあるいはアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩等のアルカリ金属化合物から選ばれた少なくとも一種を最大40質量%まで含有してもよい。アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特に、リチウムの脂肪族カルボン酸塩が好ましく、とりわけ炭素原子数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好ましい。
上記の複合化された結晶核剤としては、アデカスタブNA−21(旭電化工業株式会社(製))が挙げられる。
本発明においては、環状有機リン酸エステル化合物として前記した全ポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.1質量部を添加するのが好ましい。0.02〜0.09質量部がより好ましく、0.03〜0.08質量部がさらに好ましい。0.01質量部未満では耐熱寸法安定性の向上効果が不足するので好ましくない。逆に0.1質量部を超えた場合は、耐熱寸法安定性の向上効果が飽和し、むしろ透明性が低下する等の好ましくないことが引き起こされる。
本発明においては、上記の全樹脂組成物100質量部に対して、酸化防止剤としてアクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部とを配合した組成物を用いることが好ましい。
本発明においては、前述のごとくアクリレート系酸化防止剤とリン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種より選ばれた少なくとも2種の酸化防止剤を含んでなることが好ましいが、アクリレート系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の3種を併用するのがより好ましい実施態様である。
上記3種の酸化防止剤はそれぞれ1種づつを用いてもよいし、各種類の中の2種以上を併用してもよい。また、上記3種の酸化防止剤に加えて、例えば、硫黄系酸化防止剤等の他の構造の酸化防止剤をさらに併用してもよい。
上記の複数の酸化防止剤を併用することにより従来公知の酸化防止剤の組み合わせでは得られない高度なフィッシュアイの混入抑制の効果が発現される。該理由は明確でないが下記のごとく推察している。
フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤は前記した原料樹脂組成物の各成分に対する酸化防止効果の選択性は少ないが、アクリレート系酸化防止剤は、ポリプロピレン系ブロック共重合体のゴム部との親和性が強くゴム部の劣化を優先的に抑制する傾向が知られている。一方、フィッシュアイの生成に関してはゴム部の劣化の寄与が大きい。そのために、上記の複数の酸化防止剤を併用することによりフィッシュアイの大幅な低減につながったものと推察している。
上記のアクリレート系酸化防止剤とは、分子内にアクリレート残基を含むフェノール誘導体を有する酸化防止剤であり、下記(II)式で示される構造よりなるものが好ましい。
Figure 2008024835
式(II)において、Rは炭素原子数1〜5個からなるアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはエチル基である。
式(II)において、Rは炭素原子数1〜8個からなるアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基等が挙げられる。好ましくはメチル基、t−ブチル基又はt−ペンチル基であり、より好ましくはt−ペンチル基である。
式(II)において、Rは水素原子または炭素原子数1〜8個のアルキル基であり、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
また、式(II)において、Rは水素原子又はメチル基である。好ましくは水素原子である。
上記アクリレート化合物としては、例えば、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ブチル]フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)プロピル]フェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
好ましくは、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートである。
上記アクリレート化合物としては、市販のものから適宜選択して使用することができる。例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートである住友化学(株)製スミライザーGM(登録商標)、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレートである住友化学(株)製スミライザーGS(登録商標)等を挙げることができる。特に、スミライザーGS(登録商標)の使用が好ましい。
本発明における上記アクリレート系酸化防止剤の配合量は限定されないが、前記した全ポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.1質量部の範囲が好ましい。0.02〜0.08質量部がより好ましく、0.03〜0.07質量部がさらに好ましい。該配合量が0.1質量部を超えた場合は、製膜工程において、冷却ロールの汚染が増大するので好ましくない。また、フィルムも酸化防止剤特有の薄い黄色に染まるので好ましくない。逆に、0.01質量部未満では前述の併用効果が減少するので好ましくない。上記アクリレート系酸化防止剤のみ前記した2種の酸化防止剤よりも配合量の上限を低くすることが好ましいのは、該アクリレート系酸化防止剤は他の酸化防止剤に比べてポリプロピレン系樹脂のゴム成分に対する溶解性が高いために、フィルム中のゴム成分へより多く分配され、かつ該ゴム成分部分はベース樹脂よりも冷却ロールによる結晶化速度が遅いために、冷却ロールと接触した場合に該ゴム成分に分配された上記のアクリレート系酸化防止剤が冷却ロールへ移行し易いために冷却ロールの汚染度を高めことに起因しているものと推察される。例えば、前述の特許文献25等で開示されているホモポリプロピレン樹脂を用いた製膜においては発生しない本発明において発生する特有の現象である。
上記のリン系酸化防止剤の具体例としては、例えば、分子中に3価のリン原子を含有し、そのリン原子が少なくとも1つのP−O−C結合を有する熱安定剤が挙げられる。例えば、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリラウリルチオホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス[4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホスファイト、トリス(1,3−ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、フェニルジ−2−エチルヘキシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルノニルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロゲンホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキル(C12〜C15)ホスファイト、4,4’―ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)・エチルフォスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル・4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)―4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、テトラキス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、テトラキス(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、9、10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−[{2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ(D,F)(1,3,2)−ジオキサホスフェフィン−6−イル}オキシ]−N,N−ビス〔2−[{2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ(D,F)(1,3,2)−ジオキサホスフェフィン−6−イル}オキシ]エチル〕エタンアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,4,5,6−テトラベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキシド等が挙げられる。
好ましくは、ペンタエリスリトール骨格を有さないものであり、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)・エチルフォスファイト、テトラキス(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイトである。
本発明で用いられるリン系酸化防止剤としては、市販品を使用することもでき、例えば、イルガフォス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガフォス38(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、GSY−P101(吉富ファインケミカル社製)、ウルトラノックス641(ジーイー・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明における上記リン系酸化防止剤の配合量は限定されないが、前記した全ポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して0.05〜0.5質量部の範囲が好ましい。0.1〜0.4質量部がより好ましく、0.15〜0.3質量部がさらに好ましい。該配合量が0.05質量部未満では前述の酸化防止剤を併用する効果が減少するので好ましくない。逆に、0.5質量部を超えた場合は、前述した酸化防止剤を併用する効果が飽和し、該酸化防止剤のフィルム表面への移行によるフィルム白化や製膜工程における冷却ロールの汚染等が引き起こされるので好ましくない。
本発明で用いられるフェノール系酸化防止剤とは、分子内にフェノール誘導体を有する酸化防止剤であり、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、dl−α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
好ましくは、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステル、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、dl−α−トコフェロール、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンである。
本発明で用いられるフェノール系酸化防止剤(D)としては、市販品を使用することもでき、例えば、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガノックス1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガノックス3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガノックス1425WL(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明における上記フェノール系酸化防止剤の配合量は限定されないが、前記した全ポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して0.05〜0.5質量部の範囲が好ましい。0.1〜0.4質量部がより好ましく、0.15〜0.3質量部がさらに好ましい。該配合量が0.05質量部未満では前述の酸化防止剤を併用する効果が減少するので好ましくない。逆に、0.5質量部を超えた場合は、前述した酸化防止剤を併用する効果が飽和し、該酸化防止剤のフィルム表面への移行によるフィルム白化や製膜工程における冷却ロールの汚染等が引き起こされるので好ましくない。
本発明で用いられる上記酸化防止剤や前記した結晶核剤を配合したポリプロピレン系樹脂組成物の調製方法は、特に制限されるものでなく、公知の方法が挙げられる。例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機を用いて加熱溶融混練する方法、一軸又は二軸押出機等を用いて加熱溶融混練する方法等が挙げられる。また、各種の樹脂ペレットをドライブレンドしてもよい。該組成物の調製方法においては、該酸化防止剤や結晶核剤はそれぞれの粉末を直接添加してもよいし、予め前記したポリプロピレン系樹脂に混合したマスターバッチとして添加してもよい。マスターバッチとして添加する場合は添加剤別に調製しても、2種以上を混合して調製してもよい。また、上記添加剤が配合された市販樹脂をうまく組み合わせて実施してもよい。また、上記組成物は予め製膜工程に供給する組成物を調製しておき製膜用の押し出し機に供給してもよいし、該組成物を構成する成分を該製膜用の押し出し機に供給して調製して製膜してもよい。
本発明においては、上記配合よりなるポリプロピレン系樹脂組成物をダイから溶融して薄膜状に押し出し、冷却ロールで冷却、固化することが重要である。
本発明においては、上記の冷却ロールの表面温度を60〜90℃にすることが好ましい実施態様である。例えば、特許文献14等で開示されている条件である冷却ロールの表面温度を60℃未満で実施した場合は耐熱寸法安定性の向上効果が低下するので好ましくない。逆に、90℃を超えた場合は、冷却ロールのタッチロールマークが発生するので好ましくない。また、透明性が低下することもある。なお、特許文献14の実施例における冷却温度は50℃である。
本発明においては、上記の溶融押し出しを、少なくとも供給ゾーン、混練ゾーンおよび計量ゾーンよりなる押し出し機を用いて、かつ上記混練ゾーンの温度を供給ゾーンや計量ゾーンの温度より高温に設定することが好ましい。すなわち、混練ゾーンの設定温度をその前後の供給ゾーンや計量ゾーンの設定温度より高めることにより、ダイスへの溶融樹脂の計量精度を低下させることなく、上記のポリプロピレン系樹脂組成物の溶融速度を高めることができ、該溶融速度アップによりフィッシュアイの生成が抑制できる。該温度差は限定されないが、5〜15℃が好ましい。例えば、供給ゾーンや計量ゾーンの温度を220〜235℃とし、混練ゾーンの温度を240〜260℃に設定するのが好ましい。該対応によりフィッシュアイの生成抑制ができる原因は明確ではないが、ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融速度を高めることにより前述した複合酸化防止剤系によるフィッシュアイの生成抑制効果が増大するものと推察している。
本発明において、厚み制御、厚み斑の制御は重要な項目である。厚み制御をするためにはダイス前圧が10〜20MPa程度の圧力を保持する事が重要である。ダイ前圧力を10〜20MPaに保つと厚み精度が出しやすくなり、厚み変動が小さくなる。これは、Tダイ内の圧力バランスが均等に保たれるためであると推測している。
本発明において、樹脂の濾過は重要であり、フィッシュアイの抑制につながる。リーフデスクフィルターや焼結フイルターなどの使用が好ましい。金網フイルターでも綾畳織りなど特殊な織りかたをしたものは良好である。フイルターのメッシュは、細かければ細かいほど良いが、ポリプロピレンは粘性が高いので限界がある。40〜80μmの濾過精度のものが好ましい。またフイルターは1個所だけでなく2箇所設置して2段濾過など行うのも好ましい実施形態である。濾過を行うにあたって、耐圧を確認することが重要である。濾過前の圧力と濾過後の圧力差ΔPが濾過耐圧を越えるといままで補足していた異物を吐き出すことになるだけでなく、フィルターそのものを破損して使えなくなる。濾過耐圧は濾過用フイルターや濾過精度によって、各々、違うので最適化して使用するのが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法においては、押出フィルムを通常工業的に採用されている方法によってコロナ放電処理、或いは火炎処理等の表面処理を施すこともできる。
上記製造方法で得られるフィルムの厚みは特に限定しないが、1〜500μmであるのが一般的であり、好ましい厚みのものが必要に応じ選択される。
上記の本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法により得ることのできるポリプロピレン系樹脂フィルムが具備すべく好ましい特性について言及をする。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルム中の滑剤の含有量が50ppm以下であることが重要である。滑剤の含有量は10ppm以下がより好ましく、特に好ましくは、元素分析や抽出法等の通常の定量方法で検出限界以下であることが好ましい。すなわち、滑剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、滑剤を実質的に含有しないとは、滑剤を積極的に添加せず製膜することを意味している。上記範囲は積極的に滑剤を添加しなくても、原料ポリマーやフィルム製造時に銘柄切り替え等により微量に混入する場合があることを含めるためであり、滑剤を実質的に含有しないこと好ましい実施態様である。該対応により該滑剤を配合しフィルムの滑り性を向上させる方法において起こる該滑剤のフィルム表面へのマイグレーションおよび引き続き起こる被包装物や被保護体への移行による被包装物や被保護体の汚染が阻止され被包装物や被保護体の清澄度が保持される。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルム中のアンチブロッキング剤の含有量が50ppm以下であることが好ましい。アンチブロッキング剤の含有量は10ppm以下がより好ましく、特に好ましくは、灰分や元素分析等の通常の定量方法で検出限界以下であることが好ましい。すなわち、アンチブロッキング剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、アンチブロッキング剤を実質的に含有しないとは、上記の滑剤の場合と同じ意味である。該対応によりフィルムの製造および二次加工工程におけるフィルムの磨耗によるアンチブロッキング剤の脱落が抑制されるので、該脱落物による汚染や障害発生等が抑制される。
本発明においては、上記のごとく通常のポリプロピレン系樹脂フィルムにおいて実施されている滑剤やアンチブロッキング剤の配合をしないのが好ましいことより、該対応によるフィルムの滑り性やブロッキング性の悪化を抑制する必要がある。該対応は前述した樹脂組成、特にブロック共重合樹脂による海/島構造によるフィルム表面突起により行うのが好ましい。一方、該ブロック共重合樹脂による海/島構造によるフィルム表面突起の形成はフィルムの透明性の低下を引き起こすので、該方法においては、表面突起の形成による滑り性や耐ブロッキング性の改善効果と透明性の確保とは二律背反事象となる。従って、フィルムのヘーズ値が重要な要因となる。例えば、特許文献22で開示されているようにエチレン含有量の多いブロック共重合樹脂を使用することが、上記の滑り性や耐ブロッキング性の改善に関しては有効であるが、該方法ではフィルムのヘーズ値が上がり透明性が悪化し、被包装物や被保護体の視認性が低下するので好ましくない。従って、本発明においては、フィルムのヘーズ値を30%以下にすることが好ましい。28%以下が好ましく、25%以下がよりに好ましい。ヘーズ値が30%を超えた場合は、透明性が悪化し、被包装物や被保護体の視認性が低下するので好ましくない。一方、ヘーズ値の下限は透明性の点より低い方が透明性が好ましいが、上記方法により滑り性を付与する点との関連において、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、上記特性を満たした上で静摩擦係数が0.95以下であることが重要である。0.9以下がより好ましく、0.8以下がさらに好ましい。静摩擦係数が0.95を越えると、フィルムの滑りが悪くなり、製膜上がりで巻き取り時に皺がはいることがある。0.95以下にすると、巻き取り時、しわが入りにくくなる。下限は、他の特性とのバランスにおいて0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
静摩擦係数が0.95を越えると、フィルムの滑りが悪くなり、製膜上がりで巻き取り時に皺がはいることがある。0.95以下にすると、巻き取り時、しわが入りにくくなる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、耐ブロッキング性が350N/70mm以下であることが好ましい。330N/70mm以下がより好ましい。該耐ブロッキング性が350N/70mmを超えた時は、長期保管等によりフィルムのブロッキングが起こることがあるので好ましくない。
上記滑り性や耐ブロッキング性を付与する方法は限定されないが、前記したエチレン含有量の影響を大きく受ける。該エチレン含有量を含めた本明細書に記述する好ましい実施態様の総合効果として達成するのが好ましい。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルムの130℃における5%伸張時の応力が1.5MPa以上であることが重要である。1.6MPa以上であることが好ましく、1.7MPa以上であることがより好ましい。なお、該130℃における5%伸張時の応力は、フィルムの耐熱寸法安定性の尺度であり、該対応により、例えば、粘着加工等の二次加工適正に優れており、特に130℃近辺の高温で乾燥等の処理を行っても熱皺の発生が抑制されているので、該二次加工の生産性の向上を図ることが可能となる。また、熱皺や熱たるみ等のフィルムの耐熱性不足に起因する不良品の発生抑制をすることができる。上限は他の特性とのバランスより2.0Mpa程度が好ましい。
上記の耐熱寸法安定性を達成する手段は限定されないが、前述した結晶核剤の配合が重要な要素の一つになる。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルム中の最大直径が0.2mm以上のフィシュアイが0個/mであり、かつ最大直径が0.1mm以下のフィシュアイが100個/m以下であることが重要である。最大直径が0.1mm以下のフィシュアイも0個/m以下が最も好ましいが、経済性や市場の要求度等より上記範囲が好ましい。2〜80個/m以下がより好ましく、2〜60個/m以下がさらに好ましい。該対応により、外観不良や、例えば、保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、前述した粘着不良によるメッキ液の保護部分への浸透による障害発生等を抑制することができる。
上記特性を達成する手段は限定されないが、前述した酸化防止剤の配合の最適化が重要な要素の一つになる。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルムの23℃における縦方向のヤング率が650Mpa以上であることが好ましい。680Mpa以上がより好ましく、720Mpa以上がさらに好ましい。650Mpaではフィルムの取り扱い性が低下するので好ましくない。該対応により、前述した滑剤やアンチブロッキング剤の配合をしないことによるフィルムの取り扱い性の低下を抑制することができる。上限は他の特性とのバランスより1000Mpa程度が好ましい。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルムの23℃におけるインパクト強度が0.6J以上であることが好ましい。0.7J以上がより好ましい。一般に上述した剛性や耐熱寸法安定性を向上するとインパクト強度は低下する方向に動く。該インパクト強度が低下すると包装袋や保護フィルム等として用いた場合の使用時の耐衝撃性に対する信頼性が低下するので、前述した特性を付与した上で本特性を満たすことが好ましい。上限は他の特性とのバランスより1.0J程度が好ましい。
以上の好ましい特性は、前述した本発明のポリプロピレン系樹脂フィルム製造方法で実施することにより、安定して生産することができる。

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
尚、本明細書中で採用した測定、評価方法は次の通りである。
(1)メルトフローレート[MFR]
JIS K7210に従い、条件−14の方法(荷重2.16kg、温度230℃)で測定した。
(2)エチレン含有量
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定した。
(3)ヘーズ値
JIS−K−6714に準拠し、東洋精機製作所製の「ヘーズテスターJ」を用いて測定した。
(4)耐ブロッキング性
ATM−D1893−67に準じて、90Nの荷重をA4サイズの面積にかけ、60℃雰囲気下で2時間放置後に荷重を取り除いてから、φ5のアルミ棒による剥離抵抗を移動速度100mm/分の条件で測定した。
(5)静摩擦係数
フィルムの表面と裏面を合わせて滑り性をJIS−K7215−1987に準拠して測定した。
(6)130℃における5%伸張時の応力(F5)
オートグラフ(島津製作所製)のチャック間距離を100mmにする。引張り速度を200mm/分にあわせる。加熱チャンバーの温度を130℃にして安定させる。サンプルを縦方向に150mm×横方向20mmのサンプルを5枚準備する。サンプルにチャック切れ防止のために、チャックで挟むフィルム部分にフイルム両面に両面テープで厚紙で付けて保護する。サンプルをチャック間にセットして、チャンバーの蓋をしめ、15秒後に引張りを開始する。5%伸び時の応力値をチャートから読み取る。
(7)ヤング率
JIS K7127に準拠し、サンプル形状は1号形試験片に準拠したもの(サンプル長さ200mm、サンプル幅15mm、チャック間距離100mm)を用い、クロスヘッド速度500mm/分の条件にてMD方向(フィルム長手方向)について23℃にて測定した。
(8)インパクト強度
ASTM D3420に準拠し、サンプルは、縦方向に55〜60cm横方向に9〜10cmにカットする。23℃の部屋でインパクトテスターを使い打ち抜いた時の強度値を小数点以下第1位まで読み取る。その操作を10回繰り返して、その平均値を求める。
(9)フィッシュアイ
成型されたフィルムを流れ方向に33.3cm×流れ方向に対して横方向に30cm切り取り、フィルムの下から蛍光灯を照射した板の上に置き、透過光で目視により観察し、0.1mm以上のフィッシュアイを計測する。次に、カウントしたフィッシュアイを液体窒素中に浸して、硬くした状態で、剃刀で半分に切りそのフィッシュアイの断面を顕微鏡で50〜300倍で観察することにより、核となる物質が無ければ、例えば、セルロースなどを代表とする異物が無ければ、それは未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り等のゲル起因のフィッシュアイと判定する。核がある場合は、異物起因のフィッシュアイと判定しカウントから除外する。
(10)耐ブロッキング性
ブロッキング性をフィルム製膜時に冷却ロール面に接した面を重ね合わせ、その重ねた表面にトレーシングペーパーを重ねて温風乾燥機に入れ、50℃×30分でシーズニングを行う。その時にサンプルがずれないようにクリップ又はホッチキスで仮止めをしておく。そのサンプルを50℃のヒートプレス機にかけて、40kg/cm×15分間圧力化におく。そのサンプルを巾70mmにカットして、フイルム2枚にした状態でフイルム間の剥離にはφ6mm×巾330mmのアルミ製バーを用い、100mm/分の速度での剥離抵抗を読み取る。測定は、4回行いその平均値を求める。
(11)三次元表面平均粗さ(SRa)
株式会社小阪研究所社製の三次元表面粗さ測定器(型式ET−30HK)を用いて、下記条件で測定して、平均表面粗さ(SRa)で表示した。
設定条件
針圧[mg]:20mg
測定長さ[mm]:1.0
測定速度[mm/S]:0.1
測定ピッチ(Xピッチ)[μm]:2.0μm
(Yピッチ)[μm]:2.0μm
測定面1mm×0.2mm
Z測定倍率:20000
カットオフ[mm](低域カット):0.08
(高域カット):R+W
レべリング:最小二乗法
全体図 (Y倍率)/(X倍率)=5
(Z倍率)/(X倍率)=50
(視点角度)=30°
(12)押し出し性
原料樹脂組成物を下記の押し出し条件で溶融押し出しを行い、該押し出し時の押し出し機モーター負荷の尺度であるモーターの電流量(A)値をアナログ式メータ(JIS C1102 1.5級タイプML−110、F.S. 100mV)より読み取る。該電流値が680A以下を良(○)680Aを超える場合を不良(×)と判定した。
押し出し条件
スクリュー径:φ200mm
L/D:29
回転数:50rpm
吐出量:455kg/hr
出口温度:257℃
(実施例1)
リン系酸化防止剤としてイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.22質量%およびフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.28質量%を含有したエチレン含有量が7.0質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=2)89質量部、エチレン含有量が0.5質量%のランダム共重合ポリプロピレン樹脂(MFR=7)5質量部および環状有機リン酸エステル化合物としてビス(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−ターシャリ−ブチルフェニル)フォスフェート)−水酸化アルミニウム塩(旭電化工業(株)社製、アデカスタブNA−21)1質量%含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなる結晶核剤を含むマスターバッチ樹脂(M−1)5質量部およびアクリレート系酸化防止剤であるスミライザーGS(住友化学(株)社製)5質量%を含むホモポリプロピレン樹脂(MFR=7)よりなるアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)1質量部をTダイ製膜機にて溶融押出しを行い、冷却ロール温度80℃で厚み50μmの未延伸フィルムを得た。なお、上記押し出し機の供給ゾーン、混練ゾーンおよび計量ゾーのそれぞれの樹脂温度を230、240および235℃とした。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、表1に示したいずれの特性も良好であり高品質であった。
(実施例2)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂をリン系酸化防止剤としてイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.28質量%およびフェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.22質量%を含有したエチレン含有量が9.0質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂89質量部に、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂をエチレン含有量が2質量%のものを7質量部に変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
(実施例3)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂をエチレン含有量が4.8質量%のブロック共重合ポリプロピレン樹脂92質量部に、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂をホモポリプロピレン樹脂に替え、その配合量を2質量部に変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムと同等の特性を有しており高品質であった。
(実施例4)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのリン系酸化防止剤であるイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合を取り止め、かつフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合量を4500ppmに変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムに比べてフィッシュアイの抑制効果や滑り性向上効果は若干低下するが高品質であった。
(実施例5)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の
の配合を取り止め、かつリン系酸化防止剤であるイルガホス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)の配合量を4500ppmに変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本実施例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムに比べてフィッシュアイの抑制効果や滑り性向上効果は若干低下するが高品質であった。
(比較例1)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂をエチレン含有量を3.5質量%であるものに変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルムの滑り性、耐ブロッキング性およびインパクトが劣っており低品質であった。
(比較例2)
実施例1の方法において、ブロック共重合ポリプロピレン樹脂をエチレン含有量を15質量%であるものに変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィルムのヘーズ値が高く透明性が劣っており低品質であった。
(比較例3)
実施例1の方法で結晶核剤を含むマスターバッチ樹脂(M−1)5質量%の供給を取り止め、かつランダム共重合ポリプロピレン樹脂の供給量を10質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例3のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、F5値が低く耐熱寸法安定性が劣っていた。また、フィッシュアイが実施例1で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムに比べ若干増大し低品質であった。
(比較例4)
実施例1の方法において、アクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)の供給を取り止め、替わりブロック共重合ポリプロピレン樹脂へのフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.28質量%に増量し、かつランダム共重合ポリプロピレン樹脂の供給を6質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例4のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表1に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、酸化防止剤の総量の配合量は実施例1のポリプロピレン系樹脂フィルムと等しいにも拘らずフィッシュアイが多く低品質であった。
(比較例5)
実施例1の方法において、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の配合を取り止めたブロック共重合ポリプロピレン樹脂を用い、かつアクリレート系酸化防止剤の配合量を1500ppmになるように増量変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例7のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、フィッシュアイが多く低品質であった。また、冷却ロールの汚染が増大した。
(比較例6)
実施例1の方法において、結晶核剤を含むマスターバッチ樹脂(M−1)およびアクリレート系酸化防止剤を含むマスターバッチ樹脂(M−2)の供給を取り止め、かつランダム共重合ポリプロピレン樹脂の供給を11質量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で比較例8のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、130℃におけるF5値が低く耐熱寸法安定性が劣っており、さらにフィッシュアイが多く低品質であった。
(比較例7)
比較例6の方法において、ランダム共重合ポリプロピレン樹脂に供給を取り止め以外は、
比較例6と同様の方法で比較例7のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、比較例6で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムの課題に加えて押し出し機のモーター付加が増大し押し出し性が低下した。
(比較例8)
比較例4において冷却ロール温度を50℃に変更する以外は、比較例4と同様の方法で比較例10のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、比較例4で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムの課題に加えて耐熱寸法安定性が劣っていてより低品質であった。
(比較例9)
比較例3において押し出し機の混練ゾーンの樹脂温度を230℃に変更する以外は、比較例3と同様の方法で比較例9のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。その結果を表2に示す。
本比較例で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムは、比較例3で得られたポリプロピレン系樹脂フィルムの課題に加えてフィッシュアイが増大しており、より低品質であった。
Figure 2008024835
Figure 2008024835
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、耐熱寸法安定性に優れているので、例えば、粘着加工等の二次加工適正に優れており、特に130℃近辺の高温で乾燥等の処理を行っても熱皺やフィルムたるみの発生が抑制されるので、該二次加工の生産性の向上や熱皺やフィルムたるみ起因の不良品の発生抑制をすることができる。また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、滑剤を実質的に含んでいないので、例えば、包装袋や保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、被包装物や被保護体への滑剤の移行がないのでこれらの被包装物や被保護体の汚染が抑制される。また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂フィルムは、アンチブロッキング剤を実質的に含んでいないので、例えば、アンチブロッキング剤を含んだフィルムを走行させた場合に、磨耗等でアンチブロッキング剤の脱落が起こるという課題が回避できるので、該脱落物による汚染や障害発生等が抑制される。また、滑剤やアンチブロッキング剤を実質的に含まないにも拘らず、表面粗さが適切であり、フィルムの滑り性が良好で、かつ剛性がの優れているので、フィルムの取り扱い性に優れている。また、適度な透明性を有するので、被包装物や被保護体の視認性に優れる。また、フィッシュアイの混入が高度に達成されているので、該フィッシュアイによる外観不良や、例えば、保護フィルムの基材フィルムとして用いた場合に、前述した粘着不良によるメッキ液の保護部分への浸透等の障害発生を抑制することができる。また、上記の耐熱寸法安定性が向上しているにも拘らずインパクト強度に優れており、ブロックポリプロピレン系樹脂よりなることにより付加される耐衝撃性のよさが維持されており、包装袋や保護フィルムとして用いた場合の信頼性が高い。従って、食品や精密部品等のフィルム起因の汚染が嫌われる物品の包装や各種精密部品等の保護フィルムとして好適に使用することができる。従って、産業界に寄与することが大である。

Claims (5)

  1. 少なくともエチレン含有量が5.5〜9.9質量%よりなるポリプロピレン系ブロック共重合樹脂85〜96質量部とエチレン含有量が5質量%以下のポリプロピレン系ランダム共重合樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂4〜15質量部よりなる樹脂組成物100質量部に対して、結晶核剤を0.01〜0.1質量部、アクリレート系酸化防止剤0.01〜0.1質量部、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれた少なくとも1種を0.05〜1.0質量部配合した組成物をダイから溶融して薄膜状に押し出し、冷却ロールで冷却、固化することを特徴とするポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
  2. 上記結晶核剤が下記の一般式(I)で示される環状有機リン酸エステル化合物よりなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
    Figure 2008024835
  3. 上記の冷却ロールの表面温度が60〜90℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
  4. 上記の溶融押し出しを、少なくとも供給ゾーン、混練ゾーンおよび計量ゾーンよりなる押し出し機を用いて、かつ上記混練ゾーンの温度を供給ゾーンや計量ゾーンの温度より高温に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
  5. 上記のアクリレート系酸化防止剤が下記(II)式で示される構造よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
    Figure 2008024835
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010150369A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toyobo Co Ltd 表面保護用ポリプロピレン系樹脂フィルムおよび表面保護フィルム
JP2018203864A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 サンアロマー株式会社 ポリオレフィン樹脂組成物及び成形品

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