JP2008024029A - 車両用走行制御装置及び車両用走行制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が完全に不安定状態となる以前に、運転者の意志と反する減速を行うことなく、車両の安定性を維持する制御を行うと共に、車両が不安定状態となった途端、いきなり運転者の意志と反する減速を行うことのない車両用走行制御装置、及び車両用走行制御方法を提供する。
【解決手段】路面反力トルク検出手段101、車両の走行状態量より通常走行時の規範路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段102、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの偏差または割合を演算する車両状態演算手段103、及び駆動輪に伝達する駆動トルクを制御する駆動トルク制御手段104を備えた車両用走行制御装置であって、駆動トルク制御手段104は、偏差または割合が、安定状態の時の値より変化した場合、アクセルが戻されるまでは、上記変化時点の車速より減速しない範囲で、駆動輪に伝達する駆動トルクを抑制する駆動トルク抑制手段を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の安定性を維持する車両用走行制御装置に関するものであり、とくに走行時の路面反力トルクを用いて車両状態を推定し、推定された車両状態に基づいて車両の駆動トルクを制御する車両用走行制御装置及び車両用走行制御方法に関するものである。
従来の車両用走行制御装置として、車両の旋回走行時の状態をヨーレートを検出することで推定し、推定結果に基づいてアンダステア、オーバステアを解消すべく車両のヨーレート挙動を、エンジンの回転動力を無段階に変速する無段変速機により制御する挙動制御装置があった(例えば、特許文献1参照。)。
また、車輪に対する横方向のグリップの程度を表すグリップ度を推定し、グリップ度が所定値未満と判定された場合、制動制御、スロットル制御、シフト制御のいずれかを実行して車両を減速させるようにする運動制御装置があった(例えば、非特許文献2参照。)。
特開2001−191820号公報 特開2003−312465号公報
特許文献1の挙動制御装置では、走行中の車両の不安定状態を判定するために、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差を用いている。そのため、車両自体が不安定状態となってから駆動トルクの制御を行うため、駆動トルクによる十分な挙動制御をおこなうことができないという問題があった。
また、特許文献2の運動制御装置では、推定されるグリップ度に基づいて制動制御、スロットル、またはシフト制御により減速を行っているが、車両が不安定状態になった途端、運転者の意志とは無関係に車両が減速してしまうという問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、車両が完全に不安定状態となる以前に、運転者の意志と反する減速を行うことなく、車両の安定性を維持する制御を行うと共に、不安定状態となった途端、運転者の意志と反する減速を行うことのない車両用走行制御装置、及び車両用走行制御方法を提供することを目的とする。
この発明に係る車両用走行制御装置は、車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、車両の走行状態量より通常走行時の規範路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段、検出された上記路面反力トルクと演算した上記規範路面反力トルクとから、上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの偏差、または上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの割合を演算する車両状態演算手段、及び駆動輪に伝達する駆動トルクを制御する駆動トルク制御手段を備え、上記駆動トルク制御手段は、上記車両状態演算手段で演算された上記偏差または上記割合が、車両が安定状態の時の上記偏差または上記割合の値A0より変化した場合、アクセルが戻されるまでは、上記偏差または上記割合の変化時点の車速V0より減速しない範囲で、演算された上記偏差または上記割合の値に応じて、上記駆動トルクを抑制する駆動トルク抑制手段を有するものである。
この発明に係る車両用走行制御方法は、車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する第1ステップ、車両の走行状態量より通常走行時の規範路面反力トルクを演算する第2ステップ、検出された上記路面反力トルクと演算した上記規範路面反力トルクとから、上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの偏差、または上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの割合を演算する第3ステップ、演算された上記偏差または上記割合が安定状態の時の上記偏差または上記割合の値A0より変化した場合、上記偏差または上記割合の値に応じた駆動トルク補正量を演算する第4ステップ、演算された駆動トルク補正量に基づいて駆動輪に伝達する目標駆動トルクの値を補正する第5ステップ、アクセルがオン状態で、車速が、上記偏差または上記割合が変化した時点の車速V0より速ければ補正した目標駆動トルクを出力し、車速V0と同じまたは車速V0より遅ければ車速V0となる目標駆動トルクを出力する第6ステップ、路面反力トルクの飽和点における上記偏差または上記割合の値を所定値A1とし、演算された上記偏差または上記割合が上記所定値A1となった場合、上記所定値A1となった時点の車速V1となる目標駆動トルクを演算する第7ステップ、及び演算した目標駆動トルクを出力する第8ステップを備えたものである。
この発明の車両用走行制御装置、及び車両用走行制御方法によれば、規範路面反力トルクと路面反力トルクとに基づき車両状態を演算し、演算された車両状態が安定状態から変化した場合、車両が完全に不安定状態になる以前に、変化時点の車速より減速しない範囲で駆動力トルクを抑制するので、運転者が加速したいときには、安全に影響が無い範囲で加速もしくは現状の車速を維持することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による車両用走行制御装置を示すブロック図である。
本実施の形態1の車両用走行制御装置は、車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段101と、車両の走行状態量(ここではハンドル角と車速)を入力し、上記走行状態量に対して、通常走行時にタイヤが路面から受ける路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段102と、路面反力トルク検出手段101で検出された路面反力トルクと規範路面反力トルク演算手段102で演算された規範路面反力トルクとを用いて車両の走行状態を演算する車両状態演算手段103と、車両の走行状態量、検出結果、演算結果等を記憶するメモリ(図示せず)と、車両の駆動輪へ伝達される駆動トルクを制御する駆動トルク制御手段104とを備えている。
実施の形態1の動作を図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、路面反力トルク検出手段101にて路面反力トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS101)。
次に、規範路面反力トルク演算手段102にて規範路面反力トルクを演算し、メモリに記憶する(ステップS102)。
次に、車両状態演算手段103にてメモリに記憶した路面反力トルクと規範路面反力トルクとの偏差、または路面反力トルクと規範路面反力トルクとの割合(比率)を演算し、メモリに記憶する(ステップS103)。
次に、駆動トルク制御手段104にて、ステップS103で演算した偏差または割合に変化があるか判定する。偏差または割合に変化があるなら、ステップS105を実行し、変化が無いならスタートに戻る(ステップS104)。
ステップS105では、駆動トルク制御手段104にて、駆動輪に伝達する駆動トルクを抑制すると共に、車両の安全に影響が無い範囲で加速もしくは現状の車速を維持するように駆動トルクを制御する。すなわち、運転者がアクセルを戻すまでは、上記偏差または割合の変化時点の車速より減速しない範囲で、駆動輪に伝達する駆動トルクを抑制する。
次に、駆動トルク制御手段104にて、偏差または割合が所定値以上か以下であるか判定する(ステップS106)。なお、上記所定値は、実車試験よりタイヤ力の限界(ここで、タイヤ力とは、タイヤと路面との間に発生する路面反力トルクを指し、タイヤ力の限界とは、路面反力トルクの飽和点を指す。)を定めた値を所定値としている。
偏差または割合(路面反力トルクを基準とする場合)が所定値以上であれば、所定値以上となったときの車速より車速が増加しないように駆動トルクを制御する(ステップS107)。ステップS107では加速されない。ステップS106で、偏差または割合(路面反力トルクを基準とする)が所定値以下であれば、スタートに戻る。
なお、図2のステップS106では、偏差、または路面反力トルクを基準とした割合に対して、所定値以上か否かを判定したが、規範路面反力トルクを基準として割合を演算した場合は、ステップS106で、演算した割合の値が所定値以下か否かを判定し、所定値以下であれば、ステップS107で所定値以下となったときの車速より車速が増加しないように駆動トルクを制御し、所定値以上であれば、スタートに戻る。
ここで、路面反力トルク検出手段101は、例えば、特開2005−324737号公報で提案されているように、運転者の操舵トルクと電動パワーステアリングのアシストトルクから路面反力トルクを推定してもよいし、ロードセルなどを用いて路面反力トルクを直接測定しても良く、公知の技術を用いればよい。
また、規範路面反力トルク演算手段102は、例えば、特開2005−324737号公報で提案されているように、ハンドル角(実舵角)及び車両の走行速度(車速)と規範路面反力トルクとの関係が記されたハンドル角・走行速度−規範路面反力トルクマップを用いて、規範路面反力トルクを演算しても良いし、車両に発生するヨーレートをハンドル角(実舵角)に換算して、上記ハンドル角・走行速度―規範路面反力トルクマップから規範路面反力トルクを演算しても良い。また、車両に発生する横G(横加速度)をハンドル角(実舵角)に換算して、上記ハンドル角・走行速度―規範路面反力トルクマップから規範路面反力トルクを演算してもよく、公知の技術を用いればよい。
図3は車両状態演算手段103の構成の一例を示しており、偏差を演算する場合は、加減算器301にて規範路面反力トルクから路面反力トルクを減算して路面反力トルクの偏差を演算し、比例ゲイン302にて演算値にゲイン値K1を乗じて車両状態演算手段103の出力としている。
ここで、規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差をα1、規範路面反力トルクをTalign_ref、路面反力トルクをTalignとすると、車両状態演算手段103の出力α1は次式で表すことができる。
Figure 2008024029
図4は車両状態演算手段103の他の構成例を示している。加減算器401にて規範路面反力トルクから路面反力トルクを減算して路面反力トルクの偏差を演算し、比例ゲイン402にて演算値にゲイン値K1を乗じた値と、路面反力トルクの上記偏差を微分器403にて微分を行い、微分ゲイン404にて微分値にゲイン値K2を乗じた値とを加減算器405にて足し合わせて車両状態演算手段103の出力α1としている。この演算は次式で表すことがきる。
Figure 2008024029
なお、上式においてd/dtは時間微分を示している。
図5は車両状態演算手段103のさらに他の構成例を示している。規範路面反力トルクを基準とし、除算器501にて路面反力トルクを規範路面反力トルクで除算して割合を演算し、車両状態演算手段103の出力α2としている。この演算は次式で表すことができる。
Figure 2008024029
また、図6に示すように、路面反力トルクを基準として、除算器601にて規範路面反力トルクを路面反力トルクで除算して割合を演算し、車両状態演算手段103の出力α3としてもよく、この演算は次式で表すことができる。
Figure 2008024029
図7は、駆動トルク制御手段104の構成を示している。駆動トルク制御手段104は、駆動トルクを抑制する駆動トルク抑制手段701を有している。上記駆動トルク抑制手段701は、車両状態演算手段103にて演算した偏差または割合と、目標駆動トルク(目標とする車速を達成するためのアクセル踏込み量と、検出された実際の車速との関係が記されたアクセル踏込み量・走行速度−目標駆動トルクマップ(一般に、エンジンの種類によって決まる)を用いて算出)とを入力し、上記偏差または割合の値に基づいて、駆動輪に伝達される上記目標駆動トルクの値を補正し、補正した目標駆動トルクを出力する。
また、駆動トルク制御手段104は、駆動トルクを制御するのに必要な構成を備えており、例えば、特開平5−206811号公報に示されているように、エンジンの吸気通路に、アクセルペダルと連動して作動するメカスロットルバルブと、スロットルモータにより開閉駆動されるモータスロットルバルブとを直列配置し、エンジン出力である駆動トルクを制御する構成、あるいは特開平5−278623号公報に示されるように、トランスミッションの変速比を制御する変速ソレノイドバルブを制御して駆動トルクを制御する構成等を有している。
その他、駆動トルクを制御できる走行制御装置を有する車両であれば、本実施の形態を適用することが可能である。
以下に、本実施の形態による駆動トルク抑制手段701の主要動作について説明する。
図8(a)は規範路面反力トルクの時間応答波形(実線)と、駆動トルクの制御を行っていない場合の路面反力トルクの時間応答波形(破線)とを示しており、アクセルがオン状態で、車両が安定状態の時には、規範路面反力トルクと路面反力トルクとは一致しているが、車両が不安定状態(アンダーステア状態)になりはじめると、時間の経過につれて、規範路面反力トルクと路面反力トルクとに偏差が発生する特性がある。
図8(b)は図8(a)の時間応答波形に対応して発生する上記偏差(α1)の時間変化波形である。図8(b)において、車両が安定状態の時の偏差の値をA0(A0=0)、偏差がA0より変化しはじめた時点をt0、タイヤ力の限界時点での偏差の値をA1、制御無しの状態で、演算した偏差がA1となる時点をt2とする。
図8(c)は本実施の形態に係わる駆動トルク制御方式を説明する図であり、実線は本実施の形態の制御を行った場合の速度変化を、破線は制御無しの場合の速度変化を示している。
本実施の形態では、駆動トルク抑制手段701にて、偏差の変化時点の車速V0より減速しない範囲で、演算した偏差の値に応じて車両の駆動トルクを抑制する。すなわち、図8(c)に実線で示すように、時点t0〜時点t1の第1区間(加速可能区間)では、演算した偏差の値に応じて車速の加速の程度を制御無し(破線)の場合に比べて緩やかする(図8(c)では時点t0+Δt〜時点t1)。さらに、規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差α1が大きくなり所定値A1となった場合は、偏差が所定値A1となった時点t1より駆動トルクを増加させないように、時点t1における車速V1(限界車速)を維持する(限界車速維持区間:第2区間)。
このようにすれば、偏差発生時点t0から可能な限り車両を加速させることが可能であるため、運転者がアクセルを戻すまでは、運転者の意志を尊重することができ、車両のタイヤ力の限界で車速を維持することができる。
なお、図8(d)は従来の駆動トルク制御方式を適用した場合の車速変化を示す。本発明と異なり、演算した偏差がA1となる時点t2までは、駆動トルクの制御は行われず、偏差が所定値A1となった時点t2で、車速が限界車速に制御される。
図9は規範路面反力トルクを基準として割合α2を演算した場合の駆動トルク抑制手段701の動作を説明する図である。
図9(a)は規範路面反力トルクの時間応答波形(実線)と、駆動トルクの制御を行っていない場合の路面反力トルクの時間応答波形(破線)とを示しており、図9(b)は、図9(a)の時間応答波形に対し、規範路面反力トルクを基準として割合α2を演算した場合の、割合α2の時間応答を示している。規範路面反力トルクを基準として割合α2を演算した場合、車両が不安定状態になりはじめると(時点t0)、規範路面反力トルクに比べ路面反力トルクは小さくなるので、基準とした規範路面反力トルクの方が大きくなり、車両が安定しているときの割合(A0=1)に比べて割合α2は小さくなる。
駆動トルク抑制手段701では、車両状態演算手段103で演算した割合α2が、安定状態の割合A0=1より小さくなったと判断した場合、図9(c)に実線で示すように、小さくなった時点t0〜割合α2が所定値A1となった時点t1の第1区間(加速可能区間)では、車両の加速を制御無し(破線)に比べて、緩やかする(図9(c)では時点t0+Δt〜時点t1)。さらに規範路面反力トルクと路面反力トルクの割合α2が小さくなり所定値A1となった場合は、割合α2が所定値A1となった時点t1より駆動トルクを増加させないように車両の駆動トルクを抑制し、時点t1における車速V1(限界車速)を維持する(限界車速維持区間:第2区間)。
このようにすれば、割合変化時点t0から可能な限り車両を加速させることが可能であるため、運転者がアクセルを戻すまでは割合変化時点t0の車速V0より減速させない範囲で駆動力の抑制を行うことにより、運転者の意志を尊重することができ、車両のタイヤ力の限界で車速を維持することができる。
図10は路面反力トルクを基準として割合α3を演算した場合の駆動トルク抑制手段701の動作を説明する図である。
図10(b)は、規範路面反力トルクの時間応答波形(実線)と、駆動トルクの制御を行っていない場合の路面反力トルクの時間応答波形(破線)(図10(a))に対し、路面反力トルクを基準として割合α3を演算した場合の、割合α3の時間応答を示している。路面反力トルクを基準として割合α3を演算した場合、車両が不安定状態になりはじめると(時点t0)、規範路面反力トルクに比べ路面反力トルクは小さくなるので、基準とした路面反力トルクの方が小さくなり、車両が安定しているときの割合(A0=1)に比べて割合α3は大きくなる。
駆動トルク抑制手段701では、車両状態演算手段103で演算した割合α3が、安定状態の割合A0=1より大きくなったと判断した場合、図10(c)に実線で示すように、大きくなった時点t0〜割合α3が所定値A1となった時点t1の第1区間(加速可能区間)では、車両の加速を制御無し(破線)に比べて、緩やかする(図10(c)では時点t0+Δt〜時点t1)。さらに規範路面反力トルクと路面反力トルクの割合α3が大きくなり所定値A1となった場合は、割合α3が所定値A1となった時点t1より駆動トルクを増加させないように車両の駆動トルクを抑制し、時点t1における車速V1(限界車速)を維持する(限界車速維持区間:第2区間)。
このようにすれば、割合変化時点t0から可能な限り車両を加速させることが可能であるため、運転者がアクセルを戻すまでは割合変化時点t0の車速V0より減速させない範囲で駆動力の抑制を行うことにより、運転者の意志を尊重することができ、車両のタイヤ力の限界で車速を維持することができる。
駆動トルク抑制手段701の動作をさらに説明する。図11は、図2のフローチャートのステップS105の詳細なフローチャートを示している。
図2のフローチャートのステップS104において、偏差または割合に変化があった場合、ステップS201では、車両状態演算手段103で演算した、規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差または割合が、安定状態の値A0より変化した時点t0の車速V0を検出し、検出された車速V0をメモリに記憶する。
次に、ステップS202では、車両状態演算手段103で演算した偏差または割合に基づいて、目標駆動トルクの補正量を演算する。
図12は、目標駆動トルクの補正量を表しており、図12(a)は規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差α1に応じた駆動トルクの補正量を表している。図12(a)では、車両が安定状態(偏差A0=0)の補正量の値を1とし、偏差α1が大きくなり所定値A1となるまでは(第1区間)、補正量が連続的に小さくなるように設定している。
図12(b)は規範路面反力トルクを基準として演算した割合α2に応じた駆動トルクの補正量を表しており、車両が安定状態(偏差A0=1)の補正量の値を1とし、割合α2が小さくなり所定値A1となるまでは(第1区間)、補正値が連続的に小さくなるように設定している。
図12(c)は、路面反力トルクを基準として演算した割合α3に応じた駆動トルクの補正量を表しており、車両が安定状態(偏差A0=1)の補正量の値を1とし、割合α3が大きくなり所定値A1となるまでは(第1区間)、補正量が連続的に小さくなるように設定している。
なお、図12では、偏差α1または割合α2、α3が、安定状態の値A0の近傍(図12の領域S)では、補正量の値は変化せず、1のままであるが、A0近傍にこのようなフラットな領域Sを設けることによって、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)に示すように、偏差α1または割合α2、α3が変化しはじめても、時点t0で直ちに駆動トルクは抑制されず、時点t0+Δtより徐々に抑制されるので、より違和感が無くなる。
また、図12において、第1区間では、補正量にフラットな領域Sを設けたが、第1区間に、このような領域Sを設けず、偏差α1または割合α2、α3の値に応じて補正量が均等に変化するようにしてもよい。この場合は、時点t0より直ちに駆動トルクが抑制される。
このような駆動トルク補正量の設定方法は実車試験にて得られた結果から補正量を決定すればよい。
次に、ステップS203では、偏差または割合に基づいて得られた上記駆動トルク補正量を、入力された目標駆動トルクに乗算することにより、上記目標駆動トルクの値を補正する。
次に、ステップS204では、車速が、メモリに保存した変化時点の車速V0より速いか判断する。車速が速いなら補正した目標駆動トルクを出力する(ステップS205)。車速が遅いなら変化時点の車速V0となる目標駆動トルクを出力する(ステップS206)。
このように、偏差または割合が変化すれば、運転者がアクセルを戻すまでは駆動トルクを抑制し、偏差または割合が変化した時点の車速より減速させない範囲で目標駆動トルクを補正することにより、偏差または割合が変化した時点t0から可能な限り車両を加速させることが可能となるので、運転者の意志を尊重することができ、車両のタイヤ力の限界で車速を維持することができる。
また、第1区間では、偏差または割合に応じて駆動トルク制御手段の出力を連続的に変化させているので、運転者に違和感を与えない車両用走行制御装置を提供できる。
図13は、図2のフローチャートのステップS107の詳細なフローチャートを示している。
図2のフローチャートのステップS106において、偏差もしくは割合が所定値A1となった場合、ステップS301では、偏差もしくは割合が所定値A1となった時点t1の車速(限界車速)V1を検出し、検出された限界車速V1をメモリに記憶する。
次に、ステップS302では、限界車速V1となる目標駆動トルク、すなわち、車両が安全な範囲で走行できる目標駆動トルクを演算し、ステップS303で、演算した目標駆動トルクを出力する。
以上のように、本実施の形態では、規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差もしくは割合の変化時点、または変化時点近傍から、運転者がアクセルを戻すまでは変化時点の車速より減速させない範囲で駆動力の抑制を行うので、安全に影響が無い範囲で加速もしくは現状の車速を維持することができる。
なお、本実施の形態において、路面反力トルクの飽和点(タイヤ力の限界)の判断は、特開2005−324737号公報で提案されているように、路面反力トルクを推定する際のローパスフィルタの時定数が最適でない場合に、摩擦トルクにて路面反力トルクの補正を行った値を用いて規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差から路面反力トルクの飽和点を得ても良いし、特開2003−160042号公報で提案されているように、操舵角の絶対値の増加に対して路面反力トルクの絶対値が増加から減少に転ずる路面反力トルクのピーク点を路面反力トルクの飽和点の判断としてもよい。
また、特開2003−341538号公報にて提案されているように、路面から受けるアライメントトルクと横滑り角βとを用いて車両状態を検出し、横滑り角に対するアライメントトルクの勾配が近似直線の勾配から大きく異なる場合に路面反力トルクの飽和点と判断してもよく、その他公知の技術を用いればよい。
また、本実施の形態において、車両状態演算手段103では規範路面反力トルクと路面反力トルクとの偏差または割合のいずれかを演算し、駆動トルク制御手段104では演算した偏差または割合のいずれかにより駆動トルクを制御しているが、車両状態演算手段103において、偏差及び割合の両方を演算し、駆動トルク制御手段104では演算した偏差及び割合を組み合わせ、偏差または割合のいずれかが変化した時点、または変化時点近傍より、運転者がアクセルを戻すまでは、偏差または割合の変化時点の車速V0より減速しない範囲で、駆動トルクを抑制するようにしてもよい。
また、偏差または割合のいずれかが所定値に達した時点以降は、所定値に達した時点での車速V1を超えないように駆動トルクを抑制するようにしてもよい。
また、本実施の形態において、エンジン制御は出力トルク制御をするものについて記載したが、この他に車速を制御するものに適用しても良く、車両の速度を制御できるシステムであれば、公知の技術を用いればよい。
この発明の実施の形態1による車両用走行制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による車両用走行制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る車両状態演算手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る車両状態演算手段の他の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る車両状態演算手段のさらに他の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る車両状態演算手段のさらに他の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段の制御動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段の他の制御動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段のさらに他の制御動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段の動作の一部を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク抑制手段の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動トルク制御手段の動作の一部を示すフローチャートである。
符号の説明
101 路面反力トルク検出手段、102 規範路面反力トルク演算手段、103 車両状態演算手段、104 駆動トルク制御手段、701 駆動トルク抑制手段。

Claims (4)

  1. 車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、車両の走行状態量より通常走行時の規範路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段、検出された上記路面反力トルクと演算した上記規範路面反力トルクとから、上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの偏差、または上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの割合を演算する車両状態演算手段、及び駆動輪に伝達する駆動トルクを制御する駆動トルク制御手段を備え、
    上記駆動トルク制御手段は、上記車両状態演算手段で演算された上記偏差または上記割合が、車両が安定状態の時の上記偏差または上記割合の値A0より変化した場合、アクセルが戻されるまでは、上記偏差または上記割合の変化時点の車速V0より減速しない範囲で、演算された上記偏差または上記割合の値に応じて、上記駆動トルクを抑制する駆動トルク抑制手段を有することを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 車両が安定状態の時の偏差または割合の値をA0、演算した偏差または割合が上記A0より変化しはじめた時点をt0、時点t0における車速をV0、路面反力トルクの飽和時点での偏差または割合の値をA1、演算した偏差または割合が上記A1となる時点をt1、時点t1における車速をV1とし、
    駆動トルク抑制手段は、時点t0〜時点t1の第1区間では、演算した上記偏差または上記割合の値に応じて、上記駆動トルクを抑制すると共に、V0〜V1の範囲内で加速可能とし、時点t1以降の第2区間では、V1を超えないように駆動トルクを抑制することを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
  3. 駆動トルク抑制手段は、第1区間において、駆動輪に伝達する目標駆動トルクを、車両状態演算手段にて演算した偏差または割合の値に応じて連続的に変化する補正量で補正し、上記目標駆動トルクを抑制することを特徴とする請求項2記載の車両用走行制御装置。
  4. 車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する第1ステップ、車両の走行状態量より通常走行時の規範路面反力トルクを演算する第2ステップ、検出された上記路面反力トルクと演算した上記規範路面反力トルクとから、上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの偏差、または上記路面反力トルクと上記規範路面反力トルクとの割合を演算する第3ステップ、演算された上記偏差または上記割合が、車両が安定状態の時の上記偏差または上記割合の値A0より変化した場合、上記偏差または上記割合の値に応じた駆動トルク補正量を演算する第4ステップ、演算された駆動トルク補正量に基づいて駆動輪に伝達する目標駆動トルクの値を補正する第5ステップ、アクセルがオン状態で、車速が、上記偏差または上記割合が変化した時点の車速V0より速ければ補正した目標駆動トルクを出力し、車速V0と同じまたは車速V0より遅ければ車速V0となる目標駆動トルクを出力する第6ステップ、路面反力トルクの飽和点における上記偏差または上記割合の値を所定値A1とし、演算された上記偏差または上記割合が上記所定値A1となった場合、上記所定値A1となった時点の車速V1となる目標駆動トルクを演算する第7ステップ、及び演算した目標駆動トルクを出力する第8ステップを備えたことを特徴とする車両用走行制御方法。
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