JP2008022685A - モータ制御装置及びそれを備えた圧縮機駆動装置 - Google Patents

モータ制御装置及びそれを備えた圧縮機駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができ、且つ、制御における演算量が少ないモータ制御装置を提供する。
【解決手段】インバータ回路3と制御手段とを備え、前記制御手段が、インバータ回路3を流れる直流電流に基づいてモータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を検出する位相差検出部8と、前記位相差に応じて180度通電駆動方式用のPWMデータを作成するPWMデータ作成手段と、モータの機械角に対応するトルク変動補正値を予め記憶するトルク変動補正値テーブル16と、前記PWMデータ(PWMデータ作成部15の出力)と前記トルク変動補正値(トルク補正データ作成部18の出力)とからインバータ回路3に出力するPWM波形信号を作成するPWM波形信号作成手段とを有するモータ制御装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石が装着された回転子を有するブラシレスモータ等の同期モータを駆動制御するモータ制御装置及びそれを備えた圧縮機駆動装置に関する。
モータの駆動方法において180度通電駆動方法とは、モータ巻線電流の波形に通電休止期間を設けずに同期モータの駆動を制御する方法をいう。通常、この方法においては、モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を制御する。
特許文献1では、180度通電駆動方法により同期モータを制御および駆動する場合において、モータ駆動用インバータ回路を流れる直流電流に基づいて交流電圧と交流電流との位相差を検出し、検出された交流電圧/電流位相差(モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差)に応じてインバータ制御を行うインバータ装置を用いることが提案されている。
また、特許文献2では、180度通電駆動方法でのモータ効率を高める技術として、ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御するモータの制御装置が提案されている。
当該モータの制御装置は、「複数相のコイルを備えた、同期モータを制御するための制御装置であって、前記複数相のうちのいずれかの特定相の電流を検出するための第1の検出手段と、前記電流の脈動に基づいて前記同期モータの回転子の機械角を検出するための第2の検出手段と、各相における、補正前の電圧データを前記各相ごとに作成するための作成手段と、複数のスイッチング素子を含み、制御データに基づいて、各前記スイッチング素子の導通を制御し、各前記コイルに通電するための通電手段と、前記機械角に対応し、前記電圧データを補正する第1の補正値を記憶するための第1の記憶手段と、前記通電手段を制御するための制御手段とを含み、前記制御手段は、前記特定相の電圧において、予め定められた位相を基準とした、同じ長さの期間における、前記特定相の電流の積算値同士の比率を算出するための第1の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された前記比率を目標の比率に制御するように、前記電圧データを補正する第2の補正値を算出するための第2の算出手段と、前記各相の電圧データと前記第1の補正値と前記第2の補正値とに基づいて、各相ごとの前記制御データを算出するための第3の算出手段とを含む、モータの制御装置」又は「複数相のコイルを備えた、同期モータを制御するための制御装置であって、複数のスイッチング素子を含み、制御データに基づいて、各前記スイッチング素子の導通を制御し、各前記コイルに通電するための通電手段と、前記複数相のうちのいずれかの特定相の電流を検出するための第1の検出手段と、前記通電手段に供給される直流電流の脈動に基づいて前記同期モータの回転子の機械角を検出するための第2の検出手段と、前記直流電流を検出するための第3の検出手段と、各相における、補正前の電圧データを前記各相ごとに作成するための作成手段と、前記機械角に対応し、前記電圧データを補正する第1の補正値を記憶するための第1の記憶手段と、前記通電手段を制御するための制御手段とを含み、前記制御手段は、前記特定相の電圧において、予め定められた位相を基準とした、同じ長さの期間における、前記特定相の電流の積算値同士の比率を算出するための第1の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された前記比率を目標の比率に制御するように、前記電圧データを補正する第2の補正値を算出するための第2の算出手段と、前記各相の電圧データと前記第1の補正値と前記第2の補正値とに基づいて、各相ごとの前記制御データを算出するための第3の算出手段とを含む、モータの制御装置」である。
特開2005−160149号公報 特開2004−274841号公報
しかし、前述の特許文献1及び特許文献2でそれぞれ提案されている装置には、以下のような問題がある。
特許文献1で提案されているインバータ装置を用いたモータ制御装置は、同一回転条件下において、制御が可能となる装置である。特別な制御がない場合、モータを同一の回転速度で駆動するためには、同期モータに接続される負荷が一定(負荷トルク変動小)であることを必要とする。敢えて負荷トルク変動が大きい負荷に接続された同期モータを制御させた場合、負荷トルクの影響によりロータの回転速度は変動する。ロータの回転速度が変動すると、位相差情報は想定される値から大きく変動する。位相差情報が想定される値から大きく変動すると、モータ制御装置は負荷トルク変動に対応して同期モータを制御することができなくなる。負荷トルク変動に対応して同期モータを制御することができなくなると、同期モータの発生トルクは低下する。最終的には位相差情報がモータ駆動可能な範囲から外れ、モータ駆動自体が不可能になり、同期モータが停止する(以下、「モータ脱調」と称する)。
特許文献2で提案されているモータの制御装置は、ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができ、モータ脱調を防止することもできるが、制御手段(例えばマイクロコンピュータ)の演算量が多くなってしまう問題がある。
特許文献1で提案されているインバータ装置を用いたモータ制御装置は、インバータ装置に設けられる制御装置(例えばマイクロコンピュータ)が演算能力の低いものであっても、180度通電駆動方法によりモータを駆動することが可能であるが、例えば、同期モータを高回転で駆動するほど、演算に必要な時間が長くなり、それに加え特許文献2で提案されているモータの制御装置のような演算量が多くなる制御方法を取り入れると、制御装置の演算に必要な時間が長くなり、回転数に応じた所定時間内に演算が終了せず、モータの駆動が不可能になる可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができ、且つ、制御における演算量が少ないモータ制御装置及びそれを備えた圧縮機駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るモータ制御装置は、直流電力を交流電力に変換するモータ駆動用インバータ回路と、位相差制御方式によって前記インバータ回路を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記インバータ回路を流れる直流電流に基づいてモータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差に応じて180度通電駆動方式用PWMデータを作成するPWMデータ作成手段と、モータの機械角に対応するトルク変動補正値を予め記憶する記憶手段と、前記180度通電駆動方式用PWMデータと前記トルク変動補正値とから前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力するPWM波形信号を作成するPWM波形信号作成手段とを有している構成とする。
このような構成によると、前記モータのモータトルクが前記トルク変動補正値にしたがって増減され、前記モータの負荷トルクに応じたトルク制御が可能になるため、モータ脱調を防止し、さらには前記モータの1回転中の回転数変動を抑えることができる。したがって、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができる。さらに、特許文献2で提案されているモータの制御装置に比べて制御における演算量を少なくすることができる。
上記構成のモータ制御装置において、例えば、前記PWM波形信号作成手段が、前記180度通電駆動方式用PWMデータと前記トルク変動補正値との加算値に基づいて前記PWM波形信号を作成するとよい。
また、前記制御装置が、間欠通電駆動方式用PWM波形信号を作成する手段を有し、前記モータの始動時は、前記トルク変動補正値を用いず、前記間欠通電駆動方式用PWM波形信号を前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力することが望ましい。
また、前記モータの機械角の基準位置の決定を、前記モータの始動時において前記間欠通電駆動方式用PWM波形信号を前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力しているときに1回のみ行うことが望ましい。
また、前記トルク変動補正値を、予め測定された前記モータの負荷トルクの変動パターンに基づいて設定するとよい。
また、本発明に係る圧縮機駆動装置は、上記いずれかの構成のモータ制御装置を備えている。
本発明に係るモータ制御装置によると、ロータ位置を検知するセンサを用いずに、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができ、且つ、制御における演算量を少なくすることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係るモータ制御装置の一構成例を図1に示す。図1に示す本発明に係るモータ制御装置は、コンバータ回路2と、インバータ回路3と、3相ブラシレスモータ4(以下、「モータ4」という)と、電流検出抵抗5と、直流電流検出アンプ6と、マイクロコンピュータ7とによって構成されており、商用電源1から電力を受け取っている。
コンバータ回路2は、商用電源1からの交流電圧を直流電圧に変換してインバータ回路3に供給する。インバータ回路3から出力される3相交流電圧がモータ4に供給される。コンバータ回路2とインバータ回路3は正極直流ライン及び負極直流ラインによって接続されており、前記負極直流ラインに電流検出抵抗5が設けられている。直流電流検出アンプ6は、電流検出抵抗5の両端に発生する電圧に基づいて、コンバータ回路2からインバータ回路3に流れる直流電流を検出し、検出した直流電流を増幅して、直流電流信号としてマイクロコンピュータ7内の位相差検出部8に出力する。
マイクロコンピュータ7は、モータ4を駆動制御するための回路であり、位相差検出部8と、目標位相差情報格納部9と、加算器10と、PI演算部11と、回転数設定部12と、正弦波データテーブル13と、正弦波データ作成部14と、PWMデータ作成部15と、トルク変動補正値テーブル16と、モータ回転子機械角設定部17と、トルク補正データ作成部18と、トルク変動補正値加算器19と、PWM作成部20と、間欠通電駆動部21と、駆動方式選択部22とを含み、各処理をプログラムにしたがってソフト的に行う。
位相差検出部8は、直流電流検出アンプ6の出力である直流電流信号と、電正弦波データ作成部14から出力されるU相のモータ駆動電圧位相情報とを用いて、モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を検出し、検出した位相差に関する情報(以下、位相差情報という)を加算器10に出力する。なお、位相差検出部8での検出方法の詳細は後述する。
目標位相差情報格納部9は、目標とするモータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差に関する情報(以下、目標位相差情報という)を格納しており、目標位相差情報を加算器10に出力する。
加算器10は、目標位相差情報格納部9の出力である目標位相差情報の目標位相差の値から位相差検出部8の出力である位相差情報の位相差の値を引いて、目標位相差と検出した位相差との誤差量を求め、その誤差量をPI演算部11に出力する。
PI演算部11は、P制御により前記誤差量に対して所定の増幅を行って比例誤差量を算出し、I制御により前記誤差量を積算してその積算値を増幅して積分誤差量を算出し、前記比例誤差量と前記積分誤差量とを加算してデューティ基準値を得、そのデューティ基準値をPWMデータ作成部15に出力する。
図1に示す本発明に係るモータ制御装置は、逆起電圧パルスなどを検出して速度制御を行う方式を採用しておらず、モータ4の回転数がモータ巻線に通電するモータ駆動電圧の周波数で決定されるいわゆる強制励磁駆動方式を採用している。以下、回転数の設定及びPWM出力について説明する。
回転数設定部12は、駆動方式選択部22が180度通電駆動方式を選択しているときに、モータ4の回転数指令を設定する。正弦波データテーブル13は、連続的にアナログ値を出力すると正弦波波形が出力されるデータ列(所定のデータ個数で構成された正弦波データ)を予め記憶しており、このデータ列の参照アドレスがPWMキャリア周期ごとに所定数ずつ更新される。この所定数が大きいほどモータ4は高回転になる。つまり、モータ4の回転数は、モータ4の構造的なものを除外すると、PWMキャリア周波数と正弦波データテーブル13に予め記憶されているデータ列の参照アドレスの更新間隔(上記所定数)とで決まるものである。ちなみに、前記参照アドレスはモータ駆動電圧の位相情報そのものである。なお、正弦波データの作成は、正弦波データテーブルを元に作成せずに、その都度正弦波演算を行って作成しても構わない。
正弦波データ作成部14は、回転数設定部12で設定されている回転数指令に基づいて、モータ4のモータ巻線端子の各相に対応した正弦波データ(電気角で120度ずつずらした正弦波データ)を正弦波データテーブル13から読み出して、PWMデータ作成部15に出力するとともに、U相の正弦波データからU相のモータ駆動電圧位相情報を位相差検出部8及びモータ回転子機械角設定部17に出力する。
PWMデータ作成部15は、正弦波データ作成部14で求まった各相の正弦波データと、PI演算部11で求まったデューティ基準値とを乗算し、その乗算値に基づいてPWMデータを出力する。例えば、PWMデータ作成部15は、PWMキャリア周期で三角波を発生させ、この三角波の波高値と前記乗算値とを比較し、その比較結果に基づいてHigh/Low出力することで、各相のPWMデータを出力する。
トルク変動補正値テーブル16は、所定のデータ個数で構成されたトルク変動補正値を予め記憶している。モータ回転子機械角設定部17は、正弦波データ作成部14から出力されるU相のモータ駆動電圧位相情報に基づいて、モータ4のモータ回転子機械角を設定する。トルク補正データ作成部18は、モータ回転子機械角設定部17で設定されているモータ4のモータ回転子機械角に基づいて、トルク変動補正値テーブル18からトルク変動補正値を読み出して、トルク変動補正値加算器19に出力する。
トルク変動補正値加算器19は、PWMデータ作成部15から出力された各相のPWMデータと、トルク補正データ作成部18から出力されたトルク変動補正値とを加算し、その算出結果をPWM作成部20に出力する。PWM作成部20は、インバータ回路3の各スイッチング素子に出力するPWM波形信号を、トルク変動補正値加算器19の出力に基づいて作成し、インバータ回路3の各スイッチング素子に出力する。
上記構成によると、モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を一定に制御するための位相差制御フィードバックループによって、モータ駆動電圧の大きさ(PWMデューティのデューティ幅)が決定される。また、モータ4を所望の回転数で回転させるために、所望の周波数で出力される正弦波データによって回転数が決定される。これによって所望の位相差、所望の回転数でモータ4が駆動・制御される。
図2に、インバータ回路3の各スイッチング素子の状態とコンバータ回路2からインバータ回路3に流れる直流電流Idcとの関係を示す。インバータ回路3の上アームスイッチング素子のうちU相上アームスイッチング素子のみ通電している第1の通電期間T1における直流電流Idcの値はほぼIdc1となり、インバータ回路3の下アームスイッチング素子のうちU相下アームスイッチング素子のみ通電している第2の通電期間T2における直流電流Idcの値はほぼIdc2となる。
図3は、図2の第1の通電期間T1における直流電流Idcとモータ巻線電流の関係を示す図である。なお、図3において図1と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。インバータ回路3は、3対のスイッチング素子(例えばトランジスタ)で構成され、図3では簡略化しU相上アームスイッチング素子、V相上アームスイッチング素子、W相上アームスイッチング素子、U相下アームスイッチング素子、V相下アームスイッチング素子、W相下アームスイッチング素子をそれぞれスイッチSW1〜SW6として図示している。図2の第1の通電期間T1では、インバータ回路3の上アームスイッチング素子のうちスイッチSW1のみが通電している。そのため、直流電流Idcの値はほぼIdc1であり、U相電流(Iu)と等しい。
図4は、図2の第2の通電期間T2における直流電流Idcとモータ巻線電流の関係を示す図である。なお、図4において図1及び図3と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図2の第2の通電期間T2では、インバータ回路3の下アームスイッチング素子のうちスイッチSW6のみが通電している。そのため、直流電流Idcの値はIdc2であり、−W相電流(−iw)と等しい。
同様に考えるとU、V、W相のPWMパルスパターンに応じて、直流電流Idcに各相の交流電流Iu、Iv、Iwが現れ、その関係は図5のようになる。
また、交流電圧データに応じて、直流電流Idcに現れる各相の交流電流Iu、Iv、Iwの関係は図6のようになる。これより、電流検出モード1と2においては、すなわちモータ4の電気的通電角が30°〜150°の範囲においては、上アームスイッチング素子の1つのみが通電しているときの直流電流Idcを検出すれば、U相電流(Iu)を検出することが可能である。
続いて、この検出したU相電流(Iu)を用いて、位相差情報(モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差に関する情報)を得る方法について説明する。図7に示すように、検出したU相電流(Iu)の面積比から位相差情報を演算する。つまり、図8に示すように、U相電圧位相における第1の位相期間θ0を30〜90度、第2の位相期間θ1を90〜150度としている。また、各サンプリングタイミングがすべてtsという等間隔の位相間隔でn回(図8の場合3回ずつ、計6回)サンプリングするように設定している。そして、第1の位相期間θ0でのU相電流信号面積S0を電流値I0、I1、I2を積算して求め(S0=I0+I1+I2)、第2の位相期間θ1でのU相電流信号面積S1を電流値I3、I4、I5を積算して求め(S1=I3+I4+I5)、2つのU相電流信号面積の比(S0/S1)を位相差情報として算出する。図8の場合、位相差情報は1である。
また、電流検出モード4と5においては、すなわちモータ4の電気的通電角が210°〜330°の範囲においては、下アームスイッチング素子の1つのみが通電しているときの直流電流Idcを検出すれば、−U相電流(−Iu)を検出することが可能である。この−U相電流(−Iu)を用いて、図9に示すように、検出した−U相電流(−Iu)の面積比(S2/S3)から位相差情報を演算してもよい。
さらには、図7に示す方法で演算した位相差情報及び図9に示す方法で演算した位相差情報の平均化処理を行ってもよい。
ここで、モータ4の負荷として、図12のレシプロ型圧縮機の負荷トルク特性に示すようなモータ回転中に大きな負荷変動を有するものをモータ4に接続する場合について説明する。モータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を一定に制御する位相差制御では、このような大きく急激な負荷トルク変動に追従することは位相差検出周期などの関係から困難である。このため、特許文献1で提案されているインバータ装置を用いたモータ制御装置等では、負荷トルクが大きいときはモータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差がモータ駆動可能な範囲から外れ、モータ脱調を生じてしまう。また、逆に負荷トルクが小さくモータ駆動電圧が過大であるときは過大に発生するモータトルクによって振動的となり、やがてモータ脱調となってしまう。
そこで、図1に示す本発明に係るモータ制御装置では、トルク変動補正値テーブル16が、所定のデータ個数で構成されたトルク変動補正値を予め記憶し、トルク補正データ作成部18が、モータ回転子機械角設定部17で設定されているモータ4のモータ回転子機械角に基づいて、トルク変動補正値テーブル18からトルク変動補正値を読み出し、トルク変動補正値加算器19が、PWMデータ作成部15から出力された各相のPWMデータと、トルク補正データ作成部18から出力されたトルク変動補正値とを加算し、その算出結果をPWM作成部20に出力し、PWM作成部20が、インバータ回路3の各スイッチング素子に出力するPWM波形信号を、トルク変動補正値加算器19の出力に基づいて作成し、インバータ回路3の各スイッチング素子に出力している。これにより、モータ4のモータトルクがトルク変動補正値にしたがって増減され、負荷トルクに応じたトルク制御が行われるため、モータ脱調を防止し、さらにはモータ4の1回転中の回転数変動が抑えられる。したがって、負荷トルクの変動が大きい負荷に接続されたモータを高い効率で制御することができる。さらに、特許文献2で提案されているモータの制御装置に比べて制御における演算量を少なくすることができる。
ここで、トルク変動補正値は、図11に示すように、モータ回転子の機械的位置に対応した機械角毎のトルク補正量A0である。また、レシプロ型圧縮機の負荷トルク特性A1は予め測定され、トルク変動補正値は、モータトルク特性とレシプロ型圧縮機の負荷トルク特性A1とがほぼ等しくなるように設定される。
ここで、トルク変動補正値テーブル16の各データと正弦波データテーブル13の各データとは、モータ回転子の機械的位置に対応した機械角の同じ位相で分割される。また、トルク変動補正値は、図11から明らかなように、モータ回転子の機械的位置に対応した機械角により一意的に決定される。ただし、機械角毎のインバータ駆動電圧位相については、始動後の間欠通電駆動方式で駆動中に判定することとし、3相4極ブラシレスモータを例にすると、3相4極のモータの場合機械角1−180°に対し電気角1−360°、機械角181度−360°に対し電気角1−360°となり、電気角の位相差は一意的に決定しないので、現在どの機械角であるかを判定しておく必要がある。
機械角の決定処理の例について図12のフローチャートを参照して説明する。
図12のフローチャートの動作中は、駆動方式選択部22が間欠通電駆動方式を選択し、間欠通電駆動方式でモータ4を駆動している。間欠通電駆動部21は、まず周期P1の時間を測定し(ステップS21)、続いて周期2の時間を測定する(ステップS22)。その後、間欠通電駆動部21は、周期P1の時間が周期P2の時間より長いか否かを判定する(ステップS23)。
周期P1の時間が周期P2の時間より長ければ(ステップS23のYES)、間欠通電駆動部21は、内蔵する周期P1用カウンタのカウント数T1をインクリメントし、内蔵する周期P2用カウンタのカウント数T2を0とし(ステップS24)、その後ステップS26に移行する。周期P2用カウンタのカウント数T2を0とするのは負荷の状態によって各周期の時間が変化する場合があるためである。ただし、回転子の機械角の1回転での負荷変動が小さい圧縮機をモータ4が駆動する場合に機械角の決定ができなくなることを防止するために、周期P2用カウンタのカウント数T2を0とするのではなく、周期P2用カウンタのカウント数T2をデクリメントするようにしてもよい。
周期P1の時間が周期P2の時間より長くなければ(ステップS23のNO)、間欠通電駆動部21は、周期P2用カウンタのカウント数T2をインクリメントし、周期P1用カウンタのカウント数T1を0とし(ステップS25)、その後ステップS27に移行する。周期P1用カウンタのカウント数T1を0とするのは負荷の状態によって各周期の時間が変化する場合があるためである。ただし、回転子の機械角の1回転での負荷変動が小さい圧縮機をモータ4が駆動する場合に機械角の決定ができなくなることを防止するために、周期P1用カウンタのカウント数T1を0とするのではなく、周期P1用カウンタのカウント数T1をデクリメントするようにしてもよい。
ステップS26において、間欠通電駆動部21は、周期P1用カウンタのカウント数T1が所定の数Nより大きいか否かを判定する。周期P1用カウンタのカウント数T1が所定の数Nより大きくなければ(ステップS26のNO)、ステップS21に移行する。一方、周期P1用カウンタのカウント数T1が所定の数Nより大きければ(ステップS26のYES)、機械角の決定が可能であるため、ステップS28に移行する。
ステップS27において、間欠通電駆動部21は、周期P2用カウンタのカウント数T2が所定の数Nより大きいか否かを判定する。周期P2用カウンタのカウント数T2が所定の数Nより大きくなければ(ステップS27のNO)、ステップS21に移行する。一方、周期P2用カウンタのカウント数T2が所定の数Nより大きければ(ステップS27のYES)、機械角の決定が可能であるため、ステップS28に移行する。
ステップS28において、間欠通電駆動部21は、機械角0度を決定する。例えば、周期P1から周期P2への切り替わり時点を機械角0度とする。機械角0°決定後機械角1°―180°までをステート1、機械角181°―360°までをステート2と設定しておけば、ステートと電気角の情報により機械角を判定することができる。
図12のフローチャートは周期が2種類である場合に関するものであるが、周期が3種類以上である場合は最も長い周期専用のカウンタのカウント数をインクリメントすればよい。
なお、トルク変動補正値テーブル16が予め記憶するデータは、モータトルクをPWMデューティにより制御する場合、PWMデューティの補正量である。ここで、圧縮機の負荷変動は圧縮機のサイクルの圧力に依存し、圧縮機を駆動するモータの回転数には依存しないことから、トルク変動補正のパターンは1つのトルク変動補正パターンのみを記憶しておく。
ここで、始動後などのサイクルの圧力が安定していない期間は、駆動方式選択部22が間欠通電駆動方式を選択し、トルク変動補正値による補正を行わずに間欠通電駆動部21がPWM作成部20に各相のPWMデータを供給して間欠通電駆動方式でモータ4を駆動し、駆動途中で駆動方式選択部22が選択を間欠通電駆動方式から180度通電駆に切り替え、駆動方式選択部22の選択にしたがって駆動方式が間欠通電駆動方式から180度通電駆動方式に切り替わることで、記憶するトルク変動補正値を1つにすることができる。圧縮機のサイクルの圧力を判定できる手段を有している場合は、複数のトルク補正パターンを記憶しておき、圧縮機のサイクルの圧力に応じたトルク補正パターンを選択することでさらに制御性能を向上させることができる。なお、間欠通電駆動方式の一例である矩形波120度通電駆動方式における駆動波形は図13に示すようになる。図13は、インバータ回路13のスイッチング素子を駆動するPWM波形信号をコイル端子ごとにアナログ値として示した波形図であり、実際の通電期間中の駆動波形は数〜数十kHzでPWMチョッピングされている。
次に、1回転中の負荷変動の大きいシングルロータリ型圧縮機モータを駆動した場合の負荷トルクとモータ駆動電圧(1相分)と角速度の関係を示す。図14が特許文献1で提案されているインバータ装置を用いたモータ制御装置の場合であり、図15が図1に示す本発明に係るモータ制御装置の場合である。特許文献1で提案されているインバータ装置を用いたモータ制御装置では、角速度の変動が大きく、ひいては圧縮機の振動も大きくなるが、図1に示す本発明に係るモータ制御装置では、トルク変動補正値によりデューティ基準値が補正され、モータ駆動電圧が補正されることにより、モータトルクと負荷トルクとが一致するようにモータ巻線電流が補正され、角速度変動が小さくなり、圧縮機の振動も小さくなる。
は、本発明に係るモータ制御装置の一構成例を示す図である。 は、インバータ回路の各スイッチング素子の状態とコンバータ回路からインバータ回路に流れる直流電流との関係を示す図である。 は、第1の通電期間における直流電流とモータ巻線電流の関係を示す図である。 は、第2の通電期間における直流電流とモータ巻線電流の関係を示す図である。 は、U、V、W相のPWMパルスパターンに応じて直流電流に現れる各相の交流電流Iu、Iv、Iwを示す図である。 は、交流電圧データに応じて直流電流に現れる各相の交流電流Iu、Iv、Iwを示す図である。 は、第1の通電期間における位相差情報の演算に用いるU相電流の面積比を説明するための図である。 は、U相電圧位相情報とU相電流のサンプリングタイミングとの関係を示す図である。 は、第2の通電期間における位相差情報の演算に用いる−U相電流の面積比を説明するための図である。 は、レシプロ型圧縮機の負荷トルク変動を示す図である。 は、図1に示すモータ制御装置において、3相4極ブラシレスモータの場合の各ステートの機械角と電気角との関係を示す図である。 は、機械角の決定処理のフローチャートである。 は、矩形波120度通電駆動方式における駆動波形を示す図である。 は、従来のモータ制御装置における負荷トルク、モータ駆動電圧、及び角速度の関係を示す図である。 は、図1に示すモータ制御装置における負荷トルク、モータ駆動電圧、及び角速度の関係を示す図である。
符号の説明
1 商用電源
2 コンバータ回路
3 インバータ回路
4 3相ブラシレスモータ
5 電流検出抵抗
6 直流電流検出アンプ
7 マイクロコンピュータ
8 位相差検出部
9 目標位相差情報格納部
10 加算器
11 PI演算部
12 回転数設定部
13 正弦波データテーブル
14 正弦波データ作成部
15 PWMデータ作成部
16 トルク変動補正値テーブル
17 モータ回転子機械角設定部
18 トルク補正データ作成部
19 トルク変動補正値加算器
20 PWM作成部
21 間欠通電駆動部
22 駆動方式選択部

Claims (6)

  1. 直流電力を交流電力に変換するモータ駆動用インバータ回路と、位相差制御方式によって前記インバータ回路を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記インバータ回路を流れる直流電流に基づいてモータ駆動電圧とモータ巻線電流との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差に応じて180度通電駆動方式用PWMデータを作成するPWMデータ作成手段と、
    モータの機械角に対応するトルク変動補正値を予め記憶する記憶手段と、
    前記180度通電駆動方式用PWMデータと前記トルク変動補正値とから前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力するPWM波形信号を作成するPWM波形信号作成手段とを有していることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記PWM波形信号作成手段が、前記180度通電駆動方式用PWMデータと前記トルク変動補正値との加算値に基づいて前記PWM波形信号を作成する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御装置は、間欠通電駆動方式用PWM波形信号を作成する手段を有し、前記モータの始動時は、前記トルク変動補正値を用いず、前記間欠通電駆動方式用PWM波形信号を前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力する請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータの機械角の基準位置の決定を、前記モータの始動時において前記間欠通電駆動方式用PWM波形信号を前記インバータ回路の各スイッチング素子に出力しているときに1回のみ行う請求項1〜3のいずれかに記載のモータ制御装置。
  5. 前記トルク変動補正値が、予め測定された前記モータの負荷トルクの変動パターンに基づいて設定されている請求項1〜4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のモータ制御装置を備えたことを特徴とする圧縮機駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009278828A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Sharp Corp モータ制御装置およびモータシステム
KR101770425B1 (ko) * 2010-02-04 2017-08-22 엘지전자 주식회사 냉장고 및 냉장고의 제어방법

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