JP2008014396A - 機械部品用制振素材、その製造方法、及びそれを用いた機械部品 - Google Patents

機械部品用制振素材、その製造方法、及びそれを用いた機械部品 Download PDF

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Abstract

【課題】材質面での制限が少なく要求に応じた材質選択が容易であり、多くの機械部品に広く適用することができ、さらに優れた制振特性を容易に得ることのできる機械部品用制振素材を提供すること。
【解決手段】素材2に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位21を形成する剪断加工と、スライド部位21を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行うことによって形成する。金属的に結合することなく接触している非結合界面22を有する部品用制振素材1である。剪断加工は、スライド部位21が素材2の周囲の部位から離脱しないようにずらすハーフシェア加工である。非結合界面22は、剪断応力付与方向に沿って、両表面側にそれぞれ独立して形成されており貫通していない。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車、建設機械、産業機械等で用いられる部品を加工するための素材に関するものであり、特に、使用する素材の材質に関係なく制振性を大きく高めることが可能な機械部品用制振素材及びその製造方法に関する。
自動車、建設機械、産業機械等では、エンジンやモーター等によって発生した動力によって各部が駆動する。それらに用いられる部品には、耐面圧性や曲げ強度等、部品に応じて様々な要求特性があり、それを満足させるのに適した材料が選択され、使用されている。
そして、これらの素材は、その多くがFe、Al等の合金であるが、素材の材質そのものでは解決し難い欠点がある。すなわち、これらの合金からなる部品は、使用環境で発生した振動を伝播させやすく、かつその部品のみでは振動を減衰させる能力に限界があり、結果としてノイズが発生し静粛性が低下すること、振動により部品の使用寿命が低下する場合があることである。
例えば、最近の自動車においては、単にエンジン性能が優れていることだけでは、ユーザーの厳しい要求を満足させることができず、運転中における車内での高いレベルでの静粛性が要求されるようになってきた。自動車の場合、騒音発生の1つの大きな要因はギヤノイズであるが、ノイズ発生の原因となる歯車は一般的に浸炭処理されているものが多く、熱処理歪の発生等により、歯車の噛み合いに悪影響が生じることがノイズ発生の原因であることがわかってきている。従って、熱処理歪低減を目的とした様々な技術開発が盛んにおこなわれる一方で、発生した音や振動を遮断、あるいは低減する技術の開発が強く望まれていた。
このギヤノイズを例とすれば、その発生を防止するために、浸炭処理後に再度仕上げ加工を行って、熱処理歪を解消する方法も考えられないわけではない。しかしながら、そのための仕上げ加工に多大なコストが必要となる。また、歯車やそれを内蔵したユニット自体にダンパー機構を設けることも技術的には可能であるが、そのためのスペースの確保や、部品点数の増加により、コスト面の制約が生じてしまい、それらの方策の採用が進まないのが現状である。従って、製造した歯車に浸炭によって生じた歪が残ったままで使用しても、ユーザーが満足できる静粛性が確保可能な技術開発が強く要望されていた。
この課題に対して、最も直接的な改善方法として、部品を制振材料によって製造し、部品そのもので振動を吸収してしまう方法がある。しかしながら、従来から知られている制振材料としては、鉄基の高合金であったり、純Mg、Mg合金、あるいはMn−Cu合金が良く知られているが、いずれも高価であることは言うまでもなく、加えて機械構造用部品として使用した場合には、十分な強度を確保できないという問題がある。また、鋼板分野で知られている制振性の優れた複合鋼板にしても、機械構造用部品、特に動力伝達部品となると、鋼板という形状面での制約があり、使用できる範囲は極端に少ない。従って、これらの問題を発生させることなく、材料の種類に関係なく、優れた制振性を付与することが可能な素材の開発が強く望まれていた。
前記したような特別な制振性の優れた材料を用いることなく制振性を高められる方策としては、従来から部品中に意図的に金属結合していない割れ等の界面を導入する方法が良く知られており、例えば特許文献1、2等に記載の技術が知られている。
このうち、特許文献1に記載の技術は、材料内に脆い層(部分)を形成させ、その後に加熱、急冷等の熱衝撃を加え、材料内部に意図的に割れを発生させて制振性を高めようとするものである。
また、特許文献2は、金属板の所要部位に線状のビード部を形成し、このビード部内に生じさせた割れによって、該金属板の制振効果を高めようとするものである。
しかしながら、前記した従来の発明には次の問題がある。
前記した特許文献1に記載の発明は、材料内部に脆い層を形成するために、低炭素鋼においては、意図的に浸炭を行ったり、あらかじめ脆い材料である高炭素鋼を用い、それに急冷等の熱衝撃を与えることを特徴としている。
そのため、特許文献1の技術を利用して機械部品の制振性を高めようとすると、強度上浸炭の必要のない部位に使用する場合にまで浸炭が必要となったり、高炭素鋼を使うのが適しない部位にまで高炭素鋼等の割れやすい材料を用いることとなり、本来最適と判断される材料や、適した熱処理を選択することができず、材質、熱処理方法の選択が著しく制限されてしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載の発明は、その明細書にも記載されている通り、焼入硬化能を利用しており、焼入硬化能が大きく割れ感受性の高い金属板を用い、割れを発生させる部位にビード部を形成させて割れを付与させることを特徴としている。従って、必然的にこの技術は焼入硬化能の高い金属板を用いないとその効果が得られないものであり、鋼板という形状面での制約に加えて、材質面で適用範囲が大きく制限されてしまうという問題がある。
前記課題を解決することを目的に成された発明として、特許文献3に記載の機械部品用制振素材及びその製造方法がある。この機械部品用制振素材は、材質面での制限が少なく要求に応じた材質選択が容易であり、多くの機械部品に広く適用することができ、優れた制振特性を得ることができる。
特開昭52−147510号公報 特開2000−35082号公報 国際公開第WO 2006/025488 A1号パンフレット
上記特許文献3には、圧入又は鍛造等で溝部を形成し、溝部内空間を縮小させる方向に加工することによって非結合界面を形成することにより、制振性を改善する手法について記載されているが、圧入による方法は、生産性の点で若干問題があり、溝部の形成には溝加工用パンチへの付加が大きいという問題があり、さらに生産性が良く、型に負担のかからない、容易に作製可能な機械部品用制振素材の開発が強く望まれていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、材質面での制限が少なく要求に応じた材質選択が容易であり、多くの機械部品に広く適用することができ、さらに制振性向上のための非結合界面を効率良く成形することのできる機械部品用制振素材及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、素材に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位を形成する剪断加工と、該スライド部位を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行うことによって形成した、金属的に結合することなく接触している非結合界面を有することを特徴とする機械部品用制振素材にある(請求項1)。
本発明は、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に行うことにより非結合界面を形成するという、特定の手順によって意図的に付与した非結合界面を有するものである。このような非結合界面を設けることにより、十分に大きな制振性改善効果が得られるものである。また、上記非結合界面は、剪断加工及び嵌め戻し加工を連続的に行うことにより生成できるので、これらの加工が可能な材質であれば、共通して大きな制振効果が得られるという利点があり、前記特許文献1、2記載の発明に比べ、材質面の制限をはるかに小さくすることができる。また、上記剪断加工と上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことにより、前記特許文献3に記載の手法よりも、効率よく機械部品用制振素材を製造することができる。
また、剪断加工と嵌め戻し加工を連続的に行うことによって非結合界面を生成させるため、非結合界面の位置を機械部品にとって都合の良い位置及び形状とすることが容易となる。従って、部品の強度上問題とされない位置(=高い応力が負荷されない位置)に非結合界面を設けることにより、非結合界面を有するにもかかわらず強度面でも問題のない機械部品を製造可能な素材を得ることができる。
また、優れた制振性を確保するためには、生成した非結合界面の隙間が狭く閉じて、金属結合することなく接触していることが必要である。なお、ここでいう接触とは、ミクロに見れば非接触の部分が部分的又は連続的に存在する場合も含んでおり、拡大鏡に頼ることなく肉眼のみで観察した場合に、見かけ上界面で接触しているように見える場合をすべて含むものである。本発明では、上記のごとく、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続して行うことによって、このような状態の非結合界面を容易に得ることができるのである。
第2の発明は、金属的に結合することなく接触している非結合界面を有する機械部品用制振素材を製造する方法であって、
素材に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位を形成する剪断加工と、該スライド部位を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行う鍛造工程を有することを特徴とする機械部品用制振素材の製造方法にある(請求項11)。
この製造方法によれば、上述した優れた機械部品用制振素材を確実に製造することができる。
第3の発明は、第1の発明に記載の機械部品用制振素材に加工を加えることにより作製してなることを特徴とする機械部品にある(請求項14)。
第1の発明の優れた機械部品用制振素材を素材として、これに加工を加えて作製した機械部品、例えば、上記機械部品用制振素材に歯部を形成した歯車等は、非常に優れた制振特性を発揮し、有用である。
以下、発明の内容について詳細に説明する。
第1の発明の機械部品用制振素材は、上記剪断加工と、上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことによって形成した、金属的に結合することなく見掛け上ほぼ全面が接触している非結合界面を有する。
上記剪断加工は、素材に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位を形成する。また、上記嵌め戻し加工は上記スライド部位を元の位置に戻す。これらの加工方法の選択は材質に合わせて適当な方法を選択することができ、冷間で行っても良いし、加熱して熱間で行うこともできる。但し、非結合界面にスケールを挟み込んだ状態の方が優れた制振性が得られることと、より大きな部品に対応可能となるため、可能であるなら、スケールの生成が期待できる熱間で加工することがより好ましい。
なお、上記剪断加工は、例えば、一対のダイスとポンチを用いて素材を剪断変形することにより行う。そのため、スライドの管理のみで、非結合界面のでき方を制御することができる。
また、後述の実施例では、全て内径側の部品を下方にスライドする例のみを示しているが、本発明の場合、非結合界面が成形できれば目的は達成することができるため、スライドする方向は問わない。したがって、内径側の部品を上方にスライドしても全く同様の効果を得ることができる。
また、剪断加工には、スライド部位をその周囲の部位と完全に切り離さない場合と完全に切り離す場合とがあるが、以下、前者をハーフシェア加工、後者をフルシェア加工と記すこととする。
剪断加工を行った後は、嵌め戻し加工によってそのスライド部位を元の位置に戻すように加工を加え、最終的に成形した界面上で見掛け上全面がほぼ接触した状態となるまで加工することにより、非結合界面の成形が完成する。ここで言う界面上の接触とはあくまでも見掛け上であり、厳密に全面が接触しているかどうかは必要としない。従って、仮に顕微鏡観察した結果部分的又は連続的に非接触の部分があったとしても、そのことを理由に本発明の対象外となることはなく、肉眼でほぼ接触しているように見える状態まで加工されていれば十分である。その状態まで加工することにより、制振性を大幅に向上することができる。
機械部品は、生産性が優れていることから鍛造によって製造される場合が多い。そのため、従来から鍛造で製造されていた部品に対し本発明を適用する場合には、従来の鍛造工程を、上記剪断加工と上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことが可能な工程に設計し直すことにより、生産性にほとんど影響を及ぼすことなく、非結合界面を付与した機械部品を製造することが可能である。
上記鍛造工程としては、基本的には、素材加熱工程、つぶし工程、粗地工程、仕上げ工程、抜き工程の順に加工を行い、最終形状とする。
本発明では、つぶし工程、粗地工程、仕上げ工程、抜き工程のいずれかの工程において、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に行うことが可能である。そのため、生産性を大幅に低下させることなく製造することができる。
本発明の機械部品用制振素材は、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から離脱しないようにずらすハーフシェア加工であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、スライドの度合いを調節することによって、両表面に貫通している非結合界面、あるいは、非貫通の非結合界面を有する機械部品用制振素材を得ることができる。
また、容易に嵌め戻し加工ができるので、寸法精度や安定性に優れたものを容易に得ることができる。
また、上記ハーフシェア加工を採用した場合、上記非結合界面は、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面側にそれぞれ独立して形成されており貫通していない構成とすることができる(請求項3)。
この場合には、スライド長さを変化させることにより、最終的に生成される非結合界面の長さを調整することができる。また、上記スライド部位とその周囲の部位が切り離されていない連結部を有した状態とすることができる。
また、生成させる非結合界面は、その大きさに比例して制振性向上効果が左右されるので、ある程度大きな非結合界面を生成させることが必要である。すなわち、非結合界面の面積が広いほど振動を減衰する効果が大きくなるからである。具体的には、両端表面側に形成された上記非結合界面の合計深さが、同一方向の厚み寸法の20%以上であることが好ましい。上記合計深さが20%未満の場合には、振動の減衰効果が十分に得られないおそれがある。また、上限は特に規定していない。なお、十分な制振効果を得るためには、非結合界面の合計深さを同一方向の厚み寸法の50%以上とすることが望ましい。
また、上記ハーフシェア加工を採用した場合でも、上記非結合界面は、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通して形成されている構成とすることもできる(請求項5)。
上記剪断加工として上記ハーフシェア加工を用いて、上記剪断加工のスライドの度合いを高めれば、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通して非結合界面を有する機械部品用制振素材を製造することができる。
また、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工とすることもできる(請求項4)。
この場合には、両表面に貫通して形成された非結合界面を有する機械部品用制振素材を得ることができる。
すなわち、上記非結合界面は、必ず上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通して形成されている状態となる(請求項5)。
なお、この場合でも、非結合界面を真円としなかったり、多角形等としておけば、駆動力を伝達する場合であっても問題が生じることはない。また、機械部品用制振素材の表面において非結合界面部分を外から溶接により固定しておくことも可能である。
また、上記機械部品用制振素材は、制振特性を有する歯車を形成するための歯車用制振素材であり、リング状または円盤状の本体部と、その外周側面又は内周側面に設けた歯型形成部を有しており、上記非結合界面は、上記本体部の軸方向に形成されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記機械部品用制振素材は、制振特性を有する歯車を形成するための歯車用制振素材として使用すると、その効果をさらに著しく制振性が向上することができる。
歯車は、歯と歯が噛み合うことによりエンジン等の動力を伝達する役目を果たす部品であるが、歯車の部品全体に均等に応力が負荷されるのではなく、駆動力は歯部に集中して負荷されるため、歯部から離れた位置、すなわち、例えば外周又は内周に歯が加工された歯車では、この外周又は内周の歯部以外の領域には、大きな力が負荷されることがない。場合によっては、軽量化のために部分的に貫通穴をあけて使用されている場合もある。そこで、本発明者等は、このような歯車における応力負荷状態に注目し、歯を加工する領域から適当な長さ離れた位置に非結合界面を成形し、製造した歯車について、実際の使用時と同様に駆動力を負荷した疲労試験を実施した。その結果、負荷する駆動力を増加していった際に非結合界面からの破壊によるのではなく、歯部の破壊によって歯車の強度限界が起きることを把握し、本発明の有効性を確認したものである。
なお、歯車は、高強度を得る必要がある場合には浸炭等の表面硬化処理が行われることが多くあるが、本発明はこのような表面硬化処理の有無に関係なく、優れた制振性を得ることができる。
従って、本発明の機械部品用制振素材を用いて歯車を製造することにより、著しく制振性に優れた歯車を容易に製造することができる。
また、本発明において、上記非結合界面は、鍛造用プレスにセットした金型を用いることにより、連続的に成形することを特徴としているため、非結合界面は、多種類の形状を選択することができる。例えば、環状としたり、正多角形とすることもでき、また、対称形状としても、非対称形状としてもどちらでも構わない(請求項7〜10)。
そして、非対称形状とする場合には、不等辺多角形、不規則な波形、その他様々な形状がある。この場合には、制振効果をさらに高めることが期待できる。
第2の発明の機械部品用制振素材の製造方法において、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から離脱しないようにずらすハーフシェア加工と、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工のいいずれかを選択することができる(請求項12、13)。
そして、スライド長さの調整によって、非結合界面の面積を自由に調整することができ、ハーフシェア加工でもずらす量が比較的多い場合や、フルシェア加工の場合には、両表面に貫通して形成された非結合界面を有する機械部品用制振素材を得ることができる。
(実施例1)
次に、本発明の機械部品用制振素材にかかる実施例について、図1及び図2を用いて説明する。
図1、図2に示すように、本例の機械部品用制振素材1は、素材2に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位21を形成する剪断加工と、該スライド部位21を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行うことによって形成した、金属的に結合することなく接触している非結合界面22を有する。
上記素材2として用いた鋼はSCR420Hであり、その化学成分は、0.21%C−0.28%Si−0.83%Mn−1.10%Cr−0.028Al−0.011%N鋼である。
上記機械部品用制振素材1の製造方法は、具体的には、まず、上記鋼を加熱し、つぶし工程を行い、素材2とした。その後、粗地工程内で剪断加工と、嵌め戻し加工とを連続的に実施し、機械部品用制振素材1を作製した。なお、本実施例では、その後さらに、中央に有底穴を加工する仕上げ加工を行い、最後に抜き加工により最終形状の部品を得た。このように、非結合界面の成形は、仕上げ加工に限らず、途中のどの工程でも行うことが可能である。
以下、本発明に該当する剪断加工と嵌め戻し加工について、さらに説明する。
上記剪断加工としては、図1(b)に示すように、熱間鍛造で、同図に示すB方向に剪断応力を加えて、スライド長さdを調整し、上記スライド部位21が上記素材2の周囲の部位23から離脱しないようにずらす、ハーフシェア加工を行った。
次に、上記嵌め戻し加工としては、図1(c)に示すように、剪断加工後に冷却することなく引き続いてさらに熱間鍛造により、上記スライド部位21が元に戻る方向に加工を加えた。その結果、外観上では、上記素材の周囲の部位23の内径側と剪断工程で形成された上記スライド部位21の外径側が接触した状態となった。
また、図2に、図1(c)におけるA方向から見た状態を示す。同図に示すように、上記非結合界面22は素材の中心Oから距離Lの位置に円状に形成した。
図1(c)は、機械部品用制振素材1の断面図であり、同図に示すように、上記剪断応力付与方向Bに沿って、非結合界面22が両表面に貫通して形成されている。
なお、非結合界面22が貫通している場合には、用途にもよるが部品として、使用上問題が生じる場合がある。この場合には、スライド部位21を嵌め戻した際に、図1(d)に示すように、さらに、D方向に若干の圧縮変形を加えて非結合界面22に変形を加える方法や、機械部品用制振素材1の表面において、非結合界面22の一部を外から溶接する等の方法で、スライド部位21が容易に離脱しないようにすることができる。また、熱間で加工することにより、非結合界面22上にはスケールが挟み込まれた状態となるが、このスケールの存在によっても制振性が向上するので、使用中にスケールが離脱しないようにするためにも、非結合界面22部分を外から溶接することは効果がある。これらの点においては、後述する実施例についても同様である。
また、さらに機械部品用制振素材の外径側中心の方向に変形を加えて、スライド部位21をより確実に離脱しないようにすることもできる。
(実施例2)
本例は、実施例1と同様の鋼を用いて、実施例1におけるハーフシェア加工のスライドの度合いを抑えて行った例である。その他の工程は実施例1と同様に行った。
図3に、本例において作製された機械部品用制振素材102の断面図を示す。同図より、本例の機械部品用制振素材102の非結合界面22は、剪断応力付与方向Bに沿って、両表面側にそれぞれ独立して連結部24を挟んで形成されており貫通していないことが分かる。
(実施例3)
本例は、実施例1と同様の鋼を用いて、実施例1における、ハーフシェア加工をフルシェア加工に変えた例である。その他の工程は、実施例1と同様である。本例の機械部品用制振素材103の製造工程を、図4に示す。
上記フルシェア加工は、図4(b)に示すように、上記スライド部位21が上記素材2の周囲の部位23から完全に離脱するようにずらして行った。
その結果、外観上では、上記素材の周囲の部位23の内径側と剪断工程で形成された上記スライド部位21の外径側が接触した状態となった。図4(c)はこのようにして作製された機械部品用制振素材103の断面を示す。同図より知られるごとく、機械部品用制振素材103の非結合界面22は、上記剪断応力付与方向Bに沿って、両表面に貫通して形成されている。
(実施例4)
本例は、図6及び図7に示すように、平歯車4に本発明を適用した例である。まず、図5には、基本となる従来の平歯車の製造方法を示す。
従来の平歯車の製造工程は、図5に示すごとく、塊状の鋼25を加熱する素材加熱工程(a)と、加熱された鋼25をつぶすつぶし工程(b)と、仕上げ鍛造用の素材2の形状とする粗地工程(c)と、上記素材2を粗方の形状の中間体26に加工する仕上げ工程(d)と、上記粗方の形状の中間体26の中央部分27を抜く抜き工程(e)を順に行うものである。この製造工程を行う場合には、図5(f)に示す、非結合界面を有していない従来の平歯車9が得られる。
この従来の平歯車9は、中央に軸穴49を設けた内筒部48を有し、その外周側にリング状の薄肉部45を設け、さらにその外周側に外方に向けて歯を形成した歯型形成領域を有する歯型形成部41を設けたものである。
次に、本発明を適用した製造方法について説明する。図6(a)〜(c)に示すごとく、素材加熱工程(a)〜粗地工程(c)までは図5に示した従来と同様の工程を行う。そして、注目すべき点は、図6(d1)及び図6(d2)に示すごとく、上記従来の製造工程における仕上げ工程(図5(d))に、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に組み入れた点である。その他の工程は従来の製造工程と同様である。鋼には、実施例1と同様のものを用いた。
上記剪断加工としては、図6(d1)に示すごとく、後述する薄肉部45に対してB方向に剪断応力を加え、内筒部48と薄肉部45の一部からなるスライド部21を、歯型形成部41と薄肉部45の一部からなる周囲の部位23から離脱しない範囲でずらすハーフシェア加工を行った。その後、連続して嵌め戻し加工(図6(d2))を行うことで、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通した非結合界面22を形成することができた。
また、図7は、図6(f)におけるC方向から平歯車4を見た図である。平歯車4は、寸法、形状は上記従来の平歯車9と同じであるが、内筒部48と、歯型形成部41とをつなぐ薄肉部45に、上記非結合界面22を設けた点が特徴である。領域Sは、歯型形成領域を示す。
以上のように、本例では、従来の製造工程における仕上げ工程(d)という鍛造工程を、上記剪断加工と上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことが可能な工程に設計し直した。そのため、最終形状として、図6(f)及び図7に示すように、中央に軸穴49を設けた内筒部48を有し、その外周側に非結合界面22を軸方向に有するリング状の薄肉部45を設け、さらにその外周側に外方に向けて歯を形成した歯型形成領域Sを有する歯型形成部41を設けた平歯車4を、従来方法と比較して、生産性をほとんど低下させることなく、容易に形成することができた。
(実施例5)
本例は、図8に示すごとく、実施例4におけるハーフシェア加工(図6(d1))を、後述する薄肉部45に対してB方向に剪断応力を加え、内筒部48と薄肉部45の一部からなるスライド部21を、歯型形成部41と薄肉部45の一部からなる周囲の部位23から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工に変えた例である。その他の工程は、実施例4と同様である。
本例により得られる最終形状は、実施例4と全く同様である。
(実施例6)
本例は、図9に示すように、平歯車6に本発明を適用した別の実施例である。
本発明を適用した製造方法について説明する。図9(a)〜(d)に示すごとく、素材加熱工程(a)〜仕上げ工程(d)までは図5に示した従来と同様の工程を行う。そして、注目すべき点は、図9(e1)及び図9(e2)に示すごとく、上記従来の製造工程における抜き工程(図5(e))に、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に組み入れた点である。その他の工程は従来の製造工程と同様である。鋼には、実施例1と同様のものを用いた。
上記剪断工程としては、図9(e1)に示すごとく、後述する薄肉部45に対してB方向に剪断応力を加え、内筒部48と薄肉部45の一部からなるスライド部21を、歯型形成部41と薄肉部45の一部からなる周囲の部位23から離脱しないようにずらすハーフシェア加工を行った。その後、連続して嵌め戻し加工(図9(e2))を行い、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通した非結合界面22を形成することができた。
図9(f)に示す平歯車6は、寸法、形状は上記従来の平歯車9と同じであるが、内筒部48と、歯型形成部41とをつなぐ薄肉部45に、上記非結合界面22を設けた点が特徴である。
以上のように、本例では、従来の製造工程における抜き工程(e)という鍛造工程を、上記剪断加工と上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことが可能な工程に設計し直した。そのため、最終形状として、図9(f)に示すように、中央に軸穴49を設けた内筒部48を有し、その外周側に非結合界面22を軸方向に有するリング状の薄肉部45を設け、さらにその外周側に外方に向けて歯を形成した歯型形成領域を有する歯型形成部41を設けた平歯車6を、生産性をほとんど変化させることなく、容易に形成することができた。
(実施例7)
本例は、図10に示すごとく、実施例6におけるハーフシェア加工(図9(e1))を、後述する薄肉部45に対してB方向に剪断応力を加え、内筒部48と薄肉部45の一部からなるスライド部21を、歯型形成部41と薄肉部45の一部からなる周囲の部位23から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工に変えた例である。その他の工程は、実施例6と同様である。
本例により得られる最終形状は、実施例6と全く同様である。
(実施例8)
本例は、図11に示すように、平歯車8に本発明を適用した例である。
本発明を適用した製造方法について説明する。図11(a)、(b)に示すごとく、素材加熱工程(a)つぶし工程(b)は図5に示した従来と同様の工程を行う。そして、注目すべき点は、図11(c1)及び図11(c2)に示すごとく、上記従来の製造工程における粗地工程(図5(c))に、剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に組み入れた点である。その他の工程は従来の製造工程と同様である。鋼には、実施例1と同様のものを用いた。
上記剪断工程としては、図11(c1)に示すごとく、後述する薄肉部45となる部分に対してB方向に剪断応力を加え、その内部のスライド部21を、周囲の部位23から離脱しないようにずらすハーフシェア加工を行った。その後、連続して嵌め戻し加工(図11(c2))を行い、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通した非結合界面22を形成することができた。
最終形状である、図11(f)に示す平歯車8は、寸法、形状は上記従来の平歯車9と同じであるが、内筒部48と、歯型形成部41とをつなぐ薄肉部45に、上記非結合界面22を設けた点が特徴である。
以上のように、本例では、従来の製造工程における粗地工程(c)を、上記剪断加工と上記嵌め戻し加工とを連続的に行うことが可能な工程に設計し直した。そのため、最終形状として、図11(f)に示すように、中央に軸穴49を設けた内筒部48を有し、その外周側に非結合界面22を軸方向に有するリング状の薄肉部45を設け、さらにその外周側に外方に向けて歯を形成した歯型形成領域を有する歯型形成部41を設けた平歯車8を、生産性をほとんど変化させることなく、容易に形成することができた。
(実施例9)
本例は、図12に示すごとく、実施例8のハーフシェア加工(図11(c1))を、後述する薄肉部45となる部分に対してB方向に剪断応力を加え、その内部のスライド部21を、周囲の部位23から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工に変えた例である。その他の工程は実施例8と同様である。
本例により得られる最終形状は、実施例8と全く同様である。
(実施例10)
本例では、実施例1で作製した機械部品用制振素材1及び実施例2で作製した機械部品用制振素材102に対し、さらに、仕上げ工程及び抜き工程を行い、表1及び図13に示すように、3種類の平歯車5(試料E1〜試料E3)を作製した。また、同図に示すごとく、平歯車5は、軸穴部59を有し、外周の歯型形成領域Sまで厚みが一定である。その歯先円径gは84mm、歯幅hは12mm、モジュールは2、歯数は40とした。
また、表1に示すごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E3は、非結合界面22を有するものを採用し、その非結合界面径Dは63.5mmとした。また、非結合界面22の深さは、上述したハーフシェア加工におけるスライドの度合いを調整することによって制御し、3.28〜12mmの範囲とした。また、従来品との差異が明確に比較できるようにするため、比較例(試料C1)として同じ成分の鋼からなる非結合界面を有していない素材と、別の比較例(試料C2)として従来から鋼に比較して制振性が優れていると言われている球状黒鉛鋳鉄の中の1つであるFCD500についても、上記平歯車5と同一の寸法に加工した。
Figure 2008014396
また、実際の歯車では、要求される強度を満足させるために、浸炭処理されることが多く、その処理による影響を正確に把握しておく必要がある。そこで、これらの平歯車5(試料E1〜試料E3)及び試料C1、試料C2について浸炭処理前と浸炭処理後の制振性評価を行った。
上記浸炭処理は、浸炭処処理条件950℃×3時間の条件で行った。
上記制振性評価は、試料を2本のワイヤに吊り下げた状態で図14に示すS1の位置をハンマーで加振して、その加振により発生した対角の歯の端面の振動をレーザー変位計を用いて測定するという方法で行った。そして得られた振動の波形から対数減衰率を計算し、その値によって制振性の改善レベルを評価した。結果を表2に示す。なお、表2に示した数値は、比較例としての試料C1の浸炭処理前の対数減衰率を1とした場合の各歯車試験片の浸炭処理前の対数減衰率を比で表示したものである。
Figure 2008014396
表2から明らかなように、本例のように剪断加工と嵌め戻し加工とを連続的に利用して素材中に非結合界面を導入した実施例(試料E1〜試料E3)は、非結合界面を全く有しない比較例(試料C1、試料C2)に比べて対数減衰率が高く、非結合界面の生成により、大幅に制振性が改善されることがわかる。特に、非結合界面の全厚さに対する割合を61.9%、100%とした実施例(試料E2、試料E3)は、格段に対数減衰率が高く、極めて高い効果が確認できた。特に非結合界面の深さを増して、非結合界面の面積を増加させていくほど、制振性が向上していくことがわかる。
また、表2より明らかなように、本発明である非結合界面の形成による効果は、浸炭の有無に関係なく大きな制振性向上効果が得られることがわかる。また、原因は明確ではないが、得られた結果から判断すると非結合界面がない試料C1及び試料C2では、浸炭前後で制振性に差異が見られないにもかかわらず、非結合界面を付与した試料E1〜試料E3については、かなり大きな差異が認められた。
また、本例で用いた試料は、剪断加工としてハーフシェア加工を行ったものを用いたが、剪断加工としてフルシェア加工を行ったとしても、本発明の実施例である試料E3と同様の結果を得ることができることを確認した。
実施例1〜実施例10では、非結合界面22の形状は全て実験を容易にするため円形状とした。しかし、本発明において非結合界面は制振性を高められればよいので円形状に限定されるものではなく、他の形状とすることも勿論可能である。
例えば、図15、図16に示すごとく、機械部品用制振素材又は機械部品としての円盤状の部材7を想定した場合、正多角形の非結合界面71、72を形成することができる。さらに、図17、図18に示すごとく、非対称である不等辺の多角形状を呈する非結合界面73、74であってもよい。その他の非結合界面形状の例を図19〜図21に示す。図19は、角形スプライン状に非結合界面75を設けた例である。図20は、インボリュートスプライン状に非結合界面76を設けた例である。図21は、セレーション状に非結合界面77を設けた例である。
また、図17、図18に示すごとく、不等辺多角形の非結合界面73、74等を採用した場合には、下記理由により等辺多角形とした場合と比較して制振性が改善されると考えられる。
すなわち、歯車のように内径側あるいは外径側に等間隔で歯を形成してあると、歯車対の噛み合いは、回転周波数と歯数に応じて、ある特定の周波数となる。また、トルクも同様にある特定の周波数で生じる。等辺多角形の非結合界面の場合は、噛み合い歯面からのトルクや振動の周期的な伝達に対し、非結合界面も角数に応じた周期でそれらを受けるので、振動減衰効果が小さくなる可能性がある。それに対して、不等辺界面であると、振動減衰する界面が不定周期になるため、実際の歯車駆動環境において、より制振効果の向上が期待できる。
実施例1における、機械部品用制振素材の製造方法を示す説明図。 実施例1における、機械部品用制振素材を示す説明図。 実施例2における、非結合界面成形後の状態を示す説明図。 実施例3における、機械部品用制振素材の製造方法を示す説明図。 従来の平歯車の製造方法を示す説明図。 実施例4における、平歯車の製造方法を示す説明図。 実施例4における、平歯車を示す説明図。 実施例5における、フルシェア加工を示す説明図。 実施例6における、平歯車の製造方法を示す説明図。 実施例7における、フルシェア加工を示す説明図。 実施例8における、平歯車の製造方法を示す説明図。 実施例9における、フルシェア加工を示す説明図。 実施例10における、平歯車を示す説明図。 実施例10における、平歯車の制振性評価時の加振位置を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。 非結合界面の形状の一例を示す説明図。
符号の説明
1 機械部品用制振素材
2 素材
21 スライド部位
22 非結合界面

Claims (14)

  1. 素材に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位を形成する剪断加工と、該スライド部位を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行うことによって形成した、金属的に結合することなく接触している非結合界面を有することを特徴とする機械部品用制振素材。
  2. 請求項1において、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から離脱しないようにずらすハーフシェア加工であることを特徴とする機械部品用制振素材。
  3. 請求項2において、上記非結合界面は、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面側にそれぞれ独立して形成されており貫通していないことを特徴とする機械部品用制振素材。
  4. 請求項1において、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工であることを特徴とする機械部品用制振素材。
  5. 請求項2又は4において、上記非結合界面は、上記剪断応力付与方向に沿って、両表面に貫通して形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記機械部品用制振素材は、制振特性を有する歯車を形成するための歯車用制振素材であり、リング状または円盤状の本体部と、その外周側面又は内周側面に設けた歯型形成部を有しており、上記非結合界面は、上記本体部の軸方向に形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記非結合界面は、環状に形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  8. 請求項7において、上記非結合界面は、対称形状に形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  9. 請求項7において、上記非結合界面は円状に形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  10. 請求項7において、上記非結合界面は、非対称形状に形成されていることを特徴とする機械部品用制振素材。
  11. 金属的に結合することなく接触している非結合界面を有する機械部品用制振素材を製造する方法であって、
    素材に剪断応力を加えて部分的にずらしたスライド部位を形成する剪断加工と、該スライド部位を元の位置に戻す嵌め戻し加工とを連続的に行う鍛造工程を有することを特徴とする機械部品用制振素材の製造方法。
  12. 請求項11において、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から離脱しないようにずらすハーフシェア加工であることを特徴とする機械部品用制振素材の製造方法。
  13. 請求項11において、上記剪断加工は、上記スライド部位が上記素材の周囲の部位から完全に離脱するようにずらすフルシェア加工であることを特徴とする機械部品用制振素材の製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の機械部品用制振素材に加工を加えることにより作製してなることを特徴とする機械部品。
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