JP2008007754A - 液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料 - Google Patents

液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】低電圧かつ短時間で応答可能な、メモリ性を有する液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料を提供すること。
【解決手段】少なくとも第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混合することで、スメクチックA相が誘起された、クロスオーバー周波数を有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物である。また、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が前記スメクチックA液晶組成物を含有する液晶素子であり、更に該液晶素子を備える反射型表示材料、及び調光材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料に関し、特にゲスト−ホスト方式に好適に利用できる液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料に関する。
ディスプレイに要求される性能として、高い視認性と低消費電力が挙げられる。これを満たす液晶素子(液晶表示素子)として、ゲストホスト方式の表示素子が知られており、明るい表示が可能であって、反射型に適した表示素子として期待されている。例えば、特定の置換基を有する二色性色素と、ホスト液晶とを含有する液晶組成物、及びゲストホスト方式の表示素子が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ネマチック液晶では、メモリ性がないため、表示を保持するには電圧を印加し続ける必要がある。これに対し、メモリ性を有するスメクチックA液晶を用いる方法が提案されているが、表示された像を切り替えるには、熱などの大きなエネルギーが必要であるという問題があった。
また、印加電圧の周波数を増大していくと、誘電率異方性Δεが正から負へと変化する二周波駆動液晶を利用して、液晶の配向変化を電場により可逆的におこなう「二周波駆動方法」が知られている(例えば、非特許文献1、2参照。)。この方式では、能動的に液晶の配向をスイッチングでき、二周波駆動性を示すスメクチックA液晶が報告されている(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、非常に大きな電圧を要し、応答時間が遅いという問題があった。したがって、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子の提供が望まれている。
また、環境に対する関心の高まりにともなって、光の量を電気的に調節できる材料、いわゆる電気的な調光材料の重要性が高まっている。これまで、電気的な調光材料としては、酸化還元反応を利用したエレクトロクロミック方式、液晶とポリマーの複合系を利用した高分子分散型液晶(PDLC)方式などが提案されている。しかしながら、エレクトロクロミック方式では電流駆動による大面積化が難しい点、エレクトロクロミック色素の耐久性に課題が残されているなどの問題があり、また、PDLC方式に関しては、散乱白色と透明状態の切り替えしかできないために用途が限られる点、駆動電圧が高い場合があり、その改善が求められていた。
ゲストホスト方式を用いた調光材料は明るい調光が可能であり、調光用途に適した方式として期待されている。しかしながら、これまでに提案されているものは(例えば、特許文献2参照。)、駆動に高い電圧を要し、かつメモリ性がないため、消費電力が大きく、また、依然として調光性能も満足すべきレベルにない場合があり、その改善が求められていた。
特開2004−75821号公報 特開2000−347224号公報 Applied Physics Letters,Vol.25,No.4,186-188(1974) Applied Physics Letters,Vol.41, No. 8, 697-699(1982) Mol.Cryst.Liq.Cryst.,49,83-87 (1978)
本発明の目的は、上記問題を解決することであり、本発明の目的は、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料を提供することである。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 少なくとも、第1のネマチック液晶化合物又は組成物と、第2のネマチック液晶化合物又は組成物と、を含有する、クロスオーバー周波数を有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[2] 少なくとも第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混合することで、スメクチックA相が誘起されたものであることを特徴とする前記[1]に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[3] 前記第1のネマチック液晶化合物又は組成物が、二周波駆動性を示すことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[4] 前記第2のネマチック液晶化合物又は組成物が、二周波駆動性を示すことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[5] 前記第2のネマチック液晶化合物又は組成物が、分子長軸に分極基を有するネマチック液晶化合物を含むことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[6] 前記分極基が、炭素数1〜10のパーフルオロアルコキシ基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基であることを特徴とする前記[5]に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[7] 前記第1のネマチック液晶化合物と第2のネマチック液晶化合物の比率が、20mol%:80mol%〜99.9mol%:0.1mol%であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[8] 電圧を印加するときの周波数を切り替えることで、配向方向が可逆的に変化することを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[9] 更に、二周波駆動性を示す第3の液晶化合物又は組成物を含有し、
前記第3の液晶化合物又は組成物は、低周波数の誘電率異方性Δεと高周波数の誘電率異方性Δεの差が6以上であり、かつ高周波数における誘電率異方性Δεが−8以下であることを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[10] 少なくとも1種の二色性色素を含有することを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
[11] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層を有する液晶素子であって、前記液晶層が前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶素子。
[12] 前記液晶層に少なくとも2種の前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有し、該二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、異なるしきい値電圧を有することを特徴とする前記[11]に記載の液晶素子。
[13] 前記液晶層に少なくとも2種の前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有し、該二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、異なるクロスオーバー周波数を有することを特徴とする前記[11]又は[12]に記載の液晶素子。
[14] 前記異なるしきい値電圧を有する少なくとも2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、及び第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物であり、
クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEa、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’aとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEb、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’bとしたとき、EaはEbより小さく、且つE’aはE’bよりも小さいことを特徴とする前記[12]又は[13]に記載の液晶素子。
[15] 前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物とが、それぞれ二色性色素を含有し、
前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の二色性色素の吸収、及び前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の二色性色素の吸収は、黄色及び青色、マゼンタ及び緑色、並びにシアン及び赤色、からなる群より選択される少なくとも一つの補色の関係にあることを特徴とする前記[14]に記載の液晶素子。
[16] 前記異なるしきい値電圧を有する少なくとも2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物及び第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物からなり、
クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEa、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’aとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEb、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’bとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEc、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’cとしたとき、Ea<Eb<Ec、且つ、E’a<E’b<E’cの関係にあることを特徴とする前記[12]又は[13]に記載の液晶素子。
[17] 前記第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物及び第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、それぞれ吸収の異なる二色性色素を含有し、該二色性色素が、黄色、マゼンタ、及びシアンのいずれかの吸収を示すことを特徴とする前記[16]に記載の液晶素子。
[18] 前記液晶層が積層されてなることを特徴とする前記[11]〜[17]のいずれか1項に記載の液晶素子。
[19] 前記液晶層は、前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物が高分子媒体中に分散された高分子媒体層であり、該高分子媒体層が積層されてなることを特徴とする前記[18]に記載の液晶素子。
[20] 前記高分子媒体がゼラチンであることを特徴とする前記[19]に記載の液晶素子。
[21] 前記液晶層は、マイクロカプセルに包含された前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有してなることを特徴とする前記[11]〜[18]のいずれか1項に記載の液晶素子。
[22] 前記[11]〜[21]のいずれか1項に記載の液晶素子を備える反射型表示材料。
[23] 前記[11]〜[21]のいずれか1項に記載の液晶素子を備える調光材料。
本発明によって、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料、及び調光材料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
1.二周波駆動スメクチックA液晶組成物
従来報告されている二周波駆動ネマチック液晶を利用したゲストホスト方式では、電圧無印加時に画像が保持されない(メモリ性がない)という問題があり、また、二周波駆動スメクチックA液晶化合物はメモリ性を有するが、粘度が高く、極めて高い電圧を印加しなければ応答しないという問題があった。
そこで、鋭意研究を重ねたところ、特定のネマチック液晶化合物又は組成物と、他の特定のネマチック液晶化合物又は組成物とを混ぜることで粘度の低いスメクチックA相が誘起されることを見出し、該液晶化合物がメモリ性を有した低電圧駆動に極めて有効であるとの知見を得、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、少なくとも第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを含有する、クロスオーバー周波数を有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物である。なお、本発明において、二周波駆動スメクチックA液晶組成物とは、25℃においてスメクチックA相を呈し、かつ二周波駆動性を示す液晶組成物をいう。
この二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、少なくとも、第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混合することでスメクチックA相が誘起された液晶組成物であって、二周波駆動性を示し、クロスオーバー周波数を有する。したがって、印加電圧の周波数を大きくすることで誘電率異方性が正から負に変化する。
一般的に、ネマチック液晶化合物は粘度が低いのに対し、スメクチックA相液晶化合物は粘度が高く取り扱いが難しい。そのため、これまでのスメクチックA相液晶化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶素子では、高い電圧を要し、且つ応答速度が遅かった。しかし、本発明の液晶組成物は、主な液晶化合物としては、ネマチック液晶化合物で構成されているので、この液晶組成物を用いた液晶素子では、低電圧で駆動し、且つ応答時間を短くすることができる。
1−1.第1のネマチック液晶化合物及び組成物
本発明における第1のネマチック液晶化合物とは、融点が60℃以下で、かつ液晶相としてネマチック相のみを示す液晶化合物をいう。また、第1のネマチック液晶組成物とは、融点が60℃以下で、かつ液晶相としてネマチック相のみを示す液晶組成物をさし、好ましくは、25℃(室温)でネマチック相を示す液晶組成物をいう。
これに用いる主な液晶化合物は、上記第1のネマチック液晶化合物であるが、更に、ネマチック温度域を広げる目的で、第1のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物を加えてもよい。
第1のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物としては、特に制限されず、融点60℃以上のネマチック液晶化合物であっても、スメクチック液晶化合物であってもよい。
この場合、第1のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物の含有比率は、「第1のネマチック液晶化合物(複数種の場合には合算した量):第1のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物」=70mol%:30mol%〜100mol%:0mol%が好ましく、80mol%:20mol%〜99mol%:1mol%がより好ましく、90mol%:10mol%〜99mol%:1mol%が特に好ましい。第1のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物の含有率が30mol%よりも多いと、融点が60℃以上となったり、スメクチック相を示す場合がある。
なお、第1のネマチック液晶化合物又は組成物が25℃(室温)でネマチック相を呈するかの確認は、偏光顕微鏡で液晶相を観察することによって行うことができる。
また、本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物には、少なくとも1種の第1のネマチック液晶化合物を含めばよいので、第1のネマチック液晶化合物を単一種で含有してもよいし、又は二種以上を併用して、組成物として含有してもよい。更に、添加物を併用してもよい。
1−2.第2のネマチック液晶化合物及び組成物
本発明における第2のネマチック液晶化合物とは、化合物の分子長軸に分極基を有するネマチック液晶化合物をいい、25℃(室温)での状態は、ネマチック相を示す液晶であっても結晶状態であってもよい。但し、25℃(室温)で結晶を示すものである場合には、加熱し温度を上げていった際に、いずれの温度であってもスメクチック相を形成せずに、結晶状態からネマチック相状態に変わるものである。
ここで、分極基としては、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルコキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ基、ノナフルオロブトキシ基)、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、又はシアノ基であることが好ましい。
また、本発明における第2のネマチック液晶組成物とは、液晶温度範囲を制御する目的で、上記第2のネマチック液晶化合物を複数種混合したものを指す。
第2のネマチック液晶化合物又は組成物が25℃(室温)でネマチック相を形成するものであるかの確認は、第1のネマチック液晶化合物又は組成物のときと同様の方法で確認することができる。
また、第2のネマチック液晶化合物又は組成物が25℃(室温)で結晶状態にあり、且つ加温した際にスメクチック相を形成せずに、ネマチック相状態に変わるものであるかの確認も、同様の方法で確認することができる。
なお、本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物には、少なくとも1種の第2のネマチック液晶化合物又は組成物を含めばよいので、第2のネマチック液晶化合物単独で用いてもよいし、または組成物を用いてもよい。
1−3.第1及び第2のネマチック液晶化合物の具体例
第1のネマチック液晶化合物及び第2のネマチック液晶化合物ともに、下記一般式(1)で表される液晶化合物であることが好ましい。第1のネマチック液晶化合物および第2のネマチック液晶化合物が下記一般式(1)で表される液晶化合物の場合には、スメクチックA相を誘起しやすくなるため好適である。
また、骨格が類似する液晶化合物を用いると、それぞれを混合したときに液晶相が安定するため、混合状態が均一な二周波駆動スメクチックA液晶組成物を得ることができる。
一般式(1):T−((D−(L−(D−T
一般式(1)中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。
及びDで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基及びナフタレン基であり、例えば、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が挙げられる。
及びDで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基が含まれる。
及びDで表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜12の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、デカヒドロナフタレンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基である。
及びDの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、置換基を有していても、無置換であってもよい。また、一般式(1)中、e、m又はkが、2以上の場合、複数のD、Dは、各々独立に置換基を有していてもよく、同一の置換基を有していても、異なる置換基を有していても、或いは、無置換であってもよい。
これらの置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれる}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vは、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造であってもよい。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vの中でも、D及びDの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基の置換基として、好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基である。
一般式(1)中、Lは2価の連結基を表す。好ましくは、アルカンジイル基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アゾ基、アゾキシ基、アルキレンオキシ基であり、より好ましくは、アルカンジイル基(例えば、エチレン基)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基)、エステル基である。
一般式(1)中、T及びTは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。Tとして好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜10のアルキル基(例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などをあげることができる);炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜10のアルコキシ基(例えば、n−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシロキシ基をあげることができる);ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)である。
本発明の第1のネマチック液晶化合物及び第2のネマチック液晶化合物において、好ましいTは異なっており、第1のネマチック液晶化合物において、好ましいTは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜10のアルキル基(例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、トリフルオロメチル基などをあげることができる);炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数3〜10のアルコキシ基(例えば、n−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシロキシ基、トリフルオロメトキシ基をあげることができる);ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)である。
一方、第2のネマチック液晶化合物において、好ましいTは、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルコキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ基、ノナフルオロブトキシ基)、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、又はシアノ基である。
一般式(1)中のT及びTで表される上記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基及びアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
及びTで表されるアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基及びアシルオキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特に塩素原子、フッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアシル基であることが好ましい。
一般式(1)中、eは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。eが2又は3を表す場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、mは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。mが2又は3を表す場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよく、複数のL1はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、kは1又は2である。kが2の場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、fは0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2である。fが2の場合、複数のLはそれぞれ異なった連結基を表す。
一般式(1)中、DとDで表される基の総数、すなわちe×m+kが2〜5の整数であり、より好ましくは3〜4の整数である。e及びkがそれぞれ2以上の時、2以上のD及びDはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、fが2以上の時、2以上のLは、同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D−(L)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
特に好ましいe、f、m、kの組み合わせを以下に記す。
(i)e=1、f=1、m=2、k=1
(ii)e=2、f=1、m=1、k=1
(iii)e=2、f=2、m=1、k=1
(iV)e=1、f=1、m=1、k=2
(V)e=1、f=2、m=1、k=2
(VI)e=2、f=1、m=1、k=2
(VII)e=1、f=0、m=2、k=1
以下に、本発明に使用可能な第1のネマチック液晶化合物及び第2のネマチック液晶化合物の具体例及び物性値として転移温度を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、表示した転移温度はINSTEC社製ホットステージを用い、偏光顕微鏡観察にて測定した値である。
Figure 2008007754
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1−4.二周波駆動スメクチックA液晶組成物
[1]スメクチックA相
本発明によれば、上述の通り、少なくとも、第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混ぜ合わせることで、スメクチックA相が誘起される。なお、本発明において「スメクチックA相を示す液晶組成物」とは、25℃の状態でスメクチックA相を形成する液晶組成物をいう。
スメクチックA相を示す液晶組成物であるかの確認は、ガラスプレートに試料をのせ、偏光顕微鏡で観察することによって行うことができる。
このように、融点が60℃以下の第1のネマチック液晶化合物又は組成物と、分極基を有する第2のネマチック液晶化合物又はこれを含有する組成物とを混ぜ合わせることで、スメクチックA相が誘起される理由については明らかになっていないが、非極性あるいは弱い分極性の第一のネマチック液晶化合物または組成物と、分子長軸に分極基を有する第二のネマチック液晶化合物または組成物とが、弱いドナー−アクセプター相互作用により、スメクチック層内の相互作用が向上しているからではないかと推測されるが、本発明はこのメカニズムによって限定されない。
本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物における第1のネマチック液晶化合物と第2のネマチック液晶化合物との比率は、混合して得られた液晶組成物がスメクチックA相を呈し、二周波駆動性を示すのであれば、いかなる割合であってもよいが、第1のネマチック液晶化合物:第2のネマチック液晶化合物は20mol%:80mol%〜99.9mol%:0.1mol%が好ましく、40mol%:60mol%〜99mol%:1mol%がより好ましく、60mol%:40mol%〜90mol%:10mol%であることが特に好ましい。
[2]二周波駆動性
少なくとも、第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混合して得られた液晶組成物は、上述のようにスメクチックA相を呈するが、それに加えて二周波駆動性をも示す。
なお、本発明において二周波駆動性を示す液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数を増加したときに、100Hzから1MHzまで周波数を増加させたときに、誘電率異方性Δεが1以上減少する液晶をいい、必ずしもクロスオーバー周波数を有していなくてもよい。
混合して得られた液晶組成物がクロスオーバー周波数を有する二周波駆動性を示すように調製する方法としては、下記(1)〜(4)の方法を挙げることができるが、これらに限定されない。
(1)クロスオーバー周波数を有さない第1のネマチック液晶化合物とクロスオーバー周波数を有さない第2のネマチック液晶化合物を混合する。
(2)クロスオーバー周波数を有する第1のネマチック液晶化合物とクロスオーバー周波数を有さない第2のネマチック液晶化合物を混合する。
(3)クロスオーバー周波数を有さない第1のネマチック液晶化合物とクロスオーバー周波数を有する第2のネマチック液晶化合物を混合する。
(4)クロスオーバー周波数を有する第1のネマチック液晶化合物とクロスオーバー周波数を有する第2のネマチック液晶化合物を混合する。
上記(1)〜(4)の中でも、低周波数域と高周波数域とで誘電特性Δεの差が大きくなるように、(4)の方法を採用することが好ましい。
また、上記方法で、第1のネマチック液晶化合物と第2のネマチック液晶化合物を混合して、誘起された二周波駆動スメクチックA液晶がクロスオーバー周波数を有さない場合、更に、誘起スメクチックA液晶相を変化させない範囲の添加量の第3の液晶成分を加えることで、誘電率異方性を調整することができる。そのような方法としては、下記(5)〜(8)をあげることができる。ここで、誘起スメクチックA液晶相を変化させない範囲の第3の液晶成分の添加量とは、いかなる添加量であっても良いが、好ましくは、0.01wt%〜30wt%以下であり、更に好ましくは、0.1wt%〜20wt%である。
(5)誘起された二周波駆動スメクチックA液晶の100HzにおけるΔεが正の場合:第3の成分としてΔεが負の二周波駆動性を示さない液晶を加える。
(6)誘起された二周波駆動スメクチックA液晶の100HzにおけるΔεが負の場合:第3の成分としてΔεが正の二周波駆動性を示さない液晶を加える。
(7)誘起された二周波駆動スメクチックA液晶の100HzにおけるΔεが正の場合:第3の成分としてΔεが負の二周波駆動性を示す液晶を加える。
(8)誘起された二周波駆動スメクチックA液晶の100HzにおけるΔεが負の場合:第3の成分としてΔεが正の二周波駆動性を示す液晶を加える。
上記(5)〜(8)の中でも、低周波数域と高周波数域とで誘電特性Δεの差が大きくなるように、(7)の方法を採用することが好ましい。
ここで用いる二周波駆動性を示す液晶化合物又は組成物としては、周波数が100Hzから1MHzまでの範囲において、それぞれ図1(A)に示すように、低周波数域では誘電率異方性Δεが正であって、高周波数域ではΔεが負となるものであってもよいし、図1(B)に示すように、周波数が100Hzから1MHzまでの範囲において、いずれの周波数でも正の誘電率異方性Δεを示すものであってもよいし、図1(C)に示すように、周波数が100Hzから1MHzまでの範囲において、いずれの周波数でも負の誘電率異方性Δεを示すものであってもよい。
但し、本発明のスメクチックA液晶組成物は、スメクチックA相を呈し、二周波駆動性を示すことに加え、1MHz以下の範囲にクロスオーバー周波数を有する。したがって、本発明のスメクチックA液晶組成物を調製するために組み合わせる液晶化合物又は組成物の誘電特性を考慮する必要がある。
ここで、クロスオーバー周波数とは、誘電率の異方性(Δε)が0となる周波数のことをさし、これより低い周波数ではΔε>0となり、これより高い周波数ではΔε<0となる。クロスオーバー周波数の測定は、市販の誘電率測定器(東陽テクニカ製Solartron1255B,1296)によって行うことができる。
クロスオーバー周波数を有する液晶組成物では、周波数によって誘電率異方性Δεを正と負に変更することができるので、この性質を利用して、配向方向を変えることができる。
その他二周波駆動性液晶については、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁を参照することができる。
二周波駆動性を示す液晶化合物の具体例として、以下にイーストマン・コダック社の二周波駆動液晶組成物を示す。
Figure 2008007754

この他にも、市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
少なくとも第1のネマチック液晶化合物と第2のネマチック液晶化合物とを混合して得られた液晶組成物が二周波駆動性を示し、且つクロスオーバー周波数を有するかの確認は、市販の誘電体測定器(東陽テクニカ製solartron1255B,1296)によって行うことができる。
以下では、2種以上の液晶化合物又は組成物を混合して、二周波駆動性液晶組成物の誘電特性や周波数特性を調整する方法について更に詳細に説明する。
一般的に二周波駆動液晶として好ましい誘電特性は、低周波数域でΔεが正に大きく、高周波数域でΔεが負に大きいものである。本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物についても好ましい誘電特性は同様である。
このような誘電特性を付与するために、一般的には、図2に示すように、できるだけ低周波数域で正に大きいΔεを有する二周波駆動液晶(図2中の液晶I)に、周波数に依存せずΔεが負に大きい液晶(図2中の液晶II)を添加する方法がおこなわれている。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。
しかしながら、誘電率異方性Δεが周波数に依存せずに一定の負の値となる液晶を添加することは、低周波数域のΔεを低下させることになり好ましくない。
そこで本発明では、図3に示すように、前記液晶IIのかわりに、第3の液晶成分として、低周波数の誘電率異方性Δεと高周波数のΔεの差が6以上であり、かつ高周波数における誘電率異方性Δεが−8以下である液晶化合物又は組成物(図3中、液晶III)を添加することが好ましい。このように図3に示す液晶Iと液晶IIIを混合することで、低周波数域と高周波数域での誘電率異方性Δεの差が小さくなることを抑えることができる。本発明は、この方法で、低周波数及び高周波数域の誘電率異方性Δεをそれぞれ正と負に大きくすることができる。
第3の液晶成分において、低周波数の誘電率異方性Δεと高周波数のΔεの差は、好適には8以上であり、更に好適には9以上である。また、高周波数における誘電率異方性Δεは、好適には−10以下であり、更に好適には−12以下である。
なお、本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、該液晶に印加される電場の周波数を増加したときに、1MHz以下の範囲において、誘電率異方性Δεが1以上減少する液晶なので、周波数を増大させたときには誘電率異方性Δεが急激に変化する。そこで、本発明における低周波数域とは、図1に示すように、誘電率異方性Δεが急激に変化し始める周波数よりも低い領域をいい、高周波数域とは、急激に誘電率異方性Δεが減少した周波数よりも高い領域をいう。液晶組成物の種類によって、誘電率異方性Δεが減少し始める周波数は異なるため、低周波数域及び高周波数域を一概に特定することはできないが、液晶素子に二周波駆動性を利用する場合には実用可能な周波数範囲である必要があるので、低周波数域としての具体的な範囲は、0.1Hz〜100kHzであるのが好ましく、1Hz〜10kHzであるのがより好ましく、10Hz〜5kHzであるのがさらに好ましい。また、高周波数領域として用いられるのは、100Hz〜10MHzであるのが好ましく、100Hz〜1MHzであるのがより好ましく、1kHz〜1MHzであるのがさらに好ましい。
第3の液晶成分として添加する液晶化合物はネマチック相に限定されないが、第3の液晶成分を加えて全体として得られる液晶組成物は、スメクチックA相を呈する二周波駆動性の液晶組成物でなければならない。スメクチックA相を呈しないと、メモリ性を有さない液晶組成物となる。
第3の液晶成分は、周波数を増加させると誘電率異方性Δεが負に大きくなるように、分子短軸にシアノ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキル基といった分極基を有することが好ましい。
下記に、第3の液晶成分として好適に用いることのできる液晶化合物を示すが、本発明
はこれに限定されるものではない。
Figure 2008007754

更に、本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、ホスト液晶の物性(例えば、液晶相の温度範囲、誘電率異方性(Δε)あるいはクロスオーバー周波数(しきい周波数))を変化させる目的で、第1のネマチック液晶化合物及び第2のネマチック液晶化合物以外の液晶化合物を含有してもよい(図2の液晶IIに相当)。しかし、液晶化合物を添加して最終的に得られる液晶組成物は、二周波駆動性を示し、且つスメクチックA相を呈しなければならない。
以下に、本発明のスメクチックA液晶組成物に用いることのできる第1のネマチック液晶化合物及び第2のネマチック液晶化合物以外の液晶添加物を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008007754

Figure 2008007754

Figure 2008007754

また、本発明のスメクチック液晶組成物は、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しないネマチック液晶化合物を含んでいてもよい。
そのようなネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明のスメクチックA液晶組成物に、ホスト液晶の物性(例えば、液晶相の温度範囲、誘電率異方性、屈折率異方性あるいはクロスオーバー周波数)を変化させる目的で、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、本発明の液晶組成物には、種々の添加剤、例えば、カイラル剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加してもよい。これらの添加物については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
[3]二色性色素
本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が二色性色素を含有すると、カラー表示可能な液晶組成物となるため、二周波駆動スメクチックA液晶組成物が二色性色素を含有するのは好適な態様の1つである。二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。前記二色性色素の吸収極大ならびに吸収帯に関しては特に制限はないが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。
また、上記表示方法に示したように、緑、赤、青域に吸収を有する二色性色素を用いて、これらを含む二周波駆動スメクチックA液晶組成物を並置して、フルカラー表示を行うことも好適である。
それぞれのスメクチック液晶組成物に用いられる二色性色素は、単独で使用してもよいが、複数を混合したものであってもよい。複数の色素を混合する場合には、同一種の発色団を有する色素同士を混合してもよいし、互いに異なる発色団を有する二色性色素を混合してもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。
公知の二色性色素としては、例えば、 A. V. Ivashchenko著、Diachronic Dyes for Liquid Crystal Display、CRC社、1994年に記載のものが挙げられる。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
本発明の二色性色素は、下記一般式(2)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(2):−(Het)−((B−(Q−(B−C
一般式(2)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
一般式(2)中、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
及びBで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
及びBで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1から20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
及びBで表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくは、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
及びBの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基群Vが挙げられる。
置換基群Vのうち、B及びBの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状炭化水素基の置換基として好ましいものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
一般式(2)におけるQは2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。
が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数0〜60、より好ましくは炭素数0〜30、更に好ましくは炭素数0〜20の2価の連結基である。
また、Qが表す2価の連結基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子又はアルキル基、アリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基を挙げることができる。
で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基を挙げることができる。
で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基を挙げることができる。
−NR−基におけるRの表すアルキル基において、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rの表すアリール基において、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
で表される複素環として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
で表される2価の連結基として、特に好ましくは、アルキレン基、アルキニレン基、エーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基である。
一般式(2)におけるCは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。
として好ましくは、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
で表される上記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるシクロアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
で表されるアルコキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアルコキシカルボニル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアシル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアシルオキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
で表されるアルコキシ基としての具体例は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基を挙げることができる。
で表されるアシルオキシ基としての具体例は、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げることができる。
で表されるアシル基としての具体例は、例えば、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基を挙げることができる。
で表されるアルコキシカルボニル基としての具体例は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメトキシ基である。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q、及びrは、各々独立に、0から5までの整数を表し、nは1から3までの整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。p、q及びrが2以上の時、2以上のB、Q及びBは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、((B−(Q−(B)は、同一でも異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i)p=3、q=0、r=0、n=1
(ii)p=4、q=0、r=0、n=1
(iii)p=5、q=0、r=0、n=1
(iv)p=2、q=0、r=1、n=1
(v)p=2、q=1、r=1、n=1
(vi)p=1、q=1、r=2、n=1
(vii)p=3、q=1、r=1、n=1
(viii)p=2、q=0、r=2、n=1
(ix)p=1、q=1、r=1、n=2
(x)p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1、(iv)p=2、q=0、r=1、n=1、又は(v)p=2、q=1、r=1、n=1の組合せである。
さらに、−((B−(Q−(B−Cは、液晶性を示す構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶、スメクチック液晶である。
−((B−(Q−(B−Cの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2008007754

Figure 2008007754

本発明に用いられる二色性色素は、−((B−(Q−(B−Cで表される置換基を1つ以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(2)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔1〕Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキシル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、である。
Figure 2008007754

前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であることが好ましい。Ra1〜Ra12で表されるアルキル基、アリール基及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は、各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基である。
アゾ色素は、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては、芳香族(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラ置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン色素としては、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2008007754

一般式(3)中、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。
−(Het)−{(B−(Q−(B−Cにおいて、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Qは2価の連結基を表し、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B−(Q−(B)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(3)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基である。
また、更に好ましくは、一般式(3)において、R、R、R、及びRの少なくとも一つが、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cの場合である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい例として挙げられる。
フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 2008007754

一般式(4)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
−(Het)−{(B−(Q−(B−Cにおいて、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Qは2価の連結基を表し、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B−(Q−(B)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(4)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基である。
また、更に好ましくは、一般式(4)において、R11、R14、R16の少なくとも一つが、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cの場合である。
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素の二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008007754

Figure 2008007754

Figure 2008007754

Figure 2008007754

以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008007754


以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素及びメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2008007754

前記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報記載の方法に従い合成することができる。
本発明の液晶組成物におけるホスト液晶に対する二色性色素の比率は、吸光係数が色素によって異なるため、いかなる割合であってもよいが、0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜8質量%が特に好ましい。なお、本発明においてホスト液晶とは、二周波駆動スメクチックA液晶組成物をいう。
ホスト液晶への二色性色素の溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用することができる。その他、本発明の液晶組成物の調製については、公知の方法を採用することができる。
[4]液晶の配向
本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、電圧を印加するときの周波数を切り替えることで、配向方向が可逆的に変化する。具体的には、本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は図3などに示すような周波数と誘電率異方性Δεの関係を有するので、クロスオーバー周波数よりも低い周波数でしきい値電圧よりも高い電圧を印加したときに電極に対して垂直方向に配向し、クロスオーバー周波数よりも高い周波数でしきい値電圧よりも高い電圧を印加したときには電極に対して水平方向に配向する。
一般的に、ネマチック液晶化合物は粘度が低いのに対し、スメクチックA相液晶化合物は粘度が高く取り扱いが難しい。そのため、これまでのスメクチックA相液晶化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶素子では、高い電圧を要し、且つ応答速度が遅くなっていた。しかし、本発明の液晶組成物は、主な液晶化合物としては、ネマチック液晶化合物で構成されているので、この液晶組成物を用いた液晶素子では、低電圧で駆動し、且つ応答時間を短くすることができる。
また、本発明のスメクチックA液晶組成物は二周波駆動性を示すため、周波数を変えて電圧を印加することで液晶の配向を変えることができるので配向膜が不要となり、その結果、素子構成がシンプルとなり、製造プロセスを簡略化できる。また、配向膜がない場合には、配向膜による光の吸収あるいは反射がないため、表示性能が高くなり、反射型表示においては、高い反射率を与える。
2.液晶素子
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に上記スメクチック液晶組成物を含有する層を有する。該層に含有される前記スメクチック液晶組成物の形態については限定されず、例えば、該層が、前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物からなる液晶層であってもよいし、また、後述する様に、前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、マイクロカプセル中に包含されていても、ポリマー中に分散されていてもよい。
本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、ゲストホスト方式の表示素子に好適に用いることができる。ゲストホスト方式の表示素子は、ホスト液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示となる。
本発明の液晶素子に用いられる電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック基板が用いられ、プラスチック基板が好ましい。本発明に用いられるプラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
プラスチック基板の厚みには、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加してもよい。
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
基板については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第218〜231頁に詳しい。
一対の基板のうち少なくとも一方の基板表面に、電極層、好ましくは透明電極層が形成される。その電極層としては、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズなどが用いられる。透明電極については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
本発明の液晶素子は液晶を配向させる目的で、液晶と基板の接する表面に配向処理を施した層を形成してもよい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
但し、上記のように、本発明の液晶素子は、二周波駆動可能な本発明のスメクチック液晶組成物を利用しているので、配向膜がなくても印加電圧の増減だけで液晶の配向をスイッチングできる。従って、本発明の液晶素子は、配向膜があっても、なくてもよく、配向膜がない場合、構成が簡略化され、且つ配向膜に起因した表示特性の低下がない等の利点を有する。
本発明の液晶素子は一対の基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設け、その空間に注入することができる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の液晶素子は、更に白色反射板、反射防止膜、輝度向上膜などを備えていてもよい。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
本発明の液晶素子の駆動には、低周波数域及び高周波数域の電圧が用いられる。液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のクロスオーバー周波数等によって異なるが、一般的には該液晶組成物に印加される電場の周波数領域は、0.1Hz〜10MHzであるのが好ましく、1Hz〜1MHzであるのがより好ましい。低周波数領域として用いられるのは、一般的には0.1Hz〜100kHzであるのが好ましく、1Hz〜10kHzであるのがより好ましく、10Hz〜5kHzであるのがさらに好ましい。また、高周波数領域として用いられるのは、一般的には100Hz〜10MHzであるのが好ましく、100Hz〜1MHzであるのがより好ましく、1kHz〜1MHzであるのがさらに好ましい。
本発明にかかる液晶層では、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の色についても、いかなるものであってもよい。例えば、複数の二色性色素を混合して用いる等、黒色の液晶組成物を調製した場合には、電圧の印加によって白黒表示用の液晶素子として利用することができる。
また、レッド、グリーン及びブルーに各々着色された液晶組成物を調製し、3種類の組成物を基板上に並置配置することにより、カラー表示用の液晶素子を作製することもできる。
一方、本発明にかかる液晶層は、特開平10−90715号公報などに記載されているように、1対の電極に挟まれた積層構造であってもよい。既述の本発明の液晶素子の表示方法について説明したとおり、積層方向の層は、減法混色の関係にある二色性色素あるいは補色の関係にある二色性色素をそれぞれに添加することが好ましい。
例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物の各々からなる層を3層積層させる構成;及びイエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物と、補色の関係にあるブルー、グリーン及びレッドに着色した液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを2層積層させる構成;及び黒に着色した液晶組成物の層と、レッド、ブルー及びグリーンの液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを、2層積層させる構成;などが挙げられる。
更に、本発明にかかる液晶層は、特開平11−24090号公報などに記載のように、液晶組成物をマイクロカプセルとして構成してもよい。かかるマイクロカプセルは、高分子樹脂を壁材として、上記二色性色素を含む二周波駆動スメクチックA液晶組成物を壁材に内包させるものである。マイクロカプセルの製造方法は、公知の方法を適宜適用することができる。
また、本発明にかかる液晶層は、特開平5−61025号、同5−265053号、同6−3691号、同6−23061号、同5−203940号、同6−242423号、同6−289376号、同8−278490号、同9−813174号に記載されているように高分子分散液晶であってもよい。
高分子分散液晶は、独立空胞を有する高分子材料の空胞を液晶が満たしていて、液晶が不連続相をとるいわゆるPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal )タイプと、連
続空胞を有する高分子材料の連続空胞を液晶が満たして液晶が連続相をとるいわゆるPNLC(Polymer Network Liquid Crystal )タイプとに大別されるが、本発明においては
いずれであってもよい。当該高分子分散液晶の製造方法は、公知の方法を適宜適用することができる。更に、本発明では、高分子分散液晶を積層させて構成してもよい。
上記積層構造やマイクロカプセルや、高分子分散液晶の独立空胞には、異なる上記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有させることができるため、各層や各マイクロカプセルや独立空胞に包含される二周波駆動スメクチックA液晶組成物を各々独立に駆動させることができる。
3.液晶素子の表示方法
以下に、液晶組成物を独立に駆動する方法について説明する。この場合、前記各層や各マイクロカプセルや独立空胞に包含される複数の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、各々異なるしきい値電圧を有する。また、複数の二周波駆動スメクチックA液晶組成物はクロスオーバー周波数が異なる液晶組成物であることが好ましい。クロスオーバー周波数が異なると、しきい値電圧による各液晶組成物の配向の切り替えに加え、周波数による配向の切り替えも可能となる。
ここで、スメクチックA液晶のしきい電圧と誘電率異方性とは、以下の関係が成立ち、誘電率異方性が大きくなると、しきい値電圧が低くなる。したがって、各々の液晶層のしきい値電圧を考慮して印加電圧を変更すれば、複数の液晶組成物を独立に駆動させることができる。
Vc=8πd(K11B)1/2・(ε///(ε⊥・Δε))
Vcはしきい値電圧、K11は弾性定数(広がり)、Bは層圧縮弾性定数、Δεは誘電率異方性(ε//は分子長軸方向の誘電率、ε⊥は分子短軸方向の誘電率)、dはセルギャップを表す。
液晶組成物のしきい値電圧を測定しようとすると、応答速度が遅いために、通常ネマチック液晶で用いられる装置では困難である。そこで、一定時間電圧を印加したあと、吸光度変化を測定することにより、しきい値電圧の値を求める。
独立に駆動する場合の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧について説明する。2種以上の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の低周波数におけるしきい値電圧をそれぞれEa、Eb、Ec・・・Ex、高周波数におけるしきい値電圧をそれぞれE’a、E’b、E’c・・・E’xとしたとき、Ea<Eb<Ec・・・<Ex、E’a<E’b<E’c・・・<E’xの関係にあることが好ましい。なお、ここで、添え文字(a、b・・・x)が同じ場合には、同じ二周波駆動スメクチックA液晶組成物を表すものとする。
例えば、二周波駆動スメクチックA液晶組成物が3種からなる場合は、第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の低周波数におけるしきい値電圧をEa、高周波数におけるしきい値電圧をE’aとし、第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の低周波数にお
けるしきい値電圧をEb、高周波数におけるしきい値電圧をE‘bとし、第三の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の低周波数におけるしきい値電圧をEc、高周波数におけるしきい値電圧をE’cとすると、Ea<Eb<Ec、且つE’a<E’b<E’cであることが好ましい。
しきい値電圧Ea<Eb<Ec・・・Ex、E’a<E’b<E’c・・・E’xは、すべて0V/μm〜30V/μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、1V/μm〜20V/μmであり、更に好ましくは、1V/μm〜15V/μmである。
特定の周波数における二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧の差、つまり、例えば、EaとEbとの差、EbとEcとの差、或いは、E’aとE’bとの差、E’bとE’cとの差などは、それぞれ独立に、0.1V/μm〜15V/μmであることが好ましく、より好ましくは、0.1V/μm〜5V/μm、特に好ましくは0.2V/μm〜3V/μmである。
しきい値電圧が異なる2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物で構成される液晶素子の表示について説明する。
図4に、2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の「低周波数及び高周波数におけるしきい値電圧と透過率の関係」を示す。このような2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、A,Bの色を呈する二色性色素とを含有する液晶組成物を用いたゲストホスト液晶素子は、白色散乱板を用いることで白・黒・A・Bを表示することができる。
以下では、Aの色を呈する二色性色素を含有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物を「液晶組成物A」、Aの補色であるBの色の二色性色素を含有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物を「液晶組成物B」とする。また、色Aと色Bとは、「青、イエロー」、「緑、マゼンタ」、「赤、シアン」等、互いに補色の関係にある。
ここでは、液晶組成物の初期配向状態が水平配向となるように配向処理し、液晶組成物は2つとも低周波数においては誘電率異方性Δεが正であって、高周波数では負に変化するものであり、且つ、ポジ型の二色性色素の場合を例に説明する。
図4におけるEは、2つの液晶組成物A及び液晶組成物Bにおける低周波数での各々のしきい値電圧Ea及びEbよりも大きい電圧である。Eは、低周波数での液晶組成物Aのしきい値電圧Eaよりも高く、且つ低周波数での液晶組成物Bのしきい値電圧Ebよりも低い電圧である。
E’は2つ液晶組成物A及び液晶組成物Bにおける高周波数での各々のしきい値電圧
E’a及びE‘bよりも大きい電圧である。Eは、高周波数での液晶組成物Aのしきい
値電圧E‘aよりも高く、且つ高周波数での液晶組成物Bのしきい値電圧E’bよりも低
い電圧である。すなわち、これらの電圧の関係は、以下のとおりである。
(1) Ea<E<Eb<E
(2) E’a<E’<E’b<E’
初期配向状態において、電圧を印加しない場合には、2つの液晶組成物A及び液晶組成物Bに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物はともに水平配向となり、これにしたがい二色性色素も水平配向となっている。二色性色素は既述のようにポジ型であるため、水平配向の二色性色素はそれぞれの色を呈示する。ここで、2つの二周波駆動スメクチックA液晶組成物にそれぞれ含有される二色性色素は、補色の関係にあるA、Bの色を呈するため、混合されて黒色を表示する。
次に、低周波数において電圧Eを印加すると、液晶組成物Aに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧Eaよりも高い電圧が印加されたため、液晶組成物Aに含まれる液晶の配向が変化する。ここで、用いた二周波駆動スメクチックA液晶組成物は誘電率異方性Δεが正であるため、電圧の印加によって発生した電場と同じ方向に、液晶の配向が変化する。その結果、基板に対して、液晶が垂直に配向した形となり、これに伴い二色性色素も垂直方向に配向する。かかる二色性色素はポジ型であるため、垂直方向に配向する場合には色を呈さなくなる。つまり、液晶組成物Bに含有される二色性色素の色Bのみが呈示される。
低周波数において電圧Eを印加すると、液晶組成物Bに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧Ebよりも高い電圧が印加されたため、液晶組成物Bに含まれる液晶の配向も変化する。液晶組成物Aと同様に配向方向が変化し、その結果、液晶組成物Bに含まれる二色性色素も色を呈さなくなる。つまり、液晶組成物A及び液晶組成物Bに含有される二色性色素がともに色を呈さないため、白色散乱板によって白色を表示する。
低周波数において電圧Eを印加した後、高周波数に変化させると誘電異方性の符号が変化し、正から負に変わる。ここで、E’の電圧を印加すると、共に垂直方向に配向していた液晶組成物A及び液晶組成物Bに含まれる液晶のうち、液晶組成物Aに含まれる液晶のみが、その配向を垂直方向から水平方向に変化させる。液晶組成物Aに含まれる二色性色素もこれによって水平方向に配向し、ポジ型である二色性色素は、Aの色を呈示する。液晶組成物Bの配向はそのままの状態であるため、色を呈さない。その結果、Aの色のみが呈示され、色Aを表示する。
E’の電圧を印加したところを、E’の電圧に変更すると、液晶組成物Bに含まれる液晶も、その配向を垂直方向から水平方向に変化させ、液晶組成物Bに含まれる二色性色素もこれによって水平方向に配向し、ポジ型である二色性色素は、Bの色を呈示する。その結果、A及びBの色が呈示され、これらは補色の関係にあるため、混合して黒色を表示する。
以上から、白、黒、A色、B色の表示を行うことができる。この操作を下記表1にまとめる。なお、表中、「⇒」は電圧印加後、次の電圧を印加することを表す。
Figure 2008007754

なお、上記の例では、初期配向状態を水平方向の場合で説明したが、これに限定されるものではない。
更に、図5に示される断面図のように、積層方向において補色関係にあるゲストホスト液晶素子について、青(B)、緑(G)、赤(R)の液晶素子を並置することで、フルカラー表示をおこなうことができる。
しきい値電圧が異なる3種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物で構成される液晶素子の表示について説明する。
図6に、3種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の「低周波数及び高周波数におけるしきい値電圧と透過率の関係」を示す。このような3種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、黄色、マゼンタ、シアンの3色を呈する二色性色素とをそれぞれ含有する液晶組成物を用いたゲストホスト液晶素子は、白色散乱板を用いることでフルカラー表示をおこなうことができる。
以下では、黄色を呈する二色性色素を含有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物を「液晶組成物Y」、マゼンタの二色性色素を含有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物を「液晶組成物M」、シアンの二色性色素を含有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物を「液晶組成物C」とする。
液晶組成物の初期配向状態が水平配向となるように配向処理し、液晶組成物は3種とも低周波数においては誘電率異方性Δεが正であって、高周波数では負に変化するものであり、且つ、ポジ型の二色性色素の場合を例に説明する。
図6におけるEは、3種の液晶組成物Y、液晶組成物M及び液晶組成物Cにおける低周波数での各々のしきい値電圧Ea、Eb及びEcのよりも大きい電圧である。Eは、低周波数での液晶組成物Y及び液晶組成物Mのしきい値電圧Ea及びEbよりも高く、且つ低周波数での液晶組成物Cのしきい値電圧Ecよりも低い電圧である。Eは、低周波数での液晶組成物Yのしきい値電圧Eaよりも高く、且つ低周波数での液晶組成物M及び液晶組成物Cのしきい値電圧Eb及びEcよりも低い電圧である。
E’は3種の液晶組成物Y、液晶組成物M及び液晶組成物Cにおける高周波数での各々のしきい値電圧E’a、E’b及びE’cよりも大きい電圧である。E’は、高周波数での液晶組成物Y及び液晶組成物Mのしきい値電圧E’a及びE’bよりも高く、且つ高周波数での液晶組成物Cのしきい値電圧E’cよりも低い電圧である。E’は、低周波数での液晶組成物Yのしきい値電圧E’aよりも高く、且つ低周波数での液晶組成物M及び液晶組成物Cのしきい値電圧E’b及びE’cよりも低い電圧である。これらの電圧の関係は、以下のとおりである。
(1) Ea<E<Eb<E<Ec<E
(2) E’a<E’<E’b<E’<E’c<E’
初期配向状態において、電圧を印加しない場合には、3種の液晶組成物Y、M及びCに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物はともに水平配向となり、これにしたがい二色性色素も水平配向となっている。二色性色素は既述のようにポジ型であるため、水平配向の二色性色素はそれぞれの色を呈示する。ここで、3つの液晶組成物にそれぞれ含有される二色性色素は、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色を呈するため、混合されて黒色を表示する。
次に、低周波数において電圧Eを印加すると、液晶組成物Yに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧Eaよりも高い電圧が印加されたため、液晶組成物Yに含まれる液晶の配向が変化する。ここで、用いた二周波駆動スメクチックA液晶組成物は誘電率異方性Δεが正であるため、電圧の印加によって発生した電場と同じ方向に、液晶の配向が変化する。その結果、基板に対して、液晶が垂直に配向した形となり、これに伴い二色性色素も垂直方向に配向する。かかる二色性色素はポジ型であるため、垂直方向に配向する場合には色を呈さなくなる。つまり、液晶組成物Mと液晶組成物Cとに起因したマゼンタとシアンとが呈され、混色して青が表示される。
低周波数において電圧Eを印加すると、液晶組成物Mに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧Ebよりも高い電圧が印加されたため、液晶組成物Mに含まれる液晶の配向も変化する。液晶組成物Yと同様に配向方向が変化し、その結果、液晶組成物Mに含まれる二色性色素も色を呈さなくなる。つまり、液晶組成物Y及び液晶組成物Mに含有される二色性色素がともに色を呈さず、液晶組成物Cに含有される二色性色素のみが色を呈し、その結果、シアンが表示される。
低周波数において電圧Eを印加すると、液晶組成物Cに含まれる二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧Ecよりも高い電圧が印加されたため、液晶組成物Cに含まれる液晶の配向も変化する。その結果、液晶組成物Y、液晶組成物M及び液晶組成物Cに含有される二色性色素がすべて色を呈さなくなり、白色散乱板によって白色を表示する。
一方、低周波数において電圧Eを印加した後、高周波数に変化させると誘電異方性の符号が変化し、正から負に変わる。ここで、E’の電圧を印加すると、垂直方向に配向
していた液晶組成物Y、液晶組成物M及び液晶組成物Cに含まれる液晶のうち、液晶組成物Yに含まれる液晶のみが、水平方向に配向が変化する。液晶組成物Yに含まれる二色性色素もこれによって水平方向に配向し、ポジ型である二色性色素は、黄色を呈示する。液晶組成物M及び液晶組成物Cの配向はそのままの状態であるため、色を呈さない。その結果、黄色を表示する。
低周波数において電圧Eを印加した後、高周波数でE’の電圧を印加すると、液晶
組成物Y及び液晶組成物Mに含まれる液晶が、その配向を垂直方向から水平方向に変化させる。二色性色素もこれによって水平方向に配向するため、ポジ型である二色性色素は、色を呈示するようになる。その結果、液晶組成物Y及び液晶組成物Mに含まれる二色性色素によって、黄色とマゼンタが呈示され、混色して赤色を表示する。
赤色を表示した状態において、周波数を高周波から低周波に変更すると、誘電異方性の符号が再度変化し、負から正に変わる。ここで、Eの電圧を印加すると、水平方向に配向していた液晶組成物Y及び液晶組成物Mに含まれる液晶のうち、液晶組成物Yに含まれる液晶のみが、垂直方向に配向が変化するため、液晶組成物Yに含まれる二色性色素は色を呈さなくなる。その結果、液晶組成物Mのみが水平方向の配向となり、これに含まれる二色性色素によって、マゼンタを表示する。
また、低周波数において電圧Eを印加した後、周波数を高周波から低周波に変更すると、誘電異方性の符号が変化し、正から負に変わる。ここで、E’の電圧を印加すると
、垂直方向に配向している液晶組成物Y及び液晶組成物Mに含まれる液晶のうち、液晶組成物Yに含まれる液晶のみが、水平方向に配向が変化する。結局、液晶組成物Cと液晶組成物Yとが水平方向の配向となり、これに含まれる二色性色素によって、シアンと黄色を呈し、混色して緑を表示する。
更に、高周波数でE’の電圧を印加すると、液晶組成物Y、液晶組成物M及び液晶組
成物Cのすべてが水平方向の配向となり、これらにふくまれる二色性色素がすべて色を呈するため、混色して黒色を表示する。
以上から、白、黒、黄色、マゼンタ、シアン、青、緑、及び赤のフルカラー表示をおこなうことができる。この操作を下記表2にまとめる。なお、表中、「→」は電圧印加後、次の電圧を印加することを表す。
Figure 2008007754

なお、上記の例では、初期配向状態を水平方向の場合で説明したが、これに限定されるものではない。また、Y,M,Cのしきい値電圧の順序も、Y<M<Cに限定されるものではなく、Y<C<M、M<Y<C、M<C<Y、C<M<Y、C<Y<Mのいずれであってもよい。
4.用途
本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、液晶素子の作製に広く用いることができ、特にゲストホスト方式液晶表示素子の作製に用いるのに適する。本発明の二周波駆動スメクチックA液晶組成物を用いて作製されたゲストホスト方式液晶表示素子は、高い表示コントラスト比の画像を表示可能であるとともに、メモリ性を有するため、反射型表示材料や調光材料に好適に用いることができる。
次に本発明をより詳細に説明するため、以下に実施例を示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<ネマチック液晶化合物(4)> 〜第1のネマチック液晶化合物〜
以下のスキームにしたがって、ネマチック液晶化合物(4)を合成した。
Figure 2008007754

(化合物4aの合成)
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(20g)(ALDRICH製)及びCsF−Celite(58.4g)(SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(11), 2021-2026 (1998)に従い調製した)のアセトニトリル溶液(400ml)に、ベンジルブロミド(39.6g)を滴下し、加熱還流下で3時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮後、酢酸エチル(400ml)を加え、濾過をおこなった。濾液を減圧にて濃縮後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)し、得られた粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより、化合物4a(26.7g)を得た。
(化合物4bの合成)
化合物4a(10g)、trans−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸(7.6g)(和光純薬製)及びジメチルアミノピリジン(0.9g)の塩化メチレン溶液(100ml)に、ジシクロカルボジイミド(9.4g)の塩化メチレン溶液(50ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液を濾過後、酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/6)することにより化合物4b(15.8g)を得た。
(化合物4cの合成)
化合物4b(15.8g)のイソプロピルアルコール(150ml)/THF(50ml)混合溶液に、10%Pd/C(2.0g)を添加し、常圧水素添加条件で6時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、減圧にて濃縮した。濃縮残渣を酢酸エチル/ヘキサンか
ら再結晶することにより化合物4c(12.3g)を得た。
(ネマチック液晶化合物(4)の合成)
化合物4c(2.0g)、p−フルオロフェノール(0.64g)(和光純薬製)及び
ジメチルアミノピリジン(0.14g)の塩化メチレン溶液(20ml)に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.4g)の塩化メチレン溶液(10ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液をクロロホルム/1N塩酸水に注加し、濾過後、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。
濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/8
)し、得られた粗結晶をイソプロピルアルコールから再結晶することによりネマチック液晶化合物4(2.1g)を得た。
なお、化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。外観は白色固体であった。ネマチック液晶化合物(4)は、偏光顕微鏡によって、25℃(室温)でネマチック相を形成していることを確認した。
(屈折率異方性Δn)
ネマチック液晶化合物(4)の屈折率異方性Δnを、メルク社製液晶E−7を用いた外挿法により算出したところ、Δn=0.097であった。
(誘電率異方性Δε)
得られたネマチック液晶化合物(4)の誘電率異方性Δεは、メルク社製液晶MLC−6608を用いた外挿法により算出した。
Δε(100Hz)=+7.8
Δε(30kHz)=−2.7
<ネマチック液晶化合物(12)> 〜第2のネマチック液晶化合物〜
以下のスキームにしたがって、ネマチック液晶化合物(12)を合成した。
Figure 2008007754

(化合物12aの合成)
4−ヒドロキシ安息香酸(100g)(東京化成製)、Ru/C(35g)及びKOH(90.9g)水溶液(500ml)を水素加圧下(7.5MPa)、150℃で9時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、氷冷下、pH=1になるまで濃塩酸を加えた。酢酸エチルを加え、抽出をおこなったあと、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をイソプロピルアルコール/ヘキサンから再結晶することにより、化合物12a(16.2g)を得た。
(化合物12bの合成)
化合物12a(14.1g)及びCsF−Celite(49g)(SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(11), 2021-2026 (1998)に従い調製した。)のアセトニトリル溶液(280ml)に、ベンジルブロミド(23.1ml)を滴下し、加熱還流下で3時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮後、酢酸エチル(300ml)を加え、濾過をおこなった。濾液を減圧にて濃縮後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5〜1/1)することにより、化合物12b(22.8g)を得た。
(化合物12cの合成)
化合物12b(3g)、trans−ブチルシクロヘキサンカルボン酸(2.8g)(和光純薬製)及びジメチルアミノピリジン(0.3g)の塩化メチレン溶液(30ml)に、ジシクロカルボジイミド(3.2g)の塩化メチレン溶液(30ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、濾過後、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)し、更にエタノールで再結晶することにより化合物12c(4.1g)を得た。
(化合物12dの合成)
化合物12c(4.1g)のイソプロピルアルコール(60ml)溶液に、5%Pd/C(0.7g)を添加し、常圧水素添加条件で3時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、減圧にて濃縮した。濃縮残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶することにより化合物12d(3.0g)を得た。
(ネマチック液晶化合物(12)の合成)
化合物12d(1.0g)、3,4,5−トリフルオロフェノール(0.48g)(和光純薬製)及びジメチルアミノピリジン(0.08g)の塩化メチレン溶液(10ml)に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.8g)の塩化メチレン溶液(10ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液をクロロホルム/1N塩酸水に注加し、濾過後、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。
濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)し、得られた粗結晶をエタノールから再結晶することによりネマチック液晶化合物12(0.72g)を得た。なお、化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。外観は白色固体であった。ネマチック液晶化合物(12)は、25℃(室温)で結晶の状態であり、加熱してもスメクチックA相を形成しないことを、ガラスプレート上の試料をホットステージで加熱し、偏光顕微鏡で観察することによって確認した。
(屈折率異方性Δn)
得られたネマチック液晶化合物(12)の屈折率異方性Δnは、メルク社製液晶E−7を用いた外挿法により算出した。
Δn=0.03
(誘電率異方性Δε)
得られた液晶化合物12の誘電率異方性Δεは、メルク社製液晶MLC−6608を用いた外挿法により算出した。
Δε(100Hz)=−0.84
Δε(30kHz)=−4.66
<液晶添加物43a> 〜添加物〜
以下のスキームにしたがって、液晶添加物43aを合成した。
Figure 2008007754

(化合物43cの合成)
2,3−ジシアノハイドロキノン(5g)(和光純薬製)、3,4,5−トリフルオロ安息香酸(5.5g)(和光純薬製)及びジメチルアミノピリジン(0.8g)のDMF溶液(100ml)に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.1g)の塩化メチレン溶液(20ml)を滴下し、45℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、濾過後、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/1)し、得られた粗結晶をメタノール/水から再結晶することにより化合物43c(4.2g)を得た。
(液晶添加物43aの合成)
trans−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸(0.75g)(和光純薬製)の酢酸エチル溶液(20ml)に、塩化チオニル(0.33ml)を加え、85℃にて2時間攪拌した。これを化合物43c(1g)及び炭酸カリウム(2.2g)のアセトニトリル溶液(20ml)に、氷冷下で滴下し、2時間攪拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水続いて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)し、得られた粗結晶をエタノールから再結晶することにより液晶添加物(43)(0.64g)を得た。なお、化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。外観は白色固体であった。
得られた液晶添加物43aの誘電率異方性Δεは、メルク社製液晶MLC−6608を用いた外挿法により算出した。
Δε(100Hz)=−11.7
Δε(30kHz)=−13.2
<ネマチック液晶化合物(51)> 〜液晶III〜
以下のスキームにしたがって、ネマチック液晶化合物51を合成した。
Figure 2008007754

(化合物51aの合成)
trans−4−ペンチルシクロヘキシルブロモベンゼン(20g)(関東化学製)、Pd(PhCN)Cl(0.75g)、トリエチルアミン(10.8ml)、トリメチルシリルアセチレン(11ml)(和光純薬製)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.8mg)(和光純薬製)及びヨウ化銅(0.36g)のテトラヒドロフラン溶液(70ml)を窒素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にヘキサンを200ml加え、シリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:ヘキサン)することで、化合物51a(22.8g)を得た。
(化合物51bの合成)
化合物51a(22.8g)のテトラヒドロフラン溶液(100ml)に、氷冷下、1MテトラブチルアンモニウムフロリドTHF溶液(70ml)を滴下し、1時間攪拌した。反応液をヘキサン/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水続いて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:ヘキサン)し、得られた粗結晶をイソプロピルアルコールから再結晶することにより化合物51b(12.1g)を得た。
(化合物51cの合成)
化合物51b(2.7g)のテトラヒドロフラン溶液(30ml)に、−78℃で1.6Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液(7.9ml)を滴下し、2時間攪拌した。反応液に二酸化炭素をバブリングし、4時間攪拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水続いて飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。粗結晶をヘキサンで加熱洗浄することにより化合物51c(2.9g)
を得た。
(ネマチック液晶化合物(51)の合成)
化合物51c(1g)、2,3−ジシアノヒドロキノン(和光純薬製)を用い、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,94,109-118(1983)記載の合成法に従って合成した化合物51d(0.77g)及びジメチルアミノピリジン(0.08g)の塩化メチレン溶液(15ml)に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.83g)の塩化メチレン溶液(5ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、濾過後、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)し、得られた粗結晶をエタノールから再結晶することによりネマチック液晶化合物51(1.2g)を得た。なお、化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。外観は白色固体であった。ネマチック液晶化合物(51)は、25℃(室温)で結晶の状態であり、加熱してもスメクチックA相を形成しないことを、ガラスプレート上の試料をホットステージで加熱し、偏光顕微鏡で観察することによって確認した。
得られたネマチック液晶化合物(51)の誘電率異方性Δεは、メルク社製液晶MLC−6608を用いた外挿法により算出した。
Δε(100Hz)=−13.1
Δε(30kHz)=−22.5
したがって、このネマチック液晶化合物(51)は、図3に示す液晶IIIのような誘電率異方性を示すことが明らかとなった。
[実施例1]
<二周波駆動性誘起スメクチックA(SmA)液晶の調製>
(二周波駆動性誘起SmA液晶−1の調製)
下記表3に示す第1のネマチック液晶化合物、第2のネマチック液晶化合物、添加物、及び液晶IIIを上記の合成方法と同様の方法によって合成した。それぞれの液晶化合物の誘電特性、25℃(室温)での状態や転移温度を、上記と同様の方法で測定し、第1のネマチック液晶化合物、第2のネマチック液晶化合物、添加物、液晶IIIのいずれに相当するかを確認した。その結果を下記表3に示す。
次に、第1のネマチック液晶化合物(1)40mg、第1のネマチック液晶化合物(2)40mg、第2のネマチック液晶化合物(12)20mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させ、1晩放置させて、二周波駆動性誘起SmA液晶−1を得た。
得られたSmA液晶−1は、偏光顕微鏡観察によって、スメクチックA相を形成していることを確認した。
(二周波駆動性誘起SmA液晶−2〜12の調製)
同様の手順にて、下記表3に示す二周波駆動性誘起SmA液晶2〜12を調製した。
Figure 2008007754

(比較二周波駆動SmA液晶の調製)
比較として、Mol. Cryst. Liq. Cryst., Vol.49, 83-87 (1978) 記載の二周波駆動スメクチック液晶化合物(下記(H−3)のRがC13でRがC11のもの)と、これとR及びRのアルキル鎖が異なる3種のスメクチック液晶化合物(H−3)をそれぞれ24mg、28mg、24mg、24mg混合し、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、比較二周波駆動SmA液晶−1を得た。なお、スメクチック液晶(H−3)は、偏光顕微鏡観察からスメクチックA相を呈する化合物であった。
得られた比較二周波駆動SmA液晶−1の誘電率異方性Δεは、1.0(100Hz)、−2.2(30kHz)であった。
Figure 2008007754

<実施例2>
(二色性色素の合成)
二色性色素(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。二色性色素(1−14)は、特開2005−120334号記載の方法に従い合成した。
(液晶素子の作製)
実施例1で作製した本発明の液晶組成物1〜12及び比較二周波駆動SmA液晶−1の各々を、市販の液晶セル(ITO透明電極付き、ポリイミド配向膜付き(ラビング未処理)、ガラス板0.7mm、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付き、E.H.C.社製)に180℃で注入し、液晶素子1〜13を作製した。
(駆動電圧及び応答時間の測定)
作製した液晶素子に、低周波数の矩形交流電圧(±50V,100Hz)を印加し、偏光顕微鏡で配向変化を観察することにより、応答時間を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2008007754

表4から明らかなように、本発明の液晶組成物からなる液晶素子は、低電圧かつ短時間で応答することがわかる。
二周波駆動液晶のクロスオーバー周波数は、粘度と下記比例関係にある(「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第189〜192頁に記載)。
クロスオーバー周波数fc∝1/(分子長L×粘度η)
ここで、本発明の二周波駆動性誘起SmA液晶組成物5におけるクロスオーバー周波数fcは4173であり、比較二周波駆動SmA液晶−1:クロスオーバー周波数fc=295である。
これらの結果から、本発明の二周波駆動性誘起SmA液晶組成物の粘度が低いことがわかる。
<実施例3>(独立駆動実験)
(液晶組成物−1の作製)
実施例1で作製した二周波駆動性誘起SmA液晶−5(93.5mg)と、イエロー二色性色素(1−1)5.6mg及びシアン二色性色素(1−14)0.9mgとの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、緑色の液晶組成物−1を得た。
(液晶組成物−2の作製)
実施例1で作製した二周波駆動性誘起SmA液晶−6(96.5mg)と、マゼンタ二色性色素(1−8)3.5mgとの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、マゼンタ色の液晶組成物−2を得た。
(液晶素子の構造)
図7に、本発明で作製した液晶素子の構造を示す。
ITOガラス基板(EHC社製)間に、互いに補色の関係にある液晶組成物−1、液晶組成物−2からなる表示層を、表示層には、それぞれセルギャップが8μmとなるようにポリスチレンスペーサー(積水化学製)を挿入し、表示層間には、厚さ10μmのポリカーボネート分離基板を介して積層し、非表示面側のガラス基板の裏面に白色散乱板(ユポ・コーポレーション社製)を設けた。
<カラー表示評価>
作製した液晶素子(初期状態は黒色)に、低周波数(100Hz)・高周波数(30kHz)の矩形交流電圧を印加し、カラー表示をおこなった。結果を表5に示す。下記表において、印加電圧1,2は、印加電圧1を印加後、印加電圧2を印加したことを示す。また、「−」は無印加を示す。
Figure 2008007754

表5から明らかなように、1対の電極を用いて複数の液晶層を独立に駆動できることがわかる。また、電圧を切った後、1週間放置しても表示色に変化はなく、メモリ性があることが示された。
<実施例4>
(液晶組成物−3の調製)
実施例1で作製した二周波駆動性誘起SmA液晶−11(94.4mg)及びイエロー二色性色素(1−2)5.6mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、液晶組成物−3を得た。
(液晶組成物−4の作製)
実施例1で作製した二周波駆動性誘起SmA液晶−5(96.5mg)及びマゼンタ二色性色素(1−8)3.5mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、液晶組成物−4を得た。
(液晶組成物−5の作製)
実施例1で作製した二周波駆動性誘起SmA液晶−6(99.4mg)及びシアン二色性色素(1−14)0.6mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、液晶組成物−5を得た。
(液晶素子の構造)
実施例3と同様に、液晶素子を作製した。但し、実施例3の液晶素子では、2層を積層した液晶層であったが、実施例4では、3層を積層させた。
<カラー表示評価>
作製した液晶素子に、低周波数(100Hz)・高周波数(30kHz)の矩形交流電圧を印加し、カラー表示をおこなった。結果を表6に示す。下記表において、印加電圧1,2,3は、印加電圧1を印加後、印加電圧2を、印加電圧2を印加後、印加電圧3を印加したことを示す。また、「−」は無印加を示す。
Figure 2008007754

表6から明らかなように、1対の電極を用いて複数の液晶層を独立に駆動できることがわかる。また、電圧を切った後、1週間放置しても表示色に変化はなく、メモリ性があることが示された。従来技術である補色積層(イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物と、補色の関係にあるブルー、グリーン及びレッドに着色した液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを2層積層させる構成)のものと比較して、色再現域が原理的に100%となり、反射率も向上した。
本発明に適用し得る液晶化合物又は組成物の誘電特性を説明するグラフである。 2種の液晶化合物又は組成物を組み合わせて得られる液晶組成物の誘電特性を説明するグラフである。 2種の液晶化合物又は組成物を組み合わせて得られる液晶組成物の誘電特性を説明するグラフである。 2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物において、低周波数及び高周波数におけるしきい値電圧と透過率の関係を説明するグラフである。 本発明の液晶素子において、液晶層を積層及び並置して形成した一例を示す図である。 3種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物において、低周波数及び高周波数におけるしきい値電圧と透過率の関係を説明するグラフである。 実施例3における液晶素子の概略断面図である。

Claims (23)

  1. 少なくとも、第1のネマチック液晶化合物又は組成物と、第2のネマチック液晶化合物又は組成物と、を含有する、クロスオーバー周波数を有する二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  2. 少なくとも第1のネマチック液晶化合物又は組成物と第2のネマチック液晶化合物又は組成物とを混合することで、スメクチックA相が誘起されたものであることを特徴とする請求項1に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  3. 前記第1のネマチック液晶化合物又は組成物が、二周波駆動性を示すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  4. 前記第2のネマチック液晶化合物又は組成物が、二周波駆動性を示すことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  5. 前記第2のネマチック液晶化合物又は組成物が、分子長軸に分極基を有するネマチック液晶化合物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  6. 前記分極基が、炭素数1〜10のパーフルオロアルコキシ基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基であることを特徴とする請求項5に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  7. 前記第1のネマチック液晶化合物と第2のネマチック液晶化合物の比率が、20mol%:80mol%〜99.9mol%:0.1mol%であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  8. 電圧を印加するときの周波数を切り替えることで、配向方向が可逆的に変化することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  9. 更に、二周波駆動性を示す第3の液晶化合物又は組成物を含有し、
    前記第3の液晶化合物又は組成物は、低周波数の誘電率異方性Δεと高周波数の誘電率異方性Δεの差が6以上であり、かつ高周波数における誘電率異方性Δεが−8以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  10. 少なくとも1種の二色性色素を含有することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物。
  11. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層を有する液晶素子であって、前記液晶層が請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の二周波駆動スメクチックA液晶組成物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶素子。
  12. 前記液晶層に少なくとも2種の前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有し、該二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、異なるしきい値電圧を有することを特徴とする請求項11に記載の液晶素子。
  13. 前記液晶層に少なくとも2種の前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有し、該二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、異なるクロスオーバー周波数を有することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の液晶素子。
  14. 前記異なるしきい値電圧を有する少なくとも2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、及び第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物であり、
    クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEa、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’aとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEb、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’bとしたとき、EaはEbより小さく、且つE’aはE’bよりも小さいことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の液晶素子。
  15. 前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物とが、それぞれ二色性色素を含有し、
    前記第一の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の二色性色素の吸収、及び前記第二の二周波駆動スメクチックA液晶組成物の二色性色素の吸収は、黄色及び青色、マゼンタ及び緑色、並びにシアン及び赤色、からなる群より選択される少なくとも一つの補色の関係にあることを特徴とする請求項14に記載の液晶素子。
  16. 前記異なるしきい値電圧を有する少なくとも2種の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物及び第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物からなり、
    クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEa、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’aとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEb、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’bとし、クロスオーバー周波数よりも低い周波数における前記第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物のしきい値電圧をEc、クロスオーバー周波数よりも高い周波数におけるしきい値電圧をE’cとしたとき、Ea<Eb<Ec、且つ、E’a<E’b<E’cの関係にあることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の液晶素子。
  17. 前記第1の二周波駆動スメクチックA液晶組成物、第2の二周波駆動スメクチックA液晶組成物及び第3の二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、それぞれ吸収の異なる二色性色素を含有し、該二色性色素が、黄色、マゼンタ、及びシアンのいずれかの吸収を示すことを特徴とする請求項16に記載の液晶素子。
  18. 前記液晶層が積層されてなることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれか1項に記載の液晶素子。
  19. 前記液晶層は、前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物が高分子媒体中に分散された高分子媒体層であり、該高分子媒体層が積層されてなることを特徴とする請求項18に記載の液晶素子。
  20. 前記高分子媒体がゼラチンであることを特徴とする請求項19に記載の液晶素子。
  21. 前記液晶層は、マイクロカプセルに包含された前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有してなることを特徴とする請求項11〜請求項18のいずれか1項に記載の液晶素子。
  22. 請求項11〜請求項21のいずれか1項に記載の液晶素子を備える反射型表示材料。
  23. 請求項11〜請求項21のいずれか1項に記載の液晶素子を備える調光材料。
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