JP2007238676A - 液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料及び調光材料 - Google Patents

液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料及び調光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】無色透明状態と、透明な着色状態と、散乱した着色状態との間を低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子の駆動に好適な液晶組成物を提供することである。また、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子、反射型表示材料及び調光材料を提供することである。
【解決手段】側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと、二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、4級アンモニウム塩と、を含有する液晶組成物、及び該液晶組成物を有する液晶素子、反射型表示材料及び調光材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶組成物、液晶素子、反射型表示材料及び調光材料に関し、特にゲスト−ホスト方式の液晶素子に好適に利用できる、液晶素子、反射型表示材料及び調光材料に関する。
ディスプレイに要求される性能として、高い視認性と低消費電力が挙げられる。これを満たす液晶素子(液晶表示素子)として、ゲストホスト方式の表示素子が知られており、明るい表示が可能であって、反射型に適した表示素子として期待されている。例えば、特定の置換基を有する二色性色素と、ホスト液晶とを含有する液晶組成物、及びゲストホスト方式の表示素子が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ネマチック液晶では、メモリ性がないため、表示を保持するには電圧を印加し続ける必要がある。これに対し、メモリ性を有するスメクチックA液晶を用いる方法が提案されているが、像を切り替えるには、熱などの大きなエネルギーが必要であるという問題があった。
一方、ネマチック液晶を電場で動かすために、低周波数の電圧を印加したときに生じる動的散乱状態を利用した表示方式が提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。しかしながら、低周波数の動的散乱状態と高周波数の垂直配向状態の2状態間で表示をおこなうため、ゲストホスト方式では着色状態が散乱してしまい、高画質フルカラー表示に必要なYMC積層構造とすることができないという問題があった。
また、印加電圧の周波数を増大していくと、誘電率異方性Δεが正から負へと変化する二周波駆動液晶を利用して、液晶の配向変化を電場により可逆的におこなう「二周波駆動方法」が知られている(例えば、非特許文献3、4参照。)。この方式では、能動的に液晶の配向をスイッチングでき、二周波駆動性を示すスメクチックA液晶が報告されている(例えば、非特許文献5参照。)。しかしながら、非常に大きな電圧を要し、応答時間が遅いという問題があった。したがって、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子の提供が望まれている。
更に、環境に対する関心の高まりにともなって、光の量を電気的に調節できる材料、いわゆる電気的な調光材料の重要性が高まっている。これまで、電気的な調光材料としては、酸化還元反応を利用したエレクトロクロミック方式、液晶とポリマーの複合系を利用した高分子分散型液晶(PDLC)方式などが提案されている。しかしながら、エレクトロクロミック方式では電流駆動による大面積化が難しい点、エレクトロクロミック色素の耐久性に課題が残されているなどの問題があり、また、PDLC方式に関しては、散乱白色と透明状態の切り替えしかできないために用途が限られる点、駆動電圧が高い場合があり、その改善が求められていた。
ゲストホスト方式を用いた調光材料は明るい調光が可能であり、調光用途に適した方式として期待されている。しかしながら、これまでに提案されているものは(例えば、特許文献2参照。)、依然としての調光性能が満足すべきレベルにない場合があり、その改善が求められていた。
特開2004−75821号公報 特開2000−347224号公報 SID04 DIGEST,1420-1423(2004) Polymer、1992、Vol.33、1822-1825 Applied Physics Letters,Vol.25,No.4,186-188(1974) Applied Physics Letters,Vol.41, No. 8, 697-699(1982) Mol.Cryst.Liq.Cryst.,49,83-87 (1978)
本発明の目的は、無色透明状態と、透明な着色状態と、散乱した着色状態との間を低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子の駆動に好適な液晶組成物を提供することである。また、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子、反射型表示材料及び調光材料を提供することである。
一般にスメクチックA液晶は、高い電圧を要し、また応答時間が遅いという問題があった。また、動的散乱状態を用いる表示方法では、低電圧・短時間応答が可能となるが、着色状態が散乱してしまい、積層構造とすることができないという問題があった。
しかし、本発明者が鋭意検討した結果、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと二周波駆動スメクチックA液晶組成物と4級アンモニウム塩とを含有する液晶組成物を用い、遮断周波数より低い周波数域(低周波数域)での電圧印加における動的散乱状態(乱流状態)を利用し、さらに当該液晶組成物を有する液晶素子を、遮断周波数より高く且つしきい周波数よりも低い周波数(中周波数)、又はしきい周波数よりも高い周波数(高周波数)で駆動させることにより、無色透明状態と透明な着色状態と散乱した着色状態の間を低電圧かつ短時間で応答することを見出し、この知見に基づいて更に検討して本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと、二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、4級アンモニウム塩と、を含有する液晶組成物。
[2] 遮断周波数としきい周波数とを有することを特徴とする前記[1]に記載の液晶組成物。
[3] スメクチックA相であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の液晶組成物。
[4] 前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、スメクチック液晶化合物と、二周波駆動可能なネマチック液晶化合物と、を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶組成物。
[5] 前記スメクチック液晶化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記[4]に記載の液晶組成物。
一般式(1): T−((D−L−(D−T
式中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Lは2価の連結基を表し、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。eは1〜3のいずれかの整数を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、kは1又は2を表し、且つe×m+kは3〜5のいずれかの整数である。
[6] 前記シロキサンポリマーが、下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2007238676
式中、R19、R20、及びR21は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表す。Mは液晶性基を表す。xは3〜100の数を表し、yは0又は1以上の数を表す。ここで、y=0のときはホモポリマーを表し、y≠0のときはコポリマーを表す。xが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2007238676
式中、R19、R20、R21及びR22は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、Mは液晶性基を表し、Lは架橋基を表す。mは2以上の整数を表し、aは1〜100の数を表し、bは0.1以上の数を表し、cは0以上の数を表す。aが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていてもよい。
[7] 少なくとも1種の二色性色素を含有することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶組成物。
[8] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に、前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、を有する液晶素子。
[9] 前記[8]に記載の液晶素子を有する反射型表示材料。
[10] 前記[8]に記載の液晶素子を有する調光材料。
本発明によって、無色透明状態と、透明な着色状態と、散乱した着色状態との間を低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する液晶素子の駆動に好適な液晶組成物を提供することができる。
また、低電圧かつ短時間で応答し、メモリ性を有する反射型表示材料及び調光材料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明は、遮断周波数としきい周波数とを有するスメクチックA液晶組成物であり、更に、当該液晶組成物を有する液晶素子、反射型表示材料及び調光材料である。
従来報告されているスメクチックA液晶を利用した方式では、高電圧及び応答時間がかかり、更に元の状態に戻すのに熱等の大きなエネルギーが必要であった。また、低周波数の電圧を印加したときに生じる動的散乱状態を利用した表示方式では、低周波数の動的散乱状態と高周波数の垂直配向状態の2状態間で表示をおこなうため、ゲストホスト方式では着色状態が散乱してしまい、高画質フルカラー表示に必要なYMC積層構造とすることができないという問題があった。
そこで、鋭意研究を重ねたところ、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと二周波駆動スメクチックA液晶組成物と4級アンモニウム塩とを含有する液晶組成物を用いると、遮断周波数としきい周波数とを有する液晶組成物とすることができるため、一旦、直流電圧又は遮断周波数より低い周波数(以下、適宜「低周波数」と称する。)の電圧を印加し、動的散乱状態(乱流状態)にしてから、遮断周波数より高く且つしきい周波数よりも低い周波数(以下、適宜「中周波数」と称する。)或いはしきい周波数より高い周波数(以下、適宜「高周波数」と称する。)の電圧を印加することが、無色透明状態と透明な着色状態と散乱した着色状態の間を低電圧かつ短時間で応答させるのに極めて有効であるとの知見を得、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
図1は、横軸を周波数、縦軸を誘電率異方性としたときの本発明にかかる二周波駆動スメクチックA液晶の配向状態の様子を示すグラフである。fが遮断周波数であり、fがしきい周波数である。fよりも低い周波数域Aでは、液晶は動的散乱状態(乱流状態)となっている。直流電圧を印加した場合も同様の動的散乱状態となる。また、本発明にかかるスメクチックA液晶は、しきい周波数より低い周波数では誘電率異方性Δεが正となるため、fよりも低い周波数であって且つfよりも高い周波数域Bでは、液晶は電極に対して垂直に配向する。さらに、しきい周波数よりも高い周波数では誘電率異方性Δεが負となるため、fよりも高い周波数域Cでは、液晶は電極に対して平行に配向する。
本発明の液晶素子の駆動方法は、一旦、直流電圧或いは領域Aの周波数の電圧を印加してから、領域B又は領域Cの周波数の電圧を印加すると、低電圧かつ高速に応答させることができるとする方法である。
この理由については明らかとなっていない。しかし、動的散乱状態から配向状態に変更する方が、整った配向状態から他の整った配向状態(例えば、水平配向状態から垂直配向状態)に変更する場合よりも、迅速に配向状態を整えることが可能となっていると推測される。また、上記動的散乱状態では電流が僅かながらでも消費されていて、その結果、高エネルギー状態となっており、そのため配向の切り替えに必要な電圧を低減できるのではないかと推測される。
本発明にかかるスメクチックA液晶組成物は、印加電圧の周波数を大きくすることで誘電率異方性が正から負に変わる二周波駆動性液晶組成物であり、且つ遮断周波数を有する液晶組成物である。特に本発明では、低周波数の電圧の印加によって動的散乱状態を呈する液晶組成物として、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと二周波駆動スメクチックA液晶組成物と4級アンモニウム塩とを含有する。なお、二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、二周波駆動可能なスメクチック液晶化合物で構成したり、又は二周波駆動可能なネマチック液晶化合物とスメクチック液晶化合物とで構成したりすることができる。また、カラー表示とするためには二色性色素を含有する。
以下では、まず、本発明の液晶素子の駆動方法について説明した後、本発明の液晶組成物について説明し、続いて液晶素子の各構成について説明を行う。
1.駆動方法
本発明の液晶組成物は、遮断周波数より低い周波数の電圧を印加することで動的散乱状態(乱流状態)となることを特徴とする二周波駆動スメクチックA液晶組成物である。
本発明において、遮断周波数とは、電圧印加時に液晶が動的散乱状態(乱流状態)にならなくなる周波数のことをさす。遮断周波数の測定は、Chemistry Letters,837−842(1973)記載の方法によって行うことができ、これにより遮断周波数を有する液晶組成物であるかの確認を行うことができる。
本発明において、二周波駆動液晶とは、印加する電圧の周波数を大きくすることにより誘電異方性の符号が正から負に変化する液晶である。
また、本発明において、二周波駆動スメクチックA液晶組成物とは、二周波駆動ネマチック液晶化合物とスメクチック液晶化合物との混合物、二周波駆動ネマチック液晶化合物と二周波駆動スメクチック液晶化合物との混合物、あるいは二周波駆動スメクチック液晶化合物、を少なくとも含む組成物をいう。これらは、更に他の液晶化合物を加えて併用してもよい。
本発明にかかる二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、スメクチックA相であるため、メモリ性を有する。そのため、本発明にかかる二周波駆動スメクチックA液晶組成物を用いると、電圧印加により、配向状態を制御できるために配向膜が必須の構成要素ではなくなり、素子構成がシンプルとなって、製造プロセスが簡略化できる。また、配向膜がない場合には、配向膜による光の吸収あるいは反射がないため、表示性能が高くなり、反射型表示においては、高い反射率を与え、透過型表示においては、高い透過率を与える。
本発明の液晶組成物のしきい周波数について説明する。しきい周波数とは、誘電率の異方性(Δε)が0となる周波数のことをさし、これより低い周波数ではΔε>0となり、これより高い周波数ではΔε<0となる。しきい周波数の測定は、市販の誘電率測定器(東陽テクニカ製Solartron1255B,1296)によって行うことができる。
本発明の液晶素子の駆動には、遮断周波数より低い周波数域、遮断周波数より高周波域でかつしきい周波数より低い中周波数域、及びしきい周波数より高い高周波数域の、少なくとも3つの周波数域の電圧が用いられる。または、直流電圧と、遮断周波数より高周波域でかつしきい周波数より低い中周波数域、及びしきい周波数より高い高周波数域の交流電圧が用いられる。
本発明の液晶組成物を含有する液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のしきい周波数等によって異なるが、低周波数として用いる周波数領域は、0.1Hz〜100Hzであるのが好ましく、0.1Hz〜10Hzであるのがより好ましい。また、中周波数として用いる周波数領域は、10Hz〜100kHzであるのが好ましく、100Hz〜10kHzであるのがより好ましい。また、高周波数として用いる周波数領域は、1kHz〜10MHzであるのが好ましく、10kHz〜1MHzであるのがより好ましい。
本発明のゲストホスト液晶素子に適用し得る二色性色素は、正のオーダーパラメーターをもつため、液晶が基板に対し、水平配向状態では色素の吸収が生じ、基板に対し、垂直配向状態では色素の吸収が小さくなる。
以下、本発明の液晶素子において、正のオーダーパラメーターを有する二色性色素を含有する場合の駆動方法について、更に詳細に説明する。
1.透明な着色状態から無色透明状態への切り替え
一旦、直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加して動的散乱状態(乱流状態)にし、電圧を印加したまま、続けて中周波数に切り替える。
2.無色透明状態から透明な着色状態への切り替え
一旦、直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加して動的散乱状態(乱流状態)にし、電圧を印加したまま、続けて高周波数に切り替える。
3.透明な着色状態から散乱した着色状態への切り替え
直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加する。
4.無色透明状態から散乱した着色状態への切り替え
直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加する。
5.散乱した着色状態から無色透明状態への切り替え
一旦、直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加して動的散乱状態(乱流状態)にし、電圧を印加したまま、続けて中周波数に切り替える。
6.散乱した着色状態から透明な着色状態への切り替え
一旦、直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加して動的散乱状態(乱流状態)にし、電圧を印加したまま、続けて高周波数に切り替える。
このように、本発明の液晶素子の駆動方法では、無色透明状態と、透明な着色状態と、散乱した着色状態の3つの状態間で切り替えをおこなう際、いずれも一旦直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加して動的散乱状態(乱流状態)とする。
なお、本発明の液晶素子は二色性色素を含まない場合にも適用することができ、この場合には、無色透明状態と白色散乱状態との切り替えを行うことができる。この切り替えの方法についても同上であり、一旦、直流電圧又は低周波数の交流電圧を印加することで低電圧かつ高速に応答させることができる。
低周波数の電圧を印加する時間は、1msec〜10秒であり、好ましくは、10msec〜5秒であり、更に好ましくは、10msec〜1秒である。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
なお、印加する電圧は、動的散乱状態とするためには、直流電圧あるいは遮断周波数より低い周波数の交流電圧であってもよいが、液晶組成物の安定性の観点から、交流電圧を印加することがこのましい。
2.液晶組成物
本発明の液晶組成物は、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと二周波駆動スメクチックA液晶組成物と4級アンモニウム塩とを含む液晶組成物を有する。このような液晶組成物は、遮断周波数としきい周波数とを有する液晶組成物となるため、該液晶組成物を有する液晶素子は、上記の駆動を行うことができる。
2−1.二周波駆動スメクチックA液晶組成物
本発明にかかる二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、二周波駆動性を示し、且つスメチック液晶を含有する組成物である。二周波駆動性とは、上述のように、液晶に印加する電圧の周波数を大きくすることにより誘電異方性の符号が正から負に変化する液晶である。
ここで、本発明にかかる二周波駆動スメクチックA液晶組成物とは、二周波駆動ネマチック液晶化合物とスメクチック液晶化合物との混合物、二周波駆動ネマチック液晶化合物と二周波駆動スメクチック液晶化合物との混合物、あるいは二周波駆動スメクチック液晶化合物、を少なくとも含む組成物のことをいい、該液晶組成物は、室温でスメクチックA相を呈する。これらは、更に他の液晶を加えて併用してもよい。
なお、本発明の液晶組成物が、スメクチックA相を呈するためには、スメクチック液晶を添加することが好ましく、更に、スメクチックA液晶を添加することがより好ましい。
好ましい二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、組成物の液晶性、誘電特性、粘度制御の観点から、スメクチック液晶化合物と二周波駆動可能なネマチック液晶化合物との混合物の場合である。ここで、スメクチック液晶化合物は二周波駆動性を示しても良い。
この混合物において、スメクチック液晶化合物と二周波駆動可能なネマチック液晶化合物との好適な含有比率は、いかなる割合であっても良いが、「二周波駆動可能なネマチック液晶化合物:スメクチック液晶化合物」が、20mol%:80mol%〜99mol%:1mol%が好ましく、50mol%:50mol%〜95mol%:5mol%がより好ましく、70mol%:30mol%〜90mol%:10mol%が更に好ましい。二周波駆動可能なネマチック液晶化合物20mol%に対してスメクチック液晶化合物の比率が80mol%よりも多い場合、室温で液晶相を呈しなくなる、あるいは粘度が高くなり好ましくない。また、二周波駆動可能なネマチック液晶化合物99mol%に対してスメクチック液晶化合物の比率が1mol%よりも少ない場合、スメクチックA相が発現しなくなる場合が多くなり好ましくない。
(1) 二周波駆動可能なネマチック液晶化合物
二周波駆動可能なネマチック液晶化合物については、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、イーストマン・コダック社の下記二周波駆動液晶を示す。
Figure 2007238676
この他にも、市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
(2) 二周波駆動可能なスメクチックA液晶化合物
二周波駆動可能なスメクチックA液晶化合物については、Mol. Cryst. Liq. Cryst., Vol.49, 83-87 (1978)に詳しく、本発明ではこのような液晶化合物を適用することができる。
(3) スメクチック液晶化合物
二周波駆動可能な液晶化合物と併用し得るスメクチック液晶化合物としては、スメクチック相を発現する液晶性化合物であれば特に制限はないが、好ましくは、ゲストホスト方式における応答速度(液晶粘度)とコントラスト比(垂直配向状態時の光軸が基板に対してほぼ90°であり、無色表示状態の吸収が小さい)の観点からスメクチックA相(以下、SmAと称する場合がある。)を発現するスメクチック液晶化合物である。そのような液晶化合物として、下記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(1): T−((D−L−(D−T
一般式(1)中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。
及びDで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基及びナフタレン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、更に好ましくは1,4−フェニレン基である。
及びDで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基が含まれる。
及びDで表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
及びDの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、置換基を有していても、無置換であってもよい。また、式(1)中、e、m又はkが、2以上の場合、複数のD、Dは、各々独立に置換基を有していてもよく、同一の置換基を有していても、異なる置換基を有していても、或いは、無置換であってもよい。
これらの置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれる}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vは、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造であってもよい。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していても良い。
置換基群Vの中でも、D及びDの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基の置換基として、好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基である。
一般式(1)中、Lは2価の連結基を表す。好ましくは、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アゾ基、アゾキシ基、アルキレンオキシ基であり、より好ましくは、エステル基、アルキレンオキシ基である。
一般式(1)中、Lで表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基をあげることができる。
一般式(1)中、Lで表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基をあげることができる。
一般式(1)中、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。
及びTとして好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数4〜20、更に好ましくは炭素数6〜18のアルキル基;炭素数1〜30、より好ましくは炭素数4〜20、更に好ましくは炭素数6〜18のアルコキシ基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアルコキシカルボニル基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアシル基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアシルオキシ基;ハロゲン原子、又はシアノ基である。
一般式(1)中のT及びTで表される上記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基及びアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
及びTで表されるアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基及びアシルオキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特に塩素原子、フッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアシル基であることが好ましい。
一般式(1)中、T及びTでそれぞれ表されるアルキル基の具体例は、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、4−シアノブチル基、トリフルオロメチル基、3−メトキシプロピル基を挙げることができる。
及びTでそれぞれ表されるアルコキシ基の具体例は、例えば、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−メトキシエトキシ基を挙げることができる。
及びTでそれぞれ表されるアルコキシカルボニル基の具体例は、例えば、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基を挙げることができる。
及びTでそれぞれ表されるアシル基の具体例は、例えば、オクチルカルボニル基、ドデシルカルボニル基を挙げることができる。
T1及びT2でそれぞれ表されるアシルオキシ基の具体例は、例えば、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
一般式(1)中、T及びTは特に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。
一般式(1)中、eは1〜3のいずれかの整数を表し、好ましくは1又は2である。eが2又は3を表す場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、mは1〜3のいずれかの整数を表し、好ましくは1又は2である。mが2又は3を表す場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよく、複数のL1はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(1)中、kは1又は2である。kが2の場合、複数のDはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
なお、一般式(1)中、DとDで表される基の総数、すなわちe×m+kが3〜5のいずれかの整数であり、より好ましくは3〜4のいずれかの整数である。e及びkがそれぞれ2以上の時、2以上のD及びDはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D−L)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
特に好ましいe、m、kの組み合わせを以下に記す。
(i)e=1、m=2、k=1
(ii)e=2、m=1、k=1
(iii)e=2、m=1、k=2
以下に、本発明に使用可能なスメクチック液晶化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
Figure 2007238676
本発明におけるスメクチック液晶化合物の合成方法は、公知の方法を適宜適用することができ、例えば、前記一般式(1)で表される化合物の合成は、以下のようにして行うことができる。
Figure 2007238676
(4)その他の液晶化合物
本発明のスメクチックA液晶組成物は、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しないネマチック液晶化合物を誘電率異方性の制御及び液晶性温度域の調節の目的で含有させてもよい。そのようなネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。
スメクチックA液晶組成物にこのようなネマチック液晶化合物を添加する場合、該ネマチック液晶化合物の添加量は特には限定されないが、添加後の液晶相がスメクチックA相となる様に添加しなければならない。このような態様において、該ネマチック液晶化合物の添加量は、好ましくは、液晶組成物の総固形分換算で、ネマチック液晶化合物を0.01〜50質量%の範囲で添加することが好ましく、0.1〜40質量%で添加することがより好ましく、1〜30質量%で添加することが特に好ましい。
また、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
更に、TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)を挙げることができる。
2−2.側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマー
本発明において、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマー(以下、適宜「液晶性シロキサンポリマー」と称する。)とは、高分子の主鎖骨格がシロキサンポリマーであり、そこから枝分かれしている側鎖部分に液晶性を有する高分子のことである。シロキサンポリマーと4級アンモニウム塩とを組み合わせて用いることで、遮断周波数としきい周波数とを有する液晶組成物とすることができ、側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーを用いることによって、当該シロキサンポリマーと二周波駆動スメクチックA液晶組成物との混合性が向上する。
更に、液晶性シロキサンポリマーは、二周波駆動スメクチックA液晶組成物との相溶性および該混合物の液晶相がスメクチックA相をとりやすくし、更に二周波駆動性の観点から、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される繰り返し単位を有する液晶性シロキサンポリマーであることが好ましい。
Figure 2007238676
式中、R19、R20、及びR21は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表す。Mは液晶性基を表す。xは3〜100の数を表し、yは0又は1以上の数を表す。ここで、y=0のときはホモポリマーを表し、y≠0のときはコポリマーを表す。xが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていても良い。
Figure 2007238676
式中、R19、R20、R21、及びR22は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表す。Mは液晶性基を表す。Lは架橋基を表し、mは2以上の整数を表す。aは1〜100の数を表し、bは0.1以上の数を表し、cは0以上の数を表す。aが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていても良い。
一般式(2)又は一般式(3)で表されるR19、R20、R21及びR22におけるアルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30、より好ましくは、炭素数1から14、更に好ましくは炭素数1から4のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−クロロエチル、2−シアノエチルが挙げられる。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、これらは置換基を有していても、無置換であってもよい。
上記アルキル基にはシクロアルキル基も含まれ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数6〜36、より好ましくは、炭素数7〜24、更に好ましくは炭素数9〜14のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−メチルシクロヘキシル、4−n−エチルシクロヘキシル、4−n−ブチルシクロヘキシルが挙げられる。
19、R20、R21及びR22におけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜12のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、p−シアノフェニル、p−フルオロフェニル、m−クロロフェニルが挙げられる。
これらは置換基を有していても、無置換であってもよい。
置換基としては、以下に記載の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル基)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基)、
炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えば、スクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、さらに好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、さらに好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば、2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6のヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基)。
これら置換基群Vは、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造を形成することができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していても良い。
19、R20、R21及びR22で表されるアルキル基及びシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アンモニウム基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アリール基、ヘテロアリール基であることが好ましい。
19、R20、R21及びR22で表されるアリール基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、無置換アルキル基、置換アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であることが好ましい。
19、R20、R21及びR22で表されるアルキル基又はアリール基のうち、特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。
一般式(2)及び一般式(3)において、Mは液晶性基を表す。ここでいう液晶性基とは、数個のフェニル基あるいは環状構造よりなる構造を持ち、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック相、スメクチック相となる液晶性化合物と類似の構造をさす。液晶性化合物の具体例としては、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧、丸善、2000年の第3章「分子構造と液晶性」に記載されているものなどが挙げられる。
Mとして好ましくは、誘電率異方性が印加電圧の周波数を大きくすることで正から負へと変化するものであり、そのような液晶化合物としては、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。
一般式(2)及び一般式(3)におけるMとして、下記一般式(M−1)で表される構造である。
一般式(M−1):
*−(CH2t−(O)u−((D1e−L1m−(D2k−(T1n1
ここで*はシロキサンポリマーと連結する部位を表す。
一般式(M−1)において、D1及びD2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基、2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
一般式(M−1)におけるD1及びD2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、更に好ましくは1,4−フェニレン基である。
一般式(M−1)におけるD1及びD2で表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
一般式(M−1)におけるD1及びD2で表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
一般式(M−1)におけるD1及びD2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基群Vが挙げられる。
一般式(M−1)において、L1は2価の連結基を表す。好ましくは、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アゾ基、アゾキシ基、アルキレンオキシ基であり、より好ましくは、エステル基、アルキレンオキシ基である。ここで、エステル連結基は、−CO2−、−OCO−のどちらであってもよい。
一般式(M−1)におけるL1で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基をあげることができる。
1で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基をあげることができる。
一般式(M−1)におけるL1で表されるアルキレンオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基があげられる。より好ましい置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基であり、特に好ましい置換基は、ハロゲン原子である。好ましいアルキレンオキシ基として、例えば、ジフルオロメチレンオキシ基(−CF2O−)があげられる。
一般式(M−1)において、T1は、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基を表す。
1として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜20、更に好ましくは炭素数4〜18のアルキル基、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数2〜30、より好ましくは炭素数4〜21、更に好ましくは炭素数5〜19のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜30、より好ましくは炭素数4〜21、更に好ましくは炭素数5〜19のアシル基、炭素数2〜30、より好ましくは炭素数4〜21、更に好ましくは炭素数5〜19のアシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基である。
上記、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては、上記置換基群Vがあげられ、ハロゲン原子(特に塩素原子、フッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基であることが好ましい。
一般式(M−1)におけるT1で表されるアルキル基の具体例は、例えば、ブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、4−シアノブチル基、トリフルオロメチル基、3−メトキシプロピル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシ基の具体例は、例えば、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−メトキシエトキシ基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシカルボニル基の具体例は、例えば、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基を挙げることができる。
1で表されるアシル基の具体例は、例えば、オクチルカルボニル基、ドデシルカルボニル基を挙げることができる。
1で表されるアシルオキシ基の具体例は、例えば、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
一般式(M−1)におけるT1は特に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基である。
一般式(M−1)におけるeは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。
一般式(M−1)におけるmは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。
一般式(M−1)におけるkは1〜2の整数を表す。
一般式(M−1)におけるn1は1〜5の整数を表し、好ましくは、1〜3の整数である。
一般式(M−1)において、D1とD2で表される基の総数、すなわちe×m+kが2〜5の整数であり、より好ましくは3〜4の整数である。e、kが2以上の時、2以上のD1、D2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D1e−L1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
一般式(M−1)において、特に好ましいe、m、kの組み合わせを以下に記す。
(i)e=1、m=2、k=1
(ii)e=2、m=1、k=1
(iii)e=2、m=1、k=2
一般式(M−1)において、tは2〜20の整数を表し、好ましくは3〜18の整数であり、より好ましくは3〜15の整数である。uは0又は1を表す。
一般式(M−1)は、更に好ましくは、一般式(M−2)で表される構造の場合である。
Figure 2007238676
一般式(M−2)において、t,u,e,m,T1,及びn1は、一般式(M−1)におけるt,u,e,m,T1,及びn1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、一般式(M−1)は、更に好ましくは、下記一般式(M−3)〜(M−14)で表される構造の場合である。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
一般式(M−3)〜(M−14)において、t,u,T1,及びn1は、一般式(M−1)におけるt,u,T1,及びn1と同義であり、好ましい範囲も同様である。T2、T3は、ハロゲン、シアノ基、アルコキシ基、アルキル基を表し、好ましくは、ハロゲン、シアノ基である。n2、n3は各々独立に1〜4の整数を表し、好ましくは1〜2の整数である。
一般式(2)において、xは3〜100の数を表し、好ましくは、3〜50である。
yは0又は1以上の数を表し、好ましくは0〜1,000であり、より好ましくは0〜100であり、更に好ましくは、0〜50である。ここで、y=0のときはホモポリマーを表し、y≠0のときはコポリマーを表す。
xが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていても良く、R19も同一であっても異なっていてもよい。yが2以上のとき、R20は、同一であっても異なっていてもよく、R21も同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)において、Lは架橋基を表し、いかなる構造であっても良いが、好ましい架橋構造の作製方法は、Si−H基を有するポリシラン化合物と末端に不飽和結合を有する多官能性化合物(架橋性化合物)とのハイドロシリレーション反応による合成方法、また、前記ハイドロシリレーション反応により、高分子中に導入されたヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等を利用して、これに多官能性反応基を有する化合物を反応させる、あるいは熱、紫外線、あるいは放射線の照射をおこなう方法などがあげられる。
これらの方法によって、シロキサンポリマーのケイ素原子は炭素原子と結合する。
一般式(3)において、Lはm価の架橋基であり、ここでmは2〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数であり、より好ましくは2〜6の整数を表す。ここで、「〜価」とは、架橋基L上の炭素原子のうち、シロキサンポリマーのケイ素原子と結合可能な炭素原子の総数を表す。
一般式(3)において、Lで表される架橋基として好ましくは、下記一般式(L−1)で表される構造である。
一般式(L−1): (L2)−[(O)u−(CH2s−*]m
ここで*はシロキサンポリマーと連結する部位を表す。
一般式(L−1)において、sは2〜30の整数を表し、好ましくは3〜20の整数であり、より好ましくは3〜15の整数である。
一般式(L−1)において、uは0又は1を表す。
一般式(L−1)において、mは上述の「〜価」と同義であり、2〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数であり、より好ましくは2〜6の整数を表す。
一般式(L−1)において、L2はアルキレン基、エーテル基又はアリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。
2で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数4〜20、更に好ましくは炭素数4〜18である。
2で表されるエーテル基として、好ましくは炭素数4〜50、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数8〜30であり、特に好ましくは、下記一般式(L−2)で表される基である。
Figure 2007238676
一般式(L−2)において、n及びmは、各々独立に、1〜5の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数を表す。
一般式(L−1)において、L2で表されるアリーレン基として、好ましくは炭素数4〜50、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数8〜20であり、特に好ましくは、下記一般式(L−3)で表される基である。
る。
Figure 2007238676
一般式(L−3)において、n及びmは、各々独立に、1〜5の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数を表す。一般式(L−3)におけるL3は、単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、好ましくは、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基であり、特に好ましくは、単結合又は炭素数1〜7のアルキレン基である。
一般式(3)において、aは1〜100の数を表し、好ましくは、3〜50である。bは0.1以上の数を表し、好ましくは0.1〜10であり、より好ましくは0.1〜5である。cは0〜100の数を表し、好ましくは0〜50であり、より好ましくは0〜30である。
aが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていても良く、R19も同一であっても異なっていてもよい。bが2以上のとき、R20は同一であっても異なっていてもよい。cが2以上のとき、R21は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の液晶性シロキサンポリマーについて、分子量の制限はないが、好ましくは数平均分子量が、1,000〜100,000の範囲であり、より好ましくは、2,000〜50,000である。また、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよく、線状、枝分かれ状、架橋構造、環状構造のいずれの構造であってもよい。
以下に本発明の液晶性シロキサンポリマーの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007238676
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液晶性シロキサンポリマーの添加量としては、いかなる割合であってもよいが、本発明の液晶組成物の全量中、0.1質量%〜70質量%となるようするのが好ましい。より好ましくは、0.1質量%〜50質量%である。
2−3.4級アンモニウム塩
低周波数の電圧の印加によって動的散乱状態を呈する液晶組成物とするのに、4級アンモニウム塩を適用することが好適であることが、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第196〜199頁に記載されている。本発明にかかる4級アンモニウム塩としては、該文献記載に詳しいが、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミドが挙げられる。
4級アンモニウム塩の添加量としては、液晶の比抵抗値ρが10Ωcmより大きく、1011Ωcm以下となるようするのが好ましい。
2−4.二色性色素
本発明の液晶組成物は、二色性色素を含有することが好ましい。二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。前記二色性色素の吸収極大ならびに吸収帯に関しては特に制限はないが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。
また、緑、赤、青域に吸収を有する二色性色素を用いて、フルカラー表示を行うことも好適である。
それぞれの液晶組成物に用いられる二色性色素は、単独で使用してもよいが、複数を混合したものであってもよい。複数の色素を混合する場合には、同一種の発色団を有する色素同士を混合してもよいし、互いに異なる発色団を有する二色性色素を混合してもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。
公知の二色性色素としては、例えば、A. V. Ivashchenko著、Diachronic Dyes for Liquid Crystal Display、CRC社、1994年に記載のものが挙げられる。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
本発明の二色性色素は、下記一般式(4)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(4):−(Het)−((B−(Q−(B−C
一般式(4)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
一般式(4)中、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
及びBで表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
及びBで表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1から20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
及びBで表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくは、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
及びBの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基群Vが挙げられる。
置換基群Vのうち、B及びBの表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状炭化水素基の置換基として好ましいものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
一般式(4)におけるQは2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。
が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数0〜60、より好ましくは炭素数0〜30、更に好ましくは炭素数0〜20の2価の連結基である。
また、Qが表す2価の連結基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子又はアルキル基、アリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基を挙げることができる。
で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基を挙げることができる。
で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基を挙げることができる。
−NR−基におけるRの表すアルキル基において、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rの表すアリール基において、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
で表される複素環として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
で表される2価の連結基として、特に好ましくは、アルキレン基、アルキニレン基、エーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基である。
一般式(4)におけるCは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。
として好ましくは、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
で表される上記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるシクロアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
で表されるアルコキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアルコキシカルボニル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアシル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアシルオキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
で表されるアルコキシ基としての具体例は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基を挙げることができる。
C1で表されるアシルオキシ基としての具体例は、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げることができる。
で表されるアシル基としての具体例は、例えば、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基を挙げることができる。
で表されるアルコキシカルボニル基としての具体例は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメトキシ基である。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q、及びrは、各々独立に、0から5までの整数を表し、nは1から3までの整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。p、q及びrが2以上の時、2以上のB、Q及びBは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、((B−(Q−(B)は、同一でも異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i)p=3、q=0、r=0、n=1
(ii)p=4、q=0、r=0、n=1
(iii)p=5、q=0、r=0、n=1
(iv)p=2、q=0、r=1、n=1
(v)p=2、q=1、r=1、n=1
(vi)p=1、q=1、r=2、n=1
(vii)p=3、q=1、r=1、n=1
(viii)p=2、q=0、r=2、n=1
(ix)p=1、q=1、r=1、n=2
(x)p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1、(iv)p=2、q=0、r=1、n=1、又は(v)p=2、q=1、r=1、n=1の組合せである。
さらに、−((B−(Q−(B−Cは、液晶性を示す構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶、スメクチック液晶である。
−((B−(Q−(B−Cの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
本発明に用いられる二色性色素は、−((B−(Q−(B−Cで表される置換基を1つ以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(4)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕Hetが硫黄原子であり、Bがアリール基又はヘテロアリール基を表し、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔1〕Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキシル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕Hetが硫黄原子を表し、Bが1,4−フェニレン基を表し、Bがトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、Cがアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、である。
Figure 2007238676
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であることが好ましい。Ra1〜Ra12で表されるアルキル基、アリール基及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は、各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基である。
アゾ色素は、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては、芳香族(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であっても良いが、ジ置換、トリ置換、テトラ置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であっても良いが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン色素としては、より好ましくは、下記一般式(5)で表される化合物である。
Figure 2007238676
一般式(5)中、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。
−(Het)−{(B−(Q−(B−Cにおいて、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Qは2価の連結基を表し、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B−(Q−(B)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(4)で記載したHet、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(5)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基である。
また、更に好ましくは、一般式(5)において、R、R、R、及びRの少なくとも一つが、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cの場合である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい例として挙げられる。
フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2007238676
一般式(6)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cであり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
−(Het)−{(B−(Q−(B−Cにおいて、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B及びBは、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Qは2価の連結基を表し、Cはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。BとBで表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB、Q及びBはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B−(Q−(B)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(4)で記載したHet、B、B、Q、C、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(6)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基である。
また、更に好ましくは、一般式(6)において、R11、R14、R16の少なくとも一つが、−(Het)−{(B−(Q−(B−Cの場合である。
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素の二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
Figure 2007238676
Figure 2007238676

以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007238676
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素及びメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007238676
前記一般式(4)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報記載の方法に従い合成することができる。
本発明の液晶組成物におけるホスト液晶に対する二色性色素の比率は、いかなる割合であってもよいが、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%が特に好ましい。
ホスト液晶(二周波駆動ネマチック液晶とスメクチック液晶の混合物)への二色性色素の溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用することができる。その他、本発明の液晶組成物の調製については、公知の方法を採用することができる。
2−5.その他の添加物
本発明の液晶組成物に、ホスト液晶の物性(例えば、液晶相の温度範囲、誘電率異方性、屈折率異方性あるいはクロスオーバー周波数)を変化させる目的で、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。ここで、クロスオーバー周波数とは、二周波駆動液晶において、誘電率異方性の符号(正、負)が変化する周波数のことを意味する。
また、本発明の液晶組成物には、種々の添加剤、例えば、カイラル剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加しても良い。これらの添加物については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
2−6.液晶層の層構成
本発明にかかる液晶層では、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の色についても、いかなるものであってもよい。例えば、複数の二色性色素を混合して用いる等、黒色の液晶組成物を調製した場合には、電圧の印加によって白黒表示用の液晶素子として利用することができる。
また、レッド、グリーン及びブルーに各々着色された液晶組成物を調製し、3種類の組成物を基板上に並置配置することにより、カラー表示用の液晶素子を作製することもできる。
一方、本発明にかかる液晶層は、特開平10−90715号公報などに記載されているように、1対の電極に挟まれた積層構造であってもよい。既述の本発明の液晶素子の表示方法について説明したとおり、積層方向の層は、減法混色の関係にある二色性色素あるいは補色の関係にある二色性色素をそれぞれに添加することが好ましい。
例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物の各々からなる層を3層積層させる構成;及びイエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物と、補色の関係にあるブルー、グリーン及びレッドに着色した液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを2層積層させる構成;及び黒に着色した液晶組成物の層と、レッド、ブルー及びグリーンの液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを、2層積層させる構成;などが挙げられる。
更に、本発明にかかる液晶層は、特開平11−24090号公報などに記載のように、液晶組成物をマイクロカプセルとして構成してもよい。かかるマイクロカプセルは、高分子樹脂を壁材として、上記二色性色素を含む二周波駆動スメクチック組成物を壁材に内包させるものである。マイクロカプセルの製造方法は、公知の方法を適宜適用することができる。
上記マイクロカプセルには、異なる上記二周波駆動スメクチックA液晶組成物を含有させることができるため、各マイクロカプセルに包含される二周波駆動スメクチックA液晶組成物を各々独立に駆動させることができる。このとき、異なる二周波駆動スメクチックA液晶組成物は、各々独立に、ホスト液晶、二色性色素、その他の添加物の種類や添加量を変更したものであってよい。
3.液晶素子
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に、本発明の液晶組成物を含有する液晶層と、を有する。液晶層は、前述の本発明の液晶組成物を含有する。
3−1.電極
本発明の液晶素子に用いられる電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック基板が用いられ、プラスチック基板が好ましい。本発明に用いられるプラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
プラスチック基板の厚みには、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加しても良い。
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
基板については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第218〜231頁に詳しい。
基板上には、電極層が形成され、好ましくは透明電極である。その電極層としては、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズなどが用いられる。透明電極については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
3−2.配向処理層
本発明の液晶素子は液晶を配向させる目的で、液晶と基板の接する表面に配向処理を施した層を形成させてもよい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
3−3.スペーサー
本発明の液晶素子は基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設け、その空間に注入することができる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
3−4.その他
本発明の液晶素子は、更に白色反射板、反射防止膜、輝度向上膜などを備えていてもよい。
4.用途
本発明の液晶素子は、無色透明状態と透明な着色状態と散乱した着色状態の3つの状態間での表示の切り替えを、低い電圧かつ短い時間で行うことができる。
本発明の液晶素子では、着色状態が散乱しない透明な着色状態をとることができるため、高画質フルカラー表示に必要なYMC積層構造とすることができ、反射型表示媒体に好適に用いることができる。また、散乱した着色状態を利用することで、調光材料に好適に用いることができる。
次に本発明をより詳細に説明するため、以下に実施例を示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(液晶組成物−1の調製)
マゼンタ二色性色素(1−8)5mg、前記具体例化合物のスメクチック液晶(1)13.3mg、Applied Physics Letters, Vol.25, 186−188(1974)記載の下記二周波駆動ネマチック液晶(H−1)68.2mg及びΔεが負の下記ネマチック液晶化合物(H−2)8.5mg、前記具体例化合物の液晶性シロキサンポリマー(16)10mg、テトラブチルアンモニウムブロミド0.001mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させて、液晶組成物−1を得た。この液晶組成物−1は、偏光顕微鏡で観察したところ、スメクチックA相を呈する化合物であった。
また、液晶組成物−1の遮蔽周波数は、約50Hzであり、しきい周波数は、約1.5kHzであった。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
(液晶素子の作製)
上記で得られた液晶組成物−1を、市販の水平配向液晶セル(ITO透明電極付き、ガラス板0.7mm、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付き、E.H.C.社製)に180℃で注入し、液晶素子Aを作製した。
<駆動評価>
作製した液晶素子Aを、低周波数の矩形交流電圧(100V、10Hz)を1秒印加後、周波数を中周波数(200Hz)に切り替え、応答時間を測定した(応答時間1)。続いて、再び低周波数の矩形交流電圧(100V、10Hz)を1秒印加後、周波数を高周波数(30kHz)に切り替え、応答時間を測定した(応答時間2)。
比較として、遮断周波数を有し、しきい周波数を持たない比較化合物1(DSCモード)と遮断周波数を持たず、しきい周波数を有する比較化合物2(通常の二周波駆動液晶)を、マゼンタ二色性色素(1−8)と混合して液晶組成物を作製する他は、本発明の化合物と同様にして、比較液晶素子1と2を作製した。これらを同様の駆動方法により、応答時間を測定した。比較液晶素子2は印加電圧を2倍の200Vとした。比較液晶素子1及び比較液晶素子2についてのまとめを表1に、結果を表2に示す。
Figure 2007238676
Figure 2007238676
Figure 2007238676
Figure 2007238676
表2に示す結果から、本発明の液晶組成物からなる液晶素子は、比較例と比べて、着色透明状態が可能でありかつ大幅に応答速度が向上していることがわかる。
<透過率の測定>
駆動後の液晶素子の透過率を分光光度測定器(島津製作所社製、UV−2400PC)を用いて測定し、吸収状態の散乱の程度を、色素吸収のない波長の透過率で比較した。
Figure 2007238676
表3に示す結果から、本発明の液晶素子の着色表示は、散乱の程度が低く、反射型表示材料に必要な積層構造とするのに好適であることが分かる。
[実施例2]
作製した液晶素子Aを、低周波数の矩形交流電圧(100V、10Hz)を1秒印加して、散乱した着色状態とした(透過率1)。続いて、再び低周波数の矩形交流電圧(100V、10Hz)を1秒印加後、周波数を中周波数(200Hz)に切り替え、無色透明状態とした(透過率2)。
比較として、比較液晶素子1と2を同様の駆動方法により、透過率を測定した。比較液晶素子2は印加電圧を2倍の200Vとした。結果を以下の表4に示す。
Figure 2007238676
表4に示す結果から、本発明の液晶素子の散乱着色表示は、散乱の程度が高く、調光材料とするのに好適であることが分かる。
本発明にかかる液晶素子の周波数に対する配向状態を説明する図である。

Claims (10)

  1. 側鎖に液晶性基を有するシロキサンポリマーと、二周波駆動スメクチックA液晶組成物と、4級アンモニウム塩と、を含有する液晶組成物。
  2. 遮断周波数としきい周波数とを有することを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
  3. スメクチックA相であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
  4. 前記二周波駆動スメクチックA液晶組成物が、スメクチック液晶化合物と、二周波駆動可能なネマチック液晶化合物と、を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  5. 前記スメクチック液晶化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項4に記載の液晶組成物。
    一般式(1): T−((D−L−(D−T
    [式中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Lは2価の連結基を表し、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。eは1〜3のいずれかの整数を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、kは1又は2を表し、且つe×m+kは3〜5のいずれかの整数である。]
  6. 前記シロキサンポリマーが、下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2007238676
    [式中、R19、R20、及びR21は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表す。Mは液晶性基を表す。xは3〜100の数を表し、yは0又は1以上の数を表す。ここで、y=0のときはホモポリマーを表し、y≠0のときはコポリマーを表す。xが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていてもよい。]
    Figure 2007238676
    [式中、R19、R20、R21及びR22は、各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、Mは液晶性基を表し、Lは架橋基を表す。mは2以上の整数を表し、aは1〜100の数を表し、bは0.1以上の数を表し、cは0以上の数を表す。aが2以上のとき、Mは同一であっても異なっていてもよい。]
  7. 少なくとも1種の二色性色素を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  8. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、を有する液晶素子。
  9. 請求項8に記載の液晶素子を有する反射型表示材料。
  10. 請求項8に記載の液晶素子を有する調光材料。
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