JP2008003330A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかるアクチュエータ1は、駆動手段を作動させることにより、弾性部24、25を捩れ変形させながら、質量部21を回動させるように構成され、質量部21の挙動を検知する挙動検知手段を有し、挙動検知手段は、1対の弾性部24、25のうちの少なくとも一方の弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、質量部21の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて質量部21の挙動を検知するよう構成されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、1自由度振動系の捩り振動子を備えるアクチュエータが開示されている。このようなアクチュエータは、1自由度振動系の捩り振動子として、質量部をその両側で捩りバネにより支持した構造を有している。そして、質量部上には光反射性を有する光反射部が設けられており、捩りバネを捩れ変形させながら質量部を回動駆動させて、光反射部で光を反射し走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
このようなアクチュエータにあっては、質量部の挙動を検知し、その検知結果に基づいて質量部の回動駆動を制御することで、高精度な走査を行うことができる。
また、歪みゲージの長手方向を弾性支持部の延在方向(質量部の回動中心軸と平行な方向)に対して45度とすることにより、歪みゲージが受ける歪みを大きくし、質量部の挙動をより正確に検知することができるよう構成されている。
本発明のアクチュエータは、光反射性を有する光反射部を有し、板状をなす質量部と、
前記質量部を支持する支持部と、
前記支持部に対し前記質量部を回動可能とするように、前記質量部と前記支持部とを連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、
前記挙動検知手段の検知結果に基づいて、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記挙動検知手段は、
前記1対の弾性部のうちの少なくとも一方の前記弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、
前記第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、前記質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、
前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、前記挙動検知手段は、前記アクチュエータの温度変化(前記第1のピエゾ抵抗素子自体の温度変化)に関係なく、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。その結果、前記挙動検知手段は、前記質量部の挙動を高精度に検知することができる。
これにより、前記挙動検知手段は、前記アクチュエータの温度変化(前記第1のピエゾ抵抗素子自体の温度変化)に関係なく、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の温度変化による抵抗値変化と前記第2のピエゾ抵抗素子の温度変化による抵抗値変化とをほぼ等しくすることができる。
前記第1のピエゾ抵抗素子は、各前記弾性部に設けられ、
1対の前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記質量部の平面視にて前記質量部に対して対称となるように設けられていることが好ましい。
これにより、1対の前記第1のピエゾ抵抗素子同士の温度変化をほぼ等しくすることができる。さらに、1対の前記第1のピエゾ抵抗素子同士の歪み量をほぼ等しくすることができる。
前記挙動検知手段は、前記ブリッジ回路の出力結果に基づいて、前記質量部の挙動を検知することが好ましい。
これにより、温度変化による前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化と、温度変化による前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化とを相殺し、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。すなわち、ブリッジ回路からの出力信号は、前記質量部の挙動に対応したものとなる。
本発明のアクチュエータでは、前記ブリッジ回路の出力を差動増幅回路により増幅させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、前記ブリッジ回路から出力された信号を増幅することができ、前記質量部の挙動をより正確に検知することができる。
これにより、前記弾性部にかかる応力を少なくしつつ、質量部の回動角を大きくすることができる。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での端部に設けられていることが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での中央部に設けられていることが好ましい。
これにより、前記アクチュエータの製造を容易とすることができる。
これにより、前記第2の弾性部の捩れ変形によっては、前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値は変化しない。その結果、前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値を主として温度変化により変化させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部の回動中心軸上に配置されていることが好ましい。
これにより、前記第2のピエゾ抵抗素子が、前記第1の質量部の回動駆動によって生じてしまう応力(撓み、歪み)などを受けてしまうことを効果的に抑制することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子と前記第2のピエゾ抵抗素子との中心間距離が500μm以下であることが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の温度変化と、前記第2のピエゾ抵抗素子の温度変化とをほぼ等しくすることができる。
これにより、前記支持部自体の歪みによる前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより確実に防止することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部と前記第1の弾性部との境界部の近傍に配置されていることが好ましい。
これにより、前記支持部自体の歪みによる前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより確実に防止することができ、さらに、前記第2の弾性部上に設けられた前記第1のピエゾ抵抗素子と、前記第2のピエゾ抵抗素子との距離をより近づけることができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1中のB−B線断面図、図4は、図1に示すアクチュエータの制御系の概略構成を示す図、図5は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧の電圧波形の一例を示す図、図6は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧として交流電圧を用いた場合における交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部のそれぞれの振幅との関係を示すグラフである。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中および図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、質量部(可動部)21と、1対の支持部22、23と、1対の弾性部24、25と、1対の電極32、33とを備えている。
また、弾性部24は、第1の質量部(以下「駆動部」という)241と、第1の弾性部242と、第2の弾性部243とを備え、これと同様に、弾性部25は、第1の質量部(以下「駆動部」という)251と、第1の弾性部252と、第2の弾性部253とを備えている。
すなわち、基体2は、質量部21と、支持部22、23と、1対の駆動部241、251と、1対の第1の弾性部242、252と、1対の第2の弾性部243、253とを備えている。
また、駆動部241の平面視にて回動中心軸Xに直角な方向での両端部(回動中心軸Xからの遠位側の両端部)には、櫛歯状をなす櫛歯状電極部2411、2412が設けられている。これと同様に、駆動部251の平面視にて回動中心軸Xに直角な方向での両端部(回動中心軸Xからの遠位側の両端部)には、櫛歯状をなす櫛歯状電極部2511、2512が設けられている。
質量部21は、板状をなし、その板面に光反射部211が設けられている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。
また、弾性部24のうち、第1の弾性部242および第2の弾性部243は、弾性変形(主として捩れ変形)可能な棒状部材である。これと同様に、弾性部25のうち、第1の弾性部252および第2の弾性部253は、弾性変形可能な棒状部材である。
第2の弾性部243は、質量部21を駆動部241に対して回動可能とするように、質量部21と駆動部241とを連結している。これと同様に、第2の弾性部253は、質量部21を駆動部251に対して回動可能とするように、質量部21と駆動部251とを連結している。
このように、基体2は、駆動部241、251と第1の弾性部242、252とで構成された第1の振動系と、質量部21と第2の弾性部243、253とで構成された第2の振動系とを有する。すなわち、基体2は、第1の振動系および第2の振動系からなる2自由度振動系を有する。
なお、以下、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子のことを単に「ピエゾ抵抗素子」ともいう。
さらに、絶縁膜層8の上から、電極取り出し部を通じてピエゾ圧電素子41〜44を電気的に接続するための配線9がパターニングされている。
なお、図1、図2においては、絶縁膜層8および配線9について図示を省略している。
このような基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、質量部21と、駆動部241、251と、支持部22、23と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253とが一体的に形成されている。
これと同様に、電極33は、前述した駆動部241の櫛歯状電極部2412に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部331と、駆動部251の櫛歯状電極部2512に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部332とが形成されている。
前述したような基体2に接合した支持基板3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
支持基板3の上面には、図2に示すように、質量部21に対応する部分に開口部31が形成されている。
この開口部31は、質量部21が回動(振動)する際に、支持基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、質量部21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
すなわち、電極32、33に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、駆動部241、251をアースしておき、電極32に、図5(a)に示すような波形の電圧を印加し、電極33に、図5(b)に示すような波形の電圧を印加する。すなわち、電極32と電極33とに交互に電圧を印加する。すると、電極32と駆動部241、251との間(より具体的には、櫛歯状電極部321と櫛歯状電極部2411との間、および、櫛歯状電極部322と櫛歯状電極部2511との間)と、電極33と駆動部241、251との間(より具体的には、櫛歯状電極部331と櫛歯状電極部2412との間、および、櫛歯状電極部332と櫛歯状電極部2512との間)とに交互に静電引力が生じる。
そして、この駆動部241、251の振動(駆動)に伴って、第2の弾性部243、253を介して連結されている質量部21も、第2の弾性部243、253を軸に(すなわち、回動中心軸Xまわりに)、支持基板3の板面に対して傾斜するように振動(回動)する。
挙動検知手段は、図4に示すように、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44を有している。ピエゾ圧電素子41、42、43、44は、外部から応力を受けると、その受けた応力に応じて抵抗値が変化する性質や、温度変化に応じて抵抗値が変化する性質を持つ。このようなピエゾ抵抗素子41〜44の性質(抵抗値の変化)に基づいて質量部21の挙動を検知するように、挙動検知手段が構成されている。
本実施形態では、各ピエゾ抵抗素子41、42、43、44は、帯状をなし、同一形状かつ同一寸法で、さらに、同一の構成材料を用いて形成されている。これにより、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44それぞれの抵抗値変化の特性を同一にすることができ、挙動検知手段の信頼性を向上させることができる。
そこで、本発明では、第2のピエゾ抵抗素子43、44を設け、温度変化に応じた抵抗値変化を検知する。
具体的には、挙動検知手段は、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44を含む検知回路11と、電極32、33に電圧を印加する電源回路12と、検知回路11の出力信号に応じて電源回路12の駆動を制御する制御回路13(制御手段)とを有している。
また、制御回路13は、検知回路11からの出力信号に基づき、電源回路12の駆動を制御して、質量部21の挙動を所望のものとすることができる。
制御回路13は、検知回路11の出力信号に基づき、電源回路12の駆動を制御するように構成されている。
駆動部241の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをL1とし、駆動部251の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをL2とし、質量部21の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向での長さをL3としたとき、本実施形態では、駆動部241、251が、それぞれ独立して設けられているため、質量部21の大きさ(長さL3)にかかわらず、駆動部241、251と質量部21とが干渉せず、L1およびL2を小さくすることができる。これにより、駆動部241、251の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、その結果、質量部21の回転角度を大きくすることができる。
前記関係を満たすことにより、L1およびL2をより小さくすることができ、駆動部241、251の回転角度をより大きくすることができ、質量部21の回転角度をさらに大きくすることができる。
この場合、質量部21の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、L1とL2とはほぼ等しく設定されているが、L1とL2とが異なっていてもよいことは言うまでもない。
すなわち、かかる振動系は、駆動部241、251の振幅と、質量部21の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm1[kHz]、fm3[kHz](ただし、fm1<fm3)と、駆動部241、251の振幅がほぼ0となる、1つの***振周波数fm2[kHz]とを有している。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm1[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm1−1)≦F≦(fm1+1)の条件を満足することを意味する。
質量部21の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性部242、252のばね定数k1は、1×10−4〜1×104Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、駆動部241、251の慣性モーメントをJ1とし、質量部21の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とは、J1≦J2なる関係を満足することが好ましく、J1<J2なる関係を満足することがより好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ω1と第2の振動系の固有振動数ω2とは、ω1>ω2なる関係を満足するのが好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
図7ないし図9は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図7ないし図9中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
次に、シリコン基板6の一方の面に、図7(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子41〜44の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク7を形成する。そして、例えば、ホウ素(ボロン)等の不純物を拡散(ドープ)させることで、図7(c)に示すように、ピエゾ抵抗素子41〜44を形成する。その後、金属マスク7を除去する。
[A3] 次に、図7(e)に示すように、各ピエゾ抵抗素子41〜44を電気的に接続するための配線9を引き出すための配線引出部を絶縁膜層8上に形成する。
そして、図7(f)に示すように、ブリッジ回路111となるように、各ピエゾ抵抗素子41〜44に配線9をパターニングする。以上のような工程により、ピエゾ抵抗素子41〜44が形成されたシリコン基板61が得られる。
そして、図8(c)に示すように、シリコン基板61の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行って、空間30の平面視形状と同様の形状をなす開口を有するレジストマスク72を形成する。なお、レジストマスク72の形成は、金属マスク71の形成よりも先に行ってもよい。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
そして、金属マスク71を除去した場合、この後、質量部21上に金属膜を成膜し、光反射部211を形成する。
なお、ここで、シリコン基板61に対しエッチングを行った後、金属マスク71は除去してもよく、除去せずに残存させてもよい。金属マスク71を除去しない場合、質量部21上に残存した金属マスク71は光反射部211として用いることができる。
以上の工程により、図8(e)に示すように、質量部21と支持部22、23と各駆動部241、251と第1の弾性部242、252と第2の弾性部243、253と、電極32、33が一体的に形成された構造体が得られる。なお、支持部22、23と電極32、33との間の部分を、後述する工程にて除去する。
そして、シリコン基板62の一方の面に、開口部31を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク73を形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板62の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去し、図9(b)に示すように、開口部31を形成する。すなわち、支持基板3が得られる。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図10は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図10の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前述した第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、第1のピエゾ抵抗素子41Aは、第2の弾性部243の回動中心軸X方向での中央部(すなわち、端部を除いた部分)に設けられており、第1のピエゾ抵抗素子42Aは、第2の弾性部253の回動中心軸X方向での中央部(すなわち、端部を除いた部分)に設けられている。第1実施形態で説明したように、第2の弾性部243、253が捩れ変形する場合には、第2の弾性部243、253の端部に応力が集中するため、中央部にかかる応力は端部と比較して少ない。したがって、第2の弾性部243、253の中央部に設けられている第1のピエゾ抵抗素子41A、42Aの抵抗値変化は、第1実施形態のような第2の弾性部243、253の端部に設けられている第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と比較して少ない。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図11は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のアクチュエータについて、前述した第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、第2のピエゾ抵抗素子43Bは、支持部22上に設けられており、第2のピエゾ抵抗素子44Bは、支持部23上に設けられている。支持部22、23は、質量部21の回動駆動(すなわち、第2の弾性部243、253や第1の弾性部242、252の捩れ変形)によっては応力を受けない。また、本実施形態では、支持部22、23の厚さ(質量部21の面に直角な方向での長さ)は、基体2の他の部分(例えば、駆動部241、251)よりも厚いため、他の部分と比べ剛性が高い。すなわち、歪みにくい。そのため、支持部22、23自体の歪みによる第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの抵抗値変化をより確実に防止することができる。これにより、第2のピエゾ抵抗素子43Bおよび第2のピエゾ抵抗素子44Bは、アクチュエータ1Bの温度変化(第2のピエゾ抵抗素子43B、44B自体の温度変化)に応じて抵抗値が変化する。その結果、挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの抵抗値変化とをほぼ完全に相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することで、質量部21の挙動を高精度に検知することができる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、前述した実施形態では、第2の弾性部が棒状(直線状)をなしていたが、駆動部の回動に伴って捩れ変形し、質量部を回動駆動させることができるものであれば、第2の弾性部の形状は任意である。例えば、第2の弾性部は湾曲していてもよい。
また、前述した実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子は、それぞれ同一形状かつ同一寸法であるものについて説明したが、質量部の挙動を検知することができれば、これに限定されない。
また、前述した実施形態では、光反射部が質量部の上面(支持基板とは逆側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、第2のピエゾ抵抗素子は、駆動部または質量部に設けられていたが、第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置であれば、これに限定されず、例えば、質量部に設けてもよく、支持基板に設けてもよく、アクチュエータと固定的に設けられた図示しない支持部材に支持され、第1のピエゾ抵抗素子の近傍に配置されているものでもよい。
また、前述した実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子が1対の弾性部のそれぞれに設けられているものについて説明したが、これに限定されず、1対の弾性部のうちの少なくとも一方に設けられていてもよい。
Claims (15)
- 光反射性を有する光反射部を有し、板状をなす質量部と、
前記質量部を支持する支持部と、
前記支持部に対し前記質量部を回動可能とするように、前記質量部と前記支持部とを連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、
前記挙動検知手段の検知結果に基づいて、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記挙動検知手段は、
前記1対の弾性部のうちの少なくとも一方の前記弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、
前記第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、前記質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、
前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記挙動検知手段は、温度変化による前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化と、温度変化による前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化とを相殺することで、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知するよう構成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記第1のピエゾ抵抗素子の温度をT1とし、前記第2のピエゾ抵抗素子の温度をT2としたとき、T2/T1は、0.9〜1.0の関係を満たす請求項1または2に記載のアクチュエータ。
- 前記1対の弾性部は、前記質量部の平面視にて、前記質量部に対して対称となるように設けられており、
前記第1のピエゾ抵抗素子は、各前記弾性部に設けられ、
1対の前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記質量部の平面視にて前記質量部に対して対称となるように設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子は、それぞれ、ブリッジ回路を構成する抵抗素子であり、
前記挙動検知手段は、前記ブリッジ回路の出力結果に基づいて、前記質量部の挙動を検知する請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記ブリッジ回路の出力を差動増幅回路により増幅させるよう構成されている請求項5に記載のアクチュエータ。
- 各前記弾性部は、板状の第1の質量部と、前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性部と、前記駆動部に対して前記質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記質量部とを連結する第2の弾性部とを有し、前記駆動手段が、前記第1の弾性部を捩れ変形させながら前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性部を捩れ変形させながら前記質量部を回動させるように構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部上に設けられている請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での端部に設けられている請求項8に記載のアクチュエータ。
- 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での中央部に設けられている請求項8に記載のアクチュエータ。
- 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部に配置されている請求項7ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部の回動中心軸上に配置されている請求項11に記載のアクチュエータ。
- 前記第1のピエゾ抵抗素子と前記第2のピエゾ抵抗素子との中心間距離が500μm以下である請求項1ないし12のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部に配置されている請求項7ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部と前記第1の弾性部との境界部の近傍に配置されている請求項14に記載のアクチュエータ。
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