JP2008003330A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度に質量部の挙動を検知し、質量部の挙動を所望のものとすることができるアクチュエータを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるアクチュエータ1は、駆動手段を作動させることにより、弾性部24、25を捩れ変形させながら、質量部21を回動させるように構成され、質量部21の挙動を検知する挙動検知手段を有し、挙動検知手段は、1対の弾性部24、25のうちの少なくとも一方の弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、質量部21の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて質量部21の挙動を検知するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクチュエータに関するものである。
例えば、レーザープリンタ等にて光走査により描画を行うための光スキャナとして、捩り振動子で構成されたアクチュエータを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、1自由度振動系の捩り振動子を備えるアクチュエータが開示されている。このようなアクチュエータは、1自由度振動系の捩り振動子として、質量部をその両側で捩りバネにより支持した構造を有している。そして、質量部上には光反射性を有する光反射部が設けられており、捩りバネを捩れ変形させながら質量部を回動駆動させて、光反射部で光を反射し走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
このようなアクチュエータにあっては、質量部の挙動を検知し、その検知結果に基づいて質量部の回動駆動を制御することで、高精度な走査を行うことができる。
特に、特許文献1にかかるアクチュエータにあっては、駆動源により1対の弾性支持体のそれぞれを捩り変形させ、それに伴って、質量部を回動するよう構成されており、さらに、弾性支持体(捩りバネ)の表面にひずみに応じて抵抗値が変化する歪みゲージを設け、その歪みゲージの抵抗値変化に基づいて質量部の挙動を検知するよう構成されている。
また、歪みゲージの長手方向を弾性支持部の延在方向(質量部の回動中心軸と平行な方向)に対して45度とすることにより、歪みゲージが受ける歪みを大きくし、質量部の挙動をより正確に検知することができるよう構成されている。
しかしながら、特許文献1にかかるアクチュエータでは、質量部に設けられた反射面により、入射光を反射するよう構成されている。そのため、例えば、入射光の一部が反射されずに熱となることで、アクチュエータが昇温してしまう。ここで、歪みゲージは、温度変化によっても抵抗値が変化する特性をもっているため、弾性支持体に設けられた歪みゲージの抵抗値は、弾性支持体の捩れ変形だけでなく、歪みゲージ自体の温度変化によっても変化することとなる。したがって、このような抵抗値変化に基づいて質量部の挙動を検知しても、質量部の挙動を正確には検知することができない。その結果、アクチュエータは、所望の振動特性を発揮することができないという問題が生じる。
特開2005−326463号公報
本発明の目的は、高精度に質量部の挙動を検知し、質量部の挙動を所望のものとすることができるアクチュエータを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータは、光反射性を有する光反射部を有し、板状をなす質量部と、
前記質量部を支持する支持部と、
前記支持部に対し前記質量部を回動可能とするように、前記質量部と前記支持部とを連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、
前記挙動検知手段の検知結果に基づいて、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記挙動検知手段は、
前記1対の弾性部のうちの少なくとも一方の前記弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、
前記第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、前記質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、
前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、前記挙動検知手段は、前記アクチュエータの温度変化(前記第1のピエゾ抵抗素子自体の温度変化)に関係なく、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。その結果、前記挙動検知手段は、前記質量部の挙動を高精度に検知することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記挙動検知手段は、温度変化による前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化と、温度変化による前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化とを相殺することで、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知するよう構成されていることが好ましい。
これにより、前記挙動検知手段は、前記アクチュエータの温度変化(前記第1のピエゾ抵抗素子自体の温度変化)に関係なく、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子の温度をTとし、前記第2のピエゾ抵抗素子の温度をTとしたとき、T/Tは、0.9〜1.0の関係を満たすことが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の温度変化による抵抗値変化と前記第2のピエゾ抵抗素子の温度変化による抵抗値変化とをほぼ等しくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記1対の弾性部は、前記質量部の平面視にて、前記質量部に対して対称となるように設けられており、
前記第1のピエゾ抵抗素子は、各前記弾性部に設けられ、
1対の前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記質量部の平面視にて前記質量部に対して対称となるように設けられていることが好ましい。
これにより、1対の前記第1のピエゾ抵抗素子同士の温度変化をほぼ等しくすることができる。さらに、1対の前記第1のピエゾ抵抗素子同士の歪み量をほぼ等しくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子は、それぞれ、ブリッジ回路を構成する抵抗素子であり、
前記挙動検知手段は、前記ブリッジ回路の出力結果に基づいて、前記質量部の挙動を検知することが好ましい。
これにより、温度変化による前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化と、温度変化による前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化とを相殺し、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知することができる。すなわち、ブリッジ回路からの出力信号は、前記質量部の挙動に対応したものとなる。
本発明のアクチュエータでは、前記ブリッジ回路の出力を差動増幅回路により増幅させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、前記ブリッジ回路から出力された信号を増幅することができ、前記質量部の挙動をより正確に検知することができる。
本発明のアクチュエータでは、各前記弾性部は、板状の第1の質量部と、前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性部と、前記駆動部に対して前記質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記質量部とを連結する第2の弾性部とを有し、前記駆動手段が、前記第1の弾性部を捩れ変形させながら前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性部を捩れ変形させながら前記質量部を回動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、前記弾性部にかかる応力を少なくしつつ、質量部の回動角を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部上に設けられていることが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での端部に設けられていることが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での中央部に設けられていることが好ましい。
これにより、前記アクチュエータの製造を容易とすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部に配置されていることが好ましい。
これにより、前記第2の弾性部の捩れ変形によっては、前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値は変化しない。その結果、前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値を主として温度変化により変化させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部の回動中心軸上に配置されていることが好ましい。
これにより、前記第2のピエゾ抵抗素子が、前記第1の質量部の回動駆動によって生じてしまう応力(撓み、歪み)などを受けてしまうことを効果的に抑制することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1のピエゾ抵抗素子と前記第2のピエゾ抵抗素子との中心間距離が500μm以下であることが好ましい。
これにより、前記第1のピエゾ抵抗素子の温度変化と、前記第2のピエゾ抵抗素子の温度変化とをほぼ等しくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部に配置されていることが好ましい。
これにより、前記支持部自体の歪みによる前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより確実に防止することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部と前記第1の弾性部との境界部の近傍に配置されていることが好ましい。
これにより、前記支持部自体の歪みによる前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより確実に防止することができ、さらに、前記第2の弾性部上に設けられた前記第1のピエゾ抵抗素子と、前記第2のピエゾ抵抗素子との距離をより近づけることができる。
以下、本発明のアクチュエータの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1中のB−B線断面図、図4は、図1に示すアクチュエータの制御系の概略構成を示す図、図5は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧の電圧波形の一例を示す図、図6は、図1に示すアクチュエータの駆動電圧として交流電圧を用いた場合における交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部のそれぞれの振幅との関係を示すグラフである。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中および図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
アクチュエータ1は、図1ないし図3に示すような2自由度振動系を有する基体2と、この基体2を支持する支持基板3とを有している。
基体2は、質量部(可動部)21と、1対の支持部22、23と、1対の弾性部24、25と、1対の電極32、33とを備えている。
また、弾性部24は、第1の質量部(以下「駆動部」という)241と、第1の弾性部242と、第2の弾性部243とを備え、これと同様に、弾性部25は、第1の質量部(以下「駆動部」という)251と、第1の弾性部252と、第2の弾性部253とを備えている。
すなわち、基体2は、質量部21と、支持部22、23と、1対の駆動部241、251と、1対の第1の弾性部242、252と、1対の第2の弾性部243、253とを備えている。
このようなアクチュエータ1にあっては、後述する1対の電極32、33に電圧を印加することにより、1対の第1の弾性部242、252を捩れ変形させながら、1対の駆動部241、251を回動させ、これに伴って、1対の第2の弾性部243、253を捩れ変形させながら質量部21を回動させる。このとき、1対の駆動部241、251および質量部21は、それぞれ、図1に示す回動中心軸Xを中心にして回動する。
1対の駆動部241、251は、それぞれ、板状をなし、互いにほぼ同一寸法でほぼ同一形状をなしている。
また、駆動部241の平面視にて回動中心軸Xに直角な方向での両端部(回動中心軸Xからの遠位側の両端部)には、櫛歯状をなす櫛歯状電極部2411、2412が設けられている。これと同様に、駆動部251の平面視にて回動中心軸Xに直角な方向での両端部(回動中心軸Xからの遠位側の両端部)には、櫛歯状をなす櫛歯状電極部2511、2512が設けられている。
また、1対の駆動部241、251の間には、質量部21が設けられており、1対の駆動部241、251は、質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。同様に、1対の第1の弾性部242、252は、質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられており、1対の第2の弾性部243、253は、質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態にかかるアクチュエータ1は、質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように形成されている。
質量部21は、板状をなし、その板面に光反射部211が設けられている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。
このような駆動部241、251および質量部21にあっては、駆動部241が第1の弾性部242を介して支持部22に接続され、質量部21が第2の弾性部243を介して駆動部241に接続されている。これと同様に、駆動部251が第1の弾性部252を介して支持部23に接続され、質量部21が第2の弾性部253を介して駆動部251に接続されている。
また、弾性部24のうち、第1の弾性部242および第2の弾性部243は、弾性変形(主として捩れ変形)可能な棒状部材である。これと同様に、弾性部25のうち、第1の弾性部252および第2の弾性部253は、弾性変形可能な棒状部材である。
第1の弾性部242は、駆動部241を支持部22に対して回動可能とするように、駆動部241と支持部22とを連結している。これと同様に、第1の弾性部252は、駆動部251を支持部23に対して回動可能とするように、駆動部251と支持部23とを連結している。
第2の弾性部243は、質量部21を駆動部241に対して回動可能とするように、質量部21と駆動部241とを連結している。これと同様に、第2の弾性部253は、質量部21を駆動部251に対して回動可能とするように、質量部21と駆動部251とを連結している。
このような第1の弾性部242、252および第2の弾性部243、253は、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)Xとして、駆動部241が支持部22に対して、また、駆動部251が支持部23に対して回動可能となっている。さらに、質量部21が駆動部241、251に対して回動可能となっている。
このように、基体2は、駆動部241、251と第1の弾性部242、252とで構成された第1の振動系と、質量部21と第2の弾性部243、253とで構成された第2の振動系とを有する。すなわち、基体2は、第1の振動系および第2の振動系からなる2自由度振動系を有する。
第2の弾性部243の上面には、第2の弾性部243の長手方向に沿って帯状(長手形状)の第1のピエゾ抵抗素子41が設けられ(形成され)ている。すなわち、ピエゾ抵抗素子41の長手方向と第2の弾性部243の長手方向とがほぼ平行となるように第1のピエゾ抵抗素子41が設けられている。同様に、第2の弾性部253の上面には、その長手方向に沿って第1のピエゾ抵抗素子42が設けられている。
また、駆動部241の上面には、帯状の第2のピエゾ抵抗素子43が設けられ(形成され)ている。同様に、駆動部251の上面には、第2のピエゾ抵抗素子44が設けられている。
なお、以下、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子のことを単に「ピエゾ抵抗素子」ともいう。
さらに、図3に示すように、第1のピエゾ抵抗素子41、42および第2のピエゾ抵抗素子43、44の電極取り出し部を除いて基体2を覆うように、酸化シリコン、窒化シリコンなどを主成分とする絶縁膜(酸化膜)層8が形成されている。
さらに、絶縁膜層8の上から、電極取り出し部を通じてピエゾ圧電素子41〜44を電気的に接続するための配線9がパターニングされている。
なお、図1、図2においては、絶縁膜層8および配線9について図示を省略している。
このような2自由度振動系は、基体2の全体の厚さよりも薄く形成されているとともに、図2にて上下方向で基体2の上部に位置している。言い換えすれば、基体2には、基体2の全体の厚さよりも薄い部分が形成されており、この薄い部分に異形孔が形成されることにより、質量部21と駆動部241、251と第1の弾性部242、242と第2の弾性部243、253とが形成されている。
本実施形態では、前記薄肉部の上面が支持部22、23の上面と同一面上に位置することにより、前記薄い部分の下方には、質量部21および駆動部241、251の回動のための空間(凹部)30が形成されている。
このような基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、質量部21と、駆動部241、251と、支持部22、23と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253とが一体的に形成されている。
なお、基体2は、SOI基板等の積層構造を有する基板から、質量部21と、駆動部241、251と、支持部22、23と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253と、電極32、33とを形成したものであってもよい。その際、質量部21と、駆動部241、251と、支持部22、23の一部と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253とが一体的となるように、これらを積層構造基板の1つの層で構成するのが好ましい(例えば、SOI基板の一方のSi層)。
また、電極32および電極33のそれぞれは、駆動部241、251と質量部21と支持部22、23と第1の弾性部242、252と第2の弾性部243、253とに対し、離間している。これにより、電極32、33は、質量部21と駆動部241、251と支持部22、23と第1の弾性部242、252と第2の弾性部243、253に対し電気的に絶縁されている。
また、電極32は、前述した駆動部241の櫛歯状電極部2411に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部321と、駆動部251の櫛歯状電極部2511に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部322とが形成されている。
これと同様に、電極33は、前述した駆動部241の櫛歯状電極部2412に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部331と、駆動部251の櫛歯状電極部2512に対し間隔を隔てつつ噛み合うように設けられた櫛歯状電極部332とが形成されている。
ここで、櫛歯状電極部2411は、櫛歯状電極部321に対し、上下方向に初期変位しているのが好ましい。これと同様に、櫛歯状電極部2412は櫛歯状電極部331に対し、櫛歯状電極部2511は櫛歯状電極部322に対し、櫛歯状電極部2512は櫛歯状電極部332に対し、上下方向に初期変位しているのが好ましい。これにより、駆動部241、251の回動駆動の開始を簡単にすることができる。
電極32、33は、後述する電源回路12に接続されており、電極32、33に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
前述したような基体2に接合した支持基板3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
支持基板3の上面には、図2に示すように、質量部21に対応する部分に開口部31が形成されている。
この開口部31は、質量部21が回動(振動)する際に、支持基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、質量部21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
なお、前述したような逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも支持基板3の下面(質量部21と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、支持基板3の上面に形成された凹部で構成することもできる。また、空間30の深さが質量部21の振れ角(振幅)に対し大きい場合などには、逃げ部を設けなくともよい。
以上のような構成のアクチュエータ1は、次のようにして駆動する。
すなわち、電極32、33に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、駆動部241、251をアースしておき、電極32に、図5(a)に示すような波形の電圧を印加し、電極33に、図5(b)に示すような波形の電圧を印加する。すなわち、電極32と電極33とに交互に電圧を印加する。すると、電極32と駆動部241、251との間(より具体的には、櫛歯状電極部321と櫛歯状電極部2411との間、および、櫛歯状電極部322と櫛歯状電極部2511との間)と、電極33と駆動部241、251との間(より具体的には、櫛歯状電極部331と櫛歯状電極部2412との間、および、櫛歯状電極部332と櫛歯状電極部2512との間)とに交互に静電引力が生じる。
この静電気力により、第1の弾性部242、252を軸に(すなわち、回動中心軸Xまわりに)、支持基板3の板面に対して傾斜するように振動(回動)する。
そして、この駆動部241、251の振動(駆動)に伴って、第2の弾性部243、253を介して連結されている質量部21も、第2の弾性部243、253を軸に(すなわち、回動中心軸Xまわりに)、支持基板3の板面に対して傾斜するように振動(回動)する。
このとき、第2の弾性部243は、駆動部241の回動駆動により主として捩れ変形し、これにより、第1のピエゾ抵抗素子41が引張応力を受ける。また、第2の弾性部253は、駆動部251の回動駆動により主として捩れ変形し、これにより、第1のピエゾ抵抗素子42が引張応力を受ける。なお、第2のピエゾ抵抗素子43、44は、上述したように、駆動部241、251上に設けられているため、駆動部241、251および質量部21の回動によっては、実質的に応力を受けない。
以上のように、アクチュエータ1は、質量部21を回動駆動させるように駆動するが、本発明では、さらに、質量部21の挙動(振れ角など)を検知する挙動検知手段が設けられている。以下、この挙動検知手段について詳述する。
挙動検知手段は、図4に示すように、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44を有している。ピエゾ圧電素子41、42、43、44は、外部から応力を受けると、その受けた応力に応じて抵抗値が変化する性質や、温度変化に応じて抵抗値が変化する性質を持つ。このようなピエゾ抵抗素子41〜44の性質(抵抗値の変化)に基づいて質量部21の挙動を検知するように、挙動検知手段が構成されている。
本実施形態では、各ピエゾ抵抗素子41、42、43、44は、帯状をなし、同一形状かつ同一寸法で、さらに、同一の構成材料を用いて形成されている。これにより、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44それぞれの抵抗値変化の特性を同一にすることができ、挙動検知手段の信頼性を向上させることができる。
第1のピエゾ抵抗素子41は、第2の弾性部243上に設けられている。同様に、第1のピエゾ抵抗素子42は、第2の弾性部253上に設けられている。そのため、第2の弾性部243の捩れ変形の程度に応じて第1のピエゾ抵抗素子41の抵抗値が変化し、同様に、第2の弾性部253の捩れ変形の程度に応じて第1のピエゾ抵抗素子42の抵抗値が変化する。また、質量部21には、レーザーなど入射光を反射するための光反射部211が設けられている。そのため、入射光の一部が反射されずに熱となることで、アクチュエータ1が昇温してしまう。そのため、このような温度変化によって、第1のピエゾ抵抗素子41、42自体の温度が変化してしまい、それに伴い、第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値が変化してしまう。
したがって、第1のピエゾ抵抗素子41は、主として、第2の弾性部243の捩れ変形により受ける応力と、アクチュエータ1の温度変化(第1のピエゾ抵抗素子41自体の温度変化)とにより、その抵抗値が変化する。同様に、第1のピエゾ抵抗素子42は、主として、第2の弾性部253の捩れ変形により受ける応力と、アクチュエータ1の温度変化(第1のピエゾ抵抗素子42自体の温度変化)により、その抵抗値が変化する。
したがって、このような第2の弾性部243、253上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化にのみ基づいて質量部21の挙動を検知した場合には、その検知結果は、主として、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化に基づいているものとはいえない。すなわち、質量部21の挙動を正確に検知しているとはいえない。
そこで、本発明では、第2のピエゾ抵抗素子43、44を設け、温度変化に応じた抵抗値変化を検知する。
第2のピエゾ圧電素子43は、駆動部241に設けられている。同様に、第2のピエゾ圧電素子44は、駆動部251に設けられている。ここで、駆動部241、251は、第2の弾性部の捩れ変形(すなわち、質量部21の回動駆動)によっては、実質的に応力を受けない。したがって、第2の弾性部243、253の捩れ変形によっては、第2のピエゾ抵抗素子43、44の抵抗値は変化しない。その結果、第2のピエゾ抵抗素子43、44は、主として前述した温度変化により、その抵抗値が変化することとなる。
このようなピエゾ抵抗素子41〜44を有する挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43の抵抗値変化とを相殺することで、第2の弾性部243の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41の抵抗値変化を検知するよう構成され、同様に、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子44の抵抗値変化とを相殺することで、第2の弾性部253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子42の抵抗値変化を検知するよう構成されている。これにより、挙動検知手段は、アクチュエータ1の温度変化(第1のピエゾ抵抗素子41、42自体の温度変化)に関係なく、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することができる。その結果、挙動検知手段は、第2の弾性部243、253の捩れ変形の程度をより正確に検知することができ、その結果、質量部21の挙動をより正確に検知することができる。
具体的には、挙動検知手段は、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44を含む検知回路11と、電極32、33に電圧を印加する電源回路12と、検知回路11の出力信号に応じて電源回路12の駆動を制御する制御回路13(制御手段)とを有している。
検知回路11は、ピエゾ抵抗素子41〜44で構成されたホイートストンブリッジ回路(以下、単に「ブリッジ回路」という)111と、ブリッジ回路111の出力を増幅する差動増幅回路(差動増幅器)112とを有している。このように構成された検知回路11は、ピエゾ抵抗素子41、42、43、44の歪み量(変形量)に応じた信号を出力するようになっている。すなわち、ブリッジ回路111は、第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化のうち、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた抵抗値変化を検知するよう構成されている。
ブリッジ回路111は、図4に示すように、第1のピエゾ抵抗素子41、42および第2のピエゾ圧電素子43、44で構成されている。第2の弾性部243、253が捩れ変形していない場合(すなわち、第1のピエゾ抵抗素子41、42が応力を受けていない場合)には、ブリッジ回路111は、いわゆる平衡状態にあり、図4中A―B間に電流が流れず、よって信号は出力されない(すなわち、電圧が検知されない)。しかし、第2の弾性部243、253の捩れ変形により第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値が変化することにより、ブリッジ回路111の平衡状態が崩れ、A−B間に電流が流れ、信号(電圧値)が出力される。
そして、ピエゾ抵抗素子41〜44を図4のように接続することで、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43、44の抵抗値変化とを相殺し、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することができる。すなわち、ブリッジ回路111からの出力信号は、質量部21の挙動(例えば、回動角、振幅、振動数など)に対応したものとなる。これにより、質量部21の挙動を正確に検知することができる。
さらに、ブリッジ回路111から出力された信号は、差動増幅回路112により増幅される。このように、出力信号を増幅することで、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
また、制御回路13は、検知回路11からの出力信号に基づき、電源回路12の駆動を制御して、質量部21の挙動を所望のものとすることができる。
電源回路12は、駆動電圧として交流電圧を電極32、33に印加するように構成されている。ここで、電極32、33および電源回路12は、駆動部241、251を回動駆動させる駆動手段を構成する。
制御回路13は、検知回路11の出力信号に基づき、電源回路12の駆動を制御するように構成されている。
ここで、第1のピエゾ圧電素子41は、前述したように、第2の弾性部243上に設けられており、第1のピエゾ圧電素子42は、第2の弾性部253上に設けられている。第2の弾性部243、253は、質量部21と連続している。質量部21は、後述するように、回動角(振れ角)が大きいため、第2の弾性部243、253の捩れ変形量を大きくすることができる。したがって、第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を大きくすることができる。その結果、ブリッジ回路111により出力される電気信号を大きくすることができるため、挙動検知手段は、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
また、第1のピエゾ抵抗素子41は、第2の弾性部243の回動中心軸X方向での端部に設けられており、第1のピエゾ抵抗素子42は、第2の弾性部253の回動中心軸X方向での端部に設けられている。すなわち、本実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子41は、第2の弾性部243の長手方向での端部に設けられ、第1のピエゾ抵抗素子42は、第2の弾性部253の長手方向での端部に設けられている。
質量部21の回動駆動によって第2の弾性部243へかかる応力は、第2の弾性部243の長手方向での端部(すなわち、第2の弾性部243と質量部21との境界部および第2の弾性部243と駆動部241との境界部)に最も集中する。したがって、第1のピエゾ抵抗素子41を第2の弾性部243の端部に設けることで、第1のピエゾ抵抗素子41の抵抗値変化を大きくすることができる。これと同様に、質量部21の回動駆動によって第2の弾性部253へかかる応力は、第2の弾性部253の長手方向での端部(すなわち、第2の弾性部253と質量部21との境界部および第2の弾性部253と駆動部251との境界部)に最も集中する。したがって、第1のピエゾ抵抗素子42を第2の弾性部253の端部に設けることで、第1のピエゾ抵抗素子42の抵抗値変化を大きくすることができる。これにより、ブリッジ回路111により出力される電気信号を大きくすることができ、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
さらに、この場合、質量部21に対して遠位側の第2の弾性部243の端部(すなわち、第2の弾性部243と駆動部241との境界部)に第1のピエゾ抵抗素子41を設けることが好ましい。これにより、第1のピエゾ抵抗素子41と駆動部241に設けられている第2のピエゾ抵抗素子43とをより近づけることができる。これと同様に、質量部21に対して遠位側の第2の弾性部253の端部(すなわち、第2の弾性部253と駆動部251との境界部)に第1のピエゾ抵抗素子42を設けることが好ましい。これにより、第1のピエゾ抵抗素子42と駆動部251に設けられている第2のピエゾ抵抗素子44とをより近づけることができる。その結果、第1のピエゾ抵抗素子41の温度変化と第2のピエゾ抵抗素子43の温度変化をほぼ同一とすることができる。同様に、第1のピエゾ抵抗素子42の温度変化と第2のピエゾ抵抗素子44の温度変化とをほぼ同一とすることができる。その結果、挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43、44の抵抗値変化とをほぼ完全に相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することができる。
また、第1のピエゾ抵抗素子41と第1のピエゾ抵抗素子42とは、質量部21に対してほぼ対称に設けられている。これにより、第1のピエゾ抵抗素子41の温度変化と第1のピエゾ抵抗素子42の温度変化とをほぼ等しくすることができる。さらに、第1のピエゾ抵抗素子41の歪み量と第1のピエゾ抵抗素子42の歪み量とをほぼ等しくすることができる。その結果、ピエゾ抵抗素子41の抵抗値変化とピエゾ抵抗素子42の抵抗値変化とをほぼ等しくすることができ、挙動検知手段は、より正確に、質量部21の挙動を検知することができる。
一方、第2のピエゾ圧電素子43は、前述したように、駆動部241上に設けられており、第2のピエゾ圧電素子44は、駆動部251上に設けられている。駆動部241は、第1のピエゾ抵抗素子41が設けられている第2の弾性部243と接続しているため、第1のピエゾ抵抗素子41と第2のピエゾ抵抗素子43とをより近づけて配置することができる。言い換えすれば、第2のピエゾ抵抗素子43を第1のピエゾ抵抗素子41の近傍に配置することができる。これにより、第1のピエゾ抵抗素子41の温度変化と第2のピエゾ抵抗素子43の温度変化とをほぼ等しくすることができる。すなわち、第1のピエゾ抵抗素子41の温度変化による抵抗値変化と第2のピエゾ抵抗素子43の温度変化による抵抗値変化とをほぼ等しくすることができる。
これと同様に、駆動部251は、第1のピエゾ抵抗素子42が設けられている第2の弾性部253と接続しているため、第1のピエゾ抵抗素子42と第2のピエゾ抵抗素子44とをより近づけて配置することができる。これにより、第1のピエゾ抵抗素子42の温度変化と第2のピエゾ抵抗素子44の温度変化とをほぼ等しくすることができる。すなわち、第1のピエゾ抵抗素子42の温度変化による抵抗値変化と第2のピエゾ抵抗素子44の温度変化による抵抗値変化とをほぼ等しくすることができる。その結果、挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43、44の抵抗値変化とをほぼ完全に相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することで、質量部21の挙動を高精度に検知することができる。
さらに、第2のピエゾ抵抗素子43は、駆動部241の回動中心軸X上に延在するよう配置され、第2のピエゾ抵抗素子44は、駆動部251の回動中心軸X上に延在するよう配置されている。これにより、第2のピエゾ抵抗素子43を第1のピエゾ抵抗素子41の近傍に配置することができる。さらに、第2のピエゾ抵抗素子43を駆動部241の回動中心軸X上に延在するよう配置することにより、第2のピエゾ抵抗素子43が、駆動部241の回動駆動によって生じてしまう応力(撓み、歪み)などを受けてしまうことを効果的に抑制することができる。その結果、第2のピエゾ抵抗素子43、44により、温度変化に応じた抵抗値変化をより正確に検知することができる。
このようなピエゾ抵抗素子41、42、43、44のそれぞれは、例えば、n型のシリコン基板を用いて基体2を形成した場合には、ボロンなどの不純物を高濃度に拡散(ドープ)させ、その拡散部分にp型シリコン層を形成することで、形成することができる。なお、不純物濃度としては1.0×1018cm−3〜1.0×1020cm−3程度であることが好ましい。
また、第1のピエゾ抵抗素子41、42の温度をTとし、第2のピエゾ抵抗素子43、44の温度をTとしたとき、T/Tは、0.8〜1.0の関係を満たすことが好ましく、0.9〜1.0の関係を満たすことがより好ましい。このような関係を満たすことにより、第1のピエゾ抵抗素子41、42の温度変化による抵抗値変化と第2のピエゾ抵抗素子43、44の温度変化による抵抗値変化とをほぼ等しくすることができる。その結果、挙動検知手段は、質量部21の挙動をより正確に検知することができる。
また、第1のピエゾ抵抗素子41と第2のピエゾ抵抗素子43との中心間距離は50〜500μmであるのが好ましく、50〜100μmであるのがより好ましい。これにより、第1のピエゾ抵抗素子41、42の温度変化と、第2のピエゾ抵抗素子43、44の温度変化とをほぼ等しくすることができる。その結果、挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43、44の抵抗値変化とをほぼ完全に相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化から質量部21の挙動を正確に検知することができる。なお、「中心間距離」とは、第1のピエゾ抵抗素子41の中心と、第2のピエゾ抵抗素子43の中心との最短距離をいう。
本実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子41、42は、第2の弾性部243、253の一部として一体的に形成されているが、例えば、第1のピエゾ抵抗素子41、42を第2の弾性部243、253とは別体として設けてもよい。同様に、第2のピエゾ抵抗素子43、44は、駆動部241、251の一部として一体的に形成されているが、例えば、第2のピエゾ抵抗素子43、44を駆動部241、251とは別体として設けてもよい。
なお、本実施形態の挙動検知手段は、1対の第1のピエゾ抵抗素子41、42および1対の第2のピエゾ抵抗素子43、44を用いているが、質量部21の挙動を検知することができれば、これに限定されず、例えば、1つの第1のピエゾ抵抗素子と1つの第2のピエゾ抵抗素子を用いてもよい。具体的には、例えば、第2の弾性部243の第1のピエゾ抵抗素子41を設け、駆動部241に第2のピエゾ抵抗素子43を設けてもよい。また、ブリッジ回路111については、第1のピエゾ抵抗素子42および第2のピエゾ抵抗素子44の代わりに、抵抗値が変化しない抵抗素子を用いることができる。
次に、駆動部241、251と、質量部21との関係について詳述する。
駆動部241の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをLとし、駆動部251の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをLとし、質量部21の回動中心軸Xからこれにほぼ垂直な方向での長さをLとしたとき、本実施形態では、駆動部241、251が、それぞれ独立して設けられているため、質量部21の大きさ(長さL)にかかわらず、駆動部241、251と質量部21とが干渉せず、LおよびLを小さくすることができる。これにより、駆動部241、251の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、その結果、質量部21の回転角度を大きくすることができる。
また、駆動部241、251および質量部21の寸法は、それぞれ、L<LかつL<Lなる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
前記関係を満たすことにより、LおよびLをより小さくすることができ、駆動部241、251の回転角度をより大きくすることができ、質量部21の回転角度をさらに大きくすることができる。
この場合、質量部21の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
これらによって、駆動部241、251の低電圧駆動と、質量部21の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、LとLとはほぼ等しく設定されているが、LとLとが異なっていてもよいことは言うまでもない。
ところで、このような質量部21および駆動部241、251の振動系(2自由度振動系)では、駆動部241、251および質量部21の振幅(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図6に示すような周波数特性が存在している。
すなわち、かかる振動系は、駆動部241、251の振幅と、質量部21の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm[kHz]、fm[kHz](ただし、fm<fm)と、駆動部241、251の振幅がほぼ0となる、1つの***振周波数fm[kHz]とを有している。
この振動系では、電極32、33に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fmとほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、駆動部241、251の振幅を抑制しつつ、質量部21の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm−1)≦F≦(fm+1)の条件を満足することを意味する。
駆動部241、251の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
質量部21の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性部242、252のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
一方、第2の弾性部243、253のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の振れ角をより大きくすることができる。
また、第1の弾性部242、252のばね定数kと第2の弾性部243、253のばね定数kとは、k>kなる関係を満足するのが好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、駆動部241、251の慣性モーメントをJとし、質量部21の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとは、J≦Jなる関係を満足することが好ましく、J<Jなる関係を満足することがより好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
ところで、駆動部241、251と第1の弾性部242、252とからなる第1の振動系の固有振動数ωは、駆動部241、251の慣性モーメントJと、第1の弾性部242、252のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。一方、質量部21と第2の弾性部243、253とからなる第2の振動系の固有振動数ωは、質量部21の慣性モーメントJと、第2の弾性部243、253のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ωと第2の振動系の固有振動数ωとは、ω>ωなる関係を満足するのが好ましい。これにより、駆動部241、251の振れ角を抑制しつつ、質量部21の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
このようなアクチュエータ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図7ないし図9は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図7ないし図9中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[A1] まず、図7(a)に示すように、例えば、シリコン基板6を用意する。
次に、シリコン基板6の一方の面に、図7(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子41〜44の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク7を形成する。そして、例えば、ホウ素(ボロン)等の不純物を拡散(ドープ)させることで、図7(c)に示すように、ピエゾ抵抗素子41〜44を形成する。その後、金属マスク7を除去する。
[A2] 次に、図7(d)に示すように、シリコン基板6の上面(ピエゾ抵抗素子41〜44を形成した面)を覆うように、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンにより絶縁膜(酸化膜)層8を形成する。
[A3] 次に、図7(e)に示すように、各ピエゾ抵抗素子41〜44を電気的に接続するための配線9を引き出すための配線引出部を絶縁膜層8上に形成する。
そして、図7(f)に示すように、ブリッジ回路111となるように、各ピエゾ抵抗素子41〜44に配線9をパターニングする。以上のような工程により、ピエゾ抵抗素子41〜44が形成されたシリコン基板61が得られる。
[B1] 工程[A4]で得られたシリコン基板61を用意し、図8(b)に示すように、質量部21と、支持部22、23と、駆動部241、251と、第1の弾性部242、252と、第2の弾性部243、253と、電極32、33との形状(平面視形状)に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク71を形成する。なお、このとき、金属マスク71は、図示しないが、支持部22、23に対応する部分と電極32、33に対応する部分とは互いに連結した形状とする。
そして、図8(c)に示すように、シリコン基板61の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行って、空間30の平面視形状と同様の形状をなす開口を有するレジストマスク72を形成する。なお、レジストマスク72の形成は、金属マスク71の形成よりも先に行ってもよい。
次に、このレジストマスク72を介して、シリコン基板6の前記他方の面をエッチングした後、レジストマスク72を除去する。これにより、図8(d)に示すように、空間30の平面視に対応する領域に凹部51が形成される。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
次に、金属マスク71を介して、シリコン基板6の前記一方の面側を、前記凹部51に対応する部分が貫通するまでエッチングする。
そして、金属マスク71を除去した場合、この後、質量部21上に金属膜を成膜し、光反射部211を形成する。
なお、ここで、シリコン基板61に対しエッチングを行った後、金属マスク71は除去してもよく、除去せずに残存させてもよい。金属マスク71を除去しない場合、質量部21上に残存した金属マスク71は光反射部211として用いることができる。
金属膜の成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。なお、以下の各工程における金属膜の成膜においても、同様の方法を用いることができる。
以上の工程により、図8(e)に示すように、質量部21と支持部22、23と各駆動部241、251と第1の弾性部242、252と第2の弾性部243、253と、電極32、33が一体的に形成された構造体が得られる。なお、支持部22、23と電極32、33との間の部分を、後述する工程にて除去する。
[B2]次に、図9(a)に示すように、支持基板3を形成するための基板として、例えばシリコン基板62を用意する。
そして、シリコン基板62の一方の面に、開口部31を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク73を形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板62の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去し、図9(b)に示すように、開口部31を形成する。すなわち、支持基板3が得られる。
[B3]次に、図9(c)に示すように、前記工程[B1]で得られた構造体と、前記工程[A2]で得られた支持基板3とを直接接合により接合した後に、前記構造体の支持部23、24と電極32、33との間の部分を除去して、アクチュエータ1を得る。なお、基体2と支持基板3との間に可動イオンを含む硼珪酸ガラスのようなガラスを介在させ、これらを陽極接合により接合してもよい。また、シリコン基板62に代えてガラス基板を用いて、基体2と支持基板3とを陽極接合により接合することもできる。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
<第2実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図10は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図10の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前述した第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のアクチュエータ1Aは、第1のピエゾ抵抗素子41A、42Aの配置位置が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
すなわち、第1のピエゾ抵抗素子41Aは、第2の弾性部243の回動中心軸X方向での中央部(すなわち、端部を除いた部分)に設けられており、第1のピエゾ抵抗素子42Aは、第2の弾性部253の回動中心軸X方向での中央部(すなわち、端部を除いた部分)に設けられている。第1実施形態で説明したように、第2の弾性部243、253が捩れ変形する場合には、第2の弾性部243、253の端部に応力が集中するため、中央部にかかる応力は端部と比較して少ない。したがって、第2の弾性部243、253の中央部に設けられている第1のピエゾ抵抗素子41A、42Aの抵抗値変化は、第1実施形態のような第2の弾性部243、253の端部に設けられている第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と比較して少ない。
しかし、第2の弾性部243、253の端部は、受ける応力が大きい代わりに、第2の弾性部243、253の長手方向に沿って、受ける応力が均一ではない(一般に、端から中央へ向けて受ける応力が少なくなる)という性質を有する。したがって、ピエゾ抵抗素子41の抵抗値変化とピエゾ抵抗素子42の抵抗値変化とをほぼ等しくし、挙動検知手段の精度を向上させるためには、ピエゾ抵抗素子41、42を形成する際に高い位置精度が要求され、アクチュエータ1の製造が困難となるという問題が生じ得る。
それに比べ、第2の弾性部243、253の中央部では、第2の弾性部243、253の長手方向にて、受ける応力がほぼ均一であるため、アクチュエータ1Aの製造時にて、ピエゾ抵抗素子41A、42Aの形成について、多少の誤差が生じた場合であっても、第1のピエゾ抵抗素子41Aの抵抗値変化と第1のピエゾ抵抗素子42Aの抵抗値変化とをほぼ同一とすることができ、挙動検知手段の制度を向上しつつ、アクチュエータ1Aの製造を容易とすることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図11は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のアクチュエータについて、前述した第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のアクチュエータ1Bは、第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの配置位置が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
すなわち、第2のピエゾ抵抗素子43Bは、支持部22上に設けられており、第2のピエゾ抵抗素子44Bは、支持部23上に設けられている。支持部22、23は、質量部21の回動駆動(すなわち、第2の弾性部243、253や第1の弾性部242、252の捩れ変形)によっては応力を受けない。また、本実施形態では、支持部22、23の厚さ(質量部21の面に直角な方向での長さ)は、基体2の他の部分(例えば、駆動部241、251)よりも厚いため、他の部分と比べ剛性が高い。すなわち、歪みにくい。そのため、支持部22、23自体の歪みによる第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの抵抗値変化をより確実に防止することができる。これにより、第2のピエゾ抵抗素子43Bおよび第2のピエゾ抵抗素子44Bは、アクチュエータ1Bの温度変化(第2のピエゾ抵抗素子43B、44B自体の温度変化)に応じて抵抗値が変化する。その結果、挙動検知手段は、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの抵抗値変化とをほぼ完全に相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することで、質量部21の挙動を高精度に検知することができる。
さらに、第2のピエゾ抵抗素子43Bは、支持部22と第1の弾性部242との境界部の近傍に配置されており、第2のピエゾ抵抗素子44Bは、支持部23と第1の弾性部252との境界部の近傍に配置されている。これにより、第2の弾性部243の設けられた第1のピエゾ抵抗素子41と、第2のピエゾ抵抗素子43Bとの距離をより近づけることができる。同様に、第2の弾性部253の設けられた第1のピエゾ抵抗素子42と、第2のピエゾ抵抗素子44Bとの距離をより近づけることができる。その結果、第1のピエゾ抵抗素子41、42の温度変化と第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの温度変化とをほぼ等しくすることができる。その結果、挙動検知手段は、より正確に、温度変化による第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化と、温度変化による第2のピエゾ抵抗素子43B、44Bの抵抗値変化とを相殺することができ、第2の弾性部243、253の捩れ変形に応じた第1のピエゾ抵抗素子41、42の抵抗値変化を検知することで、質量部21の挙動を高精度に検知することができる。
なお、本実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子41、42は、第2の弾性部243、253上に設けられているが、質量部21の回動駆動により応力を受ける位置であれば、これに限定されず、例えば、第1の弾性部242、252上に設けられていてもよい。この場合には、第1のピエゾ抵抗素子41と第2のピエゾ抵抗素子43Bとの距離をより近づけることができ、同様に、第1のピエゾ抵抗素子42と第2のピエゾ抵抗素子44Bとの距離をより近づけることができ、挙動検知手段の精度が向上する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、第2の弾性部が棒状(直線状)をなしていたが、駆動部の回動に伴って捩れ変形し、質量部を回動駆動させることができるものであれば、第2の弾性部の形状は任意である。例えば、第2の弾性部は湾曲していてもよい。
また、前述した実施形態では、アクチュエータの中心を通り質量部や駆動部の回動中心軸に直角な面に対しほぼ対称(左右対称)な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
また、前述した実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子および第2のピエゾ抵抗素子は、それぞれ同一形状かつ同一寸法であるものについて説明したが、質量部の挙動を検知することができれば、これに限定されない。
また、前述した実施形態では、帯状(長手形状)の第1のピエゾ抵抗素子について説明したが、第2の弾性部の捩れ変形に応じて抵抗値が変化すれば、これに限定されず、例えば、異形状をなしていてもよい。また、第1のピエゾ抵抗素子の延在方向についても、第2の弾性部の捩れ変形に応じて抵抗値が変化すれば、限定されない。
また、前述した実施形態では、光反射部が質量部の上面(支持基板とは逆側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、2自由度振動系について説明したが、例えば1自由度振動系のアクチュエータに用いてもよい。この場合には、例えば、各1対の弾性部は、弾性変形可能な棒状部材で構成されているものであってもよい。
また、前述した実施形態では、第2のピエゾ抵抗素子は、駆動部または質量部に設けられていたが、第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置であれば、これに限定されず、例えば、質量部に設けてもよく、支持基板に設けてもよく、アクチュエータと固定的に設けられた図示しない支持部材に支持され、第1のピエゾ抵抗素子の近傍に配置されているものでもよい。
また、前述した実施形態では、第1のピエゾ抵抗素子が1対の弾性部のそれぞれに設けられているものについて説明したが、これに限定されず、1対の弾性部のうちの少なくとも一方に設けられていてもよい。
本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1中のB−B線断面図である。 図1に示すアクチュエータの制御系の概略構成を示す図である。 印加する交流電圧の一例を示す図である。 印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフある。 アクチュエータの製造方法を説明する図である。 アクチュエータの製造方法を説明する図である。 アクチュエータの製造方法を説明する図である。 本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。 本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1、1A、1B‥‥‥アクチュエータ 11‥‥‥検知回路 111‥‥‥ホイートストンブリッジ回路(ブリッジ回路) 112‥‥‥差動増幅回路(差動増幅器) 12‥‥‥電源回路 13‥‥‥制御回路 2‥‥‥基体 21‥‥‥質量部 211‥‥‥光反射部 22、23‥‥‥支持部 24、25‥‥‥弾性部 241、251‥‥‥第1の質量部(駆動部) 2411、2412、2511、2512‥‥‥櫛歯状電極部 242、252‥‥‥第1の弾性部 243、253‥‥‥第2の弾性部 3‥‥‥支持基板 30‥‥‥空間(凹部) 32、33‥‥‥電極 321、322、331、332‥‥‥櫛歯状電極部 41、41A、42、42A‥‥‥第1のピエゾ抵抗素子(ピエゾ抵抗素子) 43、43B、44、44B‥‥‥第2のピエゾ抵抗素子(ピエゾ抵抗素子) 51‥‥‥凹部 6、61、62‥‥‥シリコン基板 7、71、73‥‥‥金属マスク 72‥‥‥レジストマスク 8‥‥‥絶縁膜層(酸化膜層) 9‥‥‥配線 X‥‥‥回動中心軸

Claims (15)

  1. 光反射性を有する光反射部を有し、板状をなす質量部と、
    前記質量部を支持する支持部と、
    前記支持部に対し前記質量部を回動可能とするように、前記質量部と前記支持部とを連結する弾性変形可能な1対の弾性部と、
    前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
    前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、
    前記挙動検知手段の検知結果に基づいて、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
    前記挙動検知手段は、
    前記1対の弾性部のうちの少なくとも一方の前記弾性部上に設けられた第1のピエゾ抵抗素子と、
    前記第1のピエゾ抵抗素子の温度条件とほぼ同等の温度条件の位置で、かつ、前記質量部の回動駆動による応力を実質的に受けない位置に設けられた第2のピエゾ抵抗素子とを備え、
    前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記挙動検知手段は、温度変化による前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化と、温度変化による前記第2のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化とを相殺することで、前記弾性部の捩れ変形に応じた前記第1のピエゾ抵抗素子の抵抗値変化を検知するよう構成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第1のピエゾ抵抗素子の温度をTとし、前記第2のピエゾ抵抗素子の温度をTとしたとき、T/Tは、0.9〜1.0の関係を満たす請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記1対の弾性部は、前記質量部の平面視にて、前記質量部に対して対称となるように設けられており、
    前記第1のピエゾ抵抗素子は、各前記弾性部に設けられ、
    1対の前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記質量部の平面視にて前記質量部に対して対称となるように設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1のピエゾ抵抗素子および前記第2のピエゾ抵抗素子は、それぞれ、ブリッジ回路を構成する抵抗素子であり、
    前記挙動検知手段は、前記ブリッジ回路の出力結果に基づいて、前記質量部の挙動を検知する請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
  6. 前記ブリッジ回路の出力を差動増幅回路により増幅させるよう構成されている請求項5に記載のアクチュエータ。
  7. 各前記弾性部は、板状の第1の質量部と、前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性部と、前記駆動部に対して前記質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記質量部とを連結する第2の弾性部とを有し、前記駆動手段が、前記第1の弾性部を捩れ変形させながら前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性部を捩れ変形させながら前記質量部を回動させるように構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
  8. 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部上に設けられている請求項7に記載のアクチュエータ。
  9. 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での端部に設けられている請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記第1のピエゾ抵抗素子は、前記第2の弾性部の前記第1の質量部の回動中心軸方向での中央部に設けられている請求項8に記載のアクチュエータ。
  11. 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部に配置されている請求項7ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
  12. 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記第1の質量部の回動中心軸上に配置されている請求項11に記載のアクチュエータ。
  13. 前記第1のピエゾ抵抗素子と前記第2のピエゾ抵抗素子との中心間距離が500μm以下である請求項1ないし12のいずれかに記載のアクチュエータ。
  14. 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部に配置されている請求項7ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
  15. 前記第2のピエゾ抵抗素子は、前記支持部と前記第1の弾性部との境界部の近傍に配置されている請求項14に記載のアクチュエータ。
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