JP2008003146A - 画像形成装置およびクリーニング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドラムクリーナ36は、感光体ドラム31に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給され、導電性繊維からなる布によって繊維層(表面層)が形成されたクリーニングロール365と、クリーニングロール365に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性の回収ロール366とを備えている。
【選択図】図3
Description
転写後の感光体ドラム表面に残留するトナー粒子は、粒径が数μm〜数十μmである。そのため、クリーニング装置においては、かかる粒径のトナー粒子を除去するため、ロール状のクリーニング部材を感光体ドラムと周速差を持って回転させながら感光体ドラム表面に当接させる構成や、ブレード状のクリーニング部材を感光体ドラム表面にエッジ当接させる構成が一般に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特に、ロール状のクリーニング部材は、トナーのクリーニング効率を常に高く保つ目的で、回収ロールが接触配置されており、各部材に印加されるバイアスの差により、静電気的にトナーが回収ロールに回収され、さらに回収ロールに接触配置された、スクレーパーなどの掻き落とし部材により回収される技術が存在する(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
クリーニング装置により極めて微細な放電生成物をも除去する技術として、従来より、例えばロール状のクリーニング部材においては、クリーニング部材の感光体ドラムに対する周速差を大きく設定したり、感光体ドラムへの当接力を高めるように設定することで、クリーニング部材の感光体ドラムに対する機械的な摺擦力を高めるような技術が存在している(例えば、特許文献3参照)。
(1) 回転ブラシはクリーニングしたトナーが繊維間の奥に入り込みやすく回収ロールでの回収効率が悪く、また、ブラシ繊維が回収ロールをたたくために、回収ロールに傷が入りやすかったり、トナーが回収ロールにフィルミングされてしまい、連続してプリントすると、クリーニング不良をひきおこすことがあった。
(2) 発泡ロールクリーナーは、やはりその発泡セルにトナーがつまってしまい回収ロールでの回収効率が悪化し、クリーニング不良になりやすい。
(3) ゴムロールクリーナーは、その表面が面状で凹凸がないために、密着性がよく、初期的には、回収ロールでの回収効率がよいが、連続でプリントしていくと、回収ロールとゴムロール間の摩擦が高いために、ゴムロールに傷が入りやすくそこにトナーが固着していき回収不良となりやすい。また、ゴムロールと感光体との間でも摩擦が高いために、トナーのクリーニングのために必要な圧接力、速度差を設定すると感光体に傷をつけてしまう。
また、感光体ドラムが削られることにより生じる感光体ドラム表面の傷が、画像にスジ状の汚れ等の画像不良を発生させるという不都合も生じることとなる。
また、表面層にトナーを保持させる制御は、画像形成動作中に設定することを特徴とすることができる。さらに、表面層にトナーを保持させる制御は、非画像形成時に設定することを特徴とすることができる。
また、クリーニングロール部材は、表面層が導電性繊維が編み込まれた布、導電性繊維が織り込まれた布、および導電性繊維からなる不織布のいずれかで構成されたことを特徴とすることができる。さらには、クリーニングロール部材は、表面層が繊維太さ2デニール以下の導電性繊維で形成されたことを特徴とすることができる。加えて、クリーニングロール部材は、表面層の下層に導電性の弾性層が形成されたことを特徴とすることができる。
また、クリーニングロール部材の下流側にて像保持体に保持されるトナー像の帯電極性とは逆極性に帯電されたトナーを除去する逆極性トナークリーニング部材をさらに備えたことを特徴とすることができる。
本発明の請求項2によれば、クリーニングロール部材と回収ロール部材間で発生する回収効率低下に起因したトナーのクリーニング不良を防止し、かつ、像保持体表面に対する摺擦力が低くなるように設定することができるとともに、トナーや放電生成物に対するクリーニング性能を高めることができる。
本発明の請求項3によれば、繊維層の密度が高くでき、クリーニングロール部材と回収ロール部材間の接触確率があがるため、クリーニングロール部材と回収ロール部材間で発生する回収効率低下に起因したトナーのクリーニング不良を防止できるとともに、繊維層の表面積を増加させてトナーを多量に保持させることができることから、クリーニング性能を高めることができる。
本発明の請求項4によれば、画像形成と同時に放電生成物を除去することが可能となる。
本発明の請求項5によれば、非画像形成時に集中的に放電生成物を除去することが可能となる。
本発明の請求項7によれば、画像流れやフィルミングの発生を抑えると同時に、放電生成物に対するクリーニング性能を充分に機能させることができる。
本発明の請求項8によれば、像保持体表面に対する摺擦力が低くなるように設定することができるとともに、トナーや放電生成物に対するクリーニング性能を高めることができる。
本発明の請求項10によれば、クリーニングロール部材の弾性を自在に調整することができるので、像保持体の表面特性に対応した低い摺擦力を設定することができる。
本発明の請求項11によれば、逆極性に帯電したトナーを回収することができ、さらにクリーニング性能を向上させることができる。
本発明の請求項13によれば、像保持体表面に対する摺擦力が低くなるように設定することができるとともに、トナーや放電生成物に対するクリーニング性能を高めることができる。
本発明の請求項14によれば、繊維層の表面積を増加させてトナーを多量に保持させることができることから、クリーニング性能を高めることができる。
本発明の請求項16によれば、逆極性に帯電したトナーを回収することができ、さらにクリーニング性能を向上させることができる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の構成を示した図である。図1に示すカラープリンタ1は、所謂タンデム型で構成されており、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部20、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部22、カラープリンタ1を構成する各部の動作を制御する制御部60、カラープリンタ1の各部に電力を供給する電源部65を含んで構成されている。
ここで、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kは、現像器33に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。
そして、重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されると、トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせてレジストロール74から用紙Pが二次転写部T2に供給される。二次転写部T2では、二次転写ロール40とバックアップロール49との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
本実施の形態のカラープリンタ1では、このような画像形成サイクルが繰り返されることとなる。
図3は、本実施の形態のドラムクリーナ36の構成を示した図である。図3に示したように、ドラムクリーナ36は、ハウジング361、ハウジング361内に回収されたトナーを収容するトナー収容部362、トナー収容部362と感光体ドラム31との間隙を遮蔽する下流側シール363および上流側シール364、トナー収容部362に収容されたトナーを画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出する搬送スクリュー368を備えている。
繊維層365aは、導電性繊維を編み込んで布状に形成したものや導電性繊維を織り込んで布状に形成したもの、さらには、導電性繊維からなる不織布等で構成されている。ここで、導電性繊維としては、例えばカーボンブラックを分散させたナイロン導電糸の割繊繊維(KBセイレン(株)製)の例えば繊維太さ0.5デニール(248T/450F)のものを用いている。このように、極細の導電性繊維を用いることで、繊維層365aの表面積を増加させることができるので、トナーを多量に保持させることができ、また、クリーニング性能を高めることができる。この場合に、トナーの保持性・クリーニング性の観点から、導電性繊維の繊維太さとしては、2デニール(直径約15μm)以下、より好ましくは1デニール(直径約11μm)以下が適している。
また、不織布としては、乾式不織布、スポンジバンド、湿式不織布等があるが、本実施の形態では、乾式不織布を用いている。乾式不織布は、具体的には、繊維長が数センチ程度の繊維を、カードやエアランダム機で薄いシートとし、必要に応じて何枚かのシートを重ねて形成されたものであり、繊維の接合は、高圧細水流で絡めることで形成されている。
なお、繊維層365aにおいては、導電性繊維に例えば繊維層365aの耐久性を補強するための絶縁性の繊維を混合させた構成を用いることもできる。
特に、弾性層365bと繊維層365aとを積層して構成することで、クリーニングロール365の弾性を自在に調整することができるので、感光体ドラム31の表面特性に対応した低い摺擦力を設定することができる。
また、回収ロール366に対しても、密着性高く、ソフトに接触させることができる。
そして、回収ロール366は、クリーニングロール365の軸方向に沿って当接するように配置され、当接部においてクリーニングロール365とは逆方向に回転するように構成されている。
トナー収容部362に収容されたトナーは、搬送スクリュー368により画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出される。
上記したように、ドラムクリーナ36が配置された位置に感光体ドラム31が回転してくる際には、クリーニング前帯電器34により感光体ドラム31表面に残留したトナーの帯電極性はマイナス極性に揃えられる。それとともに、除電ランプ35により感光体ドラム31の表面電位は−50V程度に低下している。
その状態で、ドラムクリーナ36では、クリーニングロール365に対してクリーニングロールバイアス供給電源651から+300Vのバイアス電圧が印加される。それにより、クリーニングロール365から感光体ドラム31に向かう電界が形成されるので、感光体ドラム31表面のマイナス極性に帯電したトナーはクリーニングロール365に主として電気的に吸着されることとなる。
それにより、感光体ドラム31表面が削られたり、傷つけたりするのを抑制すると同時に、高いクリーニング性能を発揮することを可能としている。
そして、本実施の形態のドラムクリーナ36では、クリーニングロール365および回収ロール366の間で所定の電圧差が設定されており、クリーニングロール365と回収ロール366の密着性が極めて高く、かつソフトに接触配置されているために、クリーニングロール365の繊維層365aに回収されたトナーを、常時回収ロール366に高効率で転移させることができる。それにより、繊維層365aの高いトナー保持能力は常に維持されるので、カラープリンタ1での画像形成を行なう際には、クリーニングロール365での高いクリーニング性能を常時維持することができる。
図7では、まず本実施の形態のクリーニングロール365を感光体ドラム31に当接させ、所定量の転写残トナーを拭き取らせることで、クリーニングロール365に所定量のトナーを保持させた状態を作り出す。その後、回収ロール366とスクレーパ367とを装着し、所定時間内に回収ロール366を介してスクレーパ367に回収されるトナー量を測定することで、回収効率(%)を算出した。これを、クリーニングロール365が新品の場合(すなわち、初期状態)と、50kPV(kilo Print Volume)のプリント動作を行なった後のものとを用いた。
さらに、クリーニングロール365に代えた従来の他のクリーニング部材として、ブラシロール、発泡ロール、ゴムロールを設置したドラムクリーナの構成で、同様の回収効率を算出した。さらには、本実施の形態のクリーニングロール365にスクレーパ367のような樹脂で形成された掻き落とし部材を直接に当接させた構成でも、同様の回収効率を算出した。
これは、クリーニングロール365と回収ロール366との密着性が高いために初期状態においても回収効率が高いためと、繊維層365aが回収ロール366にソフトに当接するため、クリーニングロール365と回収ロール366との間の摩擦が少なく、相互のロールが傷ついたりすることがないため、50kPV後も高い回収効率を維持できたと考えられる。
発泡ロールは、初期状態では比較的高い回収効率を得られるが、50kPV後は発泡セルの中にトナーが入り込んで固着するため、回収効率が低下する。
ゴムロールは、初期状態では最も高い回収効率が得られるが、50kPV後には、ゴムロールと回収ロール366との間の摩擦が高くなることから、ゴムロール表面に多数の傷が生じ、同時にトナーの固着も生じて、回収効率は急激に低下する。
それにより、画像流れやフィルミング等といった画像不良の発生を抑止しながら、感光体ドラム31表面からトナーや放電生成物等を効果的にクリーニングすることが可能となる。
実施の形態1では、表面に繊維層365aが設けられたクリーニングロール365により感光体ドラム31表面を摺擦する構成のドラムクリーナ36について説明した。本実施の形態では、クリーニングロール365の下流側に、さらに感光体ドラム31表面を摺擦するブラシロールを配設した構成のドラムクリーナ36について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、他の構成については、実施の形態1のドラムクリーナ36と略同様である。
そして、ブラシロール561は、感光体ドラム31の軸方向に沿って当接するように配置され、当接部において感光体ドラム31と逆方向に回転するように構成されている。そして、本実施の形態のドラムクリーナ56においても、柔軟なブラシを配設することで、ブラシロール561の感光体ドラム31表面に対する摺擦力を低く設定している。
そして、第2回収ロール562は、ブラシロール561の軸方向に沿って当接するように配置され、当接部においてブラシロール561とは逆方向に回転するように構成されている。ここでは、回転速度は、感光体ドラム31の0.6倍であった。ただし、回転速度、回転方向は、システムに応じて適宜決定され、かかる設定に限定されるものではない。
スクレーパ563は、鉄、SUS等の金属で形成された板状部材である。そして、第2回収ロール562の軸方向に亘って、第2回収ロール562の回転方向に対してカウンタ当接するように固定配置されている。
これにより、一次転写部T1にて感光体ドラム31表面に残留したトナーや中間転写ベルト41から再転写したトナーの中で、クリーニング前帯電器34(図2参照)によって帯電極性がマイナス極性に帯電されなかったトナー、すなわちプラスの極性を持ったトナーを回収している。すなわち、ブラシロール561は、逆極性トナークリーニング部材として機能する。
ブラシロール561に回収されたトナーは、ブラシロール561と第2回収ロール562との間の電界によって、第2回収ロール562に転移する。そして、第2回収ロール562上に転移したトナーは、スクレーパ563により掻き落とされ、トナー収容部362に収容される。トナー収容部362に収容されたトナーは、搬送スクリュー368により画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出される。
なお、本実施の形態のドラムクリーナ56では、クリーニングロール365の下流側に配置する第2のクリーニング部材として、ブラシロール561を配置したが、クリーニングロール365と同様の構成のクリーニングロールを配置することもできる。
実施の形態1では、表面に繊維層365aが設けられたクリーニングロール365により感光体ドラム31表面を摺擦する構成のドラムクリーナ36について説明した。本実施の形態では、クリーニングロール365の下流側に、さらに感光体ドラム31表面にエッジ当接するクリーニングブレードを配設した構成のドラムクリーナ36について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、他の構成については、実施の形態1のドラムクリーナ36と略同様である。
これにより、一次転写部T1にて感光体ドラム31表面に残留したトナーや中間転写ベルト41から再転写したトナーの中で、クリーニング前帯電器34(図2参照)によって帯電極性がマイナス極性に帯電されなかったトナー、すなわちプラスの極性を持ったトナーを回収している。
クリーニングブレード571により掻き落とされたトナーは、トナー収容部362に収容される。トナー収容部362に収容されたトナーは、搬送スクリュー368により画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出される。
また、その場合に、クリーニングロール365により放電生成物が除去されるので、放電生成物の付着による感光体ドラム31表面の摩擦係数の上昇は殆ど発生しない。そのため、クリーニングブレード571でのめくれや摺擦音(所謂「鳴き」)の発生を低減し、クリーニングブレード571のエッジへの損傷や磨耗の発生も殆ど抑制できる。
実施の形態1では、クリーニングロール365の表面に繊維層365aを設けるとともに、クリーニングロール365と所定の電位差が形成された回収ロール366を当接させることで感光体ドラム31表面のトナーや放電生成物を除去する構成について説明した。本実施の形態では、所定のタイミングで繊維層365aに所定量のトナーを保持させ、その状態で感光体ドラム31表面のトナーや放電生成物を除去する構成について説明する。例えば高速機やカラー機のようにプロセススピードの速い機種では、大量の放電生成物が発生する。本実施の形態においては、放電生成物に対する除去機能をより向上させた構成を実現するものである。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、実施の形態1の場合と同様に、クリーニングロール365と回収ロール366との間の電圧差は、200〜400Vに設定するのが好適である。
本実施の形態の放電生成物除去モードは、次のように行なう。すなわち、放電生成物除去モードが設定されると、制御部60は、各画像形成ユニット30において例えば感光体ドラム31の幅方向の全域に亘るベタ画像(例えばA3サイズのベタ画像)を形成するとともに、一次転写ロール42をオフして一次転写処理を行なわないように設定する。そして、現像されたトナーの略すべてをクリーニングロール365に供給する。それにより、クリーニングロール365は、多量のトナーをクリーニングして、繊維層365aには所定量以上のトナー、例えば30g/m2以上のトナーが保持されることとなる。
なお、ここでは、一次転写ロール42をオフして多量の現像像をクリーニングロール365に供給したが、転写効率等に応じて、一次転写ロール42を完全にオフせず、転写電界を弱めることで転写残トナーの量を増やすなど、システムに応じて適宜設定することができる。
そして、その状態を維持しながら、数分間の感光体ドラム31の回転動作を行なう。
これは、本発明者らの実験により得られた知見に基づくものである。すなわち、トナーが保持された繊維層365aを感光体ドラム31表面に当接することにより、繊維層365aに保持されたトナーが感光体ドラム31表面に付着した放電生成物を感光体ドラム31から効果的に除去する作用を有することを確認した。そのメカニズムに関しては、明らかではない点もあるが、トナーを構成するポリエチレンやポリスチレン等のバインダー樹脂成分が放電生成物を吸着する効果を有すると推測することができる。
この図10での評価は、1000枚のプリントを行なった後に一昼夜(ほぼ24時間)の間の放置を経てプリントした、画像比率30%のハーフトーン画像にて行なった。感光体ドラム31表面に付着した放電生成物は、徐々に水分を吸着して感光体層の抵抗値が低下するほど画像流れによる白抜けは生じ易い。そこで、一昼夜の間の放置の後のプリント画像での評価を行なった。
また、図10での評価の際の繊維層365aに供給するトナー量(g/m2)は、感光体ドラム31の幅方向の全域に亘って形成する帯状のベタ画像の幅を変化させることで調整した。
一方、放電生成物除去モードを実施した際の繊維層365aでのトナー保持量を30〜70g/m2に設定した場合に、画像流れの発生は認められなかった。
そこで、図10の評価結果より、画像流れの発生を抑えるためには、放電生成物除去モードを実施した際に、繊維層365aに30g/m2以上のトナー保持量を確保するのが好適である。また、感光体ドラム31の回転時間は、長く行なうのが確実といえるが、2分間でも充分である。
したがって、繊維層365aでのトナー保持量は、30〜150g/m2が好適である。
それにより、画像流れやフィルミング等といった画像不良の発生を抑止しながら、感光体ドラム31表面からの放電生成物の除去効果を向上させている。
ここでは、クリーニングロールのみを使用したが、実施の形態3や4のように、下流側にブラシクリーナーや、ロールクリーナー、ブレードクリーナーなどを配置してもよい。
実施の形態4では、所定のタイミングで繊維層365aに所定量のトナーを保持させ、その状態で感光体ドラム31表面のトナーや放電生成物を除去する構成について説明した。本実施の形態では、繊維層365aに常時所定量のトナーを保持させる構成について説明する。それにより、例えば高速機やカラー機のような大量の放電生成物が発生する機種に対応させて、より放電生成物の除去効果を高めた構成を実現するものである。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
上記した実施の形態1と同様の構成を有するドラムクリーナ36が配置された位置に感光体ドラム31が回転してくる際には、クリーニング前帯電器34により感光体ドラム31表面に残留したトナーの帯電極性はマイナス極性に揃えられるとともに、除電ランプ35により感光体ドラム31の表面電位は−50V程度に低下している。
その状態で、ドラムクリーナ36では、クリーニングロール365に対してクリーニングロールバイアス供給電源651から+300Vのバイアス電圧が印加される。それにより、クリーニングロール365から感光体ドラム31に向かう電界が形成されるので、感光体ドラム31表面のマイナス極性に帯電したトナーはクリーニングロール365に主として電気的に吸着されることとなる。すなわち、本実施の形態のドラムクリーナ36では、クリーニングロール365の感光体ドラム31表面に対する摺擦力を低く設定することで機械的な回収力を大きくせず、主として電気的な吸着力によりトナーを回収している。
そして、クリーニングロール365に電気的に吸着されたトナーは、繊維層365aに保持される。繊維層365aは、上記したように極細の導電性繊維が用いられていれるので、多量のトナーを保持する能力を有している。
そして、トナーがクリーニングロール365から回収ロール366に所定量が転移すると、再び回収ロール366の電位がクリーニングロール365の最表層の電位よりも小さい状態が形成される。そして、回収ロール366へのトナーの転移は停止する。
さらには、回収ロール366に印加するバイアス電圧とクリーニングロール365に印加するバイアス電圧との電圧差を調整することで、繊維層365aでのトナー保持量を適宜調整することもできる。
図11の実験では、上記した図6に示した用紙Pの進行方向に向けて所定幅の帯状のベタ画像部が形成された帯状チャートを連続1000枚プリントした後、完全な白地(無地)チャートに切り替えて連続2000枚プリントを行なった。この場合、帯状チャートのベタ画像部に対応した感光体ドラム31上の領域では、転写残トナーとして0.5g/m2だけのトナーが付着することとなる。また、白地チャートでは、転写残トナーとして0.01〜0.02g/m2だけのトナーが付着することとなる。図5では、プリント中にクリーニングロール365の繊維層365aに保持されたトナー量(単位面積当たりの重量:g/m2)を測定したものである。
また、ベタ画像部以外の領域に対応した繊維層365aの領域では、帯状チャートおよび白地チャートのプリントを通じて0.01〜0.02g/m2のトナーが供給されることにより、約500枚プリント時でトナー保持量が40g/m2程度に飽和し、その状態を維持して3000枚まで経過する。
また、例え感光体ドラム31表面が僅かでも削り取られることがあったとしても、クリーニングロール365の摺擦力が低いので、削り取られた感光体ドラム31の成分が感光体ドラム31表面に固着することが殆どない。
この図12での評価は、10000枚のプリントを行なった後に一昼夜(ほぼ24時間)の間の放置を経て、1枚目をプリントさせた際の画像を評価することで行なった。感光体ドラム31表面に付着した放電生成物は、徐々に水分を吸着して感光体層の抵抗値が低下する程に画像流れによる白抜けは生じ易い。そこで、一昼夜の間の放置の後のプリント画像での評価を行なった。またフィルミングの発生の有無は、感光体ドラム31表面を顕微鏡で観察することで行なった。さらにクリーニング性能は、ドラムクリーナ36を通過後の感光体ドラム31の表面を観察することで行なった。
また、その場合に、感光体ドラム31表面を顕微鏡で観察した結果、トナー保持量のいずれの範囲においてもフィルミングの発生はないことが確認できた。これは、クリーニングロール365の感光体ドラム31表面に対する摺擦力が低く設定されていることに基づくものであると考えられる。
一方、トナー保持量が150g/m2を超える範囲においては、繊維層365aのトナー回収能力が低下することから、クリーニング性能が充分に機能しない。
ただし、他の実験から、繊維層365aに常時トナーを保持した状態で、感光体ドラム31を所定時間(例えば、5分間)だけ回転させる動作を行なえば、トナー保持量が20g/m2であっても、画像流れの発生を抑制できる結果も得られている。したがって、そのような動作を行なうことを前提とすれば、繊維層365aに保持するトナー量を、20〜150g/m2に設定することもできる。
図13は、クリーニングロール365へ供給するバイアス電圧を+300Vに固定し、回収ロール366へ供給するバイアス電圧を変化させた場合の繊維層365aに保持されるトナー量を測定した結果を示した図である。
このことから、繊維層365aに保持するトナー量を20〜150g/m2に設定するためには、クリーニングロール365の電圧と回収ロール366の電圧との間の差分(=クリーニングロール365の電圧−回収ロール366の電圧)を、−25〜150Vに設定することが必要である。すなわち、ポジトナーを使用してクリーニングロール365と回収ロール366とにマイナスのバイアス電圧を印加する場合も含めて、一般に、クリーニングロール365の電圧の絶対値と回収ロール366の電圧の絶対値との間の差分(=|クリーニングロール365の電圧|−|回収ロール366の電圧|)を、−25〜150Vに設定することが必要である。
トナー供給モードを実行するタイミングとしては、画像形成サイクルの終わりに、または画像形成サイクルと画像形成サイクルとの間に行なうことができる。
なお、この場合に、トナー供給モードの設定は制御部60によって行なわれ、制御部60はトナー供給モード設定部として機能する。
それにより、画像流れやフィルミング等といった画像不良の発生を抑止しながら、感光体ドラム31表面からの放電生成物の除去効果をさらに高めている。
ここでは、クリーニングロールのみを使用したが、実施の形態3や4のように、下流側にブラシクリーナーや、ロールクリーナー、ブレードクリーナーなどを配置してもよい。
Claims (16)
- 画像を保持する像保持体と、
前記像保持体の画像をトナー像に現像する現像部と、
前記像保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写部と、
前記転写部にて転写されずに残留したトナーを前記像保持体からクリーニングするクリーニング部とを備え、
前記クリーニング部は、
前記像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給され、導電性繊維からなる布によって表面層が形成されたクリーニングロール部材と、
前記クリーニングロール部材に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性のロール部材と
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像部と前記転写部と前記クリーニング部との少なくともひとつの動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記クリーニングロール部材の前記表面層にトナーを保持させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記表面層にトナーを保持させるための制御時に、前記クリーニングロール部材に供給されるバイアス電圧の絶対値から前記ロール部材に供給されるバイアス電圧の絶対値を差し引いた差分が、−25〜150Vに設定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記表面層にトナーを保持させる制御は、画像形成動作中に設定することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記表面層にトナーを保持させる制御は、非画像形成時に設定することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記表面層には20g/m2以上30g/m2未満のトナー量が保持され、且つ前記制御部は更に画像を担持しない状態で前記像保持体を回転させることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記表面層には30g/m2以上150g/m2以下のトナー量が保持されることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングロール部材は、前記表面層が前記導電性繊維が編み込まれた布、当該導電性繊維が織り込まれた布、および当該導電性繊維からなる不織布のいずれかで構成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングロール部材は、前記表面層が繊維太さ2デニール以下の前記導電性繊維で形成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングロール部材は、前記表面層の下層に導電性の弾性層が形成されたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングロール部材の下流側にて前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性とは逆極性に帯電されたトナーを除去する逆極性トナークリーニング部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 画像を保持する像保持体に残留したトナーを当該像保持体からクリーニングするクリーニング装置であって、
前記像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性繊維からなる表面層が形成されたクリーニングロール部材と、
前記クリーニングロール部材に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性のロール部材と
を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 前記クリーニングロール部材は、前記表面層が前記導電性繊維が編み込まれた布、当該導電性繊維が織り込まれた布、および当該導電性繊維からなる不織布のいずれかで構成されたことを特徴とする請求項12に記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングロール部材は、前記表面層が繊維太さ2デニール以下の前記導電性繊維で形成されたことを特徴とする請求項12または13に記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングロール部材は、前記表面層の下層に導電性の弾性層が形成されたことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングロール部材の下流側にて前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性とは逆極性に帯電されたトナーを除去する逆極性トナークリーニング部材をさらに備えたことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載のクリーニング装置。
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