JP2008001062A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッド寸法の縮小化が容易で高速化および高画質化が可能なサーマルプリントヘッドを提供する。
【解決手段】放熱基板11上に抵抗体基板部12Aと駆動回路基板部12Bを設け、支持基板14上の凸状グレーズ層15を被覆する発熱抵抗体層16を形成する。このグレーズ層15の一斜面15bの発熱抵抗体層16上に間隙Gを設けて第1の電極17a、第2の電極17bを形成し間隙G部分を発熱部18とする。グレーズ層15および支持基板14上に積層する保護膜19を形成し、グレーズ層15の頭頂部15aを挟み上記一斜面15bの反対側に位置する他斜面15cに保護膜19を介し放熱層20を形成する。この放熱層20が発熱部18の熱を放熱する。ここで、駆動回路基板21上の駆動IC22がボンディングワイヤーWにより上記電極と電気接続し、これ等を封止材23が気密封止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板の一主面において一方向の断面形状が例えば山形に盛り上がった凸状グレーズ層が延在して形成され、ヘッド寸法の縮小化が容易になるサーマルプリントヘッドに関する。
サーマルプリントヘッドは、発熱部の発熱を利用して感熱記録紙や熱転写インクリボン等の記録媒体に文字などから成る画像を形成する出力用デバイスである。そして、バーコードプリンタや計量機、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンター等の各記録機器に広く利用されている。一般的に、サーマルプリントヘッドは、画像形成のための発熱部を設けた抵抗体基板部および駆動ICを搭載した駆動回路基板部などを、放熱基板の一主面上に配置した構造になっている。
このようなヘッドには、通電により発熱する発熱部の形成方法により、凸状グレーズ層をもつサーマルプリントヘッドと平坦なグレーズ層のサーマルプリントがある。ここで、凸状グレーズ層のサーマルプリントヘッドは、通常、ヘッド上において記録媒体が搬送される方向(副走査方向)に直交する方向(主走査方向)に沿い延在し配設された凸形状グレーズ層を有している。そして、この凸状グレーズの突起部あるいはその片斜面に発熱部を備えた発熱素子アレイが形成される。図5はこの構成の一例を示す一方向である副走査方向における断面図である。
図5に示すように、サーマルプリントヘッドでは、例えば放熱基板101の主面上に抵抗体基板部102Aおよび駆動回路基板部102Bが隣接して設けられている。そして、抵抗体基板部102Aでは、放熱基板101の主面上に接着層103を介して支持基板104が貼着されている。そして、支持基板104上に凸状グレーズ層105が形成され、この凸状グレーズ層105表面および支持基板104表面を被覆して発熱抵抗体層106が形成されている。そして、発熱抵抗体層106上に、第1の電極107aおよび第2の電極107bが間隙Gを挟んで対向して配置されている。ここで、第1の電極107aおよび第2の電極107bからなる一対の電極107は発熱抵抗体層106に重層して電気接続し、これ等の間隙Gで露出する発熱抵抗体層106が発熱部108となる。
図5に示すように、上記発熱部108は凸状グレーズ層105の片斜面の領域に形成される。そして、発熱部108の通電用電極となる一対の電極107および発熱部108が1つの発熱素子となり、サーマルプリントヘッドの主走査方向に、所定数例えば2056個の発熱素子アレイとして一列に配置される。更に、後述するボンディングワイヤー接続のために一対の電極107の縁端部が露出され全体が保護膜109により被覆されている。
一方、駆動回路基板部12Bは、放熱基板101に接着層103を介して貼着した駆動回路基板110等から構成され、その基板表面に回路パターン(不図示)等が形成され、また駆動IC111等が搭載されている。そして、抵抗体基板部12Aの上記通電用電極と駆動回路基板部12Bの駆動IC111との間、および、駆動IC111と駆動回路基板12Bの回路パターンとの間などがボンディングワイヤーWで電気的に接続されている。そして、これ等のボンディングワイヤーWおよび駆動IC111は、例えばエポキシ樹脂から成る封止材112によって気密封止されている。
上記サーマルプリントヘッドを用いた記録媒体への画像形成では、感熱記録紙や熱転写インクリボン等(図示せず)が、凸状グレーズ層105の片斜面領域の保護膜109とプラテンローラ113との間で挟圧され、副走査方向に所定の速度で搬送される。この搬送において、上記感熱記録媒体が片斜面領域に配設された発熱部108により加熱され、その熱により記録媒体が印画される。
このように凸状グレーズ層をもつサーマルプリントヘッドは、支持基板104上の副走査方向における断面形状が山形や台形の凸形状に盛り上がった凸状グレーズ層105を形成し、この凸状グレーズ層105の上に発熱部108を設けており、凸状グレーズ層105を上記山形に盛り上がった構造にすることで、発熱部108に対する感熱記録紙や熱転写インクリボン等の密着性を高めると共に、発熱部108の蓄熱性を良好にしその低消費電力化を容易にすることができる。また、支持基板104の副走査方向における寸法の縮小化を容易にすることができる。
しかしながら、上記凸状グレーズタイプのサーマルプリントヘッドは、それを備えた記録機器における高速化および高画質化が難しいという問題を有していた。上記高速化においては、記録媒体への印画時間と共に無印画時間の短縮が必須になる。ここで、上述した凸状グレーズタイプとなる凸状グレーズ層105の熱伝導性が低いので上部に設けた発熱部108の蓄熱性は、一般的に薄膜型サーマルプリントヘッドの場合よりも高い。この蓄熱性が高いと、発熱部108の印画に必要な温度にする時間が短縮し印画時間を短くできる。しかし、無印画時間が短縮すると、上記凸状グレーズ層105の上部に設けた発熱部108の充分な放熱の確保ができなくなる。また、保護層がグレーズ層よりも熱伝導性のよい材料に選択されても、保護層は薄いために十分な放熱に寄与しない。そして、この放熱が充分にできないと、印画点の切れが劣化し、副走査方向での画質にじみが顕在化し視認されるようになる。
このように、従来の凸状グレーズタイプのサーマルプリントヘッドは、薄膜型サーマルプリントヘッドに較べて、ヘッド寸法の小型化に適しているものの高速化と高画質化が両立し難い構造となっていた。
上記放熱の確保の手段として、サーマルプリントヘッドの駆動条件の調整がある。例えば、印画時における発熱部108の記録媒体への放熱も考慮し、実際の記録機器の画像形成において最適な印画となるように、発熱時間を短縮し調整する方法である。しかし、この方法では高速化が顕著になると充分に対応できなくなる。このために、上記凸状グレーズタイプのサーマルプリントヘッドにおいて、ヘッドの副走査方向における寸法の縮小化を阻害することなく発熱部の蓄熱と放熱とを安定して制御できる新規なヘッド構造が必要になっている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、ヘッド寸法の縮小化が容易であり、その高速化および高画質化が可能になる凸状グレーズタイプのサーマルプリントヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるサーマルプリントヘッドは、支持基板の一主面において一方向の断面形状が支持キバンから凸状に突設する凸状グレーズ層と、前記凸状グレーズ層を含む前記支持基板の表面部に形成した発熱抵抗体層と、前記凸状グレーズ層の一斜面の前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極と、前記電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層の発熱部を少なくとも被覆し、前記凸状グレーズ層上および前記支持基板上に積層する保護膜と、前記凸状グレーズ層の頭頂部を挟んで前記一斜面に続く面例えば反対側に位置する他斜面上を前記保護膜を介して被覆する放熱層と、を有し、前記放熱層は前記発熱部の発する熱を放熱する構成になっている。
あるいは、本発明にかかるサーマルプリントヘッドは、放熱基板の一方の主面上に設けた抵抗体基板部および駆動回路基板部を具備し、前記抵抗体基板部は、前記放熱基板の上方に位置し一方向の断面形状が山形に突設する凸状グレーズ層と、前記凸状グレーズ層上に形成した発熱抵抗体層と、前記凸状グレーズ層の一斜面の前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極と、該電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層の発熱部を少なくとも被覆し前記凸状グレーズ層上に積層する保護膜とを有し、前記駆動回路基板部は、前記放熱基板の上方に位置し前記発熱部に流す電流を制御する駆動ICを有するサーマルプリントヘッドにおいて、前記駆動ICを封止する封止材が、前記凸状グレーズ層の頭頂部を挟んで前記一斜面の反対側に位置する他斜面上を前記保護膜を介して被覆し、前記発熱部の発する熱を放熱する構成になっている。
本発明の構成により、ヘッド寸法の縮小化が容易であり、その高速化および高画質化が可能になるサーマルプリントヘッドを提供することができる。
以下に本発明の好適な実施形態の幾つかについて図面を参照して説明する。以下、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略される。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照して説明する。ここで、図1は好適な一態様のサーマルプリントヘッドを示す上面図である。図2は図1のX−X矢視の拡大横断面図である。
図1,2に示すように、サーマルプリントヘッド10では、放熱基板11の主面上に抵抗体基板部12Aおよび駆動回路基板部12Bが隣接して設けられている。そして、この抵抗体基板部12Aでは、放熱基板11の主面上に接着層13を介して、Al23(アルミナ)等の耐熱性および熱伝導性のよい支持基板14が貼着されている。そして、支持基板14上のエッジ部に沿い、一方向である副走査方向における断面形状が山形になった凸状グレーズ層15が主走査方向に配設され、この凸状グレーズ層15表面および支持基板14表面を被覆して発熱抵抗体層16が形成されている。
そして、従来の技術で説明したように、発熱抵抗体層16に重層して電気接続する第1の電極17aおよび第2の電極17bが間隙Gを挟んで対向して配置されている。この間隙Gで露出する発熱抵抗体層16が発熱部18となる。このようにして、発熱部18は、断面形状が山形の凸形状に盛り上がった凸状グレーズ層15の頭頂部(中間部)15aを境界にしてその一斜面15bに形成される。そして、第1の電極17aと第2の電極17bから成る一対の電極17および発熱部18を1つの発熱素子として、サーマルプリントヘッドの主走査方向に、所定数例えば2056個の発熱素子アレイが一列に配置される。
そして、後述するボンディングワイヤー接続のために一対の電極17の縁端部が露出され全体が熱伝導性のよい保護膜19により被覆されている。更に、放熱層20が、この保護膜19を被覆し、上記凸状グレーズ層15の発熱部18が配列されている一斜面に対して山形の頭頂部を挟んだ反対側に位置する他斜面を覆うように、支持基板14上の主走査方向に沿って配設されている。
駆動回路基板部12Bは、従来の技術で説明したのと同様に、放熱基板11に接着層13を介して貼着した駆動回路基板21を有し、その基板表面に回路パターン等が形成され、駆動IC22等が搭載されている。この駆動IC22と上記一対の電極17および上記回路パターンとの間はボンディングワイヤーWで電気的に接続され、ボンディングワイヤーWおよび駆動IC22は例えばエポキシ樹脂から成る封止材23によって気密封止されている。
このように、サーマルプリントヘッド10は、発熱素子の発熱部18が抵抗体基板部12Aの端部近くであって、支持基板14の一方向における断面形状が山形に盛り上がった凸状グレーズ層15の一斜面に形成され、そのグレーズ層の頭頂部を挟んで反対側に駆動IC22が配置された、いわゆるニアエッジ構造になる。このニアエッジ構造のサーマルプリントヘッド10において、2つの凸形状に盛り上がった凸状グレーズ層15と封止材23の間であって、凸状グレーズ層15の他斜面を被覆するように放熱層20が形設される。このような構造であると、この放熱層20は、搬送中の記録媒体と接触することはない。
上記サーマルプリントヘッド10において、放熱基板11は例えばAl(アルミニウム)金属から成り、接着層13は熱伝導性のよい両面テープ、シリコーン等の樹脂製の接着剤から成る。また、セラミックス製の支持基板14は、通常、耐熱性を有する絶縁体材料から成る支持基板であり、アルミナセラミックスの他に、シリコン、石英、炭化珪素等により構成されてもよい。
そして、上記凸状グレーズ層15は、発熱部18の発する熱を蓄積および放散する作用を有し、表面平滑性のある絶縁体材料であればよい。例えば酸化珪素から成るガラス膜、あるいはポリイミド樹脂等の低熱伝導性材料から成る。
上記発熱抵抗体層16は、例えばTaSiO、NbSiO、TaSiNO、TiSiCO系の電気抵抗体材料から成る。そして、第1の電極17aおよび第2の電極17bから成り通電用電極となる一対の電極のような電極は低抵抗になるほど好ましく、例えば、Al、Cu(銅)あるいはAlCu合金等の金属を主材料に構成される。
そして、保護膜19は、Si34(窒化珪素)、SiON(酸窒化珪素)やSiC(炭化珪素)等の硬質で緻密な熱伝導性のある絶縁体材料から成る。ここで、保護膜19の最表面に少なくともSi(シリコン)と炭素(C)が含まれていると熱伝導性が高くなり好適である。この保護膜19は、発熱素子アレイの一対の電極17および発熱部18を被覆し記録媒体の圧接あるいは摺接による磨耗、並びに大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する機能を有する。
放熱層20は、ヒートシンクとしてグレーズ層よりも熱伝導性が高い導電体材料あるいは絶縁体材料で形成される。ここで、導電体材料としてはAl,Cu等の金属材料、高融点金属あるいは高融点金属の窒化物があげられる。その中でも耐磨耗の高い高融点金属の窒化物であるTiN(窒化チタン)、TaN(窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、MoN(窒化モリブデン)などが好適である。また、絶縁体材料としてはAlN(窒化アルミニウム)が好適である。
次に、上記サーマルプリントヘッド10の製造方法について述べる。先ず、アルミナからなり副走査方向の幅が3mm程度、板厚が0.5mm〜1mmの細長の支持基板13を用意する。そして、その表面のエッジ近傍に主走査方向に沿って、例えばSiO(酸化珪素)のガラス粉末に適当な有機溶媒、溶剤を添加・混合して得たガラスペーストを周知のスクリーン印刷法で塗布形成する。その後、所定の温度で焼成し、断面形状が山形をなしその頭頂部の高さが例えば10μm〜100μm、その副走査方向の幅が例えば100μm〜500μmになる凸状グレーズ層15を支持基板14表面に被着させる。この凸状グレーズ層15はその他にポリイミド樹脂等であってもよい。
次に、凸状グレーズ層15表面および支持基板14表面上に、例えばスパッタ法により膜厚が0.05μm程度のTaSiO膜を成膜し、フォトエングレービングプロセスにより発熱抵抗体層16を形成する。引き続いて、スパッタ法により上記発熱抵抗体層16を被覆して例えば膜厚が0.5μ程度のAl膜あるいはAlCu合金膜を成膜し、フォトエングレービングプロセスにより、発熱素子アレイの通電用電極である第1の電極17aおよび第2の電極17bをパターニング形成する。ここで、発熱抵抗体層16および通電用電極を1回のフォトエングレービングプロセスにより同一パターンに形成してもよい。
その後、スパッタ法により全面を被覆する保護膜19を成膜する。ここで、保護膜19は、例えば膜厚が2μm〜5μm程度の熱伝導性の高いSi34膜、SiC膜等から成る。
そして、シャドウマスクである成膜用マスクを用いたスパッタ法により、例えば膜厚0.5μm〜1μm、幅0.5mm〜1mmのTiN膜を凸状グレーズ層15と封止材23の間に主走査方向に沿って放熱層20を形成する。ここで、この放熱層20は、凸状グレーズ層15の発熱部18が配列されている一斜面に対し頭頂部を挟んで反対側に位置する他斜面を覆うように配設される。
次に、上記抵抗体基板部12Aおよび例えばベアチップの駆動IC22が予め組み込まれている駆動回路基板部12Bをアルミ板等から成る放熱基板11上に接着剤を介して載置し固着する。そして、発熱素子アレイの全ての通電用電極を駆動IC22の出力側のボンディンブパッドに例えばAl線あるいはAu線から成るボンディングワイヤーWで電気接続する。また、駆動IC22の入力側のボンディンブパッドを駆動回路基板21の回路パターンにボンディングワイヤーWで電気接続する。最後に、周知の実装技術により駆動IC22およびボンディングワイヤーWを封止材23により気密封止する。このようにして、本実施形態のサーマルプリントヘッド10が出来上がる。
本実施形態のサーマルプリントヘッド10は、凸状グレーズ層15の一斜面に発熱素子アレイの発熱部18が形成されたニアエッジ構造となっている。そして、この凸状グレーズ層15の一斜面15bに対し頭頂部15aを挟んで反対側に位置する他斜面15cおよび支持基板14上を保護膜19を介して放熱層20が主走査方向に配設されている。このために、上記発熱部18の発する熱は、熱伝導性のある保護膜19を伝熱し近傍の放熱層20に吸熱される。そして、この吸熱した熱は放熱層20全体に拡散すると共に、放熱層20表面で接する大気に熱放射あるいは対流放散される。このようにして、発熱素子アレイで生じる熱は、放熱層20を通して容易に放散制御できるようになる。
そして、本実施形態のサーマルプリントヘッドを備えた記録機器における高速化および高画質化が可能になる。また、上記凸状グレーズタイプのサーマルプリントヘッドであることから、支持基板14の副走査方向の寸法を縮小することが容易であり、基板コストの低減およびサーマルプリントヘッドの小型化が可能になる。また、上記放熱層20は、ニアエッジ構造の凸状グレーズ層15の頭頂部を挟んだ反対側に配設されることから、搬送される記録媒体と摺接することはなく、そのために放熱層20表面が磨耗することもない。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図3および図4を参照して説明する。本実施形態の特徴は、第1の実施形態の放熱層20の機能を熱伝導性を高めた封止材23が具備するようにし、サーマルプリントヘッドにおける支持基板14の副走査方向の寸法を更に縮小化できるようにするところにある。ここで、図3は好適な一態様のサーマルプリントヘッドを示す上面図である。図4は図3のY−Y矢視の拡大横断面図である。
図3,4に示すように、サーマルプリントヘッド10aでは、第1の実施形態で説明したのと同様に、放熱基板11の主面上に抵抗体基板部12Aおよび駆動回路基板部12Bが設けられる。抵抗体基板部12Aでは、放熱基板11の主面上に接着層13を介し、副走査方向の幅が2mm程度、板厚が0.5mm程度のセラミックス製の支持基板14が貼着されている。そして、ニアエッジ構造になるように、凸状グレーズ層15が支持基板14上のエッジ部に沿い主走査方向に配設され、この凸状グレーズ層15表面および支持基板14表面を被覆して発熱抵抗体層16が形成される。
そして、第1の実施形態で説明したように、発熱抵抗体層16に重層して電気接続する第1の電極17aおよび第2の電極17bが間隙Gを挟んで対向して配置される。このようにして、断面形状が山形の凸形状に盛り上がった凸状グレーズ層15の一斜面に形成された間隙Gに露出する発熱抵抗体層16が発熱部18となる。そして、その通電用電極である一対の電極17および発熱部18を1つの発熱素子として、サーマルプリントヘッドの主走査方向に、所定数例えば2056個の発熱素子アレイが一列に配置される。
このようにして、後述するボンディングワイヤー接続のために一対の電極17の縁端部が露出され全体が熱伝導性のよい保護膜19により被覆される。
駆動回路基板部12Bは、従来の技術で説明したのと同様に、放熱基板11に接着層13を介して貼着した駆動回路基板21を有し、その基板表面に回路パターン等が形成され、駆動IC22等が搭載されている。そして、この駆動IC22と上記一対の電極17および上記回路パターンとの間がボンディングワイヤーWで電気的に接続される。
そして、本実施形態の特徴的事項として、放熱封止材23aが、上記保護膜19を被覆し、上記凸状グレーズ層15の発熱部18が配列されている一斜面に対し頭頂部を挟んで反対側に位置する他斜面15cを覆うように、支持基板14上の主走査方向に沿って形成される。ここで、この放熱封止材23aはボンディングワイヤーWおよび駆動IC22を気密封止する。このように、放熱封止材23aは、本来の実装の封止機能と共に発熱素子アレイから発する熱を放熱する機能を兼ね備える。
このような放熱封止材23aとしては、通常の封止用の樹脂に熱伝導性の高いフィラーが混在したものが挙げられる。上記熱伝導性の高いフィラーとしては、例えばAl23、AlN、SiC、Si34のようなセラミックスを微粒子にしたものが好適である。ここで、微粒子の粒径は10μm〜100μmが好ましく、その含有量は、混合させる微粒子の種類あるいは放熱量により決められるが、例えば10vol.%〜90vol.%の範囲で適宜に設定される。
この封止樹脂に熱伝導性の高いフィラーを混在させることにより、その熱伝導率は上記セラミックスの熱伝導率と同程度になる。例えば、通常の熱伝導率が0.2W/m・K弱のエポキシ樹脂は、例えばアルミナ微粒子のフィラーを80vol.%程度に含有することにより、20W/m・K程度の熱伝導率を有する放熱封止材23aになる。ここで、アルミナ微粒子の代わりに窒化アルミ微粒子から成るフィラーを混在させた放熱封止材23aの場合には、その熱伝導率は100W/m・K程度になり、第1の実施形態で説明した放熱層20と同程度になる。
第2の実施形態のサーマルプリントヘッド10aは、第1の実施形態の場合の放熱層20と全く同様な放熱効果により、記録機器における高速化および高画質化を可能にする。そして、放熱基板11上における凸状グレーズ層15と封止材23aの離間距離が極めて容易に縮小できるようになる、このために、第1の実施形態の場合よりも更に支持基板14の副走査方向の寸法が縮小化でき、基板コストの更なる低減およびサーマルプリントヘッドの小型化が可能になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
例えば、上記駆動回路基板部12Bは、抵抗体基板部12Aと同一の支持基板14上に形成する構造であってもよい。また、第1の実施形態にあっては、この駆動回路基板部12Bはサーマルプリントヘッドとは別のところに配置されても構わない。例えば、記録機器の制御装置に取り付けられて例えば駆動IC22の出力がフレキシブル配線板の回路配線を通って抵抗体基板部Aに伝送されるようになっていてもよい。
また、放熱基板への支持基板14および駆動回路基板21の貼着は、それぞれ異なる接着剤を用いて行うようにしてもよい。これは、支持基板14および駆動回路基板21が異なる熱膨張係数を有する場合に、クラックによる破損等を防止する上で好ましくなる。
また、凸状グレーズ層の断面形状は、プラテンが当接される面が支持キバンに対して斜面の三角形嬢台形状であってもよい。
また、放熱層の表面に凹凸を設けて放熱面積を増すようにすることができる。
本発明の第1の実施形態にかかるサーマルプリントヘッドを示す模式的な上面図。 図1のX−X矢視の拡大横断面図。 本発明の第2の実施形態にかかるサーマルプリントヘッドを示す模式的な上面図。 図3のY−Y矢視の拡大横断面図。 従来の技術にかかるサーマルプリントヘッドを示す断面図。
符号の説明
10,10a…サーマルプリントヘッド,11…放熱基板,12A…抵抗体基板部,12B…駆動回路基板部,13…接着層,14…支持基板,15…凸状グレーズ層,16…発熱抵抗体層,17a…第1の電極,17b…第2の電極,18…発熱部,19…保護膜,20…放熱層,21…駆動回路基板,22…駆動IC,23…封止材,23a…放熱封止材,24…放熱フィラー,G…間隙,W… ボンディングワイヤー

Claims (5)

  1. 支持基板の一主面において一方向の断面形状が前記支持基板から凸状に突設する凸状グレーズ層と、
    前記凸状グレーズ層を含む前記支持基板の表面部に形成した発熱抵抗体層と、
    前記凸状グレーズ層の一斜面の前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極と、
    前記電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層の発熱部を少なくとも被覆し、前記凸状グレーズ層上および前記支持基板上に積層する保護膜と、
    前記凸状グレーズ層の頭頂部を挟んで前記一斜面に続く面上を前記保護膜を介して被覆する放熱層と、を有し、
    前記放熱層は前記発熱部の発する熱を放熱することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記放熱層は、導電体材料により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 放熱基板の一方の主面上に設けた抵抗体基板部および駆動回路基板部を具備し、前記抵抗体基板部は、前記放熱基板の上方に位置し一方向の断面形状が山形に突設する凸状グレーズ層と、前記凸状グレーズ層上に形成した発熱抵抗体層と、前記凸状グレーズ層の一斜面の前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極と、該電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層の発熱部を少なくとも被覆し前記凸状グレーズ層上に積層する保護膜とを有し、前記駆動回路基板部は、前記放熱基板の上方に位置し前記発熱部に流す電流を制御する駆動ICを有するサーマルプリントヘッドにおいて、
    前記駆動ICを封止する封止材が、前記凸状グレーズ層の頭頂部を挟んで前記一斜面の反対側に位置する他斜面上を前記保護膜を介して被覆し、前記発熱部の発する熱を放熱することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  4. 前記封止材は、放熱性のフィラーを含有する樹脂から成ることを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 前記保護膜の最表面は少なくとも珪素と炭素を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012061778A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
JP2012187916A (ja) * 2011-02-24 2012-10-04 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2016190463A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 東芝ホクト電子株式会社 サーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタ

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