JP2007531799A - 着色ポリマー樹脂組成物、その製品及び製造方法 - Google Patents

着色ポリマー樹脂組成物、その製品及び製造方法 Download PDF

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Abstract

一実施形態では、着色ポリマー組成物は、ポリマー樹脂と約90wt%以上の純度を有し式(VIII)の1,8−アントラキノン誘導体とを含む。
【化1】
Figure 2007531799

式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、R及びR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、一方Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色ポリマー樹脂組成物、その製品及び製造方法に関する。
着色ポリマー樹脂物品は、自動車及び航空宇宙製品(例えば、ダッシュボード、内装部品、シート、チュービング、オイルタンクなどのアンダーフード部品、ライトレンズなど)から、医療品(例えば、チュービング、酸素マスク、コンタクトレンズ、メガネ、モニター、センサーなど)及びおもちゃ、電気通信(例えば、携帯電話カバー及びハウジング、PDA(個人用データ補助装置、ポケット又はポータブルコンピューターともいう)両方向ラジオ、送信機及び受信機)、家庭用電化製品(例えば、ラジオ、ポータブルCDプレーヤー)、並びに事務機器(例えば、コンピューター、プリンター、ファックス機)に至るあらゆる商業分野で利用されている。色は物品の美観、売れ行き及び多くの場合耐用寿命を高め、またブランドを識別するのに役立つ可能性がある。
しかし、着色剤によっては、ポリマー樹脂の全体にわたる硬化能力に悪影響を与えることがある。その結果、色、例えば、スペクトルの赤−紫部分の色(すなわち、青みがかった赤色着色剤)は、かかる用途で商業的利用が限られていた。スペクトルの赤−紫部分にあり、ポリマー樹脂と相溶性であり、かつかかる樹脂の加工処理(例えば、押出、鋳造成形、熱成形)に関わる熱に持ちこたえるように充分な熱安定性を有しており、しかもUV領域(約365nm付近)における所望の硬化が可能な透明な組成物を生ずる着色剤の発見に対するニーズと願望が残されている。
幾つかの用途では、例えば近可視発光ダイオード(370ナノメートル(nm)〜390nmの範囲の「LED」)を用いたデータ伝送を可能にするために、UV領域での伝送が望まれる。受光した波長をフィルターにかけ、外部の光からのノイズを最小にし、従ってより良好な信号受信を得るためには、スペクトルの赤−紫部分のような色が必要である。光媒体(例えばDVD)のような別の系では、UV硬化可能性と共に約650nmでの良好な伝送が望まれる。
米国特許第3507606号明細書 米国特許第3635895号明細書 米国特許第3646071号明細書 米国特許第3697395号明細書 米国特許第3697402号明細書 米国特許第3768976号明細書 米国特許第3880869号明細書 米国特許第3923454号明細書 米国特許第4001184号明細書 米国特許第4128396号明細書 米国特許第4179548号明細書 米国特許第4217438号明細書 米国特許第4220707号明細書 米国特許第4332880号明細書 米国特許第4404257号明細書 米国特許第4491508号明細書 米国特許第4523208号明細書 米国特許第4571605号明細書 米国特許第4891800号明細書 米国特許第5368988号明細書 米国特許第5530083号明細書 米国特許第5558808号明細書 米国特許第5583047号明細書 米国特許第5620839号明細書 米国特許第5753413号明細書 米国特許第5815484号明細書 米国特許第5882358号明細書 米国特許第6011772号明細書 米国特許第6117284号明細書 米国特許第6136347号明細書 米国特許第6168844号明細書 米国特許第6228440号明細書 米国特許第6338933号明細書 米国特許第6475588号明細書 米国特許第6475589号明細書 米国特許出願公開第2003/0002431号明細書 米国特許出願公開第2003/0198892号明細書 米国特許出願公開第2003/0205323号明細書 米国特許出願公開第2005/0013232号明細書 欧州特許出願公開第0455585号明細書 欧州特許出願公開第0658804号明細書 欧州特許出願公開第0831473号明細書 国際公開第96/39693号パンフレット 国際公開第96/40850号パンフレット 国際公開第98/11539号パンフレット 国際公開第98/41979号パンフレット 国際公開第02/29801号パンフレット 国際公開第02/49010号パンフレット 国際公開第02/75733号パンフレット 特開昭55−30605号公報 特開昭60−213938号公報 特開昭60−93983号公報 特開平05−273691号公報 特開平06−60422号公報 豪州特許第199657908号明細書 英国特許第1061948号明細書 独国特許第222205号明細書 ポーランド特許第170632号明細書 Flex Play Coating Recipe、Aprilis、Inc. and Flex Play Technologies、Inc.、Richard Minus、03/29/00 wysiwyg://119/http://www.matweb....cMaterialPrint.asp?bassnum=C、MatWeb.com、The Online Materials Database Overview − Polycarbonate、Optical Grade ECMA、Standardizing Information and Communication Systems、Standard ECMA − 267、3rd Edition − April 2001 Arient、J. and Slavik、V.、Collect. Czech Commun.、34、February 13、1969、3582、"Anthraquinone Dyes−Cyclisation of 1−Phenylaminoanthraquinone Derivative in Aluminumchloride Melt." Lord、W.Marin and Arnold T.Peters、School of Colour Chemistry、The University、Brandford BD71DP、"New Intermediates and Dyestuff for Synthetic Fibers、Part VI.1−Aryl−aminoanthraquinones>" J. Chemical Society、Perkin Tran.(1970)、20、2305−8 Chemical Abstracts、Volume 126、No.20、19 May 1997、Columbus、Ohio.、Abstract No.263931、Walczak、Antoni et al.、"Preparation of 4−phenylbenzophenone" P.Seserko、et al."Transparent Barrier Coatings by Electron Beam Evaporation−An Update," 41st Annual Technical Conference Proceedings. Soc.of Vacuum Coaters、Albuquerque、NM、USA(1998)ISSN 0737−5921.pp.424−428 Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Vol.1、Interscience Publishers、John Willey & Sons、Inc.、1964、pp.246、et seq.
本明細書には、着色ポリマー樹脂、その製品及び製造方法の実施形態が開示されている。一実施形態では、着色ポリマー組成物は、ポリマー樹脂と、純度約90wt%以上で次式(XI)の1,8−アントラキノン誘導体とを含む。
Figure 2007531799
式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、RとR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。
別の実施形態では、着色ポリマー組成物は、ポリマー樹脂と、次式(XI)の1,8−アントラキノン誘導体とを含む。
Figure 2007531799
式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、RとR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。この組成物から形成された物品は約330度以下の色相角値を有する(厚さ3.2mmの物品で0.01pphの配合量で使用したとき)。
一実施形態では、着色ポリマー物品の作成方法は、ポリマー樹脂を1,8−アントラキノン誘導体と合わせて混合し、それから物品を形成する。
上記及び他の特徴を、以下の図と詳細な説明で例示する。
以下、限定することのない代表例として添付の図を参照する。
本明細書中には、約340度以下の色相角(CIE 1976 LCh 色空間、D65光源、10度観測)を有する赤−紫着色剤としての1,8−アントラキノン誘導体を含む着色ポリマー樹脂が開示されており、色相角は約330度以下が好ましく、約320度以下がさらに好ましい。特記しない限り、色相角は、(ASTM E1164及びASTM E1348の規格と手法に従い)球幾何学の分光光度計を用いて透過モードで試料を測定し、D65光源と10度観測に対してCIE 1976 LCh色空間の色座標を表すことによって決定される。また、1,8−アントラキノン誘導体は、600°F(315℃)でポリカーボネート組成物中に使用するのに充分な熱安定性、及び約95%以上の純度を有するのが好ましい。例えば、1,8−アントラキノン誘導体は1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンが好ましい。1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンは独特な特性を有しており、例えば、約345〜約445nmの波長で極めて高度に硬化可能であり(すなわち、約345〜約470nmの波長で約3000以下の吸光係数(mol−1・cm−1・L)を有しており)、一方極端に青味がかった赤−紫であって、その結果得られる物品は殆ど紫色であり、効率的にUV硬化することができる。
好ましくは、この1,8−アントラキノン誘導体は、純度約90%以上であり、約95%以上が好ましく、約99%以上が最も好ましい。一実施形態では、1,8−アントラキノン誘導体は、塩化メチレン溶液中で測定したときに約530〜約610nmの間に位置する最大吸収によって特徴付けられる。加えて、365〜650nmでの吸光係数(塩化メチレン溶液中で測定)は約1000Mol−1・cm−1・L以下である。別の実施形態では、365〜650nmでの吸光係数は最大吸収における吸光係数の約10%未満、好ましくは約5%未満を示す。一実施形態では、600nm/365nmの吸光係数比は約5以上であり、約10以上が好ましく、約20以上がさらに一段と好ましい。この1,8−アントラキノン誘導体は、成形機のバレル内の材料滞留時間が5分でも、ポリカーボネート組成物中に配合し、600°F(315℃)で成形するのに充分な熱安定性を有している。
図1と2から分かるように、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンは、約345〜約470nmの波長で約3000以下の吸光係数を有し、約535〜約590nmの波長で約10000以上の吸光係数を有するという独特な特性をもっている。
好ましいアントラキノン誘導体の特性はさらに硬化指数に関連して記述することができる。この硬化指数は、以下の式1に従って計算したものである。
Figure 2007531799
式中、%Tcolor(λ)はアントラキノン誘導体を含む物品の各波長λ(nm)における光透過率を表し、%Tclear(λ)はアントラキノン誘導体が存在しない対照物品(例えば、透明なポリカーボネート物品)の各波長λ(nm)における光透過率を表し、λは波長(nm)を表し、ランプエネルギー(λ)は実施例10で説明するように計算される各波長における有効ランプエネルギーを表す。
約0.5以上の硬化指数を使用することができ、約2以上が好ましく、約5以上がさらに好ましく、約10以上がさらに一段と好ましく、約20以上が殊に好ましい。
600nm/365nm(又は600nm/400nm)の吸光度比が約2以上、好ましくは約3以上、さらに好ましくは約5以上、さらに一段と好ましくは約10以上、特に好ましくは約20以上であるのがアントラキノン誘導体では望ましく、またこの誘導体を含む物品では好ましい。特記しない限り、吸光度比はすべて、1センチメートル(cm)の光路長に対して0.8〜1.2単位の最大吸収が得られる染料濃度で複光束分光光度計を用いて測定される。
物品を形成するのに使用できるポリマー樹脂は非晶質、結晶性、及び半結晶性の熱可塑性材料でよく、例えば、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン (例えば、特に限定されないが、線状及び環状ポリオレフィン、例えばポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(例えば、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルメチレンテレフタレートなど)、ポリアミド、ポリスルホン(例えば、特に限定されないが、水素化ポリスルホンなど)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、特に限定されないが、水素化ポリスチレン、シンジオタクチック及びアタクチックポリスチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、スチレン−コ−アクリロニトリル、スチレン−コ−無水マレイン酸など)、ポリブタジエン、ポリアクリレート(例えば、特に限定されないが、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−ポリイミドコポリマーなど)、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル(例えば、特に限定されないが、2,6−ジメチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールとのコポリマーから誘導されたものなど)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリ酢酸ビニル、液晶ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、芳香族ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど、又は以上のポリマー樹脂を1種以上含む組合せがある。
用途により光学的透明性が必要とされる場合(例えば、光ディスクの場合)、基材は非晶質で光学的に透明であるのが好ましい。一例は読み出し側に位置する基材であろう。その理由は、干渉(例えば、光の散乱、有意な光吸収など)を生じることなくレーザー光の透過が可能でなければならないからである。DVD−5やDVD−9のような片面DVD型式の場合、読み出し側と反対側の基材は不透明であってもよい。かかる場合、非読み出し側は非晶質、結晶性、又は半結晶性であることができ、レーザー波長における光学的透明性に関係がない。
利用できる好ましいポリマー樹脂はポリカーボネートである。本明細書で使用するとき、「ポリカーボネート」、「ポリカーボネート組成物」、及び「芳香族カーボネート連鎖単位を含む組成物」という用語は、次式(I)の構造単位を有する組成物を包含する。
Figure 2007531799
式中、R基の総数の約60%以上は芳香族有機基であり、残りは脂肪族、脂環式、又は芳香族基である。好ましくは、Rは芳香族有機基であり、さらに好ましくは次式(II)の基である。
Figure 2007531799
式中、AとAは各々単環式二価アリール基であり、YはAとAを隔てる0、1、又は2個の原子を有する橋架け基である。代表的な実施形態では、1個の原子がAをAを隔てる。このタイプの基の具体的な例は、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2,2,1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンなどである。別の実施形態では、0個の原子がAとAを隔てており、具体例はビスフェノール(OH−ベンゼン−ベンゼン−OH)である。橋架け基Yはメチレン、シクロヘキシリデン又はイソプロピリデンのような炭化水素基又は飽和炭化水素基であることができる。
ポリカーボネートはカーボネート前駆体とジヒドロキシ化合物との界面反応で製造することができる。通例、(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど)のような水性塩基を、ジヒドロキシ化合物を含有するベンゼン、トルエン、二硫化炭素、又はジクロロメタンのような有機水不混和性溶媒と混合する。一般に相間移動剤を用いて反応を促進する。分子量調節剤を単独で又は混合して反応混合物に加えてもよい。上記した枝分れ剤も、単独で又は混合して加えてもよい。
ポリカーボネートはたった1個の原子がAとAを隔てているジヒドロキシ化合物の界面反応によって製造することができる。本明細書で使用するとき、用語「ジヒドロキシ化合物」には、例えば、次の一般式(III)のビスフェノール化合物が包含される。
Figure 2007531799
式中、RとRは各々独立に水素、ハロゲン原子、又は一価炭化水素基を表し、pとqは各々独立に0〜4の整数であり、Xは次式(IV)の基の1つを表す。
Figure 2007531799
式中、RとRは各々独立に水素原子又は一価線状若しくは環式炭化水素基を表し、Rは二価炭化水素基である。
式(III)で表され得るタイプのビスフェノール化合物の例としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわちビスフェノール−A)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン系、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン系など、並びに以上のビスフェノール化合物を1種以上含む組合せがある。
式(III)で表され得る他のビスフェノール化合物としては、Xが−O−、−S−、−SO−又は−SO−であるものがある。かかるビスフェノール化合物の幾つかの例は、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホンなど、並びに以上のビスフェノール化合物を1種以上含む組合せがある。
ポリカーボネートの重縮合に利用できるその他のビスフェノール化合物は次式(V)で表される。
Figure 2007531799
式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基のハロゲン原子又はハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜4の値である。nが2以上のとき、Rは同じであっても異なっていてもよい。式(V)で表し得るビスフェノール化合物の例は、レゾルシノール、3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−プロピルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、2,3,4,6−テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6−テトラブロモレゾルシンなどの置換レゾルシノール化合物、カテコール、ヒドロキノン、3−メチルヒドロキノン、3−エチルヒドロキノン、3−プロピルヒドロキノン、3−ブチルヒドロキノン、3−t−ブチルヒドロキノン、3−フェニルヒドロキノン、3−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノンなどの置換ヒドロキノンなど、並びに以上のビスフェノール化合物を1種以上含む組合せである。
次式(VI)で表される2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ−[IH−インデン]−6,6’−ジオールのようなビスフェノール化合物も使用できる。
Figure 2007531799
好ましいビスフェノール化合物はビスフェノールAである。
典型的なカーボネート前駆体としては、ハロゲン化カルボニル、例えば塩化カルボニル(ホスゲン)、及び臭化カルボニル、ビス−ハロホルメート、例えばビスフェノールA、ヒドロキノンなどの二価フェノールのビス−ハロホルメート、並びにエチレングリコール及びネオペンチルグリコールのようなグリコールのビス−ハロホルメート、並びにジフェニルカーボネート、ジ(トリル)カーボネート、及びジ(ナフチル)カーボネートのようなジアリールカーボネートがある。界面反応に好ましいカーボネート前駆体は塩化カルボニルである。
また、ホモポリマーではなくカーボネートコポリマーの使用が望まれる場合には、2種以上の異なる二価フェノールの重合により得られるポリカーボネート、或いは二価フェノールと、グリコール若しくはヒドロキシ−若しくは酸−末端ポリエステル若しくは二塩基酸若しくはヒドロキシ酸若しくは脂肪族二酸とのコポリマーを使用することも可能である。一般に、有用な脂肪族二酸は約2〜約40個の炭素を有している。好ましい脂肪族二酸はドデカン二酸である。
シロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、その低温延性及び難燃性が認められており、発光顔料を混入するためのマトリックスとして同様に利用することができる。これらのブロックコポリマーは、界面反応条件下でBPAのような二価フェノールとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンの混合物中にホスゲンを導入するすることによって作成することができる。これら反応体の重合は第三アミン触媒を使用することによって促進することができる。
使用できるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンの幾つかとして、次式(VII)のフェノール−シロキサンがある。
Figure 2007531799
式中、各Rは同じであっても異なっていてもよく、水素、ハロゲン、C(1−8)アルコキシ、C(1−8)アルキル及びC(6−13)アリールからなる群から選択され、RはC(2−8)二価脂肪族基であり、Rは同じか又は異なるC(1−13)一価有機基から選択され、nは1以上、好ましくは約10以上、さらに好ましくは約25以上、最も好ましくは約40以上の整数である。また、nは1000以下、好ましくは100以下、さらに好ましくは約75以下、最も好ましくは約60以下の整数であることも好ましい。一実施形態では、nは50以下である。特に好ましいヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンは、Rがメチルであり、Rが水素又はメトキシであってフェノール性置換基に対してオルト位に位置しており、Rがプロピルでフェノール性置換基に対してオルト又はパラに位置しているものである。
上記式(VII)のRに包含される基の幾つかは、水素、ブロモ及びクロロのようなハロゲン基、メチル、エチル、及びプロピルのようなアルキル基、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシのようなアルコキシ基、フェニル、クロロフェニル、及びトリルのようなアリール基である。Rに包含される基は、例えば、ジメチレン、トリメチレン及びテトラメチレンである。Rに包含される基は、例えば、C(1−13)アルキル基、トリフルオロプロピル及びシアノアルキル基のようなハロアルキル基、フェニル、クロロフェニル及びトリルのようなアリール基である。Rは好ましくはメチル、又はメチルとトリフルオロプロピルの混合物、又はメチルとフェニルの混合物である。
シロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、重量平均分子量(Mw、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー、超遠心分離、又は光散乱により測定)が約10000以上、好ましくは約20000以上である。また、重量平均分子量は約200000以下、好ましくは約100000以下であるのが好ましい。一般に、ポリオルガノシロキサン単位がシロキサン−ポリカーボネートコポリマーの総重量の約0.5〜約80wt%であるのが望ましい。シロキサンブロックの鎖長は約10〜約100の化学結合したオルガノシロキサン単位に相当する。これらは、例えば米国特許第5530083号(援用によりその全体が本明細書の内容の一部をなす)に記載されているようにして製造することができる。
ポリアリーレート及びポリエステル−カーボネート樹脂又はこれらのブレンドも使用することができる。枝分れポリカーボネート並びに線状ポリカーボネートと枝分れポリカーボネートのブレンドも有用である。枝分れポリカーボネートは重合中に枝分れ剤を添加することによって製造することができる。
これらの枝分れ剤は、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミル、及び以上の枝分れ剤を1個以上含む組合せであり得る官能基を3個以上含有する多官能性有機化合物でよい。特定の例としては、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、トリメリト酸三塩化物、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビス−フェノール、トリス−フェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸など、並びに以上の枝分れ剤を1種以上含む組合せがある。枝分れ剤は基材の総重量を基準にして約0.05〜約2.0wt%のレベルで添加するとよい。
一実施形態では、ポリカーボネートは、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融重縮合反応で製造することができる。ポリカーボネートを製造するのに利用できる炭酸ジエステルの例は、炭酸ジフェニル、炭酸ビス(2,4−ジクロロフェニル)、炭酸ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)、炭酸ビス(2−シアノフェニル)、炭酸ビス(o−ニトロフェニル)、炭酸ジトリル、炭酸m−クレジル、炭酸ジナフチル、炭酸ビス(ジフェニル)、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸ジブチル、炭酸ジシクロヘキシルなど、並びに以上の炭酸ジエステルを1種以上含む組合せである。好ましい炭酸ジエステルは炭酸ジフェニルである。
ポリカーボネートの重量平均分子量は約5000〜約100000原子質量単位(amu)であるのが好ましい。この範囲内で、重量平均分子量は約10000amu以上、好ましくは約15000amu以上であるのが望ましい。また、分子量は約65000amu以下、さらに好ましくは約35000原子質量単位以下であるのが望ましい。しかし、幾つかの用途、例えば光媒体樹脂の場合、ポリカーボネートの重量平均分子量は約20000amu以下であるのが好ましく、約5000〜約20000amuがさらに好ましいことに留意されたい。
アントラキノン誘導体は次式(VIII)で表すことができる。
Figure 2007531799
式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−SR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、RとR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、一方Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−オクタデシル)、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)、炭素原子数3〜20のアリル基[これは、例えばハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)を始めとする1以上の置換基を含有していてもよい]、5−又は6−員複素環などである。上記1,8−アントラキノン誘導体の幾つかの例としては、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノン、1,8−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノン、1,8−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)アントラキノン、1,8−ビス(N,N−ジエチルアミノ−プロピルアミノ)アントラキノン、及び1,8−ビス(N,N−ジエチルアミノ−エチルアミノ)アントラキノン、及びこれらの誘導体など、並びに以上のものを1種以上含む反応生成物及び組合せがあり、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンが好ましい。
上述のアントラキノン誘導体は紫の色合いを有するのが望ましい。好ましくは、かかる1,8−アントラキノン誘導体は約530〜約610nmの範囲に最大の光吸収を有し、約540〜約600nmの範囲の最大吸収が好ましく、約540〜約590nmの範囲がさらに一段と好ましい。この範囲内の最大吸収により、DVD用途のような各種用途、及び光センサー及び検出器における650nmのレーザーの有効な透過、その他に使用することが可能になる。一般に、1,8−アントラキノン誘導体は、波長600nmでの吸光係数が約1500リットル/モル・センチメートル(mol−1・cm−1・L)以上、好ましくは約3000mol−1・cm−1・L以上、さらに好ましくは約4500mol−1・cm−1・L以上、最も好ましくは約6000mol−1・cm−1・L以上であるのが望ましい。また、1,8−アントラキノン誘導体は、波長約650nmでの吸光係数が約1000mol−1・cm−1・L未満、好ましくは約800mol−1・cm−1・L以下、さらに好ましくは約600mol−1・cm−1・L以下であるのが望ましい。一実施形態では、本発明の1,8−アントラキノンは、650nmでの吸光係数が最大吸収における吸光係数の約10%以下であることも望ましい。特記しない限り、吸光係数もすべて、1センチメートル(cm)の光路長に対して0.8〜1.2単位の最大吸収をもたらす染料濃度で複光束分光光度計を用いて測定したものである。
当業者には了解されるように、1,8−アントラキノン誘導体は様々な方法で形成することができる。一つの方法ではアミン縮合を用いる。アミン(例えば、シクロヘキシルアミンなど)と1,8−ジハロゲン化アントラキノンの縮合を用いて合成する場合、使用する(1,8−ジクロロアントラキノンのような)原料は、最低純度約95%以上の純粋な原料の反応によって選択される。純度は約97%以上が好ましく、約99%以上がさらに好ましい。典型的な不純物は本質的にモノハロゲン化アントラキノン(例えば、モノクロロアントラキノン)であるので、存在する可能性がある1,5−ジハロゲン化アントラキノン(例えば、1,5−ジクロロアントラキノン)の可能な量は無視できる。その結果、アミン(例えば、シクロヘキシルアミン)との反応で、検出可能な量の1,5−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンは生じない。好ましくは、この反応を過剰のシクロヘキシルアミンの存在下で行い、場合によっては触媒を使用して1,8−ジクロロアントラキノンから1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンへの変換を最大にする。次に、反応生成物を濾過により集め、水とメタノールで十分に洗浄する。場合によっては、希酸又は塩基(例えば、HSO、HCl、HNO、NaOH、KOH)を用いてこの水のpHを調節して、残留シクロヘキシルアミンをさらに除去し、最大純度を達成することができよう。
理論に拘束されることはないが、上述の赤−紫アントラキノン誘導体の発色団の性質に起因して、一般に、塩化メチレン(ジクロロメタン又はCHClともいう)の溶液中の場合、波長約600nmでの高い吸光係数が達成され、一方波長約650nmでの低い吸光係数が達成され、その際最大吸収は約530nm以上、好ましくは約540nm以上、さらに好ましくは約550nm以上の波長に位置する。
一般に、アントラキノン誘導体は、最終用途において所望の光透過率/吸収特性を達成するのに充分な量でポリマー樹脂に添加するのが望ましい。通例、物品の着色剤を含む部分の総重量を基準にして約0.001〜約5.0wt%程度の量のアントラキノン誘導体を使用することができ、この際アントラキノン誘導体はアントラキノン誘導体の総重量を基準にして約95wt%以上の1,8−アントラキノン誘導体、さらに好ましくは1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを含む。この範囲内で、殆どのアントラキノン誘導体に対して、アントラキノン誘導体の量は約3wt%以下であり、約1wt%以下が好ましく、約0.4wt%以下がさらに好ましい。また、この範囲内で、アントラキノン誘導体の量は約0.05wt%以上が好ましく、約0.07wt%以上がさらに好ましく、約0.1wt%以上が殊に好ましい。さらに、アントラキノン誘導体は、アントラキノン誘導体の総重量を基準にして約97wt%以上の1,8−アントラキノン誘導体含むのが好ましく、さらに好ましくは約99wt%以上を含む。以下の実施例から分かるように、1,5−アントラキノン不純物はこの着色剤の光吸収特性を変化させる。1,5−アントラキノン不純物の量が増大すると、550nm以上での吸光係数が低下する一方、約500nmでの吸光係数が増大する。1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンは600°F(315℃)で1,5−誘導体より良好な熱安定性を示した。従って、かかる熱安定性の利点を保持するためには、1,8−誘導体の高い純度が望ましい。
幾つかの用途では、物品の着色剤を含む部分の総重量を基準にして約0.001〜約80.0wt%程度の量のアントラキノン誘導体を使用することができ、この際アントラキノン誘導体はアントラキノン誘導体の総重量を基準にして約95wt%以上の1,8−アントラキノン誘導体、さらに好ましくは1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを含む。
ポリマー樹脂と1,8−アントラキノン誘導体を含む物品を形成するには、一般に、押出機の供給口に添加すればよい。一実施形態では、ポリマー樹脂を押出機の供給口に加えるが、アントラキノン誘導体は供給口の下流で、例えば着色剤マスターバッチの形態で加えてもよい。ポリマー樹脂は押出機内でアントラキノン誘導体とブレンドしてもよいが、成形機内で直接ポリマー樹脂をアントラキノン誘導体とブレンドすることも望ましいであろう(例えば、組成物を形成すると共にその場で物品を形成する(すなわち、物品の形成中に着色剤をポリカーボネートに加える))。言い換えると、1,8−アントラキノン誘導体はマスターバッチ中の着色剤としても、又は樹脂その他の結合剤成分中の単一の顔料分散物としても使用することができる。加えて、1,8−アントラキノン誘導体は、仕上げ段階(マスターバッチ、液体染色、単一着色剤分散物、ペレット(例えば、ポリマー樹脂ペレット)との直接混合などを用いる)、例えば直接成形機又はフィルム/シート押出ラインなどに使用することができる。
以下の限定することのない実施例は、様々な材料と装置を用いた限られたプレイデータ記憶媒体に関連する代表例な組成物と製造方法を例示する。
実施例1〜8で、核磁気共鳴(NMR)スペクトルはBruker 300MHz Avance分光計を用いて記録し、紫外(UV)−可視(VIS)スペクトル測定はPerkin−Elmer Lambda 900 UV/VIS/NIR(近赤外)分光光度計を用いて行った。UV−VISスペクトル測定用の溶媒として塩化メチレンを用いた。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析はAgilent 1100という機器で行った。融点は全てElectrothermal MEL−TEMP 3という機器を用いて記録したものであり、補正してない。吸光係数は次式で計算した。
Figure 2007531799
ここで、ε=吸光係数であり、A=吸光度であり、B=光路長(cm)であり、C=濃度(モル濃度:モル/リットル)である。
実施例1
この実施例では1,5−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。3.00グラム(g)(0.011モル(mol))の1,5−ジクロロアントラキノン、30ミリグラム(mg)の銅粉末、30mgのヨウ化銅(I)及び20ミリリットル(ml)(0.235モルs)のイソプロピルアミンを30mlのエチレングリコールに加え、得られた懸濁液を油浴中に保持した密閉容器内で160℃に加熱した。加熱を160℃で16時間続けた後、加熱を止め、容器を室温まで放冷した。この後20mlのメタノールを容器に加え、中味を30分室温で撹拌した。得られた混合物を次に、50グラム(g)の15%(重量/容量(wt/vol))の氷冷した(すなわち、約5℃の)HCl溶液中にゆっくり注ぎ入れた。次いで、沈殿を濾過し、水洗して酸を除き、真空下100℃で乾燥した。収量は3.00gであった。こうして得られた粗生成物を、80%のn−ヘキサンと20%の酢酸エチルを含有する溶出液系を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。HPLCを用いて決定したとき80%の純度が得られた。この生成物を、プロトンNMR(H NMR)分光法(300メガヘルツ(MHz)、重水素化されたクロロホルム(CDCl))を用いて特徴付けた。化学シフト(δ)1.36(二重項(d)、12プロトン(H))、δ3.86(多重項(m)、2H)、δ6.99(d、2H)、δ7.53(m、4H)、δ9.75(窒素に結合したプロトン(NH))。
実施例2
この実施例では1,5−ビス−(2−N,N−ジエチルアミノ−エチルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。5.50g(0.02モル)の1,5−ジクロロアントラキノン、60mgの銅粉末、及び20g(0.17モル)のN,N−ジエチルエチレンジアミンを含有する混合物を大気圧(約10パスカル(Pa))で5時間の間約120〜約125℃に加熱した。次に、得られた溶液を50℃に冷却した後、40mlのメタノールを用いて磨砕し、さらに1時間50℃で撹拌した。こうして得られた生成物塊を次いで、100mlの氷冷水中にゆっくり注ぎ入れた。次に、沈殿した生成物を濾過し、水で洗浄し、一晩50℃で乾燥した。収量は6.50gであった。HPLCで決定したときに98%の純度が得られた。この生成物をH NMR分光法(300MHz、CDCl)によって特徴付けた。δ1.08(三重項(t)、12H)、δ2.65(四重項(q)、8H)、δ2.82(m、4H)、δ3.40(m、4H)、δ6.98(d、2H)、δ7.54(m、4H)、δ9.75(NH)。
実施例3
この実施例では1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。28.00g(0.101mol)の1,8−ジクロロアントラキノン、0.3gの銅粉末、及び280ml(2.45mol)のシクロヘキシルアミンを含有する混合物を大気圧で15時間の間160℃に加熱した。次に、得られた溶液を60℃に冷却した後、150mlのメタノールを用いて磨砕し、さらに1時間その温度で撹拌した。こうして得られた生成物塊を次いで、1000mlの15%(wt/vol)氷冷HCl溶液中にゆっくり注ぎ入れた。次に、沈殿した生成物を濾過し、水を用いて洗浄して酸を除き、真空下100℃で乾燥した。収量は37.00gであった。
こうして得られた粗生成物を次に、200mlのメタノールに懸濁させ、1時間還流した後、混合物を室温に冷却した。濾過し、20mlの冷メタノール(10℃)で洗浄し、吸引下乾燥した。この段階で90vol%の石油エーテルと10vol%の酢酸エチルからなる溶出液系を用いてTLC(薄層クロマトグラフィー)を実行したところ、少量のモノ縮合生成物の存在が示された。このメタノール処理を繰り返してモノ置換生成物を完全に除去した。こうして得られた生成物を次に、4リットル(L)の塩化メチレンに多数のロットで溶解し、各場合に加熱還流し、G−2焼結漏斗を用いてセライト(ケイ藻土)の床に通して濾過した。得られた溶液を減圧下で蒸発させて34gの純粋な生成物(すなわちHPLCで決定して98%の純度)を得た。この生成物をH NMR分光法(300MHz、重水素化されたジクロロメタン(CDCl))によって特徴付けた。δ1.33〜2.12(m、20H)、δ3.55(m、2H)、δ7.11(d、2H)、δ7.48(m、4H)、δ9.73(NH)。
実施例4
この実施例では1,8−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。3.00g(0.011モル)の1,8−ジクロロアントラキノン、30mgの銅粉末、30mgのヨウ化銅(I)及び25ml(0.29モル)のイソプロピルアミンを含有する混合物を20ml(0.34モル)のエチレングリコールに加え、得られた懸濁液を密閉容器内で15時間160℃に加熱した。次いで、得られた溶液を室温(約23℃)に冷却し、中味を100mlの15%氷冷酢酸溶液中にゆっくり注ぎ入れた。沈殿した生成物を次に濾過し、洗浄して酸を除き、真空下100℃で乾燥した。収量は3.00gであった。その後、試料の一部分を、溶出液系として80容量%(vol%)のn−ヘキサンと20vol%の酢酸エチルを含有する溶媒混合物を用いてカラムクロマトグラフィーにかけて、純粋な形態の生成物を得た。HPLCで決定して93%の純度で34gの収量が得られた。この生成物をH NMR分光法(300MHZ、CDCl)によって特徴付けた。δ1.39(d、12H)、δ3.86(m、2H)、δ7.07(d、2H)、δ7.50(m、4H)、δ9.73(NH)であった。
実施例5
この実施例では1,8−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。4.00g(0.014モル)の1,8−ジクロロアントラキノン、60mgの銅粉末及び10g(0.077モル)の2−エチルヘキシルアミンをフラスコ内で
35mlのエチレングリコールに加え、得られた懸濁液を16時間160℃に加熱した後、フラスコの中味を室温まで放冷し、その後30mlのメタノールを加え、30分撹拌した。次いで、得られた混合物を50gの15%氷冷HCl溶液中にゆっくり注ぎ入れた。得られた沈殿を濾過し、洗浄して酸を除き、真空下100℃で乾燥した。収量は3.50gであった。この粗生成物を次に、80vol%のn−ヘキサンと20vol%の酢酸エチルからなる溶出液系を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製した。HPLCで決定して93%の純度が得られた。この生成物をH NMR分光法(300MHz、重水素化されたジメチルスルホキシド(DMSOD))によって特徴付けた。δ0.95(m、12H)、δ1.35〜1.72(m、18H)、δ3.22(m、4H)、δ7.05(d、2H)、δ7.50(m、4H)、δ9.73(NH)。
実施例6
この実施例では1,8−ビス−(3−N,N−ジメチルアミノ−プロピルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。5.00g(0.018mol)の1,8−ジクロロアントラキノン、50mgの銅粉末、及び40g(0.39mol)のN,N−ジメチルアミノ−3−プロピルアミンを含有する混合物を大気圧で3時間の間120℃に加熱した。次いで、得られた溶液を60℃に冷却し、20mlのメタノールを用いて磨砕し、その温度で1時間撹拌した。こうして得られた生成物塊を次に200mlの氷冷水中にゆっくり注ぎ入れた。こうして得られた沈殿を次いで濾過して2gの生成物を得た。その後、粗試料の一部分を、溶出液系として80vol%のn−ヘキサンと20vol%の酢酸エチルを含有する溶媒混合物を用いてカラムクロマトグラフィーにかけて純粋な形態の生成物を得た。HPLCを用いて決定して98%の純度が得られた。この生成物をH NMR分光法(300MHZ、CDCl)によって特徴付けた。δ1.94(m、4H)、δ2.29(一重項(s)、12H)、δ2.46(t、4H)、δ3.40(m、4H)、δ7.07(d、2H)、δ7.52(m、4H)、δ9.75(NH)。
実施例7
この実施例では1,8−ビス(2−N,N−ジエチルアミノ−エチルアミノ)アントラキノンの合成について詳述する。10.00g(0.036モル)の1,8−ジクロロアントラキノン、0.3gの銅粉末、及び60g(0.51モル)のN,N−ジエチルエチレンジアミンを含有する混合物を大気圧で5時間の間130℃に加熱した。次に、得られた溶液を60℃に冷却した後、25mlのメタノールを用いて磨砕し、その温度でさらに1時間撹拌した。こうして得られた生成物塊を次いで、100mlの氷冷水中にゆっくり注ぎ入れた。沈殿した生成物を次に濾過し、水で洗浄し、一晩50℃で乾燥した。総収量は8.00gであった。HPLCを用いて決定したときに97%の純度が得られた。この生成物をH NMR分光法(300MHz、CDCl)によって特徴付けた。δ1.11(t、12H)、δ2.65(q、8H)、δ2.82(t、4H)、δ3.40(m、4H)、δ7.03(d、2H)、δ7.51(m、4H)、δ9.72(NH)。
Figure 2007531799
実施例1〜7に対して得られたHPLCデータについては、3種の方法を使用した。これらの方法では、いずれも、流速1ミリリットル/分(ml/min)、カラム温度25℃を用いた。方法Iでは、Zorbax Eclipse XDB−C18(Agilent Technologies社(米国カリフォルニア州パロアルト)製のHPLCカラム)、4.6X150ミリメートル(mm)、5マイクロメートル(μm)、及び表2に示す溶媒勾配を用いた。方法IIでは、Zorbax Eclipse XDB−C18、4.6X150mm、5マイクロメートル、及び表3に示す溶媒勾配を用いた。方法IIIでは、Zorbax Eclipse RX−SIL、4.6X250mm、5マイクロメートル、及び15vol%のアセトニトリルと85vol%のジクロロメタンの溶媒組成を用いた。
Figure 2007531799
Figure 2007531799
実施例8
この実施例では、幾つかのアントラキノン誘導体を調製し、それらのUV−VISスペクトル特性を、複光束方式のUV/VIS Perkin−Elmer Lambda 900 UV/VIS/NIR分光光度計を用いて、塩化メチレン溶液中300〜800nmの波長領域で測定した。アントラキノン誘導体の構造を下記表4に示し、光学的特性を下記表5に示す。
Figure 2007531799
Figure 2007531799
表5から分かるように、これらのアントラキノンは全て、波長600nm/365nmの吸光度比が約1.5以上である。しかし、1,5−アントラキノンのうち波長600nm/365nmの吸光度比が約3以上となるのはごくわずかである。1,8−アントラキノンは一般に波長600nm/365nmの吸光度比が約3以上であるので、レーザービーム又は発光ダイオードのような他の任意の光源が横切ることになる層の上にUV硬化可能な接着剤が配置される光/記憶媒体(非限定再生型)及びセンサー用途(例えば、センサーウインドウ)のような、高い吸光度比が必要とされるある種の特化された用途で1,8−アントラキノンは1,5−アントラキノンさらに好ましいであろう。600nmと365nmは波長の例である。異なる硬化系及びリードバック系は異なる波長必要とする可能性がある。この点で、600nmと365nmの波長でそれぞれ22.4と16.3の高い吸光度比を示す試料No.7と4はさらに好ましい。幾つかの1,8−アントラキノンの最大吸収はそれを入れるマトリックスに応じてシフトし得る(溶媒和発色効果)ことに注意しなければならない。その結果、ある種の化合物に対して塩化メチレン溶液中で大きめの吸光度比が観察され得るが、ポリカーボネート組成物中での最終的な比はそれより低くなるかもしれない。加えて、当技術分野で公知のように、樹脂系及びその用途要件に適するか否かを決定しなければならない。この評価では通例、着色樹脂組成物のレオロジー特性の安定性を試験する。一般に、粘度の大きいシフト(通例300℃に30分滞留後約20%以上の粘度変化)を示す着色剤は、その樹脂組成物と相互作用する疑いが考えられ、従ってこの特定の樹脂と配合量の組合せに対する着色剤として適していないかもしれない。
全てのアントラキノン誘導体の650nmと600nmの波長における吸光度比は百分率として表されており、一般に10%未満である。また、1,5−アントラキノン誘導体は650nmにおいて1,8−アントラキノン誘導体より低い吸光係数を示す。1,5−アントラキノン誘導体を1,8−アントラキノン誘導体と混合することにより、吸光度比を望ましい値に微調整することが可能であろう。この吸光度比を微調整できることは、その媒体(例えば、ディスク基材)の波長約650nmでの透過を増大させる一方、波長約550nmでの吸収を増大するのが望ましいときに有用であり得る。
実施例9
1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを含むポリカーボネート
配合A〜Dに対応するポリカーボネート熱可塑性組成物を調製し、Werner and Pfleiderer社(米国ニュージャージー州)から市販されている30mmの押出機ZSK−30型で押し出した。押出条件は、ゾーン1=480°F、ゾーン2=500°F、ゾーン3=520°F、ゾーン4=540°F、ゾーン5=550°F、ダイヘッド=550°F、スクリュー速度=400〜450回転/分(rpm)であった。これらの配合物の詳細な組成を表6に示す。
Figure 2007531799
これらの配合物中に使用した1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノン化合物は既に記載された実験手順に従って合成した。その純度はHPLCにより99%より高いことが確認された(この場合は99.13%)。
以下のパラメーターをHPLC分析に用いた。
カラム:micro−Porasil 3.9×300mm #27477、Waters
溶媒:75/20/5(v/v)ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル
流速:1.0ml/min(ミリリットル/分)
注入:10μl(マイクロリットル)
検出器:UV 最大プロットモード 280nm、320nm
試料調製:0.01g以下を秤量して25mlの容量計に入れ、クロロホルムで所定の容量に希釈する。
図3に示されているとおり、この染料は保持時間4.15分で単一のピークとして溶出する。図3は、実施例9で使用した1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノン染料のHPLCトレースであり、クロマトグラムの積分は染料の純度が99.13%であることを示している。参考のために、出発材料の1,8−ジクロロアントラキノンは保持時間が5.57分である。反応が不完全な染料は、保持時間が4.15分(1,8−ジシクロヘキシルアミノアントラキノン)と4.28分(モノシクロヘキシルアミノアントラキノン)並びに出発材料(1,8−ジクロロアントラキノン、4.15分)の二重のピークを特徴的に示す。
ホスファイト系安定剤はDover Chemicals社のDoverphos S−9228であり、離型剤はMitsubishi International社のグリセロールモノステアレートであった。ディスパースバイオレット26とソルベントレッド52はいずれも、Bayer社(Colorants Division、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)からそれぞれMacrolex Violet HとMacrolet Violet 5Bという商標名で入手した。ソルベントレッド207はKeyst1 Aniline社社(米国イリノイ州シカゴ)から商標名Keyplast Magenta M6Bで入手した。
押出後、配合A〜Dに対応するペレット化した材料を、バレル温度600°F(315℃)、標準サイクル時間約45秒で射出成形して、5.08cm(幅)×7.62cm(高さ)×3.2mm(厚さ)の寸法の着色した透明なステップ状プラックを形成した。目に見える欠陥のない6つのプラックを収集した後、サイクル時間を増大させて、成形機のバレル内における増大した滞留時間に対するいろいろな着色剤の感受性を評価した。サイクル時間はバレル内材料滞留時間約5分に対応するプラックを収集するように設定した(サイクル時間の設定は成形機のショットサイズとバレルの大きさに依存する)。次に、この手順をバレル温度620°F(327℃)で繰り返した。
成形後、プラックを一晩放冷してから、Gretag MacBeth社(米国ニューヨーク州ニューウィンザー)の色分光光度計Color Eye 7000Aを用いて測定した。積分球幾何学を標準装備した機器を用いて、標準的技法のASTM E1164に記載してあるようにして各試験片の色を測定した。ASTM E1348法に従って透過率を測定した。測定の前に、機器に備わっている標準の白色校正タイルを用いて機器を校正した。D65光源(UVD65設定)をシミュレートするために、MacBeth CE7000Aマニュアルに従ってUVフィルター位置も校正した。全ての測定(反射及び透過モード)は、含まれる光の鏡面成分(SCI)、含まれていて校正されたUV(UVD65)、大きい目視穴 LAV)及び大きい目視面積(LAV)で行った。
CIE L(すなわちL座標)及びCIE 1976 LCh系を用いて10度観測で360〜750nmでとったスペクトル曲線から、幾つかの色空間についてGretag MacBeth ProPalette Optiview 5.2ソフトウェアにより色座標を計算した。標準サイクル時間により600°F(又は315℃)で成形した同じ組成のプラックに対して、各試料について測定したCIE L色座標を用いて、色差(ΔE)を計算した。結果をまとめて表7に示す。
Figure 2007531799
ある化合物を着色剤として熱可塑性組成物中に使用する場合、その化合物は、様々なサイクル時間を用いて部品を成形することができるようにこの組成物中で充分な熱安定性を示すのが望ましい。サイクル時間と成形温度は、適用条件(部品の設計/金型の設計)、使用する成形機の特性、そして当然であるが、ポリマーマトリックスのレオロジーに依存する。最大の加工処理ウインドウ(範囲)を可能にするには、有意な色シフト(すなわち、色差)をもたらすことなく、延長されたサイクル時間又は上昇した成形(すなわち、バレル)温度を支えることができる着色剤が望ましい。着色剤は通常、観察される色差が約3以下であれば安定であるとされる。
表7に掲げた結果は明らかに、ディスパースバイオレット26を着色剤として用いた組成物Dは、サイクル時間が600°F(315℃)から620°F(327℃)に増大したときに極めて有意にシフトすることを示している。加えて、組成物Dはまた、600°F(315℃)でサイクル時間が標準から5分に増大すると有意な色シフトを示す。これは、ディスパースバイオレット26が温度600°F(315℃)以上でポリカーボネート中に使用するのに充分な熱安定性をもっていないことを示している。対照的に、組成物C(ソルベントレッド52を含む)は、約5分の滞留時間に対して620°Fで1.12という最大色シフトに示されているように、600°Fと620°Fの両方で標準又は延長されたサイクル時間に対して安定であるようである。組成物Bに用いたソルベントレッド207(すなわち、1,5−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノン)は、ポリカーボネート組成物中で620°F、標準サイクル時間で成形するのに充分な安定性を有するように見える。しかし、ソルベントレッド207は、材料滞留時間を5分に増大したときに測定される4.73という色シフトで示されているように、延長された成形サイクルに持ちこたえるのに充分な熱安定性をもっていないことに注意しなければならない。その結果、かかる組成物は、600°F(315℃)以下の成形温度で短いサイクル時間を必要とするような用途に制限されるはずである。かかる制限は、ソルベントレッド207を着色剤としてポリカーボネート配合物中にに広く使用することを妨げる。興味深いことに、組成物A(99%の純度を有する1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを含有する)は、ソルベントレッド207と比較して改良された熱安定性を示す。実際、組成物Aは、(延長されたサイクル時間でも)600°Fで安定であるし、標準サイクル時間に対して620°Fで安定である。有意な色シフトは約5分の材料滞留時間に対して620°Fで見られるだけである。これは、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを着色剤としてポリカーボネート組成物中に使用すると、1,5−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンと比較して、より大きい加工処理(すなわち、成形)ウインドウが得られることを示している。
600°F(315℃)、標準サイクル時間で成形されたいろいろな組成物に対するCIE 1976 LCh(「明るさ」/「彩度」/「色相」)色座標を表3に示す。組成物Bから成形したプラックは外見上赤/マゼンタ色に見える。対照的に、組成物Aから成形したプラックはずっと紫色(すなわち、青味がかった赤)に見える。実際、組成物Aから成形されたプラックはDより青い色合いに見え、DはCより青く見え、そのCはBより青く見える。この傾向は、表3に示した色相の差によって立証される。組成物Aは最小の色相角(316.65°)をもっており、目視観察結果と一致している。他の組成物は全て色相角が約320°より大きく、殊に324°より大きい。
Figure 2007531799
可溶性(すなわち、目に見える散乱領域を形成することなく熱可塑性樹脂中に分散/可溶化する能力)の青味がかった赤色着色剤はあまり一般的ではない。事実、この範囲の色空間でポリカーボネート中に使用するのに充分な熱安定性を有する着色剤(殊に染料)は極めて少ない。ソルベントレッド52とディスパースバイオレット26は、市場で熱可塑性樹脂用として認められ得る青味がかった赤色染料の例である。表8の結果から、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンはこれらの着色剤のいずれよりも青い色合いを有するようである。加えて、600°Fにおいて長いサイクル時間で、又は620°Fにおいて短いサイクル時間で成形されるポリカーボネート組成物中に使用するのに充分な熱安定性を有している。既に分かっているように、ディスパースバイオレット26は、600°F(315℃)での成形を要するポリカーボネート組成物中に使用するのに必要とされる熱安定性を有していない。本出願の他の実施例から分かるように、ソルベントレッド52(これはアントラピリドン誘導体である)はその化学構造に起因して約365nmに極めて強い吸収を示す。従って、これは優れた熱安定性を有すると入っても、UV硬化が起こる必要がある部品(例えば、DVD基板)に成形される熱可塑性組成物中に着色剤として使用するのは望ましくない。逆に、1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンは、約365nmで極めて低い光吸収を示し、これが赤色着色剤として比較的良好な熱安定性及び強い青味と相俟った結果、光硬化のために約365nmのUV範囲で光透過を必要とする熱可塑性組成物中に使用するものとして優秀な候補となる。
本発明を代表的な実施形態を参照して説明してきたが、当業者には本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更をなすことができ、また均等物をその要素と置き換えることができるということが了解されよう。加えて、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるべく本発明の本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正をなすことができる。従って、本発明は、本発明を実施する上で考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に入る全ての実施形態を包含するものである。
図1は、塩化メチレン溶液(濃度:0.062ミリモル/リットル)中の1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンとソルベントレッド52の双方について、mol−1・cm−1・Lで表した吸光係数(すなわち、吸光度)を波長に対してプロットしたグラフ表示を表す。 図2は、最大吸光度が556nmである厚さ0.6ミリメートルのポリカーボネート(PC)中の1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンについて、波長に対して吸光度を表示するグラフである。 図3は、着色剤として使用するのに適した純度で得られた1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンに対して得られたHPLCクロマトグラムのグラフ表示である。

Claims (17)

  1. ポリマー樹脂と純度約90wt%以上の次式(VIII)の1,8−アントラキノン誘導体を含んでなる着色ポリマー組成物。
    Figure 2007531799
    式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、R及びR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。
  2. 1,8−アントラキノン誘導体が、約600°F(315℃)の熱安定性、約530〜610nmに位置する最大吸収、650nmで約1000mol−1・cm−1・L以下の吸光係数(CHCl溶液中で測定)、600nmで約1500mol−1・cm−1・L以上の最小吸光計数を有する、請求項1記載の組成物。
  3. 1,8−アントラキノン誘導体が、650nmで約70%以上の光透過率、約0.1以上の硬化指数及び約2.5以上の濾光指数を有するとともに、650nm/600nmの吸光係数比が約0.1未満である、請求項1又は請求項2記載の組成物。
  4. 1,8−アントラキノン誘導体の600nm/365nmの吸光度比が約5以上である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 1,8−アントラキノン誘導体が約4.0以上の濾光指数を有する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の組成物
  6. 1,8−アントラキノン誘導体が約0.5以上の硬化指数を有する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の組成物。
  7. 1,8−アントラキノン誘導体が1,8−ビス(シクロヘキシルアミノ)アントラキノンを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 1,8−アントラキノン誘導体が1,8−ジアルキルアミノアントラキノンを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の組成物。
  9. 1,8−アントラキノン誘導体の650nmでの吸光係数と600nmでの吸光係数との比が約0.1以下である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 1,8−アントラキノン誘導体が、ポリカーボネート組成物中で(部品厚さ3.2mmにおいて0.01pphの配合量で使用したとき)335度未満の色相角値を与える、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の組成物。
  11. ポリマー樹脂と以下の式(VIII)の1,8−アントラキノン誘導体を含んでなる着色ポリマー組成物であって、該組成物から形成された物品が、(物品厚さ3.2mmにおいて0.01pphの配合量で使用したときに)約330度以下の色相角値を有する、組成物。
    Figure 2007531799
    式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、R及びR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。
  12. 色相角が約320度以下である、請求項11記載の組成物。
  13. ポリマー樹脂が、約20000以下の重量平均分子量(Mw)のポリカーボネート樹脂を含む、請求項11又は請求項12記載の組成物。
  14. ポリマー樹脂及び以下の式(VIII)の1,8−アントラキノン誘導体の組成物を形成し、
    該組成物から物品を形成する
    ことを含んでなる、着色ポリマー物品の製造方法であって、1,8−アントラキノン誘導体が(物品厚さ3.2mmにおいて0.01pphの配合量で使用したときに)約330度以下の色相角値を与える、方法。
    Figure 2007531799
    式中、R〜Rは独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−COR、−COOR、−NR10、−NR10COR11、−NR10SO11、−CONR10、−CONHSO11及び−SONHCOR11からなる群から選択され、R及びR10は独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、R11は脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数3〜20のアリル基、ヒドロキシル基、五員複素環及び六員複素環からなる群から選択される。
  15. 1,8−アントラキノン誘導体が、組成物の総重量を基準にして約80wt%以下の量で存在する、請求項14記載の方法。
  16. さらに、物品の形成中その場で組成物を形成することを含む、請求項14又は請求項15記載の方法。
  17. その場で組成物を形成することが、さらに、1以上のマスターバッチ、単一着色剤分散物、又は液体染色工程を使用することを含む、請求項16記載の方法。
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