JP2007512285A - 抗精神病薬としての7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1h−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレート - Google Patents

抗精神病薬としての7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1h−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレート Download PDF

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Abstract

本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンとそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の新規の塩、医薬製剤、それらの調製方法、およびそれらの医薬品における使用に関する。本化学物質は、特に抗精神病薬として療法に有用である。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの新規の塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物、医薬製剤、それらの調製方法、およびそれらの医薬品における使用に関する。
(従来技術)
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの構造は、式(1)の化合物として以下に示される:
Figure 2007512285
式(1)の化合物は、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド)の存在下、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で、7−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンと4−クロロベンジルアルコールとを反応させることにより、調製されうる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの塩酸塩は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基を、エーテル性塩化水素で処理して、エタノールから結晶化することにより、調製されうる。
式(1)の化合物とその医薬上許容される塩および溶媒和化合物は、特許文献1において、例えば、神経***症、***感情障害および***病様症および他の疾患(例、精神病性鬱病(該用語は、双極性鬱病、単極性鬱病、単回もしくは再発性の大鬱病エピソード(精神病性の特徴、緊張病性の特徴、メランコリックの特徴、非定型性の特徴を伴うもしくは伴わない)、または産後発症、季節性感情障害および気分変調症、一般的な病状(心筋梗塞、糖尿病、流産もしくは中絶(これに限定されない)を含む)から起こる抑うつ性疾患を含む)、不安障害(全般性不安障害および社会不安障害を含む)、躁病、急性躁病、妄想性障害(paranoid disorder)および妄想性障害(delusional disorder)等)の治療における抗精神病薬として有用であると報告されている。
医薬品に使用するために、大規模製造において単離が容易で、患者への投与のため合格品を容易に処方する適切な形態に調製される化合物に対する必要性が存在する。化合物の任意の特定な塩の物理的特性を予測することは難しく、物理的特性における僅かであるが重大な意味を有する差が、化合物を含有する医薬品の製造および処方において大幅な節減に匹敵しうる。
遊離塩基として式(1)の化合物(以下「遊離塩基」)と記載する)は、多様な形態で存在し、試験した全ての遊離塩基は、吸湿性であると観察された。塩酸塩しての式(1)の化合物は、多様な形態で存在し、試験した全ての塩酸塩は、吸湿性であると観察された。上記の吸湿性は、周囲条件下で、式(1)の化合物の取扱い易さを左右する。吸湿性は、材料を正確に計量する技量に影響を及ぼす。従って、例えばグローブボックスの使用による大気条件の制御は、計量や配合等の手順中に式(1)の化合物が水を吸収するのを回避するために必要である。医薬組成物中の活性化合物の一貫性がありかつ正確な重量を確証することが極めて重要であることが認識されるだろう。
国際公開第03/099786号パンフレット
(発明の開示)
本発明は、マレエートおよびp−トルエンスルホネート(以下、各々「マレエート」および「トシレート」と記載する)から選択される、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの新規の塩を提供する。前記塩は、治療投与のため、式(1)の化合物の遊離塩基または塩酸塩のいずれかの代用として、或いは他の塩の調製における中間生成物として、使用されてもよい。本発明は、さらに、商業用途に適切である、式(1)の化合物のこれらの新規の塩を調製する新規の方法を提供する。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩は、大規模な調製に特に適している。このようなプロセスは、例えば効率的プロセス、経済的プロセスまたは再生可能なプロセスでありうる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの遊離塩基および塩酸塩よりも、特に吸湿性に関して、優れた安定性を有する。
式(1)の化合物のマレイン酸塩およびトシル酸塩は、その遊離塩基や塩酸塩よりも製造するのが容易あり、特定の医薬組成物の調製において、有利でありうる。
(発明の詳細な記載)
本発明の第一態様において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(benzazepinium)マレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
本発明の別の態様において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
本発明のさらなる態様において、マレイン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの比(モル比)が1:1である7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートを提供する。
本発明の別の態様において、p−トルエンスルホン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの比(モル比)が1:1である7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートを提供する。
上記マレエートが回収される溶媒に応じて、上記マレエートは、溶媒和化合物として得られ、このような溶媒和化合物は、さらに、本発明の一態様を形成する。上記溶媒和化合物は、医薬上許容される溶媒和化合物である。適切な溶媒和化合物として、水和物(例、ニ水和物等)、および酢酸溶媒和化合物が挙げられる。
上記トシレートが回収される溶媒に応じて、上記トシレートは、溶媒和化合物として得られ、このような溶媒和化合物は、さらに、本発明の一態様を形成する。上記溶媒和化合物は、医薬上許容される溶媒和化合物である。適切な溶媒和化合物として、水和物が挙げられうる。
別の方法として、上記マレエートおよび上記トシレートは、それぞれの無水物として得られる。その無水物は、2%未満の水(例えば1%未満の水)を含有してもよい。上記マレエートの無水物とトシレートの無水物は、独立して、吸湿性および水の損失に関して特別の安定性を実証する。さらに、上記マレエートの無水物とトシレートの無水物は、非常に高い湿度に曝露される場合に、可逆変化を示す。
さらなる一態様において、上記マレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質が、単離された形態で提供される。なおさらなる態様において、(1)の化合物の代替塩、代替溶媒和化合物または遊離塩基も他の不純物もほとんど含有していない、上記のマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物とから選択される1種もしくは複数種の化学物質が、提供される。
別の態様において、上記トシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質が、単離された形態で提供される。さらなる一態様において、式(1)の化合物の代替塩、代替溶媒和化合物または遊離塩基も他の不純物もほとんど含有していない、上記のトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質が提供される。
「式(1)の化合物の代替塩、代替溶媒和化合物または遊離塩基も他の不純物もほとんど含有していない」とは、10%未満、例えば5%未満(2%未満等)の、式(1)の化合物の代替塩、代替溶媒和化合物または遊離塩基または他の不純物を含有することを意味する。用語「他の不純物」には、式(1)の化合物以外の任意の化合物が含まれる。
上記のマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、各々非結晶形態もしくは結晶形態で得られうる。上記のトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、各々非結晶形態もしくは結晶形態で得られうる。
なおさらなる態様において、上記のマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質が、少なくとも1つの多形性形態で提供される。別の態様において、上記のトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質が、少なくとも1つの多形性形態で提供される。
本発明者らは、マレイン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの比(モル比)が1:1である結晶性7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートが、独立して、少なくとも1つの多形性形態で存在することを見出した。
本発明者らは、p−トルエンスルホン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムの比(モル比)が1:1である結晶性7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートが、独立して、少なくとも1つの多形性形態で存在することを見出した。
本発明者らは、マレイン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの比(モル比)が1:1である結晶性7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの二水和物が、独立して、少なくとも1つの多形性形態で存在することを見出した。
本発明者らは、マレイン酸に対する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの比(モル比)が1:1である結晶性7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの酢酸溶媒和化合物が、独立して、少なくとも1つの多形性形態で存在することを見出した。
従って、本発明のさらなる一態様は、
ほぼ表1に記載する通りのシグナルを伴う粉末X線回折(XRPD)パターンを有する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(1:1)マレエートを提供する。
従って、本発明のさらなる一態様は、
ほぼ表2に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(1:1)トシレートを提供する。
従って、本発明のさらなる一態様は、
ほぼ表3に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(1:1)マレエートの二水和物を提供する。
従って、本発明のさらなる一態様は、
ほぼ表4に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有する7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(1:1)マレエートの酢酸溶媒和化合物を提供する。
本発明は、さらに、他の材料(例えば式(1)の化合物の別の多形性形態)と混和される場合の、上記のマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と、上記のトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物とから選択される1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
式(1)の化合物のマレイン酸塩は、適切な理論量の7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基とマレイン酸とを適切な溶媒中で接触させることにより、調製されうる。式(1)の化合物のトシル酸塩は、適切な理論量の7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基とp−トルエンスルホン酸とを適切な溶媒中で接触させることにより、調製されうる。7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの遊離塩基は、例えば、固体として添加される適切な酸と一緒に溶液中に存在してもよく、或いは7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの遊離塩基と適切な酸の両方が、独立して、溶液中に存在してもよい。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基を可溶化する適切な溶媒として、例えばアルコール(例、エタノール等)、ケトン(例、アセトン等)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン等)、およびエーテル(例、テトラヒドロフラン等)が挙げられる。マレイン酸もしくはp−トルエンスルホン酸が、溶液として、溶媒中に各々添加されるならば、使用される溶媒として、アセトン、エタノール、メタノール、プロパン−2−オールまたは水が挙げられうる。
上記マレイン酸塩およびトシル酸塩を調製するために、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基の濃度は、例えば、3〜25重量%/容量の範囲内で(例、5〜15重量%/容量の範囲内等)でありうる。溶液で使用される場合のマレイン酸もしくはp−トルエンスルホン酸の濃度は、0.5〜5モルの範囲でありうる。高温(例えば、使用される溶媒の沸点まで)を使用して、遊離塩基および/または酸の溶解度を高めてもよい。
上記マレイン酸塩とトシル酸塩は、上記の如く得られるそれらの溶液から、従来の手段により、各々固体形態で単離されうる。例えば、非結晶形塩は、溶液からの沈殿、溶液の噴霧乾燥もしくは凍結乾燥、ガラスへの溶液の蒸着、またはオイルの真空乾燥、或いは遊離塩基と酸との反応から得られる融解物の凝固により、調製されうる。
結晶性マレイン酸塩と結晶性トシル酸塩は、上記塩が一定の溶解度を有する溶媒から直接結晶化することにより、或いは、非結晶形塩を粉砕またはその他の方法で結晶化するにより、各々調製されうる。例えば、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートは、各種の有機溶媒(例、アセトン、アセトニトリル、ブタノン、1−ブタノール、エタノール、1−プロパノールまたはテトラヒドロフラン或いはこのような溶媒の混合液等)から再結晶化されてもよい。上記塩の向上した収率は、一部もしくは全ての溶媒を蒸発することにより、または高温で結晶化した後、例えば段階的に制御された冷却をすることにより、得られうる。沈殿温度およびシーディングの注意深い制御を用いて、製造プロセスの再現性および粒子サイズの分布および製品の形態を改善しうる。ある多形体の溶液を別の多形体のシードを使用して再結晶化することが、実行されることもあるが、個々の多形体が、例えば塩の溶液から直接結晶化されてもよい。
本発明のさらなる態様において、適切な溶媒(例えば、エタノール等)中で、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼン-スルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基とマレイン酸とを反応させることを備える、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩を調製するプロセスを提供する。
本発明のなおさらなる態様において、適切な溶媒(例えば、アセトン等)中で、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼン-スルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基とp−トルエンスルホン酸とを反応させることを備える、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのトシル酸塩を調製するプロセスを提供する。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン遊離塩基は、図式1に示す以下のプロセスまたは国際公開第03/99786号パンフレット(それは、参照されて本明細書に組み込まれている)に開示されるプロセスによって、調製されうる。
Figure 2007512285
図式1
式(1)の化合物は、塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくはカリウムtert−ブトキシド)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドまたはテトラヒドロフラン)中で、4−クロロベンジルアルコールと式(II)の化合物とを反応させることにより、調製されうる。
式(II)の化合物は、ルイス酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、塩化ビスマス(III)もしくは塩化インジウム(III)、またはそれらの混合物)の存在下、式(III)の化合物を、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドと、そしてトリフルオロメタンスルホン酸と適切な溶媒(例えば、トリフルオロ酢酸)中で、場合により、共溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、反応させることにより、調製されうる。
式(III)の化合物は、文献に記載される方法を用いて(例えば、欧州特許第285287号明細書に記載される経路を用いて)、調製されうる。4−クロロベンジルアルコールと4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドは、公知の方法に従って調製されてもよくおよび/または市販されている。マレイン酸とp−トルエンスルホン酸は、市販されている。
上記のマレイン酸塩およびトシル酸塩の溶媒和化合物は、従来の手段により、上記のマレイン酸塩もしくはトシル酸塩の溶液から各々調製されうる。例えば、上記マレイン酸塩の二水和物は、エタノールと水の混合液(例えば、1:9の割合で)から上記マレイン酸塩を再結晶化することにより、調製されうる。上記マレイン酸塩の酢酸溶媒和化合物は、上記マレイン酸塩を、室温か高温(例えば、使用される溶媒の沸点まで)のいずれかで、適切量の酢酸中に溶かすことにより、調製されうる。上記塩を溶解した後、結晶化が起こるまで、室温で、生成した溶液を静置しておく。
本明細書で使用する用語「マレイン酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物」とは、マレイン酸塩、マレイン酸塩の医薬上許容される溶媒和化合物、またはマレイン酸塩と1種もしくは複数種の医薬上許容される溶媒和化合物との混合物のいずれかを含むことを意味する。同様に、用語「トシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物」は、トシル酸塩、トシル酸塩の医薬上許容される溶媒和化合物、またはトシル酸塩と1種もしくは複数種の医薬上許容される溶媒和化合物との混合物のいずれかを含むことを意味する。
スペクトルおよび回折データは、様々な要因(例、使用する温度、濃度および計器等)により僅かに変化しうることは、認識されていると思われる。当業者は、XRPDのピーク位置が、サンプルの高さの差によって、左右されることを認識するだろう。本明細書に引用されるピーク位置は、+/−0.15角度2−シータの変差に従う。
本発明は、さらに、ほぼ図1に示される通りのXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの無水マレイン酸塩を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ表1に示される通りのシグナルを伴うXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの無水マレイン酸塩を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ図4に示される通りのXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの無水トシル酸塩を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ表2に示される通りのシグナルを伴うXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの無水トシル酸塩を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ図7に示される通りのXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩の二水和物を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ表3に示される通りのシグナルを伴うXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩の二水和物を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ図10に示される通りのXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩の酢酸溶媒和化合物を提供する。
本発明は、さらに、ほぼ表4に示される通りのシグナルを伴うXRPDパターンを提供することを特徴とする7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩の酢酸溶媒和化合物を提供する。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、ドーパミン受容体、具体的にはDおよびD受容体に対して親和性を示すことが判明しており、上記の受容体の調節を必要とする疾患(例、精神病疾患)の治療に有用である。上記の塩は、ドーパミンD受容体に対してよりもドーパミンD受容体に対して大きな親和性を有することが、判明している。現在入手可能な抗精神病薬(神経弛緩薬)の治療効果は、D受容体の遮断を介して発揮されると一般的に確信されている。しかしながら、この機序は、多くの神経弛緩薬と関連する望ましくない錐体外路系副作用(eps)の原因であると考えられている。理論に捕らわれることなく、ドーパミンD受容体の遮断は、重大なepsを伴わずに、有益な抗精神病活性を生み出しうることを示唆している(例えば、(Sokoloff etal, Nature, 1990; 347: 146151; and Schwartz etal, Clinical Neuropharmacology, Vol16, No.4, 295-314, 1993)を参照のこと)。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、さらに、セロトニン5−HT2C、5−HT2A、および5−HT受容体に対するアンタゴニスト親和性を有することが判明している。これらの特性は、抗精神病活性(例えば、認知障害に対する改善作用)、低下したepsを有する活性、および/または抗不安活性/抗欝活性を誘発しうる。これらの例として、5−HT受容体遮断薬を介する認知症状の低下(Reavill,C.and Rogers,D.C.,2001,Investigational Drugs 2,104-109を参照のこと)、および軽減された不安症(例えば、Kennett et al., Neuropharmacology 1997 Apr-May; 36 (4-5): 609-20を参照のこと)、epsに対する防御(Reavill et al., Brit. J. Pharmacol., 1999; 126: 572-574))および5−HT2C受容体遮断薬を介する抗欝活性(Bristow et al., Neuropharmacology 39:2000; 1222-1236)が挙げられるが、それらに限定されない。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、さらに、上記に未記載の受容体に対して親和性を示し、その結果、有益な抗精神病活性を生じることがある。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、精神病性障害の治療に使用される。
従って、さらなる一態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される、治療用の1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
別の態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される、ドーパミン受容体の調節を必要とする疾患の治療用の1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
別の態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される、精神病性障害の治療用の1種もしくは複数種の化学物質を提供する。
別の態様において、本発明は、ドーパミン受容体の調節を必要とする疾患の治療用の薬物の製造において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、精神病性障害の治療用の薬物の製造において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される、1種もしくは複数種の化学物質の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、ドーパミン受容体の調節を必要とする疾患を治療する方法を提供し、前記方法は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される有効量の1種もしくは複数種の化学物質を、それらを必要とする哺乳類に投与することを含んでなる。
別の態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される有効量の1種もしくは複数種の化学物質を、それらを必要とする哺乳類に投与することを含んでなる、精神病性障害を治療する方法を提供する。
本発明の範囲内で、本明細書に使用される適応症を記載する用語は、the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition, published by the American Psychiatric Association (DSM-IV)および/またはthe International Classification of Diseases, 10th Edition (ICD-10)に分類されている。本明細書に記載される様々なサブタイプの障害は、本発明の一環として、企図される。以下に列挙する疾患の後ろの括弧内の数字は、DSM−IVにおける分類コードを表す。
本発明の範囲内で、用語「精神病性障害」には以下が含まれる。
神経***症(妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、未分化型(295.90)および残遺型(295.60)のサブタイプを含む);***病様障害(295.40);***感情障害(295.70)(双極型および鬱病型のサブタイプを含む);妄想性障害(297.1)(色情型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型および不特定型のサブタイプを含む);短期精神病性障害(298.8);共有精神病障害(297.3);一般身体疾患による精神病性障害(妄想を伴うおよび幻覚を伴うサブタイプを含む);物質誘発性の精神病性障害(妄想を伴うサブタイプ(293.81)および幻覚を伴うサブタイプ(293.82)を含む);および特定不能の精神病性障害(298.9)。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、以下の疾患の治療において有用である。
鬱病および気分障害(大欝病エピソード、躁病エピソード、混合性エピソードおよび軽躁病エピソードを含む);欝病性障害(大欝病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能の欝病性障害(311)を含む);双極性障害(双極1型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大欝病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および特定不能の双極性障害(296.80)を含む);一般身体疾患による気分障害(293.83)(鬱病性の特徴を伴うサブタイプ、大欝病様エピソードを伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプおよび混合性の特徴を伴うサブタイプを含む)を含む他の気分障害、物質誘発性気分障害(鬱病性の特徴を伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプおよび混合性の特徴を伴うサブタイプを含む)および特定不能の気分障害(296.90):
不安障害(社会不安障害を含む)、パニック発作、広場恐怖、パニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖(300.22)、恐怖症(300.29)(動物型、自然環境型、鬱血外傷型(Blood−Injection−Injury Type)、状況型および他の型のサブタイプを含む)、社会恐怖(300.23)、強迫性障害(300.3)、外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般身体疾患による不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害および特定不能の不安障害(300.00):
物質関連障害(物質使用障害(例、物質依存症、物質渇望および物質乱用等)を含む);物質誘発性障害(例、物質中毒、物質離脱症、物質誘発性譫妄、物質誘発持続性痴呆(Substance−Induced Persisting Dementia)、物質誘発持続性健忘症、物質誘発性の精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性の性機能不全、物質誘発性睡眠障害および幻覚持続性認知障害(フラッシュバック)等);アルコール関連障害(例、アルコール依存症(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱症(291.81)、アルコール中毒性譫妄、アルコール離脱性譫妄、アルコール誘発持続性痴呆、アルコール誘発持続性健忘症、アルコール誘発性の精神病性障害、アルコール誘発性の気分障害、アルコール誘発性の不安障害、アルコール誘発性の性機能不全、アルコール誘発性の睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9);アンフェタミン(もしくはアンフェタミン様)関連障害(例、アンフェタミン依存症(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱症(292.0)、アンフェタミン中毒性譫妄、アンフェタミン誘発性の精神病性障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性の性機能不全、アンフェタミン誘発性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)等);カフェイン関連障害(例、カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)等);***関連障害(例、***依存症(304.30)、***乱用(305.20)、***中毒(292.89)、***中毒譫妄、***誘発性精神病性障害、***誘発性不安障害および***関連障害特定不能(292.9)等);コカイン関連障害(例、コカイン依存症(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱症(292.0)、コカイン中毒譫妄、コカイン誘発性精神病性障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性の性機能不全、コカイン誘発性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)等);幻覚剤関連障害(例、幻覚剤依存症(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性認知障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒譫妄、幻覚剤誘発性精神病性障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)等);吸入剤関連障害(例、吸入剤依存症(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒譫妄、吸入剤持続性誘発痴呆、吸入剤誘発性精神病性障害、吸入剤誘発性気分障害、吸入剤誘発性不安障害および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)等);ニコチン関連障害(例、ニコチン依存症(305.1)、ニコチン離脱症(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)等);オピオイド関連障害(例、オピオイド依存症(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱症(292.0)、オピオイド中毒譫妄、オピオイド誘発性精神病性障害、オピオイド誘発性気分障害、オピオイド誘発性の性機能不全、オピオイド誘発性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)等);フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害(例、フェンシクリジン依存症(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒譫妄、フェンシクリジン誘発性精神病性障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)等);鎮静剤関連障害、睡眠薬関連障害、または抗不安薬関連障害(例、鎮静剤、睡眠薬、または抗不安薬依存症(304.10)、鎮静剤、睡眠薬、または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静剤中毒、睡眠薬中毒、または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静剤離脱症、睡眠薬離脱症、または抗不安薬離脱症(292.0)、鎮静剤中毒譫妄、睡眠薬中毒譫妄、または抗不安薬中毒譫妄、鎮静剤離脱譫妄、睡眠薬離脱譫妄、または抗不安薬離脱譫妄、鎮静剤−持続性痴呆、睡眠薬−持続性痴呆、または抗不安薬−持続性痴呆、鎮静剤−持続性健忘症、睡眠薬−持続性健忘症、または抗不安薬−持続性健忘症、鎮静剤誘発性精神病性障害、睡眠薬誘発性精神病性障害、または抗不安薬誘発性精神病性障害、鎮静剤誘発性気分障害、睡眠薬誘発性気分障害、または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静剤誘発性不安障害、睡眠薬誘発性不安障害、または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静剤誘発性の性機能不全、睡眠薬誘発性の性機能不全、または抗不安薬誘発性の性機能不全、鎮静剤誘発性睡眠障害、睡眠薬誘発性睡眠障害、または抗不安薬誘発性睡眠障害および特定不能の鎮静剤関連障害、睡眠薬関連障害、または抗不安薬関連障害(292.9)等);ポリサブスタンス(Polysubstance)関連障害(例、ポリサブスタンス依存症(304.80)等);および他の(もしくは未知の)物質関連障害(例、蛋白同化ステロイド、硝酸性吸入剤および亜酸化窒素等):
睡眠障害(原発性睡眠障害(例、原発性不眠症(307.42)などの睡眠異常等)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および特定不能の睡眠異常(307.47)を含む);原発性睡眠障害(例、悪夢障害(307.47)などの睡眠時随伴症、夜驚症(307.46)、夢中遊行症(307.46)および特定不能の睡眠随伴症(307.47)等);別の精神障害に関連した睡眠障害(例、別の精神障害に関連した不眠症(307.42)および別の精神障害に関連した過眠症(307.44)等);一般身体疾患による睡眠障害;および物質誘発性睡眠障害(不眠型、過眠型、睡眠随伴型および混合型のサブタイプを含む):
接種障害(例、神経性食欲不振(307.1)(制限型および過食/排出型のサブタイプを含む);神経性過食症(307.51)(排出型および非排出型のサブタイプを含む);肥満症;過食症;および特定不能の接種障害(307.50)等):
自閉性障害(299.00);注意力欠如/多動性障害(注意力欠如/多動性障害合併型(314.01)、注意力欠如/多動性障害注意力障害優位型(314.00)、注意力欠如/多動性障害多動性優位型(314.01)および特定不能の注意力欠如/多動性障害(314.9)のサブタイプを含む);多動性障害;行為障害などの破壊的行動障害(小児発症型(321.81)、青年発症型(312.82)および不特定発症(312.89)、反抗挑戦性障害(313.81)および特定不能の破壊的行動障害のサブタイプを含む);およびチック障害(例、ツレット症(307.23):
人格障害(妄想性人格障害(301.0)、***性人格障害(301.20)、精神***症型人格障害(301,22)、***性人格障害(301.7)、境界人格障害(301.83)、ヒステリー性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301.81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)および特定不能の人格障害(301.9)のサブタイプを含む):
他の疾患(例、神経***症、双極性疾患、鬱病、認知機能障害を伴う他の精神医学的障害および精神病性障害(例えば、アルツハイマー病))における認知障害の治療を含む認知の強化:および
性機能障害(性的欲求低下障害(302.71)のような性的欲求障害および性嫌悪障害(302.79)を含む);性的興奮障害(例、女性の性的興奮障害(302.72)および男性の***障害(302.72)等);オルガズム障害(例、女性のオルガズム障害(302.73)、男性のオルガズム障害(302.74)および早漏(302.75)等);***疼痛障害(例、***疼痛症(302.76)および膣痙(306.51)等);特定不能の性機能不全(302.70);性嗜好異常(例、露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、窃触症(302.89)、小児性愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯的フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)および特定不能の性嗜好異常(302.9)等);性同一性障害(例、小児における性同一性障害(302.6)および青年または成人における性同一性障害(302.85)等);および特定不能の性障害(302.9)を含む)。
本明細書に記載された障害の様々な全ての形態および従属的形態は、本発明の一部として、企図される。
「治療」には、該当疾患に即した適切な予防が含まれる。
本発明に係る、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩およびトシル酸塩とそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質は、有利なことに、1種もしくは複数種の他の治療薬(例えば、5HTアンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、NK−1アンタゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、1種もしくは複数種のセロトニン、ノルアドレナリンおよびノルエピネフリンの非選択的再取り込み阻害剤、CRF−1アンタゴニスト、三環系抗鬱薬、ドーパミン作動系抗鬱薬、Hアンタゴニスト、5HT1Aアンタゴニスト、5HT1Bアンタゴニスト、5HT1Dアンタゴニスト、5HT部分アゴニスト、D1アゴニスト、M1アゴニスト、抗痙攣薬および/またはシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬)と併用されうることは、当業者によって、高く評価されるだろう。
上記化合物の組み合わせもしくは組成物は、同時に(同一もしくは異なる医薬製剤においてのいずれかで)、別々に、または逐次的に投与されうることは、高く評価されるだろう。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切な5HTアンタゴニストとして、例えば、オンダンセトロン、グラニセトロンおよびメトクロプラミドから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なセロトニンアゴニストとして、例えば、スマトリプタン、ローウオルシン(rauwolscine)、ヨヒンビンおよびメトクロプラミドから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なSSRIとして、例えば、フルオキセチン、シタロプラム、フェモキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン、セルトラリンおよびジメルジンから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なSNRIとして、例えば、ベンラファキシンおよびレボキセチンから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切な三環系抗鬱薬として、例えば、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミンおよびノルトリプチリンから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なドーパミン作動系抗鬱薬として、例えば、ブプロピオンおよびアミネプチンから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切な抗痙攣薬として、例えば、ジバルプロエックス、カルバマゼピンおよびジアゼパムから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なNSAID薬剤として、例えば、イブプロフェン、アスピリンおよびその活性代謝物サリチラートから選択される1種もしくは複数種の化学物質が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と組み合わせて使用されうる適切なCOX−2阻害薬として、例えば、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標)の商標名でメルック(Merck)社から入手可能、米国特許第5,474,995号明細書);セレコキシブ(CELEBREX(登録商標)の商標名でファイザー(Pfizer)社から入手可能、米国特許第5,466,823号明細書);バルデコキシブ(BEXTRA(登録商標)の商標名でファイザー社から入手可能、米国特許第6,633,272号明細書);エトリコキシブ(ARCOXIA(登録商標)の商標名でメルック社から入手可能、米国特許第5,861,419号明細書);ルミラコキシブ(PREXIGE(登録商標)の商標名でノバルティス(Novartis)社から入手可能);パレコキシブ(米国特許第5,932,598号明細書);COX−189(ノバルティス社から);BMS347070(ブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol Myers Squibb)社から);チラコキシブ(JTE522)(日本たばこから);ABT963(アボット(Abbott)社から);CS502(三共から);2−(4−エトキシフェニル)−3−(3−メタンスルホニルフェニル)−ピラゾロ[1,5−b]ピリダジン(グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)社)および2−ブトキシ−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン(グラクソ・スミスクライン社)が挙げられる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩およびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、さらに、精神病性障害の改良治療を提供する他の定型および非定型抗精神病薬との組み合わせに適している。7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の組み合わせ、使用、治療方法と関連する特有の利点は、個々の成分に一般的に使用されるよりも低い投与量で、同等もしくは改善された有効性を伴うことである。精神病性障害の陽性症状および/または陰性症状および/または認識症状の改善された治療が、また観察されうる。本発明の組み合わせ、使用、治療方法は、特定の抗精神病薬(神経弛緩薬としても公知である)での治療に十分に効果を示さない患者または抗精神病薬の効かない患者の治療に利点を提供しうる。
本発明の併用療法は、補助的に投与されるのが好ましい。補助的投与(adjunctive administration)とは、別々の医薬組成物またはデバイスの形態での各成分の完全重なり合う(coterminous)または一部重なり合う(overlapping)投与を意味する。2種以上の治療薬の治療投与に関する処方計画は、一般的に当業者によって、また本明細書において、補助的な治療投与とみなされる。つまり、それは、追加の治療投与として周知である。患者が7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の抗精神病薬とを、別々であるが完全に重なり合うもしくは一部重なり合う治療投与を受ける、任意または全ての治療の処方計画は、本発明の範囲内である。本明細書に記載される補助的な治療投与の一実施形態において、患者は、通常、一時期、1種もしくは複数種の成分の治療投与で安定させられた後、別の成分の投与を受ける。7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、少なくとも1種の抗精神病薬の投与を受けている患者に補助的な治療投与として、投与されうるが、本発明の範囲は、式(1)の化合物のマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の投与を受けている患者への少なくとも1種の抗精神病薬の補助的な治療投与も包含する。
本発明の併用療法は、同時に投与されてもよい。同時投与とは、両方の成分を含んでなるまたは含有する単一の医薬組成物もしくはデバイスの形態においてか、或いは、別々の組成物もしくはデバイスとして、それぞれがひとつの成分を含んでなり同時に投与される形態においてかのいずれかで、個々の成分が、一緒に投与される治療の処方計画を意味する。同時併用のためのかかる別個の成分の組み合わせは、キットオブパーツの形態で提供されてもよい。
さらなる一態様において、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬の治療投与を受けている患者に、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を補助的に治療投与することにより、精神病性障害の治療方法を提供する。さらなる一態様において、本発明は、少なくとも1種の抗精神病薬の治療投与を受けている患者における精神病性障害の治療をするために補助的に治療投与するための薬物の製造において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、少なくとも1種の抗精神病薬の治療投与を受けている患者において精神病性障害の治療をするため、補助的な治療投与のために使用される7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の治療投与を受けている患者に、少なくとも1種の抗精神病薬を補助的に治療投与することによる神病性障害の治療方法を提供する。さらなる一態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の治療投与を受けている患者における精神病性障害の治療のために補助的に治療投与するための薬物の製造において、少なくとも1種の抗精神病薬の使用を提供する。本発明は、さらに、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の治療投与を受けている患者において、精神病性障害の治療のため補助的に治療投与する少なくとも1種の抗精神病薬を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を、少なくとも1種の抗精神病薬と組み合わせて同時に治療投与することによって、精神病性障害の治療方法を提供する。本発明は、さらに、精神病性障害の治療で同時に治療投与するための薬物の製造において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の抗精神病薬との組み合わせの使用を提供する。本発明は、さらに、精神病性障害の治療で少なくとも1種の抗精神病薬と同時に治療投与するための薬物の製造において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物の使用を提供する。本発明は、さらに、精神病性障害の治療において、少なくとも1種の抗精神病薬と共に同時に治療投与するために使用される、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を提供する。本発明は、さらに、精神病性障害の治療において7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と共に同時に治療投与するための薬物の製造において、少なくとも1種の抗精神病薬の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の気分安定薬もしくは抗躁病薬とを含んでなる医薬組成物を同時に治療投与することによる精神病性障害の治療方法と、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の気分安定薬もしくは抗躁病薬とを含んでなる医薬組成物と、精神病性障害の治療のための薬物の製造における7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の気分安定薬もしくは抗躁病薬を含んでなる医薬組成物の使用と、精神病性障害の治療に使用される7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物と少なくとも1種の気分安定薬もしくは抗躁病薬を含んでなる医薬組成物とを提供する。
さらなる一態様において、本発明は、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸塩もしくはトシル酸塩またはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を含んでなる第一剤形と、各々が同時の治療投与のため抗精神病薬を含んでなる1つまたはそれ以上のさらなる剤形とを含んでなる精神病性障害の治療に使用されるキットオブパーツを提供する。
本発明に有用な抗精神病薬の例として、ブチロフェノン(例、ハロペリドール、ピモジド、およびドロペリドール等);フェノチアジン(例、クロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、パーフェナジン、フルフェナジン、トリフルプロマジン、プロクロルペラジン、およびアセトフェナジン等);チオキサンテン(例、チオチキセンおよびクロルプロチキセン等);チエノベンゾジアゼピン;ジベンゾジアゼピン;ベンゾイソオキサゾール;ジベンゾチアゼピン;イミダゾリジノン;ベンゾイソチアゾリル−ピペラジン;トリアジン(例、ラモトリギン;ジベンゾオキサゼピン(例、ロキサピン等);ジヒドロインドロン(例、モリンドン等);アリピプラゾール;および抗精神病性活性を有するそれらの誘導体が挙げられるが、それに限定されない。
本発明の使用に適切である選択された抗精神病薬の商標名および供給業者の例として、以下が挙げられる:クロザピン(CLOZARIL(登録商標)の商標名でミラン(Mylan)、ゼニス・ゴールドライン(Zenith Goldline)、UDL、ノバルティス(Novartis)から入手可能);オランザピン(ZYPREXA(登録商標)の商標名でリリー(Lilly)社から入手可能;ジプラシドン(GEODON(登録商標)の商標名でファイザー社から入手可能);リスペリドン(RISPERDAL(登録商標)の商標名でヤンセン(Janssen)社から入手可能);フマル酸クエチアピン(SEROQUEL(登録商標)の商標名でアストラゼネカ(AstraZeneca)社から入手可能;セルチンドール(SERLECT(登録商標)の商標名で入手可能);アミスルプリド(SOLION(登録商標)の商標名でサノフィ・サンテラボ(Sanofi−Synthelabo)社から入手可能;ハロペリドール(HALDOL(登録商標)の商標名でオーソ・マクニール(Ortho−McNeil)社から入手可能);デカン酸ハロペリドール(HALDOLデカノエート(登録商標)の商標名で入手可能);乳酸ハロペリドール(HALDOL(登録商標)およびINTENSOL(登録商標)の商標名で入手可能);クロルプロマジン(THORAZINE(登録商標)の商標名でスミスクラインビーチャム(SmithKline Beecham)(GSK)社から入手可能;フルフェナジン(PROLIXIN(登録商標)の商標名でアポテコン(Apothecon)社、コプレイ(Copley)社、シエーリング(Schering)社、テバ(Teva)社、およびパサデナのアメリカン・ファーマースティカル・パートナーズ(American Pharmaceutical Partners,Pasadena)から入手可能;デカン酸フルフェナジン(PROLIXINデカノエート(登録商標)の商標名で入手可能);フルフェナジンエナンタート(PROLIXIN(登録商標)の商標名で入手可能);フルフェナジンヒドロクロリド(PROLIXIN(登録商標)の商標名で入手可能);チオチキセン(NAVANE(登録商標)の商標名でファイザー社から入手可能;);チオチキセンヒドロクロリド(NAVANE(登録商標)の商標名で入手可能);トリフルオペラジン(10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジンジヒドロクロリド(STELAZINE(登録商標)の商標名でスミスクラインベックマン(SmithKlien Beckman)社から入手可能;パーフェナジン(TRILAFON(登録商標)の商標名でシエーリング(Schering)社から入手可能;パーフェナジンおよびアミトリプチリンヒドロクロリド(ETRAFON TRILAFON(登録商標)の商標名で入手可能);チオリダジン(MELLARIL(登録商標)の商標名でノバルティス(Novartis)社、ロクサン(Roxane)社、ハイテク(HiTech)社、テバ(Teva)社、およびアルファーマ(Alpharma)社から入手可能);モリンドン(MOBAN(登録商標)の商標名でエンド(Endo)から入手可能);モリンドンヒドロクロリド(MOBAN(登録商標)の商標名で入手可能);ロキサピン(LOXITANE(登録商標)の商標名でワトソン(Watson)から入手可能);ロキサピンヒドロクロリド(LOXITANE(登録商標)の商標名で入手可能);およびコハク酸ロキサピン(LOXITANE(登録商標)の商標名で入手可能)。さらに、ベンペリドール(Glianimon(登録商標))、ペラジン(Taxilan)(登録商標)またはメルペロン(Eunerpan)(登録商標)も使用されうる。
他の適切な抗精神病薬として、プロマジン(SPARINE(登録商標)の商標名で入手可能)、トリフルルプロマジン(triflurpromazine)(VESPRIN(登録商標)の商標名で入手可能)、クロルプロチキセン(TARACTAN(登録商標)の商標名で入手可能)、ドロペリドール(INAPSINE(登録商標)の商標名で入手可能)、アセトフェナジン(TINDAL(登録商標)の商標名で入手可能)、プロクロルペラジン(COMPAZINE(登録商標)の商標名で入手可能)、メトトリメプラジン(NOZINAN(登録商標)の商標名で入手可能)、ピポチアジン(PIPOTRIL(登録商標)の商標名で入手可能)、イロペリドン、ピモジドおよびフルペンチキソールが挙げられる。
本発明のさらなる一態様において、適切な抗精神病薬として、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドール、クロザピン、ジプラシドンおよびオサネタントが挙げられる。
医薬品における使用に関して、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、通常、標準の医薬組成物として、投与される。上記医薬組成物は、本明細書に記載される任意の疾患の治療に使用することが可能である。
従って、本発明のさらなる一態様において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質を、医薬上許容されるキャリヤーと一緒に含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明の別の態様において、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質を、医薬上許容されるキャリヤーと一緒に含んでなる医薬組成物を提供する。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、任意の都合のよい方法(例えば、経口、非経口(例えば、静脈)、頬側、舌下、経鼻、直腸または経皮投与)およびそれに応じて適合する上記医薬組成物により、投与されうる。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、液体もしくは固体(例えば、シロップ、懸濁液または乳濁液、錠剤、カプセルおよび口内錠)として、処方されうる。
液体の製剤は、一般的に、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を適切な液体キャリヤ(例えば、水、エタノールまたはグリセリンなどの水性溶媒、ポリエチレングリコールまたはオイルなどの非水性溶媒)中に溶かした懸濁液もしくは溶液からなる。上記製剤は、沈殿防止剤、防腐剤、芳香剤または着色剤を含有してもよい。
錠剤の形態における組成物は、固体製剤を調製するために通常使用される任意の適切な薬学的キャリヤーを用いて、調製されうる。上記キャリヤーの例として、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロースおよびセルロースが挙げられる。
カプセル剤の形態における組成物は、通常のカプセル化処理を用いて、調製されうる。例えば、標準のキャリヤーを使用して、活性成分を含有するペレットを調製した後、硬質ゼラチンのカプセル剤に充填することが可能である。別の方法として、任意の適切な薬学的キャリヤー(例えば、水性ゴム、セルロース、シリケートまたはオイル)を使用して、分散液もしくは懸濁液を調製した後、その分散液もしくは懸濁液を軟質ゼラチンのカプセル剤に充填することが可能である。
代表的な非経口の組成物は、無菌の水性キャリヤーまたは非経口的に許容可能なオイル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油)に、7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物を溶かした溶液もしくは懸濁液からなる。別の方法として、上記溶液を凍結乾燥した後、投与直前に、適切な溶媒で復元することが可能である。
経鼻投与のための組成物が、エアロゾル、点液薬、ゲルおよび粉末として、処方されうるのは好都合である。エアロゾル製剤は、通常、医薬上許容される水性もしくは非水性溶媒に活性物質を溶かした溶液もしくは微細な懸濁液を含んでなり、通常、密封容器に無菌状態で、単回用量もしくは複数回用量で存在し、噴霧器と一緒に使用するため、薬包もしくは詰め替えの形態をとることが可能である。別法として、密封容器は、容器の内容物が使い果たされたら廃棄することを目的とした計量弁を取り付けた、単一式調剤装置(例、単回用量の鼻吸入器またはエアロゾルディスペンサー等)でありうる。その剤形は、エアロゾルディスペンサーを含んでなる場合、圧縮ガス(例、圧縮空気)または有機推進剤(例、フルオロクロロ炭化水素等)でありうる推進剤を含有しうる。エアロゾル剤形は、さらに、ポンプ式噴霧器の形態をとることが可能である。
頬側もしくは舌下投与のために適切な組成物は、錠剤、口内錠および香錠を含む。その活性成分は、キャリヤー(例、糖およびアカシアトラガカント、またはゼラチンおよびグリセリン等)と一緒に処方される。
直腸投与のための組成物は、好都合なことに、従来型の座剤基剤(例、カカオ脂等)を含有する座剤の形態である。
経皮投与に適切な組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを含む。その組成物は、単一剤形(例、錠剤、カプセル剤またはアンプル等)に適している。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートもしくはトシレートまたはそれらの医薬上許容される溶媒和化合物は、通常、例えば、経口用量1mg〜250mg(例、1mg〜250mg、2mg〜100mg(例えば、2mg〜50mg等))、或いは、静脈、皮下、または筋肉内用量0.1mg〜100mg(例えば、0.1mg〜50mg(例えば、1mg〜25mg等))の7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウム(遊離塩基として算出された)の一日用量処方計画(成人患者に対して)において、投与される。上記化合物は、1日に4回投与される。上記化合物が、継続療法の期間(例えば、1週間以上)投与されるのが適切である。
本発明の化合物に関して、治療投与の認可が予期される用量で、いかなる毒性作用も観察されなかった。
本発明は、非限定の実施例により、さらに例証される。
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンの調製
説明1
8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン-7-スルホニルフルオリド(D1)
Figure 2007512285
a)8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−スルホン酸
7−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(欧州特許第285287号明細書を参照)(23g)をトリフルオロ酢酸(125mL)中に溶かした後、氷浴中で攪拌しながら、クロロスルホン酸(16.5mL、250mmol)を一滴ずつ添加した。その溶液を30分間攪拌した後、乾燥するまで蒸発させて、表題のスルホン酸を得た。そのスルホン酸を次の工程で直接使用した。
b)8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン-7-スルホニルクロリド
(a)からのスルホン酸を塩化チオニル(75mL)中で溶かし、その溶液を30分間還流させた。冷却後、溶液を乾燥するまで蒸発させて、表題のスルホニルクロリドを得た。そのスルホニルクロリドを次の工程で直接使用した。
c)8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン-7-スルホニルフルオリド
(b)からのスルホニルクロリドをアセトニトリル(500mL)中で溶かし、フッ化カリウム(37g、625mmol)と18−クラウン−6(1結晶)を加えた。混合液を18時間攪拌した後、pHが8になるまで、水性の重炭酸ナトリウム溶液で急冷させた。混合液をエチルアセタートで2回抽出し、重炭酸塩溶液で、その後塩水で洗浄した後、乾燥させ蒸発させて、スルホニルフルオリド(D1)(25g)を得た。
説明2a
7−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D2)
Figure 2007512285
8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−スルホニルフルオリド(25g)を乾燥テトラヒドロフラン(250mL)中に溶かし、テトラヒドロフラン(2.5当量)中に溶かした4−フルオロフェニルマグネシウムブロミドを氷浴で冷却しながら15分かけて加えた。添加の最初の部分の間にのみ発熱が確認された。結果として生じる混合液を一晩中、冷却せずに攪拌した後、この溶液を、水(450mL)中に酒石酸カリウムナトリウムの四水和物(250g)を溶かした溶液に、攪拌しながら10分かけて加えた。ジエチルエーテルを加え(400mL)、有機層を分離させて、乾燥させ、蒸発させて、結晶化した表題の生成物(D2)(17g)を得た。
説明2b
7−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D2)
(i)7−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトリフルオロアセタート
トリフルオロ酢酸(2mL)を、イソプロピルアセタート(20mL)中に溶かした7−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(5g)の溶液に加え、温度を30℃未満に保った。25℃で、n−ヘプタン(20mL)を加え、その混合液をシードし、20〜25℃で攪拌して生成物を結晶化させた。生成した固体を濾過し、n−ヘプタン(10mL)で洗浄し、40〜45℃で真空乾燥させ、灰白色の固体(6.4g)として、表題の生成物を得た。融点91〜92℃;δ(400 MHz,DMSO)2.84(3H,s,NCH)、2.90−3.57(8H,brm,CHCH)、3.73(3H,s,OCH)、6.76(1H,d,J=8 Hz,ArH)、6.83(1H,s,ArH)、7.13(1H,d,J=8 Hz,ArH)、10.26(1H,br s);MS(ES+)m/z192(MH).
(ii)7−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D2)
トリフルオロ酢酸(10mL)に溶かした7−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトリフルオロアセタート(5g、16.4mmol)、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(4.8g、25mmol)、インジウム(III)クロリド(0.36g、1.6mmol)の混合液に、トリフルオロメタンスルホン酸(2.2mL、25mmol)を周囲温度、窒素雰囲気下で加えた。その結果生じた混合液を7時間加熱還流した後、冷却し、ジクロロメタン(25mL)、次に水(15mL)で、温度を20℃未満に保ちながら希釈した。添加が完了した時に、40%w/vの水性水酸化ナトリウム(15mL)を加えて、pHを2に調節し、相を分離した。水(10mL)、次に10%w/vの水性水酸化ナトリウムを加え、pHを10に調節した。相を分離し、有機相を水(15mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過した。濾液をイソプロピルアセタート(35mL)で希釈し、残留量15mLまで、減圧下で濃縮し、周囲温度で攪拌して生成物を結晶化した。その結果生じたスラリーを氷浴内で1時間攪拌した後、濾過して、ケークを2:1のヘプタン:イソプロピルアセタート(10mL)で洗浄した後、ケークを40℃、真空下で乾燥させ、白色固体(4.06g)として表題の生成物(D2)を得た。融点129〜130℃;δ(400 MHz,DMSO)2.23(3H,s,NCH)、2.44(4H,m,CHCH)、2.87(4H,m,CHCH)、3.70 (3H,s,OCH)、6.97(1H,s,ArH)、7.40(2H,dd,J=9.0,9.0 Hz,ArH)、7.70(1H,s,ArH)、7.94(2H,dd,J=9.0,5.2 Hz,ArH);MS(ES+)m/z350(100%,MH).
説明3
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D3)の調製
Figure 2007512285
テトラヒドロフラン(20mL)に溶かした4−クロロベンジルアルコール(4.9g、34.4mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(30mL)に溶かしたカリウムtert−ブトキシド(4.9g、43.2mmol)の溶液に、温度を25℃未満に保ちながら、1滴ずつ滴下した。その結果生じた混合液を、窒素下で10分間攪拌した後、テトラヒドロフラン(45mL)に溶かした7−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D2)(10g、28.6mmol)の溶液を、温度を25℃未満に保ちながら、1滴ずつ滴下し、混合液を1時間45分攪拌した。10%w/vの水性の塩化アンモニウム(50mL)を加え、混合液を5分間攪拌した。相を分離して、水(70mL)を有機相に加え、混合液を15〜25℃で1時間30分攪拌した。生成した固体を濾過して、ケークを水(20mL)で洗浄し、50℃、真空下で乾燥させ、白色固体(10.99g)として表題の生成物(D3)を得た。融点120〜122℃;δ(400 MHz,DMSO)2.25(3H,s,NCH)、2.46(4H,m, CHCH)、2.88(4H,m,CHCH)、3.70(3H,s,OCH)、5.19(2H,s,ArCH)、6.95(1H,s,ArH)、7.16(2H,d,J=7.0 Hz,ArH)、7.46(4H,m,ArH)、7.68(1H,s,ArH)、7.81(2H,d,J=7.0 Hz,ArH);MS(ES+)m/z474(MH)、472(MH,100%)192.
実施例1
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエート(E1)の調製
Figure 2007512285
エタノール(100mL)中に溶かしたマレイン酸(27.1g、233.4mmol)の溶液を、エタノール(1.05L)に溶かした7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D3)(100.1g、212.0mmol)の沸騰溶液に、1滴ずつ加え、その結果の溶液を10分間攪拌し、還流させた。溶液を75℃まで冷却し、マレイン酸塩(100.8mg)でシードした後、周囲温度まで冷却した。その結果生じたスラリーを周囲温度で、2時間攪拌し、濾過した。ケークをエタノール(300mL)で洗浄し、60℃、真空下で乾燥させ、白色固体(122.4g)として、表題の生成物(E1)を得た。融点170〜172℃;δ(400 MHz,DMSO)2.81 (3H,s,NCH)、3.10(4H,br s,CHCH)、3.34(4H,br s,CHCH)、3.72 (3H,s,OCH)、5.18(2H,s,ArCH)、6.02(2H,s,−CH=CH−)、7.07(1H,s,ArH)、7.17(2H,d,J=7,ArH)、7.46 (4H,m,ArH)、7.80(2H,d,J=7,ArH)、7.82(1H,s,ArH)、9.0−10.0(1H,br s);MS(ES+)m/z474(MH)、472(MH,100%)192.
Figure 2007512285
上記マレエートに関して得られたデータを図1〜3および表1に示す。
実施例2
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムp−トルエンスルホン酸(E2)の調製
Figure 2007512285
アセトン(1mL)に溶かしたパラ−トルエンスルホン酸(105mg、0.55mmol)の溶液を、アセトン(1.5mL)に溶かした7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(D3)(255mg、0.54mmol)の溶液に、50℃で一滴ずつ添加した。その結果の溶液を50℃で30分間攪拌した後、周囲温度まで冷却し、1時間攪拌した。その結果生じたスラリーを濾過して、濾過ケークをアセトン(2.5mL)で洗浄し、45℃で真空乾燥させ、白色固体(329mg)として、表題の化合物(E2)を得た。融点190〜192℃;δ(400 MHz,DMSO)2.35(3H,s,ArCH)、2.90(3H,s,NCH)、3.09−3.19(6H,br m,CHCH)、3.65(2H,br s,CHCH)、3.79(3H,s,OCH)、5.26(2H,s,ArCH)、7.14−7.18(3H,m,ArH)、7.22−7.25(2H,m,ArH)、7.50−7.55(6H,m,ArH)、7.86−7.89(3H,m,ArH)、9.73(1H,br s)、MS(ES+)m/z474(MH)、472(MH,100%)、225、192.
Figure 2007512285
上記トシレートに関して得られたデータを図4〜6および表2に示す。
実施例3
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの二水和物(E3)の調製
Figure 2007512285
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエート(E1)(20.7g)をエタノール(15mL)と水(135mL)の混合液中で攪拌し、70℃まで加熱した。その溶液を周囲温度まで、攪拌しながら、冷却した。その結果生じたスラリーを、周囲温度で、2時間攪拌し、濾過した。ケークを水:エタノール(9:1)(100mL)で洗浄し、50℃で真空乾燥して、白色固体(21.5g)として、表題の生成物(E3)を得た。融点90〜98℃;カール・フィッシャー(Karl Fisher)滴定による水含有量5.9%;δ(400 MHz,DMSO)2.83(3H,s,NCH)、3.12(4H,br s,CHCH)、3.33(4H,br s,CHCH)、3.74(3H,s,OCH)、5.21(2H,s,ArCH)、6.04(2H,s,−CH=CH−)、7.09(1H,s,ArH)、7.19(2H,d,J=7,ArH)、7.47(4H,m,ArH)、7.82(2H,d,J=7,ArH)、7.84(1H,s,ArH)、9.0−10.0 (1H,br s);MS(ES+)m/z474(MH)、472(MH,100%)、192.
Figure 2007512285
上記マレエート、二水和物に関して得られたデータを図7〜9および表3に示す。
実施例4
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの酢酸溶媒和化合物(E4)の調製
Figure 2007512285
7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエート(E1)(12g)を、酢酸(10mL)中で72時間攪拌した。その結果の生成物を、吸引下で30分間濾過し、ケークを周囲温度、周囲圧力で、18時間静置して、白色固体(13.2g)として、表題の生成物(E4)を得た。融点96〜98℃;δ(400MHz,DMSO)1.92(3H,s,CHCOH)、2.83(3H,s,NCH)、3.12(4H,br s,CHCH)、3.32(4H,br s,CHCH)、3.73(3H,s,OCH)、5.20(2H,s,ArCH)、6.03(2H,s,−CH=CH−)、7.09(1H,s,ArH)、7.18(2H,d,J=8,ArH)、7.47(4H,m,ArH)、7.82(3H,m,ArH);MS(ES+)m/z474(MH)、472(MH,100%)、192.
Figure 2007512285
上記マレエートの酢酸溶媒和化合物に関して得られたデータを図10〜12および表4に示す。
粉末X線回折
X’Celerator検出器を用いて、フィリップス(Phillips)製X'パートプロ(pert Pro)粉末X線回折装置で、粉末X線回折(XRPD)分析を実施した。取得条件は、;放射:CuKα、管電圧:40kV、管電流:45mA、開始角度:2.0°2θ、終了角度:40.0°2θ、ステップサイズ:0.0167°2θ、ステップ当りの時間:31.75秒。バックフィル法(backfill technique)を用いて、マレエートおよびトシレートの試料を調製した。シリコンウェハテクニックを用いて、マレエートの二水和物および酢酸溶媒和化合物の試料を調製した。
ラマン分光法
4cm−1の解像度で、電源出力400mWを有するNd:VOレーザー(1064nm)からの励起で、ニコレット(Nicolet)960E.S.P.FT−ラマン分光計を用いて、ラマンスペクトルをNMR試料管内に記録した。ピーク選択の目的上、絶対閾値0.5と感度65%を適用した。
示差走査熱量測定(DSC)
パーキンエルマーダイアモンド(Perkin Elmer Diamond)DSCを用いて、上記マレエートおよびトシレートに関するDSCサーモグラムを記録した。熱分析(Thermal Analysis DSC Q1000)を用いて、上記マレエートの二水和物および酢酸溶媒和化合物に関するDSCサーモグラムを記録した。試料をオープンパン内で1分間に10℃加熱した。
本明細書に記載した全ての公報(特許および特許出願に限定されない)は、各公報が、明確にかつ個別に示されて、本明細書に参照されて完全な形で組み込まれている如く、本明細書に参照され組み込まれている。
実施例1に記載される通りに調製されたマレエートに関して得られた粉末X線回折(XRPD)データを示す。実施例1に記載されるマレエートは、ほぼ表1に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有することを特徴とする。 実施例1に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートのラマンスペクトルを示す。 実施例1に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 実施例2に記載される通りに調製されたトシレートに関して得られたXRPDデータを示す。実施例2に記載されるトシレートは、ほぼ表2に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有することを特徴とする。 実施例2に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートのラマンスペクトルを示す。 実施例2に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートのDSCサーモグラムを示す。 実施例3に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロ−ベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの二水和物に関して得られた粉末X線回折(XRPD)データを示す。実施例3に記載される上記マレエートの二水和物は、ほぼ表3に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有することを特徴とする。 実施例3に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの二水和物のラマンスペクトルを示す。 実施例3に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロ−ベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの二水和物の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 実施例4に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロ−ベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの酢酸溶媒和化合物に関して得られた粉末X線回折(XRPD)データを示す。実施例4に記載される上記マレエートの酢酸溶媒和化合物は、ほぼ表4に記載する通りのシグナルを伴うXRPDパターンを有することを特徴とする。 実施例4に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの酢酸溶媒和化合物のラマンスペクトルを示す。 実施例4に記載される通りに調製された7−[4−(4−クロロ−ベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートの酢酸溶媒和化合物の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。

Claims (10)

  1. 7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムマレエートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質。
  2. 7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピニウムトシレートおよびそれらの医薬上許容される溶媒和化合物から選択される1種もしくは複数種の化学物質。
  3. 7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのマレイン酸に対する割合(モル比)が1:1である請求項1記載の化学物質。
  4. 7−[4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンゼンスルホニル]−8−メトキシ−3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピンのp−トルエンスルホン酸に対する割合(モル比)が1:1である請求項2記載の化学物質。
  5. 結晶形態である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学物質。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質と医薬上許容されるキャリヤーとを含んでなる医薬組成物。
  7. 療法に使用される請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質。
  8. 精神病性障害の治療に使用される請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質。
  9. 精神病性障害の治療のための薬物の製造における請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質の使用。
  10. 有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質を、それらを必要とする哺乳類に投与することを含んでなるヒトを含める哺乳類における精神病性障害の治療方法。

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