JP2007335122A - 薄膜電池用電極材、その製造方法および薄膜電池 - Google Patents

薄膜電池用電極材、その製造方法および薄膜電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 全固体リチウム二次電池において、電極における活物質の利用効率を向上させ、容量密度を高めることができる薄膜電池用電極材、その製造方法及び薄膜電池を提供する。
【解決手段】 本発明の薄膜電池用電極材10は、複数(無数)個の島状の活物質3と、複数(無数)個の島状の固体電解質9とが、入り組んで重なり合っていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に全固体リチウム電池に用いられる薄膜電池用電極材、その製造方法および薄膜電池に関するものである。
全固体リチウム電池の電極材のうち、正電極は、十分な電子伝導性を持つことが必要であり、このため、炭素材料を電極に添加する方策が提案されている(特許文献1)が、添加した分、電池の容量密度が低下したり、また電極と添加剤の組み合わせによっては電池性能が低下するといった問題が生じることもあった。また、通常の正極材料のみでは電子伝導性が不足するとして、アセチレンブラックなどの導電性炭素材料を正極材料に含有させて複合化する正極材料が提案されている(特許文献2)。この複合化した正極材料では、正極活物質と、アセチレンブラック等の電子導電材とを交互に積層する積層構造を採用しているが、一般に隙間のない薄膜電池においては、このような構造を採用すると最上層の活物質のみしか利用できなくなり、著しい容量低下を生じる。また、固体電解質については、リチウムイオンを導電させるのに適した、高い伝導度を有する固体電解質として、LiS−Pを基本的な組成とする結晶質および非晶質の硫化物系固体電解質が知られている(特許文献3)。
特開平8−96836号公報 特開2005−116273号公報 特開2003−68361号公報
全固体リチウム電池では、一般に、その容量密度が低いことが問題とされる。正極活物質自体に導電性がないか又は導電性が低いため、薄膜の全固体電池の場合、固体電解質と正極活物質との界面付近の正極活物質のみが、実質的に、充放電の反応に寄与する。上記のように、全固体リチウム電池のハイレート特性が悪いという問題は、上記特許文献3に開示された硫化物系固体電解質においても、固体電解質である限り避けられない問題である。また、上記特許文献1又は2に開示の方策のように、導電材を正極に加える必要があるが、正極活物質と導電材との接触が不十分なために導電材を多く加える必要があり、これによっても容量密度が低下するという問題がある。また、特許文献2に開示の方策では、正極活物質と導電性炭素材とを交互に積層するが、正極活物質が、コバルト酸リチウムのような、一般的な層状結晶化合物である場合には、固体電解質と接触する積層の端部のみで、充放電反応に寄与し、積層構造内部の大部分の正極活物質は、充放電反応に寄与しないという問題がある。とくに薄膜の場合には上記理由から膜の配向性により容量が大きく変わるという問題もあった。これを打開しようと、積層構造の非端部でも充放電反応に寄与させるために、結晶性や耐圧性能が低い非晶質の正極活物質や導電性炭素材を用いると、一般に起電力や容量密度が低下したり、充放電の繰り返しによって電池性能(可逆性や耐圧性能)が劣化するという問題を持つ。
本発明は、全固体リチウム二次電池において、電極における活物質の利用効率を向上させ、容量密度を高めることができる薄膜電池用電極材、その製造方法及び薄膜電池を提供することを目的とする。
本発明の薄膜電池用電極材は、複数個の島状の活物質と、複数個の島状の固体電解質とが、入り組んで重なり合っていることを特徴とする。
上記の構成により、無数(複数)の島状の活物質は、固体電解質と無数の箇所で接することになり、充放電反応に寄与できる活物質の割合が、大幅に向上し、容量密度を画期的に向上することができる。なお、上記の活物質と固体電解質とがなす形態は、層状構造であってもよいし、非層状構造であってもよい。層状構造は、層と認められるものが積層しているような形態をいい、非層状構造は、層と認められるものはなく、島状部が入り組んで重なっている構造をいう。
本発明の別の薄膜電池用電極材は、非成膜部を有する活物質の複数層と、非成膜部を有する固体電解質の複数層とが、入り組んで重なり合っていることを特徴とする。
上記のような構造においても、活物質の複数(無数)の成膜部は、固体電解質と無数の箇所で接することになり、充放電反応に寄与できる活物質の割合が、大幅に向上し、容量密度を画期的に向上させることができる。なお、非成膜部を有する活物質の複数層とは、より具体的には、非成膜部の間に位置する活物質成膜部が無数にあることをいう。この場合においても、上記の活物質と固体電解質とがなす形態は、層状構造であってもよいし、非層状構造であってもよい。層状構造は、層と認められるものが積層しているような形態をいい、非層状構造は、層と認められるものはなく、成膜部が入り組んで重なっている構造をいう。
また、活物質の島状部又は成膜部と、固体電解質の島状部又は成膜部とが、1つの層をなし、その層が複数重なって層状構造をなしてもよい。これにより、層状構造をとることにより、活物質と固体電解質との界面を層と層との界面で形成して界面面積密度を、容易に増大させた上で、活物質間の接続及び固体電解質間の接続を確保することができる。このため、電池容量密度を向上させることができる。
また、上記の活物質の島状部又は成膜部と、固体電解質の島状部又は成膜部とが、平面的に見て重なり合って、交互積層構造になっていてもよい。これにより、上層とその下層との間に、活物質と固体電解質との界面密度を大きくとることができ、高い容量密度を得ることができる。その結果、高い容量密度を確保した上で、層状構造における交互積層構造の利点を得ることができる。交互積層構造では、上記界面面積は、交互層の層間の界面及び1つの層内における隣接する活物質と固体電解質との界面によって得られる。1つの層内の隣接する活物質と固体電解質との界面の面積は、活物質と固体電解質との境界が傾いて、基板面に近くなるほど大きな境界面積となる。
上記の活物質の島状部又は成膜部は、少なくとも2つの他の活物質の島状部又は成膜部と接触し、かつ少なくとも1つの固体電解質の島状部又は成膜部と接触することができる。この構成は、上述の、活物質および固体電解質の分布形態の結果として得ることができ、また上記の分布形態がもたらす作用効果を確保する上で必要不可欠の構成である。換言すれば、本構成を得るために、活物質及び固体電解質は、上記のような形態の分布をとる。この構成により、活物質の島状部又は成膜部の群れは、固体電解質の島状部又は成膜部の群れと、無数箇所で接触して充放電の反応に寄与することができ、電池容量密度を向上することができる。
また活物質層及び固体電解質層の島状部又は成膜部の中央の厚みは、0.001μm〜10μmとすることができる。活物質の上記中央部の厚みが0.001μm未満では容量が小さくなり、また10μmを超えると本発明の上記入り組んだ形態の構造を用いても、両物質の接触面積が減少し、抵抗が高くなるからである。また、上記の島状部又は成膜部の中央の厚みは、これらを平均した厚みであり、繰り返しになるが、島状部又は成膜部の中央の平均厚みである。
上記の固体電解質が、10−8S/cm以上の電子導電性を持つようにするのがよい。この構成により、通常のイオン導電性しか持たず電子導電性を持たない固体電解質に電子伝導性を付与することができ、さらに電極の抵抗を低減することができる。
また上記の固体電解質が、10−5S/cm以上のイオン導電性を持つようにするのがよい。この構成により、活物質は、高いイオン導電性を持つ固体電解質に接触して、上記の容量密度の増大などの効果を得ることができる。
本発明の薄膜電池は、対をなす電極の少なくとも一方に、上記のいずれかの薄膜電池用電極を用いたことを特徴とする。これにより、容量密度を高くする電極を組み込むことになり、薄膜電池は容量を大きくできる。
また上記の対をなす電極間に配置される固体電解質が、LiS−Pを主体とする固体電解質であるようにできる。上記の固体電解質は、高電圧を電極間に印加しても安定であり、イオン伝導度も高くできるので、高エネルギー密度の電池用電極とすることができる。
本発明の薄膜電池用電極材の作製方法は、基板にわたって島状に分布する活物質を形成する工程と、その基板にわたって島状に分布する固体電解質を形成する工程とを備え、そして活物質形成工程と、固体電解質形成工程とを、交互に行うことを特徴とする。
上記の方法により、無数の島状固体電解質と、無数の島状活物質とが、入り組んで重なり合った形態の電極材を作製することができる。
本発明の別の薄膜電池用電極材の作製方法は、非成膜部を有する活物質を基板にわたって形成する工程と、非成膜部を有する固体電解質を上記の基板にわたって形成する工程とを備え、そして活物質形成工程と、固体電解質形成工程とを、交互に行うことを特徴とする。
上記の方法によって、非成膜部を有する活物質層の複数層と、非成膜部を有する固体電解質層の複数層とが、入り組んで重なり合った形態の電極材を形成することができる。
また薄膜電池用電極材を基板上に作製するに際し、該基板を200℃〜700℃の範囲に加熱しつつ行うのがよい。基板温度が200℃未満では電極の結晶性が悪くなり、また700℃を超えると電極材の組成制御が困難となる。基板温度を200℃以上とすることにより、非常に薄い膜を成膜したとき表面張力等により薄膜が凝集しやすくなり、島状又は非成膜部を有する活物質層及び固体電解質層を形成することが容易となる。
また、基板を回転させながら、その回転に同期させて、活物質用ターゲットにレーザを照射して活物質を基板にわたって形成し、また固体電解質用ターゲットにレーザを照射して固体電解質を前記基板にわたって形成してもよい。これにより、能率よく、上記の島状活物質層と島状固体電解質層とを、入り組ませて重ね合わせることができる。なお、活物質用ターゲットへのパルスレーザ照射と、固体電解質用ターゲットへのパルスレーザ照射とは、1回のレーザ照射ごとに交互にする必要はなく、片方のパルスレーザ照射の一定回数の後、他方のパルスレーザ照射を一定回数行い、この交互の形成工程を1周期として繰り返してもよい。
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態における薄膜電池用電極材を示す断面図である。図1に示す島状部又は成膜部の形態を有する、活物質3及び固体電解質5は、非層状構造をなしている。図1において、基板1上に、島状の活物質3と島状の固体電解質5とが、入り組んで重なり合って分布している。島状の活物質3は、島状の固体電解質5と接触しながら、他の島状の活物質3とも2箇所以上で接触している。1つだけ孤立しているように見える島状の活物質3又は固体電解質5は、実際の空間では、断面以外の箇所で、上記のような接続箇所が確保されている。活物質の島状部又は成膜部3の群は、互いに接続し合い、充放電反応において、実質的に同じ電位の1つの連結した活物質として動作する。また、固体電解質5の島状部又は成膜部5の群にしても、同様に、互いに接続し合い、充放電反応において、連結した固体電解質として動作する。
上記のような、活物質及び固体電解質の作用効果は、活物質層と固体電解質層とが、単に交互に層状に積層されたのでは(「単純交互積層構造」と記す)、決して得ることができないものである。単純交互積層構造では、たとえば活物質同士の接続は確保されず、各活物質層は上層又は下層の活物質層とは無関係に孤立している。また、固体電解質層にしても、同様に、各層が孤立している。このため、電池の充放電反応において、電極を構成する全体の活物質が協働して充放電反応に寄与することがなく、電池容量密度は限定され、低いものであった。上記のように、活物質3及び固体電解質5を、離散的な島状部又は成膜部として、充填してソリッド(固体)構造に形成することにより、各活物質3は相互に連結しながら、固体電解質5とも接触し、また各個体電解質5は、相互に連結しながら、活物質3とも接触する形態となる。この結果、電池の充放電反応に各活物質3が、それぞれの固体電解質との界面で寄与することができ、電池容量密度を向上させることができる。
図2は、活物質3の島状部又は成膜部と、固体電解質5の島状部又は成膜部とが、1つの層を形成し、その層が複数、積層して層状構造を形成している状態を例示する断面図である。このような層状構造では、活物質3と固体電解質5との界面は、大部分、層と層との界面に形成される。1つの層内で隣接する活物質3と固体電解質5との界面は存在するが、図2に示すような層内界面の場合、層厚が薄いため、その界面面積は小さい。図2に示す層状構造では、従来の層状構造のように活物質3又は固体電解質5が1つの層の全体を占めず、活物質3及び固体電解質5が、モザイク状に1つの層を形成する。このため、活物質3は、固体電解質5と上下層間で界面を形成しながら、活物質3同士の間でも、上下層間で互いに接続する。また固体電解質5も、活物質3と上下層間で界面を形成しながら、固体電解質5同士、上下層間で互いに接続する。上下層間で連続する活物質の上下連続系列が、互いに分離した状態でいくつも形成された場合であっても、たとえば基板1を導電板(集電板を兼ねてもよい)とすることにより、いくつもの上下連続系列がその導電板により電気的に1つに連結され、すべての上下連続系列が充放電反応において協働して動作することができる。
従来の単純交互積層構造では、上下層間の活物質同士の接続は確保されず、各活物質層は上層又は下層の活物質層とは無関係に孤立している。また、固体電解質層にしても、同様に、各層が孤立している。このため、電池の充放電反応において、電極を構成する全体の活物質が協働して充放電反応に寄与することがなく、電池容量密度は低かった。図2の構造では、上下層の活物質3又は固体電解質5は、活物質3と固体電解質5との界面を広く確保しながら、活物質同士また固体電解質同士、相互に接続され、充放電反応において1つの連続した活物質3又は固体電解質5として動作することができる。
図3は、活物質と固体電解質とが1つの層を形成し、そのような層が複数、積層されて形成された層状構造の電極材を示す断面図である。図3では、活物質3の上に固体電解質5が配置され、交互積層構造を形成する。図3においては、基板1に、直接、接する第1層の活物質3及び固体電解質5のパターンに対して、第2層を一定方向(図3では右方向)に少しずらし、第3層では、第1層に対して逆方向(図3では左方向)に少しずらし、これを順次、繰り返してさらに上層を形成する。このように、上下層間で、交互に逆方向に少しずらすことにより、活物質同士及び固体電解質同士の接続を確保しながら、活物質と固体電解質とが、平面的に見て重なり合って、交互積層構造となっている。このような交互積層構造は、マスクパターン等を用いて形成する場合、マスクパターンの種類を減らすことができ、形成が容易となる利点を有する。また、層間の界面において活物質3と固体電解質5との界面は、従来の単純交互積層構造ほどは大きくはとれない(少し交互にずらして活物質等同士の接続を確保する分、界面は減少する)が、活物質及び固体電解質同士の接続を確保した上で、界面密度を単純交互積層構造のそれに、最大限、近づけることができる。この場合、上下層間で連続する活物質の上下連続系列が、互いに分離した状態でいくつも形成された場合であっても、たとえば基板1を導電板(集電板を兼ねてもよい)とすることにより、いくつもの上下連続系列が1つに連結され、すべての上下連続系列が充放電反応において協働して動作することができる。
上記のような構造を有する電極材の形成方法を次に説明する。成膜方法は、任意の成膜方法を用いることができるが、活物質と固体電解質とを入り組ませて形成するために、活物質形成用の成膜源と、固体電解質形成用の成膜源とを用いるのがよい。活物質形成用の成膜源と、固体電解質形成用の成膜源とは、交互に用いる必要はないが、交互に用いてもよい。たとえば1回の成膜により1つの層の1物質分を成膜できるほど、1回の成膜量が多ければ、交互に用いるのがよい。
まず、図4に示すように、基板1上に非成膜部を有する活物質3又は固体電解質5を形成する。次いで、図5に示すように、その上層に図4の非成膜部を主体に固体電解質5又は活物質3を成膜する。さらにその上に非成膜部を主体に活物質3又は固体電解質5を成膜する。このようにして、図1に示すような非層状構造の電極材又は図2に示すような層状構造の電極材が形成される。層状構造の電極材では、図5の状態において、最初の非成膜部を主体に成膜した膜が、最初の膜の最高高さ位置より高い位置に膜を形成しないようにし、なおかつ1層分に不足することがないように、最初の膜に対して十分な量の膜を付加する。図1に示す非層状構造の電極材10を形成するには、上記のような制約は不要であり、1回ごとの成膜量は、非常に少なくて又は多くてもよいし、またある領域に偏在するように成膜してもよい。
次に実施例により本発明の薄膜電池用電極材の電池容量の向上を説明する。本発明の薄膜電池用電極材を、全固体リチウム電池の正極材に適用した。島状の、活物質LiCoOと、LiS−Pを主体とする固体電解質とを積層した、正極材を作製した。図6は、正極材の作製に用いた装置の概念図である。活物質のターゲット13と、固体電解質のターゲット15とを配置して、これらターゲット13,15にKrFエキシマレーザを照射して基板1に成膜するパルスレーザ堆積法を用いた。基板1は、回転体31の側面に固定し、基板1を回転させながら、シャッター23,25の開閉に同期させて、レーザを照射して基板1に活物質又は固体電解質を成膜した。上記の電極材10の上に、硫化物系固体電解質LiS−Pをパルスレーザ堆積法(レーザーアブレーション法)で成膜し、さらに金属Liを蒸着することにより、全固体電池を形成した。ここで、電極材10の上に成膜する固体電解質に関してはいかなる場合も電子伝導性を持たせていないことを注記しておく。
Figure 2007335122
本発明例の正極材は、固体電解質に遷移金属を含有させ、電子伝導度を変化させたものを数種類用いた。また成膜時の基板温度に関しても検討を行った。電池容量の測定における充放電条件は、4.3V−3.0Vで、1μA/cmにて、定電流充放電を行った。また、比較例としては、活物質LiCoOのみを用いた正極材を作製し、活物質の量を本発明例の正極に揃えたものを作製した。本発明例1〜4の正極の活物質量は、0.5mg/cm程度(厚み1μm)である。
電池容量の測定結果は、表1に示すように、電子伝導度及びイオン伝導度がともに高い本発明例2の電池容量が最も高く、次いで本発明例1の電池容量が高いことが判明した。活物質及び固体電解質の形状が同様の場合、イオン伝導度及び電子伝導度の高いものが大きな電池容量を持つ傾向があることが分かった。いずれにしても、本発明の電極材を正極に有する電池は、活物質のみからなる正極材の電池の比較例に対して、格段に電池容量が向上していることが分かる。これは、電池の充放電反応に寄与し得る上記の界面が、図1に示すような構造の正極材により増大したことによるものである。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の薄膜電池用電極材。その製造方法及び薄膜電池を用いることにより、電極板に接続状態にあって電池の充放電反応に寄与し得る、活物質と固体電解質との界面密度を容易に増大させることができるので、電池容量密度を大きく向上させることができる。
本発明の実施の形態における薄膜電池用電極材を示す断面図である。 本発明の実施の形態における、層状の薄膜電池用電極材を示す断面図である。 本発明の実施の形態における、層状で、交互積層構造の薄膜電池用電極材を示す断面図である。 本発明の実施の形態における薄膜電池用電極材を製造するに際し、最初の成膜を行った状態を示す平面図である。 図4の状態からさらに次の成膜を行った状態を示す平面図である。 本発明の実施例において用いた成膜装置の概念図である。
符号の説明
1 基板、3 活物質、3a 接続箇所、5 固体電解質、5a 接続箇所、10 薄膜電池用電極材。

Claims (14)

  1. 複数個の島状の活物質と、複数個の島状の固体電解質とが、入り組んで重なり合っていることを特徴とする、薄膜電池用電極材。
  2. 非成膜部を有する活物質の複数層と、非成膜部を有する固体電解質の複数層とが、入り組んで重なり合っていることを特徴とする、薄膜電池用電極材。
  3. 前記活物質の島状部又は成膜部と、前記固体電解質の島状部又は成膜部とが、1つの層をなし、その層が複数重なって層状構造をなすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の薄膜電池用電極材。
  4. 前記活物質の島状部又は成膜部と、前記固体電解質の島状部又は成膜部とが、平面的に見て重なり合って、交互積層構造になっていることを特徴とする、請求項3に記載の薄膜電池用電極材。
  5. 前記活物質の島状部又は成膜部は、少なくとも2つの他の活物質の島状部又は成膜部と接触し、かつ少なくとも1つの固体電解質の島状部又は成膜部と接触することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜電池用電極材。
  6. 前記活物質及び固体電解質の島状部又は成膜部の中央の厚みが、0.001μm〜10μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜電池用電極材。
  7. 前記固体電解質が、10−8S/cm以上の電子導電性を持つことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜電池用電極材。
  8. 前記固体電解質が、10−5S/cm以上のイオン導電性を持つことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜電池用電極材。
  9. 対をなす電極の少なくとも一方に、前記請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜電池用電極を用いたことを特徴とする、薄膜電池。
  10. 前記対をなす電極間に配置される固体電解質が、LiS−Pを主体とする固体電解質であることを特徴とする、請求項9に記載の薄膜電池用電極材。
  11. 基板にわたって島状に分布する活物質を形成する工程と、
    前記基板にわたって島状に分布する固体電解質を形成する工程とを備え、
    前記活物質形成工程と、前記固体電解質形成工程とを、交互に行うことを特徴とする、薄膜電池用電極材の作製方法。
  12. 非成膜部を有する活物質を基板にわたって形成する工程と、
    非成膜部を有する固体電解質を前記基板にわたって形成する工程とを備え、
    前記活物質形成工程と、前記固体電解質形成工程とを、交互に行うことを特徴とする、薄膜電池用電極材の作製方法。
  13. 前記基板を200℃〜700℃の範囲に加熱しつつ行うことを特徴とする、請求項11又は12に記載の薄膜電池用電極材の作製方法。
  14. 前記基板を回転させながら、その回転に同期させて、活物質用ターゲットにレーザを照射して前記活物質を前記基板にわたって形成し、また固体電解質用ターゲットにレーザを照射して前記固体電解質を前記基板にわたって形成することを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の薄膜電池用電極材の作製方法。
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