JP2007326744A - 耐プラズマ性セラミックス部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れ、かつ、体積抵抗率を容易に制御可能であり、半導体・液晶製造装置等、特に、静電チャック等のプラズマ処理装置用の部材として好適に使用することができる耐プラズマ性セラミックス部材を提供する。
【解決手段】イットリアに対して2.5体積%以上25体積%以下のタングステンが分散し、開気孔率が0.1%以下であるイットリアセラミックス焼結体の最表面に、気孔率が5%以下であり、純度99.9%以上のイットリア溶射膜を形成する。
【選択図】なし
【解決手段】イットリアに対して2.5体積%以上25体積%以下のタングステンが分散し、開気孔率が0.1%以下であるイットリアセラミックス焼結体の最表面に、気孔率が5%以下であり、純度99.9%以上のイットリア溶射膜を形成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対する耐食性に優れ、半導体・液晶製造用等のプラズマ処理装置、特に、静電チャックに好適に用いることができる耐プラズマ性セラミックス部材に関する。
半導体製造装置のうち、プラズマプロセスが主流であるエッチング工程、CVD成膜工程、レジストを除去するアッシング工程における装置用部材は、反応性の高いフッ素、塩素等のハロゲン系腐食性ガスに曝される。
このため、上記のような工程においてハロゲンプラズマに曝される部材には、高純度アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア、YAG等のセラミックスが用いられている。
このため、上記のような工程においてハロゲンプラズマに曝される部材には、高純度アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア、YAG等のセラミックスが用いられている。
上記部材の中でも、静電チャックは、静電作用によりウェーハを吸着保持することから、耐プラズマ性に加えて、所定の体積抵抗率を有する誘電層を備えている必要があり、その材質としては、従来は、体積抵抗率を制御した窒化アルミニウムが用いられていた。
また、例えば、特許文献1には、アルミナセラミックス等の基材表面に、大気プラズマ溶射法により、主成分のアルミナと、チタニアおよび5A族金属を含む抵抗率調整成分とからなる誘電層を形成することにより、安定した低い体積抵抗率の誘電層を有する静電チャックが得られることが記載されている。
特開2003−282693号公報
しかしながら、一般的なセラミックスは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上と高く、帯電しやすく、プラズマプロセス装置部材として用いた場合、反応生成物を引き寄せて、パーティクルを発生しやすいという課題を有していた。
また、体積抵抗率を制御した窒化アルミニウムセラミックスであっても、静電チャックとする場合には、電極をホットプレス焼成等により埋設する必要があるため、焼成時における電極の変形のおそれ等があり、作製が容易とは言えず、また、コスト高であるという課題も有していた。
また、体積抵抗率を制御した窒化アルミニウムセラミックスであっても、静電チャックとする場合には、電極をホットプレス焼成等により埋設する必要があるため、焼成時における電極の変形のおそれ等があり、作製が容易とは言えず、また、コスト高であるという課題も有していた。
また、ウェーハ吸着面と電極間の誘電層にジョンソン−ラーベック(JR)力を発現させるタイプの静電チャックにおいては、誘電層の体積抵抗率が108〜1011Ω・cm程度である必要がある。
このため、このような静電チャック等の用途においては、耐プラズマ性に優れ、かつ、使用条件に応じて、体積抵抗率を容易に制御可能な材料が求められていた。
このため、このような静電チャック等の用途においては、耐プラズマ性に優れ、かつ、使用条件に応じて、体積抵抗率を容易に制御可能な材料が求められていた。
そこで、本発明者らは、上記技術的課題を解決するために、イットリアセラミックスを基材とした耐プラズマ性部材において、改善を図るべく検討を重ねた結果、体積抵抗率を容易に制御することができ、かつ、耐プラズマ性をより向上させるための有効な手段を見出した。
すなわち、本発明は、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れ、かつ、体積抵抗率を容易に制御可能であり、半導体・液晶製造装置等、特に、静電チャック等のプラズマ処理装置部材として好適に使用することができる耐プラズマ性セラミックス部材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、イットリアに対して2.5体積%以上25体積%以下のタングステンが分散し、開気孔率が0.1%以下であるイットリアセラミックス焼結体の最表面に、気孔率が5%以下であり、純度99.9%以上のイットリア溶射膜が形成されていることを特徴とする。
このような構成からなるセラミックス部材は、部材の体積抵抗率を容易に制御することができ、しかも、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、該部材の帯電やエッチング等によるパーティクルの発生、また、タングステンのダストを抑制することができる。
このような構成からなるセラミックス部材は、部材の体積抵抗率を容易に制御することができ、しかも、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、該部材の帯電やエッチング等によるパーティクルの発生、また、タングステンのダストを抑制することができる。
前記耐プラズマ性セラミックス部材においては、イットリアセラミックス焼結体の室温での体積抵抗率が106Ω・cm以上1013Ω・cm未満であることが好ましい。
基材であるセラミックス焼結体の体積抵抗率が上記範囲内であれば、上記のパーティクル発生の抑制において、より効果的であり、また、静電チャックにも好適である。
基材であるセラミックス焼結体の体積抵抗率が上記範囲内であれば、上記のパーティクル発生の抑制において、より効果的であり、また、静電チャックにも好適である。
上述したとおり、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れ、かつ、比較的安価で、かつ、容易に、体積抵抗率を制御することができるため、半導体や液晶等の製造工程において、プラズマ処理装置部材、特に、静電チャックとして好適に用いることができる。
さらに、前記耐プラズマ性セラミックス部材を用いれば、プラズマ処理装置の耐久性の向上、クリーニングサイクルの長期化が図られ、また、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、パーティクルの発生が抑制されるため、半導体素子等の歩留まり向上にも寄与し得る。
さらに、前記耐プラズマ性セラミックス部材を用いれば、プラズマ処理装置の耐久性の向上、クリーニングサイクルの長期化が図られ、また、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、パーティクルの発生が抑制されるため、半導体素子等の歩留まり向上にも寄与し得る。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、タングステンが分散したイットリアセラミックス焼結体からなる基材の最表面に、イットリア溶射膜が形成されているものである。
すなわち、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材の基材は、それ自体が耐プラズマ性を有するイットリアに、高融点金属であるタングステンが添加されたセラミックス焼結体である。
本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、タングステンが分散したイットリアセラミックス焼結体からなる基材の最表面に、イットリア溶射膜が形成されているものである。
すなわち、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材の基材は、それ自体が耐プラズマ性を有するイットリアに、高融点金属であるタングステンが添加されたセラミックス焼結体である。
耐プラズマ性に優れたセラミックス部材を得るためには、イットリアへの添加剤は、イットリアが有する優れた耐プラズマ性を損なわせたり、半導体製造上、好ましくない不純物元素を含んでいたりしていてはならない。
K、Na等のアルカリ金属、Ni、Cu、Fe等の重金属は、半導体の汚染物質とされ、好ましくないが、重金属であっても、タングステン(W)は、半導体製造装置における電極材としても使用されており、耐プラズマ性における添加の有効性が認められる。
K、Na等のアルカリ金属、Ni、Cu、Fe等の重金属は、半導体の汚染物質とされ、好ましくないが、重金属であっても、タングステン(W)は、半導体製造装置における電極材としても使用されており、耐プラズマ性における添加の有効性が認められる。
したがって、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、イットリア結晶の周囲にタングステン粒子が点在していることにより、フッ素、塩素等のハロゲン系プラズマに対する耐食性に優れたものとなり、また、高温時のイットリア結晶の歪みおよび熱応力をタングステン粒子が緩和するため、高い耐熱衝撃性が得られ、また、低抵抗化も図られるという効果が得られる。
本発明においては、基材であるイットリアセラミックス焼結体中のタングステンの含有量は、イットリアに対して2.5体積%以上25体積%以下であることが好ましい。
前記含有量が25体積%を超える場合、該セラミックス部材の耐プラズマ性が著しく低下し、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、セラミックスの消耗により発生するパーティクルが増加する。
一方、前記含有量が2.5体積%未満である場合、体積抵抗率を低下させる効果がほとんど認められない。
前記含有量が25体積%を超える場合、該セラミックス部材の耐プラズマ性が著しく低下し、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、セラミックスの消耗により発生するパーティクルが増加する。
一方、前記含有量が2.5体積%未満である場合、体積抵抗率を低下させる効果がほとんど認められない。
また、前記イットリアセラミックス焼結体は、開気孔率が0.1%以下と緻密質の焼結体であることが好ましい。
前記開気孔率が0.1%を超える場合、該セラミックス部材をハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、気孔に起因する該部材のエッチングの進行が加速され、パーティクルが発生しやすくなる。
前記開気孔率が0.1%を超える場合、該セラミックス部材をハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、気孔に起因する該部材のエッチングの進行が加速され、パーティクルが発生しやすくなる。
また、前記イットリアセラミックス焼結体の体積抵抗率は、室温(25℃)において、106Ω・cm以上1013Ω・cm未満であることが好ましい。
前記体積抵抗率が1013Ω・cmを超える場合、該焼結体は、帯電しやすく、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、パーティクルの発生を抑制することが困難である。また、体積抵抗率が1013Ω・cm未満であれば、JRタイプの静電チャックに適用する場合、誘電層として好適であり、十分な吸着力が得られる。
一方、前記体積抵抗率が106Ω・cm未満である場合、絶縁性が十分とは言えず、この場合も、パーティクルの発生を抑制することは困難であり、また、静電チャックにおける誘電層には適さず、十分な吸着力が得られない。
前記体積抵抗率が1013Ω・cmを超える場合、該焼結体は、帯電しやすく、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、パーティクルの発生を抑制することが困難である。また、体積抵抗率が1013Ω・cm未満であれば、JRタイプの静電チャックに適用する場合、誘電層として好適であり、十分な吸着力が得られる。
一方、前記体積抵抗率が106Ω・cm未満である場合、絶縁性が十分とは言えず、この場合も、パーティクルの発生を抑制することは困難であり、また、静電チャックにおける誘電層には適さず、十分な吸着力が得られない。
本発明においては、上記のようなイットリアセラミックス焼結体を基材として、その基材の最表面に、気孔率が5%以下、純度99.9%以上のイットリア溶射膜を形成させる。
前記イットリアセラミックス焼結体は、タングステンを含むものであり、耐プラズマ性に優れているものであるが、タングステンが表面に露出している部分に、プラズマによりエッチングされやすい部分が偏在する傾向がある。
このため、タングステン元素が汚染源として懸念されるため、前記イットリアセラミックス焼結体の最表面には、ガスプラズマ溶射法等によって、純度99.9%以上の高純度イットリア粉末を用いて、イットリア溶射膜を形成しておくことが好ましい。
すなわち、この溶射膜は、耐プラズマ性をより向上させる上で有効である。
前記イットリアセラミックス焼結体は、タングステンを含むものであり、耐プラズマ性に優れているものであるが、タングステンが表面に露出している部分に、プラズマによりエッチングされやすい部分が偏在する傾向がある。
このため、タングステン元素が汚染源として懸念されるため、前記イットリアセラミックス焼結体の最表面には、ガスプラズマ溶射法等によって、純度99.9%以上の高純度イットリア粉末を用いて、イットリア溶射膜を形成しておくことが好ましい。
すなわち、この溶射膜は、耐プラズマ性をより向上させる上で有効である。
前記イットリア溶射膜の開気孔率は5%以下とする。
前記開気孔率が5%を超える場合、該溶射部材をハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、プラズマによって気孔周辺部分が集中的に腐食し、部材自体がエッチングされて、パーティクルが発生しやすくなる。
また、前記溶射膜は、厚すぎると基材から離れるにつれて気孔が増大するため、膜厚は1000μm以下であることが好ましい。
前記開気孔率が5%を超える場合、該溶射部材をハロゲンプラズマ装置部材として用いた際、プラズマによって気孔周辺部分が集中的に腐食し、部材自体がエッチングされて、パーティクルが発生しやすくなる。
また、前記溶射膜は、厚すぎると基材から離れるにつれて気孔が増大するため、膜厚は1000μm以下であることが好ましい。
溶射膜の形成方法としては、一般に、フレーム溶射、プラズマ溶射等の方法があるが、本発明においては、プラズマ溶射法により膜を形成することが好ましい。
プラズマ溶射法は、プラズマ炎を使用するため、フレーム溶射法よりも高温で行われ、イットリア等の高融点溶射材を十分に溶融して高速で基材に衝突させることができ、緻密な膜が形成され、より優れた密着力を有する溶射膜を得ることができる。
したがって、溶射膜の剥離によるパーティクルの発生を抑制し、耐プラズマ性の向上を図るためには、溶射方法として、プラズマ溶射法が好適である。
プラズマ溶射法は、プラズマ炎を使用するため、フレーム溶射法よりも高温で行われ、イットリア等の高融点溶射材を十分に溶融して高速で基材に衝突させることができ、緻密な膜が形成され、より優れた密着力を有する溶射膜を得ることができる。
したがって、溶射膜の剥離によるパーティクルの発生を抑制し、耐プラズマ性の向上を図るためには、溶射方法として、プラズマ溶射法が好適である。
また、前記イットリア溶射膜との密着性を向上させる観点から、前記イットリアセラミックス焼結体からなる基材は、表面粗さRaが1〜8μmとなるように表面処理しておくことが好ましい。
上記のようにして最表面に形成されたイットリア溶射膜は、溶融が十分である場合には、表面粗さRaが2〜8μmとなるが、該セラミックス部材を静電チャック等に適用する場合には、発現した吸着力の効果を十分に発揮させるため、表面粗さRaが0.8μm以下となるように研磨加工を施すことが好ましい。
上記のような本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、例えば、以下のような製造方法により得ることができる。
まず、イットリア原料粉末にタングステン粉末を添加して造粒粉を調製し、得られた造粒粉を、一軸プレス成形またはCIP成形により成形し、不活性ガスまたは水素雰囲気中で焼成して、基材となるイットリアセラミックス焼結体を製造する。
そして、得られたイットリアセラミックス焼結体の表面を粗面化処理した後、ガスプラズマ溶射法等にてイットリア溶射膜を形成することにより、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材が得られる。
まず、イットリア原料粉末にタングステン粉末を添加して造粒粉を調製し、得られた造粒粉を、一軸プレス成形またはCIP成形により成形し、不活性ガスまたは水素雰囲気中で焼成して、基材となるイットリアセラミックス焼結体を製造する。
そして、得られたイットリアセラミックス焼結体の表面を粗面化処理した後、ガスプラズマ溶射法等にてイットリア溶射膜を形成することにより、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材が得られる。
具体的な製造方法としては、例えば、まず、純水中に純度99.9%イットリア原料粉末(平均粒径1〜15μm)、タングステン粉末(平均粒径0.2〜5.0μm)を添加し、樹脂ボールを用いて、ボールミルにて2時間以上混合し、均一に分散させ、スラリーを調製する。得られたスラリーをスプレードライヤにて乾燥造粒し、造粒粉(平均粒径10〜50μm)を調製する。
前記造粒粉の調製は、イットリア原料粉末のみを上記と同様にして、スプレードライヤにて造粒した後、タングステン粉末とボールミルにて2時間以上混合することにより行うこともできる。
前記造粒粉の調製は、イットリア原料粉末のみを上記と同様にして、スプレードライヤにて造粒した後、タングステン粉末とボールミルにて2時間以上混合することにより行うこともできる。
次に、前記造粒粉を、金型に充填し、一軸プレス成形またはCIP成形(圧力:1t/cm2以上)により成形体を作製し、必要に応じて、適宜加工する。
そして、前記成形体を、アルゴンまたは水素雰囲気中、真空下にて、1650〜1900℃で焼成し、イットリアセラミックス焼結体が得られる。
そして、前記成形体を、アルゴンまたは水素雰囲気中、真空下にて、1650〜1900℃で焼成し、イットリアセラミックス焼結体が得られる。
前記イットリアセラミックス焼結体を、所望の基材形状に適宜加工した後、該基材表面をサンドブラストにて粗面化処理した後、ガスプラズマ溶射法にてイットリア溶射膜を形成させることにより、耐プラズマ性セラミックス部材が得られる。
上記のようにして得られる本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材は、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた場合、200℃以上の高温下での使用によっても、該部材の破損やエッチングによるパーティクルの発生を抑制することができ、製造される半導体素子等の歩留まりの向上にも寄与し得る。
特に、半導体ウェーハ表面の成膜工程等における、CCl4、BCl3、HBr、CF4、C4F8、NF3、SF6等のハロゲン化合物プラズマガス、腐食性の強いClF3セルフクリーニングガスを用いる装置部材や、N2やO2を用いたスパッタ性の高いプラズマによりエッチングされやすい部材にも好適に用いることができる。
特に、半導体ウェーハ表面の成膜工程等における、CCl4、BCl3、HBr、CF4、C4F8、NF3、SF6等のハロゲン化合物プラズマガス、腐食性の強いClF3セルフクリーニングガスを用いる装置部材や、N2やO2を用いたスパッタ性の高いプラズマによりエッチングされやすい部材にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
純水中に純度99.9%のイットリア原料粉末(平均粒径1〜10μm)に、純度99.9%のタングステン(W)粉末(平均粒径0.2〜4.0μm)を前記イットリア粉末中のイットリアに対して、表1の実施例1〜6、比較例1〜5に示す量添加し、それぞれ、ボールミルにて混合後、得られたスラリーをスプレードライヤにて造粒し、造粒粉(平均粒径10〜60μm)を調製した。
得られた各造粒粉を、1t/cm2でCIP成形し、得られた成形体を、水素雰囲気下、真空下にて、1750℃で焼成した。
得られた各イットリアセラミックス焼結体の基材表面をサンドブラストにて粗面化処理し、その表面に、ガスプラズマ溶射法にて純度99.9%以上のイットリア溶射膜を形成した。
なお、比較例1は、イットリア溶射膜を形成しなかったものである。
[実施例1〜7、比較例1〜5]
純水中に純度99.9%のイットリア原料粉末(平均粒径1〜10μm)に、純度99.9%のタングステン(W)粉末(平均粒径0.2〜4.0μm)を前記イットリア粉末中のイットリアに対して、表1の実施例1〜6、比較例1〜5に示す量添加し、それぞれ、ボールミルにて混合後、得られたスラリーをスプレードライヤにて造粒し、造粒粉(平均粒径10〜60μm)を調製した。
得られた各造粒粉を、1t/cm2でCIP成形し、得られた成形体を、水素雰囲気下、真空下にて、1750℃で焼成した。
得られた各イットリアセラミックス焼結体の基材表面をサンドブラストにて粗面化処理し、その表面に、ガスプラズマ溶射法にて純度99.9%以上のイットリア溶射膜を形成した。
なお、比較例1は、イットリア溶射膜を形成しなかったものである。
前記溶射膜について、断面画像解析法により開気孔率を測定した。この気孔率は、試料断面を研磨して、マイクロスコープによる撮影画像と既知の開孔率の指標画像とを比較することにより求めたものである。
また、基材のセラミックス焼結体の開気孔率は、アルキメデス法により測定し、体積抵抗率(JIS R 1637準拠)は、室温(25℃)にて、4端子法により測定した。
また、基材のセラミックス焼結体の開気孔率は、アルキメデス法により測定し、体積抵抗率(JIS R 1637準拠)は、室温(25℃)にて、4端子法により測定した。
また、上記製造方法にてフォーカスリングを作製した。
これを、RIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)に装着して、8インチのシリコンウェーハのエッチング処理を行った後、レーザパーティクルカウンタにより、ウェーハ上の0.3μm以上のパーティクル数を測定した。また、タングステンの初期ダストをICP−MSにて測定した。
上記各実施例および比較例の結果をまとめて表1に示す。
これを、RIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)に装着して、8インチのシリコンウェーハのエッチング処理を行った後、レーザパーティクルカウンタにより、ウェーハ上の0.3μm以上のパーティクル数を測定した。また、タングステンの初期ダストをICP−MSにて測定した。
上記各実施例および比較例の結果をまとめて表1に示す。
表1から分かるように、本発明に係る耐プラズマ性セラミックス部材(実施例1〜6)は、ハロゲンプラズマ装置部材として用いた際のパーティクルの発生が抑制され、かつ、タングステンのダストも生じず、耐プラズマ性に優れ、また、低抵抗化が図られていることが認められた。
Claims (2)
- イットリアに対して2.5体積%以上25体積%以下のタングステンが分散し、開気孔率が0.1%以下であるイットリアセラミックス焼結体の最表面に、気孔率が5%以下であり、純度99.9%以上のイットリア溶射膜が形成されていることを特徴とする耐プラズマ性セラミックス部材。
- 前記イットリアセラミックス焼結体の室温での体積抵抗率が106Ω・cm以上1013Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1記載の耐プラズマ性セラミックス部材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012500498A (ja) * | 2008-08-19 | 2012-01-05 | ラム リサーチ コーポレーション | 静電チャック用エッジリング |
JP2012508467A (ja) * | 2008-11-10 | 2012-04-05 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | プラズマチャンバ部品用耐プラズマコーティング |
WO2012073954A1 (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-07 | 株式会社東芝 | プラズマエッチング装置用部品およびプラズマエッチング装置用部品の製造方法 |
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2006
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