本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。また、本明細書では、「間隔」とは2つの面発光レーザ素子の中心間距離をいうものとする。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による面発光レーザアレイの平面図である。図1を参照して、実施の形態1による面発光レーザアレイ100は、面発光レーザ素子1〜36を備える。
面発光レーザ素子1〜36は、6行×6列の2次元に配置される。そして、6個の面発光レーザ素子1,7,13,19,25,31/2,8,14,20,26,32/3,9,15,21,27,33/4,10,16,22,28,34/5,11,17,23,29,35/6,12,18,24,30,36は、副走査方向に配置され、6個の面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/14〜24/25〜30/31〜36は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/14〜24/25〜30/31〜36は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、36個の面発光レーザ素子1〜36から放射された36個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/14〜24/25〜30/31〜36において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子1,7,13,19,25,31/2,8,14,20,26,32/3,9,15,21,27,33/4,10,16,22,28,34/5,11,17,23,29,35/6,12,18,24,30,36において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Yに設定される。
そして、間隔Yは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子1〜6の6個の中心から副走査方向に配置された直線40に下ろした6個の垂線L1〜L6の副走査方向における間隔C1は、等間隔であり、C=Y/6によって決定される。
主走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子7〜12/13〜18/19〜24/25〜30/31〜36の6個の中心から直線40に下ろした6個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C1と同じである。
図2は、図1に示す面発光レーザ素子1の概略断面図である。図2を参照して、面発光レーザ素子1は、基板401と、反射層402,406と、共振器スペーサー層403,405と、活性層404と、選択酸化層407と、コンタクト層408と、SiO2層409と、絶縁性樹脂410と、p側電極411と、n側電極412とを備える。
基板401は、n型ガリウム砒素(n−GaAs)からなる。反射層402は、n−Al0.9Ga0.1As/n−Al0.3Ga0.7Asの対を一周期とした場合、40.5周期の[n−Al0.9Ga0.1As/n−Al0.3Ga0.7As]からなり、基板401の一主面に形成される。そして、n−Al0.9Ga0.1Asおよびn−Al0.3Ga0.7Asの各々の膜厚は、面発光レーザ素子1の発振波長をλとした場合、λ/4n(nは各半導体層の屈折率)である。
共振器スペーサー層403は、ノンドープAl0.6Ga0.4Asからなり、反射層402上に形成される。活性層54は、Al0.12Ga0.88Asからなる井戸層と、Al0.3Ga0.7Asからなる障壁層とを含む量子井戸構造を有し、共振器スペーサー層403上に形成される。
共振器スペーサー層405は、ノンドープAl0.6Ga0.4Asからなり、活性層404上に形成される。反射層406は、p−Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7Asの対を一周期とした場合、24周期の[p−Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As]からなり、共振器スペーサー層405上に形成される。そして、p−Al0.9Ga0.1AsおよびAl0.3Ga0.7Asの各々の膜厚は、λ/4n(nは各半導体層の屈折率)である。
選択酸化層407は、p−AlAsからなり、反射層406中に設けられる。そして、選択酸化層407は、非酸化領域407aと酸化領域407bとからなり、20nmの膜厚を有する。
コンタクト層408は、p−GaAsからなり、反射層406上に形成される。SiO2層409は、反射層402の一部の一主面と、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406、選択酸化層407およびコンタクト層408の端面とを覆うように形成される。
絶縁性樹脂410は、SiO2層409に接して形成される。p側電極411は、コンタクト層408の一部および絶縁性樹脂410上に形成される。n側電極412は、基板401の裏面に形成される。
反射層402,406の各々は、活性層404で発振した発振光をブラッグの多重反射により反射して活性層404に閉じ込める半導体分布ブラッグ反射器を構成する。
また、酸化領域407bは、非酸化領域407aよりも小さい屈折率を有する。そして、酸化領域407bは、p側電極411から注入された電流が活性層404へ流れる経路を非酸化領域407aに制限する電流狭窄部を構成するとともに、活性層404で発振した発振光を非酸化領域407aに閉じ込める。これによって、面発光レーザ素子1は、低閾値電流での発振が可能となる。
図3は、図2に示す面発光レーザ素子1の活性層404の近傍を示す断面図である。図3を参照して、反射層402は、低屈折率層4021と、高屈折率層4022と、組成傾斜層4023とを含む。低屈折率層4021は、n−Al0.9Ga0.1Asからなり、高屈折率層4022は、n−Al0.3Ga0.7Asからなる。組成傾斜層4023は、低屈折率層4021および高屈折率層4022のいずれか一方から他方へ向かってAl組成が徐々に変化するn−AlGaAsからなる。そして、低屈折率層4021が共振器スペーサー層403に接する。
反射層406は、低屈折率層4061と、高屈折率層4062と、組成傾斜層4063とを含む。低屈折率層4061は、p−Al0.9Ga0.1Asからなり、高屈折率層4062は、n−Al0.3Ga0.7Asからなる。組成傾斜層4063は、低屈折率層4061および高屈折率層4062のいずれか一方から他方へ向かってAl組成が徐々に変化するp−AlGaAsからなる。そして、低屈折率層4061が共振器スペーサー層405に接する。
活性層404は、各々がAl0.12Ga0.88Asからなる3層の井戸層4041と、各々がAl0.3Ga0.7Asからなる4層の障壁層4042とが交互に積層された量子井戸構造からなる。そして、障壁層4042が共振器スペーサー層403,405に接する。
面発光レーザ素子1においては、共振器スペーサー層403,405および活性層404は、共振器を構成し、基板401に垂直な方向における共振器の厚さは、面発光レーザ素子1の1波長(=λ)に設定される。すなわち、共振器スペーサー層403,405および活性層404は、1波長共振器を構成する。
なお、図1に示す面発光レーザ素子2〜36の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1の構成と同じ構成からなる。
図4、図5および図6は、それぞれ、図1に示す面発光レーザアレイ100の製造方法を示す第1から第3の工程図である。なお、図4〜図6の説明においては、図1に示す36個の面発光レーザ素子1〜36のうち、1つの面発光レーザ素子が作製される工程を参照して面発光レーザアレイ100の製造方法を説明する。
図4を参照して、一連の動作が開始されると、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、反射層402、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406、選択酸化層407およびコンタクト層408を基板401上に順次積層する(図4の工程(a)参照)。
この場合、反射層402のn−Al0.9Ga0.1Asおよびn−Al0.3Ga0.7Asをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)およびセレン化水素(H2Se)を原料として形成し、共振器スペーサー層403のAl0.6Ga0.4Asをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、およびアルシン(AsH3)を原料として形成する。
また、活性層404のAl0.12Ga0.88As/Al0.3Ga0.7Asをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、およびアルシン(AsH3)を原料として形成する。
さらに、共振器スペーサー層405のAl0.6Ga0.4Asをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、およびアルシン(AsH3)を原料として形成する。
さらに、反射層406のp−Al0.9Ga0.1As/p−Al0.3Ga0.7Asをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成する。なお、四臭化炭素(CBr4)に代えて、ジメチル亜鉛(DMZn)を用いてもよい。
さらに、選択酸化層407のp−AlAsをトリメチルアルミニウム(TMA)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成し、コンタクト層58のp−GaAsをトリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成する。この場合も、四臭化炭素(CBr4)に代えて、ジメチル亜鉛(DMZn)を用いてもよい。
その後、コンタクト層408の上にレジストを塗布し、写真製版技術を用いて、コンタクト層408上にレジストパターン420を形成する(図4の工程(b)参照)。
レジストパターン420を形成すると、その形成したレジストパターン420をマスクとして用いて、反射層402、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406、選択酸化層407およびコンタクト層408の周辺部をドライエッチングにより除去し、さらに、レジストパターン70を除去する(図4の工程(c)参照)。
次に、図5を参照して、図4に示す工程(c)の後、85℃に加熱した水を窒素ガスでバブリングした雰囲気中において、試料を425℃に加熱して、選択酸化層407の周囲を外周部から中央部に向けて酸化し、選択酸化層407中に非酸化領域407aと酸化領域407bとを形成する(図5の工程(d)参照)。
その後、気相化学堆積法(CVD:Chemical Vapour Deposition)を用いて、試料の全面にSiO2層409を形成し、写真製版技術を用いて光出射部となる領域およびその周辺領域のSiO2層409を除去する(図5の工程(e)参照)。
次に、試料の全体に絶縁性樹脂410をスピンコートにより塗布し、光出射部となる領域上の絶縁性樹脂410を除去する(図5の工程(f)参照)。
図6を参照して、絶縁性樹脂410を形成した後、光出射部となる領域上に所定のサイズを有するレジストパターンを形成し、試料の全面にp側電極材料を蒸着により形成し、レジストパターン上のp側電極材料をリフトオフにより除去してp側電極411を形成する(図6の工程(g)参照)。そして、基板401の裏面を研磨し、基板401の裏面にn側電極412を形成し、さらに、アニールしてp側電極411およびn側電極412のオーミック導通を取る(図6の工程(h)参照)。これによって、面発光レーザアレイ100が完成する。
なお、図4に示す工程(b),(c)においては、1個の面発光レーザ素子を形成するためのドライエッチングが図示されているが、実際には、工程(b),(c)においては、図1に示す36個の面発光レーザ素子1〜36を同時に形成するためのドライエッチングが行なわれる。この場合、36個の面発光レーザ素子1〜36を同時に形成するためのレジストパターンは、図1に示す36個の面発光レーザ素子1〜36の配置に適合したフォトマスクを用いて形成される。すなわち、36個の面発光レーザ素子1〜36を同時に形成するためのレジストパターンは、間隔X,YがY<Xを満たすように設定され、かつ、主走査方向に配置された6個の面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/19〜24/25〜30/31〜36の6個の中心から直線40に下ろした6個の垂線が等間隔C1になるように設計されたフォトマスクを用いて形成される。
面発光レーザアレイ100においては、副走査方向に配置した面発光レーザ素子の間隔Yを主走査方向に配置した面発光レーザ素子の間隔Xよりも小さくすることを特徴とする。これにより、間隔Yを間隔Xよりも大きくした場合よりも、間隔C1(=Y/6)を小さくでき、高密度記録に有利となる。
副走査方向に配置した面発光レーザ素子の間隔、および主走査方向に配置した面発光レーザ素子の間隔の両方を狭くすることも可能であるが、各素子間の熱干渉の影響の低減、各素子の配線を通すために必要なスペースを確保するためには、少なくとも一方の間隔を広げる必要があるので、高密度書き込みを行なうためには、主走査方向を広げることが好ましい。
この実施の形態1においては、間隔Xは、たとえば、30μmに設定され、間隔Yは、24μmに設定される。その結果、間隔C1は、Y/6=24/6=4μmに設定される。
従来、副走査方向および主走査方向に同じ個数の面発光レーザ素子を配置する場合、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔よりも大きくしていたので、この発明のように、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔よりも小さくすることにより、間隔C1を従来よりも小さくでき、高密度記録が可能となる。
図7は、図1に示す面発光レーザ素子1〜36の他の概略断面図である。図1に示す面発光レーザ素子1〜36の各々は、図7に示す面発光レーザ素子1Aからなっていてもよい。
図7を参照して、面発光レーザ素子1Aは、図2に示す面発光レーザ素子1の共振器スペーサー層403,405をそれぞれ共振器スペーサー層403A,405Aに代え、活性層404を活性層404Aに代えたものであり、その他は、面発光レーザ素子1と同じである。
共振器スペーサー層403Aは、(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなり、反射層402上に形成される。活性層404Aは、圧縮歪組成であるGaInPAsからなる井戸層と、引っ張り歪を有するGa0.6In0.4Pからなる障壁層とを含む量子井戸構造からなり、共振器スペーサー層403A上に形成される。共振器スペーサー層405Aは、(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなり、活性層404A上に形成される。そして、面発光レーザ素子1Aは、780nmのレーザ光を発振する。
図8は、図7に示す面発光レーザ素子1Aの活性層404Aの近傍を示す断面図である。図8を参照して、反射層402の低屈折率層4021が共振器スペーサー層403Aに接し、反射層406の低屈折率層4061が共振器スペーサー層405Aに接する。
活性層404Aは、各々がGaInPAsからなる3層の井戸層4041Aと、各々がGa0.6In0.4Pからなる4層の障壁層4042Aとが交互に積層された量子井戸構造からなる。そして、障壁層4042Aが共振器スペーサー層403A,405Aに接する。
そして、面発光レーザ素子1Aにおいては、共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aは、共振器を構成し、基板401に垂直な方向における共振器の厚さは、面発光レーザ素子1Aの1波長(=λ)に設定される。すなわち、共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aは、1波長共振器を構成する。
表1は、共振器スペーサー層403A,405A/活性層404Aの井戸層4041Aが、それぞれ、AlGaAs/AlGaAsから形成された場合およびAlGaInP/GaInPAsから形成された場合における共振器スペーサー層403A,405Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差および障壁層4042Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差を示す。
共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aの井戸層4041AにそれぞれAlGaAsおよびAlGaAsを用いた場合、発振波長が780nmである面発光レーザ素子における共振器スペーサー層403A,405Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、465.9meVであり、障壁層4042Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、228.8meVである。
また、共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aの井戸層4041AにそれぞれAlGaAsおよびGaAsを用いた場合、発振波長が850nmである面発光レーザ素子における共振器スペーサー層403A,405Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、602.6meVであり、障壁層4042Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、365.5meVである。
一方、共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aの井戸層4041AにそれぞれAlGaInPおよびGaInPAsを用いた場合、発振波長が780nmである面発光レーザ素子1Aにおける共振器スペーサー層403A,405Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、767.3meVであり、障壁層4042Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差は、463.3meVである。
なお、面発光レーザ素子1Aは、図4から図6に示す工程(a)〜(h)に従って作製される。この場合、工程(a)において、共振器スペーサー層403A,405Aを構成する(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)およびフォスフィン(PH3)を原料して形成し、活性層404Aの井戸層4041Aを構成するGaInPAsをトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、フォスフィン(PH3)およびアルシン(AsH3)を原料として形成し、活性層404Aの障壁層4042Aを構成するGa0.6In0.4Pをトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)およびフォスフィン(PH3)を原料として形成する。
このように、共振器スペーサー層403A,405Aおよび活性層404Aの井戸層4041AをそれぞれAlGaInPおよびGaInPAsによって構成することにより、共振器スペーサー層403A,405Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差および障壁層4042Aと井戸層4041Aとのバンドギャップの差を従来よりも格段に大きくできる。その結果、井戸層4041Aへのキャリアの閉じ込め効果が格段に大きくなり、面発光レーザ素子1Aは、低閾値で発振するとともに、より高出力の発振光を放射する。
また、活性層404Aが圧縮歪を有するGaInPAsを含むので、ヘビーホールとライトホールとのバンド分離によって利得の増加が大きくなる。これにより、高利得となり、低閾値で高出力な発振光を得ることができる。なお、この効果は、GaAs基板とほぼ同じ格子定数を有するAlGaAs系で作製した780nmまたは850nmの面発光レーザ素子では得られない。
さらに、キャリア閉じ込めの向上、および活性層54Aが歪量子井戸構造からなることによる高利得化によって、面発光レーザ素子1Aの閾値電流が低化し、光取り出し側の反射層406による反射率の低減が可能となり、さらに高出力化できる。
さらに、利得が大きくなると、面発光レーザ素子1Aの温度上昇による光出力の低下を抑制でき、面発光レーザアレイ100の素子間隔をさらに狭くできる。
さらに、活性層404Aは、Alを含んでいない材料から構成されているので、これらの層への酸素の取り込みが低減することによって非発光再結合センターの形成を抑制でき、長寿命化を図れる。これによって、書き込みユニットまたは光源ユニットの再利用が可能となる。
面発光レーザ素子1Aを図1に示す面発光レーザ素子1〜36として用いた場合も、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔は、主走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔よりも小さく設定され、間隔C1を従来よりも小さくでき、高密度記録が可能となる。
図9は、実施の形態1による面発光レーザアレイの他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図9に示す面発光レーザアレイ100Aであってもよい。図9を参照して、面発光レーザアレイ100Aは、面発光レーザ素子101〜132を備える。
面発光レーザ素子101〜132は、4行×8列の2次元に配置される。そして、4個の面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132は、副走査方向に配置され、8個の面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、32個の面発光レーザ素子101〜132から放射された32個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された4個の面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔dに設定される。
そして、間隔dは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子101〜108の8個の中心から副走査方向に配置された直線41に下ろした8個の垂線L7〜L14の副走査方向における間隔C2は、等間隔であり、C2=d/8によって決定される。
主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子109〜116/117〜124/125〜132の8個の中心から直線41に下ろした8個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。
そして、実施の形態1においては、間隔dは、24μmに設定され、間隔Xは、30μmに設定される。その結果、間隔C2は、24/8=3μmとなる。
従来の面発光レーザアレイにおいては、32個の面発光レーザ素子が8行×4列の2次元に配置されていたので、間隔C2は、C2=24/4=6μmになる。
従って、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔Xよりも小さくし、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の個数を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の個数よりも少なくすることによって、間隔C2を従来の6μmから3μmまで半減できる。その結果、面発光レーザアレイ100Aを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図9に示す面発光レーザ素子101〜132の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1または図7および図8に示す面発光レーザ素子1Aからなる。
図10は、実施の形態1による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図10に示す面発光レーザアレイ100Bであってもよい。図10を参照して、面発光レーザアレイ100Bは、面発光レーザ素子201〜240を備える。
面発光レーザ素子201〜240は、4行×10列の二次元に配置される。そして、4個の面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239/210,220,230,240は、副走査方向に配置され、10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、40個の面発光レーザ素子201〜240から放射された40個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された4個の面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239/210,220,230,240において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔dに設定される。
そして、間隔dは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24の副走査方向における間隔C2は、等間隔であり、C2=d/10によって決定される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子211〜220/221〜230/231〜240の10個の中心から直線42に下ろした10個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。
そして、実施の形態1においては、間隔dは、24μmに設定され、間隔Xは、30μmに設定される。その結果、間隔C2は、24/10=2.4μmとなる。このように、主走査方向に配置された面発光レーザ素子の個数を8個(図9参照)から10個に増加させることによって、間隔C2を3μmから2.4μmに小さくできる。その結果、面発光レーザアレイ100Bを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図10に示す面発光レーザ素子201〜240の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1または図7および図8に示す面発光レーザ素子1Aからなる。
図11は、実施の形態1による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図11に示す面発光レーザアレイ100Cであってもよい。図11を参照して、面発光レーザアレイ100Cは、面発光レーザ素子201〜238を備える。
面発光レーザアレイ100Cは、3行×10列の二次元に配置された30個の面発光レーザ素子201〜230に主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子231〜238を追加したものである。また、面発光レーザアレイ100Cは、4行×8列の二次元に配置された32個の面発光レーザ素子201〜208,211〜218,221〜228,231〜238に、6個の面発光レーザ素子209,210,219,220,229,230を追加したものである。さらに、面発光レーザアレイ100Cは、4行×10列の二次元に配置された40個の面発光レーザ素子から2個の面発光レーザ素子を削除したものである。
そして、4個の面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238および3個の面発光レーザ素子209,219,229/210,220,230は、副走査方向に配置され、10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230および8個の面発光レーザ素子231〜238は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230および8個の面発光レーザ素子231〜238は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、38個の面発光レーザ素子201〜238から放射された38個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230および8個の面発光レーザ素子231〜238において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された4個の面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238および3個の面発光レーザ素子209,219,229/210,220,230において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔dに設定される。
そして、間隔dは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24の副走査方向における間隔C2は、等間隔であり、C2=d/10によって決定される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子211〜220/221〜230の10個の中心から直線42に下ろした10個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。また、主走査方向に配置された8個の面発光レーザ素子231〜238の8個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした8個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。
そして、実施の形態1においては、間隔dは、24μmに設定され、間隔Xは、30μmに設定されるので、面発光レーザアレイ100Cにおいては、間隔C2は、24/10=2.4μmとなる。このように、主走査方向に配置された面発光レーザ素子の個数を8個(図9参照)から10個に増加させることによって、間隔C2を3μmから2.4μmに小さくできる。その結果、面発光レーザアレイ100Cを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図11に示す面発光レーザ素子201〜238の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1または図7および図8に示す面発光レーザ素子1Aからなる。
図12は、実施の形態1による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図12に示す面発光レーザアレイ100Dであってもよい。図12を参照して、面発光レーザアレイ100Dは、図10に示す面発光レーザアレイ100Bに面発光レーザ素子241〜244を追加したものであり、その他は、面発光レーザアレイ100Bと同じである。
そして、5個の面発光レーザ素子201,211,221,231,243/202,212,222,232,244/209,219,229,239,241/210,220,230,240,242および4個の面発光レーザ素子203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238は、副走査方向に配置され、10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240および2個の面発光レーザ素子241,242/243,244は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240および2個の面発光レーザ素子241,242/243,244は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、44個の面発光レーザ素子201〜244から放射された44個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240および2個の面発光レーザ素子241,242/243,244において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された5個の面発光レーザ素子201,211,221,231,243/202,212,222,232,244/209,219,229,239,241/210,220,230,240,242および4個の面発光レーザ素子203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔dに設定される。
そして、間隔dは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された2個の面発光レーザ素子241,242/243.244の2個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした2個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。その他は、上述した面発光レーザアレイ100Bと同じである。
このように、各行に配置された面発光レーザ素子の素子数を同じにしなくても、一部の行(第2行〜第5行)に配置された面発光レーザ素子の素子数を8個(図9参照)から10個に増加させることによって、間隔C2を3μmから2.4μmに小さくできる。その結果、面発光レーザアレイ100Dを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図12に示す面発光レーザ素子201〜244の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1または図7および図8に示す面発光レーザ素子1Aからなる。
図13は、実施の形態1による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図13に示す面発光レーザアレイ100Eであってもよい。図13を参照して、面発光レーザアレイ100Eは、面発光レーザ素子301〜340を備える。
面発光レーザ素子301〜340は、4行×10列の2次元に配置される。そして、4個の面発光レーザ素子301,311,321,331/302,312,322,332/303,313,323,333/304,314,324,334/305,315,325,335/306,316,326,336/307,317,327,337/308,318,328,338/309,319,329,339/310,320,330,340は、副走査方向にジグザグ状に配置され、10個の面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340は、主走査方向に配置される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340は、副走査方向に階段的にずらされて配置される。その結果、40個の面発光レーザ素子301〜340から放射された40個のレーザ光は、相互に重なることがない。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔Xに設定される。
また、副走査方向に配置された4個の面発光レーザ素子301,311,321,331/302,312,322,332/303,313,323,333/304,314,324,334/305,315,325,335/306,316,326,336/307,317,327,337/308,318,328,338/309,319,329,339/310,320,330,340において、隣接する2つの面発光レーザ素子間の間隔は、間隔dに設定される。
そして、間隔dは、間隔Xよりも小さい。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子301〜310の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24の副走査方向における間隔C2は、等間隔であり、C2=d/10によって決定される。
主走査方向に配置された10個の面発光レーザ素子311〜320/321〜330/331〜340の10個の中心から直線42に下ろした10個の垂線の副走査方向における間隔も、等間隔であり、間隔C2と同じである。
そして、実施の形態1においては、間隔dは、24μmに設定され、間隔Xは、30μmに設定されるので、間隔C2は、24/10=2.4μmとなる。
このように、主走査方向に配置された面発光レーザ素子の素子数を8個(図9参照)から10個に増加させることによって、間隔C2を3μmから2.4μmに小さくできる。その結果、面発光レーザアレイ100Eを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図13に示す面発光レーザ素子301〜340の各々は、図2および図3に示す面発光レーザ素子1または図7および図8に示す面発光レーザ素子1Aからなる。
図14は、実施の形態1による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態1による面発光レーザアレイは、図14に示す面発光レーザアレイ100Fであってもよい。
この面発光レーザアレイ100Fは、40個の面発光レーザ素子が1つの基板上に形成されている。この面発光レーザアレイは、主走査方向から副走査方向に向かって傾斜角αをなす方向(以下では便宜上、「T方向」という)に沿って4個の面発光レーザ素子が等間隔に配置された発光部列を10列有している。ここでは、便宜上、図14における紙面の上から下に向かって、第1発光部列、第3発光部列、第4発光部列、・・・・、第10発光部列ということとする。そして、これら10列の発光部列は、副走査方向に等間隔に配置されている。すなわち、40個の面発光レーザ素子は、二次元的に配列されている。但し、奇数の発光部列と偶数の発光部列とは、主走査方向に関する位置が互いに異なっている。
ここでは、40個の面発光レーザ素子は、主走査向に関して等間隔X、副走査方向に関して等間隔C2となるように配置されている。なお、副走査方向に隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔をdとすると、C2=Y/8である。また、d<Xである。
この場合には、さらに温度上昇を抑制することが可能となる。
上述した実施の形態1による面発光レーザアレイ100(図1参照)は、36個の面発光レーザ素子1〜36を6行×6列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子1,7,13,19,25,31/2,8,14,20,26,32/3,9,15,21,27,33/4,10,16,22,28,34/5,11,17,23,29,35/6,12,18,24,30,36の間隔Yを主走査方向に配置された面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/19〜24/25〜30/31〜36の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/19〜24/25〜30/31〜36の6個の中心から副走査方向に配置された直線40に下ろした6個の垂線L1〜L6の副走査方向における間隔を等間隔C1に設定する。
また、実施の形態1による面発光レーザアレイ100A(図9参照)は、32個の面発光レーザ素子101〜132を4行×8列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132の8個の中心から副走査方向に配置された直線41に下ろした8個の垂線L7〜L14の副走査方向における間隔を等間隔C2に設定する。
さらに、実施の形態1による面発光レーザアレイ100B(図10参照)は、40個の面発光レーザ素子201〜240を4行×10列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239/210,220,230,240の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24の副走査方向における間隔を等間隔C2に設定する。
さらに、実施の形態1による面発光レーザアレイ100C(図11参照)は、38個の面発光レーザ素子201〜238を4行×10列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229/210,220,230の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜238の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜238の10個または8個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24または8個の垂線L15〜L22の副走査方向における間隔を等間隔C2に設定する。
さらに、実施の形態1による面発光レーザアレイ100D(図12参照)は、44個の面発光レーザ素子201〜244を6行×10列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231,243/202,212,222,232,244/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239,241/210,220,230,240,242の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240/241,242/243,244の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240/241,242/243,244の10個または2個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24または2個の垂線L15,L16/L23,L24の副走査方向における間隔を等間隔C2に設定する。
さらに、実施の形態1による面発光レーザアレイ100E(図13参照)は、40個の面発光レーザ素子301〜340を4行×10列の二次元に配置し、副走査方向に配置された面発光レーザ素子301,311,321,331/302,312,322,332/303,313,323,333/304,314,324,334/305,315,325,335/306,316,326,336/307,317,327,337/308,318,328,338/309,319,329,339/310,320,330,340の間隔dを主走査方向に配置された面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340の間隔Xよりも小さくすることにより、主走査方向に配置された面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした10個の垂線L15〜L24の副走査方向における間隔を等間隔C2に設定する。
さらに、実施の形態1による面発光レーザアレイ100F(図14参照)は、40個の面発光レーザ素子を二次元に配置し、間隔dを間隔Xよりも小さくすることにより、副走査方向に関する間隔を等間隔C2に設定する。
したがって、実施の形態1による面発光レーザアレイは、m×n個の面発光レーザ素子をm(m2以上の整数)行×n(nは2以上の整数)列の二次元に配置し、m≦nが成立し、副走査方向に配置されたm個の面発光レーザ素子の間隔を主走査方向に配置されたn個の面発光レーザ素子の間隔よりも小さくし、主走査方向に配置されたn個の面発光レーザ素子のn個の中心から副走査方向に配置された直線に下ろしたn個の垂線の間隔を等間隔に設定するものであればよい。
このように、実施の形態1においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の素子数を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の素子数以下に設定し(すなわち、m≦nが成立)、副走査方向に配置されたm個の面発光レーザ素子の間隔を主走査方向に配置されたn個の面発光レーザ素子の間隔よりも小さくすることによって、主走査方向に配置されたn個の面発光レーザ素子のn個の中心から副走査方向に配置された直線に下ろしたn個の垂線の間隔(=等間隔)を従来よりも小さくする。
そして、実施の形態1による面発光レーザアレイは、一般的には、複数の面発光レーザ素子を二次元に配置し、第1の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の間隔は、第1の方向に垂直な第2の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の間隔よりも小さく、第2の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の複数の中心から第1の方向に配置された直線に下ろした複数の垂線の第1の方向における間隔を等間隔に設定するものであればよい。
また、実施の形態1による面発光レーザアレイは、一般的には、複数の面発光レーザ素子を二次元に配置し、第1の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の間隔は、基準値に設定され、第1の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数は、第2の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数よりも少なく設定され、第2の方向に配置された複数の面発光レーザ素子の複数の中心から第1の方向に配置された直線に下ろした複数の垂線の第1の方向における間隔を等間隔に設定するものであればよい。そして、基準値は、DocuColor 1256GA,DocuColor 8000 Digital Press,DocuColor C6550I/C5540I,DocuColor 750I/650I/550I,DocuColor f1100/a1100/a900等の従来の面発光レーザアレイにおける副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔である28μmに設定される。
従来の面発光レーザアレイにおいては、主走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数は、副走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数以下に設定されるが、この発明による面発光レーザアレイにおいては、第2の方向(=主走査方向)に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数は、第1の方向(=副走査方向)に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数よりも多い素子数に設定されるため、第2の方向(=主走査方向)に配置された複数の面発光レーザ素子の複数の中心から第1の方向(=副走査方向)に配置された直線に下ろした複数の垂線の第1の方向(=副走査方向)における間隔を、副走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の間隔が28μmである場合の複数の垂線の間隔よりも小さくできる。
なお、基準値は、28μmからなると説明したが、この発明においては、基準値は、28μm以外の値からなっていてもよく、一般的には、主走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数が副走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の素子数以下に設定される場合の副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔に設定される。
ところで、ある記録密度を実現する場合、副走査方向ピッチが大きくなるほど、副走査方向の横倍率を下げる必要がある。物体(光源)側焦点距離foと像(被走査面)側焦点距離fiの比:fi/foを小さくすることになる。これは、書込光学系では、カップリングレンズ502とアナモルフィックレンズ503の焦点距離の比を変えることに相当する。
一方、発光領域が大きいことの影響や、発散角のため、主走査方向の横倍率を変化させられないので、カップリングレンズ502は固定でアナモルフィックレンズ503を変化させる必要がある。そのときアナモルフィックレンズ503の焦点距離Fを短くすることで倍率が下がるが、このときNA(開口数:Numerical Aperture)はNsinθ(N:屈折率)なので大きくなる。このため、ビームが集光されすぎて、焦点深度が浅くなってしまう。すると、誤差によるビームスポット径ばらつきが大きくなる。これを対策するためには、アパーチャを小さくしてNAを調整する必要があるが、利用できる光量が少なくなり、同じことをするのに高光出力の光源が必要になるので高速・高密度化に不利になっていく不都合がある。これを解決するには、複雑な光学系になるとともに光路長は伸びるため、装置が大型化するので好ましくない。
DocuColor 1256GA,DocuColor 8000 Digital Press,DocuColor C6550I/C5540I,DocuColor 750I/650I/550I,DocuColor f1100/a1100/a900等の装置に用いられている従来の面発光レーザアレイは8行×4列であり、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔は28μmに設定されており、等間隔である垂線の間隔Cは7μmである(2004年電子通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、CS−3−4参照)。これらの装置では、2400dpiの書込みが行われており、約1.5倍の光学系となっている。これらの装置で4800dpiを実現するためには約0.75倍の光学系となってしまい、1倍以下であり不利である。
これに対し、C<5μmであると、光学系の倍率が1倍以上(約1.06倍)であっても、これまで実現されていない4800dpiという高密度書込みを低光出力で実現できる。また2400dpiであれば約2.1倍の光学系で実現できる。なお、特開2005―309301号公報で開示されている装置では、面発光レーザアレイが6行×6列で、主走査方向間隔、副走査方向間隔がともに30μm(主走査方向間隔=副走査方向間隔)、C=5μmの例がある。これに対し本願では主走査方向間隔>副走査方向間隔としているので、C<5μmであっても、熱干渉は低減され、出力低下や寿命低下などを抑えることができる。
[実施の形態2]
図15は、実施の形態2による面発光レーザアレイの平面図である。図15を参照して、実施の形態2による面発光レーザアレイ200は、面発光レーザ素子1〜36と、パッド51〜86と、配線W1〜W36とを備える。
面発光レーザ素子1〜36の各々において、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406および選択酸化層407(図2参照)は、メサ構造体を構成する。そして、実施の形態2による面発光レーザアレイ200においては、面発光レーザ素子1〜36の各々において、メサ構造体は、一辺が16μmである矩形形状からなる。
面発光レーザ素子1〜36は、実施の形態1による面発光レーザアレイ100と同じように6行×6列に配置される。パッド51〜86は、36個の面発光レーザ素子1〜36の周囲に配置される。配線W1〜W36は、それぞれ、面発光レーザ素子1〜36をパッド51〜86に接続する。そして、配線W1〜W36の各々は、8μmの幅を有する。
実施の形態2においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子1,7,13,19,25,31/2,8,14,20,26,32/3,9,15,21,27,33/4,10,16,22,28,34/5,11,17,23,29,35/6,12,18,24,30,36の間隔は、24μmに設定され、主走査方向に配置された面発光レーザ素子1〜6/7〜12/13〜18/19〜24/25〜30/31〜36の間隔は、36μmに設定される。
そうすると、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、24μm−16μm=8μmになり、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に配線W1〜W36を配置できない。
一方、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、44μm−16μm=28μmとなり、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に2本の配線を配置することができる。
そこで、面発光レーザアレイ200においては、6行×6列に配置された36個の面発光レーザ素子1〜36のうち、最外周に配置された20個の面発光レーザ素子1〜7,12,13,18,19,24,25,30〜36をそれぞれパッド51〜57,62,63,68,69,74,75,80〜86に接続する配線W1〜W7,W12,W13,W18,W19,W24,W25,W80〜W86は、隣接する2つの面発光レーザ素子間を通らずに配置され、36個の面発光レーザ素子1〜36の内周部に配置された16個の面発光レーザ素子8〜11,14〜17,20〜23,26〜29をそれぞれパッド58〜61,64〜67,70〜73,76〜79に接続する配線W8〜W11,W14〜W17,W20〜W23,W26〜W29は、主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間を1本または2本の配線が通るように配置される。
より具体的には、面発光レーザ素子1,2間、面発光レーザ素子2,3間、面発光レーザ素子7,8間、面発光レーザ素子8,9間、面発光レーザ素子13,14間、面発光レーザ素子15,16間、面発光レーザ素子16,17間、面発光レーザ素子17,18間、面発光レーザ素子19,20間、面発光レーザ素子21,22間、面発光レーザ素子22,23間、面発光レーザ素子23,24間、面発光レーザ素子25,26間、面発光レーザ素子26,27間、面発光レーザ素子31,32間、および面発光レーザ素子32,33間においては、1本の配線が通り、面発光レーザ素子3,4間、面発光レーザ素子4,5間、面発光レーザ素子5,6間、面発光レーザ素子9,10間、面発光レーザ素子10,11間、面発光レーザ素子11,12間、面発光レーザ素子27,28間、面発光レーザ素子28,29間、面発光レーザ素子29,30間、面発光レーザ素子33,34間、面発光レーザ素子34,35間、および面発光レーザ素子35,36間においては、2本の配線が通るように、配線W8〜W11,W14〜W17,W20〜W23,W26〜W29が配置される。
このように、面発光レーザアレイ200においては、36個の面発光レーザ素子1〜36をそれぞれパッド51〜86に接続する配線W1〜W36を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子1,7,13,19,25,31/2,8,14,20,26,32/3,9,15,21,27,33/4,10,16,22,28,34/5,11,17,23,29,35/6,12,18,24,30,36の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200を用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図16は、実施の形態2による面発光レーザアレイの他の平面図である。実施の形態2による面発光レーザアレイは、図16に示す面発光レーザアレイ200Aであってもよい。図16を参照して、面発光レーザアレイ200Aは、面発光レーザ素子101〜132と、パッド151〜182と、配線W41〜W72とを備える。
面発光レーザ素子101〜132の各々において、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406および選択酸化層407(図2参照)は、メサ構造体を構成する。そして、実施の形態2による面発光レーザアレイ200Aにおいては、面発光レーザ素子101〜132の各々において、メサ構造体は、一辺が16μmである矩形形状からなる。
面発光レーザ素子101〜132は、実施の形態1による面発光レーザアレイ100Aと同じように4行×8列に配置される。パッド151〜182は、32個の面発光レーザ素子101〜132の周囲に配置される。配線W41〜W72は、それぞれ、面発光レーザ素子101〜132をパッド151〜182に接続する。そして、配線W41〜W72の各々は、8μmの幅を有する。
実施の形態2においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132の間隔は、24μmに設定され、主走査方向に配置された面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132の間隔は、30μmに設定される。
そうすると、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、24μm−16μm=8μmになり、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に配線W41〜W72を配置できない。
一方、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、30μm−16μm=14μmとなり、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に1本の配線を配置することができる。
そこで、面発光レーザアレイ200Aにおいては、4行×8列に配置された32個の面発光レーザ素子101〜132のうち、最外周に配置された20個の面発光レーザ素子101〜108,109,116,117,124,125〜132をそれぞれパッド151〜159,166,167,174,175〜182に接続する配線W41〜W49,W56,W57,W64,W65〜W72は、隣接する2つの面発光レーザ素子間を通らずに配置され、32個の面発光レーザ素子101〜132の内周部に配置された12個の面発光レーザ素子110〜115,118〜123をそれぞれパッド160〜165,168〜173に接続する配線W50〜W55,W68〜W73は、主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間を1本の配線が通るように配置される。
このように、面発光レーザアレイ200Aにおいては、32個の面発光レーザ素子101〜132をそれぞれパッド151〜182に接続する配線W41〜W72を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200Aを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図17は、実施の形態2による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態2による面発光レーザアレイは、図17に示す面発光レーザアレイ200Bであってもよい。図17を参照して、面発光レーザアレイ200Bは、面発光レーザ素子201〜240と、パッド241〜280と、配線W201〜W240とを備える。
面発光レーザ素子201〜240の各々において、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406および選択酸化層407(図2参照)は、メサ構造体を構成する。そして、実施の形態2による面発光レーザアレイ200Bにおいては、面発光レーザ素子201〜240の各々において、メサ構造体は、一辺が16μmである矩形形状からなる。
面発光レーザ素子201〜240は、4行×10列に配置される。パッド241〜280は、40個の面発光レーザ素子201〜240の周囲に配置される。配線W201〜W240は、それぞれ、面発光レーザ素子201〜240をパッド241〜280に接続する。そして、配線W201〜W240の各々は、8μmの幅を有する。
実施の形態2においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239/210,220,230,240の間隔は、24μmに設定され、主走査方向に配置された面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240の間隔は、30μmに設定される。
そうすると、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、24μm−16μm=8μmになり、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に配線W201〜W240を配置できない。
一方、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、30μm−16μm=14μmとなり、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に1本の配線を配置することができる。
そこで、面発光レーザアレイ200Bにおいては、4行×10列に配置された40個の面発光レーザ素子201〜240のうち、最外周に配置された20個の面発光レーザ素子201〜211,220,221,230,231〜240をそれぞれパッド241〜251,260,261,270,271〜280に接続する配線W201〜W211,W220,W221,W230,W231〜W240は、隣接する2つの面発光レーザ素子間を通らずに配置され、40個の面発光レーザ素子201〜240の内周部に配置された16個の面発光レーザ素子212〜219,222〜229をそれぞれパッド252〜259,262〜269に接続する配線W212〜W219,W222〜W229は、主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間を1本の配線が通るように配置される。
このように、面発光レーザアレイ200Bにおいては、40個の面発光レーザ素子201〜240をそれぞれパッド241〜280に接続する配線W201〜W240を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,239/210,220,230,240の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200Bを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図18は、実施の形態2による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態2による面発光レーザアレイは、図18に示す面発光レーザアレイ200Cであってもよい。
図18を参照して、面発光レーザアレイ200Cは、図17に示す面発光レーザアレイ200Bの面発光レーザ素子239,240、パッド279,280および配線W239,W240を削除したものであり、その他は、面発光レーザアレイ200Bと同じである。
したがって、面発光レーザアレイ200Cにおいて、38個の面発光レーザ素子201〜238は、実施の形態1による面発光レーザアレイ100Bにおける面発光レーザ素子201〜238と同じように配置される。
その結果、面発光レーザアレイ200Cにおいては、38個の面発光レーザ素子201〜238をそれぞれパッド241〜278に接続する配線W201〜W238を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231/202,212,222,232/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229/210,220,230の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200Cを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図19は、実施の形態2による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態2による面発光レーザアレイは、図19に示す面発光レーザアレイ200Dであってもよい。
図19を参照して、面発光レーザアレイ200Dは、図17に示す面発光レーザアレイ200Bに面発光レーザ素子241〜244、パッド281〜284および配線W241〜W244を追加したものであり、その他は、面発光レーザアレイ200Bと同じである。
面発光レーザ素子201〜244は、実施の形態1による面発光レーザアレイ100Cにおける面発光レーザ素子201〜244と同じように配置される。そして、配線W241〜244は、それぞれ、面発光レーザ素子241〜244をパッド281〜284に接続する。
その結果、配線W219は、主走査方向に配置された面発光レーザ素子209,210間および面発光レーザ素子241,242間を通って配置され、配線W222は、主走査方向に配置された面発光レーザ素子231,232間および面発光レーザ素子243,244間を通って配置される。
したがって、面発光レーザアレイ200Dにおいては、44個の面発光レーザ素子201〜244をそれぞれパッド241〜284に接続する配線W201〜W244を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子201,211,221,231,243/202,212,222,232,244/203,213,223,233/204,214,224,234/205,215,225,235/206,216,226,236/207,217,227,237/208,218,228,238/209,219,229,241/210,220,230,242の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200Dを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図20は、実施の形態2による面発光レーザアレイのさらに他の平面図である。実施の形態2による面発光レーザアレイは、図20に示す面発光レーザアレイ200Eであってもよい。図20を参照して、面発光レーザアレイ200Eは、面発光レーザ素子301〜340と、パッド341〜380と、配線W301〜W340とを備える。
面発光レーザ素子301〜340の各々において、共振器スペーサー層403、活性層404、共振器スペーサー層405、反射層406および選択酸化層407(図2参照)は、メサ構造体を構成する。そして、実施の形態2による面発光レーザアレイ200Eにおいては、面発光レーザ素子301〜340の各々において、メサ構造体は、一辺が16μmである矩形形状からなる。
面発光レーザ素子301〜340は、実施の形態1による面発光レーザアレイ100Dと同じように4行×10列に配置される。パッド241〜280は、40個の面発光レーザ素子301〜340の周囲に配置される。配線W201〜W240は、それぞれ、面発光レーザ素子301〜340をパッド241〜280に接続する。そして、配線W301〜W340の各々は、8μmの幅を有する。
実施の形態2においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子301,311,321,331/302,312,322,332/303,313,323,333/304,314,324,334/305,315,325,335/306,316,326,336/307,317,327,337/308,318,328,338/309,319,329,339/310,320,330,340の間隔は、24μmに設定され、主走査方向に配置された面発光レーザ素子301〜310/311〜320/321〜330/331〜340の間隔は、30μmに設定される。
そうすると、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、24μm−16μm=8μmになり、副走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に配線W301〜W340を配置できない。
一方、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間隔は、30μm−16μm=14μmとなり、主走査方向において隣接する2つの面発光レーザ素子の間に1本の配線を配置することができる。
そこで、面発光レーザアレイ200Eにおいては、4行×10列に配置された40個の面発光レーザ素子301〜340のうち、最外周に配置された24個の面発光レーザ素子301〜311,320,321,330,331〜340をそれぞれパッド341〜351,360,361,370,371〜380に接続する配線W301〜W311,W320,W321,W330,W371〜W380は、隣接する2つの面発光レーザ素子間を通らずに配置され、40個の面発光レーザ素子301〜340の内周部に配置された16の面発光レーザ素子312〜319,322〜329をそれぞれパッド352〜359,362〜369に接続する配線W312〜W319,W322〜W329は、主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間を1本の配線が通るように配置される。
このように、面発光レーザアレイ200Eにおいては、40個の面発光レーザ素子301〜340をそれぞれパッド341〜380に接続する配線W301〜W340を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通さずに、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置することを特徴とする。
この特徴により、副走査方向に配置された面発光レーザ素子301,311,321,331/302,312,322,332/303,313,323,333/304,314,324,334/305,315,325,335/306,316,326,336/307,317,327,337/308,318,328,338/309,319,329,339/310,320,330,340の間隔を副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を通した場合よりも狭くできる。その結果、面発光レーザアレイ200Eを用いて高密度に光書き込みを行なうことができる。
図21は、面発光レーザアレイにおける配線の配置方法を詳細に説明するための図である。なお、図21においては、図15に示す面発光レーザアレイ200の面発光レーザ素子1〜36、配線W1〜W36およびパッド51〜86のうち、面発光レーザ素子1〜24、配線W1〜W24およびパッド51〜74が示されている。
図21を参照して、面発光レーザ素子1〜24のうち、外周部に配置された面発光レーザ素子1〜7,12,13,18〜24に接続される配線W1〜W7,W12,W13,W18〜W24は、2つの面発光レーザ素子間に配置されずに、それぞれ、パッド51〜57,62,63,68〜74に接続される。
一方、内周部に配置された面発光レーザ素子8〜11,14〜17に接続される配線W8〜W11,W14〜W17は、主走査方向に配置された2つの面発光レーザ素子間に配置されて、それぞれ、パッド58〜61,64〜69に接続される。この場合、配線W8は、配線W8A,W8Bを含み、配線W8Aは、主走査方向から面発光レーザ素子8に接続され、配線W8Bは、副走査方向から配線W8Aに接続される。
すなわち、配線W8は、面発光レーザ素子8から主走査方向に引き出され、その後、主走査方向に垂直な副走査方向に沿って(=主走査方向に配置された2つの面発光レーザ素子間を通って)パッド58の方向へ引き出される。配線W9〜W11,W14〜W17の各々も配線W8と同じように配置される。
このように、配線W8〜W11,W14〜W17の各々は、全ての部分が主走査方向に配置された面発光レーザ素子間を通るように配置される。
図22は、面発光レーザアレイにおける配線の配置方法をより詳細に説明するための図である。図22を参照して、面発光レーザ素子8のメサ構造体が矩形形状を有する場合、配線W8は、面発光レーザ素子8のうち、副走査方向に配置された直線40と平行な辺8Aから引き出されるように配置されればよい。すなわち、配線W8は、辺8Aに接続されるのであれば、どのような方向から面発光レーザ素子8に接続されてもよい。なお、配線W8は、副走査方向に配置された直線40と平行な辺8Bに接続されるように配置されてもよい。
図23は、面発光レーザアレイにおける配線の配置方法をより詳細に説明するための他の図である。図23を参照して、図21に示す面発光レーザ素子1〜24が円形形状のメサ構造体を有する場合の配線の配置方向について説明する。
面発光レーザ素子2,8,14が副走査方向に直線状に配置されている場合、配線W8は、2つの直線43,44の間の方向から面発光レーザ素子8に接続されるように配置される(図23の(a)参照)。
主走査方向にx軸を取り、副走査方向にy軸を取ったx−y直交座標において、面発光レーザ素子8を原点に配置し、面発光レーザ素子2,14をy軸上で面発光レーザ素子8からbだけ離れた位置に配置するものとする。
この場合、面発光レーザ素子8の中心を通り、かつ、面発光レーザ素子2に接する直線43は、y=axによって表され、直線43に直交する直線45は、y=−x/a+bによって表される。
そうすると、直線43と直線45との交点Aの座標は、[ab/(a2+1),a2b/(a2+1)]によって表される。
上述したように、面発光レーザ素子2,8間および面発光レーザ素子8,14間の間隔は、24μmに設定され、面発光レーザ素子2,8,14の直径は、16μmに設定されるので、b=24μmになり、点A−B間の距離は、8μmになる。b=24μmを用いて、点A−B間の距離が8μmになるようにaを決定すると、a=2(2)1/2になる。
その結果、直線43がx軸と成す角度θ1は、約70度になる。直線44は、x軸を中心にして直線43に対称に配置されるので、直線44がx軸と成す角度θ2も、約70度である。したがって、x軸の正の方向を0度とした場合、配線W8は、配線W8の線幅を考慮して配線W8全体が−70度から+70度の範囲に配置されるように面発光レーザ素子8に接続されればよい。なお、配線W8は、配線W8の線幅を考慮して配線W8全体が110度〜250度の範囲に配置されるように面発光レーザ素子8に接続されてもよい。
図24は、面発光レーザアレイにおける配線の配置方法をより詳細に説明するためのさらに他の図である。図24を参照して、図21に示す面発光レーザ素子1〜24が円形形状のメサ構造体を有する場合の配線の他の配置方向について説明する。
面発光レーザ素子2,8,14が副走査方向に直線状に配置されている場合、配線W8は、2つの直線46,47の間の方向から面発光レーザ素子8に接続されるように配置される(図24の(a)参照)。この場合、直線46,47は、面発光レーザ素子8の中心から配線W8の線幅方向の中央部を通る線である。
面発光レーザ素子2,8,14を図23と同じように配置し、x−y直交座標を図23と同じように設定する。
そうすると、直線46は、y=cxによって表され、直線46に直交する直線48は、y=−x/c+bによって表される。その結果、直線46と直線48との交点Cの座標は、[cb/(c2+1),c2b/(c2+1)]によって表される。
上述したように、面発光レーザ素子2,8間および面発光レーザ素子8,14間の間隔は、24μmに設定され、面発光レーザ素子2,8,14の直径は、16μmに設定され、配線W8の線幅は、8μmに設定されるので、b=24μmになり、点B−C間の距離は、12μmになる。b=24μmを用いて、点B−C間の距離が12μmになるようにcを決定すると、c=(3)1/2になる。
その結果、直線46がx軸と成す角度θ3は、60度になる。直線47は、x軸を中心にして直線46に対称に配置されるので、直線47がx軸と成す角度θ4も、60度である。したがって、x軸の正の方向を0度とした場合、配線W8は、−60度から+60度の範囲の角度を有する方向から面発光レーザ素子8に接続されればよい。なお、配線W8は、120度〜240度の範囲の角度の方向から面発光レーザ素子8に接続されてもよい。
配線W9〜W11,W14〜W17も、上述した配線W8の配置方法と同じ配置方法によって配置される。
副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔が24μm以外の値であり、面発光レーザ素子1〜24のメサ構造体の直径が16μm以外の値であり、配線W1〜W24の線幅が8μm以外の値である場合も、上述した方法と同じ方法によって面発光レーザ素子8〜11,14〜17に接続される配線W8〜W11,W14〜W17の配置方法が決定される。
なお、上記においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を配置せず、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間に1本または2本の配線を配置すると説明したが、この発明においては、これに限らず、副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を配置せず、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間に3本以上の配線を配置するようにしてもよい。そして、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配置する配線の本数は、面発光レーザアレイの主走査方向の寸法に対応して決定される。
また、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配置する配線の本数を1本にする場合、複数の面発光レーザ素子は、m行×n列に配列され、mは、2〜4の範囲である。そして、m=2、n=3である場合、1個の面発光レーザ素子が内周部に存在するので、1本の配線が主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間に配置される。したがって、複数の面発光レーザ素子がm行×n列に配列され、mは、2〜4の範囲である場合、少なくとも1本の配線が主走査方向に配置された隣接する2つの面発光レーザ素子間に配置される。
さらに、上記においては、実施の形態1による面発光レーザアレイ100,100A,100B,100C,100D,100Eにおける複数の面発光レーザ素子の配列を利用して複数の面発光レーザ素子を高密度に配置するための配線の配置方法について説明した。すなわち、上記においては、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の間隔よりも小さくし、副走査方向に配置された面発光レーザ素子の素子数を主走査方向に配置された面発光レーザ素子の素子数以下に設定し、さらに、主走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の複数の中心から副走査方向に配置された直線に下ろした複数の垂線の副走査方向における間隔が等間隔になるように、複数の面発光レーザ素子を配列した上で、そのように配列された複数の面発光レーザ素子を複数のパッドに接続する複数の配線の配置方法について説明した。
しかし、実施の形態2による面発光レーザアレイは、これに限らず、副走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を配置せず、主走査方向に配置された面発光レーザ素子間に配線を配置することによって複数の面発光レーザ素子を高密度に配置する面発光レーザアレイであればよい。この場合、主走査方向に配置された複数の面発光レーザ素子の複数の中心から副走査方向に配置された直線に下ろした複数の垂線の副走査方向における間隔が等間隔になるように複数の面発光レーザ素子が配置される。
[応用例]
図25は、図10に示す面発光レーザアレイ100Bを用いた光走査装置の構成を示す概略図である。図25を参照して、光走査装置500は、光源501と、カップリングレンズ502と、アパーチャ504と、アナモルフィックレンズ503と、ポリゴンミラー505と、偏向器側走査レンズ506と、像面側走査レンズ507と、防塵ガラス508と、像面ガラス508と、像面509と、防音ガラス510と、ダミーミラー511とを備える。
光源501は、図10に示す面発光レーザアレイ100Bからなる。光源501から出射された36個の光束は、カップリングレンズ502に入射し、カップリングレンズ502によって弱い発散光にされ、アパーチャ504を経て、アナモルフィックレンズ503に入射する。
そして、アナモルフィックレンズ503に入射した光束は、アナモルフィックレンズ503によって、主走査方向が平行光にされ、副走査方向がポリゴンミラー505近傍に集束するように変えられる。その後、光束は、アパーチャ504、ダミーミラー511および防音ガラス510を経て、ポリゴンミラー505に入射する。
そして、光束は、ポリゴンミラー505によって偏向され、偏向器側走査レンズ506および像面側走査レンズ507によって防塵ガラス508を経て、像面509に結像する。
光源501およびカップリングレンズ502は、材質がアルミニウムからなる同一の部材に固定される。
光源501は、10個の面発光レーザ素子201〜210/211〜220/221〜230/231〜240の10個の中心から副走査方向に配置された直線42に下ろした垂線L15〜L24の副走査方向における間隔が等間隔になるように配置された40個の面発光レーザ素子201〜240を備える面発光レーザアレイ100Bからなるので、40個の面発光レーザ素子201〜240の点灯のタイミングを調整することにより、感光体上では副走査方向に等間隔で光源が並んでいる場合と同様な構成として捉えることができる。
また、面発光レーザ素子201〜240の素子間隔C2および光学系の倍率を調整することにより、副走査方向に書き込まれる間隔を調整できる。すなわち、光源501として面発光レーザアレイ100B(40チャネル)を用いた場合、素子間隔C2は、上述したように2.4μmに設定されるので、光学系の倍率を約2.2倍に設定することによって、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書き込みを行なうことができる。また、主走査方向の素子数を増加したり、副走査方向において隣接する面発光レーザ素子間の間隔dをさらに狭くすることによって間隔C2をさらに小さくしたり、光学系の倍率を下げたりすることによって、さらに高密度書き込みが可能となり、より高品質な印刷が可能となる。この場合、主走査方向の書き込み間隔は、光源501の点灯タイミングを調整することによって、容易に制御できる。
このように、光走査装置500においては、40ドットを同時に書き込み可能であり、高速印刷を行なうことができた。面発光レーザアレイ100Bにおける面発光レーザ素子の素子数を増加することによって、さらに高速印刷が可能である。
さらに、面発光レーザ素子1Aを面発光レーザアレイ100Bに用いることによって、面発光レーザアレイ100Bの寿命が格段に向上するので、書込みユニットまたは光源ユニットの再利用が可能となる。
光走査装置500においては、光源501を図9に示す面発光レーザアレイ100Aによって構成してもよい。そして、この場合、副走査方向に配置された面発光レーザ素子101,109,117,125/102,110,118,126/103,111,119,127/104,112,120,128/105,113,121,129/106,114,122,130/107,115,123,131/108,116,124,132の間隔dを18.4μmに設定し、主走査方向に配置された面発光レーザ素子101〜108/109〜116/117〜124/125〜132の間隔Xを30μmに設定した。また、面発光レーザ素子101〜132の各々において、発光領域の直径を4μmとした。
光走査装置500における光学系のデータを以下に示す。
カップリングレンズ502は、その両面が次式によって表される。
x=(h2/R)[1+{1−(1+K)(h/R)2}]
+A4・h4+A6・h6+A8・h8+A10・h10・・・(1)
なお、式(1)において、xは、レンズ面のX座標(光軸方向)であり、hは、光軸からの距離(主走査方向の座標)であり、Rは、近軸曲率半径であり、Kは、円錐定数であり、A4,A6,A8,A10は、高次の係数である。
そして、カップリングレンズ502の第1面において、R=98.97mmであり、K=−18.9であり、A4=−2.748510×10−6であり、A6=7.513797×10−7であり、A8=−5.817478×10−8であり、A10=−2.475370×10−9である。
また、カップリングレンズ502の第2面において、R=−31.07mmであり、K=−0.35であり、A4=1.210×10−6であり、A6=6.782×10−8であり、A8=2.523×10−8であり、A10=−4.670×10−9である。
そして、カップリングレンズ502の屈折率は、1.5119である。ここで、d1=42.39mmとなり、その間に屈折率が1.5112であり、厚さが0,3mmであるカバーガラスを挿入する。また、d2=3.8mmである。
アナモフィックレンズ504は、第1面が副走査方向にパワーを有するシリンドリカル面であり、第2面が主走査方向にパワーを有するシリンドリカル面である。そして、第1面の副走査曲率半径は、55mmであり、第2面の主走査曲率半径は、−500mmである。ここで、d3=117.2mmであり、d4=3mmである。
アパーチャ504は、アナモフィックレンズ504の第2面から偏向器側走査レンズ506側に58.2mmだけ離れた位置であり、かつ、カップリングレンズ502の後側焦点位置よりも偏向器側走査レンズ506に近い側に配置される。ここで、d5=120.2mmである。
なお、アナモフィックレンズ504とポリゴンミラー505との間、およびポリゴンミラー505と偏向器側走査レンズ506との間には、肉厚が1.9mmであり、屈折率が1.5112である防音ガラス510が配置される。
ポリゴンミラー505は、4面であり、内接円半径は、7mmである。また、d6=36.7mm、d7=8mm、d8=101.9mm、d9=3mm、d10=138.2mmである。
また、防塵ガラス508は、1.5112の屈折率および1.9mmの肉厚を有する。
光走査装置500の光学系の各部品の曲率半径、光学素子間距離および屈折率を表2に示す。
表2において、Rmは、主走査方向の近軸曲率であり、Rsは、副走査方向の近軸曲率であり、Dは、光学素子間の距離である、そして、単位は、mmである。
偏向器側走査レンズ506および像面側走査レンズ507の各面は、非球面であり、全面ともに、主走査方向には式(1)によって与えられる非円弧形状であり、副走査断面(光軸と副走査方向とに平行な仮想的断面)内の曲率は、主走査方向に式(2)によって変化する特殊面である。
副走査断面内の曲率Cs(Y)(Yは、光軸位置を原点とする主走査方向の座標)が主走査方向に変化する状態を表現する式は、光軸を含む副走査断面内の曲率半径Rs(0)および係数B1〜B3を用いて次式によって表される。
Cs(Y)=1/RS(0)+B1・Y+B2・Y2+B3・Y3
+B4・Y4+B5・Y5+B6・Y6+・・・ ・・・(2)
偏向器側走査レンズ506の入射側面の係数を表3に示す。
また、偏向器側走査レンズ506の出射側面の係数を表4に示す。
さらに、像面側走査レンズ507の入射側面の係数を表5に示す。
さらに、像面側走査レンズ507の出射側面の係数を表6に示す。
なお、アパーチャ504の径は、主走査方向に5.5mm、副走査方向に1.18mmの矩形形状としている。
そして、ビームスポット径を表7に示す。
収差は、良好に補正されており、表7に示す結果から、ビームスポット径は、良好に補正されている。
この場合、光源501(=面発光レーザアレイ100B)と被走査面との間の主走査方向の横倍率をβmとし、副走査方向の横倍率をβsとした場合、|βm|=4.9であり、|βs|=2.3となり、|βm|>|βs|が成立する。
すなわち、被走査面上で4800dpi対応の走査線間隔を得ることができる。
このように、この発明による面発光レーザアレイ100Bを光源501に用いることによって、光走査装置500において、高密度な走査線間隔を得ることができる。
なお、光走査装置500においては、光源501は、面発光レーザアレイ100Bに代えて、面発光レーザアレイ100,100A,100C,100D,100E,200,200A,200B,200C,200D,200Eのいずれかから構成されていてもよい。
図26は、レーザプリンターの概略図である。図26を参照して、レーザプリンター600は、感光体ドラム601と、光走査装置602と、クリーニングユニット603と、帯電ユニット604と、現像ユニット605と、転写ユニット606と、定着ユニット607とを備える。
光走査装置602、クリーニングユニット603、帯電ユニット604と、現像ユニット605、転写ユニット606および定着ユニット607は、感光体ドラム601の周囲に配置される。
光走査装置602は、図25に示す光走査装置500からなり、上述した方法によって複数のレーザ光を用いて感光体ドラム601上に潜像を形成する。クリーニングユニット603は、感光体ドラム601上に残留しているトナーを除去する。
帯電ユニット604は、感光体ドラム601の表面を帯電させる。現像ユニット605は、トナーを感光体ドラム601の表面に導き、光走査装置602によって形成された潜像にトナー現像を施す。
転写ユニット606は、トナー画像を転写する。定着ユニット607は、転写されたトナー画像を定着させる。
レーザプリンター600において、一連の動作が開始されると、帯電ユニット604は、感光体ドラム601の表面を帯電させ、光走査装置602は、複数のレーザ光によって感光体ドラム601上に潜像を形成する。そして、現像ユニット605は、光走査装置602によって形成された潜像にトナー現像を施し、転写ユニット606は、トナー画像を転写し、定着ユニット607は、転写されたトナー画像を定着する。これにより、トナー画像が記録紙608上に転写され、その後、トナー画像は、定着ユニット607によって熱定着を施され、電子写真画像の形成が完了する。
一方、除電ユニット(図示せず)は、感光体ドラム601上の潜像を消去し、クリーニングユニット603は、感光体ドラム601上に残留したトナーを除去する。これにより、一連の動作は終了し、上述した動作を繰り返すことにより、電子写真画像を連続、かつ、高速に出力することができる。
なお、レーザプリンター60は、「画像形成装置」を構成する。
図27は、画像形成装置の概略図である。図27を参照して、画像形成装置700は、感光体1Y,1M,1C,1Kと、帯電器2Y,2M,2C,2Kと、現像器4Y,4M,4C,4Kと、クリーニング手段5Y,5M,5C,5Kと、転写用帯電手段6Y,6M,6C,6Kと、定着手段710と、書き込みユニット720と、転写ベルト730とを備える。なお、Yは、イエローを表し、Mは、マゼンダを表し、Cは、シアンを表し、Kは、ブラックを表す。
感光体1Y,1M,1C,1Kは、矢印の方向に回転し、回転順に、帯電器2Y,2M,2C,2K、現像器4Y,4M,4C,4K、転写用帯電手段6Y,6M,6C,6Kおよびクリーニング手段5Y,5M,5C,5Kが配置されている。
帯電器2Y,2M,2C,2Kは、感光体1Y,1M,1C,1Kの表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部在である。この帯電器2Y,2M,2C,2Kと、現像器4Y,4M,4C,4Kとの間の感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に書き込みユニット720(=光走査装置500からなる)によりビームが照射され、感光体1Y,1M,1C,1Kに静電画像が形成される。そして、現像器4Y,4M,4C,4Kは、静電画像に基づいて、感光体1Y,1M,1C,1Kの表面にトナー画像を形成する。そして、転写用帯電手段6Y,6M,6C,6Kは、記録紙630に各色の転写トナー画像が順次転写され、定着手段710は、最終的に、記録紙740に画像を定着する。
機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、画像形成装置700は、高密度対応であり、書き込みユニット720に用いられる面発光レーザアレイの複数の面発光レーザ素子を点灯させる順序を変えることによって各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1〜36,1A,101〜132,201〜244,301〜340…面発光レーザ素子、40〜42…直線、51〜86,151〜182,241〜284,341〜380…パッド、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,200,200A,200B,200C,200D,200E…面発光レーザアレイ、401…基板、402,406…反射層、403,403A,405,405A…共振器スペーサー層、404,404A…活性層、407…選択酸化層、407a…非酸化領域、407b…酸化領域、408…コンタクト層、409…SiO2層、410…絶縁性樹脂、411…p側電極、412…n側電極、420…レジストパターン、500,602…光走査装置、501…光源、502…カップリングレンズ、503…アパーチャ、504…アナモルフィックレンズ、505…ポリゴンミラー、506…偏向器側走査レンズ、507…像面側走査レンズ、508…防塵ガラス、509…像面、510…防音ガラス、511…ダミーミラー、600…レーザプリンター、601…感光体ドラム、603…クリーニングユニット、604…帯電ユニット、605…現像ユニット、606…転写ユニット、607…定着ユニット、700…画像形成装置、1Y,1M,1C,1K…感光体、2Y,2M,2C,2K…帯電器、4Y,4M,4C,4K…現像器、5Y,5M,5C,5K…クリーニング手段、6Y,6M,6C,6K…転写用帯電手段、710…定着手段、720…書き込みユニット、630…転写ベルト、740…記録紙、4021,4061…低屈折率層、4022,4062…高屈折率層、4023,4063…組成傾斜層、4041,4041A…井戸層、4042,4042A…障壁層、L1〜L24…垂線、W1〜W36,W41〜W72,W201〜W244,W301〜W340…配線。