JP2007315551A - 油圧クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】装置構成の大型化を招くことなく、摩擦係合力を安定的に制御することのできる油圧クラッチを提供する。
【解決手段】ドライブプレート18とドリブンプレート19とをクラッチピストン12にて押圧する際の押し力を発生させるピストン室21を備え、このピストン室21に作用させるクラッチ油圧を制御するクラッチ油圧制御弁(ECMV)51にて摩擦係合力が制御されるように構成される油圧クラッチ1において、前記押し力に抗する戻し力を発生させる戻し力発生油圧室22を設けるとともに、この戻し力発生油圧室22に油圧ポンプ50からのメイン油圧を導くメイン油圧油路37を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばモータグレーダ等の作業車両の動力伝達系に介装される油圧クラッチに関するものである。
この種の油圧クラッチは、クラッチハブにスプライン嵌合されるドライブプレートと、クラッチドラムにスプライン嵌合されるドリブンプレートと、これらプレートをクラッチピストンにて押圧する際の押し力を発生させるピストン室とを備え、このピストン室に作用させるクラッチ油圧を制御するクラッチ油圧制御弁にて摩擦係合力が制御されるように構成されている。ここで、前記押し力に抗する戻し力を発生させる手段として、スプリングの付勢力を利用したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開平8−170657号公報 特開2003−301861号公報
前記従来の油圧クラッチにおいては、クラッチピストンに作用するスプリングの付勢力による戻し力と、クラッチピストンに作用するクラッチ油圧による押し力とがつり合ったときのクラッチ油圧が、摩擦係合力の制御を開始する上での初期クラッチ油圧となる。そして、この初期クラッチ油圧からの昇圧動作をクラッチ油圧制御弁にて制御することにより、摩擦係合力が制御されることになる。
しかしながら、クラッチピストンの戻し力をスプリングの付勢力により発生させる従来の油圧クラッチでは、構造上戻し力を大きくすることが困難なため、摩擦係合力の制御を開始する上での初期クラッチ油圧が、クラッチ油圧制御弁にて安定的に制御可能な油圧よりも低い油圧となり、摩擦係合力を制御するのに必要なクラッチ油圧範囲に、指令油圧に対する実油圧のばらつきの度合いが大きい油圧範囲が含まれることになって、摩擦係合力を安定的に制御することができないという問題点がある。特に、インチングクラッチとして使用する場合に、クラッチが繋がり始めるクラッチ油圧付近での摩擦係合力の微調整が困難となり、インチングのファインコントロールが難しいという問題点がある。なお、クラッチピストンに作用させる戻し力を実質的に大きくして前記初期クラッチ油圧を高めるために、より強力なスプリングを採用したり、スプリングの個数を増やしたりすることも考えられるが、この場合、スプリングを収容するためのスペースを大きくとる必要があり、装置構成の大型化を招くという問題点がある。また、クラッチピストンに作用させる戻し力を相対的に大きくして前記初期クラッチ油圧を高めるために、クラッチピストンの受圧面積を小さくすることも考えられるが、この場合、ドライブプレートとドリブンプレートの枚数を増やしてトルク容量を稼ぐ必要があり、やはり装置構成の大型化を招くという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、装置構成の大型化を招くことなく、摩擦係合力を安定的に制御することのできる油圧クラッチを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による油圧クラッチは、
摩擦係合要素としてのドライブプレートとドリブンプレートとをクラッチピストンにて押圧する際の押し力を発生させるピストン室を備え、このピストン室に作用させるクラッチ油圧を制御するクラッチ油圧制御弁にて摩擦係合力が制御されるように構成される油圧クラッチにおいて、
前記押し力に抗する戻し力を発生させる戻し力発生油圧室を設けるとともに、この戻し力発生油圧室に油圧ポンプからのメイン油圧を導くメイン油圧油路を設けることを特徴とするものである(第1発明)。
第1発明において、前記クラッチピストンおよび前記摩擦係合要素の内周側に、前記戻し力発生油圧室が形成されるとともに、この戻し力発生油圧室に前記メイン油圧が導入されることにより発生される前記戻し力の作用を受けて前記クラッチピストンを押し戻す戻し用ピストンが配置されるのが好ましい(第2発明)。
第1発明において、前記摩擦係合要素の内周側に、前記戻し力発生油圧室が形成されるとともに、この戻し力発生油圧室に前記メイン油圧が導入されることにより発生される前記戻し力の作用を受けて前記クラッチピストンを押し戻す戻し用ピストンが配置されるのが好ましい(第3発明)。
第1発明乃至第3発明において、前記油圧ポンプと前記メイン油圧油路との間に減圧弁が介挿されるのが好ましい(第4発明)。
本発明によれば、クラッチピストンの押し力に抗する戻し力を発生させる戻し力発生油圧室が設けられるとともに、この戻し力発生油圧室に油圧ポンプからのメイン油圧が導かれるので、クラッチピストンの押し力とその押し力に抗する戻し力とがつり合う際のクラッチ油圧、つまり摩擦係合力の制御を開始する上での初期クラッチ油圧を、クラッチ油圧制御弁にて安定的に制御できる程度の高油圧とすることができる。したがって、摩擦係合力を制御するのに必要なクラッチ油圧範囲を、クラッチ油圧制御弁にて安定的に制御可能な油圧範囲と一致させることができるので、摩擦係合力を安定的に制御することが可能となる。また、クラッチピストンに対する戻し力は比較的高圧のメイン油圧により発生されるため、戻し力発生油圧室は小スペースでよく、装置構成の大型化を招くようなことはない。なお、本発明の油圧クラッチがインチングクラッチとして使用された場合には、クラッチが繋がり始めるクラッチ油圧付近での摩擦係合力の微調整が容易となり、良好なファインコントロール性能を得ることができる。
第2発明によれば、クラッチピストンに比べて受圧面積が小さくてよい受圧面積の戻し用ピストンが摩擦係合要素の内周側に収まる構造とされるので、摩擦係合要素の径を大きなものとしながら装置全体を小型化できるという効果がある。
第3発明の構成を採用することにより、装置構成の小型化を図ることができる。
第4発明の構成を採用することにより、油圧ポンプの駆動源が例えばエンジンである場合に、エンジン回転の影響による油圧変動が小さくなり、より安定した戻し力を得ることができる。
次に、本発明による油圧クラッチの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、例えばモータグレーダやホイールローダ等の作業車両に搭載される多軸式トランスミッションにおいて速度段切換クラッチとインチングクラッチとを兼用する油圧クラッチに本発明が適用された例である。
図1には本発明の一実施形態に係る油圧クラッチの縦断面図が、図2には同油圧クラッチの平面断面図が、図3には同油圧クラッチの要部拡大断面図が、それぞれ示されている。
図1に示される油圧クラッチ1は、図示されないトランスミッションケースにベアリング2,3を介して支承されるシャフト4と同軸心を成して一体的に配置される第1クラッチ部5および第2クラッチ部6を備えている。前記第1クラッチ部5は、前記シャフト4とそのシャフト4の一端部寄りにベアリング7を介して装着される第1ギヤ(高速ギヤ)8との間の動力伝達経路を接続または切断するものであり、前記第2クラッチ部6は、前記シャフト4とそのシャフト4の他端部寄りにベアリング9を介して装着される第2ギヤ(低速ギヤ)10との間の動力伝達経路を接続または切断するものである。ここで、前記第1クラッチ部5と第2クラッチ部6とは、これらクラッチ部5,6の共通構成部材であって前記シャフト4の中間部にそのシャフト4と同軸心を成して一体的に固着される円盤状のクラッチピストンサポート11を基準に図の左右方向に略対称構造を成し、またその作動も基本的に同じであるため、以下においては第1クラッチ部5の構造等を中心に説明することとし、第2クラッチ部6については図に「′」(ダッシュ)付きの同一符号を付すに留めてその構造等の説明を省略することとする。
前記第1クラッチ部5は、前記クラッチピストンサポート11の一端面に形成されたリング状溝に摺動自在に装着されるクラッチピストン12と、前記クラッチピストンサポート11の外周部に一体的に固着されるクラッチドラム13と、このクラッチドラム13の端部にスナップリングにより抜け止めされた状態で配置されるリテーニングプレート14と、前記第1ギヤ8に一体結合されるクラッチハブ15と、前記シャフト4にスナップリングにより位置決めが成された状態のスペーサ16を介してそのシャフト4の軸線方向に摺動可能に装着される戻し用ピストン17とを備えている。
前記クラッチピストン12と前記リテーニングプレート14との間には、金属板に摩擦材を張り合わせてなる複数のドライブプレート18と、金属板よりなる複数のドリブンプレート19とが交互に配置され、前記ドライブプレート18は前記クラッチハブ15に、前記ドリブンプレート19は前記クラッチドラム13にそれぞれスプライン嵌合され、いずれのプレート18,19もシャフト4の軸線方向にスライド可能に装着されている。ここで、隣接する前記ドリブンプレート19の間にはウェーブスプリング20が介挿されており、これらウェーブスプリング20の付勢力がクラッチピストン12の押し力に抗する戻し力として作用するようにされている。
前記クラッチピストン12と前記クラッチピストンサポート11との間には、前記ドライブプレート18と前記ドリブンプレート19とをクラッチピストン12にて押圧する際の押し力を発生させるピストン室21が区画形成されている。このピストン室21に後述する電子コントロールモジュレーションバルブ(以下、「ECMV」という。)51からのクラッチ油圧が作用すると、クラッチピストン12が押動され、このクラッチピストン12によりドライブプレート18とドリブンプレート19とが押圧されて両プレート18,19が摩擦係合される。これにより、第1ギヤ(高速ギヤ)8に入力された回転動力が第1クラッチ部5を介してシャフト4に伝達される。一方、ピストン室21に作用していたクラッチ油圧が解放されると、ドライブプレート18とドリブンプレート19との摩擦係合が解除され、第1ギヤ(高速ギヤ)8からシャフト4に伝達されていた動力が第1クラッチ部5にて遮断される。
前記戻し用ピストン17の他端部には、図3に示されるように、クラッチピストン12の内周縁部に当接するように外側に張り出した外向きフランジ17aが設けられている。さらに、この戻し用ピストン17の他端部には、シャフト4に近接するように内側に張り出した内向きフランジ17bが設けられている。そして、この内向きフランジ17bとスペーサ16と戻し用ピストン17の内周面とシャフト4の外周面とにより、クラッチピストン12の押し力に抗する戻し力を発生させる戻し力発生油圧室22が区画形成されている。この戻し力発生油圧室22に後述するメイン油圧油路37を介して導かれたメイン油圧が作用すると、戻し用ピストン17がクラッチピストン12の押動方向とは逆方向に押動され、クラッチピストン12の押し力に抗する戻し力がそのクラッチピストン12に与えられる。
前記シャフト4の一端部には、第1ポート31および第2ポート32(図1参照)、並びに第3ポート33および第4ポート34(図2参照)がそれぞれ設けられている。図1に示されるように、前記第1ポート31は、シャフト4およびクラッチピストンサポート11の穿孔により形成されたクラッチ油圧油路35を介してピストン室21に接続され、前記第2ポート32は、前記クラッチ油圧油路35と同様にシャフト4およびクラッチピストンサポート11の穿孔により形成されたクラッチ油圧油路36を介してピストン室21′に接続されている。一方、図2に示されるように、前記第3ポート33は、シャフト4の穿孔により形成されたメイン油圧油路37を介して戻し力発生油圧室22,22′に接続され、前記第4ポート34は、前記メイン油圧油路37と同様にシャフト4の穿孔により形成された潤滑油供給油路38を介してシャフト4の所定個所に設けられる複数の潤滑油吐出ポート40,41,42,43に接続されている。なお、これら油路35,36,37,38はシャフト4の周方向に90°ずつ位相をずらせるように配置されている。
ここで、前記複数の潤滑油吐出ポート40,41,42,43のうち潤滑油吐出ポート40,43から吐出された潤滑油はベアリング7,9に供給されるようになっている(図2参照)。また、前記複数の潤滑油吐出ポート40,41,42,43のうち潤滑油吐出ポート41から吐出された潤滑油は、スペーサ16に設けられた孔16a(図3参照)、戻し用ピストン17に設けられた孔17c(図3参照)およびクラッチハブ15に設けられた孔15a(図3参照)を通ってドライブプレート18およびドリブンプレート19に供給され、その後、クラッチドラム13に設けられた孔13a(図3参照)を通って排出される(潤滑油吐出ポート42から吐出された潤滑油についても同様)。
図4には、本実施形態の油圧クラッチの油圧系統の回路図が示されている。
図4に示される油圧回路図において、前記第1ポート31は第1クラッチ部5に対応して設けられるECMV51を介して油圧ポンプ50に接続されている。また、前記第2ポート32は第2クラッチ部6に対応して設けられるECMV52を介して油圧ポンプ50に接続されている。さらに、前記第3ポート33は油圧ポンプ50に直接的に接続され、前記第4ポート34はオイルクーラ53およびトルクコンバータ54を介して油圧ポンプ50に接続されている。そして、油圧ポンプ50がエンジン55により駆動されてその油圧ポンプ50から圧油が吐出されると、本油圧回路全体の最高圧力を規制するメインリリーフバルブ56のセット圧に応じたメイン油圧が、ECMV51,52に作用し、また同メイン油圧が第3ポート33からメイン油圧油路37に導かれて戻し力発生油圧室22,22′に作用するようになっている。さらに、トルクコンバータ54に流入する圧油の最高圧力を規制するトルクコンバータリリーフバルブ57からリリーフされた油と、トルクコンバータ54およびオイルクーラ53を経由した油とが共に潤滑油として第4ポート34に導かれるようになっている。なお、ECMV51,52が本発明における「クラッチ油圧制御弁」に相当する。
前記各ECMV51,52は、図5に示されるように、オリフィス60に油の流れがあるときに開口して大流量を流す流量検出弁61と、コントローラ62からの指令電流に見合った調圧を行う電磁比例圧力制御弁63とが組み合わされて構成されている。代表としてECMV51においては、変速時にコントローラ62から当該ECMV51に入力される指令電流が例えば図6(a)に示されるように推移した場合、ピストン室21に作用するクラッチ油圧が図6(b)に示されるように変化される。すなわち、コントローラ62からのトリガ電流が電磁比例圧力制御弁63に入力されると、この電磁比例圧力制御弁63が開かれて、油圧ポンプ50からの油がその電磁比例圧力制御弁63およびオリフィス60を通ってピストン室21に充填される(図6中記号A域)。オリフィス60に油が流れると、このオリフィス60の前後に差圧が生じるため、流量検出弁61が開かれて、油圧ポンプ50からの油がその流量検出弁61およびオリフィス60を通ってピストン室21に充填される(図6中記号A域)。ピストン室21への油の流れがあるうちは、電磁比例圧力制御弁63に入力される指令電流値を初期圧指令電流(I1)レベルにまで下げても流量検出弁61は開き続けるので、油圧ポンプ50からの油がピストン室21に急速に充填される(図6中記号B域)。そして、ピストン室21に油が充満されると、ピストン室21への油の流れがなくなるので、オリフィス60の前後の差圧がなくなる。これにより、流量検出弁61は閉じられると共にその流量検出弁61のスプールがフィルスイッチ64に接触され、このフィルスイッチ64からのフィリング完了を示すフィル信号がコントローラ62に入力される(図6中記号B域)。その後、電磁比例圧力制御弁63に加える指令電流を制御することにより、クラッチ油圧が制御され(図6中記号C域)、このクラッチ油圧がピストン室21に作用して変速時における摩擦係合力が制御される。
前記コントローラ62は、中央演算処理装置(CPU)や、所定プログラムおよび各種データを記憶するメモリ、その他の周辺回路等よりなるマイクロコンピュータを主体に構成されている。このコントローラ62にはインチングペダル65の基準位置からの操作量θを検出するポテンショメータ66からの検出信号が入力されるようになっており、コントローラ62は、ポテンショメータ66で検出された操作量θと、メモリに予め記憶されているインチングペダル65の操作量θと指令電流Iとの関係(図7参照)とに基づいて、ECMV51,52に対する指令電流値を演算し、その演算結果に応じた指令電流を出力する。ECMV51はコントローラ62からの指令電流に応じたクラッチ油圧を生成して第1ポート31に出力する。また、ECMV52も同様にコントローラ62からの指令電流に応じたクラッチ油圧を生成して第2ポート32に出力する。こうして、インチングペダル65の操作量θに応じたクラッチ油圧が第1ポート31もしくは第2ポート32からクラッチ油圧油路35もしくはクラッチ油圧油路36に導かれてピストン室21もしくはピストン室21′に作用してインチング操作時における摩擦係合力が制御される。
ここで、インチングペダル65の操作に伴う第1クラッチ部5の摩擦係合状態の変化を代表例として図7を参照しつつ以下に説明すると、まず、インチングペダル65の操作量θが零からθ1の範囲にあるときには、コントローラ62からの指令電流がI3とされ、これに伴いクラッチ油圧がP3とされて、第1クラッチ部5が完全に接続された状態とされる。インチングペダル65の操作量θがθ2であるときには、コントローラ62からの指令電流がI2とされ、これに伴いクラッチ油圧がP2とされて、第1クラッチ部5の滑動が開始される。インチングペダル65の操作量θがθ2からθ3に向けて増加するに伴い、コントローラ62からの指令電流がI2からI1に向けて漸減され、これに伴いクラッチ油圧がP2からP1に向けて漸減されて、第1クラッチ部5が動力伝達可能に滑動される所謂半クラッチ状態とされる。そして、インチングペダル65の操作量θが最大操作量θ3に至ると、コントローラ62からの指令電流がI1とされ、これに伴いクラッチ油圧がP1とされて、第1クラッチ部5が完全に切断された状態とされる。
以上に述べたような油圧クラッチ1においては、クラッチピストン12の受圧面積とピストン室21に作用するクラッチ油圧とによってクラッチピストン12による押し力PFが決定される。また、戻し用ピストン17の受圧面積と戻し力発生油圧室22に作用するメイン油圧とによって戻し用ピストン17による戻し力RF1が決定される。また、ウェーブスプリング20の個数とばね定数によってウェーブスプリング20による戻し力RF2が決定される。
前記戻し力発生油圧室22には、メインリリーフバルブ56のセット圧に応じた油圧ポンプ50からのメイン油圧が第3ポート33からメイン油圧油路37を介して常に導かれている(図4参照)。このため、クラッチピストン12には、戻し用ピストン17による戻し力RF1が常に作用する。さらに、クラッチピストン12には、その戻し力RF1に加えてウェーブスプリング20による戻し力RF2が作用する。そして、クラッチピストン12による押し力PFと前記各戻し力の和(RF1+RF2)とがつり合う際のクラッチ油圧、つまり摩擦係合力の制御を開始する上での初期クラッチ油圧P1(図6(b)および図7参照)を、ECMV51で安定的に制御できる程度の高油圧となるように、クラッチピストン12と戻し用ピストン17との受圧面積比が設定される。
こうして、摩擦係合力を制御するのに必要なクラッチ油圧範囲P1〜P3(図6(b)および図7参照)をECMV51にて安定的に制御可能な油圧範囲と一致させることができ、摩擦係合力を安定的に制御することができる。
また、前記戻し用ピストン17による戻し力RF1は、戻し力発生油圧室22に比較的高圧のメイン油圧が導かれることによって発生されるため、戻し力発生油圧室22が小スペースにても大きな戻し力となる。このため、ウェーブスプリング20による戻し力RF2は補助的なものでよく、コンパクトな仕様のウェーブスプリング20を採用することができて、配置スペースを小さく抑えることができる。また、クラッチピストン12の受圧面積も必要以上に小さくする必要もないことから、必要トルク容量に応じてドライブプレート18とドリブンプレート19の枚数を必要最小限に抑えることができる。したがって、装置構成の大型化を招くようなことはない。
さらに、本実施形態の油圧クラッチ1においては、クラッチピストン12および摩擦係合要素(ドライブプレート18、ドリブンプレート19)の内周側に戻し用ピストン17が配置され、この戻し用ピストン17、スペーサ16およびシャフト4にて戻し力発生油圧室22が区画形成されている。こうして、クラッピストン12に比べて受圧面積が小さくてよい受圧面積の戻し用ピストン17が摩擦係合要素の内周側に収まる構造とされるので、摩擦係合要素の径を大きなものとしながら装置全体を小型化できるという利点がある。
また、インチング操作時において、インチングペダル65の操作量θが最大操作量θ3よりやや手前の操作領域αに対応するクラッチ油圧領域β(図7参照)では、指令油圧に対する実油圧のばらつきがインチングのファインコントロール性能の良否に大きく影響するが、初期クラッチ油圧P1がECMV51で安定的に制御できる程度の高油圧とされるので、指令油圧に対する実油圧のばらつきを小さく抑えることができ、良好なファインコントロール性能を得ることができる。
図8には、本発明の他の実施形態に係る油圧クラッチの油圧系統の回路図が示されている。なお、先の実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付してその詳細な説明を省略することとする。
本実施形態では、メインリリーフバルブ56のセット圧が先の実施形態におけるセット圧よりも高く設定されるとともに、油圧ポンプ50と第3ポート33とを繋ぐ油路に減圧弁67が介挿され、この減圧弁67による減圧後の圧力値が先の実施形態におけるメイン油圧の圧力値と同程度となるようにされている。それ以外の点については先の実施形態と同様である。本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、メインリリーフバルブ56のセット圧に応じた油圧ポンプ50からのメイン油圧そのものではなく、減圧弁67により減圧させた後の油圧を第3ポート33から戻し力発生油圧室22に導くようにされているので、エンジン55の回転変動の影響による油圧変動が小さくなり、より安定した戻し力RF1を得ることができて摩擦係合力をより安定的に制御することができる。
本発明の一実施形態に係る油圧クラッチの縦断面図 本発明の一実施形態に係る油圧クラッチの平面断面図 本発明の一実施形態に係る油圧クラッチの要部拡大断面図 本発明の一実施形態に係る油圧クラッチの油圧系統の回路図 ECMVの概略システム構成図 変速時の指令電流とクラッチ油圧とフィル信号の状態図 インチングペダル操作量と指令電流との関係を表わす図 本発明の他の実施形態に係る油圧クラッチの油圧系統の回路図
符号の説明
1 油圧クラッチ
5 第1クラッチ部
6 第2クラッチ部
12,12′ クラッチピストン
18,18′ ドライブプレート
19,19′ ドリブンプレート
21,21′ ピストン室
22,22′ 戻し力発生油圧室
37 メイン油圧油路
50 油圧ポンプ
51,52 ECMV(クラッチ油圧制御弁)
67 減圧弁

Claims (4)

  1. 摩擦係合要素としてのドライブプレートとドリブンプレートとをクラッチピストンにて押圧する際の押し力を発生させるピストン室を備え、このピストン室に作用させるクラッチ油圧を制御するクラッチ油圧制御弁にて摩擦係合力が制御されるように構成される油圧クラッチにおいて、
    前記押し力に抗する戻し力を発生させる戻し力発生油圧室を設けるとともに、この戻し力発生油圧室に油圧ポンプからのメイン油圧を導くメイン油圧油路を設けることを特徴とする油圧クラッチ。
  2. 前記クラッチピストンおよび前記摩擦係合要素の内周側に、前記戻し力発生油圧室が形成されるとともに、この戻し力発生油圧室に前記メイン油圧が導入されることにより発生される前記戻し力の作用を受けて前記クラッチピストンを押し戻す戻し用ピストンが配置される請求項1に記載の油圧クラッチ。
  3. 前記摩擦係合要素の内周側に、前記戻し力発生油圧室が形成されるとともに、この戻し力発生油圧室に前記メイン油圧が導入されることにより発生される前記戻し力の作用を受けて前記クラッチピストンを押し戻す戻し用ピストンが配置される請求項1に記載の油圧クラッチ。
  4. 前記油圧ポンプと前記メイン油圧油路との間に減圧弁が介挿される請求項1〜3のいずれかに記載の油圧クラッチ。
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