JP2007314419A - 水素含有ガス生成装置の運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段10を設け、改質部3、変成部5及び選択酸化部6を、改質部3と選択酸化部6との間に変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、改質部3を改質処理に適正な温度に維持するように、改質部加熱手段4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、選択酸化部冷却手段10の冷却能力を調節する水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
【選択図】図1
Description
請求項1に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記選択酸化部を冷却する選択酸化部冷却手段を設け、
前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、前記改質部と前記選択酸化部との間に前記変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
前記改質部を改質処理に適正な温度に維持するように、前記改質部加熱手段の加熱能力を調節し、且つ、前記選択酸化部を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、前記選択酸化部冷却手段の冷却能力を調節することにある。
即ち、本発明の発明者らは、改質処理温度、変成処理温度及び選択酸化処理温度においては、改質処理温度が最も高く、選択酸化処理温度が最も低く、変成処理温度は、改質処理温度と選択酸化処理温度との間にあるということに鑑みて、運転制御方法を簡略化すべく鋭意研究した。
そして、改質部、変成部及び選択酸化部を、最も高温に維持する必要のある改質部と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部との間に、それら改質部の温度と選択酸化部の温度との間の温度に維持する必要のある変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設け、そのように改質部、変成部及び選択酸化部を設けた状態で、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度に制御するだけで、変成部は、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができるということを見出した。
つまり、図10に示すように、最も高温に維持する必要のある改質部3と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部6との間に、それら改質部3の温度と選択酸化部6の温度との間の温度に維持する必要のある変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設けると、図10において矢印にて示すように、改質部3から選択酸化部6に向かって伝熱して、選択酸化部6から放熱される。尚、図10において、4は、改質部3を加熱する燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部であり、10は、選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段としての冷却用ファンである。
そして、隣接するもの同士、図10では、改質部3と変成部5との間、及び、変成部5と選択酸化部6との間のそれぞれの伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように選択酸化部冷却手段としての冷却用ファン10の風量調節により冷却能力を調節するだけで、それら改質部3と選択酸化部6との間に位置する変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、変成処理温度になるようにすることができるのである。
要するに、改質部の温度と選択酸化部の温度を制御するだけの簡単な制御にて、改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持することができるようになった。
従って、簡単な制御にて改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に維持して運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を提供することができるようになった。
請求項2に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、
前記改質部における前記変成部が設けられている側とは反対側に、供給される水を前記燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、前記改質部における改質処理用の水蒸気を生成する水蒸気生成部を設けることにある。
請求項2に記載の運転制御方法によれば、改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、水蒸気生成部にて、供給される水を燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、改質部における改質処理用の水蒸気を生成するので、余分なエネルギを消費することなく、改質処理用の水蒸気を生成することができる。しかも、水蒸気生成部は、改質部における変成部が設けられている側とは反対側に設けることから、改質部からの放熱を抑制することができるので、改質部加熱手段におけるエネルギの消費量を低減することができる。
従って、エネルギ効率を向上して水素含有ガスを生成できるように運転できるようにする上で好ましい具体構成を提供することができる。
請求項3に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設することにある。
請求項3に記載の運転制御方法によれば、外形形状が偏平な板状の改質部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように、厚さ方向に並設するので、改質部、変成部及び選択酸化部の各部を厚さ方向に伝熱する状態で、改質部から選択酸化部に向かって伝熱する。
つまり、改質部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能な並設し、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に制御するだけで、変成部をそれぞれに適正な温度に維持することができるようにするに当たって、上述のように、改質部、変成部及び選択酸化部をそれぞれ偏平な板状に構成して、厚さ方向に並設することにより、改質部、変成部及び選択酸化部の各部における伝熱経路を短くして、伝熱経路に沿った温度勾配を小さくすることができ、もって、各部の温度分布を小さくすることができる。
従って、改質部と変成部と選択酸化部を、温度分布を小さくしながらそれぞれに適正な温度に維持して運転することができるので、本発明の運転制御方法を実施するのに好ましい具体構成を提供することができる。
請求項4に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、前記改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給し、
前記改質部と前記選択酸化部との間に、前記脱硫部及び前記変成部を並べて、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けることにある。
即ち、本発明の発明者らは、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給する場合に、改質処理温度、脱硫処理に適正な温度(以下、脱硫処理温度と記載する場合がある)、変成処理温度及び選択酸化処理温度においては、改質処理温度が最も高く、選択酸化処理温度が最も低く、脱硫処理温度と変成処理温度は、改質処理温度と選択酸化処理温度との間にあるということに鑑みて、運転制御方法を簡略化すべく鋭意研究した。ちなみに、脱硫処理温度は例えば150〜270°Cの範囲である。
そして、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、最も高温に維持する必要のある改質部と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部との間に、それら改質部の温度と選択酸化部の温度との間の温度に維持する必要のある脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設け、そのように改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を設けた状態で、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度に制御するだけで、脱硫部及び変成部は、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができるということを見出した。
つまり、図9に示すように、最も高温に維持する必要のある改質部3と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部6との間に、それら改質部3の温度と選択酸化部6の温度との間の温度に維持する必要のある脱硫部1及び変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設けると、図9において矢印にて示すように、改質部3から選択酸化部6に向かって伝熱して、選択酸化部6から放熱される。尚、図9において、4は、改質部3を加熱する燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部であり、10は、選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段としての冷却用ファンである。
そして、隣接するもの同士、図9では、改質部3と脱硫部1との間、脱硫部1と変成部5との間、及び、変成部5と選択酸化部6との間のそれぞれの伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように選択酸化部冷却手段としての冷却用ファン10の風量調節により冷却能力を調節するだけで、それら改質部3と選択酸化部6との間に位置する脱硫部1と変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度になるようにすることができるのである。
要するに、改質部の温度と選択酸化部の温度を制御するだけの簡単な制御にて、脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ脱硫処理温度、改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持することができるようになった。
従って、簡単な制御にて脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に維持して運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を提供することができるようになった。
請求項5に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記脱硫部及び前記変成部としてそれぞれ複数ずつを、前記脱硫部と前記変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けることにある。
請求項5に記載の運転制御方法によれば、脱硫部及び変成部としてそれぞれ複数ずつを、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、複数の脱硫部にて、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理し、複数の変成部にて、改質処理ガスを変成処理する。
つまり、脱硫処理温度と変成処理温度とは同様の温度範囲にあるので、脱硫部及び変成部としてそれぞれ複数ずつを、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けることにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度を制御するだけで、複数の脱硫部及び複数の変成部のそれぞれを、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができ、それら複数の脱硫部にて炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理することにより、脱硫処理能力を向上し、複数の変成部にて改質処理ガスを変成処理することにより、変成処理能力を向上することができる。
しかも、複数の脱硫部及び複数の変成部を、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように設けることにより、複数の脱硫部を処理対象ガスが順次流れるように、それらを管路にて接続し、又、複数の変成部を処理対象ガスが順次流れるように、それらを管路にて接続するに当たって、通流経路の順に並ぶもの同士を接続する管路の長さを長くすることが可能となるので、管路接続作業が容易となり、低廉化を図ることが可能となる。
ちなみに、複数の脱硫部及び複数の変成部を、脱硫部同士をまとめて隣接させて設け、変成部同士をまとめて隣接させて設けると、隣接するもの同士を管路にて接続する必要があるので、接続する管路の長さが短くなって、管路接続作業がし難くなる。
従って、簡単な制御にて脱硫処理能力及び変成処理能力を向上するように運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を、低廉化を図りながら提供することができるようになった。
請求項6に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスと前記改質部からの改質処理ガスとを熱交換させる熱交換部を、前記改質部と前記脱硫部又は前記変成部との間に設けることにある。
請求項6に記載の運転制御方法によれば、改質部と脱硫部又は変成部との間に設けた熱交換部にて、脱硫部からの脱硫原燃料ガスと改質部からの改質処理ガスとを熱交換させて、脱硫原燃料ガスを予熱して改質部に供給すると共に、改質処理ガスを冷却して変成部に供給する。
つまり、脱硫部から排出された状態の脱硫原燃料ガスは、脱硫部の温度に近い温度であり、その脱流原燃料ガスが供給される改質部の温度との差が大きく、一方、改質部から排出された状態の改質処理ガスは、改質部の温度に近い温度であり、その改質処理ガスが供給される変成部との温度差が大きい。そこで、脱硫部から排出された脱硫原燃料ガスと改質部から排出された改質処理ガスとを熱交換部にて熱交換させることにより、脱硫原燃料ガスを予熱するために余分なエネルギを消費することなく、且つ、改質処理ガスを冷却するために熱を捨てることなく、脱硫原燃料ガスを予熱して、改質部との温度差を小さくした状態で改質部に供給することができると共に、改質処理ガスを冷却して、変成部との温度差を小さくした状態で変成部に供給することができるようになる。
しかも、熱交換部に流入及び流出する各流体の温度は、改質部の温度と脱硫部又は変成部の温度との間の範囲内か、あるいはその範囲に近い温度であるので、熱交換部を、改質部と脱硫部又は変成部との間に設けることにより、改質部の温度、脱硫部又は変成部の温度をそれぞれに適正な温度に維持し易く、延いては、水素含有ガス生成装置の各部の温度をそれぞれに適正な温度に維持し易くなる。
従って、エネルギ効率を向上して水素含有ガスを生成することができながら、脱硫部、改質部、変成部及び選択酸化部それぞれの温度を一層的確に維持して運転することができるようにする上で好ましい具体構成を提供することができる。
請求項7に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記改質部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設することにある。
請求項7に記載の運転制御方法によれば、外形形状が偏平な板状の改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように、厚さ方向に並設するので、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部の各部を厚さ方向に伝熱する状態で、改質部から選択酸化部に向かって伝熱する。
つまり、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能な並設し、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に制御するだけで、脱硫部及び変成部をそれぞれに適正な温度に維持することができるようにするに当たって、上述のように、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部をそれぞれ偏平な板状に構成して、厚さ方向に並設することにより、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部の各部における伝熱経路を短くして、伝熱経路に沿った温度勾配を小さくすることができ、もって、各部の温度分布を小さくすることができる。
従って、脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部を、温度分布を小さくしながらそれぞれに適正な温度に維持して運転することができるので、本発明の運転制御方法を実施するのに好ましい具体構成を提供することができる。
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、水素含有ガス生成装置Pは、供給される天然ガス等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部1と、供給される原料水を加熱して水蒸気を生成する水蒸気生成部Sと、燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部4にて加熱されて、脱硫部1から供給される脱硫原燃料ガスを水蒸気生成部Sで生成された水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質部3と、改質部3から供給される改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理する変成部5と、その変成部5から供給される変成処理ガス中の一酸化炭素ガスを選択酸化することにより選択酸化処理する選択酸化部6と、水素含有ガス生成装置の運転を制御する制御部Cを備えて構成して、一酸化炭素ガス濃度の低い(例えば10ppm以下)水素リッチな水素含有ガスを生成するように構成してある。
CH4+H2O→CO+3H2
CO+H2O→CO2+H2
又、変成部5から排出された変成処理ガスと、水蒸気生成部Sへ供給する原料水とを熱交換させて、原料水を予熱する原料水予熱用熱交換器17を設けてある。
複数の容器Bのうちの一部は、一つの室を備えるように形成した単室具備容器Bmにて構成し、残りは、区画された二つの室を備えるように形成した双室具備容器Bdにて構成してある。
各単室具備容器Bmや、各双室具備容器Bdには、必要に応じて、流体供給用や流体排出用の接続ノズル44を内部の室と連通する状態で取り付けてある。
又、図示を省略するが、必要に応じて、容器Bの室内を蛇行状流路になるように構成して、流体の通流経路を長くしている。
8個の双室具備容器Bdの区別が明確になるように、便宜上、双室具備容器を示す符号Bdの後に、左からの並び順を示す符号1,2,3……………8を付す。
左から2個目の双室具備容器Bd2の左側の室を備えた部分を用いて燃焼部4を構成し、右側の室を備えた部分を用いて改質部3を構成してある。燃焼部4を構成する左側の室を、燃焼室に構成すると共に、その燃焼室内でガス燃料を燃焼させるように改質用バーナ4bを設け、改質部3を構成する右側の室には、ルテニウム、ニッケル、白金等の改質用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
単室具備容器Bmを用いて、保温用通流部7を構成してある。
左から6個目の双室具備容器Bd6の左側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部8を構成してある。
左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて、変成部5を構成してある。変成部を構成する各室内には、酸化鉄又は銅亜鉛の変成反応用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
つまり、変成部5は、左から5個目の双室具備容器Bd5、左から6個目の双室具備容器Bd6及び左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて構成して、変成部5は3台設けてある。
ネジ式連結手段は、ボルト45、一対のナット46及び一対のスプリングワッシャ47から成る。
各保持板49は、L字状に形成すると共に、各保持板49は、2本の補強用リブ48にて補強してある。
そして、ボルト45の両端夫々を、保持板49に挿通した状態で、両側からスプリングワッシャ47を介してナット46にて締め付けることにより、複数の容器Bを並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で並び方向両側から押し付けるようにしてある。又、スプリングワッシャ47の伸縮作用により、各容器Bの並び方向での膨張収縮も許容するようにしてある。
尚、一対の保持板49を立設して、その一対の保持板49にて支持する状態で、水素含有ガス生成装置Pを設置する。
最後段の変成部5と選択酸化部6とを接続するガス処理用流路22に、後述する原料水供給路25を流れる原料水を変成処理ガスにて予熱する原料水予熱用熱交換器17を設けると共に、変成処理ガスから凝縮水を除去するドレントラップ34を、その原料水予熱用熱交換器17よりも下流側の箇所に設けてある。
オフガス路24には、ガスの逆流を防止する逆止弁39を設け、ガス燃料供給路37を、オフガス路24における逆止弁39よりも下流側の箇所に接続すると共に、そのガス燃料供給路37に、ガス燃料の供給量を調節するガス燃料供給量調整弁38を設けてある。
改質部温度センサT1は、改質部3における改質処理ガスの出口部付近の温度を検出するように設け、選択酸化部温度センサT2は、偏平形状の選択酸化部6における面方向の中央部付近の温度を検出するように設けてある。
水素含有ガス生成装置Pを起動するときは、燃料電池Gからはオフガスが供給されないので、ガス燃料供給量調整弁38を開弁して、ガス燃料供給路37を通じて供給される都市ガスにて燃焼部4を燃焼させて、改質部3を加熱し、脱硫部用ヒータ32を加熱作動させて、脱硫部1を加熱し、変成部用ヒータ33を加熱作動させて変成部5を加熱する起動運転制御を行い、その起動運転制御は、改質部温度センサT1の検出温度が予め設定した設定改質処理温度になるまで継続する。
本発明においては、改質部3を設定改質処理温度に維持するように、燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を設定選択酸化処理温度に維持するように、冷却用ファン10の通風量を調節する。
すると、上述のように、改質部3と脱硫部1との間、脱硫部1と変成部5との間、変成部5と選択酸化部6との間、及び、燃焼部4と水蒸気生成部Sとの間のそれぞれの伝熱量を設定してあるので、脱硫部1と変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度に維持することができ、並びに、水蒸気生成部Sを成り行きにて水蒸気生成に適正な温度に維持することができる。
以下、制御部Cがガス生成運転における運転制御を実行するときの制御動作について説明する。
制御部Cは、改質部温度センサT1の検出温度が予め設定した設定改質処理温度になるように、ガス燃料供給量調整弁38及び燃焼用空気供給量調整弁40それぞれを制御して、燃焼部4の加熱能力を調節し、並びに、選択酸化部温度センサT2の検出温度が予め設定した設定選択酸化処理温度になるように、冷却用ファン10の作動を制御して冷却用の通風量、即ち、冷却能力を調節する。
原燃料ガス(13A)流量:4.0L(標準状態)/min
オフガス流量:10.1L(標準状態)/min
水蒸気生成用原料水(純水):12.0cc/min
選択酸化処理用空気流量:0.8L(標準状態)/min
制御部Cは、改質部温度センサT1の検出温度及び記憶している改質部温度制御情報に基づいて、検出温度に応じた都市ガス供給量及び燃焼用空気供給量になるように、ガス燃料供給量調整弁38及び燃焼用空気供給量調整弁40それぞれを制御する、所謂フィードフォワード制御を実行する。
又、選択酸化部温度センサT2の検出温度が設定選択酸化処理温度になるように、冷却用ファン10をオンオフさせる。
又、そのときの燃焼部4の温度は以下の通りであり、この燃焼部4の温度は、改質部3の温度と相関があるので、上述のように、改質部3を設定改質処理温度になるように燃焼部4の加熱能力を調節するための制御情報として、改質部温度センサT1の代わりに、燃焼部4の温度を検出する燃焼部温度センサを設けて、その燃焼部温度センサの検出温度に基づいて、改質部3を設定改質処理温度になるように燃焼部4の加熱能力を調節するように制御することも可能である。
変成部5の温度:238.9°C
水蒸気生成部Sの蒸発処理部2の温度:136.9°C
燃焼部4の温度:838.7°C
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第2実施形態を説明する。
上記の第1実施形態においては、水素含有ガス生成装置Pは、脱硫部1を一体的に組み付けて構成する場合について例示したが、図7に示すように、第2実施形態においては、脱硫部1は水素含有ガス生成装置Pに一体的に組み付けずに、外置きとしてある。それに伴って、第1実施形態において設けた脱硫部用ヒータ32及び原燃料ガス用熱交換器Eaを省略してある。
第2実施形態においては、7個の双室具備容器Bdと、1個の単室具備容器Bmを、側面視において左端から3個目に単室具備容器Bmを位置させた状態で、横方向に厚さ方向に並べて設けて、コンパクトに形成してある。
7個の双室具備容器Bdの区別が明確になるように、便宜上、双室具備容器を示す符号Bdの後に、左からの並び順を示す符号1,2,3……………7を付す。
左から5個目の双室具備容器Bd5の左側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部8を構成してある。
左から6個目の双室具備容器Bd6を用いて、変成部5を構成し、左から7個目(右端)の双室具備容器Bd7の左側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部9を構成し、右側の室を備えた部分を用いて選択酸化部6を構成してある。
つまり、変成部5は、左から4個目の双室具備容器Bd4、左から5個目の双室具備容器Bd5及び左から6個目の双室具備容器Bd6を用いて構成して、変成部5は3台設けてある。
一方、原燃料ガス供給路21から供給される原燃料ガスは、水蒸気路26からの水蒸気と混合し、続いて、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、改質部3に供給して燃焼部3にて加熱して改質処理し、その改質処理ガスを、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて脱硫原燃料ガスとの熱交換により冷却した後、3段の変成部5に順次供給して、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させて変成処理し、その変成処理ガスを原料水予熱用熱交換器17にて原料水との熱交換により冷却した後、選択酸化部6に供給して一酸化炭素ガスを選択酸化させて選択酸化処理する。
つまり、改質部3と変成部5との間は、改質部3の側から順に並ぶ断熱材19、脱硫原燃料ガス用熱交換器Ep、断熱材19及び下流側改質処理ガス通流部15にて伝熱量を設定し、変成部5と選択酸化部6との間は、変成部冷却用通流部9にて伝熱量を設定し、燃焼部4と水蒸気生成部Sとの間は、断熱材19にて伝熱量を設定してある。
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第3実施形態を説明する。
図8に示すように、第3実施形態においては、改質部3と選択酸化部6との間に、脱硫部1及び変成部5としてそれぞれ複数(本第3実施形態では3台)ずつを、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けてある。
そして、改質部3を改質処理に適正な温度に維持するように、燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、冷却用ファン10の通風量を調節して冷却能力を調節することにより、複数の脱硫部1がそれぞれ脱硫処理に適正な温度になり、複数の変成部5がそれぞれ変成処理に適正な温度になるように、隣接するもの同士の伝熱状態を予め設定してある。
第3実施形態においては、10個の双室具備容器Bdと、1個の単室具備容器Bmを、側面視において左端から3個目に単室具備容器Bmを位置させた状態で、横方向に厚さ方向に並べて設けて、コンパクトに形成してある。
10個の双室具備容器Bdの区別が明確になるように、便宜上、双室具備容器を示す符号Bdの後に、左からの並び順を示す符号1,2,3……………10を付す。
左から6個目の双室具備容器Bd6の左側の室を備えた部分を用いて、下流側改質処理ガス通流部15を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成してある。
左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて、脱硫部1を構成し、左から8個目の双室具備容器Bd8の左側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成し、右側の室を備えた部分を用いて変成部冷却用通流部8を構成してある。
左から9個目の双室具備容器Bd9を用いて、変成部5を構成し、左から10個目(右端)の双室具備容器Bd10の左側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部9を構成し、右側の室を備えた部分を用いて選択酸化部6を構成してある。
つまり、脱硫部1は、左から4個目の双室具備容器Bd4、左から5個目の双室具備容器Bd5及び左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて構成して、脱硫部1は3台設けてある。
又、変成部5は、左から6個目の双室具備容器Bd6、左から8個目の双室具備容器Bd8及び左から9個目の双室具備容器Bd9を用いて構成して、変成部5は3台設けてある。
そして、3台の脱硫部1及び3台の変成部5を、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように設けてある。
更に、第3実施形態においては、起動時に、水蒸気生成用加熱通流部11を加熱する水蒸気生成用ヒータ60、脱硫原燃料ガス通流部13を加熱する原燃料ガス用ヒータ61を設けてある。
3台の脱硫部1及び3台の変成部5を、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように設けることにより、複数の脱硫部1を処理対象ガスが順次流れるようにそれらをガス処理用流路22にて接続し、又、複数の変成部5を処理対象ガスが順次流れるようにそれらをガス処理用流路22にて接続するに当たって、通流経路の順に並ぶもの同士を接続するガス処理用流路22の長さを長くすることが可能となるので、接続作業が容易となる。
尚、図示は省略するが、第1実施形態と同様に、燃焼用空気バイパス路30、及び、空気経路切り換え用開閉弁35,36を設けてある。
一方、原燃料ガス供給路21から供給される原燃料ガスは、原燃料ガス用熱交換器Eaにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、3段の脱硫部1に順次供給して脱硫処理し、その脱硫原燃料ガスを水蒸気路26からの水蒸気と混合し、続いて、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、改質部3に供給して燃焼部3にて加熱して改質処理し、その改質処理ガスを、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて脱硫原燃料ガスとの熱交換により冷却し、更に、原燃料ガス用熱交換器Eaにて原燃料ガスとの熱交換により熱交換した後、3段の変成部5に順次供給して、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させて変成処理し、その変成処理ガスを原料水予熱用熱交換器17にて原料水との熱交換により冷却した後、選択酸化部6に供給して一酸化炭素ガスを選択酸化させて選択酸化処理する。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 脱硫部1、改質部3、燃焼部4、変成部5、選択酸化部6、水蒸気生成部S等、水素含有ガス生成装置Pを構成する各部の形状や配置形態は、上記の実施形態において例示したものに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、複数の円筒体51を同軸状に設けて、中心の円筒体51の内部、及び、隣接する円筒体51同士の間を用いて、脱硫部1、改質部3、燃焼部4、変成部5、選択酸化部6等、水素含有ガス生成装置Pを構成する各部をそれぞれ構成しても良い。
又、選択酸化部6を冷却する冷却手段として、通流する冷却水により選択酸化部6を冷却する冷却水ジャケット52を設け、その冷却水ジャケット52に冷却水を供給する冷却水供給路53に、冷却水の通流量を調節する冷却水ポンプ54を設けてある。
又、選択酸化部温度センサT2の検出温度が選択酸化処理温度になるように、冷却水ポンプ54の作動を制御する。
あるいは、燃焼部4に対するオフガスの供給量を調節するオフガス供給量調整弁を設けて、そのオフガス供給量調整弁の制御によるオフガス供給量の調節により、燃焼部4の加熱能力を調節するように構成しても良い。
又、上記の第3実施形態においては、脱硫部1及び変成部5をそれぞれ3台設ける場合について例示したが、脱硫部1及び変成部5を複数台設ける場合の台数は適宜変更可能であり、脱硫部1と変成部5の台数を異ならせても良い。又、脱硫部1と変成部5とを交互に並べるに当たって、その形態は上記の第3実施形態において例示した形態に限定されるものではなく、1台ずつ交互に並べても良い。
3 改質部
4 改質部加熱手段
5 変成部
6 選択酸化部
10 選択酸化部冷却手段
Ep 熱交換部
S 水蒸気生成部
Claims (7)
- 改質部加熱手段にて加熱されて、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気にて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質部と、前記改質部から供給される改質処理ガスをその改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成処理ガスをその変成処理ガス中の一酸化炭素を選択酸化することにより選択酸化処理する選択酸化部が設けられた水素含有ガス生成装置の運転制御方法であって、
前記選択酸化部を冷却する選択酸化部冷却手段を設け、
前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、前記改質部と前記選択酸化部との間に前記変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
前記改質部を改質処理に適正な温度に維持するように、前記改質部加熱手段の加熱能力を調節し、且つ、前記選択酸化部を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、前記選択酸化部冷却手段の冷却能力を調節する水素含有ガス生成装置の運転制御方法。 - 前記改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、
前記改質部における前記変成部が設けられている側とは反対側に、供給される水を前記燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、前記改質部における改質処理用の水蒸気を生成する水蒸気生成部を設ける請求項1記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。 - 前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設する請求項1又は2記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
- 炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、前記改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給し、
前記改質部と前記選択酸化部との間に、前記脱硫部及び前記変成部を並べて、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設ける請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。 - 前記脱硫部及び前記変成部としてそれぞれ複数ずつを、前記脱硫部と前記変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設ける請求項4記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
- 前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスと前記改質部からの改質処理ガスとを熱交換させる熱交換部を、前記改質部と前記脱硫部又は前記変成部との間に設ける請求項4又は5記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
- 前記改質部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設する請求項4〜6のいずれか1項に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
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