JP2007298534A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストかつ簡易な構造で焦点合わせ時の鳴きを防止する。
【解決手段】本発明においてはシャフト34を弾性リブ34によって付勢することにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36との間の隙間を消失させる。これにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが回転する間に、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが微衝突することが防止でき、これらの間において焦点合わせの際に生じる鳴きを防止することができる。
【選択図】図4
【解決手段】本発明においてはシャフト34を弾性リブ34によって付勢することにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36との間の隙間を消失させる。これにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが回転する間に、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが微衝突することが防止でき、これらの間において焦点合わせの際に生じる鳴きを防止することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、プロジェクタに関し、特に焦点合わせが可能な投射レンズを備えたプロジェクタに関する。
一般的なマニュアルフォーカスレンズでは、筒状の筐体の外側に設けられたリーング状の可動部材を回転させることにより、焦点合わせを行うことができる。このようなマニュアルフォーカスレンズをプロジェクタの投射レンズに適用する場合、プロジェクタの筐体内に収容された投射レンズの可動部材をプロジェクタの筐体外の操作によって回転させるための駆動力伝達機構が必要となる。このような駆動力伝達機構では、いくつかの歯車を介して焦点合わせ用の可動部材に駆動力を伝達することとなる。通常、歯車を噛合させる際には、グリス等の潤滑剤を噛合部に塗布して歯車の鳴きを防止するが、グリス等を焦点合わせ用の駆動力伝達機構の歯車に塗布することはできない。強力な光源を要するプロジェクタの投射レンズが配置される部位は非常に高温となり、駆動力伝達機構に塗布されたグリス等が気化してレンズを曇らせるからである。
一方、歯車の鳴きを防止する機構として、スプリングによって一方の歯車を付勢するものが提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。かかる構成においては、歯車の回転時において互いの歯車の隙間を消失させることができ、鳴きを緩和することが可能であった。
特開2003−155129
上述したようにスプリングを組み付けるのはプロジェクタの組み立て工程において煩雑であるとともに、コストが増加するという問題があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、低コストかつ簡易な構造で焦点合わせ時の鳴きを防止することができるプロジェクタの提供を目的とする。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、低コストかつ簡易な構造で焦点合わせ時の鳴きを防止することができるプロジェクタの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項2にかかる発明では、投射光を生成する光源と、入力した映像信号に基づいて上記投射光を加工する映像再生部と、回転させることにより焦点を合わせる焦点調整用歯車を備える投射レンズと、上記投射光を上記投射レンズに導入する光学系と、これらを収容する筐体とを備えるプロジェクタにおいて、
略円柱状のシャフトと、上記シャフトの一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられる第1歯車と、上記第1歯車の回転駆動力を供給する駆動源と、上記シャフトにおける上記第1歯車が備えられる側とは反対側の一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられ、上記焦点調整用歯車と噛合する第2歯車と、上記シャフトにおける上記第1歯車側を軸受けし、同シャフトよりもわずかに広径な略円形状の円軸受と、上記シャフトにおける上記第2歯車側を軸受けする略長穴状の長軸受と、上記長軸受の長径方向から上記シャフトに接触することにより上記焦点調整用歯車に上記第2歯車を接近させるように同シャフトを付勢する弾性リブとをことを構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、光源が備えられ、当該光源にて生成された投射光が映像再生部に入力される。この映像再生部においては、映像信号に基づいて上記投射光が加工される。例えば、各画素について、RGBの波長帯域ごとに光量を調整することにより、カラー画像が再現できるように上記投射光を加工する。むろん、モノクロ画像が再現できるように上記投射光を加工するようにしてもよいし、他の要素色の組み合わせによってカラー画像を再現するようにしてもよい。上記映像再生部にて加工された上記投射光は所定の光学系を経由して投射レンズに導入される。例えば、上記光学系はミラーやレンズやプリズム等で構成することができる。上記投射レンズに導入された上記投射光は、当該投射レンズにて映写幕に適正な大きさで投射できるように拡大倍率が調整される。上記投射レンズには焦点調整用歯車が備えられ、当該焦点調整用歯車を回転させることにより、映写幕におけるピンぼけを抑止するよう焦点を合わせることができる。具体的には、上記投射レンズを構成する少なくとも一つのレンズの位置を光軸に沿った方向に微調整することにより、焦点を合わせることができる。
また、略円柱状のシャフトが備えられ、第1歯車が当該シャフトの一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられる。この第1歯車に対して、所定の駆動源が回転駆動力を供給する。これにより上記シャフトも回転することとなる。一方、上記シャフトにおける上記第1歯車のもう一端には、当該シャフトと軸心を略一致させる第2歯車が備えられる。この第2歯車は上記シャフトの回転とともに回転し、上記焦点調整用歯車と噛合することにより、当該焦点調整用歯車も回転させることができる。上記シャフトよりもわずかに広径な略円形状の円軸受が備えられ、当該円軸受が上記シャフトにおける上記第1歯車側を軸受けする。これにより、上記シャフトにおける上記第1歯車側の回転軸の位置を略固定することができる。一方、上記シャフトにおける上記第2歯車側は、略長穴状の長軸受によって軸受けされる。これにより、上記シャフトにおける上記第1歯車側の回転軸の位置を、上記長軸受の短径方向には略固定し、長径方向には変動できるようにすることができる。さらに、弾性リブが備えられ、当該弾性リブが上記シャフトに対して上記長軸受の長径方向から接触する。これにより、上記焦点調整用歯車に上記第2歯車を接近させるように同シャフトが付勢される。上記駆動源が回転駆動力を供給することにより、上記第2歯車と上記焦点調整用歯車が互いに回転しながら回転駆動力を伝達するが、その際に上記弾性リブの付勢力によって、上記第2歯車を上記焦点調整用歯車に追従させることができる。すなわち、常に上記第2歯車と上記焦点調整用歯車とを密着させておくことができ、これらが隙間を隔てた状態から衝突することにより発生する鳴きを抑制することができる。
そして、請求項3にかかる発明では、長軸受の長径の延長線上に上記焦点調整用歯車の軸心が位置する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明において、上記長軸受において上記シャフトが移動可能な方向を意味する長径の延長線上に上記頂点調整用歯車の軸心を位置させることにより、上記弾性リブによる付勢力を上記頂点調整用歯車の軸心に向かうように作用させることができる。これにより、効率よく上記第2歯車を上記頂点調整用歯車に追従させることができるとともに、上記頂点調整用歯車の回転方向に上記付勢力の分力が生じることが防止でき、上記頂点調整用歯車が意図せず回転することが防止できる。
さらに、請求項4にかかる発明では、上記弾性リブは、自由端側が上記シャフトに接触する片持ち梁状に形成されるとともに、自由端側に近づくにつれて断面積が徐々に減少する構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明において、上記弾性リブは片持ち梁状に形成されるとともに、その自由端側にて上記シャフトに接触する。また、上記弾性リブは世自由端側になるにつれ細くなるように形成され、次第に断面積を減少させる。これにより、上記シャフトと接触する自由端側の柔軟性を確保することができ、上記弾性リブの上記記シャフトに対する追従性を確保することができる。
さらに、請求項5にかかる発明では、上記弾性リブにおける上記シャフトと接触する部位は平面状に形成される構成としてある。
上記のように構成した請求項5の発明において、上記シャフトに対して上記弾性リブは平面にて接触することができ、これらの接触に際して上記弾性リブが上記シャフトに対して密着することにより、カタつきを防止することができる。
さらに、請求項6にかかる発明では、上記弾性リブは、上記シャフトの中央よりも上記第2歯車側にて同シャフトと接触する構成としてある。
上記のように構成した請求項6の発明において、上記弾性リブを上記シャフトの中央よりも上記第2歯車側に接触させることにより、上記第2歯車側を強く付勢し、上記第1歯車側があまり付勢されないようにすることができる。
さらに、請求項7にかかる発明では、上記動力源は、手回部材であり、同手回部材が備える歯車と噛合するラックが往復駆動することにより上記第1歯車の回転駆動力が供給される構成としてある。
上記のように構成した請求項7の発明において、手回部材を手で回すことにより、当該同手回部材が備える歯車と噛合するラックが往復駆動する。そして、当該ラックが往復駆動することにより、上記第1歯車の回転駆動力を供給することができる。上記ラックを設けることにより、各部材の設置位置の自由が低いプロジェクタにおいても、手回しのしやすい位置に上記手回部材を配置することができる。
以上説明したように本発明によれば、低コストかつ簡易な構造で焦点合わせ時の鳴きを防止することができる。
請求項3にかかる発明によれば、効率よく歯車同士を追従させることができる。
請求項4にかかる発明によれば、長軸受におけるシャフトの移動量を大きく確保することができる。
請求項5にかかる発明によれば、弾性リブのカタつきを防止することができる。
請求項6にかかる発明によれば、効率よく弾性リブの付勢力を利用することができる。
請求項7にかかる発明によれば、プロジェクタをコンパクトに形成することができる。
請求項1のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜請求項4の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
請求項3にかかる発明によれば、効率よく歯車同士を追従させることができる。
請求項4にかかる発明によれば、長軸受におけるシャフトの移動量を大きく確保することができる。
請求項5にかかる発明によれば、弾性リブのカタつきを防止することができる。
請求項6にかかる発明によれば、効率よく弾性リブの付勢力を利用することができる。
請求項7にかかる発明によれば、プロジェクタをコンパクトに形成することができる。
請求項1のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜請求項4の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態のプロジェクタを説明する。
(1)プロジェクタの構成
(2)駆動力伝達機構の構成
(3)まとめ
(1)プロジェクタの構成
(2)駆動力伝達機構の構成
(3)まとめ
(1)プロジェクタの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるプロジェクタを斜めから見て示している。プロジェクタ10は、略箱型形状の筺体16を有しており、この筐体16の下部に備えられた脚部16a,16bによって適正な姿勢で設置される。脚部16a,16bには、図示しない高さ調整機構が設けられ、映写角度を調整することができる。筺体16の上面には穴が設けられており、この穴から手回レバー33aが上方に突出している。手回レバー33aは手で摘むことが可能となっており、手回レバー33aを摘んで回転させることが可能となっている。手回レバー33aが設けられた部位の周辺の下方においては、筺体16の前面側に投射レンズ17の前方部分が露出している。
図1は、本発明の一実施形態にかかるプロジェクタを斜めから見て示している。プロジェクタ10は、略箱型形状の筺体16を有しており、この筐体16の下部に備えられた脚部16a,16bによって適正な姿勢で設置される。脚部16a,16bには、図示しない高さ調整機構が設けられ、映写角度を調整することができる。筺体16の上面には穴が設けられており、この穴から手回レバー33aが上方に突出している。手回レバー33aは手で摘むことが可能となっており、手回レバー33aを摘んで回転させることが可能となっている。手回レバー33aが設けられた部位の周辺の下方においては、筺体16の前面側に投射レンズ17の前方部分が露出している。
図2は、プロジェクタ10の内部構成を上方から見て示している。同図において、投射レンズ17は略筒状に形成されており、筐体16の内部に後方部分が収容されている。投射レンズ17の前方部分は円筒状に形成されており、その一部を一周取り囲むように複数の歯を周期的に配列させた焦点調整用歯車17aが設けられている。焦点調整用歯車17aは筐体16の内部にある。焦点調整用歯車17aは投射レンズ17において回転可能に保持されており、その回転に従って投射レンズ17の内部に備えられた拡大レンズの位置を前後方向に微調整することができる。筐体16の内部における投射レンズ17の上部には後に詳述する駆動力伝達機構30を取り付けることができる。駆動力伝達機構30には上述した手回レバー33aが備えられており、投射レンズ17の上部に駆動力伝達機構30を取り付けつつ筐体16を組み付けることにより、図1のように手回レバー33aを筐体16の上面から突出させることができる。光学ユニット14は、プロジェクタ10の筐体16内部において投射レンズ17の側方に備えられる。その他、筐体16の内部には映像信号処理基板や電源基板や空冷ファンや各種のコネクタ等が備えられる。
図3は、光学ユニット14および投射レンズ17の構成を模式的に示している。同図において、光学ユニット14は、投射光を生成するとともに、この投射光を映像信号に基づいて加工されたRGBの光に変換し、変換した投射光を投射レンズ17に対して出力する。光学ユニット14は、光源14aとカラーホイル14bとライトパイプ14cとイルミネーションレンズ14dとミラー14eとDMD14fとから構成されている。光源14aは、光学ユニット14を筐体16に収容したときに筐体16の前方側の側方に配置され、RGBの各波長成分を含む白色光を生成する。また、光源14aは光源14aから後方に出射した光を反射させる放物面形状のリフレクタ14a1を備えており、光源14aにて生成した光を、カラーホイル14bに向けて出射させるようになっている。光源14aとしては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等を用いることが可能である。また、リフレクタ14a1としては、例えば、放物面鏡や、楕円面鏡等を用いることが可能である。
カラーホイル14bは、略円盤形状を有しており、筺体16の幅方向と略並行に配置され、RGBの3色のカラ−フィルタが等間隔に配置されている。カラーホイル14bは、所定の角度範囲ごとに異なる分光用フィルタを構成する円盤状のカラーフィルタを、所定速度で回転させるとともに、光源14aから出射した白色光が上記分光フィルタを通過することで、R、G、Bの光に順次分離される。ライトパイプ14cは、断面視略矩形状の柱状体であり、筺体16の幅方向に配向しつつ、カラーホイル14bを通過した光を略平行な光に変換して、後述するミラー14eへ案内する。
ミラー14eは、筺体16の前方側であって光源14aとは反対の側方に配置され、ライトパイプ14cから射出される平行光を後方側上方であって幅方向には反対側に反射させる。また、イルミネーションレンズ14d1は、ライトパイプ14cからの光をミラー14eに集光させるためのものであり、イルミネーションレンズ14d2は、ミラー14eにより反射した光をDMD14fに集光させるためのものである。
DMD14fは、ミラー14eにて反射された平行光が照射される位置に配置され、RGBの各光を画素毎に変調する変調素子としてのマイクロミラーを複数備えている。マイクロミラーは所定の配列で配置しているとともに、映像信号処理部11dから出力されるRGB信号に基づいて個別に駆動制御され、反射面の角度を所定角度(例えば、12度)傾斜させることが可能となっている。DMD14fはRGB信号に基づいて上記各マイクロミラーを時分割駆動させることでミラー14eにて反射された光の輝度を変化させる。これによりDMD14fは所定の映像を形成するように投射光を加工しつつ、投射レンズ17に向けて反射させる。この意味で、DMD14fは本発明の映像再生部に相当する。ライトパイプ14cとイルミネーションレンズ14dとミラー14eとDMD14fは、全体で光源14aにて生成した投射光を投射レンズに導入する機能を果たすため、本発明の光学系に相当する。
投射レンズ17は、筺体16の前方に向けた光軸を有しDMD14fによって変調された画像光をスクリーンに拡大投影するためのものである。投射レンズ17は、RGBの各色光の色収差等に起因する投影画像の不鮮明を防止する目的で、複数の集光素子を光軸方向に沿って配置した組レンズとして構成されている。図3における2点鎖線の矢印は、投射光の進行方向を示している。光源14aから出射した白色の投射光は、カラーホイル14bによりRGBの各色光に分離され、同分離された投射光はライトパイプ14cにより集められ、ミラー14eに案内される。ライトパイプ14cから出射した投射光は、ライトパイプ14cとミラー14eとの間に介在するイルミネーションレンズ14d1により集光されてミラー14eに入射し、ミラー14eにより後方に反射される。ミラー14eにより反射された投射光は、イルミネーションレンズ14d2により集光されてDMD14fに入射する。そして、DMD14fにより加工された投射光は、投射レンズ17によりスクリーンに拡大投影される。
(2)駆動力伝達機構の構成:
図4は、駆動力伝達機構30の構成を示している。同図において、駆動力伝達機構30は、本体部31とラック部材32と手回部材33とシャフト34と第1歯車35と第2歯車36とから構成されている。本体部31はABS樹脂で形成されており、ラック部材32の長穴32cを挿通させつつネジ31bをネジ止めすることによりラック部材32が連結されている。なお、本体部31は適度な弾性および可撓性を有していればよく、他の樹脂素材で形成されていてもよいし、金属で形成されてもよい。ネジ31bのネジ止め量はネジ31bの頭部がラック部材32を押しつけない程度とされており、ラック部材32は本体部31に対して長穴32cの長径方向にスライド可能になっている。本体部31には手回部材33の回転軸33bを軸受けするための穴31aが形成されており、穴31aに回転軸33bを差し込んで本体部31に手回部材33が組み付けられる。
図4は、駆動力伝達機構30の構成を示している。同図において、駆動力伝達機構30は、本体部31とラック部材32と手回部材33とシャフト34と第1歯車35と第2歯車36とから構成されている。本体部31はABS樹脂で形成されており、ラック部材32の長穴32cを挿通させつつネジ31bをネジ止めすることによりラック部材32が連結されている。なお、本体部31は適度な弾性および可撓性を有していればよく、他の樹脂素材で形成されていてもよいし、金属で形成されてもよい。ネジ31bのネジ止め量はネジ31bの頭部がラック部材32を押しつけない程度とされており、ラック部材32は本体部31に対して長穴32cの長径方向にスライド可能になっている。本体部31には手回部材33の回転軸33bを軸受けするための穴31aが形成されており、穴31aに回転軸33bを差し込んで本体部31に手回部材33が組み付けられる。
手回部材33は回転軸33bと手回歯車33cと手回レバー33aとから構成されている。手回歯車33cは回転軸33bを中心とする略円盤状に形成されており、円周に沿って周期的な歯が設けられている。手回部材33は回転軸33bを軸として回転することができる。駆動力伝達機構30をプロジェクタ10の本体に組み付け、さらに筐体16を組み付けることにより、図1のように手回レバー33aを筐体16の上部に突出させ、手回レバー33aを摘んで回転させることにより、手回部材33の全体が回転することとなる。手回部材33を本体部31に組み付けると、ラック部材32の第1ラック32aと手回歯車33cとが噛み合う。第1ラック32aは略板状のラック部材32における一方の長辺の一部を略垂直に立ち上げ、その内側に歯を周期的に配列することにより形成されている。
手回歯車33cが回転することにより、これに噛合するラック部材32に駆動力が伝達され、第1ラック32aの歯が配列する方向にラック部材32が駆動することとなる。第1ラック32aの歯は長穴32cの長径方向と平行に配列されており、ラック部材32は長穴32cの長径方向に駆動力を受け、この方向に直線駆動することとなる。手回部材33はいずれの方向にも回転駆動することが可能であるため、ラック部材32は長穴32cの長径方向の往復駆動が可能となる。ラック部材32の長辺であって第1ラック32aとは反対側の辺において下方に向かって突出する歯を複数周期的に配列することより第2ラック32bが設けられている。第2ラック32bを構成する歯の配列方向は、長穴32cの長径方向および第1ラック32aにおける歯の配列方向と一致している。従って、ラック部材32が往復駆動することにより、第2ラック32bもその歯の配列方向に往復駆動することとなる。また、第1ラック32aはラック部材32の長辺方向の一端側から形成されており、その反対側の端部から第2ラック32bが形成されている。
本体部31は、ラック部材32の往復駆動を妨げないようにラック部材32の第2ラック32b側に延設されているとともに、ラック部材32に対して短辺方向外側から摺接することにより、ラック部材32の長穴32cの長径方向に沿った往復駆動をガイドする。さらに、本体部31は、ラック部材32が往復駆動する方向とは直交する方向へ板状部31fが延設されており、板状部31fにおけるラック部材32に摺接する部位、および、板状部31fにおけるラック部材32とは最も離れた先端部位において、それぞれ板状の軸受板31d,31eが下方に垂設されている。軸受板31d,31eの先端部はラック部材32よりも下方に到達している。
図5は、軸受板31d,31eを斜めから見て示している。軸受板31d,31eにおけるラック部材32よりも下方となる部位において、それぞれ貫通穴を形成することにより円軸受31d1と長軸受31e1が設けられている。円軸受31d1は略円形である。円軸受31d1と長軸受31e1の高さ方向の径は同一であるが、軸受板31d,31eの幅方向の径は長軸受31e1の方が長く形成されている。すなわち、長軸受31e1が長穴状となっている。
図4において、円軸受31d1と長軸受31e1によって円柱状のシャフト34が軸受けされている。シャフト34は剛性の高い金属材料で構成されており、例えばステンレス等で形成することができる。円軸受31d1の直径および長軸受31e1の高さ方向の短径は、シャフト34の径よりもわずかに大きく形成されており、シャフト34を回転可能に挿通させることができる。シャフト34におけるラック部材32側の端部には、第1歯車35が接合されている。一方、シャフト34における第1歯車35が備えらた側とは反対側の一端において第2歯車36がシャフト34と接合されている。略円盤状の第1歯車35と第2歯車36は耐摩耗性の優れた樹脂で形成されており、それぞれ軸心をシャフト34の軸心に一致させている。
シャフト34を円軸受31d1と長軸受31e1にて軸受けすると、第1歯車35はラック部材32の下面に設けられた第2ラック32bに下方から噛合する。これにより、ラック部材32が往復駆動するのにしたがって第1歯車35がいずれかの方向に回転駆動し、第1歯車35と接合されたシャフト34と第2歯車36も同様に回転駆動することとなる。図4に示すように、シャフト34を円軸受31d1と長軸受31e1にて軸受した状態において、第2歯車36は波線の焦点調整用歯車17aと噛合する。また、シャフト34の軸心と、焦点調整用歯車17aの中心の高さはほぼ一致している。
以上の構成により、駆動源としての手回レバー33aの駆動力を手回歯車33とラック部材32と第1歯車35とシャフト34と第2歯車36を介して焦点調整用歯車17aに伝達することができる。すなわち、手回レバー33aを手で回転させることによって焦点調整用歯車17aをいずれかの方向に回転させることができ、使用者が焦点合わせを行うことができる。なお、焦点合わせは映写幕に投射された映像を使用者が視認しながら、最適な回転位置に手回レバー33aを回転させることにより行われる。ラック部材32を用いて直線移動を併用することにより、各歯車の設置位置に自由度が増し、筐体16をコンパクトに形成することができる。
図4および図5においては板状部31fから下方に向かって弾性リブ31cが垂設されており、その先端はシャフト34よりも下方に到達している。板状部31fは概略板状に形成されており、シャフト34を挟んで焦点調整用歯車17aとは反対側に位置している。シャフト34よりも下方に到達した弾性リブ31cの先端付近がシャフト34に対して焦点調整用歯車17aとは反対側から接触する。これにより、長軸受31e1の長径方向にシャフト34の第2歯車36側は動くことが可能であるが、長軸受31e1における焦点調整用歯車17a側の壁面にシャフト34を拘束することができる。ただし、弾性リブ31cは弾性および可撓性を有するため、弾性リブ31cが焦点調整用歯車17aの反対側に撓むことにより、シャフト34が当該方向に変位することを許容することができる。弾性リブ31cは上端が板状部31fと接合しているため、上方から片持ち支持された梁状とされているため、下方の自由端を変位させるように撓むことができる。シャフト34における第1歯車35側は、径がシャフト34よりもわずかに大きい円形状の円軸受31d1にて軸受けされているため、いずれの方向にも変位することはなく、第1歯車35側の変位によってシャフト34が直線状のまま傾くこととなる。
シャフト34の第2歯車36側が変位するためには、弾性リブ31cが変位分だけ撓むための力が焦点調整用歯車17a側からシャフト34に作用する必要がある。なお、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが最も深く噛み合う状態、すなわち焦点調整用歯車17aと第2歯車36が最も接近する状態において、長軸受31e1における焦点調整用歯車17a側の壁面にシャフト34がほぼ接触し、弾性リブ31cの撓み量が極わずかとなる。また、このときシャフト34に対してラック部材32の長辺方向がほぼ垂直となる。これにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが最も深く噛み合う状態において、焦点調整用歯車17aに対して第2歯車36をわずかに押しつける弾性リブ31cの復元力を作用させることができる。
一方、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが最も深く噛み合わない状態、例えば両者の歯の先端同士が接触しているような状態においては、第2歯車36が焦点調整用歯車17aの反対側に押し出され、それとともにシャフト34も焦点調整用歯車17aから遠い位置となる。この場合も、弾性リブ31cは焦点調整用歯車17aの反対側に撓み、焦点調整用歯車17aに対して第2歯車36を押しつける弾性リブ31cの復元力を作用させることができる。すなわち、焦点調整用歯車17aと第2歯車36がどのような回転位置にある状態であっても、焦点調整用歯車17aに対して第2歯車36が接近するように当該第2歯車36を付勢することができる。
このようにすることにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが停止している間、および、これらが互いに回転する間において、これらの間の隙間を消失させることが防止できるとともに、これらの間に適度な摩擦抵抗を生じさせることができる。焦点調整用歯車17aと第2歯車36が互いに回転する期間において常に隙間が生じることなく、両者が追従するため、両者が衝突することにより生じる鳴きを防止することができる。また、焦点調整用歯車17aと第2歯車36との間に適度な摩擦抵抗を生じさせることができるため、焦点調整用歯車17aと第2歯車36が不必要に擦れ合うことによって生じる鳴きを防止することができる。また、長軸受31e1の長径の延長線上に焦点調整用歯車17aの中心が位置するため、弾性リブ31cの付勢力が作用する長軸受31e1の長径の延長線上に焦点調整用歯車17aと第2歯車36の軸心が双方とも位置することとなる。従って、弾性リブ31cの付勢力が長軸受31e1の長径方向以外の方向に分解され、その分力によって焦点調整用歯車17aと第2歯車36を意図せず回転させることが防止できる。
図6は、弾性リブ31cを斜めから見て示している。同図において、シャフト34に沿った方向について幅を有する略板状に形成されており、幅方向中央部31c1の厚みが両側の端部31c2,31c2の厚みよりも厚く形成されている。シャフト34に最も近くなる中央部31c1にてシャフト34と弾性リブ31cとが接触することとなる。中央部31c1における厚み方向外側の両面は平面状に形成されているため、弾性リブ31cを平面にてシャフト34に接触させることができる。このようにすることにより、弾性リブ31cとシャフト34とを安定して接触させることができ、弾性リブ31cとシャフト34の間でカタつきが生じることが防止できる。すなわち、弾性リブ31cの撓みにともなってシャフト34が傾いたときでも、中央部31c1をシャフト34の傾きに追従させることができる。その際に、弾性リブ31cがねじれることとなるが、端部31c2,31c2を薄くしてねじり剛性を抑制しているため、適度にねじりを許容することができる。
また、中央部31c1と端部31c2,31c2のいずれにおいても自由端側の厚みが薄くなるように形成されている。同様に、中央部31c1と端部31c2,31c2のいずれにおいても自由端側の幅が狭くなるように形成されている。このようにすることにより、自由端側の可撓性を確保し、中央部31c1をシャフト34の傾きに追従させることができる。
(3)まとめ:
以上説明したように、本発明においてはシャフト34を弾性リブ34によって付勢することにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36との間の隙間を消失させる。これにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが回転する間に、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが微衝突することが防止でき、これらの間において焦点合わせの際に生じる鳴きを防止することができる。
以上説明したように、本発明においてはシャフト34を弾性リブ34によって付勢することにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36との間の隙間を消失させる。これにより、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが回転する間に、焦点調整用歯車17aと第2歯車36とが微衝突することが防止でき、これらの間において焦点合わせの際に生じる鳴きを防止することができる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
10…プロジェクタ、14…光学ユニット、14a…光源、14a1…リフレクタ、14b…カラーホイル、14c…ライトパイプ、14d1、14d2…イルミネーションレンズ、14e…ミラー、14f…DMD、16…筐体、16a,16b…脚部、17…投射レンズ,17a…焦点調整用歯車、30…駆動力伝達機構、31…本体部、31a…穴、31b…ネジ、31c…弾性リブ、31c1…中央部、31c2…端部、31d,31e…軸受板,31d1…円軸受,31e1…長軸受,31f…板状部、32…ラック部材,32a…第1ラック,32b…第2ラック,32c…長穴,33…手回部材、33a…手回レバー,33b…回転軸
Claims (7)
- 投射光を生成する光源と、入力した映像信号に基づいて上記投射光を加工する映像再生部と、回転させることにより焦点を合わせる焦点調整用歯車を備える投射レンズと、上記投射光を上記投射レンズに導入する光学系と、これらを収容する筐体とを備えるプロジェクタにおいて、
金属で形成された略円柱状のシャフトと、
上記シャフトの一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられる合成樹脂製の第1歯車と、
上記筐体から外側に突出する手回部材が回転することにより、当該手回部材に備えられた歯車と噛合するラックが往復駆動して上記第1歯車に回転駆動力を供給する駆動源と、
上記シャフトにおける上記第1歯車が備えられる側とは反対側の一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられ、上記焦点調整用歯車と噛合する合成樹脂製の第2歯車と、
上記シャフトにおける上記第1歯車側を軸受けし、同シャフトよりもわずかに広径な略円形状の円軸受と、
上記シャフトにおける上記第2歯車側を軸受けし、長径の延長線上に上記焦点調整用歯車の軸心が位置する略長穴状の長軸受と、
片持ち支持された自由端側に近づくにつれて断面積を徐々に減少させるとともに、幅方向中央部が幅方向外側よりも厚い略板状に形成され、当該自由端側の平面部にて上記長軸受の長径方向から上記シャフトに接触することにより上記焦点調整用歯車に上記第2歯車を接近させるように同シャフトを付勢する弾性リブとを具備することを特徴とするプロジェクタ。 - 投射光を生成する光源と、入力した映像信号に基づいて上記投射光を加工する映像再生部と、回転させることにより焦点を合わせる焦点調整用歯車を備える投射レンズと、上記投射光を上記投射レンズに導入する光学系と、これらを収容する筐体とを備えるプロジェクタにおいて、
略円柱状のシャフトと、
上記シャフトの一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられる第1歯車と、
上記第1歯車の回転駆動力を供給する駆動源と、
上記シャフトにおける上記第1歯車が備えられる側とは反対側の一端において同シャフトと軸心を略一致させるように備えられ、上記焦点調整用歯車と噛合する第2歯車と、
上記シャフトにおける上記第1歯車側を軸受けし、同シャフトよりもわずかに広径な略円形状の円軸受と、
上記シャフトにおける上記第2歯車側を軸受けする略長穴状の長軸受と、
上記長軸受の長径方向から上記シャフトに接触することにより上記焦点調整用歯車に上記第2歯車を接近させるように同シャフトを付勢する弾性リブとを具備することを特徴とするプロジェクタ。 - 長軸受の長径の延長線上に上記焦点調整用歯車の軸心が位置することを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
- 上記弾性リブは、
自由端側が上記シャフトに接触する片持ち梁状に形成されるとともに、
自由端側に近づくにつれて断面積が徐々に減少することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載のプロジェクタ。 - 上記弾性リブにおける上記シャフトと接触する部位は平面状に形成されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタ。
- 上記弾性リブは、上記シャフトの中央よりも上記第2歯車側にて同シャフトと接触することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載のプロジェクタ。
- 上記動力源は、手回部材であり、同手回部材が備える歯車と噛合するラックが往復駆動することにより上記第1歯車の回転駆動力が供給されることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載のプロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006123792A JP2007298534A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | プロジェクタ |
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JP2006123792A Pending JP2007298534A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | プロジェクタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012118124A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Ricoh Co Ltd | 画像投射装置 |
-
2006
- 2006-04-27 JP JP2006123792A patent/JP2007298534A/ja active Pending
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