JP2007296932A - 自動車の車体後部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車の車体後部構造10は、フレーム傾斜部52が下側部位53から上側部位54に向けて徐々に細幅に形成されるとともに、その内部に沿ってミドルスチフナ58が車体前後方向に向けて設けられ、このミドルスチフナ58は、内外のスチフナ側壁73,74およびスチフナ底壁75で上方に開口した断面コ字状に形成され、内外のスチフナ側壁73,74がリヤフレームの内外の側壁47,48に接合されるとともに、スチフナ底壁75とリヤフレームの底壁49との間隔がフレーム傾斜部52の下側部位53から上側部位54に向けて徐々に減少するようにミドルスチフナ58を配置した。
【選択図】図4
Description
車体後部構造のなかには、後輪用のリヤアクスルを車幅方向に延ばすために、左右のリヤフレームを車体後方に向けて上り勾配で立ち上げ、左右のリヤフレーム内に補強用のリインフォースメント(スチフナ)を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1のリヤフレームは前端から後端まで同じ幅に形成されているため、シートに着座した乗員の足元空間を確保することが難しい。
これにより、リヤフレーム後端部に前向きの衝撃力が作用した場合に、リヤフレーム後端部に作用した衝撃力をスチフナで受けることができる。
したがって、衝撃力で傾斜部が変形することを一層確実に防ぐことができるという利点がある。
これにより、スチフナの前後方向に対する剛性・強度を一層高めることができるという利点がある。
細幅の部位を分割することで、例えば、比較的プレス成形し難い高張力鋼板を用いて細幅のリヤフレームを容易に形成することができるという利点がある。
加えて、高張力鋼板を用いることで、板厚寸法を小さく抑えることが可能になり、リヤフレームの軽量化を図ることができるという利点がある。
図1は本発明に係る自動車の車体後部構造を示す分解斜視図である。
自動車の車体後部構造10は、後部フレーム構造11が枠体状に形成され、この後部フレーム構造11の車体前後方向略中央に傾斜部(段差部)12を形成することで後半分フレーム部13が前半分フレーム部14より高い位置に配置され、後部フレーム構造11にリヤフロアパネル16が取り付けられている。
リヤフロアパネル16は、後半分フロアパネル21を前半分フロアパネル22より高い位置に配置するように略中央にフロア段差部23が形成されている。
さらに、フロア段差部23は傾斜部12に取り付けられる。
このフロア段差部23の後方の後半分フロアパネル21、すなわち、傾斜部12の後側にシート25が取り付けられている。
後部フレーム構造11は、車体の両側に車体前後方向に向けて左右のサイドシル27,28をそれぞれ設け、左サイドシル27から左リヤフレーム(リヤフレーム)31を車体後方に向けて延ばすとともに、右サイドシル28から右リヤフレーム(リヤフレーム)32を車体後方に向けて延ばし、左右のリヤフレーム31,32に左右のアッパースチフナ(サイドカバー)35,36をそれぞれ被せ、左右のサイドシル27,28に前クロスメンバー38を車幅方向に向けて架け渡し、左右のリヤフレーム31,32の後端部31a,32aに後クロスメンバー39を車幅方向に向けて架け渡すことで略矩形状の枠体に形成されている。
さらに、後部フレーム構造11は、左右のリヤフレーム31,32の中央に第1〜第3中央クロスメンバー41,42,43を所定間隔をおいて架け渡したものである。
同様に、左リヤフレーム31と左アッパースチフナ35との間に、リヤフロアパネル16の左側辺16aが挟持された状態でスポット溶接される(図8、図9、図10参照)。
これにより、後部フレーム構造11にリヤフロアパネル16が取り付けられ、リヤフロアパネル16および左右のアッパースチフナ35,36でリヤフロア45が形成される。
リヤフロアパネル16より板厚寸法が大きな左右のアッパースチフナ35,36を用いることで、左右のアッパースチフナ35,36は、左右のリヤフレーム31,32の骨格材と、リヤフロア45の左右の側部とを兼ねる。
これにより、リヤフロアパネル16の取り扱いが容易になり、製造の容易化を図ることができるとともに、車体重量の増加を抑えることができる。
左リヤフレーム31は、内外の側壁47,48および底壁49で上方に開口部51を有する断面略コ字状に形成され、左リヤフレーム31の途中のフレーム傾斜部(傾斜部)52が車体後方に向けて下側部位53から上側部位54に上り勾配で立ち上げられている。
フレーム傾斜部52はシートに着座した乗員の足元近傍に位置する。そこで、フレーム傾斜部52を下側部位53から上側部位54に向けて幅寸法Wが徐々に細幅になるように形成することで、シート25に着座した乗員の足元空間を拡大することができる。
前フレーム部位63は、フレーム前半分56からフレーム傾斜部52を経てフレーム後半分55の前端部55aまで延びた部位である。
フレーム傾斜部52の内側壁47bに支えブラケット67が溶接されている。
支えブラケット67は、図5に示すように、水平支えブラケット67aと、傾斜支えブラケット67bとで略く字状に形成されている。
前フレーム部位63および中央フレーム部位64は、それぞれの後端部63aおよび前端部64aが細幅の部位59で重ね合わせた状態に結合される。
加えて、高張力鋼板を用いることで、板厚寸法を小さく抑えることが可能になり、リヤフレームの軽量化を図ることができる。
この***部71の略中央を横切るようにバルクヘッド61が配置されている。
中央フレーム部位64および後フレーム部位65は、それぞれの後端部64bおよび前端部65aで重ね合わせた状態に結合される。
具体的には、後フレーム部位65の後端部に前向きの衝撃力が作用した場合に、後フレーム部位65を良好に変形させて(潰して)衝撃力を良好に吸収することができる。
内スチフナ側壁73が左リヤフレーム31の内側壁47に接合されるとともに、外スチフナ側壁74が左リヤフレーム31の外側壁48に接合される。
ミドルスチフナ58は、フレーム前半分56に沿って延びるスチフナ水平部81と、フレーム傾斜部52に沿って延びるスチフナ傾斜部82とを備える。
スチフナ水平部81は、フレーム前半分56の底壁49aに対してスチフナ底壁75が所定間隔D1をおいて略平行に設けられている。
スチフナ傾斜部82は、フレーム傾斜部52の底壁49bに対して所定間隔D1が下側部位53から上側部位54に向けて徐々に減少するように設けられている。
車体前後方向に向けて段差部58cを設けることで、図5に示す稜線(すなわち、角部)58d,58eを形成することができる。
これにより、ミドルスチフナ58の前後方向に対する剛性・強度を高めることができる。
左リヤフレーム31の細幅の部位59の内部にバルクヘッド61が設けられている。
よって、左リヤフレーム31の後端部に前向きの衝撃力が作用した場合に、左リヤフレーム31の断面形状が変形しないようにバルクヘッド61で保つことが可能になる。
これにより、左リヤフレーム31の後端部に作用した衝撃力を左リヤフレーム31で受けることができる。
このように、後端部63aおよび前端部64aを細幅の部位59で重ね合わせることで、細幅の部位59の剛性・強度を確保することができる。
フレーム前半分56は、内外の側壁47a,48aおよび底壁49aで上方に開口部51を備えた断面略コ字状の部材であり、内側壁47aの上端に車体中心側に折り曲げた内側折曲辺84を備え、外側壁48aの上端に車体外側に折り曲げた外側折曲辺85を備える。
外側壁48aおよび外側折曲辺85が左サイドシル27に溶接されている。
具体的には、外側折曲辺85に左アッパースチフナ35の外側辺35aがスポット溶接されている。
また、内側折曲辺84と左アッパースチフナ35の内側辺35bとの間にリヤフロアパネル16の左側辺16aが挟み込まれ、この状態で内側折曲辺84、内側辺35bおよび左側辺16aがスポット溶接されている。
これにより、左アッパースチフナ35でフレーム前半分56の開口部51が覆われる。
フレーム傾斜部52は、内外の側壁47b,48bおよび底壁49bで上方に開口部51を備えた断面略コ字状の部材である。
内側壁47bの表面(車体中心側に臨む面)には、支えブラケット67がスポット溶接で接合されている。
この支えブラケット67は、内側壁47bの表面中央に接合された取付部87と、取付部87の下端部から車体中央に向けて延ばした支え部88とを有し、左アッパースチフナ35に臨むように設けられている。
支えブラケット67は、取付部87および支え部88で略L字状に形成されている。
この支え部88は、水平支えブラケット67aにおいて、内側折曲辺84(図5、図8参照)から車体後方に向けて水平に延び、傾斜支えブラケット67bにおいて、略鉛直状に立ち上げられている。
具体的には、ミドルスチフナ58の内外の側壁が、フレーム傾斜部52の内外の側壁47b,48bにスポット溶接で接合されている。
ミドルスチフナ58は、スチフナ底壁75が支えブラケット67の支え部88と略水平な位置になるように設けられている。
左アッパースチフナ35は、開口部51の上方に位置する水平部91と、水平部91の内側辺91aから下方に延びた鉛直部92と、鉛直部92の下端部92aから車体中心に向けて略水平に張り出した張出部93とを有する。
張出部93は支え部88の上方に位置する。
さらに、支え部88と張出部93との間にリヤフロアパネル16の左側辺16aが挟み込まれた状態で支え部88、張出部93および左側辺16aがスポット溶接されている。
フレーム傾斜部52をホイールハウス(図示せず)に接合することで、フレーム傾斜部52の剛性・強度を確保する。
よって、フレーム傾斜部52の近傍において、リヤフロアパネル16を下方に凹ませることが可能になり、かつ、鉛直部92とリヤフロアパネル16との交差角部(すなわち、鉛直部92の下端部)92aの曲げ半径寸法を小さくすることが可能になる。
これにより、リヤフロア45の低床化とともに、シート25(図1参照)に着座した乗員の足元空間を拡大することができる。
左アッパースチフナ35の鉛直部92で内側壁47bを覆い、鉛直部92の下端部92aから張出部93を略水平に張り出す。
このように、水平部91の外側辺91bを外側壁48bの上端部48cに接合するとともに、支え部88に張出部93を接合することで、フレーム傾斜部52の剛性・強度を確保することができる。
これにより、張出部93と支え部88とにリヤフロアパネル16を強固に接合することができ、接合強度の増大を図ることができる。
これにより、ミドルスチフナ58で支えブラケット67を支えることが可能になり、フレーム傾斜部52の剛性・強度を一層高めることができる。
このように、フレーム傾斜部52の内側壁47bと左アッパースチフナ35の鉛直部92との間にクリアランスD3を設定することで、フレーム傾斜部52の製造公差を吸収することが可能になり、製造の容易化を図ることができる。
前フレーム部位63および中央フレーム部位64が、それぞれの後端部63aおよび前端部64aで重ね合わせた状態に結合されている。
中央フレーム部位64の前端部64aの内部にバルクヘッド61が設けられている。
底壁63dには、車体前後方向に延びる***部63e(図5も参照)が形成されている。
底壁64eには、車体前後方向に延びる***部71(図5も参照)が形成されている。
具体的には、中央フレーム部位64の前端部64aの上端部64fに左アッパースチフナ35の外側辺35aがスポット溶接されている。
これにより、左アッパースチフナ35でフレーム後半分55の開口部51が覆われる。
左リヤフレーム31の後端部31a(図2参照)に前向きの衝撃力F1が作用した場合に、作用した衝撃力F1の一部F2がミドルスチフナ58のスチフナ傾斜部82に矢印の如く伝わる。
よって、スチフナ傾斜部82に伝わった衝撃力F2をミドルスチフナ58で良好に受けることができる。
これにより、衝撃力F1でフレーム傾斜部52が変形することを防ぐことができる。
これにより、衝撃力F1でフレーム傾斜部52が変形することを一層良好に防ぐことができる。
(a)に示すように、支え部88は、水平支えブラケット67aにおいて、内側折曲辺84から車体後方に向けて水平に延び、傾斜支えブラケット67bにおいて、略鉛直状に立ち上げられている(図3も参照)。
よって、フレーム傾斜部52の近傍において、リヤフロアパネル16をフレーム傾斜部52の表面52c下方に凹ませることが可能になる。
(a)で説明したように、フレーム傾斜部52の近傍において、リヤフロアパネル16を下方に凹ませたので、シート25に着座した乗員の足元空間105を拡大することができる。
Claims (4)
- 左右のリヤフレームをそれぞれ内外の側壁および底壁で上方に開口した断面略コ字状に形成し、各リヤフレームの途中の傾斜部をそれぞれ車体後方に向けて上り勾配で立ち上げ、各リヤフレームにリヤフロアパネルを設け、このリヤフロアパネルの前記傾斜部後側にシートを備えた自動車の車体後部構造において、
前記傾斜部が下側部位から上側部位に向けて徐々に細幅に形成されるとともに、その内部に沿ってスチフナが車体前後方向に向けて設けられ、
このスチフナは、内外のスチフナ側壁およびスチフナ底壁で上方に開口した断面コ字状に形成され、
内外のスチフナ側壁が前記内外の側壁に接合されるとともに、前記スチフナ底壁と前記底壁との間隔が前記傾斜部の下側部位から上側部位に向けて徐々に減少するようにスチフナを配置したことを特徴とする自動車の車体後部構造。 - 前記スチフナは、前記スチフナ底壁に前端部から後端部に渡って段差部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の自動車の車体後部構造。
- 前記リヤフレームは、前後の部位に分割され、分割された前後の部位が前記細幅に形成された箇所で重ね合わせた状態に結合されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車の車体後部構造。
- 前記リヤフレームは、前記細幅に形成された箇所の内部にバルクヘッドが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車の車体後部構造。
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