JP2007292513A - 回転速度検出機構回転速度検出機構を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出機構回転速度検出機構を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数を抑えて多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護し得る回転速度検出機構及び回転速度検出機構を備えた転がり軸受、車輪支持用軸受ユニットを提供する。
【解決手段】内輪2と外輪3と、該内輪2と外輪3との間に組み込まれる複数個の転動体6とで回転支持装置を構成し、該回転支持装置の内輪2側に備えた環状の多極磁石エンコーダ1からの磁気信号を、該多極磁石エンコーダ1と対向して車体側に備えられた磁気センサSで読み取ることにより回転速度を検出し、多極磁石エンコーダ1は、内輪2のインボード側端面2dに固着され、非磁性材からなる環状のカバー部材13で被覆されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種車両の車輪を支持する転がり軸受に備えられ、車体側に備えた磁気センサにより車輪の回転速度を検出するための多極磁石エンコーダを有した回転速度検出機構、その回転速度検出機構を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニットに関する。なお、本明細書において車輪とは、自動車の車輪にかかわらず鉄道車両の車輪などの全てを総称するものとする。
例えば自動車には、車輪の回転速度(車輪速)を検出する回転速度検出装置が備えられており、回転側(車輪軸受側)に配した多極磁石エンコーダと、該多極磁石エンコーダに対向させるように車体側に配した磁気センサとからなるものが知られている。このような回転速度検出装置は、例えば、トラクションコントロールシステム(Traction Control System、略称TCS)や、カーナビゲーションシステム(Satellite navigation system)や、アンチロックブレーキシステム(Anti-lock brake system、略称ABS)などに利用されている。
従来、多極磁石エンコーダとして、図16に示すような円環状に形成されたゴム製の多極磁石エンコーダ(例えばフェライト粉に結合材としてゴム材を混合したものに着磁し、周方向にS極とN極が交互に備えられる)1が知られており、転がり軸受に組み込まれている密封装置を構成する断面視逆L字形状のシール部材(例えばスリンガ)における軸受外方に向いた側周面に、その磁極を軸受外方に向けた状態で一体に備えていた。すなわち、多極磁石エンコーダ1は軸受外方にて露呈状に備えていたものがある。
このようにゴム製の多極磁石エンコーダ1が軸受外方にて露呈状に配されていると、土砂などの塵埃、さらには路面状況によっては鉄屑(磁性体の塵埃)などが多極磁石エンコーダ1の表面(軸受外方に向いている外面1b)に付着し易い。このように異物が付着することで多極磁石エンコーダの表面の摩耗を進行させてしまうという不都合が生じていた。多極磁石エンコーダ1の表面が摩耗すると、磁束密度の低下や、磁束信号の精度低下を招くこととなる。
また、磁性体の塵埃が表面に付着してしまうと、信号精度が低下してしまうという問題もあった。
このような不都合を解消するため、多極磁石エンコーダ1の周辺は、周辺部品を取り込んだ形でラビリンスが形成されるよう配慮された設計となっているものもあるが、多極磁石エンコーダ付きの密封装置又はその密封装置を組み込んだ転がり軸受と、足回り周辺部品の供給業者は別である。従って、それぞれの設計のマッチングが悪くラビリンスの性能が十分でない場合が起こり得る。
そこで昨今、多極磁石エンコーダ付きの転がり軸受で、塵埃の付着を防止し得る先行技術の一例として、例えば特許文献1又は2に開示の技術が提供されている。
特許文献1は、例えば図14に示すように、多極磁石エンコーダ1を回転する内輪2の外径から径方向に一体に立ち上げて軸受内方に配置させるとともに、その多極磁石エンコーダ1の外方に、所定の隙間(エアギャップ)G1を介して内外輪2,3間の端部領域Fを軸受外方から遮蔽するように固定の外輪3に一体に取り付けたシール部材100を備え、そのシール部材100の外方から磁気センサSによってセンシングする技術である。
特許文献2は、例えば図15に示すように、円筒部50と、該円筒部50の軸受外方端部から周方向に連続して立ち上げられた円板部60とからなる断面視逆L字形状にプレス成形されたスリンガ40と、該スリンガ40の円板部外表面60aに一体に配した多極磁石エンコーダ1と、スリンガ40の円筒部内径50aに嵌合可能な外径80aで軸受内輪2の外径2aに嵌合可能な内径を有する円筒部80と、該円筒部80の軸受外方端部から周方向に連続して立ち上げられた円板部90とからなる断面視逆L字形状にプレス成形されたカバー部材70とで構成され、そのエンコーダ1の軸受外方に向いた面(外面)1bを、前記カバー部材70で被覆してなる技術が開示されている。すなわち、スリンガ40の円筒部50をカバー部材70の円筒部80に嵌合させるとともに、スリンガ40の円板部60とカバー部材70の円板部90によって多極磁石エンコーダ1を挟持するようにしてカバーし、このようにセットされた状態でカバー部材70の円筒部内径80bを内輪外径2aに嵌合させて軸受端部領域Fに配設していた。
しかし、特許文献1に開示の技術では、図14に示すように、多極磁石エンコーダ1から磁気センサSまでの間に、1)多極磁石エンコーダ1とシール部材100との間の軸方向隙間(エアギャップ)G1と、2)シール部材(芯金)100の厚さWと、3)シール部材100と磁気センサSとの間の軸方向隙間(エアギャップ)G2が存在してしまう。
このように1)〜3)までの距離(G1+W+G2)が、多極磁石エンコーダ1と磁気センサSとの間にあることで、磁気信号が弱くなり、磁気信号精度の信頼性が劣ってしまう。
また特許文献2に開示の技術では、カバー部材70の分だけ部品点数が増え、またスリンガ40とカバー部材70の2つのプレス部品を嵌合させるという加工難易度の高い技術が要求されることから、コスト的に割高である。
特開平10−160744号公報 特開2002−333033号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、部品点数を抑えて多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護し得る回転速度検出機構及び回転速度検出機構を備えた転がり軸受、車輪支持用軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の発明は、同心円に配された回転部材と固定部材と、該回転部材と固定部材との間に組み込まれる複数個の転動体とで回転支持装置を構成し、該回転支持装置の回転部材側に備えた環状の多極磁石エンコーダからの磁気信号を、該多極磁石エンコーダと対向して固定部材側に備えられた磁気センサで読み取ることにより回転速度を検出する回転速度検出機構であって、少なくとも回転部材が磁性材からなり、多極磁石エンコーダは、磁力により回転部材の外面に固着されるとともに、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されており、該カバー部材の外方に磁気センサを対向させて磁気信号を検出することを特徴とする回転速度検出機構としたことである。
第2の発明は、第1の発明において、多極磁石エンコーダは、ゴム材料に磁性粉を混入して円環状に成形され、着磁されてなることを特徴とする回転速度検出機構としたことである。
第3の発明は、第2の発明において、多極磁石エンコーダは、カバー部材の内面に加硫成形されていることを特徴とする回転速度検出機構としたことである。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、多極磁石エンコーダは、カバー部材の内面に接着により固着されていることを特徴とする回転速度検出機構としたことである。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、回転部材に多極磁石エンコーダの収容部を凹設し、該収容部に多極磁石エンコーダを収容するとともに、カバー部材で被覆してなることを特徴とする回転速度検出機構としたことである。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、カバー部材は、回転部材に嵌合により固定されていることを特徴とする回転速度度検出機構としたことである。
第7の発明は、回転輪と固定輪と、該回転輪と固定輪との間に組み込まれる転動体とで構成され、回転輪側に多極磁石エンコーダを備えるとともに、回転輪の近傍に備えられる磁気センサにより回転速度を検出する転がり軸受において、少なくとも回転輪が磁性材からなり、回転輪の外面端部領域に多極磁石エンコーダを固着し、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されてなることを特徴とする転がり軸受としたことである。
第8の発明は、一列若しくは複数列の軌道面を有したハブと、該ハブのインボード側外周に嵌め込まれ、前記軌道面と隣接する一列若しくは複数列の軌道面を有した内輪とで構成されるか、又はハブの外周に嵌め込まれ、複数列の軌道面を有した内輪とで構成される回転部材と、前記回転部材の複数列の軌道面と対向する複数列の軌道面を有した固定部材と、前記回転部材の軌道面と固定部材の軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、前記回転部材側に備えられる多極磁石エンコーダとを備え、前記回転部材の近傍に備えられる磁気センサにより回転速度を検出する車輪支持用軸受ユニットにおいて、少なくとも回転部材が磁性材からなり、前記回転部材の外面端部領域に多極磁石エンコーダを固着し、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されてなることを特徴とする車輪支持用軸受ユニットとしたことである。
第9の発明は、第8の発明の車輪支持用軸受ユニットが、回転部材には制動部材及びホイールが固定されるフランジを備え、固定部材には車体側に固定されるフランジが備えられていることを特徴とする車輪支持用軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、軸受の回転輪をバックヨークとすることで、部品点数を抑えて多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護し得る回転速度検出機構及び回転速度検出機構を備えた転がり軸受、車輪支持用軸受ユニットを提供できた。
また、図14や図15に示した従来技術と異なり、軌道輪が強度部材となるため、エンコーダの芯金はエンコーダ自身を支持する、あるいは組立工程での不用意な取扱いや走行時の飛び石の衝突など不測の入力に備えた強度を持たせる必要が無くなる(エンコーダが衝撃を和らげるクッションとして機能する。)。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。本実施例では回転支持装置の一例として自動車の車輪支持装置をもって説明するが、その他の回転支持装置であってもよい。また、車輪の一例として自動車の車輪をもって説明するが、単なる一例であって鉄道車両の車輪などその他の車輪であってもよい。
また、実施例1乃至4は内輪2を回転部材とした一例、実施例5乃至6は外輪3を回転部材とした場合の一例を示す。
「実施例1」
図1乃至図3は、回転支持装置の一例として自動車の車輪支持用転がり軸受を示し、図1は転がり軸受の概略断面図、図2はカバー部材13に多極磁石エンコーダ1を加硫成形した状態で、カバー部材13の外面側を一部切欠いた状態の正面図、図3は図2の切欠き部分の拡大概略図である。
本実施例の転がり軸受(回転支持装置)は、同心円に配して相対回転可能とした回転部材としての内輪2と固定部材としての外輪3と、内輪2の外径2aに備えた軌道面2cと、外輪3の内径3bに備えた軌道面3cとの間で保持器4を介して組み込まれた複数個の転動体6と、内輪2のインボード側に備えられ、固定側(車体側)に配置された磁気センサSとともに回転速度検出機構を構成する多極磁石エンコーダ1で構成されている。
また、本実施例では、少なくとも内輪2は磁性材料で形成されている。例えば、軸受鋼やマルテンサイト系ステンレスがその材料の一例として挙げられる。なお、外輪3を非磁性材で形成することを何等妨げるものではない。
さらに、回転輪をバックヨークとして利用するに当たっては、残留磁気に配慮すべきである。軌道面は通常、マグネットシュータイプの研削盤で加工される。この場合、軌道輪の脱磁が不十分だと磁気が残留するため、エンコーダ磁気信号のゼロシフトが発生し、出力信号のNS比が悪くなる(図11参照。)。従って、軌道輪は誤差が必要精度を満たすレベルまで脱磁をすることが必要である。
なお、本実施例では、内輪2と外輪3の端部領域Fに組み込まれて内外輪2,3間の環状の軸受内空間を密封する密封装置を図示省略するが、インボード側(車体側)とアウトボード側(ホイール側)に備えられ、軸受内に封入した潤滑剤(例えば、グリース、油)が軸受外部に漏洩したり、異物(例えば、水、塵埃)が軸受内部に侵入したりすることを防止可能な周知の密封装置、例えば接触シール、非接触シール(シールドを含む)が本発明の範囲内で適宜選択される。また、芯金やシールリップの有無なども設計変更可能である。
また、芯金部分の一部をシールリップの摺動面としたり、シールの一部を形成するようにすることも可能である。
このように、本実施例の転がり軸受は、内輪2のインボード側に組み込まれる多極磁石エンコーダ1に特徴的な構成を有し、それ以外の構成にあっては周知形態であるため、以下、本発明の特有構成である多極磁石エンコーダ1について具体的に説明し、それ以外の構成についての説明は上述の程度に留める。
また、特に図示はしないが、背面組合せ軸受の外輪を一体化した複列アンギュラ玉軸受又は複列円すいころ軸受(第一世代)に本発明を適用することも可能である。
多極磁石エンコーダ1は、図16に示すように多極に着磁されて円環状に形成され、内輪2のインボード側の端面2dに外径2aから連続して環状に切欠かれた収容部5に、カバー部材13との間で挟持されるように嵌め込まれて固定されている。
カバー部材13は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SUS303等)などの非磁性材料からなり、前記収容部5の径方向(図中矢印Y方向)深さD1と同一の内外径間幅W1を備えた多極磁石エンコーダ1を内面14a全域に加硫成形する環状の円板部14と、該円板部14の径方向端部(外径側端部)14cから軸方向に延設し、内輪外径2aに嵌合可能な内径に形成されている円筒部15とで、断面視略逆L字形状に形成されている。
多極磁石エンコーダ1は、このカバー部材13の円板部14の軸方向内面14aに対して、該円板部14の内面14a領域と同一領域の円板形状に所定厚みをもって加硫成形されている。多極磁石エンコーダ1の径方向端部(内径側端部)1dは、円板部14の径方向端部(内径側端部)14dと同一平面に形成されている。
多極磁石エンコーダ1は、内輪2のインボード側端面2dにて、内面1a側が収容部5に固着されるとともにその磁極面(外面1b側)を軸受外方に向けた状態で備えられている。
なお、カバー部材13における円板部14の軸方向厚さW2は、多極磁石エンコーダ1を加硫成形したときの軸方向総厚さ(円板部14の軸方向厚さW2と多極磁石エンコーダ1の軸方向厚さW3とを一緒にした厚さ)Wが、内輪端面2dに切欠かれている収容部5の軸方向領域に収容されて固着されたときに、内輪端面2dと円板部外面14bとが同一平面、又は僅かに引込む程度の厚さに調整されることで、他の部品との干渉を防いだり、不用意な扱いによる打撃によるダメージを防ぐことができる。
本実施例では、多極磁石エンコーダ1を円板部14に加硫成形により一体に固着するものとしているため、円板部14の外面14bに加硫成形した後に着磁させることとなる。多極磁石エンコーダ1は、図16に示す従来構造と同様である。
なお、多極磁石エンコーダ1は、別途成形・着磁した後に、円板部14の内面14aに接着剤などを介して固着させることも可能である。
また、本実施例では、この多極磁石エンコーダ1が、ゴム製の多極磁石エンコーダである実施の一例をもって説明するが、樹脂を磁性体粉のバインダとしたものであってもよく、その他周知の多極磁石エンコーダ1が仕様に応じて適宜選択可能である。
このような構成を採用しているため、多極磁石エンコーダ1は、非磁性材からなるカバー部材13によって遮蔽され、その磁極が軸受外方に露出しないように保護されているため、磁極面(外面1b)への塵埃などの付着が防止される。
また、本実施例によれば、内輪2が磁性材で形成されているため、バックヨークとしての機能を備えている。従って、カバー部材13の円板部内面14aに一体成形されている多極磁石エンコーダ1は、その内面1a側を内輪2の収容部5に嵌め込めば、特に接着剤などを使用しなくとも吸着されて固着される。また、多極磁石エンコーダ1の嵌合位置の位置決めが確実かつ容易であるとともに、部品点数の削減も図れ、コスト安価である。
さらに、本実施例の場合、内輪端面2dに形成される収容部5の径方向の深さW4を内径方向に向けて深く形成し、その収容部5に吸着固定される多極磁石エンコーダ1を径方向に厚い幅に形成すれば、磁束の中心部領域も広くなり、精度の高い検出領域(中心部領域)が広い領域となるため、検出精度の信頼性も得られる。
「実施例2」
図4は、本発明の実施例2を示す概略断面図である。
本実施例の場合、インボード側の内輪端面2dに実施例1のような収容部を設けることなく、直接多極磁石エンコーダの磁力により吸着させた実施の一例である。
なお、多極磁石エンコーダ1、カバー部材13その他の構成及び作用効果は実施例1と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
また、本実施例では、円板部14の径方向端部(内径側端部)14dを、多極磁石エンコーダ1の径方向端部(内径側端部)1dと同一平面に形成しているが、円板部14の径方向端部(内径側端部)14cは、多極磁石エンコーダ1の径方向端部(内径側端部)1dを覆い隠すように延設してもよい。
「実施例3」
図5は、本発明の実施例3を示す概略断面図である。
本実施例の場合、内輪外径2aに、多極磁石エンコーダ1を、その磁力により吸着させた実施の一例である。本実施例の場合、カバー部材13円筒部15を内輪外径2aよりも大径に形成するとともに、その円筒部15の内径15bに多極磁石エンコーダ1を一体に加硫成形し、その磁極面が円環状の外径1cに着磁されている。また、本実施例では、多極磁石エンコーダ1の外面1b側が、カバー部材13の円板部14によって被覆され、軸受外方から遮蔽されている。円板部14の径方向端部(内径側端部)14dは、内輪外径2aに当接している。
従って、本実施例の場合、この磁極面(外径1c)に対向するように、磁気センサSが軸受端部領域F内に位置している。
なお、その他の構成及び作用効果は実施例1と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
「実施例4」
図6は、本発明の実施例4を示す概略断面図である。
本実施例の場合、実施例3と略同様の形態を有するが、本実施例では、カバー部材13の円板部14が、多極磁石エンコーダ1の軸方向端部(外面)1bを覆い隠しつつ、内輪端面2dに沿って延設されている。すなわち、円板部14が内輪端面2dに当接することで、多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽している実施の一例である。
なお、その他の構成及び作用効果は実施例1及び3と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
「実施例5」
図7は、本発明の実施例5を示す概略断面図である。
本実施例の場合、内輪2をバックヨークとして機能させた実施例1乃至4と異なり、外輪3を回転部材とし、その外輪3をバックヨークとして機能させた実施の一例である。なお、後述する実施例6乃至8も同様である。
本実施例の転がり軸受は、多極磁石エンコーダ1が、回転部材としての外輪3のインボード側に備えられ、固定側(車体側)に配置された磁気センサSとともに回転数検出機構を構成している。
また、本実施例では、少なくとも外輪2が磁性材料で形成されている。例えば、軸受鋼やマルテンサイト系ステンレスがその材料の一例として挙げられる。
多極磁石エンコーダ1は、図16に示すように多極に着磁されて円環状に形成され、外輪3のインボード側の端面3dに、内径3bから連続して環状に切欠かれた収容部5に、カバー部材13との間で挟持されるように嵌め込まれて固定されている。
カバー部材13の構成は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SUS303等)などの非磁性材料からなり、前記収容部5の径方向(図中矢印Y方向)深さD1と同一の内外径間幅W1を備えた多極磁石エンコーダ1を内面14a全域に加硫成形する環状の円板部14と、該円板部14の径方向端部(内径側端部)14dから軸方向に延設し、外輪内径3bに嵌合可能な外径に形成されている円筒部15とで、断面視略逆L字形状に形成されている。
多極磁石エンコーダ1は、このカバー部材13の円板部14の軸方向内面14aに対して、該円板部14の内面14a領域と同一領域の円板形状に所定厚みをもって加硫成形されている。多極磁石エンコーダ1の径方向端部(外径側端部)1cは、円板部14の径方向端部(外径側端部)14cと同一平面に形成されている。
多極磁石エンコーダ1は、外輪3のインボード側端面3dにて、内面1a側が収容部5に固着されるとともにその磁極(外面1b側)を軸受外方に向けた状態で備えられている。
なお、カバー部材13における円板部14の軸方向厚さW2は、多極磁石エンコーダ1を加硫成形したときの軸方向総厚さ(円板部14の軸方向厚さW2と多極磁石エンコーダ1の軸方向厚さW3とを一緒にした厚さ)Wが、外輪端面3dに切欠かれている収容部5の軸方向領域に収容されて固着されたときに、外輪端面3dと円板部外面14bとが同一平面となる程度の厚さに調整される。
その他の構成及び作用効果は実施例1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
「実施例6」
図8は、本発明の実施例6を示す概略断面図である。
本実施例の場合、インボード側の外輪端面3dに実施例5のような収容部を設けることなく、直接多極磁石エンコーダの磁力により吸着させた実施の一例である。
なお、多極磁石エンコーダ1、カバー部材13その他の構成及び作用効果は実施例5と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
また、本実施例では、円板部14の径方向端部(外径側端部)14cを、多極磁石エンコーダ1の径方向端部(外径側端部)1cと同一平面に形成しているが、円板部14の径方向端部(外径側端部)14cは、多極磁石エンコーダ1の径方向端部(外径側端部)1cを覆い隠すように延設してもよい。
「実施例7」
図9は、本発明の実施例7を示す概略断面図である。
本実施例の場合、外輪内径3bに、多極磁石エンコーダ1を、その磁力により吸着させた実施の一例である。本実施例の場合、カバー部材13の円筒部15を外輪内径3bよりも大径に形成するとともに、その円筒部15の外径15aに多極磁石エンコーダ1を一体に加硫成形し、その磁極面が円環状の内径(径方向端部)1dに着磁されている。また、本実施例では、多極磁石エンコーダ1の外面1b側が、カバー部材13の円板部14によって被覆され、軸受外方から遮蔽されている。円板部14の径方向端部(外径側端部)14cは、外輪内径3bに当接している。
従って、本実施例の場合、この磁極面(内径1d)に対向するように、磁気センサSが軸受端部領域F内に位置している。
なお、その他の構成及び作用効果は実施例5と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
「実施例8」
図10は、本発明の実施例8を示す概略断面図である。
本実施例の場合、実施例7と略同様の形態を有するが、本実施例では、カバー部材13の円板部14が、多極磁石エンコーダ1の軸方向端部(外面)1bを覆い隠しつつ、外輪端面3dに沿って延設されている。すなわち、円板部14が外輪端面3dに当接することで、多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽している実施の一例である。
なお、その他の構成及び作用効果は実施例5及び7と同様であるため、同一箇所に同一符号を付してここでの説明は省略する。
「実施例9」
図12は、本発明の多極磁石エンコーダを組み込んでなる本発明車輪支持用軸受ユニットの一例である。また、図中破線は、多極磁石エンコーダ1に向けて固定側(車体側)に配置され、多極磁石エンコーダ1の磁気信号をセンシングする磁気センサSを示す。
本発明の車輪支持用軸受ユニットは、例えば自動車や鉄道車両などの各種車両に用いることができるが、ここでは一例として自動車の駆動輪に組込まれ、外方部材を回転部材とする車輪支持用軸受ユニットを想定して説明する。なお、従動輪に組込まれる車輪支持用軸受ユニットも対象である。
本実施例の車輪支持用軸受ユニットは、図12に示すように、一列の軌道面2c,2cを有した内輪2,2で構成される固定部材としての内方部材32と、前記内方部材32の複数列の軌道面2c,2cと対向する複数列の軌道面33c,33cを有した回転部材としての外方部材33と、前記内方部材32の軌道面2c,2cと外方部材33の軌道面33c,33cとの間に組み込まれる複数個の転動体(玉)6とで構成され、その内方部材32と外方部材33のインボード側の端部領域Fに密封装置Mが組み込まれる。
また、図示した本実施例の車輪支持用軸受ユニットは、外方部材33のアウトボード側外周にフランジ33bが備えられている背面組み合わせの複列アンギュラ玉軸受で、いわゆる第二世代(HUBIIともいう。)として区別される形式である。
具体的には、例えば前記実施例1に開示の多極磁石エンコーダ1が、外方部材33のインボード側の外径33aの端部領域に、カバー部材13を介して固着されている。
本実施例の多極磁石エンコーダ1は、その外径(径方向端部)1cに磁極が形成されるように着磁されている。また、カバー部材13は、外輪外径3aに嵌合可能な内径を有する円板部14と、該円板部14の径方向端部14cから軸方向に延設した円筒部15で構成されている。
また、車輪支持用軸受ユニットは、図示した本実施例形態に限定されるものではなく、第一乃至第三世代を含め本発明範囲内の全てのユニットが適用対象である。
なお、カバー部材13で被覆してなる多極磁石エンコーダ1の作用効果にあっては、実施例5乃至8で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
なお、図12では、外方部材33を回転部材、内方部材32を固定部材とした実施の一例について説明するが、図13は、外方部材33を固定部材、内方部材32を回転部材とする形態の一例を示し、図4に示した実施例2の多極磁石エンコーダ1とカバー部材13との組み合わせ形態が採用されている。この図示例では、外方部材33のインボード側外周にフランジ33bが備えられている。
なお、この場合にあっては、実施例1乃至4に開示の形態が本発明の範囲内で採用可能である。
本発明転がり軸受の実施例1を一部省略して示す概略断面図である。 カバー部材に多極磁石エンコーダを加硫成形した状態で、カバー部材の外面側を一部切欠いた状態の正面図である。 図2の切欠き部分の拡大概略図である。 本発明転がり軸受の実施例2を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例3を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例4を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例5を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例6を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例7を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例8を一部省略して示す概略断面図である。 エンコーダ磁気信号のゼロシフト発生を表す図である。 本発明転がり軸受の実施例9を一部省略して示す概略断面図である。 本発明転がり軸受の実施例10を一部省略して示す概略断面図である。 従来技術の概略断面図である。 従来技術の概略断面図である。 多極磁石エンコーダの概略図である。
符号の説明
1 多極磁石エンコーダ
1b 外面(磁極面)
2 回転部材(内輪)
2d インボード側端部
3 固定部材(外輪)
13 カバー部材
S 磁気センサ

Claims (9)

  1. 同心円に配された回転部材と固定部材と、該回転部材と固定部材との間に組み込まれる複数個の転動体とで回転支持装置を構成し、
    該回転支持装置の回転部材側に備えた環状の多極磁石エンコーダからの磁気信号を、
    該多極磁石エンコーダと対向して固定部材側に備えられた磁気センサで読み取ることにより回転速度を検出する回転速度検出機構であって、
    少なくとも回転部材が磁性材からなり、
    多極磁石エンコーダは、磁力により回転部材の外面に固着されるとともに、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されており、該カバー部材の外方に磁気センサを対向させて磁気信号を検出することを特徴とする回転速度検出機構。
  2. 多極磁石エンコーダは、ゴム材料に磁性粉を混入して円環状に成形され、着磁されてなることを特徴とする請求項1に記載の回転速度検出機構。
  3. 多極磁石エンコーダは、カバー部材の内面に加硫成形されていることを特徴とする請求項2に記載の回転速度検出機構。
  4. 多極磁石エンコーダは、カバー部材の内面に接着により固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転速度検出機構。
  5. 回転部材に多極磁石エンコーダの収容部を凹設し、該収容部に多極磁石エンコーダを収容するとともに、カバー部材で被覆してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回転速度検出機構。
  6. カバー部材は、回転部材に嵌合により固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の回転速度度検出機構。
  7. 回転輪と固定輪と、該回転輪と固定輪との間に組み込まれる転動体とで構成され、回転輪側に多極磁石エンコーダを備えるとともに、回転輪の近傍に備えられる磁気センサにより回転速度を検出する転がり軸受において、
    少なくとも回転輪が磁性材からなり、
    回転輪の外面端部領域に多極磁石エンコーダを固着し、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されてなることを特徴とする転がり軸受。
  8. 一列若しくは複数列の軌道面を有したハブと、該ハブのインボード側外周に嵌め込まれ、前記軌道面と隣接する一列若しくは複数列の軌道面を有した内輪とで構成されるか、又はハブの外周に嵌め込まれ、複数列の軌道面を有した内輪とで構成される回転部材と、
    前記回転部材の複数列の軌道面と対向する複数列の軌道面を有した固定部材と、
    前記回転部材の軌道面と固定部材の軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、
    前記回転部材側に備えられる多極磁石エンコーダとを備え、
    前記回転部材の近傍に備えられる磁気センサにより回転速度を検出する車輪支持用軸受ユニットにおいて、
    少なくとも回転部材が磁性材からなり、
    前記回転部材の外面端部領域に多極磁石エンコーダを固着し、非磁性材からなる環状のカバー部材で被覆されてなることを特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
  9. 回転部材には、制動部材及びホイールが固定されるフランジを備え、
    固定部材には、車体側に固定されるフランジが備えられていることを特徴とする請求項8に記載の車輪支持用軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008203085A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Jtekt Corp センサ付き転がり軸受装置
WO2010052528A1 (en) * 2008-11-06 2010-05-14 Aktiebolaget Skf Rolling bearing having an encoder washer, rolling bearing assembly comprising such a rolling bearing and process for manufacturing such a rolling bearing

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