JP2007290384A - 熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置および熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置および熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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裕也 中田
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Abstract

【課題】ベント開口部及びベント金物底部への熱可塑性樹脂組成物の固着を防止し、ベントアップが防止され、揮発分が途絶えることなく除去可能となり、押出機内で発生する分解ガス及び揮発成分が熱可塑性樹脂内から抜けるため空隙の少ない熱可塑性樹脂ペレット得ることができる溶融混練装置を提供する。
【解決手段】原料供給部A、溶融混練部B、揮発分除去部C及び吐出部からなる熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置であって、揮発分除去部Cに加熱装置が具備された熱可塑性組成物溶融混練装置。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置(以下、押出機)および熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものであり、特に揮発分除去部(以下、ベント部と記載)を外付けのジャケットヒーターなどで加熱してベント内部温度を上げることで、揮発分の流路を閉塞させるベントアップを防止し、成形性に優れた空隙の少ない熱可塑性樹脂ペレットを得ることのできる押出機およびこの押出機を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
押出機においては、原料をバレル内で、スクリューを回転させて可塑化し、強化繊維や粒状フィラーなどを練りこみながら押し出す。押出機の内部で、溶融された原料中に含まれる揮発性物質や水分等を真空下で除去(以下、脱気と示す)するため、押出機混錬部分下流には、バレルの内部と外部とを連通するための開口部を有する金属プレート(以下、ベント金物)と、その上部に円筒状の金属(以下、ベントポートと示す)が連結されている。また、ベントポートには、真空装置が接続されており、ベントポート側面から押出機内部から発生する揮発性物質や水分等を強制的に排出している。しかし、押出機の動作(熱可塑性樹脂組成物の溶融混練)を続けていくうちに、次第にベントの開口部に溶融した樹脂が付着して固まり、開口部を閉塞させてしまうことがある。最終的にはバレルの内部と外部との圧力差により、ベント開口部に付着した可塑化樹脂が押し上げられる、いわゆるベントアップが生じる。ベントアップが生じると、脱気が行われなくなり、このような状態になった押出機により生産した熱可塑性樹脂ペレット内部に多量の空隙が入り、このようなペレットは、成形する際に、フローマークが発生したり、内部ボイドができたり、成形時の計量に時間がかかって成形サイクルが遅くなったりするといった問題点がある。更にベントアップがひどい場合には、混練をしている樹脂組成物から脱気ができないためにストランドの泡切れが多発し、ペレットの製造自体が困難となる場合もある。このように状態になると、メンテナンスのために押出機の稼動を中断せざるを得ず、生産効率に著しい支障をきたすことになる。そこで、ベントアップを防止するための工夫がなされており、特許文献1にはベントの底部を加熱する溶融混練装置が記載されている。また、特許文献2には、ベント部に斜めの蓋及び水平な溝を設けて揮発分の凝集物が押出機内へ再流入することを防ぐ装置が記載されている。
特開平8−244097号公報 特開平18−26998号公報
しかし、特許文献1に記載されたベントの底部を加熱する方法では、ベントアップ防止が不十分であり、特に強化繊維や粒状フィラーを多く含む熱可塑性樹脂組成物を溶融混練する場合には、熱可塑性樹脂成分が少ないためにスクリューからの樹脂組成物剥離が多発し、完全にベントアップを抑えることができない。そのため、得られる熱可塑性樹脂ペレット内部に空隙が多くなるという問題があった。また、特許文献2では、ベント内部の溝が水平であるため、揮発分が多いものを溶融混練する際にはオーバーフローしてしまい、再度押出機内に揮発分の凝集物が流入してしまう。
本発明は、押出機を用いて強化繊維および/または粒状フィラーを熱可塑性樹脂と溶融混練させる際に、発生した揮発分を途絶えることなく外部に排出し、生産した熱可塑性樹脂ペレット内部の空隙を減少させ、成形性に優れた熱可塑性樹脂ペレットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の構成からなる。
すなわち本発明は、
(1)原料供給部(A)、溶融混練部(B)、揮発分除去部(C)及び吐出部からなる熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置であって、揮発分除去部(C)に加熱装置が具備された熱可塑性組成物溶融混練装置、
(2)加熱装置がジャケット式ヒーターである(1)記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置、
(3)原料供給部(A)を複数具備する(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置、
(4)揮発分除去部(C)に円錐状の蓋を具備する請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置、
(5)揮発分除去部(C)に排気用の横持ち配管を具備する請求項1〜4いずれか記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置、
(6)揮発分除去部(C)内壁に、排気管に向かって下降するように傾斜付きの溝を具備した請求項5記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置、
(7)(1)〜(6)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置を用いて溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
(8)揮発分除去部(C)を230〜330℃に保持する(7)記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
(9)熱可塑性樹脂組成物が強化繊維および/または粒状フィラーを含む、(7)または(8)記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
(10)熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、強化繊維および/または粒状フィラーを、40〜70重量部含有する(9)記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
からなる。
本発明では、加熱されたベントポート内部温度下ではベントに接触する熱可塑性樹脂組成物の粘度が低下されるので、ベント開口部及びベント金物底部への熱可塑性樹脂組成物の固着を防止することができる。その結果、ベントアップが防止され、揮発分が途絶えることなく除去可能となり、押出機内で発生する分解ガス及び揮発成分が熱可塑性樹脂内から抜けるため空隙の少ない熱可塑性樹脂ペレット得ることができる。また、ベント部分に付着し、劣化・変色した揮発分の凝集物が押出機内に再度流入することで生じる色調異常ペレットの発生も防止できる。さらに、押出機のトラブルも減少できるので、連続生産性も大きく向上する。また、本発明の押出機を使用して製造したペレットを用いて成形した場合、内部ボイドが存在しない成形品を得ることができる。
次に、本発明の実施態様について図面を参照して説明する。
本発明の押出機は、原料供給部(A)、溶融混練部(B)、揮発分除去部(C)及び吐出部からなる熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置であって、揮発分除去部(C)に加熱装置が具備された熱可塑性組成物溶融混練装置である。図1は本発明のベント装置を有する押出機の1例であり、押出機ベント部に装着した状態である。
図1に示すように、本発明で用いられている押出機は、バレル2内にスクリュー3を有する押出機である。押出機の基本構成については、従来の押出機と同様である。尚、図1では二軸式の押出機を用いているが、もちろん、これに限らず、一軸式のものや多軸式のものを用いても構わない。
この押出機のバレル2の中途に、ベント装置4が装着されている。本発明で用いたベント装置4は、バレル2の内部と外部とを連通する開口部5aを有するベント金物5と、円筒状の排気管を有するベントポート6を基本構成としている。図1に示す例のベント部分の拡大図を図2に示す。また、溶融混練時にはベントポート6には従来と同様、真空装置(図示無し)が接続される。本発明のベント装置4の特徴は、ベント装置4の基本構成をなすベントポート6の外側面に、加熱装置7が具備されている点である。加熱装置7は、ベントポート外側面を加熱することができる、リボンヒーター、金属式バンドヒーター、ヒーティングケーブル及び埋め込み式カートリッジヒーター等、どんなものであってもよいが安全面を考慮すると、過昇温防止装置付のジャケットヒーターが好ましい(以後、加熱装置7をジャケットヒーター7と記載)。
ジャケットヒーター7は、ベントポート6の内部(図示6a部)および内壁面を効率的に加熱できるようにするため、ベントポート6の外側全面に設置されていることが好ましい。こうすることで、ベントポート内部6aを効率よく加熱することができる。ただし、揮発分が多いものを押出する際には、図2のベント内壁6bを凝集した揮発分が伝って、押出機内部に再度流入し、色調異常ペレットの発生原因となってしまう恐れがある。これを防ぐために改良した発明を図3、4に示す。図3は図1と同様に、本発明で用いられている押出機であり、バレル12内にスクリュー13を有する押出機である。押出機の構成については、従来の押出機と同様である。尚、図3では二軸式の押出機を用いているが、もちろん、これに限らず、一軸式のものや多軸式のものを用いても構わない。この押出機のバレル12の中途に、ベント装置14が装着されている。本発明で用いたベント装置14は、バレル12の内部と外部とを連通する開口部15aを有するベント金物15と、円筒状の排気管を有するベントポート16を基本構成としている。図3に示すベント部分の拡大図を図4に示す。また、前述の通り溶融混練時にはベントポート16には従来と同様、真空装置(図示無し)が接続される。本改良発明のベント装置14の特徴は、ベント装置14の基本構成をなすベントポート6の外側面に、(1)加熱装置17が具備されていること、(2)ベントポートの天板蓋が円錐状の構造をなし、かつその開き角αが90〜160°であること、(3)ベントポート内壁に排気口に向かって下降するように角度βが10〜45°の範囲で傾斜付きの溝を具備することである。
本発明を用いて熱可塑性樹脂組成物を製造する製造方法は、バレル2(12)内に原料供給部1(10)から供給された原料は、バレル2(12)の加熱およびスクリュー3(13)の回転により、バレル2(12)の前方に溶融混練されながら運ばれる。この際、バレル2(12)の中途にある原料供給部1a(11a)及び1b(11b)から粒状フィラーおよび/または強化繊維を溶融した熱可塑性樹脂中に供給することが好ましい。そうすることで各原料がバレル2(12)内下流までの間で均一に溶融混練されて熱可塑性樹脂組成物となる。この熱可塑性樹脂組成物がベント装置4(14)の開口部5a(15a)に達すると、ここで圧力が開放され、熱可塑性樹脂組成物中に含まれていた分解ガスや揮発成分等が分離されて開口部5a(15a)から排出される。
この際、従来の押出機では、バレル2(12)内において、スクリュー3(13)の回転により運ばれた熱可塑性樹脂組成物が開口部5a(15a)に入るとき、スクリュー間8(18)及びスクリューとバレル壁9(19)間から剥離した樹脂が飛散し、ベント金物底部5c(15c)に付着する。また、ベント装置4(14)では真空ポンプの吸引で揮発分除去しているため、ベント装置内部のみ部分冷却される。従って、ベント金物底部5c(15c)に付着した熱可塑性樹脂組成物は冷却固化され、ベント金物底部5c(15c)に堆積する。堆積した樹脂は更に成長し逃げ場のなくなった樹脂が、開口部5aで閉塞を起こし、ベントアップとなる。更には、冷却固化した熱可塑性樹脂組成物の破片が落下し、未溶融状態のまま押出機の口金まで運ばれ、口金のホールを詰まらせてしまい、ストランドが引けなくなることもある。
ところが、本発明では、ベント金物5(15)の内壁面及び底部をジャケットヒーター7(17)により外側面から加熱することで、熱可塑性樹脂組成物がスクリュー間8(18)及びスクリューとバレル壁間9(19)から剥離することなくスクリューに張り付くため、ベントアップの発生原因を低減することができ、脱気能力が向上する。たとえ、スクリュー間8(18)で発生する樹脂片がベント金物底部5cに付着しても、ジャケットヒーター7(17)を設置し高温を維持できているため、熱可塑性樹脂組成物の粘度が低下し、閉塞に至る事はない。また、前記粘度低下により熱可塑性樹脂組成物が落下しても、熱可塑性樹脂組成物自体が軟化しているため、口金を詰まらせることは無くなる。
特に図3,4に示した本発明の改良型装置では、上記効果のほかに、脱気能力が向上した分だけベントポートの天板で冷却され、凝集する揮発分が多くなるが天板の傾斜と、ベントポート内壁に設けた傾斜付の溝の効果により、真空ポンプ(図示なし)による吸引で系外に排出されるため、熱劣化し変色した揮発分が再び押出機内に流入し、溶融混練された熱可塑性樹脂と混ざることで生じる着色ペレットの発生がなくなる。
本発明の押出機および熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂として、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート(以降PBTと記載)及びポリフェニレンサルファイド(以降PPSと記載)などを溶融混練する際に好適に用いることができる。例えば、ナイロンであればベント内部の温度を225±20℃、PBTの場合は、230±20℃、PPSの場合は、ベント金物上部表面5c温度は好ましくは230〜330℃、更に好ましくは250〜330℃、特に好ましくは270〜330℃を維持するよう制御することが好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、強化繊維および/または粒状フィラーを含む熱可塑性樹脂組成物の製造に適している。とくに熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、強化繊維および/または粒状フィラーを40〜70重量部含有する組成物を製造する際に好ましく実施できる。ここで、強化繊維としては、従来熱可塑性樹脂組成物の強化繊維として使用されるものが使用でき、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、スラグ繊維、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化硅素繊維及びホウ素繊維などの無機強化繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、亜麻、リネン、絹、マニラ麻、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙及びウールなどの有機強化繊維等が挙げられる。また、粒状フィラーとしては、従来熱可塑性樹脂組成物の粒状フィラーとして使用されるものが使用でき、珪酸鉱物、珪酸塩鉱物や種々の鉱物類を粉砕などの加工により微粉化した板状、針状、および粒状ものが好ましく用いられる。具体例としては、ベントナイト、ドロマイト、モンモリロナイト、バーライト、微粉ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、ドーソナイト、シラスバルーン、クレー、セリサイト、長石粉、タルク、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、カオリン、ゼオライト(合成ゼオライトも含む)、滑石、マイカ、合成マイカおよびワラステナイト(合成ワラステナイトも含む)、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ハイドロタルサイトおよびシリカなどが挙げられる。
本実施例は、ウェルナー社製ZSK−90 R240P押出機を用い、そのベント部分に市販のジャケットヒーター7(YAGAMI社製:型式GYG)を設置し、ガラス繊維及び炭酸カルシウム等のフィラー成分40〜70重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶融混練させている状態でベント金物上部表面5c温度を測定し、ベントアップせず、脱気能力が向上する最適な温度範囲を検討したものである。
PPSを用いた結果を例に挙げると、溶融混練させ押出機温度が安定した時点で真空ポンプを停止し、ベント装置の上蓋を開け、開けた直後に上部から表面温度計を用いてベント金物上部5c表面温度を測定した。結果、開口部5aでベントアップによる完全閉塞が確認されたのは実測値180〜230℃の範囲であった。ただし、温度が高くなるにつれて開口部5aの樹脂が付着している面積は小さくなっていった。実測値230〜330℃の範囲では、開口部5aの付近に付着する樹脂片は見られるが完全閉塞までには至らず30時間連続生産した後でもベントアップは発生せず、高い脱気能力を維持することができた。実測温度270〜330℃においては、開口部5aにほとんど熱可塑性樹脂組成物の付着はなく48時間以上ベントアップの発生はなく、空隙がほとんどない熱可塑性樹脂ペレットを連続して製造することができた。
本実施例のように、ジャケットヒーター7をベント金物5の外側面に設置し、金物底部の温度を230〜330℃に維持すれば飛散ポリマーの発生抑制によりベントアップ、更には口金詰まりの発生を抑制し、空隙が少ない熱可塑性樹脂ペレット作成することができる。また、270〜330℃の範囲では更に脱気能力を維持することが可能となった。同様に他の熱可塑性樹脂で実施した結果を以下表1に示す。
上記実施例で作成した熱可塑性樹脂ペレットを射出成形する際の装置の概略図を図5に示す。
射出成形のメカニズムは、原料ホッパー部20に原料を投入し、スクリュー21の回転とバレル22の熱によりノズル23方向に可塑化させつつ樹脂を運搬する。この際、熱可塑性樹脂ペレット内の気泡は圧縮され、ノズル23先端方向に追いやられ、樹脂と一緒に外部へ放出される。型締め後、ノズル23を金型24に密着させ、油圧ピストン25によりノズル先端部に充満した可塑化済みの熱可塑性樹脂組成物26(成形品)が金型24内に射出され金型24内に充満される。
金型24内に充満された後も、樹脂の冷却により収縮するため、型内の充満率を維持するために射出圧力はかけられたままとなる。充満された状態のまま低圧で維持し、金型24中で取り出しに支障のない温度まで冷却固化される。
可塑化の終了とともに、金型24が開き始め、射出装置は後退し、金型24にタッチしていたノズル23は金型24から切り離される。成形片は、成形品突き出し装置17が作動することで金型から分離される。
本実施例は、ジャケットヒーターを用いた場合と、用いなかった場合それぞれの熱可塑性樹脂ペレットを用い、上記射出成形プロセスで成形品を製造した際の成形品の品質を比較したものである。熱可塑性樹脂として表1に示す種々のもので行った結果を示す。
Figure 2007290384
ジャケットヒーターを設置せず作成した熱可塑性樹脂ペレットは、内部の脱気能力低下により、微細な空隙が多量残留したことにより熱可塑性樹脂ペレットの嵩密度はフィラー含有40%の熱可塑性樹脂ペレットで0.648g/cm、70%含有の該ペレットで0.724g/cmであった。
このペレットを研磨し、中のボイドの存在を確認したが、ボイドは多量に存在していた。尚、嵩密度の測定は、JIS規格K6721に基づき実施した。
また、該ペレットを用いて成形を試みたが、成形機内部で脱気しきれずに成形片内部にもボイドとして残留した。空隙が成形品内にボイドとして残留すると、成形品の強度低下により客先でのトラブルにつながる。
一方、ジャケットヒーターをベントポート外側面に巻きつけ、ベント金物の温度を270〜330℃に保持して作成した熱可塑性樹脂ペレットは、断面観察の結果ペレット内部の空隙が非常に少なくなっており、嵩密度はそれぞれ0.742及び0.833 g/cmであり、嵩密度が高くなった。該ペレットを用いて成形した場合においても、成形片内部のボイドはほとんど存在していなかった。
本実験で用いた、熱可塑性樹脂組成物は以下の通り。
東レPPS A305MX01B(ガラス繊維45%、炭酸カルシウム5%)
A310M (ガラス繊維35%、炭酸カルシウム35%)
東レPBT 1101GX65B(ガラス繊維40%)
東レナイロン CM1011G45(ガラス繊維40%)
本発明の押出機の1例の横断面図である。 図1の押出機ベント部分の拡大断面図である。 ベントの蓋が円錐状で傾斜溝の付いたベント構造を持つ押出機の横断面図である。 ベントの蓋が円錐状で傾斜溝の付いたベント部分の横断面図である。 本発明で作成したペレット熱可塑性樹脂ペレットを成形する射出成形機の横断面図である。
符号の説明
A 原料供給部
B 溶融混練部
C 揮発分除去部
1 主原料供給ホッパー
1a 粒状フィラー供給部
1b ガラス強化繊維供給部
2 バレル
3 スクリュー
4 ベント
5 ベント金物
5a ベント開口部
5b ベント金物表面
5c ベント金物底部
6 ベントポート
6a ベントポート内部
7 ジャケットヒーター
8 スクリュー噛み合い部分
9 スクリュー−バレル壁隙間
10 主原料供給ホッパー
11a 粒状フィラー供給部
11b ガラス強化繊維供給部
12 バレル
13 スクリュー
14 ベント
15 ベント金物
15a ベント開口部
15b ベント金物表面
15c ベント金物底部
16 ベントポート
16a ベントポート内部
17 ジャケットヒーター
18 スクリュー噛み合い部分
19 スクリュー−バレル壁隙間
α 円錐状の天板蓋の開き角度
β 揮発分の凝集物回収用傾斜溝の角度
20 成形サンプルホッパー
21 射出成型機スクリュー
22 成型機バレル
23 成型機射出ノズル
24 成型金型
25 油圧ポンプ
26 成形品
27 成形品突き出し装置

Claims (10)

  1. 原料供給部(A)、溶融混練部(B)、揮発分除去部(C)及び吐出部からなる熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置であって、揮発分除去部(C)に加熱装置が具備された熱可塑性組成物溶融混練装置。
  2. 加熱装置がジャケット式ヒーターである請求項1記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置。
  3. 原料供給部(A)を複数具備する請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置。
  4. 揮発分除去部(C)に円錐状の蓋を具備する請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置。
  5. 揮発分除去部(C)に排気用の横持ち配管を具備する請求項1〜4いずれか記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置。
  6. 揮発分除去部(C)内壁に、排気管に向かって下降するように傾斜付きの溝を具備した請求項5記載の熱可塑性樹脂溶融混練装置
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物溶融混練装置を用いて溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 揮発分除去部(C)を230〜330℃に保持する請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 熱可塑性樹脂組成物が強化繊維および/または粒状フィラーを含む請求項7または8記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  10. 熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、強化繊維および/または粒状フィラーを40〜70重量部含有する請求項9記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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