JP2007287215A - 磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
寸法安定性に優れ、特に磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、走行耐久性に優れ、高容量高密度磁気記録媒体とすることができる支持体を提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属系無機化合物を含む層(M層)が設けられ、M層の厚みが50〜200nmである磁気記録媒体用支持体であって、少なくとも一方のM層の算術平均粗さRaが15〜40nmであり、最大断面高さRtが150〜300nmである磁気記録媒体用支持体とする。
【選択図】図1
寸法安定性に優れ、特に磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、走行耐久性に優れ、高容量高密度磁気記録媒体とすることができる支持体を提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に金属系無機化合物を含む層(M層)が設けられ、M層の厚みが50〜200nmである磁気記録媒体用支持体であって、少なくとも一方のM層の算術平均粗さRaが15〜40nmであり、最大断面高さRtが150〜300nmである磁気記録媒体用支持体とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられる支持体と、該支持体を用いた磁性層を有する磁気記録媒体とに関する。
二軸延伸ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御のし易さから各種用途に使用されており、特に磁気記録媒体などの支持体としての有用性がよく知られている。近年、磁気テープなどの磁気記録媒体は、機材の軽量化、小型化、大容量化が要求されており、特に大容量化のためには、磁気記録媒体の高密度記録化と薄膜化とが検討されている。
具体的には、高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録トラックを小さくすることが有用である。しかしながら、記録トラックを小さくすると、テープ走行時における熱やテープ保管時の温湿度変化による変形により、記録トラックのずれが起こりやすくなるという問題がある。この観点から、支持体には、強度、寸法安定性の点で二軸延伸ポリエステルフィルムよりも優れた剛性の高い芳香族ポリアミドが用いられることがあるが、芳香族ポリアミドは高価格でコストがかかり、汎用記録媒体の支持体としては現実的ではない。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどを用いたポリエステルフィルムにおいても、延伸技術を用いて高強度化した磁気記録媒体用支持体が開発されているが、温度や湿度に対する寸法安定性などの厳しい要求を満足することはいまだ困難である。そして、温度や湿度に対する寸法安定性を向上するために、ポリエステルフィルムの片面または両面に金属などの補強層を設ける方法も開示されているが(特許文献1)、ただ金属系無機化合物層を設けたのでは、走行性の低下や転写による粗面化といった問題がある。
一方、磁気記録媒体の薄膜化という点については、磁気記録媒体が一般に磁性層、ベースフィルム、バックコート層で構成されているところ、バックコート層を設ける代わりにベースフィルムであるポリエステルフィルムに導電性層をコーティングすることで薄膜化を達成する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、このような磁気記録媒体は走行中に削れが発生しやすいという問題があり、結局、これ以上の薄膜化を達成する現実的な方法は見出されていない。
特開平7−272247号公報
特開2005−071576号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決し、寸法安定性に優れ、薄膜化も可能な磁気記録媒体用支持体を提供することにある。詳しくは、磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、走行耐久性に優れ、高容量高密度磁気記録媒体とすることができる薄膜化可能な支持体を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(6)を特徴とするものである。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが50〜200nm、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Mb層)を有している磁気記録媒体用支持体。
(2)Mb層の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1〜10μmの範囲内である、上記(1)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(3)Mb層の表面抵抗率が1×10−1〜1×106Ωの範囲内である、上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(4)ポリエステルフィルムの一方の表面にMb層を有し、ポリエステルフィルムの他方の表面に、算術平均粗さRaが0.5〜12nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Ma層)を有している、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(5)金属類または金属系無機化合物がアルミニウムを含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体の一方の表面上に磁性層を有し、磁性層を設けた側と反対側の表面にMb層が露出している磁気記録媒体。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが50〜200nm、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Mb層)を有している磁気記録媒体用支持体。
(2)Mb層の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1〜10μmの範囲内である、上記(1)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(3)Mb層の表面抵抗率が1×10−1〜1×106Ωの範囲内である、上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(4)ポリエステルフィルムの一方の表面にMb層を有し、ポリエステルフィルムの他方の表面に、算術平均粗さRaが0.5〜12nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Ma層)を有している、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(5)金属類または金属系無機化合物がアルミニウムを含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体の一方の表面上に磁性層を有し、磁性層を設けた側と反対側の表面にMb層が露出している磁気記録媒体。
なお、本発明において、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に設けられる金属類または金属系無機化合物を含む層(M層)のうち、厚みが50〜200nm、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内のものをMb層、算術平均粗さRaが0.5〜12nmの範囲内のものをMa層という。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、寸法安定性に優れ薄膜化も可能である。特に磁気記録媒体とした際に、環境変化による寸法変化が少なく、走行耐久性に優れ、薄膜化も可能であるので、高容量高密度磁気記録媒体とすることができるものである。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に金属類または金属系無機化合物を含む層(これをM層という)が形成されている。寸法安定性を向上させるには両面に設けられていることが好ましい。
本発明において、金属類とは単体金属、合金、金属間化合物、半金属のことであり、例えば、単体金属ではMg、Al、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Ba、La、Ce、Hf、Ta、W、Pt、Au、Pb、半金属ではC、Si、Ge、Sb、Teなどが挙げられる。合金や金属間化合物は上記記載の金属元素同士の組み合わせが好ましい。2種類でもよいし、複数種を混合してもよい。金属系無機化合物とは上記金属類の酸化物(−O)、窒化物(−N)、炭化物(−C)、水酸化物(−OH)、硫化物(−S)、ホウ化物(−B)、塩化物(−Cl)、炭酸化物(−CO3)などが挙げられる。上記の金属系無機化合物はそれぞれ単独で用いても良く、もちろん複数種を混合してもよい。本発明で金属類または金属系無機化合物を含むとは、組成分析を行い金属成分の濃度が5%at.%以上になるものをいうが、強度を高めるためには、30at.%以上の濃度となるように金属成分を含んでいることが好ましい。なお、at.%とは、atomic%の略であり、全原子数あたりの該当元素の原子数の割合をさす。組成分析は後述するX線光電子分光法(XPS)で行う。
上記金属類または金属系無機化合物を含むM層は、ポリエステルフィルムの両表面で異なる金属成分を含んでいても良く、また、複数種の金属成分を混合して含んでいても構わないが、生産性を高めるためには、両表面で同一種の金属成分を含む方がよい。中でも、寸法安定性、耐摩耗性、生産性、環境性をバランスよく満足するためには、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、珪素元素の少なくとも一種を含んでいることが好ましく、さらにコストを抑えるためにはアルミニウム元素を含むことが好ましい。
M層は、少なくとも一方の厚みが50〜200nmの範囲内である必要がある。好ましくはポリエステルフィルムの両表面に設けられるM層の厚みが共にこの範囲内であることが好ましい。M層の厚みが50nmより小さい場合、補強効果が小さく、寸法安定性が改善されない。M層の厚みの下限は、好ましくは60nm、より好ましくは70nmである。一方、M層の厚みが200nmより大きい場合は、クラックを生じやすく寸法安定性が悪化しやすい。また走行を繰り返すことで剥離や脱落が発生し易く、結果として寸法安定性が悪化する傾向にある。M層の厚みの上限は、好ましくは180nm、より好ましくは150nmである。好ましい範囲としては、60〜180nm、より好ましい範囲としては、70〜150nmである。なお、M層の厚みは、膜厚を直接観察し誤差の発生が少ない透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察によって特定する。
また、本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に設けられる、厚みが50〜200nmのM層の算術平均粗さRaが15〜40nmである必要がある。Raが15nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程や磁気記録媒体として用いる場合は搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがある。Raが40nmより大きい場合は、表面突起が反対側の表面に転写し、電磁変換特性が低下する傾向がある。下限はより好ましくは17nm、さらに好ましくは20nmである。上限はより好ましくは38nm、さらに好ましくは35nmである。好ましい範囲としては17〜38nmで、より好ましい範囲としては、20〜35nmである。算術平均粗さRaは、試料調整が簡便な触針式算術平均粗さ計を用いて測定する。なお、ポリエステルフィルムの両表面に厚みが50〜200nmのM層が設けられる場合は、一方のM層の算術平均粗さRaが上記範囲内であればよく、他方のM層の算術平均粗さRaは後述するような範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に設けられる厚みが50〜200nmのM層の最大断面高さRtが、150〜300nmである必要がある。Rtが150nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程や磁気記録媒体として用いる場合は搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがある。Rtが300nmより大きい場合は、表面突起が反対側の表面に転写し、電磁変換特性が低下する傾向がある。Mb層側の面のRtの下限はより好ましくは160nm、さらに好ましくは170nmである。Mb層側の面のRtの上限はより好ましくは280nm、さらに好ましくは260nmである。好ましい範囲としては160〜280nmで、より好ましい範囲としては、170〜260nmである。最大断面高さRtは、試料調整が簡便な触針式算術平均粗さ計を用いて測定する。なお、ポリエステルフィルムの両表面に厚みが50〜200nmのM層が設けられる場合は、一方のM層の最大断面高さRtが上記範囲内であればよく、他方のM層の算術平均粗さRaは上記の範囲外であってもよい。
このように、本発明の磁気記録媒体用支持体は、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが50〜200nm、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含むM層(これをMb層という)を有しており、特にMb層によって磁気記録媒体としての走行性、帯電性、耐摩耗性を満足することができる。すなわち、従来、磁気記録媒体の帯電性、走行性、耐摩耗性を満足させるためには、磁気記録媒体作製工程で支持体上にカーボンブラックなど導電性をもつ材料とバインダーなどからなるバックコート層を塗布する必要があり、そのバックコート層を均一に塗布するため支持体には平滑性が求められてきた。また、そのバックコート層は、薄くても1.0μm、将来的にも500nm程度の薄さにしか塗布することができないといわれており、磁気記録媒体の薄膜化には限界があった。しかしながら、本発明の磁気記録媒体用支持体では、バックコート層ではなく、上記Mb層を設けるので、表面硬度が高いM層によって基本的に摩耗性が優れたものとなるうえに、50〜200nmといった薄さにすることも可能となり、磁気記録媒体としてのさらなる薄膜化が可能となる。さらに、表面をバックコート層とは異なり上記のように粗くすることで、走行性に優れたものとすることもでき、また、そのように表面を粗くするので、ポリエステルフィルムの表面を必要以上に平滑にする必要がなくなる。なお、バックコート層を塗布する場合のように必要以上に表面を平滑にすると、反対に走行性が悪くなり、接触面積が大きくなるため耐摩耗性も悪化する。したがって、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に設けられるM層の算術平均粗さRa、最大断面高さRtは上記範囲内である必要がある。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、Mb層の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1〜10μmであることが好ましい。RSmが1μmより小さい場合は、突起が密になりすぎて逆に平滑な表面のようになり、フィルム製造、加工工程や磁気記録媒体として用いる場合は搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがある。RSmが10μmより大きい場合は、表面突起が反対側の表面に転写し、電磁変換特性が低下する傾向がある。Mb層側の面のRSmの下限はより好ましくは1.5μm、さらに好ましくは2μmである。Mb層側の面のRSmの上限はより好ましくは9μm、さらに好ましくは8μmである。好ましい範囲としては1.5〜9μmで、より好ましい範囲としては、2〜8μmである。なお、輪郭曲線要素の平均長さRSmは、表面に形成される凹凸の凸部と凸部との距離を示すもので、算術平均粗さRaを測定するときに一緒に測定されるものである。したがって、JIS−B0601(2001)に準拠して測定される。
また、本発明の磁気記録媒体用支持体は、ポリエステルフィルムの両面にM層を設ける場合、Mb層とは反対側の面には算術平均粗さRaが0.5〜12nmの範囲内のM層(これをMa層という)を設けることが好ましい。Mb層とは反対側の面の算術平均粗さRaが0.5nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがあり、磁気テープとして用いる場合に、磁気ヘッドとの摩擦が大きくなり、磁気テープ特性が低下しやすい。また、Mb層とは反対側の面の算術平均粗さRaが12nmより大きい場合は、高密度記録の磁気テープとして用いる場合に、電磁変換特性が低下することがある。Ma層側の面のRaの下限は、より好ましくは2nm、さらに好ましくは3nmであり、Ma層側の面のRaの上限は9nm、さらに好ましくは8nmである。より好ましい範囲としては、2〜9nm、さらに好ましい範囲としては、3〜8nmである。
Ma層側の最大断面高さRtは30〜140nmであることが好ましい。Ma層側のRtが30nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程において、さらには磁気記録媒体として用いる際に、磁気ヘッドなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルや電磁変換特性の悪化を起こすことがある。Ma層側のRtが140nmより大きい場合は、表面突起が磁気ヘッドを削ってしまい、電磁変換特性を悪化させてしまう。Ma層側の面のRtの下限はより好ましくは50nm、さらに好ましくは70nmである。Ma層側の面のRtの上限はより好ましくは120nm、さらに好ましくは110nmである。より好ましい範囲としては50〜120nmで、さらに好ましい範囲としては、70〜110nmである。
さらに、本発明においてMb層の表面抵抗率は1×10−1〜1×106Ωであることが好ましい。表面抵抗率とは、表面比抵抗(Ω/□)とも表記される特性値であり、純粋な表面抵抗(面積によって変わる抵抗値)や線抵抗(導線などの抵抗)とは異なるものである。Mb層の表面抵抗率が1×10−1Ωより低い場合、導電性が高すぎるため、静電気や漏れ電流によって磁気テープに電流が流れてしまい、その電流のために磁気ヘッドがショートし故障することがある。Mb層の表面抵抗率の下限は、好ましくは1×100Ωであり、より好ましくは1×101Ωである。一方、Mb層の表面抵抗率が1×106Ωより高い場合、静電気が溜まりゴミや埃がフィルム表面に付着し易くなり、磁気テープとして使用した際に、ドロップアウトを引き起こす原因にもなり、さらに酸化が進みすぎているために、クラックの発生する可能性がある。Mb層の表面抵抗率の上限は、好ましくは5×105Ω、より好ましくは1×105Ωである。好ましい範囲としては、1×100〜5×105Ω、より好ましい範囲としては、1×101〜1×105Ωである。表面抵抗率はM層を構成する金属成分の種類により制御することができる。表面抵抗率の調整のしやすさから、金属系無機化合物が好ましく、中でも酸化アルミニウムであることが特に好ましい。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、幅方向の湿度膨張係数が−3〜10ppm/%RHであることも好ましい。湿度膨張係数が上記範囲内であることは、磁気記録媒体への加工工程や磁気記録媒体の記録再生時の高湿条件での寸法安定性の観点から好ましい。幅方向の湿度膨張係数の上限は、より好ましくは8ppm/%RH、さらに好ましくは7ppm/%RHである。幅方向の湿度膨張係数の下限はより好ましくは−1ppm/%RH、さらに好ましくは0ppm/%RHである。より好ましい範囲としては、−1〜8ppm/%RH、さらに好ましい範囲としては0〜7ppm/%RHである。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、長手方向のヤング率が5〜13GPaであることが好ましい。長手方向のヤング率が5GPaより小さい場合、テープドライブ内での長手方向への張力によって長手方向に伸び、この伸び変形により幅方向に収縮し、記録トラックずれという問題が発生しやすい。長手方向のヤング率の下限は、より好ましくは6GPa、さらに好ましくは7GPaである。一方、長手方向のヤング率が13GPaより大きい場合、幅方向のヤング率を好ましい範囲に制御することが難しくなり、幅方向のヤング率が不足し、エッジダメージの原因となる。長手方向のヤング率の上限は、より好ましくは12GPa、さらに好ましくは11GPaである。より好ましい範囲としては、6〜12GPa、さらに好ましい範囲としては7〜11GPaである。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、幅方向のヤング率が5〜13GPaの範囲であることが好ましい。幅方向のヤング率が5GPaより小さい場合、エッジダメージの原因となったりすることがある。幅方向のヤング率の下限は、より好ましくは6GPa、さらに好ましくは7GPaである。一方、幅方向のヤング率が13GPaより大きい場合、長手方向のヤング率を好ましい範囲に制御することが難しくなり長手方向の張力により変形しやすくなったり、スリット性が悪化したりすることがある。幅方向のヤング率の上限は、より好ましくは12GPa、さらに好ましくは11GPaである。より好ましい範囲としては、6〜12GPa、さらに好ましい範囲としては7〜11GPaである。
なお、本発明において、支持体の長手方向とは、一般的にMD方向といわれる方向であって、ポリエステルフィルム製造工程時の長手方向と同じ方向を指し、支持体の幅方向とは、一般的にTD方向といわれる方向であって、ポリエステルフィルム製造工程時の幅方向と同じ方向を指す。
本発明において、ポリエステルフィルムとは、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマーで構成されたものである。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。また、これらの共重合体、および変性体でもよく、他の熱可塑性樹脂との混合物でもよい。特に、上記ポリエステル樹脂とポリイミド系樹脂の混合物は混合割合によって耐熱性(ガラス転移温度)を制御できるため、使用条件に合わせたポリマー設計ができるため好ましい。ポリマーの混合割合はNMR法(核磁気共鳴法)や顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)を用いて調べることができる。
ポリイミド系樹脂としては、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
ただし、式中のR1は、
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表している。また、式中のR2は、
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表している。
溶融成形性やポリエステルとの親和性などの点から、下記一般式で示されるような、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有するポリエーテルイミドが特に好ましい。
(ただし、上記式中R3は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基、R4は6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R3、R4としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
上記R3、R4としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
本発明では、ポリエステルとの親和性、コスト、溶融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物である、下記式で示される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい
または
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、ジーイープラスチックス社より入手可能である。
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、ジーイープラスチックス社より入手可能である。
本発明において、ポリエステルフィルムは2層以上の積層構成であることが好ましい。特に、本発明の支持体は、磁気記録媒体に用いるため、一方の表面には、優れた電磁変換特性を得るための平滑さが求められ、他方の表面には、製膜・加工工程での搬送や、磁気テープの走行性や走行耐久性を付与するための粗さが求められる。そのため、ポリエステルフィルムを2層以上の積層構成にすることが好ましい。
ポリエステルフィルムには、その表面に易滑性や耐摩耗性、耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子、有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーン、イミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などが添加されていてもよい。粒子の粒径は後述するSEMによって調べることができ、粒子の添加量も後述する方法で調べることができる。
本発明において、支持体としての厚みは、用途に応じて適宜決定できるが、通常磁気記録媒体用途では2〜7μmが好ましい。この厚みが2μmより小さい場合、磁気テープにした際に電磁変換特性が低下することがある。一方、この厚みが7μmより大きい場合は、テープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量化が困難になる場合がある。したがって、高密度磁気記録媒体用途の場合、厚みの下限は、好ましくは3μm、より好ましくは4μmであり、上限は、好ましくは6.5μm、より好ましくは6μmである。より好ましい範囲としては3〜6.5μm、より好ましい範囲としては4〜6μmである。
また、本発明の支持体を構成するポリエステルフィルムの厚みは、2〜6μmであることが好ましい。この厚みが2μmより小さい場合は、磁気テープにした際にテープに腰がなくなるため、電磁変換特性が低下することがある。ポリエステルフィルムの厚みの下限は、より好ましくは3μm、さらに好ましくは4μmである。一方、ポリエステルフィルムの厚みが6μmより大きい場合は、テープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量化が困難になる場合がある。ポリエステルフィルムの厚みの上限は、より好ましくは5.8μm、さらに好ましくは5.6μmである。より好ましい範囲としては3〜5.8μm、さらに好ましい範囲としては4〜5.6μmである。
上記したような本発明の磁気記録媒体用支持体は、たとえば次のように製造される。
まず、支持体を構成するポリエステルフィルムを製造する。ポリエステルフィルムを製造するには、たとえばポリエステルのペレットを、押出機を用いて溶融し、口金から吐出した後、冷却固化してシート状に成形する。このとき、繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過することが、ポリマー中の未溶融物を除去するために好ましい。また、ポリエステルフィルムの表面に易滑性や耐摩耗性、耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子、有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーン、イミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)など不活性粒子を添加することが好ましい。これらの不活性粒子の粒径、粒子濃度はポリエステルフィルムの表面形態を制御するのに重要である。さらに、本発明を阻害しない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、などが添加されてもよい。
続いて、上記シートを長手方向と幅方向の二軸に延伸した後、熱処理する。
ここで、支持体の長手方向のヤング率は、ポリエステルフィルムの長手方向のヤング率でほとんど決まる。一方、支持体の幅方向のヤング率も、ポリエステルフィルムの幅方向のヤング率でほとんど決まる。したがって、ポリエステルフィルムの長手方向、幅方向のヤング率を制御して、支持体の長手方向、幅方向のヤング率を上述の範囲内にすることが好ましい。ポリエステルフィルムのヤング率は、延伸倍率や延伸温度によって制御できる。基本的には、総面積延伸倍率を高くしたり、延伸温度を低くしたりすれば、製造したポリエステルフィルムのヤング率は高くなる。
延伸工程は、特に限定されないが、各方向において2段階以上に分けることが好ましい。すなわち再縦、再横延伸を行う方法が高密度記録の磁気テープとして最適な高強度のフィルムが得られ易いために好ましい。
延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。しかしながら、特に同時二軸延伸法を用いることが好ましい。逐次二軸延伸法に比べて同時二軸延伸法は、製膜工程で長手方向、幅方向に結晶が均一に成長するため、安定して高倍率に延伸しやすい。なお、ここでいう同時二軸延伸とは、長手方向と幅方向の延伸が同時に行われる工程を含む延伸方式である。必ずしも、すべての区間で長手方向と幅方向が同時に延伸されている必要はなく、長手方向の延伸が先にはじまり、その途中から幅方向にも延伸を行い(同時延伸)、長手方向の延伸が先に終了し、残りを幅方向のみ延伸するような方式でもよい。延伸装置としては、例えば同時二軸延伸テンターなどが好ましく例示され、中でもリニアモータ駆動式の同時二軸テンターが破れなくフィルムを延伸する方法として特に好ましい。
次に、上記のようにして得られたポリエステルフィルムに金属類または金属系無機化合物を含む層(Ma、Mb層)を設ける。Ma、Mb層の形成方法としては、基本的に物理蒸着法や化学蒸着法を用いることができる。ポリエステルフィルムへの化学蒸着法にはプラズマCVD法、光CVD法などがあるが、化学蒸着法は成膜速度が遅く生産性が悪い問題がある。物理蒸着法には真空蒸着法、スパッタリング法があり、特にポリエステルフィルムの受ける熱量の小さい真空蒸着法が好ましく、さらに電子ビーム蒸着法が好ましい。
電子ビーム蒸着法について説明すると、この方法は、ロール状のフィルムを巻出し、冷却されたドラムに密着させながら蒸着を行い、ロール状に巻取る工程を減圧状態に保たれた機器の中で行う方法である。このとき、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に形成されるM層の表面形態を、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内となるようにするために、ポリエステルフィルムそのものの表面形態を上述した方法で制御し粗くすると、冷却ドラムとの密着性が低下して冷却効率が悪くなり、熱による破れやシワが発生し、生産性が損なわれ易くなる。そこで冷却効率を高めるために、冷却ドラムの温度を低くし、ガイドロールを冷却することが好ましい。また、さらに冷却効率を高めるために、ポリエステルフィルムを静電密着させることが好ましい。とくに静電密着の効果を大きくするために、Mb層側となるポリエステルフィルムの面が蒸着前に冷却ドラムと接触するように、Ma層側の面に先に蒸着することが好ましい。さらにポリエステルフィルムを静電密着しやすくするためには、ポリエステルフィルムの溶融状態での電気抵抗を低くすることが好ましく、そのために重合触媒の添加量を増やしておくことが好ましい。
また、本発明の磁気記録媒体用支持体のM層の厚みを上述の範囲内とするためには、金属蒸発量とフィルム搬送速度を制御する必要がある。金属蒸発量が一定である場合、搬送速度を速めるとM層の厚みが薄くなり、遅めるとM層の厚みが厚くなる。逆に搬送速度が一定である場合は、金属蒸発量を減らせばM層の厚みは薄くなり、金属蒸発量を増やせばM層の厚みが厚くなる。金属蒸発量は金属材料によってことなるが、基本的に電子ビームの出力が高いほど金属蒸発量は増加する。
表面抵抗率を上述の範囲内に制御するには、基本的には金属蒸発量と酸素ガス導入量を制御する必要がある。金属蒸発量が一定である場合、酸素ガス導入量を減らせば表面抵抗率が小さくなり、酸素ガス導入量を増やせば表面抵抗率が大きくなる。逆に酸素ガス導入量が一定である場合は、金属蒸発量を減らせば表面抵抗率が大きくなり、金属蒸発量を増やせば表面抵抗率が小さくなる。このとき、酸素ガスは、蒸着源の真横から金属蒸気の流れる方向と同じ方向に供給することが好ましい。
支持体の湿度膨張係数は、M層の金属成分の種類や厚み、酸化度などで制御することができる。支持体の湿度膨張係数はポリエステルフィルムの膨張しようとする力とM層が形状を保持しようとする力の釣り合いである。つまりM層の強度が高いほどM層が形状を保持しようとする力が大きいため、支持体の湿度膨張係数は小さくなる。強度の高い金属材料または金属化合物材料をM層に用いればM層の強度は高くなる。
支持体のヤング率は、M層を構成する金属成分の種類やM層の厚み、酸化度によっても制御できる。M層自体の強度を高く、膜厚を厚くすることで支持体のヤング率を高めることができる。
なお、本発明においては、ポリエステルフィルムやそのポリエステルフィルムを用いて得られた支持体に、必要に応じて、熱処理、マイクロ波加熱、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工、エッチング、などの任意の加工を行ってもよい。
以下、本発明の支持体の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(PET)をポリエステルとして用いた例を代表例として説明する。もちろん、本願はPETフィルムを用いた支持体に限定されるものではなく、他のポリマーを用いたものものでもよい。例えば、ガラス転移温度や融点の高いポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)などを用いてポリエステルフィルムを構成する場合は、以下に示す温度よりも高温で押出や延伸を行えばよい。
まず、ポリエチレンテレフタレートを準備する。ポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、チタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。特に冷却ドラムとの静電密着性を向上させるために触媒残渣が多くなるように触媒を通常より多めに添加するのが好ましい。
ここで、本発明においては、フィルムの表面形態、さらにはそのフィルムの上に設けられるM層の表面形態を制御するために、ポリエステルに不活性粒子を含有させる。算術平均粗さRaは粒子径や粒子濃度で制御することができる。輪郭曲線要素の平均長さRSmは粒子濃度で制御することができる。最大断面高さRtは粒子径や積層厚みで制御することができる。傾向として粒子径が大きいほど算術平均粗さRaは大きくなり、粒子濃度が高いほど算術平均粗さRaは大きくなる傾向がある。輪郭曲線要素の平均長さRSmは粒子濃度が高いほど小さくなる傾向がある。最大断面高さRtは粒子径が大きいほど大きくなり、積層厚みが薄いほど大きくなる傾向がある。
フィルムを構成するポリエステルに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接PETペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の不活性粒子のマスターペレットを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないPETで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
次に、得られたPETのペレットを、180℃で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、270〜320℃に加熱された押出機に供給し、スリット状のダイから押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。
このとき、ポリエステルフィルムの表面形態を制御するためには、さらにはそのフィルムの上に設けられるM層の表面形態を上記のとおり制御するためには、2層以上に溶融積層することが好ましい。すなわち、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層することが好ましい。
たとえば2層にする場合、ポリエステルフィルムを2層(A層(平滑面側)、B層(粗面側))で積層して、A層には、平均粒子径0.01〜0.5μm、粒子濃度0.01〜0.8重量%、の不活性粒子(粒子E)を添加することが好ましい。粒子Eの平均粒子径はより好ましくは0.03〜0.3μm、さらに好ましくは0.05〜0.1μmである。粒子濃度はより好ましくは0.05〜0.6重量%、さらに好ましくは0.1〜0.4重量%である。B層には、平均粒子径0.05〜1.0μm、粒子濃度0.05〜1.5重量%の不活性粒子(粒子F)を添加することが好ましい。粒子Fの平均粒子径はより好ましくは0.1〜0.8μm、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。粒子濃度はより好ましくは0.05〜1.5%、さらに好ましくは0.2〜0.8%である。さらに、磁気記録媒体になったときに走行面となるB層には、走行性や耐摩耗性の観点から平均粒径の異なる不活性粒子(粒子G)も添加することが好ましい。粒子Gは粒子Fより平均粒子径が大きいことが好ましく、粒子Fの平均粒子径より0.2μm以上大きいことがより好ましい。粒子Gの粒子濃度は0.005〜0.1重量%が好ましく、より好ましくは0.007〜0.05重量%、さらに好ましくは0.009〜0.03重量%である。
また、A層、B層の積層比A/Bが1/1〜10/1であることが好ましい。より好ましくは2/1〜8/1、さらに好ましくは3/1〜6/1である。B層の厚みは0.4〜2.5μmが好ましい。より好ましくは0.6〜2μm、さらに好ましくは0.8〜1.5μmである。
次に、このようにして得られた未延伸フィルムを同時二軸延伸テンターに導いて、長手および幅方向に同時に二軸延伸を行う。延伸速度は長手、幅方向ともに100〜20,000%/分の範囲で行うのが好ましい。より好ましくは、500〜10,000%/分、さらに好ましくは2,000〜7,000%/分である。延伸速度が100%/分よりも小さい場合には、フィルムが熱にさらされる時間が長くなるため、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下することがある。また、20,000%/分よりも大きい場合には、延伸時点で分子間の絡み合いが生成しやすくなり、延伸性が低下して、高倍率の延伸が困難となることがある。
また、1段目の延伸温度は、用いるポリマーの種類によって異なるが、未延伸フィルムのガラス転移温度Tgを目安として決めることができる。長手方向および幅方向それぞれの1段目の延伸工程における温度は、Tg〜Tg+30℃の範囲であることが好ましく、より好ましくはTg+5℃〜Tg+20℃である。上記範囲より延伸温度が低い場合には、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、再延伸性が低下して、高倍率に安定して延伸することが困難となったりすることがある。また、上記範囲よりも延伸温度が高い場合には、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下したりすることがある。
延伸倍率は、用いるポリマーの種類や延伸温度によって異なり、また多段延伸の場合も異なるが、総面積延伸倍率(総縦延伸倍率×総横延伸倍率)が、20〜40倍の範囲になるようにすることが好ましい。より好ましくは25〜35倍である。長手方向、幅方向の一方向の総延伸倍率としては、2.5〜8倍が好ましく、より好ましくは、3〜7倍である。延伸倍率が上記範囲より小さい場合には、延伸ムラなどが発生しフィルムの加工適性が低下することがある。また、延伸倍率が上記範囲より大きい場合には、延伸破れが多発して、生産性が低下する場合がある。なお、各方向に関して延伸を多段で行う場合、1段目の長手、幅方向それぞれにおける延伸倍率は、2.5〜5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。また、1段目における好ましい面積延伸倍率は8〜16倍であり、より好ましくは、9〜14倍である。これらの延伸倍率の値は、特に同時二軸延伸法を採用する場合に好適な値であるが、逐次二軸延伸法でも適用できる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法が多段延伸、すなわち再延伸工程を含む場合、2段目の延伸温度はTg+40℃〜Tg+120℃が好ましく、さらに好ましくはTg+60℃〜Tg+100℃である。なお、3段の延伸を行う場合、2段目の延伸温度としては上記温度範囲の中でも比較的低い延伸温度とする方がよい。延伸温度が上記範囲を外れる場合には、熱量不足や結晶化の進みすぎによって、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、十分に配向を高めることができず、強度が低下する場合がある。さらに3段目の延伸を行う場合には、3段目の延伸温度は2段目の延伸温度よりも高く、後述する熱処理の温度よりも低いことが好ましい。なお、3段目の延伸を行うとヤング率や熱的寸法安定性が向上し易い。
また、再延伸を行う場合の一方向における延伸倍率は、1.05〜2.5倍が好ましく、より好ましくは1.2〜1.8倍である。再延伸の面積延伸倍率としては、1.4〜4倍が好ましく、より好ましくは1.9〜3倍である。さらに3段目の延伸を行う場合には、3段目の延伸倍率(一方向)は、1.05〜1.2倍が好ましく、面積延伸倍率は1.1〜1.4が好ましい。
続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱処理する。熱処理条件は、ポリマーの種類によっても異なるが、熱処理温度は、150℃〜230℃が好ましく、熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい。
このとき、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に後述するような方法によって形成されるM層の表面形態を、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内となるようにするためには、ポリエステルフィルムそのものの表面形態を制御し粗くすることが好ましい。しかしポリエステルフィルムの表面が粗くなると冷却ドラムとの密着性が低くなり、熱による破れやシワが発生し、生産性が損なわれる。そこで冷却効率を高めるために、冷却ドラムの温度を低くし、ガイドロールを冷却することが好ましい。また、さらに冷却効率を高めるために、ポリエステルフィルムを静電密着させることが好ましい。とくに静電密着の効果を大きくするために、Mb層側となるポリエステルフィルムの面が蒸着前に冷却ドラムと接触するように、Ma層側の面に先に蒸着することが好ましい。さらにポリエステルフィルムを静電密着しやすくするためにポリエステルフィルムの溶融状態での電気抵抗を低くすることが好ましく、そのために重合触媒の添加量を増やすことが好ましい。
次に、上記のようにして得られたPETフィルムに金属類または金属系無機化合物を含む層(Ma,Mb層)を設ける方法を説明する。
PETフィルム表面に金属類または金属系無機化合物を含む層(M層)を形成するには、たとえば図1に示すような真空蒸着装置を用いる。この真空蒸着装置11においては、真空チャンバ12の内部をポリエステルフィルムが巻出しロール部13からガイドロール15を経て冷却ドラム16で蒸着され巻取りロール部18へと走行する。そのときに、るつぼ23内の金属材料19を電子銃20から照射した電子ビーム21で加熱蒸発させる。酸化物を作製する場合、ガス供給ノズル24から酸素ガスを導入し、蒸発した金属を酸化反応させながら冷却ドラム16上のポリエステルフィルムに蒸着する。このとき冷却効率を高めるためにガイドロール15も冷却することが好ましい。ガイドロール15の表面温度は−40〜30℃の範囲内にすることが好ましい。より好ましくは−35〜20℃、さらに好ましくは−30〜10℃である。
M層をPETフィルムの両表面に形成するには、片方の表面(1面目)に蒸着した後巻取りロール部18から片面蒸着ポリエステルフィルムを取り外し、それを巻出しロール部13にセットし同じように反対側の表面(2面目)に蒸着する。
ここで、真空チャンバ12の内部は1.0×10−8〜1.0×102Paに減圧することが好ましい。さらに緻密で劣化部分の少ないM層を形成させるために好ましくは、1.0×10−6〜1.0×10−1Paに減圧することが好ましい。
冷却ドラム16は、その表面温度を−40〜60℃の範囲内にすることが好ましい。より好ましくは−35〜30℃、さらに好ましくは−30〜0℃である。また、冷却効率を向上させるために、冷却ドラム16を印加させ搬送するフィルムを静電密着させることが好ましい。
電子ビーム21は、その出力を2.0〜8.0kWの範囲内とすることが好ましい。より好ましくは3.0〜7.0kW、さらに好ましくは4.0〜6.0kWの範囲内である。なお、直接ルツボを加熱することで金属材料19を加熱蒸発させてもよい。
真空チャンバ12の内部におけるポリエステルフィルムの搬送速度は20〜200m/minが好ましい。より好ましくは30〜180m/min、さらに好ましくは40〜160m/minである。搬送速度が20m/minより遅すぎる場合、上記のようなM層厚みに制御するためには金属の蒸発量をかなり小さくする必要がある。そのため、M層の組成にバラツキが大きくなりやすくなる。搬送速度が200m/minより速くなると、冷却ドラムとの接触時間が短くなるため熱による破れやシワが発生し、生産性が損なわれる。
真空チャンバ12の内部におけるポリエステルフィルムの搬送張力は50〜150N/mが好ましい。より好ましくは70〜120N/m、さらに好ましくは80〜100N/mである。ただし、2面目の蒸着時には搬送張力を1面目より弱めることが好ましい。2面目の搬送張力は1面目の搬送張力より5〜30N/m低いことが好ましく、より好ましくは7〜25N/m低く、さらに好ましくは10〜20N/m低いことが好ましい。これは、1面目の蒸着時にポリエステルフィルムが熱負荷を受け収縮しようとする力を失うため、2面目の蒸着時に1面目と同様の搬送張力で走行させると、熱による破れやシワが発生し、生産性が損なわれるからである。蒸着は片面ずつ行ってもよいし、両面を1工程で行ってもよい。
蒸着後、M層を安定化させるためには、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返すことが好ましい。さらに20〜50℃の温度で1〜3日間エージングすることが好ましい。
次に、磁気記録媒体を製造する方法を説明する。上記のようにして得られた磁気記録媒体用支持体を、たとえば0.1〜3m幅にスリットし、速度20〜300m/min、張力50〜300N/mで搬送しながら、一方の面(A)に磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布する。なお、上層に磁性塗料を厚み0.1〜0.3μmで塗布し、下層に非磁性塗料を厚み0.5〜1.5μmで塗布する。その後、磁性塗料および非磁性塗料が塗布された支持体を磁気配向させ、温度80〜130℃で乾燥させる。次いで、カレンダー処理した後、巻き取る。なお、カレンダー処理は、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)を用い、温度70〜120℃、線圧0.5〜5kN/cmで行う。その後、60〜80℃にて24〜72時間エージング処理し、1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作製する。次いで、このパンケーキから特定の長さ分をカセットに組み込んで、カセットテープ型磁気記録媒体とする。
ここで、磁性塗料などの組成は例えば以下のような組成が挙げられる。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・2−エチルヘキシルオレート : 1.5重量部
・パルミチン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(LTO4やLTO5など)や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・2−エチルヘキシルオレート : 1.5重量部
・パルミチン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(LTO4やLTO5など)や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
実施例、比較例における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであった。
実施例、比較例における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであった。
(1)M層の厚み
下記条件にて断面観察を行い、得られた合計9点の厚み[nm]の平均値を算出し、M層の厚み[nm]とする。
下記条件にて断面観察を行い、得られた合計9点の厚み[nm]の平均値を算出し、M層の厚み[nm]とする。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM)H−7100FA型 日立製
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:20万倍
試料調整:超薄膜切片法
観察面 :TD−ZD断面
測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
測定条件:加速電圧 100kV
測定倍率:20万倍
試料調整:超薄膜切片法
観察面 :TD−ZD断面
測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
(2)組成分析
下記条件にて、深さ方向の組成分析を行う。炭素濃度が50at.%を越える深さをM層とポリエステルフィルムとの界面とし、表層から界面までを等分に5分割し、それぞれの区間の中央点を測定点として組成分析を行う。得られた各測定点の組成から平均値を算出し、本発明における平均組成とする。
下記条件にて、深さ方向の組成分析を行う。炭素濃度が50at.%を越える深さをM層とポリエステルフィルムとの界面とし、表層から界面までを等分に5分割し、それぞれの区間の中央点を測定点として組成分析を行う。得られた各測定点の組成から平均値を算出し、本発明における平均組成とする。
測定装置:X線光電子分光機 Quantera−SXM 米国PHI社製
励起X線:monochromatic AlKα1,2線(1486.6eV)
X線径 :100[μm]
光電子脱出角度:45°
ラスター領域:2×2[mm]
Arイオンエッチング: 2.0[kV] 1.5×10−7[Torr]
スパッタ速度:3.68nm/min(Si2O換算値)
データ処理:9−point smoothing
ピークの結合エネルギー値から元素情報が得られ、各ピークの面積比を用いて組成を定量化(at.%)する。さらに、金属元素のピークは結合状態(メタル−酸素,メタル−水酸基,メタル−メタルなど)によってそれぞれ結合状態のピークへ分割ができ、それぞれの結合状態のピークの面積比から酸化物などの化合物、単体金属などの組成比を定量化[%]する。
励起X線:monochromatic AlKα1,2線(1486.6eV)
X線径 :100[μm]
光電子脱出角度:45°
ラスター領域:2×2[mm]
Arイオンエッチング: 2.0[kV] 1.5×10−7[Torr]
スパッタ速度:3.68nm/min(Si2O換算値)
データ処理:9−point smoothing
ピークの結合エネルギー値から元素情報が得られ、各ピークの面積比を用いて組成を定量化(at.%)する。さらに、金属元素のピークは結合状態(メタル−酸素,メタル−水酸基,メタル−メタルなど)によってそれぞれ結合状態のピークへ分割ができ、それぞれの結合状態のピークの面積比から酸化物などの化合物、単体金属などの組成比を定量化[%]する。
(3)算術平均粗さRa、最大断面高さRt、輪郭曲線要素の平均長さRSm
触針式表面粗さ計を用いJIS−B0601に準拠して下記条件にて支持体の表面形態を測定する。幅方向に20回走査して測定を行い、得られた結果の平均値によって表される。
触針式表面粗さ計を用いJIS−B0601に準拠して下記条件にて支持体の表面形態を測定する。幅方向に20回走査して測定を行い、得られた結果の平均値によって表される。
測定装置 :小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET−10
触針先端半径:0.5μm
触針荷重 :0.05mN
測定長 :1mm
カットオフ値:0.08mm
測定環境 :温度23℃湿度65%RH
(4)表面抵抗率
表面抵抗率の範囲によって、測定可能な装置が異なるため、まずi)の方法で測定を行い、表面抵抗率が低すぎて測定不可能なサンプルをii)の方法で測定する。5回の測定結果の平均値を本発明における表面抵抗率とする。
触針先端半径:0.5μm
触針荷重 :0.05mN
測定長 :1mm
カットオフ値:0.08mm
測定環境 :温度23℃湿度65%RH
(4)表面抵抗率
表面抵抗率の範囲によって、測定可能な装置が異なるため、まずi)の方法で測定を行い、表面抵抗率が低すぎて測定不可能なサンプルをii)の方法で測定する。5回の測定結果の平均値を本発明における表面抵抗率とする。
i)高抵抗率測定 JIS−C2151(1990)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
測定装置:デジタル超高抵抗/微小電流計R8340 アドバンテスト(株)製
印加電圧:100V
印加時間:10秒間
測定単位:Ω
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
印加電圧:100V
印加時間:10秒間
測定単位:Ω
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
ii)低抵抗率測定
JIS−K7194(1994)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
JIS−K7194(1994)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
測定装置:ロレスターEP MCP−T360 三菱化学製
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
(5)湿度膨張係数
下記条件にて支持体の湿度膨張係数測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における湿度膨張係数とする。
下記条件にて支持体の湿度膨張係数測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における湿度膨張係数とする。
測定装置:大倉インダストリー製テープ伸び試験機
試料サイズ:幅10mm×試長間200mm
荷重:0.1N
測定回数:3回
測定温度:30℃
測定湿度:40%RHで6時間保持し寸法を測定し、昇湿速度1[%RH/分]で80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあと寸法変化量ΔL[mm]を測定した。次式から湿度膨張係数[ppm/%RH]を算出した。
試料サイズ:幅10mm×試長間200mm
荷重:0.1N
測定回数:3回
測定温度:30℃
測定湿度:40%RHで6時間保持し寸法を測定し、昇湿速度1[%RH/分]で80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあと寸法変化量ΔL[mm]を測定した。次式から湿度膨張係数[ppm/%RH]を算出した。
湿度膨張係数[ppm/%RH]=106×{(ΔL/200)/(80−40)}
(6)ヤング率
ASTM−D882(1997)に準拠して支持体のヤング率を測定する。なお、インストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとする。5回の測定結果の平均値を本発明におけるヤング率とする。
(6)ヤング率
ASTM−D882(1997)に準拠して支持体のヤング率を測定する。なお、インストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとする。5回の測定結果の平均値を本発明におけるヤング率とする。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH
測定回数:5回測定し、平均値から算出する。
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH
測定回数:5回測定し、平均値から算出する。
(7)固有粘度
ポリエステルペレットをオルトクロロフェノール中へ溶解し、25℃で測定した溶液粘度から下式に基づいて固有粘度[η]計算する。
ポリエステルペレットをオルトクロロフェノール中へ溶解し、25℃で測定した溶液粘度から下式に基づいて固有粘度[η]計算する。
ηsp/C=[η]+K・[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定する。
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定する。
(8)ガラス転移温度(Tg)
下記装置および条件で未延伸のポリエステルフィルムの比熱測定を行い、JIS−K7121(1987)に従って決定する。
下記装置および条件で未延伸のポリエステルフィルムの比熱測定を行い、JIS−K7121(1987)に従って決定する。
装置 :TA Instrument社製温度変調DSC
測定条件:
加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
昇温ステップ:5K
試料質量 :5mg
試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出する。
測定条件:
加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
昇温ステップ:5K
試料質量 :5mg
試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出する。
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
(9)溶融比抵抗
一対の電極を挿入した容器内に、被測定物質(フィルム)を入れる。この容器を加熱体中に浸す。被測定物質を窒素ガス雰囲気下280℃で溶融貯留し、直流高圧発生装置から電圧を印加する。この時の電流計および電圧計の指示値及び電極面積、電極間距離により、次式に従い溶融比抵抗(p)を求めた。
p=V×S/(I×D)
p:溶融比抵抗(Ω・cm)
V:印加電圧 (V)
S:電極の面積(cm2)
I:測定電流 (A)
D:電極間距離(cm)
試料質量;300g
測定回数;3回測定し、平均値を算出する。
(9)溶融比抵抗
一対の電極を挿入した容器内に、被測定物質(フィルム)を入れる。この容器を加熱体中に浸す。被測定物質を窒素ガス雰囲気下280℃で溶融貯留し、直流高圧発生装置から電圧を印加する。この時の電流計および電圧計の指示値及び電極面積、電極間距離により、次式に従い溶融比抵抗(p)を求めた。
p=V×S/(I×D)
p:溶融比抵抗(Ω・cm)
V:印加電圧 (V)
S:電極の面積(cm2)
I:測定電流 (A)
D:電極間距離(cm)
試料質量;300g
測定回数;3回測定し、平均値を算出する。
(10)粒子の平均粒径
フィルム表面を1N−KOHメタノール溶液を用いてエッチングし、不活性粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定倍率1万倍で100視野写真撮影した。イメージアナライザーによって写真上の個々の粒子の面積を測定し、該面積と等しい面積を有する円の直径を算出してこれを等価円直径とした。各粒子について、等価円直径を算出し、それらの平均値を粒子の平均粒径とした。なお、M層がある場合は、フッ酸によりM層を拭き取り、ポリエステルフィルム面を露出させ測定した。
フィルム表面を1N−KOHメタノール溶液を用いてエッチングし、不活性粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定倍率1万倍で100視野写真撮影した。イメージアナライザーによって写真上の個々の粒子の面積を測定し、該面積と等しい面積を有する円の直径を算出してこれを等価円直径とした。各粒子について、等価円直径を算出し、それらの平均値を粒子の平均粒径とした。なお、M層がある場合は、フッ酸によりM層を拭き取り、ポリエステルフィルム面を露出させ測定した。
(11)粒子の含有量
ポリマーペレットまたはフィルム1gを1N−KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その重量を量ることで粒子の含有量を算出した。なお、M層がある場合は、フッ酸によりM層を拭き取り、ポリエステルフィルム面を露出させ測定した。
ポリマーペレットまたはフィルム1gを1N−KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その重量を量ることで粒子の含有量を算出した。なお、M層がある場合は、フッ酸によりM層を拭き取り、ポリエステルフィルム面を露出させ測定した。
(12)寸法安定性
(幅寸法測定)
1m幅にスリットした支持体を、張力200N/mで搬送し、支持体の一方の表面(A)に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布し(上層が磁性塗料で、塗布厚0.2μm、下層が非磁性塗料で塗布厚0.9μm。)、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧2,000N/cmでカレンダー処理した後、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテープとする。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(重量比)〕
〔長軸長:0.09μm、軸比:6、保磁力:153kA/m(1,922Oe)、飽和磁化:146Am2 /kg(146emu/g)、BET比表面積:53m2 /g、X線粒径:15nm〕
・変成塩化ビニル共重合体(結合剤) : 10重量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・変成ポリウレタン(結合剤) : 10重量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・ポリイソシアネート(硬化剤) : 5重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5重量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1重量部
・カーボンブラック(帯電防止剤) : 1重量部
(平均一次粒子径:0.018μm)
・アルミナ(研磨剤) : 10重量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(非磁性塗料の組成)
・変成ポリウレタン : 10重量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5重量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1重量部
カセットテープのカートリッジからテープを取り出し、下記恒温恒湿槽内へ図2のように作製したシート幅測定装置を入れ、幅寸法測定を行う。なお、図2に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を発振すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
(幅寸法測定)
1m幅にスリットした支持体を、張力200N/mで搬送し、支持体の一方の表面(A)に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布し(上層が磁性塗料で、塗布厚0.2μm、下層が非磁性塗料で塗布厚0.9μm。)、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧2,000N/cmでカレンダー処理した後、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテープとする。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(重量比)〕
〔長軸長:0.09μm、軸比:6、保磁力:153kA/m(1,922Oe)、飽和磁化:146Am2 /kg(146emu/g)、BET比表面積:53m2 /g、X線粒径:15nm〕
・変成塩化ビニル共重合体(結合剤) : 10重量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・変成ポリウレタン(結合剤) : 10重量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・ポリイソシアネート(硬化剤) : 5重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5重量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1重量部
・カーボンブラック(帯電防止剤) : 1重量部
(平均一次粒子径:0.018μm)
・アルミナ(研磨剤) : 10重量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(非磁性塗料の組成)
・変成ポリウレタン : 10重量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5重量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1重量部
カセットテープのカートリッジからテープを取り出し、下記恒温恒湿槽内へ図2のように作製したシート幅測定装置を入れ、幅寸法測定を行う。なお、図2に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を発振すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
測定装置:(株)アヤハエンジニアリング社製シート幅測定装置
レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
荷重4:分銅(長手方向)
試料サイズ:幅1/2inch(12.65mm)×長さ250mm
保持時間:5時間
測定回数:3回測定する。
(幅寸法変化率)
2つの条件でそれぞれ幅寸法(lA,lB)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。次の基準で寸法安定性を評価する。×を不合格とする。
レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
荷重4:分銅(長手方向)
試料サイズ:幅1/2inch(12.65mm)×長さ250mm
保持時間:5時間
測定回数:3回測定する。
(幅寸法変化率)
2つの条件でそれぞれ幅寸法(lA,lB)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。次の基準で寸法安定性を評価する。×を不合格とする。
A条件:10℃10%RH 張力1.0N
B条件:29℃80%RH 張力0.6N
幅寸法変化率[ppm]=106×(|lB−lA|/lA)
◎:幅寸法変化率が0[ppm]以上500[ppm]未満
○:幅寸法変化率が500[ppm]以上800[ppm]未満
×:幅寸法変化率が800[ppm]以上
(13)摩擦係数ΔμK
上記(12)で作製したカセットテープからテープを取り出しテープ走行性試験機を用いて初期の摩擦係数を測定した。測定は下記の条件とした。
B条件:29℃80%RH 張力0.6N
幅寸法変化率[ppm]=106×(|lB−lA|/lA)
◎:幅寸法変化率が0[ppm]以上500[ppm]未満
○:幅寸法変化率が500[ppm]以上800[ppm]未満
×:幅寸法変化率が800[ppm]以上
(13)摩擦係数ΔμK
上記(12)で作製したカセットテープからテープを取り出しテープ走行性試験機を用いて初期の摩擦係数を測定した。測定は下記の条件とした。
測定装置:(株)横浜システム研究所製テープ走行性試験機TBT−300型
試料サイズ:幅1/2inch(12.65mm)、測定長10cm
測定環境:温度25℃、湿度65%RH
ガイドロール:SUS27(6mmφ,表面粗度0.2S)
巻き付け角度:90°
走行速度:3.3cm/s
初期荷重:0.5N
繰り返し走行回数:50回
そのときの入側張力T1、出側張力T2から次式を用いて摩擦係数μKを算出した。
試料サイズ:幅1/2inch(12.65mm)、測定長10cm
測定環境:温度25℃、湿度65%RH
ガイドロール:SUS27(6mmφ,表面粗度0.2S)
巻き付け角度:90°
走行速度:3.3cm/s
初期荷重:0.5N
繰り返し走行回数:50回
そのときの入側張力T1、出側張力T2から次式を用いて摩擦係数μKを算出した。
摩擦係数μK=(2/π)×ln(T1/T2)
なお、50回目の摩擦係数をμKとして算出した。μKが小さいほど摩擦特性に優れ、磁気テープとして使用した際に走行性に優れていることを示す。
なお、50回目の摩擦係数をμKとして算出した。μKが小さいほど摩擦特性に優れ、磁気テープとして使用した際に走行性に優れていることを示す。
(14)削れ
上記(12)の評価後に、バックコート面を光学顕微鏡にて×100倍で10視野観察し、摩擦係数の測定による削れ粉を評価した。評価結果は以下の基準で削れを判定した。
上記(12)の評価後に、バックコート面を光学顕微鏡にて×100倍で10視野観察し、摩擦係数の測定による削れ粉を評価した。評価結果は以下の基準で削れを判定した。
○:10視野中削れ跡がまったく観察されない。
△:10視野中1〜3視野で削れ跡が観察される。
×:10視野中4視野以上で削れ跡が観察される。
(15)磁気テープの電磁変換特性
上記(12)で作成した磁気記録媒体の原反を8mm幅にスリットし、パンケーキを作製した。次いで、このパンケーキから長さ200m分の磁気テープをカセットに組み込んで、カセットテープとした。該磁気テープを市販のHi8用VTR(SONY社製EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販されているHi8用MPビデオテープと比較して、次の通りランク付けした。
上記(12)で作成した磁気記録媒体の原反を8mm幅にスリットし、パンケーキを作製した。次いで、このパンケーキから長さ200m分の磁気テープをカセットに組み込んで、カセットテープとした。該磁気テープを市販のHi8用VTR(SONY社製EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販されているHi8用MPビデオテープと比較して、次の通りランク付けした。
◎:+3dB以上のもの
○:+2dB以上、+3dB未満のもの
△:+1dB以上、+2dB未満のもの
×:+1dB未満のもの
[参考例1]
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部および三酸化アンチモン0.05重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5重量%エチレングリコール溶液を1重量部(リン酸トリメチルとして0.05重量部)添加した。
○:+2dB以上、+3dB未満のもの
△:+1dB以上、+2dB未満のもの
×:+1dB未満のもの
[参考例1]
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部および三酸化アンチモン0.05重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5重量%エチレングリコール溶液を1重量部(リン酸トリメチルとして0.05重量部)添加した。
トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加すると反応内容物の温度が低下する。そこで余剰のエチレングリコールを留出させながら反応内容物の温度が230℃に復帰するまで撹拌を継続した。このようにしてエステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃に達したら、反応内容物を重合装置へ移行した。
移行後、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.62、溶融比抵抗1.0×108Ω・cmのポリエチレンテレフタレートのPETペレットWを得た。
[参考例2]
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩1重量部および三酸化アンチモン0.5重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5重量%エチレングリコール溶液を5重量部(リン酸トリメチルとして0.25重量部)添加した。
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩1重量部および三酸化アンチモン0.5重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5重量%エチレングリコール溶液を5重量部(リン酸トリメチルとして0.25重量部)添加した。
トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加すると反応内容物の温度が低下する。そこで余剰のエチレングリコールを留出させながら反応内容物の温度が230℃に復帰するまで撹拌を継続した。このようにしてエステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃に達したら、反応内容物を重合装置へ移行した。
移行後、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.62、溶融比抵抗5.0×106Ω・cmのポリエチレンテレフタレートのPETペレットXを得た。
[参考例3]
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例1にて作製したPETペレットWを98重量部と平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子の10重量%水スラリーを20重量部(球状シリカとして2重量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の真空度に保持し水分を除去し、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を2重量%含有する固有粘度0.62のPETペレットY0.06を得た。また、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を平均粒径0.02μmの球状シリカに変更して同様に作成したPETペレットペレットY0.02、平均粒径0.04μmに変更して同様に作成したPETペレットY0.04、平均粒径0.09μmに変更して同様に作成したPETペレットをY0.09も得た。
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例1にて作製したPETペレットWを98重量部と平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子の10重量%水スラリーを20重量部(球状シリカとして2重量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の真空度に保持し水分を除去し、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を2重量%含有する固有粘度0.62のPETペレットY0.06を得た。また、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を平均粒径0.02μmの球状シリカに変更して同様に作成したPETペレットペレットY0.02、平均粒径0.04μmに変更して同様に作成したPETペレットY0.04、平均粒径0.09μmに変更して同様に作成したPETペレットをY0.09も得た。
[参考例4]
球状シリカ粒子ではなく球状架橋ポリスチレン粒子を用い、粒子の平均粒径を変更したこと以外、参考例3と同様の方法にて、平均粒径0.2μm、平均粒径0.6μm、平均径0.8μm、平均粒径0.9μm、平均粒径1.1μm、平均粒径1.2μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有する固有粘度0.62のPETペレットZ0.2、PETペレットZ0.6、PETペレットZ0.8、PETペレットZ0.9、PETペレットZ1.1、PETペレットZ1.2を得た。
球状シリカ粒子ではなく球状架橋ポリスチレン粒子を用い、粒子の平均粒径を変更したこと以外、参考例3と同様の方法にて、平均粒径0.2μm、平均粒径0.6μm、平均径0.8μm、平均粒径0.9μm、平均粒径1.1μm、平均粒径1.2μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有する固有粘度0.62のPETペレットZ0.2、PETペレットZ0.6、PETペレットZ0.8、PETペレットZ0.9、PETペレットZ1.1、PETペレットZ1.2を得た。
[参考例5]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03重量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024重量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042重量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023重量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65、溶融比抵抗1.0×108Ω・cmのポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットPを得た。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03重量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024重量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042重量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023重量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65、溶融比抵抗1.0×108Ω・cmのポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットPを得た。
[参考例6]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.3重量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.24重量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042重量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.115重量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65、溶融比抵抗1.0×106Ω・cmのポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットQを得た。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.3重量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.24重量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042重量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.115重量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65、溶融比抵抗1.0×106Ω・cmのポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットQを得た。
[参考例7]
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例5にて作製したペレットPを98重量部と平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子の10重量%水スラリーを20重量部(球状架橋ポリスチレンとして2重量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の真空度に保持し水分を除去し、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を2重量%含有する固有粘度0.65のPENペレットR0.06を得た。
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例5にて作製したペレットPを98重量部と平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子の10重量%水スラリーを20重量部(球状架橋ポリスチレンとして2重量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の真空度に保持し水分を除去し、平均粒径0.06μmの球状シリカ粒子を2重量%含有する固有粘度0.65のPENペレットR0.06を得た。
[参考例8]
球状シリカ粒子ではなく平均粒径0.6μm、平均粒径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、参考例7と同様の方法にて、平均粒径0.6μm、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有する固有粘度0.65のPENペレットS0.6、PENペレットS0.8を得た。
球状シリカ粒子ではなく平均粒径0.6μm、平均粒径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、参考例7と同様の方法にて、平均粒径0.6μm、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2重量%含有する固有粘度0.65のPENペレットS0.6、PENペレットS0.8を得た。
[実施例1]
押出機M、N2台を用い、280℃に加熱された押出機Mには、参考例2、3で得られたPETペレットX90重量部、PETペレットY0.0610重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Nには、参考例2〜4で得られたPETペレットX74.5重量部、PETペレットZ0.625重量部、およびPETペレットZ0.80.5重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比M(A面側)/N(B面側)=4/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
押出機M、N2台を用い、280℃に加熱された押出機Mには、参考例2、3で得られたPETペレットX90重量部、PETペレットY0.0610重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Nには、参考例2〜4で得られたPETペレットX74.5重量部、PETペレットZ0.625重量部、およびPETペレットZ0.80.5重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比M(A面側)/N(B面側)=4/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
この積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度90℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度165℃で長手方向および幅方向に同時に1.4×1.4倍に再延伸した。さらに幅方向に2%の弛緩処理を行いながら温度210℃で1.5秒間熱処理し、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
次に、図1に示す真空蒸着装置11の巻出しロール部13に得られたポリエステルフィルムをセットし、1.5×10−3Paの真空度にした後に、−10℃のガイドロール15、−20℃の冷却ドラム16を介してポリエステルフィルムを搬送速度60m/min、搬送張力100Nで走行させた。このとき、帯電密着装置27を使用し、冷却ドラムへの密着性を向上させた。そして、99.99重量%のアルミニウムを電子ビーム(出力5.1kW)で加熱蒸発させ、さらに蒸発源であるるつぼ23の真横に設置したガス供給ノズル24から酸素ガスを2L/minで金属蒸気と同じ方向に供給し、酸化アルミの蒸着薄膜層(厚み100nm)をフィルムのB面側の層の上に形成して巻取った。次に同様にしてフィルムのA面側の層の上に酸化アルミの蒸着薄膜層を設けた。両面を蒸着した後、真空蒸着装置内を常圧に戻し、40℃の環境で2日間エージングして、磁気記録媒体用支持体を得た。なお、製造条件を表1に示す。
得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表2に示すように、Mb層の厚みおよび表面形状が本発明の範囲内であった。また、磁気テープとして使用した際に寸法安定性、長期保存性、走行耐久性ともに優れた特性を有していた。
[実施例2]
表1のように不活性粒子径、粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaが15nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子径、粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaが15nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例3]
表1のように不活性粒子径、粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaが40nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子径、粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaが40nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例4]
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtが150nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtが150nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例5]
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtが300nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtが300nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例6]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例7]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが10μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが10μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例8]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが0.9μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが0.9μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例9]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが11μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのB面側の輪郭曲線要素の平均長さRSmが11μmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例10]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが0.4μm、最大粗さRtが20nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが0.4μm、最大粗さRtが20nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例11]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが13μm、最大粗さRtが150nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが13μm、最大粗さRtが150nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例12]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが0.6μm、最大粗さRtが40nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが0.6μm、最大粗さRtが40nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例13]
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが11μm、最大粗さRtが120nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように不活性粒子濃度を変更しポリエステルフィルムのA面側の算術平均粗さRaが11μm、最大粗さRtが120nmとなるように変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例14]
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みが50nmとなるように変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みが50nmとなるように変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例15]
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みが200nmとなるように変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みが200nmとなるように変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例16]
290℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例1で得られたPETペレットW50重量%とGE Plastics社製のポリエーテルイミド“Ultem1010”(固有粘度0.68)のペレット50重量%を供給し、ブレンドチップ(I)を作製した。
290℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例1で得られたPETペレットW50重量%とGE Plastics社製のポリエーテルイミド“Ultem1010”(固有粘度0.68)のペレット50重量%を供給し、ブレンドチップ(I)を作製した。
押出機M、N2台を用い、295℃に加熱された押出機Mには、参考例2、3で得られたPETペレットX80重量部、PETペレットY0.0610重量部と、ブレンドチップ(I)10重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Nには、参考例2〜4で得られたPETペレットX64.5重量部、PETペレットZ0.625重量部、PETペレットZ0.80.5重量部と、ブレンドチップ(I)10重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比M(A面側)/N(B面側)=4/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.4×1.4倍に再延伸した。さらに幅方向に2%の弛緩処理を行いながら温度210℃で1.5秒間熱処理し厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
上記したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例17]
押出機M、N2台を用い、280℃に加熱された押出機Mには、参考例6、7で得られたPENペレットQ90重量部、PENペレットR0.0610重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Nには、参考例6〜8で得られたPENペレットQ74.5重量部、PENペレットS0.625重量部、およびPENペレットS0.80.5重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比M(A面側)/N(B面側)=4/1)、表面温度35℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
押出機M、N2台を用い、280℃に加熱された押出機Mには、参考例6、7で得られたPENペレットQ90重量部、PENペレットR0.0610重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Nには、参考例6〜8で得られたPENペレットQ74.5重量部、PENペレットS0.625重量部、およびPENペレットS0.80.5重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比M(A面側)/N(B面側)=4/1)、表面温度35℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
また、得られた未延伸フィルムをリニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度135℃、延伸速度6,000%で4.0倍×4.0倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.2倍に再延伸した。さらに幅方向に2%の弛緩処理を行いながら温度220℃で1.5秒間熱処理し厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。
上記したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例18]
蒸着源を99.999重量%銀へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行い、M層の表面抵抗率を1×10―2Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
蒸着源を99.999重量%銀へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行い、M層の表面抵抗率を1×10―2Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例19]
表1のように蒸着工程条件を変更し、M層の表面抵抗率を1×107Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように蒸着工程条件を変更し、M層の表面抵抗率を1×107Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例20]
表1のように蒸着工程で酸素を導入せず、M層の表面抵抗率を1×10−1Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように蒸着工程で酸素を導入せず、M層の表面抵抗率を1×10−1Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例21]
表1のように蒸着工程条件を変更し、M層の表面抵抗率を1×106Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
表1のように蒸着工程条件を変更し、M層の表面抵抗率を1×106Ωに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例22]
蒸着源を99.99重量%銅へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行ったこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
蒸着源を99.99重量%銅へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行ったこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例23]
蒸着源を99.9999重量%亜鉛へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行ったこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例24]
表1のようにPETペレットXに代えてPETペレットWに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
蒸着源を99.9999重量%亜鉛へ変更し、表1の蒸着工程条件で蒸着を行ったこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[実施例24]
表1のようにPETペレットXに代えてPETペレットWに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
[比較例1]
M層の蒸着を行わないこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体はM層を持たず、また、表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
M層の蒸着を行わないこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体はM層を持たず、また、表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例2]
表1のように不活性粒子径を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaを12nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように不活性粒子径を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaを12nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例3]
表1のように不活性粒子径を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaを42nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように不活性粒子径を変更しポリエステルフィルムのB面側の算術平均粗さRaを42nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例4]
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtを130nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtを130nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例5]
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtを320nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように積層比を変更しポリエステルフィルムのB面側の最大粗さRtを320nmに変更した以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例6]
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みを40nmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みを40nmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
[比較例7]
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みを220nmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
表1のように蒸着工程条件を変更してM層の蒸着厚みを220nmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表2に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
1:レーザー発振器
2:受光部
3:荷重検出器
4:荷重
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光
11:真空蒸着装置
12:真空チャンバ
13:巻出しロール部
14:ポリエステルフィルム
15:ガイドロール
16:冷却ドラム
17:蒸着チャンバ
18:巻取りロール部
19:金属材料
20:電子銃
21:電子ビーム
22:酸素ガスボンベ
23:るつぼ
24:ガス供給ノズル
25:マスク
26:ガス流量制御装置
27:静電密着装置
2:受光部
3:荷重検出器
4:荷重
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光
11:真空蒸着装置
12:真空チャンバ
13:巻出しロール部
14:ポリエステルフィルム
15:ガイドロール
16:冷却ドラム
17:蒸着チャンバ
18:巻取りロール部
19:金属材料
20:電子銃
21:電子ビーム
22:酸素ガスボンベ
23:るつぼ
24:ガス供給ノズル
25:マスク
26:ガス流量制御装置
27:静電密着装置
Claims (6)
- ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面に、厚みが50〜200nm、算術平均粗さRaが15〜40nm、最大断面高さRtが150〜300nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Mb層)を有している磁気記録媒体用支持体。
- Mb層の輪郭曲線要素の平均長さRSmが1〜10μmの範囲内である、請求項1に記載の磁気記録媒体用支持体。
- Mb層の表面抵抗率が1×10−1〜1×106Ωの範囲内である、請求項1または2に記載の磁気記録媒体用支持体。
- ポリエステルフィルムの一方の表面にMb層を有し、ポリエステルフィルムの他方の表面に、算術平均粗さRaが0.5〜12nmの範囲内の、金属類または金属系無機化合物を含む層(Ma層)を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
- 金属類または金属系無機化合物がアルミニウムを含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体の一方の表面上に磁性層を有し、磁性層を設けた側と反対側の表面にMb層が露出している磁気記録媒体。
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-
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- 2006-04-14 JP JP2006111644A patent/JP2007287215A/ja active Pending
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