JP2007275999A - 電動工具及び電動工具用歯車装置 - Google Patents

電動工具及び電動工具用歯車装置 Download PDF

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Junichi Kamimura
淳一 上村
Tomoyoshi Yokota
伴義 横田
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Abstract

【課題】 歯車より発生する騒音を低減すると共に、歯車に生じた過大な負荷を緩和する機構を備えた電動工具及び電動工具用歯車装置の提供。
【解決手段】 スピンドル10とスピンドル10に設けられたカップリング13とカップリング13を内包する内包部11aを有してカップリング13に係合してスピンドル10と同軸回転するインナー部11とインナー部11に設けられた歯車部12とを備え、スピンドル10とカップリング13とは第一の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、インナー部11と歯車部12とは第二の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、内包部11aは凸部11Aを備え、カップリング13にはスピンドル10とインナー部11との相対回転によって凸部11Aに回転方向で当接可能な突出部13Bが設けられた歯車装置9及びディスクグラインダを提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は電動工具及び電動工具用歯車装置に関する。
従来、電動工具においては、交流電流による加振力、歯車のピッチ誤差及び偏心等により回転変動が発生し、駆動軸側の歯車と被動軸側の歯車は、それぞれの歯面で衝突、振動を繰り返す。この衝突等により騒音が発生し、また歯面と歯面との衝突力が加振力となり、歯車部分以外からも騒音が発生する。特に起動時においては駆動軸側のトルクが大きいため衝撃は大きく、騒音が発生していた。
これを解消するために、歯車精度を向上させることや、歯面の形状を変えることにより対策を講じていた。また、構造的に騒音を低減する方法としては、駆動軸と駆動歯車とを結合するために歯車内径に設けられる鋼材キーのがたを利用する方法などがある。
更に騒音を低減するために、出願人らは特許文献1に示されるように、駆動軸と駆動歯車との間に弾性部材を介して駆動力を伝達し、かつスピンドルとカップリングの許容伝達トルクを超える過剰なトルクが加わった際に、スピンドルとカップリングとの間で相対的に摺動して回転する機構を開示している。
特開2005−297135号公報
しかし、特許文献1に示される構成では、スピンドルとカップリングとの間の摺動により回転して過剰なトルクを吸収しているが、スピンドルとカップリングとの間で繰り返し摺動することでかじりを生じ、摺動回転しなくなるおそれがあった。その結果、カップリング及びギヤに過大なトルクが加わって破損する危険性があった。よって本発明は、歯車より発生する騒音を低減すると共に、歯車に生じた過大な負荷を緩和する機構を備えた電動工具及び電動工具用ギヤ機構を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に設けらたモータと、該ハウジング内に支持されて該モータに駆動される歯車装置と、該歯車装置を介して回転可能な回転体と、を備えた電動工具であって、該歯車装置は、該モータにより回転駆動される回転軸と、該回転軸に設けられた中間部材と、該中間部材を内包する内包部を有して該中間部材と係合して該回転軸と同軸回転可能なインナー部と、該インナー部に設けられた歯車部とを有し、該回転軸と該中間部材とは、該回転軸と該中間部材との間に第一の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、該インナー部と該歯車部とは、該インナー部と該歯車部との間に第二の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、該内包部は凸部を備え、該中間部材には、該回転軸と該インナー部との相対回転によって該凸部に回転方向で当接可能な突出部が設けられている電動工具を提供する。
上記構成の電動工具において、該中間部材は該回転軸に圧入されて設けられ、該歯車部は該インナー部に圧入されて設けられていることが好ましい。
また該第一の負荷と該第二の負荷とは、該回転軸に係る軸トルクにより規定され、該第二の負荷が該第一の負荷より大きくなるように該歯車部は該インナー部に圧入されていることが好ましい。
また該内包部内には弾性部材が内蔵され、該弾性部材は該インナー部の該内包部内面と該中間部材とに当接して該インナー部と該中間部材との間で動力伝達可能であることが好ましい。
また上記課題を解決するために本発明は、回転軸と、該回転軸に設けられた中間部材と、該中間部材を内包する内包部を有して該中間部材と係合して該回転軸と同軸回転可能なインナー部と、該インナー部に設けられた歯車部とを備え、該回転軸と該中間部材とは、該回転軸と該中間部材との間に第一の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、該インナー部と該歯車部とは、該インナー部と該歯車部との間に第二の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、該内包部は凸部を備え、該中間部材には、該回転軸と該インナー部との相対回転によって該凸部に回転方向で当接可能な突出部が設けられている歯車装置を提供する。
請求項1記載の電動工具及び請求項5の歯車装置によれば、回転軸に圧入された中間部材が内包部内に内包されて中間部材とインナー部とが当接することにより回転軸と歯車部とが動力的に接続されるので、回転軸と歯車とは直接接続されない。よって回転軸側及び歯車側に生じた衝撃が、歯車側及び回転軸側に伝達されることを抑制することができ、衝撃により発生する騒音を低減することが可能となると共に、歯車の損傷を抑制することが可能となる。また、回転軸または歯車に過大な負荷が生じた場合には、中間部材の突出部と歯車の凸部とが当接し、中間部材と歯車とが一体となって回転する時に回転軸と中間部材との間、若しくはインナー部と歯車部との間のいずれかに負荷に応じた軸トルクが発生するため、これを各部材間で摩擦に係るエネルギーとして消費することが可能となり、歯車等の損傷を防止できる。更に回転軸と中間部材との間、及びインナー部と歯車部との間のそれぞれで回転可能となっているため、いずれか一方が回転不能になった場合に、他方により過大な軸トルクを吸収することができるため、回転軸または歯車に過大な負荷が生じた場合であっても、これを緩和することができる。
請求項2に記載の電動工具によれば、回転軸と中間部材とが圧入されることにより連結され、インナー部と歯車部も同様に圧入されることにより連結される。よって回転軸と中間部材との間、及びインナー部と歯車部との間に摩擦が発生するため、所定の軸トルクがかからない限りは回転軸と中間部材、及びインナー部と歯車部は共周りし、所定の軸トルクがかかった場合のみ相対回転することができる。
請求項3に記載の電動工具によれば、インナー部と歯車部との間で摺動が発生する第二の負荷にかかる軸トルクが、回転軸と中間部材との間で摺動が発生する第一の負荷にかかる軸トルクより大きく設定されているため、過大な負荷がかかった場合には、主に回転軸と中間部材との間で相対回転を生じさせることができる。この場合に回転軸と中間部材との間にかじり等が生じて回転不能になったとしても、インナー部と歯車部との間で相対化移転可能であり、過大な負荷を吸収することができる。
請求項4に記載の電動工具によれば、弾性部材を介して回転軸と歯車部とが弾力的かつ動力的に連結されることが可能となるので、弾性部材部分で回転軸と歯車との間に発生する振動を抑制し、騒音をより低減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態による電動工具及び歯車装置について、ディスクグラインダで実施した例を図1乃至図4を参照しながら説明する。図1に示すディスクグラインダ1は、モータ3を内部に支持収納するハウジング2と、モータ3により回転駆動される歯車装置9と、回転体である研削用砥石4と、カバー5と、ファン7とを主に備えている。ハウジング2にはモータ3の駆動を制御する図示せぬスイッチを備えている。研削用砥石4は、後述のスピンドル10に取り付けられて、研削可能な方向(正転方向)にのみ回転可能でとなっている。カバー5は、ハウジング2に取り付けられて研削用砥石4の外周の半分を覆っている。回転によりファン風を発生させモータ3を冷却するためのファン7は、モータ3の駆動軸3Aに固定して設けられている。
駆動軸3Aの一端側には、ハスバかさ歯車であるピニオンギア3Bが設けられている。駆動軸3Aおよびピニオンギア3Bは、ハウジング2に設けられた第1軸受8Aによって回転可能に支承されている。
歯車装置9は、ハウジング2内に配置されてピニオンギア3Bと噛合し、研削用砥石4が取り付けられる。歯車装置9は、図2に示されるように、スピンドル10と、インナー部11と、歯車部12と、カップリング13と、弾性部材14と、ワッシャ15とから主に構成されている。
回転軸であるスピンドル10は、駆動軸3Aと略直角に延びて研削用砥石4を回転させる回転軸となり、第2軸受8B、第3軸受8Cによりハウジング2に回転可能に支承されている。スピンドル10のハウジング2側となる一端側には、円柱状の第一軸部10Aが規定され、第一軸部10Aにはインナー部11がスピンドル10と同軸に装着されている。またスピンドル10の他端側となる第二軸部10Bには、図1に示されるように、一対の固定部材10Cがスピンドル10に対して回転不能に取り付けられている。そして、研削用砥石4は一対の固定部材10Cに挟持固定されている。
インナー部11は、略円盤状に構成され、その側面にインナー部11の軸方向に穿設された内包部11aが形成され、内包部11内であってインナー部11の中心位置に孔11bが穿設されている。内包部11a内には、内包部11a断面がインナー部11の中心軸方向へ向けて突出している凸部11Aが設けられている。凸部11Aは、凸部11A−1と、凸部11A−2から構成され、この凸部11Aは、内包部11aの直径方向の互いに反対側の位置に一対設けられている。このインナー部11が孔11bにスピンドル10の第一軸部10Aが挿入されてスピンドル10に装着されている。孔11bの内径は第一軸部10Aの外径より、僅かに大きく形成されている。
中間部材であるカップリング13には、その中心を貫通して貫通方向と直交する断面が円形の孔13aが形成され、カップリング13の外周部分には、孔13aの直径方向の互いに反対側となる位置にカップリング13の外周より突出して設けられた一対の壁面部13A、13Aと、一対の壁面部13A、13Aに略直交する位置にカップリング13の外周より突出して一対設けられた突出部13B、13Bとを備えている。
インナー部11が第一軸部10Aに装着された状態で、図3に示されるように、内包部11a内に突出した第一軸部10Aに中間部材であるカップリング13が、孔13aに第一軸部10Aが挿入される様に圧入される。このカップリング13が圧入される際に、図4に示されるように、一方の突出部13Bは内包部11aの一方の凸部11Aに係る凸部11A−1と凸部11A−2との間に挿入され、他方の突出部13Bは他方の凸部11Aに係る凸部11A−1と凸部11A−2との間に挿入される。突出部13Bと凸部11Aはそれぞれ当接可能な位置に配されるため、突出部13Bは、凸部11A−1と凸部11A−2との間でのみ移動可能となり、突出部13Bが設けられたカップリング13はこの間でのみスピンドル10に対して回動可能となる。壁面部13Aは、一方の凸部11Aと他方の凸部11Aの間に配置される。
歯車部12は、略円盤状に構成され、その外周部分にピニオンギア3Bと噛合するハスバかさ歯車となる噛合部12Aが設けられている。また円盤状の略中央部分には歯車部12の軸方向に貫通する孔12aが形成されている。また孔12aの周縁であって噛合部12Aが設けられている面側には、鍔部12Bが設けられている。この孔12a内にインナー部11が嵌合されるように、歯車部12にインナー部11が圧入される。
カップリング13の孔13aは、第一軸部10Aの外径に対して所定値の締め代(0.017mm〜0.039mm)が設けられており、歯車部12の孔13aも、インナー部11の外径に対して所定値の締め代(0.035mm〜0.084mm)が設けられている。第一軸部10A及び孔13aは、圧入されて接する面が研磨加工されているため、カップリング13に所定値の締め代に対する適切な荷重を加えて孔13a内に第一軸部10Aに挿入することにより、締り嵌めされて嵌着される。この時に、圧入個所に滑りが生じる軸トルクは、30Nm〜50Nm(第一の負荷)となり、これらはモータ3により発生する最大軸トルク(約14Nm)の2倍以上の値となる。
インナー部11及び歯車部12の孔12aにおいても、圧入されて嵌着されているため、その圧入箇所に滑りが生じる軸トルクは60Nm〜80Nm(第二の負荷)となり、この値はカップリング13の孔13aにおいて発生する軸トルクより大きくなっている。なお、上記締め代値及び軸トルクは一例であり、回転体である研削用砥石4の大小やモータ3の特性の大小によって適宜設定される。
よって、図3に示すように、歯車部12が圧入により装着されたインナー部11は、スピンドル10とカップリング13とにより、第一軸部10Aの基端位置に狭持される。尚、カップリング13は、圧入されて締り嵌めされるが、インナー部11を固定する位置までは圧入されず、インナー部11とスピンドル10とは相対的に回動可能である。
カップリング13が圧入された後に、図4に示すように、弾性部材14が内包部11a内であって壁面部13Aで仕切られる隙間にそれぞれ配置される。弾性部材14は、耐熱性、耐油性を備えたゴムより形成されており、壁面部13Aの両側に配置されるため、壁面部13Aが内包部11a内で一の弾性部材14と他の弾性部材14との間に挟まれる形状となる。よって壁面部13Aは、内包部11a内において略中心に位置することになる。この壁面部13Aの内包部11a内での位置関係に応じて、壁面部13Aと略直交する位置に設けられている突出部13Bは、図4に示すように、凸部11Aの間の略中心に位置することになり、突出部13Bと凸部11Aとの間に隙間が形成され、負荷がかからない状態で突出部13Bが凸部11Aに当接することはない。
弾性部材14は全て略同一形状であり、弾性部材14を内包する内包部11aはインナー部11の回転の中心軸芯を法線とする面上で、中心軸芯を点として点対称に形成されている。また、スピンドル10及びカップリング13は、スピンドル10の回転の中心軸芯法線とする面上で、中心軸芯を点として点対称に形成されている。弾性部材14は、内包部11a内に配置される際に、壁面部13Aの側面及び内包部11a内面に面するとともに、カップリング13の外周面とも接してカップリング13とインナー部11の間で圧縮されて保持される。内包部11a及びカップリング13及びスピンドル10は点対称に形成されているため、全て略同一形状である弾性部材14を介してのカップリング13及びスピンドル10とインナー部11との位置関係において、それぞれの回転の中心軸芯が略同一となり、弾性部材14が圧縮されて保持されているため、カップリング13及びスピンドル10とインナー部11との位置関係もずれ等が発生せずに保たれる。
ワッシャ15は、中央部に孔15aが穿設され、その外径が歯車部12の鍔部12B内径より小さく構成されており、内包部11a内に配置された弾性部材14を内包部11a内に保持するために設けられている。弾性部材14が配置された状態で、ワッシャ15が第一軸部10Aに、孔15aに第一軸部10Aが挿入されるように装着される。第一軸部10Aのワッシャ15が装着される箇所の近傍には、図2、図3に示されるように、溝10aが穿設してあり、この溝10aにCリング16を嵌着してワッシャ15の第一軸部10Aからの脱落を防止している。よってワッシャ15により、弾性部材14が配置個所より外部へ排出されること防がれる。以上の構成により、スピンドル10と歯車部12とは一体となって回転可能となる。
次にディスクグラインダ1の動作について説明する。作業者がディスクグラインダ1の図示せぬスイッチをONにすることによりモータ3が回転し、この回転をピニオンギア3B及び歯車装置9に伝え、最終的に歯車装置9のスピンドル10に狭持されて固定された研削用砥石4が回転する。インナー部11及び歯車部12とスピンドル10との回転の中心軸芯は略同一であるため、スピンドル10とインナー部11との間での回転の中心軸芯の振れによる振動等は低減されている。
この時に、インナー部11及び歯車部12は、図4に示すように、時計回りに回転する。スイッチを入れた時には研削用砥石4は停止しているため、研削用砥石4が固定されたスピンドル10及びスピンドル10に圧入されたカップリング13は、慣性力によりその位置に止まろうとし、インナー部11に対して相対的に反時計回り方向へ回転する。しかし、カップリング13に設けられた壁面部13Aと内包部11a内の側面とが、弾性部材14Aを介して当接するため、弾性部材14Aが圧縮されることにより、カップリング13とインナー部11との当接を防止し、低騒音で滑らかに回転する。
ディスクグラインダ1が回転中に、被研削材を研削し始めると、研削用砥石4に負荷が生じる。この負荷は被研削材の材質等により決定されるが、被研削材ですべて同じ負荷となるとは限らず、切断個所により生じる負荷に変化が発生する。この負荷の変化により、インナー部11に対してスピンドル10及びカップリング13は、時計回り、反時計回りに回転しようとするが、これらの回転により生じる力はカップリング13とインナー部11との間の弾性部材14により吸収されるため、インナー部11は上記負荷の変化による影響を受け難く、これによってインナー部11とピニオンギア3Bの歯部間でのガタツキ及びこのガタツキに起因する騒音、変形等の発生を抑制することができる。
また負荷の生じない通常回転時でも、交流電源による加振力、歯車部12とピニオンギア3Bとのピッチ誤差や偏心等により、インナー部11の回転数等は微妙に変化するが、この変化により生じる力もカップリング13とインナー部11との間の弾性部材14により吸収されるため、スピンドル10やカップリング13には伝わり難く、研削用砥石4を含むスピンドル10やカップリング13は、研削用砥石4がはずみ車となって、定常回転する。このため、研削用砥石4の振動の発生及びこの振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。なお、カップリング13とインナー部11との間に微妙な回転のずれによる衝撃が発生する場合が有るが、これらの衝撃は弾性部材14で吸収されるため、通常回転時においても、作業者に違和感を生じさせるような衝撃を低減することが可能となる。
ディスクグラインダ1が停止する場合には、作業者がスイッチから手を離すことによりスイッチが切れ、モータ3に電磁ブレーキがかかる。この電磁ブレーキにより、ピニオンギア3Bはその回転に負荷が生じ、インナー部11も急速に回転を停止する。しかし、研削用砥石4を含むスピンドル10及びカップリング13は、研削用砥石4の慣性力により、インナー部11に対して相対的に時計回りの方向に回転する。この時に、カップリング13に設けられた壁面部13Aと内包部11a内の側面とが弾性部材14Bを介して当接し、弾性部材14Bが圧縮されることにより、カップリング13とインナー部11との当接を防止し、衝撃等を発することなく停止することが可能となる。
また、研削用砥石4の回転が瞬時に止められる場合、例えば被研削材を切断中に切断した被研削材により研削用砥石4が狭持されて回転が止まる場合がある。この場合には研削用砥石4及びこれを固定するスピンドル10は停止するが、モータ3に連結されるピニオンギア3B及びインナー部11は回転しようとする。この時にカップリング13とインナー部11との間に介された弾性部材14は壁面部13Aと内包部11aの側面との間で圧縮される。弾性部材14に過度の圧力が加えられると弾性部材14は塑性変形し、その弾性的な特性を失うことになる。よってこれを防止するために、弾性部材14が塑性域まで変形しないようにするために、一定値以上圧縮された状態、即ち、インナー部11に対してカップリング13が一定の回転角以上回転しないようにする。
具体的には、カップリング13の突出部13Bとインナー部11の凸部11Aとが、当接することにより、カップリング13はインナー部11に対して、その当接箇所以上回転することを防止する。この凸部11Aは、突出部13Bに対して、時計回り方向に凸部11A−1、反時計回り方向に凸部11A−2と、突出部13Bが何れの方向に回転しても当接するように設けられている。
よって、研削用砥石4が瞬時に停止した場合は、スピンドル10及びカップリング13の位置が停止した状態でインナー部11が回転するため、弾性部材14Bが縮んで突出部13Bと凸部11A−2とが当接する。当接した後は、インナー部11とカップリング13とは、一体となって回転する。この時に、未だ研削用砥石4が停止したことによる反力が低減されていない場合には、インナー部11に連結するピニオンギア3Bを介してモータ3に反力が伝えられることになる。これによりモータ3は破損等のおそれがある。
しかし、カップリング13はスピンドル10の第一軸部10Aに圧入されているのみであり、第一の負荷(軸トルクが30Nm〜50Nm)以上でカップリング13がスピンドル10に対して回転することが可能である。研削用砥石4が瞬時に停止した場合のスピンドル10とインナー部11との間に係る反力は50Nm以上の軸トルクを示すため、カップリング13とスピンドル10との間で滑りが生じる。
よって、研削用砥石4及びスピンドル10が回転を停止したとしても、インナー部11及びこれと一体となったカップリング13は、カップリング13とスピンドル10との間の滑りにより一定の間回転し、インナー部11に係る軸トルクがカップリング13とスピンドル10との間の滑りに必要な軸トルク以下になるまで圧入個所の摩擦力として軸トルクに係るエネルギーを吸収する。これにより、研削用砥石4が急停止した場合でも、モータ3に負荷をかけることなく停止し、かつ停止時に弾性部材14が劣化することも防止することができる。
なお、インナー部11と歯車部12との間で滑りが生じるのに必要な軸トルクは、カップリング13とスピンドル10との間で滑りが生じる軸トルクである50Nm以上に設定されているため、カップリング13とスピンドル10との間で滑りが生じている間は、インナー部11と歯車部12との間で滑りが生じることが抑制される。
回転している研削用砥石4の急停止等、過大な衝撃がディスクグラインダ1に複数回加えられた場合、カップリング13とスピンドル10との間にかじりが生じ、滑りが生じるのに必要な軸トルクが増大し、第一の負荷以上となる場合がある。この場合においては、第二の負荷まで上昇した時点で、インナー部11と歯車部12との間で滑りが生じ、インナー部11に係る軸トルクが第二の負荷以下になるまで圧入個所の摩擦力として軸トルクに係るエネルギーを吸収する。これにより、カップリング13とスピンドル10との間にかじりが生じた場合であっても、研削用砥石4が急停止した場合にモータ3に負荷をかけることなく停止し、かつ停止時に弾性部材14が劣化することも防止することができる。
また弾性部材14は、図4に示されるように、断面を曲面より形成することにより、内包部11a及び壁面部13Aで囲まれる弾性部材14の四隅に空間が生じる。弾性部材14は衝撃えられた際に、その形状を変化させて衝撃を吸収するが、弾性部材14の周囲が壁面で隙間無く覆われていると形状を変化させる逃げ場がなく、衝撃を吸収する能力が低下する。
更に、弾性部材14の周囲に隙間がなければ、その変形の逃げ場として、壁面部13Aを含むカップリング13と、内包部11aとの間の僅かな隙間に弾性部材14の一部が入り、噛み込みが発生する場合がある。この場合、カップリング13とインナー部11が噛み込み個所を介して連結され、内包部11a内でのカップリング13及び弾性部材14の動作を阻害し、動作不良が発生するおそれがある。また、弾性部材14の一部が噛み込まれることにより弾性部材14が過大に変形されて弾性部材14の寿命を低下させるおそれもある。
よって、弾性部材14の曲面と、内包部11a及び壁面部13Aとで囲まれる隙間を、弾性部材14が最も圧縮される突出部13Bが凸部11Aに当接した状態で隙間が略満たされる大きさに形成する。これにより、弾性部材14が最大限圧縮されたとしても、弾性部材14が、弾性部材14の曲面と内包部11a及び壁面部13Aとで囲まれる隙間を充填するのみで、内包部11aと壁面部13A、及びカップリング13の外周面と凸部11との間で弾性部材14の噛み込みが発生することが抑制され、好適に衝撃を吸収することができる。尚、本発明の電動工具及び電動工具用歯車装置は、上記した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変形や改良が可能である。
本発明の実施の形態に係る電動工具及び電動工具用歯車装置を示した断面詳細図。 本発明の実施の形態に係る電動工具の電動工具用歯車装置の分解斜視図。 本発明の実施の形態に係る電動工具の電動工具用歯車装置にかかる断面図。 本発明の実施の形態に係る電動工具の電動工具用歯車装置の断面図
符号の説明
1・・ディスクグラインダ 2・・ハウジング 3・・モータ 3A・・駆動軸
3B・・ピニオンギア 4・・研削用砥石 5・・カバー 7・・ファン 8A・・軸受
8B・・軸受 8C・・軸受 9・・歯車装置 10・・スピンドル10A・・第一軸部
10B・・第二軸部 10C・・固定部材 10a・・溝 11・・インナー部
11A・・凸部 11a・・内包部 11b・・孔 12・・歯車部 12A・・噛合部
12B・・鍔部 12a・・孔 13・・カップリング 13A・・壁面部
13B・・突出部 13a・・孔 14・・弾性部材 15・・ワッシャ
15a・・孔 16・・Cリング

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内に設けられたモータと、
    該ハウジング内に支持されて該モータで駆動される歯車装置と、
    該歯車装置を介して回転可能な回転体と、を備えた電動工具であって、
    該歯車装置は、該モータにより回転駆動される回転軸と、該回転軸に設けられた中間部材と、該中間部材を内包する内包部を有して該中間部材と係合して該回転軸と同軸回転可能なインナー部と、該インナー部に設けられた歯車部とを有し、
    該回転軸と該中間部材とは、該回転軸と該中間部材との間に第一の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、
    該インナー部と該歯車部とは、該インナー部と該歯車部との間に第二の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、
    該内包部は凸部を備え、該中間部材には、該回転軸と該インナー部との相対回転によって該凸部に回転方向で当接可能な突出部が設けられていることを特徴とする電動工具。
  2. 該中間部材は該回転軸に圧入されて設けられ、該歯車部は該インナー部に圧入されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 該第一の負荷と該第二の負荷とは、該回転軸に係る軸トルクにより規定され、
    該第二の負荷が該第一の負荷より大きくなるように該歯車部は該インナー部に圧入されていることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
  4. 該内包部内には弾性部材が内蔵され、該弾性部材は該インナー部の該内包部内面と該中間部材とに当接して該インナー部と該中間部材との間で動力伝達可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の電動工具。
  5. 回転軸と、
    該回転軸に設けられた中間部材と、
    該中間部材を内包する内包部を有して該中間部材と係合して該回転軸と同軸回転可能なインナー部と、
    該インナー部に設けられた歯車部とを備え、
    該回転軸と該中間部材とは、該回転軸と該中間部材との間に第一の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、
    該インナー部と該歯車部とは、該インナー部と該歯車部との間に第二の負荷が生じたときに互いに相対回転するように構成され、
    該内包部は凸部を備え、該中間部材には、該回転軸と該インナー部との相対回転によって該凸部に回転方向で当接可能な突出部が設けられていることを特徴とする歯車装置。
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